JP4911887B2 - 高平滑更紙 - Google Patents

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Description

本発明は、平滑度の高い更紙に関するものである。
特に近年、印刷物が視覚化、多色化、更には高級化、高速化され、印刷用紙に対する品質要求が多様化しており、これに伴って用紙のグレードが細分化されるとともに品質要求が年々厳しくなりつつある。
出版業界においても、多色印刷や写真調の印刷が多用され、この傾向は所謂週刊誌やコミック誌等においても同様である。これら週刊誌やコミック誌等には、比較的嵩高でページ数の割に本が厚くなるものが好まれ、またコシの強い用紙が好まれるため、一般に更紙と呼ばれる嵩高な紙が用いられる。更紙は嵩を得るため、一般の印刷用紙に施される紙表面の平滑化処理が成されずに製造されている。
このように、従来の更紙は、平滑化処理が施されておらず紙面の平坦性が比較的低くなるので、平坦性が比較的低くても良好な印刷面が得られるオフセット印刷が多用されている。オフセット印刷は、柔軟なブランケットを介して印刷されるため、紙面の凹凸に対する追従性が高く、平坦性が比較的低い紙面にも良好な印刷面を形成できる(特許文献1参照。)。
特開平5−98593号公報
しかしながら、平滑化処理されていない更紙は紙表面における繊維間の絡み度合いが比較的低い一方、オフセット印刷のインキはタックが強いため、オフセット印刷において紙表面の繊維がオフセット印刷版に抜き取られやすくなる。そのため、繊維が紙表面から抜けるピッキングの問題や、微細な繊維の堆積による紙粉の問題が起こりやすくなり、繊維や紙粉がインキに混入したりブランケットに堆積したりして印刷物にカスレや汚れ等を発生させるなど、印刷品質に悪影響を与える場合がある。
また、特に近年の多色印刷や写真調の印刷においては、印刷のスクリーン線数が従来よりも増加しており、より高精細な印刷品質が求められている。即ち、従来の印刷では、スクリーン線数を150〜200線/インチ程度としたものが多く、特に175線/インチのものが多用されていたが、近年では200線/インチを超えるような高精細な印刷が増えつつある。かかる高精細な印刷を行う場合には、上述したピッキングの問題や紙粉の問題が許容できない問題として顕在化する傾向にある。
本発明は、ピッキングの問題や微細な繊維の堆積による紙粉の問題を解決しながら、嵩高で高精細な印刷が可能な更紙を提供することを目的としている。
本発明の高平滑更紙は、坪量40〜60g/mの更紙であって、少なくとも一の紙面に2〜6g/mの澱粉がロールコーターにより塗布されてなるとともに、金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置で平坦化処理されることにより、緊度が0.50〜0.60g/cmで且つ平滑度が100秒以上とされていることを特徴とする。
坪量が40g/m未満であると、週刊誌やコミック誌の用途において好まれている適度な剛度を得ることが出来ず、剛度が不足してページを捲りにくくなるとともに、製本加工性が悪くなる。また坪量が60g/mを超えると、本が重くなるので、物流経費の増大や配送時における取り扱い性の低下を招き、実用性のある更紙とはならない。また、澱粉の塗布量が2g/m未満では更紙の表面強度を充分に高めることが出来ず、6g/mを超えると、澱粉量の増加に伴うコストアップが問題となるのみならず、緊度を下げる要因となり嵩高となりにくくなる。そして、ソフトカレンダ装置で処理されることにより、嵩高性を維持しながら表面の平滑性を向上させることができるとともに、紙表面の繊維の絡み度合いが高くなり前述したピッキングや紙粉の問題を最小限に抑制できる。そして、以上の構成により、緊度が0.50〜0.60g/cmで且つ平滑度が100秒以上の更紙とすることが可能となり、嵩高性を有し且つ高精細印刷が可能で週刊誌、月刊誌、コミック誌などに適した更紙とすることができる。
また、澱粉を塗布する方法としては、澱粉をエマルジョン化して、または適宜希釈するなどして得た塗液を、サイズプレス、タブサイズ、カレンダーサイズ、ワイヤーバー、エアナイフコーター、ロールコーター(ゲートロールコーター)、ブレードコーター(ビルブレードコーター)、スプレー等で紙に塗布する方法を採用することができるが、これらのなかでも、紙表面加工剤を高速、高濃度で塗工でき紙層表面への歩留まりが高く、乾燥熱量が少なくてすむことから、ロールコーターを使用するのが最も好ましい。また、ロールコーターのなかでもゲートロールコーターが、他の表面加工剤等の助剤を用いて両面同時塗工が可能なこと、比較的低塗布量の澱粉を平滑性良く塗工することができること、光沢、インキ受理性等の印刷適性の改善ができること、更には高濃度塗工が可能なため紙層中への水分移動が少なく塗工中の紙切れ、シワの発生が少ないこと等の点から好ましい。
なお、澱粉の塗布量には、紙の表面上に存在する澱粉のみならず、紙の内部に含浸している澱粉も含まれる。また、ソフトカレンダ装置は、少なくとも1ニップの弾性ロールと金属ロールとからなるものである。
なお、澱粉の塗布量は、固形分の付着量を意味する。
この高平滑更紙は、100〜250℃の範囲内の温度に加熱されるとともにロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構で制御された前記金属ロールにより前記平坦化処理がなされるのが好ましい。100〜250℃としたのは、100℃未満では平坦化効果が少なくなり、250℃を超えるとカレンダ焼けや樹脂ロールの熱劣化が大きくなるからである。また、ロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構により、同方向での温度分布を均一化でき、紙幅方向における嵩ムラ、緊度ムラを抑制することができる。
また、この高平滑更紙は、ロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構により制御された前記金属ロールにより前記平坦化処理がなされてもよい。この場合も、ロール幅方向における温度分布を均一化でき、紙幅方向における嵩ムラ、緊度ムラを抑制することができる。
上記高平滑更紙においては、全パルプに対して機械パルプが50重量%以上配合されていると、緊度を低くして嵩高としやすくなるため好ましい。更に、この機械パルプが、プレッシャーライズドグランドウッドパルプ(以下、PGWともいう)及び/又はサーモメカニカルパルプ(以下、TMPともいう)を50重量%以上含有しているのが好ましい。これらのパルプ(TMPとPGWの両方を配合する場合は、TMPとPGWとの合計量)を機械パルプのうち50重量%以上含有させることにより、より一層緊度を低くして嵩高としやすくなる。
以上に記載したように、本発明によれば、坪量、澱粉の塗布量、及び平滑化処理を適切に設定したので、所定の緊度、平滑度を備え嵩高で高精細印刷が可能な更紙を得ることが出来る。
以下に本発明について更に詳細に説明する。
本発明の更紙では、少なくとも紙面の一面側に2〜6g/mの澱粉を塗布する。澱粉の種類は特に限定されず、天然の澱粉(未変性澱粉)の他、例えば酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉等のエステル化澱粉、エーテル化澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、酵素変性澱粉、カチオン澱粉、ジアルデヒド澱粉、冷水可溶性澱粉等を用いることが出来る。
澱粉を塗布する本発明でいうロールコーターとは、一般に使用されているチャンプレックスコーター、ゲートロールコーター、3本リバースロールコーター、トップフィードコーター、コンソリデーテッドコーター、KCMコーター、サイズプレスコーター等のロールコーターを指す。ロールコーターを用いることにより澱粉を平滑性良く塗工でき、ソフトカレンダ装置で処理することで平滑度を100秒以上とすることが容易となる。更に、ロールコーターは、高粘度、高濃度の澱粉を塗工できるので乾燥スペースを小さくすることができ、断紙も少なく生産性が高まるという利点がある。
更紙は表面強度が比較的弱く、オフセット印刷時におけるピッキングの問題や、微細な繊維の堆積による紙粉の問題が発生しやすい傾向にあるが、澱粉を塗布することにより、表面強度が高くなり、ピッキング等の問題を最小限に抑えることができる。
本発明で用いるソフトカレンダ装置のニップ数は特に限定されず、少なくとも1つのニップがあればよい。図1は、総ニップ数が2ニップのソフトカレンダ装置10の例である。このソフトカレンダ装置10は、互いに上下に配置された金属ロール1と弾性ロール2との組み合わせによるニップが2つ並列しており、隣接するニップ相互間で金属ロール1と弾性ロール2との上下関係が逆となっているものであり、いわゆる2ロール1ニップの2タンデムタイプである。本発明で用いるソフトカレンダ装置の総ニップ数において特に上限は無いが、原紙を長網マシンにて抄造する場合は、裏面にあたる面のみをカレンダー処理することが出来るが、近年の1300m/分を越える高速抄紙においては、弾性ロールと加熱金属ロールとを適宜組み合わせた2ニップ以上の多段若しくは、2スタック以上の組み合わせによりソフトカレンダ処理することが好ましい。
ソフトカレンダの場合のニップ圧は、5〜200KN/m、好ましくは10〜180KN/mの範囲である。ニップ圧が5KN/m未満では平滑性の向上効果が少なく不適である。ニップ圧が200KN/mを超えると平滑性は充分確保できるが、嵩高性が減少して緊度が大きくなりすぎる場合があり、例えば密度が0.80g/cmを越えるため不適である。尚、ソフトカレンダの弾性ロールのショアD硬度は80〜90度が好ましく、金属ロールの表面温度は、塗工紙の品質を損なわない限り、特に制限はなく通常用いられる範囲で良い。
また、ソフトカレンダ装置はオフマシンとしてもよく、オンマシンとしてもよいが、オンマシンとすると紙の生産効率が向上する点において好ましい。
本発明の更紙においては、パルプの種類はJISで定められているように、機械パルプの配合があれば、他のパルプの配合は特に限定しない。よって、更紙の範疇である限りあらゆるパルプ種類及びパルプ配合を採用することができ、例えば、全パルプの100%を、機械パルプが多く配合されている古紙(機械パルプの配合割合が高い新聞用紙古紙や雑誌古紙、更紙と同様に機械パルプが配合される中質紙古紙等)から作られる古紙パルプとしてもよく、全パルプの100%を機械パルプとしてもよい。また、機械パルプと古紙パルプとを適宜配合したパルプを用いても良い。木材資源保護や環境問題に対する配慮の観点からは、パルプの少なくとも一部に古紙パルプを用いるのが好ましい。更に好ましくは、機械パルプを全パルプの50重量%以上とし残余のパルプを古紙パルプとするのがよい。この場合、嵩高性が得られやすい機械パルプを主体としているから、緊度を低く抑えることができ、具体的には緊度を0.60g/m以下とするのが容易となる。また残余は古紙パルプであるから、木材資源保護や環境問題への配慮も達成される。
また、全パルプに対して機械パルプが50重量%以上配合されていると、緊度を低くして嵩高としやすくなるので好ましい。機械パルプとしては、PGW(プレッシャーライズドグランドウッドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)の他、GP(グランドウッドパルプ)、RGP(リファイナグランドパルプ)等を挙げることができる。また、機械パルプのうちPGW及び/又はTMPを50重量%以上配合すると、さらに緊度を低くして嵩高としやすいのでより好ましい。また、機械パルプのうち特にPGWは、高温でパルプ化するTMPと比し白色度が高く、高温加圧下でパルプ化されているからGPよりも強度が高いパルプ繊維が得られる。従って、特にPGWを機械パルプに対して50重量%以上含有させることにより、嵩高として緊度を低くしながら、白色度と強度とを両立させることが可能になり、品質良好な更紙とすることができる点で好ましい。同じ理由で、PGWを全パルプに対して50重量%以上含有させるのが更に好ましい。
金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置においては、100〜250℃の高温にて、かつニップ線圧の合計が125〜350KN/mの低ニップ圧で、600〜2000m/分の高速にて極めて短時間のソフトカレンダ処理を行うことにより、高温ソフトカレンダ処理にて平面の平滑性を確実に得ながら、紙の内層部は低い温度状態を維持して嵩を保持することができる。従って、平滑且つ嵩高で不透明度に優れながらカレンダー焼けの少ない更紙を製造することができる。
また、ソフトカレンダの金属ロールを、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により内部から加熱するとともに、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により外部から加熱すると、100〜250℃の高温条件下でも紙厚プロフィルの制御性を確保できるとともにロール表面の温度応答性を確保して温度制御性を向上させることができる。即ち、内部からの加熱だけでは高温化に伴って金属ロールのシェルの厚み方向に応力が発生してロールプロフィルが崩れ、紙厚プロフィルの制御性が低下し、またロール表面の温度応答性が低下するという問題があるのを確実に抑制することができる。
また、ソフトカレンダの金属ロールの表面温度を好ましくは180〜250℃、より好ましくは200〜230℃にして処理すると、カレンダー焼けの発生を確実に防止しつつ、平滑性に優れ、かつ嵩高で不透明度に優れた更紙を得ることができる。
金属ロールを100〜250℃の範囲内の温度にまで加熱できるとともに当該金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な加熱機構は、金属ロールの内部又は外部に設けても良く、更には、金属ロールの内部及び外部に設けても良い。
金属ロールの表面温度を加熱し且つ制御する手法としては、例えば、金属ロール内部に温水や油を循環させる手法の他、金属ロール内に設けられ電磁誘導によりロール自体を誘導発熱させる内部誘導加熱装置を用いることができる。この内部誘導加熱装置としては、金属ロールの外殻部分をなす円筒状のシェルと、該シェルと同軸で該ロールの内側に設けた非回転部としての鉄芯と、この鉄芯の周囲に巻回された誘導コイルとを備え、該誘導コイルに交流電流を流すことで磁束を発生させて、鉄芯を覆う円筒状のシェルを発熱させるものが例示される。この場合、誘導コイルをロールの幅方向(ロールの軸方向)に分割(例えば3〜6分割)するとともに、シェル側には、誘導コイルの各分割部分に対応した位置におけるシェル(金属ロール表面)の温度を測定できる温度センサを設け、各温度センサによる温度信号に基づき対応する誘導コイルに流す交流電流量を制御することで、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な内部加熱機構とすることができる。
また、金属ロールの外部に設けられ該金属ロールを加熱する加熱機構としては、金属ロールの外部から加熱された温風を吹き付ける温風装置や、電磁誘導作用により金属ロール自体を誘導発熱させる外部誘導加熱装置等が例示される。この場合、温風装置や外部誘導加熱装置を金属ロールの幅方向に分割して設けるとともに、金属ロール側には、各分割部分に対応した位置における金属ロール表面の温度を測定できる温度センサを設け、各温度センサによる温度信号に基づき対応する温風装置や外部誘導加熱装置を制御することで、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能な外部加熱機構とすることができる。
また、過度の加熱による用紙の黄変化を防止する方策として採用が考えられる金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能にするクーリング機構としては、金属ロールの外部に設けられ該金属ロールに冷風を吹き付けることのできる冷風装置を例示することができる。この冷風装置としては、通常の空調機等の原理と同様のもので、冷媒ガスとコンプレッサーとを併用した熱交換器を備えたものが例示される。この冷風装置の好ましい仕様としては、冷風温度が0℃〜25℃程度の範囲で調整でき、冷風速度が5〜60m/s程度の範囲で調整できるものがよい。そして例えば、それぞれ独立して制御可能な上記冷風装置をロール幅方向に複数台並列させ、各冷風装置の位置に対応して設けられた温度センサからの温度信号に基づき各冷風装置の冷風温度や冷風速度を制御することにより、金属ロールのロール幅方向における温度分布を制御可能なクーリング機構とすることが出来る。
図1のソフトカレンダ装置10は、上述した内部誘導加熱装置及び外部誘導加熱装置を例示する。図1に示すように、各金属ロール1のそれぞれは、電磁誘導作用により金属ロール1自体を誘導発熱させることができる外部誘導加熱装置3を備えている。図2は、この外部誘導加熱装置3近傍の拡大図であり、ワークコイル4に交流電源(インバータ)5からの交流電源(たとえば3〜20kHzの高周波)を流して磁界(図2において矢印で示す)を発生させ、金属ロール1のシェル6の表面部に渦電流を生成させ自己発電させるものである。ワークコイル4におけるシェル6との対向面はシェル6の外周面に沿った曲面とされ、シェル6とワークコイル4とは、2〜20mm程度離間している。この離間距離は、好ましくは2〜5mmとするのがよい。上述したように、外部誘導加熱装置3をロール幅方向で分割して設けたり、あるいは外部誘導加熱装置3のワークコイル4をロール幅方向に分割した構成とすることにより、ロール幅方向における温度分布を制御することが可能となる。
またソフトカレンダ装置10の各金属ロール1の内部には、電磁誘導の作用により金属ロール1自体を自己発熱させるとともにロール幅方向における温度分布を制御可能な内部誘導加熱装置7が設けられている。この内部誘導加熱装置7は、金属ロール1の外殻を構成する円筒状のシェル6の内側に該シェル6と同軸で設けられた円筒状の鉄芯8と、この鉄芯8に巻き付けられた誘導コイル9とを備えている。誘導コイル9とシェル6との間には、回転部であるシェル6と非回転部である鉄芯8及び誘導コイル9とを区画する所定の隙間がある。誘導コイル9は、交流電源11に接続されており、誘導コイル9に交流電流を流すことによりシェル6が自己発熱する。シェル6の内部には、軸方向(シェル6の長手方向)に延びる通路であるジャケット路12が設けられており、このジャケット路12は、周方向の所定間隔おきに、例えば10本から90本程度設けられ、別途設けられた周方向に延びるジャケット路(図示しない)により相互に連通しているとともに、内部に熱媒体が封入されている。この軸方向のジャケット路12及び周方向のジャケット路(図示しない)により、シェル6の自己発熱による熱が吸収されるとともに、シェル6の温度分布を軸方向(ロール幅方向)及び周方向に均一化する役割を果たす。そして上述したように、誘導コイル9をロール幅方向で分割し(図示しない)、分割された各誘導コイル9を制御することにより、ロール幅方向における温度分布を制御することが可能となる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す。以下の全実施例及び全比較例は、通常の製紙工程を経て製造されるが、以下に示す相違点を除き、全ての例の製造工程は共通である。
また、評価方法は以下の通りである。
(評価方法)
(1)坪量
JIS P 8209に基づき測定した。
(2)緊度
JIS P8209で調整し、JIS P8118で測定した。
(3)平滑度
JIS P8119に規定されるベック平滑度により測定した。
(4)印刷画質の評価をインキ乾燥性と吸水着肉性から評価した。
〔インキ乾燥性〕RI印刷適性評価機(明製作所)を用い、オフセット枚葉印刷用墨インキ0.5ccを展色して印刷し、印刷60秒後に上質紙を印刷面に一定圧力で接着して上質紙へのインキ転移(セットオフ)状況を以下の基準(5点法)で評価した。
5:セットが非常に速く、オフセット枚葉印刷の高速印刷にも対応でき、スプレーパウダーの量を多くする必要がなく、裏移りの問題がないレベル。
4:セットが速く通常印刷ではスプレーパウダーの量を多くする必要がなく、裏移りの問題がないレベル。
3:標準レベル。
2:セットがやや遅く、スプレーパウダーを多くする必要があるが印刷条件の調整により、印刷可能なレベル。
1:セットが遅く、オフセット印刷としては使用不可能なレベル。
〔吸水着肉性〕RI印刷適性評価機(明製作所)を用い、オフセット枚葉印刷用墨インキ0.5ccを展色して印刷し、印刷60秒後に上質紙を印刷面に一定圧力で接着して上質紙へのインキ転移(セットオフ)状況を以下の基準で評価した。
5:オフセット枚葉印刷にては高速印刷および高精細印刷にまで耐えれ、かつ湿し水が増えても吸水着肉性は極めて良好なレベル。
4:オフセット枚葉印刷にては高速印刷に対応でき、吸水着肉性も良好なレベル。
3:標準レベル。
2:吸水着肉性がやや劣るが、オフセット印刷にて湿し水の量、印刷スピードを制限すれば印刷可能なレベル。
1:吸水着肉性が劣り、オフセット印刷としては使用困難なレベル。
(5)表面強度
ドライピックとウエットピックとから評価した。
〔ドライピック〕 ドライピック強度試験RI印刷適性評価機(明製作所製)を用い、タックインキ(東洋インキSMXタック15墨)の印刷にて紙むけ状態を目視にて判定し、10点法(10点を優、1点を劣)で評価した。
〔ウエットピック〕 ウェットピック強度試験RI印刷適性評価機(明製作所製)を用い、モルトンロールで試験片に水を塗布しタックインキ(東洋インキSMXタック15墨)の印刷にて紙むけ状態を目視にて判定し、10点法(10点を優、1点を劣)で評価した。
次のように実施例及び比較例を作製して評価した。
(実施例1)PGW50重量%、古紙パルプ50重量%からなるパルプ配合とし、対パルプ成分当たり硫酸バンド2重量%、填料としてホワイトカーボンを0.5重量%、その他染料、歩留まり剤を混合して調整したパルプスラリーを、長網抄紙機により坪量が49g/mとなるように抄紙した。澱粉の塗布は抄紙機に併設のゲートロールコーターにて行い、表裏合わせて2g/mを両面塗工して乾燥した後、併設のソフトカレンダにて平滑化処理を施した。以上により実施例1の更紙を得た。
(実施例2)実施例1におけるパルプ配合を、PGW60重量%、古紙パルプを40重量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の更紙を得た。
(実施例3)実施例1におけるパルプ配合を、PGW30重量%、TMP20重量%、古紙パルプ50重量%とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の更紙を得た。
(実施例4)実施例1におけるパルプ配合を、PGW40重量%、TMP10重量%、古紙パルプ50重量%とし、且つ実施例1における澱粉の塗布量を表裏あわせて6g/mとした以外は実施例1と同様にして、実施例4の更紙を得た。
(比較例1)実施例1における澱粉の塗布量を表裏あわせて8g/mとした以外は実施例1と同様にして、比較例1の更紙を得た。
(比較例2)実施例3におけるソフトカレンダ処理を施さず、平滑化処理をしなかった以外は、実施例3と同様にして、比較例2の更紙を得た。
(比較例3)実施例1における澱粉の塗布を行わないようにした以外は実施例1と同様にして、比較例3の更紙を得た。
(比較例4)実施例1におけるソフトカレンダ処理を施さず、スーパーカレンダにて平滑化処理を行った以外は実施例1と同様にして、比較例4の更紙を得た。
各実施例及び比較例の仕様及び評価結果を表1に示す。
Figure 0004911887
なお、表1における「パルプ配合」とは、全パルプに対する各パルプの重量%を示す。また、澱粉としては酸化変性澱粉である日本食品加工株式会社製の日食MS#3800を用い、オンマシンのゲートロールコーターにて塗工し、用紙表面の紙面について上記評価を行った。
実施例及び比較例で用いたソフトカレンダ装置は、図1に示すような、2ニップで且つ各金属ロール1の外部及び内部に前述した外部誘導加熱装置及び内部誘導加熱装置を備えたのものをオンマシンで用いたものであり、加熱温度は230℃とした。
比較例で用いたスーパーカレンダは、縦型フレームに10段のロールが組み込まれたものをオフマシンで用いた。通紙中における紙の加熱温度は50℃〜80℃の範囲であった。
表1に示すように、各実施例は、緊度が0.50〜0.60g/cmとなり、週刊誌、月刊誌、コミック誌などの用紙に適した嵩高性を備えた紙とされるとともに、かかる嵩高性を有しながら平滑度が100秒以上で印刷画質及び表面強度も比較的高い紙となった。
本発明に用いられるソフトカレンダ装置の概略構成の一例を示す一部断面斜視図である。 図1のソフトカレンダ装置の、外部誘導加熱装置付近の拡大図である。
符号の説明
1 金属ロール
2 弾性ロール
3 外部誘導加熱装置(加熱機構)
7 内部誘導加熱装置(加熱機構)
10 ソフトカレンダ装置

Claims (4)

  1. 坪量40〜60g/m2の更紙であって、表裏合わせて2〜6g/m2の澱粉をロールコーターにより塗布し、金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置で温度100〜250℃の範囲内の温度に加熱されるとともにロール幅方向における温度分布を均一化する制御を行う加熱機構で制御された前記金属ロールにて、600〜2000m/分の速度で平坦化処理し、緊度が0.50〜0.60g/cm3で且つ平滑度が100秒以上であることを特徴とする、高平滑更紙。
  2. ロール幅方向における温度分布を均一化する制御を行うクーリング機構により制御された前記金属ロールにて平坦化処理したことを特徴とする、請求項1記載の高平滑更紙。
  3. 坪量40〜60g/m2の更紙の製造方法であって、表裏合わせて2〜6g/m2の澱粉をロールコーターにより塗布し、金属ロールと弾性ロールとを備えたソフトカレンダ装置で温度100〜250℃の範囲内の温度に加熱されるとともにロール幅方向における温度分布を均一化する制御を行う加熱機構で制御された前記金属ロールにて、600〜2000m/分の速度で平坦化処理することにより、緊度が0.50〜0.60g/cm3で且つ平滑度が100秒以上であることを特徴とする、高平滑更紙の製造方法。
  4. ロール幅方向における温度分布を均一化する制御を行うクーリング機構により制御された前記金属ロールにて平坦化処理することを特徴とする、請求項3記載の高平滑更紙の製造方法。
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