JP4087414B2 - 塗工紙 - Google Patents

塗工紙 Download PDF

Info

Publication number
JP4087414B2
JP4087414B2 JP2006053724A JP2006053724A JP4087414B2 JP 4087414 B2 JP4087414 B2 JP 4087414B2 JP 2006053724 A JP2006053724 A JP 2006053724A JP 2006053724 A JP2006053724 A JP 2006053724A JP 4087414 B2 JP4087414 B2 JP 4087414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
coating
roll
coated paper
base paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006053724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007231444A (ja
Inventor
剛 毛利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP2006053724A priority Critical patent/JP4087414B2/ja
Publication of JP2007231444A publication Critical patent/JP2007231444A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4087414B2 publication Critical patent/JP4087414B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、塗工紙に関するものである。特に、軽量化、微塗工化するのに適した塗工紙に関するものである。
現在、低コストで効率的に塗工紙を製造するために、抄紙機と塗工機とが一体化したオンマシンコーターが幅広く用いられている。オンマシンコーターによる塗工方式としては、フィルム転写方式とブレード塗工方式とが、主にある。この内、ゲートロールコーターやロッドメタリングコーターのようなフィルム転写コーターは、コンパクトで、操業性がよく、また、種々の製品要求品質に対応が容易であることから、オンマシンでのサイズ剤塗工設備や顔料塗工設備として多く採用されている。
フィルム転写方式は、アプリケーターロール上の計量された塗工液を原紙(基紙)に転写する方式であり、塗工時に原紙にかかる負荷がブレード塗工方式と比較して相対的に小さいため、操業時の断紙トラブル等が少ないという利点があり、極めて高い生産効率を得ることができる。また、フィルム転写コーターは、原紙表面の輪郭に沿った塗工、いわゆる輪郭塗工を行うことができるため、原紙表面の被覆性が高く、軽量、微塗工紙を製造するに適しているといえる。
しかしながら、フィルム転写方式は、アプリケーターロール上の塗工液が原紙に転写される際の転写性に限界があるため、ブレード塗工方式と比較して高塗工量とするのが困難であること、原紙に転写されずにアプリケーターロール上に残った塗工液の一部が飛散すること(以下、この飛散した塗工液を、単に「ミスト」又は「塗工液ミスト」ともいう。)が問題となっている。特に、高速塗工になるほどミストの絶対量が増え、また、塗工液ミストの紙面への付着を原因とする紙剥け等のトラブルが発生する。
アプリケーターロール上の塗工液の原紙への転写性を改善する方法としては、塗工液の保水性を低くして、アプリケーターロールが原紙に接触する際に塗工液が原紙にしみ込みやすくなるようにし、もって転写しやすくなるようにする手法がある。しかしながら、この手法によると、相対的に塗工液の原紙への転写性は良好になるものの、塗工量の変動が大きくなってしまい、被覆性に優れた塗工層を得るのが困難である。また、フィルム転写方式であるゲートロールコーターは、アプリケーターロールの外側に配置されているインナーロールと更に外側のアウターロールとの間のニップ上に塗工液が供給されるコーターである。そして、このインナーロール及びアウターロールは、ともに常時回転している。したがって、塗工液粘度が高いと、塗工液が跳ね上がり(以下、この塗工液の跳ね上がりを、「ボイリング」ともいう。)、操業上大きなトラブルとなるおそれがある。特に、この問題は、高速塗工になるほど大きなものとなる。
一方、ダイレクトメールやチラシ等のカラー印刷化の普及により、印刷後の光沢発現性が高く、微塗工紙における基紙被覆性が良好な、2.5μm程度の高価な大粒径クレーが顔料として使用され、表裏面塗工量が20g/m2未満の微塗工紙の需要が伸びている。また、省資源化、輸送コストの低減等の面から、用紙の軽量化や、高速抄紙化に対応した高濃度塗工液による微塗工化が進んでいる。塗工紙の軽量化は、原紙紙厚が薄くなることによる剛度の低下を招き、他方、塗工液の高濃度化は、溶解度の低い水溶性天然バインダーであるカゼイン、澱粉の減少及び低分子量化による剛度の低下をきたし、高速印刷や自動制御、紙の搬送に不具合が生じる問題が顕在化している。また、原紙紙厚が薄くなることは、昨今の印刷物に対するフルカラー化に印刷不透明度という点で相反する面も有し、軽量化を図りながら高速抄紙を可能にし、かつ剛度を維持した微塗工紙の開発が要望されている。
ところで、塗工紙に関する文献としては、特許文献1がある。本文献は、原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、顔料100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を0.1重量部以上12.0重量部未満含有した塗工液を、フィルム転写方式で塗工することを特徴とする方法である。本文献は、塗工適性が良好でオフセット、グラビア印刷適性を備えた印刷塗工紙の製造方法及び塗工紙の提供を課題とし、解決する手段として、塗工液にPVAを助剤として含有させることで、ボイリングやミストの発生を抑え、良好な塗工適性を得ることができる技術を提案している。
しかしながら、本文献は、アンダー塗工層、上層とも顔料を内在する塗工層を設けることを構成要素としており、顔料を内在する塗工液を原紙上に設けた場合は、接着剤が原紙中に浸透しつつ原紙上に顔料リッチな層を形成することになるため、塗工層面に微細な凹凸が生じ、上層を設けた後の平坦化が図りにくくなるとともに、カレンダー等による平坦化処理にて密度が上がり、嵩高性、剛度が下がる問題が生じる。
また、塗工紙に関する文献としては、特許文献2がある。本文献は、原紙に、顔料及び接着剤を含有する塗被液を少なくとも2度塗被するオフセット印刷用塗被紙の製造方法において、下塗り層をフィルム転写方式の塗被装置を使用して形成し、赤外線乾燥装置で乾燥した直後に、金属ロール及び弾性ロールで構成されるソフトカレンダーを用いてカレンダー処理し、このカレンダー処理した下塗り塗被層上に上塗り層を塗被して形成することを特徴とする方法である。本文献は、原紙上に設けたアンダー(下塗り)塗工層を、ソフトカレンダーにて平坦化処理した後、更に上塗り塗工層を設けることで、高速操業性に優れ、かつ上塗り塗工後の表面性、印刷適性に優れたオフセット印刷用塗被紙の提供を提案するものである。本文献においても、アンダー塗工層として顔料を含有する塗工層を有しており、その表面をソフトカレンダーにて平坦化処理することで、上層にアンダー塗工層面の平坦化を反映させ、上層においても優れた平坦性を得ようとする方策である。
しかしながら、本文献は、接着剤が原紙中に含浸された状態で平坦化処理されるため、原紙の密度が高くなりやすく剛度の低下を招くとともに、顔料及び接着剤の緻密なアンダー塗工層上に上層塗工層を設けることになり、塗工層強度を低下させる原因になっている。また、1500m/分以上の高速オンマシン塗工においては、塗工層の乾燥時間が短くなり、ロール汚れの問題も発現する。また、上層又は下層からなる構成の塗工層に、所定のカオリン、ラテックスを必要とするため、製造コストが高いだけでなく、塗工液中に含有される澱粉の影響で白紙光沢が低い問題を有する。
国際公開第2003/060232号 特開平09−296393号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、フィルム転写(フィルム転写)方式で塗工した際の塗工適性が良好(ミスト、ボイリングが発生しない)であり、嵩高で高い剛度を有し、オフセット印刷やグラビア印刷などにおける優れた印刷適性を備えた塗工紙を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
基紙表面に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層が設けられた塗工紙であって、
基紙表面にフィルム転写方式にてクリアコート層が設けられ、このクリアコート層がプレカレンダーにて平坦化処理され、この平坦化処理されたクリアコート層上に前記塗工層が設けられ、
この塗工層の顔料が、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程を経て得られた塊状の再生粒子を含む
ことを特徴とする塗工紙。
〔請求項2記載の発明〕
前記クリアコート層はポリビニルアルコール又は澱粉の少なくともいずれか一方を含み、このクリアコート層の塗工量が固形分換算で0.5〜4.0g/m2とされている、請求項1記載の塗工紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記再生粒子は、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程を経て得られた、X線マイクロアナライザーによる元素分析にて、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムの、酸化物換算の比率が30〜82:9〜35:9〜35の質量割合である請求項1又は2記載の塗工紙。
(主な作用効果)
・ 1500m/分以上の高速微塗工では、ロールコーター等のフィルム転写設備にて、多量の塗工液ミストが発生し、また、印刷光沢が低下する。しかしながら、平均粒子径1μm以下のクレーからなる微細粒子を使用すると、塗工液ミストの発生が抑制され、また、塗工面が平坦になるので、印刷光沢の低下が抑制される。
・ クリアコート層が設けられていると、フィルム転写設備における塗工液の基紙への浸透(沈み込み)が防止されるため、平均粒子径1μm以下のクレーからなる微細粒子を使用しても、極めて高い平坦性が得られる。したがって、高い被覆性、白紙光沢、印刷光沢が得られ、また、平坦化設備による平坦化がほとんど不要となるため、嵩高性や剛度を向上させることができる。
本発明によると、フィルム転写(フィルム転写)方式で塗工した際の塗工適性が良好(ミスト、ボイリングが発生しない)であり、嵩高で高い剛度を有し、オフセット印刷やグラビア印刷などにおける優れた印刷適性を備えた塗工紙となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔塗工紙〕
本形態の塗工紙は、基紙表面にフィルム転写方式にてクリアコート層が設けられ、このクリアコート層がプレカレンダーにて平坦化処理され、この平坦化処理されたクリアコート層上に塗工層が設けられている。これにより、基紙に吸収されて印刷適性の向上に作用しない塗工液の量が減ることになる。したがって、オフセット印刷やグラビア印刷などにおける優れた印刷適性を備えた塗工紙となる。また、クリアコート層は、プレカレンダーにて平坦化処理されているので、塗工層の軽量化を進めることができ、省資源化や輸送コスト削減を期待することができる。加えて、クリアコート層は、フィルム転写方式にて形成されているので、塗工紙表面の平坦性が確保され、微塗工化を進めることができる。
本形態の基紙は、原料パルプの種類が特に限定されない。原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
ただし、本形態の基紙は、原料パルプ種が、NBKP:LBKP:機械パルプの質量割合が、10〜30:25〜40:40〜60とされているのが好ましく、15〜20:30〜35:50〜60とされているのがより好ましい。NBKPの質量割合が10%未満では、本発明を好適に使用することができる坪量が51.2〜60.2g/m2の範囲において、紙質強度不足が生じるおそれがあり、他方、NBKPの質量割合が30%を超えると、N材特有の長繊維のために均一な基紙地合を得がたく基紙の厚薄ムラが生じ易い。LBKPの質量割合が25%未満では、L材特有の幅広短繊維のために基紙表面の緻密性が劣り、塗工層を設けた場合に、塗工液の浸透ムラ、皮膜成型性低下が生じるおそれがあり、他方、LBKPの質量割合が40%を超えると、基紙の密度が高くなり易く、厚み方向(Z軸方向)のクッション性や嵩高性が低下するためである。機械パルプは、木材を摩砕してパルプ化したものであり、短繊維かつ剛直であり、繊維表面にフィブリルと呼ばれる微細なヒゲ状の繊維枝葉を有する。したがって、機械パルプの質量割合が40%未満では、嵩高効果を発現されず、剛度の向上が得られない。他方、機械パルプの質量割合が60%を超えると、剛直な機械パルプの影響が顕著に表れ、塗工層を設けた際に、塗工層表面に凹凸が生じてしまうほか、微細なヒゲ状の繊維枝葉によって塗工液の吸収が早く、かつ多くなるため、塗工面の平坦性を更に損なうおそれがある。本発明においては原料パルプに古紙パルプも使用することができる。古紙パルプは、一旦抄紙され、再び紙原料として再生されたパルプである。したがって、再生時の熱や化学的または物理的再生手段によって、内在する原料パルプ種である針葉樹クラフトパルプや広葉樹クラフトパルプ、機械パルプが、ともに平坦で柔軟な性状の繊維になっており、パルプ自体の強度は低いものの、用紙表面の平坦性、光沢性向上に寄与する。
全原料パルプに対するNBKPの質量割合を10〜30%とし、濃度調整機能付きインレットにより紙層を形成するとともに、あらかじめクリアコート層を設けた後、塗工層を設けることで、嵩高、軽量、高剛度の微塗工紙を得ることができる。
本形態の基紙は、JIS P 8220:1998に基づいて離解したときの、JIS P 8121:1995に基づくカナダ標準ろ水度が、160〜400cc(CSF)とされているのが好ましく、260〜360cc(CSF)とされているのがより好ましい。カナダ標準ろ水度が160cc(CSF)を下回ると、原紙坪量が35.0〜47.5g/m2の抄紙におけるウエットエンド工程(湿紙形成工程)において、脱水力が低下するため、基紙を構成するパルプがZ軸方向に配向しづらく、紙質強度が低下してしまうとの問題や、1300m/分を超える高速抄紙においては更なる増速ができず生産性を落とす原因になるとの問題が生じる。また、カナダ標準ろ水度が160cc(CSF)を下回ると、基紙の密度が高くなりやすく、軽量で印刷適性の優れた塗工紙が得られないおそれがある。他方、カナダ標準ろ水度が400cc(CSF)を上回ると、基紙の地合が乱れ易く、均一な地合が得られないだけでなく、パルプ繊維間の間隙が不揃いなり、塗工層を設けた際に、塗工液の浸透ムラが生じ、印刷適性が低下してしまうおそれがある。
本形態の基紙は、JIS P 8220:1998に基づいて離解したときの、カヤニ平均繊維長測定器(FS‐100)で測定したカヤニ平均繊維長が、0.85〜1.20mmとされているのが好ましく、0.90〜1.10mmとされているのがより好ましい。カヤニ平均繊維長が0.85mmを下回ると、基紙の密度が高くなり剛度の低下をまねくおそれがあり、また、微細な繊維の割合が多くなるため、断裁時に紙粉が発生しし易くなるためである。他方、カヤニ平均繊維長が1.20mmを上回ると、長繊維分の割合が多いため、基紙の地合が取り難く、塗工層を設けた際に光沢度の低下、塗工ムラを生じるおそれがある。
本形態の塗工紙は、「JIS P 8143:1996に基づく縦方向のこわさ(クラーク、剛度)」/「JIS P 8124:1998に基づく(製品)坪量」が、0.38〜0.51とされているのが好ましく、0.40〜0.50とされているのがより好ましい。本値が0.38を下回ると、腰がない塗工紙となり、加工や印刷作業性が低下し、ペラペラとした手肉感のない安っぽい紙になる。他方、本値が0.51を上回ると、新聞への折込チラシ等の用途において取り扱いにくくなり、新聞がかさばる、重くなる原因になる。
本形態の塗工紙は、JIS P 8143:1996に基づく、縦方向のこわさ(クラーク)が20以上とされ、横方向のこわさ(クラーク)が11以上とされているのが好ましく、縦方向のこわさ(クラーク)が22以上とされ、横方向のこわさ(クラーク)が12以上とされているのがより好ましい。縦方向のこわさ(クラーク)が20を下回ると印刷物を手に持った際に容易に倒れてしまい、印刷情報の判読や取り扱いがし難いためである。また、横方向のこわさ(クラーク)が11を下回ると、書籍や冊子に加工した際に、ページが捲りにくくなり、書籍の成形性が劣るためである。
本形態の塗工紙は、JIS P 8124:1998に基づく(製品)坪量が、40〜64g/m2とされているのが好ましく、51.2〜62.8g/m2とされているのがより好ましい。製品坪量が40g/m2を下回ると印刷作業や加工に必用な紙力が得られにくく、こわさ(クラーク)が低い塗工紙になるためである。他方、製品坪量が64g/m2を上回ると近年の省資源化、軽量化に反するものであり、製造コスト、流通・搬送費用が高くなるためである。
本形態の塗工紙は、JIS P 8142:2005に基づく白紙光沢度が、42%以上であるのが好ましく、43%〜46%であるのがより好ましい。白紙光沢度が42%を下回ると、鮮明な印刷情報の鮮明さ、コントラストの良い印刷情報が表現できず、精細さを欠。他方、白紙光沢度が46%を超えても良いが、46%以下とすることで、近年の高齢化の流れのなかで、いわゆるギラギラとした視認を覚えない、眼精疲労をきたさない目に優しい塗工紙となる。
本形態においては、顔料として、平均粒子径0.5μm以下の、好ましくは0.3μm以下のクレーを、含む、好ましくは45質量%未満の割合で含む。平均粒子径0.5μm以下の微細粒子からなるクレーは、平均粒子径が0.5μmを超える大粒径のクレーより安価であり白紙光沢を向上させることができる。本発明においては、クリアコート層を予め設けることで、微粒クレーの沈み込みを抑えることが可能になるため印刷光沢をも向上させることができる。さらに、塗工液の転写性に優れ、ミストやボイリングの発生を抑制することができる。顔料として、微細粒子には、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程を経て得られた、X線マイクロアナライザー(日立製作所/堀場製作所 EMAX・S‐2150型)による元素分析にて、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含有し、かつ、前記カルシウム、前記ケイ素及び前記アルミニウムの合計含有割合が90質量%以上の再生粒子、好ましくはカルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で40〜82:9〜30:9〜30の質量割合で含有し、かつ、前記カルシウム、前記ケイ素及び前記アルミニウムの合計含有割合が90質量%以上の再生粒子、より好ましくはカルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で60〜82:9〜20:9〜20の質量割合で含有し、かつ、前記カルシウム、前記ケイ素及び前記アルミニウムの合計含有割合が90質量%以上である再生粒子を含むのが望ましい。このような再生粒子は、各元素からなる微細な粒子が不定形に組み合わされた塊状のポーラスな構造を有し、接着剤との親和性が高く、ミストやボイリングの発生を低減し、塗工液転写性に優れ、高い塗工層強度を発現することができるとともに、インキ吸収性が高く、そのもつクッション性から、白紙光沢、印刷光沢、表面平坦性ともに向上させることができる。また、このような再生粒子の使用により、塗工層の密度が下がり、嵩高効果が発現する。
本再生粒子は、脱墨フロスを主成分(原料の50%以上)とするため、品質安定性に優れ、環境に優しい、再資源化するに優れたものである。
再生粒子のカルシウム、ケイ素及びアルミニウムの酸化物換算割合を調整するための方法としては、脱墨フロスにおける原料構成を調整する方法が本筋ではあるが、乾燥・分級工程や焼成工程において、出所が明確な塗工フロスや調整工程フロスをスプレー等で工程内に含有させる方法や、焼却炉スクラバー石灰を含有させる方法などによって調整することもできる。
より具体的には、例えば、再生粒子中のカルシウムの調整には、中性抄紙系の排水スラッジや塗工紙製造工程の排水スラッジを用い、ケイ素の調整には、不透明度向上剤として多量添加されている新聞用紙製造系の排水スラッジを用い、アルミニウムの調整には、酸性抄紙系等の硫酸バンドの使用がある抄紙系の排水スラッジやクレー使用の多い上質紙抄造工程における排水スラッジを適宜用いることができる。
本形態の再生粒子は、例えば、吸油量が30〜100ml/100gである。
本形態の再生粒子は、前述した脱水工程、乾燥工程及び焼成工程等を経た際の粉砕工程前に、40μm以下の粒子が90%以上となるよう処理されているのが好ましい。これにより、従来一般的に行われている乾式粉砕による大粒子の粉砕及び湿式粉砕による微粒子化といった複数段の粉砕処理を行うことなく、湿式による1段粉砕処理も可能となる。これにより、コールターカウンター法による粒度分布の微分曲線における平均粒子径のピーク高さを、平均粒径1.0μm〜1.7μmの範囲内で30%以上とすることができる。
本形態では、以上のようなクレー及び再生粒子のみを使用することもできるが、顔料として通常使用される、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン、合成シリカ、水酸化アルミニウム等の無機粒子、ポリスチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の合成高分子微粒子等から選ばれる少なくとも1種の顔料(粒子)を併用することもできる。
〔製造方法〕
次に、本形態の塗工紙の製造方法について、説明する。
本形態は、運転速度1300m/分以上(例えば、平均運転速度で1600m/分、設計運転速度で1800m/分)の高速で、抄紙し、クリアコート層等の塗工、表面仕上げを行うことにより、例えば、基紙坪量が35〜47.5g/m2、好ましくは35.2〜45.8g/m2、製品(塗工紙)坪量が40〜64g/m2、好ましくは51.2〜62.8g/m2の塗工紙を製造することを意図するものである。
以下、本形態を、図1〜5の設備構成フロー図に基づいて説明する。
〔ワイヤーパート(ヘッドボックス)〕
本形態においては、それぞれループをなす2枚のワイヤー(第1ワイヤー1及び第2ワイヤー2)間にヘッドボックス3から紙料(ジェット)J(図6参照)を噴出して紙層を形成するギャップフォーマー10で抄紙する抄紙機が設置されている。紙料Jは、ワイヤーパートにおいて、サクション(フォーミング)ロール4Aと対向するロール4Bとの間のワイヤー1,2間に吐出されて紙層が形成され、その紙層はサクションロール4A、ブレード5、サクションクーチロール6、サクションボックス7などを通りながら、例えば原料濃度20%程度まで脱水される。
ここで、脱水機構として、図示例ではロール脱水手段及びブレード脱水手段の併用形態を示したが、好ましくは両方(併用)であるが、一方のみとすることもできる。ワイヤーパートでの脱水を、ヘッドボックス3から吐出させた紙料Jをサクションロール4Aにて緩やかに行うことで微細繊維を湿紙中に留め、更にブレード5による脱水手段にて脱水を進めることでインターナルボンドの低下を防ぐことができる。
ヘッドボックス3は、鉛直又は下流側に傾斜した状態で上向き設置され、図6に拡大して示すように、紙料吐出方向線が水平線となす吐出角度θが、50〜90°(度)であるのが望ましい。本形態が意図する高速抄紙のもとでは、地合、Z軸強度、表裏差、繊維配向角などの点から、繊維重量の影響が小さくなる上向きヘッドボックスであることが望ましい。ギャップフォーマー10において、ヘッドボックス3が水平などであると、高速抄紙の下で求める特性が得難い。
〔プレスパート〕
ワイヤーパートでの紙層は、プレスパートに移行され、更に脱水が行われる。
本形態のプレスパートは、第1プレス21及び第2プレス22のそれぞれがシュープレス21a又は22aを有し、オープンドローを無くし断紙を防止するために、紙層をストレートにニップする形態(ストレートスルー型プレス)となっている。また、ダブルフェルトの第1プレス21に対し第2プレス22はボトム側にベルトを採用し、再湿防止による脱水の向上を図っている。紙層坪量が64g/m2以上と高くなり、脱水量が多くなる場合には、ダブルフェルトが望ましい。
〔プレドライヤーパート〕
プレスパートを通った水分率50%程度の湿紙(湿紙層)は、シングルデッキ方式のプレドライヤーパートに移行し、乾燥が図られる。図示のプレドライヤーパートは、ノーオープンドロー形式のシングルデッキドライヤーで、上側が加熱ロール31、下側が真空ロール32とされた適宜の本数のロール構成である。
シングルデッキ方式のドライヤーは、本発明・形態が意図する1300m/分以上の高速運転(抄紙)においても断紙が少なく、また、嵩を落とすことなく高効率に乾燥を行え、品質・操業面において優れている。この点、ダブルデッキ方式のドライヤーにて乾燥する方式も考えられるが、高速抄紙におけるキャンバスマーク、高速乾燥における断紙、シワ、紙継ぎ等の操業性の面で問題がある。
プレドライヤーパート初期では、ドロー調整のために群分けを細かくし、また、通紙性及びシート走行性向上のためにサクションボックス33を設置するのが望ましい。
〔クリアコート(塗工)パート〕
プレドライヤーパートにて乾燥された紙匹(乾燥紙層)は、アフタードライヤーパートとの間のフィルム転写(方式)によるアンダーコーター40において、クリア塗工液(アンダー塗工液)が両面に塗工される。
アンダーコーター40としては、フィルム転写装置を使用するのが好ましく、例えば、図3に示したロッドメタリングサイズプレスコーターのほか、図3中に別途示したゲートロールコーター40Aなどを使用することができる。抄速1500m/分以上のオンマシン高速抄紙において、断紙は生産効率ダウン、塗工品質ムラの発現が生じる最も大きな問題であり、原紙(基紙)に物理的外力を比較的かけずに塗工を行うことが可能な塗工手段として、フィルム転写方式を用い、原紙表面の被覆性が高くなる塗工液転写による輪郭塗工を行うことで、塗工品質が安定したクリアコート層を設けることができる。
アンダー塗工液としては、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉、エーテル化澱粉、両性澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、アルギン酸ソーダ等の水溶性高分子、大豆蛋白、酵母蛋白、セルロース誘導体等の天然接着剤、などを使用することができる。必要により、他の表面サイズ剤、防滑剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、流動変性剤、染料、耐水化剤、保水剤等の各種助剤を配合することもできる。
ただし、本形態のアンダー塗工液は、ポリビニルアルコール及び澱粉の少なくともいずれか一方を含み、これらポリビニルアルコール及び澱粉の合計塗工量が固形分換算で0.5〜4.0g/m2とされているのが好ましく、1.0〜3.0g/m2とされているのがより好ましい。合計塗工量が0.5g/m2未満であると、原紙の被覆性が十分でなく、高い白紙光沢を得ることができないおそれがある。他方、合計塗工量が4.0g/m2を超えると、紙の密度が増して透気度が悪くなり、ブリスターの発生や剛度が低くなりオンマシン抄造における走行性が悪くなり、断紙等のトラブルが発生し易くなる。
アンダー塗工液全体の塗工量は、0.5〜4g/m2とされているのが好ましく、1〜3g/m2とされているのがより好ましい。
前述したフィルム転写方式の塗工手段としては、例えば、ゲートロールコーター、ツーロールサイズプレス、オプチサイザー、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレスなどを使用することができる。ただし、ロッドメタリングサイズプレスを使用する場合は、操業上、ストリーク発生を避けるために、表面が平滑なロッドを用いるのが望ましい。このロッドの径を15〜50mmとすることにより、より好ましい操業性と品質を得ることができる。直径15mmより小さいロッドでは、フィルム形成性能が低く面状が劣る傾向がある。他方、直径50mmより大きいロッドでは、効果が変わらないため、特に大きくする必要性がない。ロッドとしては、溝付きロッド、ワイヤー線巻き付けロッドなどを使用することもできる。
アンダー塗工液の塗工後、アフタードライヤーパートにおいて表面汚れが生じないように、あらかじめエアーターンバー41及び赤外線を使用した補助乾燥装置42を設置するのが望ましい。
〔アフタードライヤーパート〕
図示のシングルデッキ方式のアフタードライヤーパートでは、アンダー塗工液の乾燥が行われる。
〔プレカレンダー〕
その後に、コーターパートにて、例えば、接着剤及び顔料(クレーなど)を主成分とする水性塗工液を塗工し、インキ受容層を形成する。この場合、1300m/分以上の抄紙速度の条件の下で、坪量40〜64g/m2において、低塗工量でしかも高い平滑性及び光沢性の高品質塗工紙が求められるから、水性塗工液を輪郭塗工できるフィルム転写塗工とするのが得られる塗工紙の品質の観点から好ましい。
しかるに、水性塗工液のフィルム転写塗工に先立って、より高い平滑性を確保するために、アンダー塗工液を塗工したクリアコート層の表面を、プレカレンダー50により平坦化(平滑化)処理するのが望ましい。実施の形態のプレカレンダー50は、上側が金属ロール51で下側が弾性ロール52であるソフトカレンダーである。プレカレンダー50は、1段又は必用に応じ2段以上の組合せで行うこともできる。
プレカレンダー50での処理により、基紙(クリアコート層)表面を平坦化処理することができるとともに、後の熱ソフトカレンダーで過度の平坦化処理を要しないことで、紙の緊度を高くすることなく基紙表面の平坦性を向上させることが可能になり、嵩高な塗工紙を得ることができる。また、基紙表面の平坦化処理により塗工液の転写性を向上させ、ミストやボイリングの発生を抑え、塗工液の塗工ムラの発現を抑えることができる。
プレカレンダー50における金属ロール51の表面粗さ(JIS B 0601)は0.02〜0.2μmで、弾性ロール52のショアーD硬度は90以上であるのが望ましい。
また、プレカレンダー50でのニップ圧は、5〜50kN/m、好ましくは10〜40kN/mである。ニップ圧が5kN/m未満であると、基紙の平滑性が劣る。他方、ニップ圧が50kN/mを超えると、紙の緊度が過度となる。
プレカレンダー50の金属ロール51としては、必要によって、後述する熱ソフトカレンダーと同様にオイルなどの熱媒体を流通させて加熱するもの、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置を備えるもの、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置を備えるもの、ロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備を備えるもの、などを採用することができる。
〔コーターパート(塗工工程)〕
本形態におけるコーターパートにおいては、塗工紙の両面に対する塗工を担う塗工工程を有する。
すなわち、基紙表面への塗工機61A、ガス式エアードライヤー62,62、カンバスドライヤー63が順に設置されている。望ましくは、塗工機61Aの後段に幅方向の乾燥ムラを防止するために、幅方向に温度制御可能な赤外線乾燥装置68を設ける。また、塗工機61Aの後段に主に水分率調整のための、幅方向に温度制御可能な赤外線乾燥装置を設けるのが望ましい。必要により、ガス式エアードライヤー62,62の後段に赤外線乾燥装置を設けることも可能である。
塗工機61Aでは、フィルム転写方式の塗工機が使用されるのが好ましく、特にゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスが使用されるのが好ましい。フィルム転写方式の塗工機を使用すると、抄速1500m/分以上のオンマシン塗工において、断紙を生じさせないで、平坦性が高い均一な塗工層を得ることができる。
一方、塗工機61Aがフィルム転写方式の塗工機である場合は、塗工量7〜18g/m2とされているのが好ましく、塗工量8〜16g/m2とされているのがより好ましい。塗工量が7g/m2未満であると、白紙光沢、印刷光沢が十分に得られないおそれがある。他方、塗工量が18g/m2を超えると、塗工液コストがかさむだけでなく、高速塗工においての塗工量制御が不安定になりミストやボイリングの発生が危惧され、原紙への均一な上層塗工層を設けることが困難である。また、時流である塗工紙の軽量化の流れに反するものとなる。
以上では、塗工工程が、フィルム転写方式による両面同時塗工である場合を示したが、ブレード塗工等を採用することもできる。
本形態のように、クリアコート層及び塗工層を設けることで、従来品の問題であった手肉感(剛度)が得難い問題が解決され、印刷適性及び剛度の両立が可能になる。
〔カレンダーパート〕
本設備の最後には、熱ソフトカレンダーからなるオンマシンカレンダー70が設置されており、カレンダー処理が行われる。図示のカレンダー70は、7ニップの1スタック型であり、ロール自重の影響を少なくしたヤヌスタイプの傾斜配置となっている。もちろん、オプチロードタイプの垂直配置でもよい。
カレンダー70は最終的な平滑性及び光沢性を左右する。したがって、この観点及び高速運転の観点から種々の配慮が必要である。
カレンダー70の段数は、少なくとも2ニップを有するのが好ましく、複数段に構成された金属ロールMと弾性ロールDとの組み合わせからなる熱ソフトカレンダーにて平坦化処理するのがより好ましい。特にはマルチニップカレンダー、より望ましくは6段、8段、10段のマルチニップカレンダーが最適である。図4に10段のマルチニップカレンダー例を併示してある。さらに、全段独立してニップ圧を調整可能なマルチニップカレンダーが最適である。
他方、熱ソフトカレンダーは、オイルなどの熱媒体を流通させて加熱するものでもよいが、これでは表面温度180℃程度が限界である。高速での運転を図るためには、図7〜9に示すように、金属ロールMは、その幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置が装備され、金属ロールMの表面温度を230℃以上、特に230〜500℃にして処理するものが望ましい。図示例は、シェル74内の鉄心72の周囲に誘導コイル71が巻回され、ジャケット室73を通る熱媒体を加熱するものである。
金属ロールMの表面温度を230℃〜500℃、特には300℃を超え380℃以下として表面処理をし、できる限り低いニップ圧で基紙(塗工紙)が全層に渡って潰れないようにすることにより、嵩の低下を防ぎ、不透明度の低下を抑えることが可能となる操業も行うことができる。要すれば、いわば極高温のアイロンを短時間で当てる形態である。
金属ロールMの表面温度のコントロールとしては、前述のように、金属ロールM内部に温水や油を循環させる方法のほか、非回転部としての内側に設けた鉄芯72の周囲に誘導コイル71を設け、この誘導コイル71に交流電流を流すことで、誘導コイル71に磁束を発生させ回転部としての外側のシェル(外筒)74の内側に誘導電流を誘起させ、その抵抗熱によって外側のシェル(外筒)74自身を自己発熱(誘導発熱)させる、「電磁誘導作用による内部加熱装置」によるものが、高温処理のために特に優れる。また、この電磁誘導作用による内部加熱装置によれば、誘導コイル71をロールの幅方向(ロール自体の長手方向)に分割(例えば3〜6分割)し、シェル74に設けた温度センサ75による温度信号に基づき、対応する誘導コイル71に流す交流電流量を制御することで、ロールの幅方向の特に表面の温度制御が高精度で可能となる。
この場合、特にシェル74の内部に長手方向に延びるジャケット路(室)73を、周方向に間隔を置いて多数、例えば10〜90本程度設け、これらを相互に連通させ、内部に熱媒体を封入しておく構造のものが、シェル74の自己発熱による熱を吸収し、熱を金属ロールMの表面全体において均一化することができる点で優れる。
基紙(塗工紙)を高温で表面処理すると、基紙(塗工紙)の表層部だけでなく、内層部の温度も高くなり、その結果、基紙(塗工紙)が表層部だけでなく、全層に渡って潰れ易くなるため、嵩が低下する。しかるに、はるかに高い温度で、短時間の通紙を図る場合には、内層部への熱移動は極力防止でき、もって嵩の低下を防止することができる。
他方、金属ロールMの表面温度の高温化に伴って、金属ロールMのシェル74に厚み方向の応力が発生し、ロールプロフィールが崩れがちとなり、もって紙厚プロフィールの制御性が低下する。また、電磁誘導作用による内部加熱装置に依存する場合には、金属ロールMの表面温度の時間当たりの温度応答性が良好とは言えない。さらに、これを原因として幅方向の温度応答性が悪いので、温度制御性が悪いことによる歩留まり低下の原因となる。そこで、金属ロールMの近傍には、ロール幅方向に分割温度制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置及びロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備の少なくとも一方が装備されているのが望ましい。
この例を図8に沿って説明すると、金属ロールMは、シェル74、誘導コイル71、鉄芯72、温度センサ75、交流電源76及びジャケット路73を有する。この金属ロールMに対して、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置77を金属ロールM近傍に設けて各段において、基紙の高温ニップ域を構成する。
外部加熱装置77は、電磁誘導加熱の原理を応用したもので、図示のように、ワークコイル77Aに交流電源(インバータ)77Bからの交流電流(例えば3〜20kHzの高周波)を流し、磁界を発生させて、シェル74表面部に渦電流を生成させ、自己発熱させるものである。ワークコイル77Aとシェル74表面との離間距離は、2〜20mm、特に2〜5mm程度が望ましい。また、単位ワークコイル77Aは、金属ロールMの軸心に対して交差する斜め配置とするのが、加熱用プロフィールの均一化のために望ましい。ロール幅方向のゾーン制御ピッチは、75〜150mm程度であり、ゾーン当たりの定格電力は4〜20kWとすることができる。
ロール幅方向に冷却温度制御可能なクーリング設備78の例としては、図9に示すように、ファン78aからのエアーをヘッダ78bに送り、連通孔が形成された調整板78cを通して温度調節室78d内に送入し、この温度調節室78d内に設けたコイル78eを温度調節手段78fにより冷却することにより、小孔を有する分散板78gを通る送風の温度を制御するものである。
カレンダー70でのニップ圧としては、200kN/m〜450kN/m、特に300kN/m〜450kN/mが望ましい。カレンダー70にて平滑化処理(平坦化処理)された基紙(塗工紙)は、最終的にリール80にて巻き取りが行われ、小分け用の巻取りを仕上げるワインダー(図示せず)がマシンの最終部分に設置される。
図4に示すマルチニップカレンダー70に代えて、図5に示すように、例えば1ニップで4スタックからなる金属ロールMと弾性ロールDとからなるソフトカレンダー70Aでもよい。
〔その他〕
(1)高速ロール塗工におけるミストの発生原因は、主に次のとおりである。[1]ロール出口の剥離安定性(紙のバタツキ)によりミストが発生する。[2]塗工速度が速いほど、ミストは多くなる。[3]原紙平滑性が低いほど、ミストの発生は多くなる。[4]澱粉塗工のない原紙の方がミストは多くなる。[3]及び[4]は、ロール上のカラー塗膜の転写率が低下することによる。[1]の剥離安定性が、ミスト改善に大きな影響を及ぼす。アプリケーターロール出口に、通紙ラインを制御するエアーターンバーを設け、ボトムロールに沿った剥離からトップロールに沿った剥離に変更することで、紙のバタツキが改善される。
(2)原紙のプレカレンダー処理により、原紙の吸油性ダウンと表面粗さを減少させることができ、ロールコーターからの塗料膜を平坦な表面に塗付することができるため、塗工量を、例えば、14g/m2を12g/m2に低減することができる。
(3)上層塗工前に、澱粉をアンダー塗工することで、表面紙力及び剛度を向上させることができ、塗料のバインダー(澱粉・ラテックス)の配合を減少することができる。また、塗工液中の澱粉配合を減らすことで、スーパーカレンダーの光沢発現性を上げることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕
微粒子クレー(IMERYS社製DB−GRAZE)40質量部、炭酸カルシウム40質量部、無機粒子(再生粒子)20質量部からなる顔料に、分散剤として対顔料でポリアクリル酸ソーダ0.2質量部を添加して、セリエミキサーで分散し、固形分濃度が70質量%の顔料スラリーを調整した。
このようにして得られた顔料スラリーに、スチレンブタジエンラテックス(ガラス転移温度20℃)16質量部を加え、更に水を加えて、固形分濃度60質量%の(上層)塗工液を得た。この塗工液を、坪量45.8g/m2の原紙に、片面あたりの塗工量が固形分で14.0g/m2になるように、塗工速度1500m/分のフィルム転写ロールコーターで両面塗工した。フィルム転写ロールコーターのアプリケーターロール:インナーロール:アウターロールの周速比は100:70:70と一定、各ロール間の圧力も一定とし、塗工量は塗工液濃度を変更することにより調整した。
〔実施例2〜及び比較例1〜4〕
実施例1を基に、表1に記載のとおり仕様を種々変更して、分析した。なお、比較例の大粒子クレーは「IMERYS社製DB−PRIME」である。
その他の条件及び結果を、表1及び表2に示した。なお、評価方法は、次のとおりである。
〔原紙及び製品米坪(坪量)〕
JIS P 8124:1998に基づいて測定した。
〔顔料(クレー、炭酸カルシウム及び再生粒子)の質量割合〕
JIS P 8251:2003に基づいて灰化した後、X線マイクロアナライザー(日立・堀場製)にて元素分析を行い、カルシウムとケイ素、アルミニウムの個々の元素存在部位を対比し、Ca元素のみを有する凝集体のものを炭酸カルシウム、Si及びAl元素が42〜46:37〜40程度の質量割合を構成する成分とするものをクレーとし、Ca、Al及びSi元素を複合した構成物を再生粒子として、各々の概算質量割合を算出した。
〔紙厚〕
JIS P 8118:1998に基づいて測定した。
〔緊度(バルク密度)〕
JIS P 8118:1998に基づいて測定した。
〔白紙光沢〕
JIS P 8142:2005に基づいて測定した。
〔ベック平滑度〕
JIS P 8119:1998に基づいて測定した。
〔こわさ(クラーク、剛度)〕
JIS P 8143:1996に基づいて測定した。
〔印刷光沢〕
(オフセット印刷用塗工紙の印刷光沢度)
東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、B縦サイズの版とオフセット印刷用インキ(東洋インキ製レオエコーM)を用いて印刷速度500rpmで印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P 8142:2005に基づいて測定した。
(グラビア印刷用塗工紙の印刷光沢度)
大蔵省式グラビア単色印刷機を用いて、印刷速度40m/min、印圧10kgf/cmで印刷し、得られた印刷物の表面をJIS P 8142:2005に基づいて測定した。
〔インキ着肉性〕
東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、B縦サイズの版とオフセット印刷用インキ(東洋インキ製レオエコーM)を用いて印刷速度500rpmで印刷し、得られた印刷物(藍単色ベタ印刷部)のインキ着肉性を4段階で目視評価した。◎:非常に優れる、○:優れる、△:やや問題あり、×:問題あり、である。
〔塗工液転写性〕
フィルム転写塗工における塗工液の転写性を、塗工アプリケーションへの塗工液供給量と塗工量の関係から測定し、以下の基準で評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る、である。
〔ボイリング(ボイド)の発生量〕
フィルム転写ロールコーターのインナーロールとアウターロールとの間におけるボイリングの程度を、以下の基準で目視評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る、である。
〔ミスト発生量〕
フィルム転写塗工時のミスト発生量を、特開平11−333353号公報に基づいて測定し、以下の基準で評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る、である。
〔網点欠落(ミスドット)率〕
前記したグラビア単色印刷方式により印刷された塗工紙の網点欠落率を、目視により評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る、である。
Figure 0004087414
Figure 0004087414
本発明は、特に、軽量化、微塗工化するのに適した塗工紙として、適用可能である。
設備構成例の第1のゾーンを示す概要説明図である。 設備構成例の第2のゾーンを示す概要説明図である。 設備構成例の第3のゾーンを示す概要説明図である。 設備構成例の第4のゾーンを示す概要説明図である。 設備構成例の第4のゾーンにおける変形例を示す概要説明図である。 ヘッドボックスの紙料の噴出を示す概要説明図である。 加熱金属ロールを示す概要説明図である。 電磁誘導作用による外部加熱装置例を示す概要説明図である。 クーリング設備例を示す概要説明図である。
符号の説明
1…第1ワイヤー、2…第2ワイヤー、3…ヘッドボックス、5…ブレード、10…ギャップフォーマー、21…第1プレス、22…第2プレス、40…アンダーコーター、50…プレカレンダー、51…金属ロール、52…弾性ロール、61A…塗工機、70…オンマシンカレンダー、M…金属ロール、D…弾性ロール、80…リール。

Claims (3)

  1. 基紙表面に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層が設けられた塗工紙であって、
    基紙表面にフィルム転写方式にてクリアコート層が設けられ、このクリアコート層がプレカレンダーにて平坦化処理され、この平坦化処理されたクリアコート層上に前記塗工層が設けられ、
    この塗工層の顔料が、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程を経て得られた塊状の再生粒子を含む
    ことを特徴とする塗工紙。
  2. 前記クリアコート層はポリビニルアルコール又は澱粉の少なくともいずれか一方を含み、このクリアコート層の塗工量が固形分換算で0.5〜4.0g/m2とされている、請求項1記載の塗工紙。
  3. 前記再生粒子は、脱墨フロスを主原料とし、脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程を経て得られた、X線マイクロアナライザーによる元素分析にて、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムの、酸化物換算の比率が30〜82:9〜35:9〜35の質量割合である請求項1又は2記載の塗工紙。
JP2006053724A 2006-02-28 2006-02-28 塗工紙 Active JP4087414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006053724A JP4087414B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 塗工紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006053724A JP4087414B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 塗工紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007231444A JP2007231444A (ja) 2007-09-13
JP4087414B2 true JP4087414B2 (ja) 2008-05-21

Family

ID=38552321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006053724A Active JP4087414B2 (ja) 2006-02-28 2006-02-28 塗工紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4087414B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2009048178A1 (ja) * 2007-10-12 2011-02-24 花王株式会社 塗工紙の製造方法
US20100273016A1 (en) * 2007-10-12 2010-10-28 Kao Corporation Surface treatment agent for paper
JP5302528B2 (ja) * 2007-11-07 2013-10-02 日本製紙株式会社 塗工原紙及び塗工紙の製造方法
JP4952540B2 (ja) * 2007-11-27 2012-06-13 王子製紙株式会社 グラビア印刷用塗被紙
JP4335951B2 (ja) * 2008-02-13 2009-09-30 大王製紙株式会社 多層抄き光沢板紙
JP5270663B2 (ja) * 2008-03-21 2013-08-21 日本製紙株式会社 塗工紙の製造方法
JP5371276B2 (ja) * 2008-03-31 2013-12-18 大王製紙株式会社 塗工紙及びその製造方法
JP5155716B2 (ja) * 2008-03-31 2013-03-06 日本製紙株式会社 印刷用塗工原紙及び塗工紙の製造方法
JP2010013750A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Daio Paper Corp 塗工紙
JP5462571B2 (ja) * 2008-09-30 2014-04-02 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP5308115B2 (ja) * 2008-10-07 2013-10-09 大王製紙株式会社 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法
JP5374181B2 (ja) * 2009-02-17 2013-12-25 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP2010242231A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Daio Paper Corp 塗工紙
CN113977924B (zh) * 2021-11-09 2023-10-13 安徽富亚玻璃技术有限公司 一种隔热覆膜玻璃生产用覆膜装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007231444A (ja) 2007-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4087414B2 (ja) 塗工紙
JP5684965B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP5058442B2 (ja) 塗工紙の製造方法及び製造設備
JP5332501B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP5682460B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JPWO2013015323A1 (ja) 非塗工紙及び塗工紙
WO2007129654A1 (ja) 塗工紙の製造方法
WO2002025009A1 (fr) Procede de fabrication de papier pour presse offset
JP5313545B2 (ja) 多層塗り嵩高塗工紙
JP5670489B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP4320326B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP5081065B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP3969596B1 (ja) 塗工紙
JP4850795B2 (ja) 塗工紙
JP5691858B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP5003249B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP5601392B2 (ja) 印刷用両面塗工紙の製造方法
JP5038590B2 (ja) 塗工紙の製造方法及び製造設備
JP2006138045A5 (ja)
JP4377425B2 (ja) 微塗工紙の製造方法
JP5315907B2 (ja) 印刷用両面塗工紙の製造方法
JP5374194B2 (ja) グラビア印刷用塗工紙およびその製造方法
JP4996820B2 (ja) 塗工紙の製造方法及び製造設備
JP5033038B2 (ja) 塗工紙の製造方法
JP5755721B2 (ja) 塗工紙の製造方法及びその製造設備

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4087414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250