JP5003249B2 - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原紙に顔料と接着剤を有する塗工液を塗工した後、高温でソフトカレンダー処理し表面仕上げする工程を連続的に行う製造において、塗工紙の表裏差が少ない塗工紙の製造方法に関するものである。
近年印刷用塗工紙は、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が伸びている。これら商業印刷物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体として目的が達成されることが重要であるので、低コストで印刷仕上がりの良いものが求められてきている。また、紙メーカーでは高品質を維持したまま生産性を上げ、コストダウンを図ることが重要な技術課題である。
塗工紙の生産性は、表面仕上げ工程により大きく影響される。表面仕上げ工程の生産性を向上させる手段としては、高温条件でのソフトカレンダー処理が知られている(特許文献1参照)。これは、塗工紙が従来塗被装置(以下コータと称す)で塗被した塗工紙を一旦巻取った後、スーパーカレンダーを使用し、低温且つ通常10〜14段の多段ニップ条件で処理して平滑性を付与し、製品化されるのに対し、コータで塗被液を塗被した後そのままオンラインで且つ高温でソフトカレンダー処理することにより生産性を向上するものである。従来のスーパーカレンダーに使用するコットンロールは、内部発熱の問題で耐熱性が劣り、耐圧・耐久性も劣るため高速化に限界があり、現状で操業可能な最高速度は約800m/分程度である。従って、近年の1000m/分を越えるコータと併用するためには2台のスーパーカレンダーが必要となり、一旦巻き取って、改めてスーパーカレンダーに掛けるオフライン処理とならざるを得ず、更に省スペース化という意味でも問題となる。これに対し耐熱、耐圧性に優れるプラスチックの弾性ロールを有するソフトカレンダーの場合には、1000m/分を越える速度の操業も可能となり、コータにオンラインで設置できることから生産性が向上する。
また高温でより少ないニップ数で処理することにより、省スペース化でき、品質的にも、高温により紙表層部のみを可塑化した状態で金属ロールの表面を紙表面に転写させるため、スーパーカレンダーと比較した場合、同一の厚さまで紙を潰した場合、優れた表面性、印刷適性が得られる。
しかし、生産性向上のために高速でソフトカレンダーの処理温度を高くするにしたがい、塗工紙のフェルト面側とワイヤー面側の光沢度、平滑度等の表面性に表裏差が多く発生する問題があった。
この表裏差等の問題を解決するため、例えば、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーで表面処理する仕上げ工程において、4ニップのソフトカレンダーを使用して、最初の1ニップ目は金属ロール面に塗工紙のワイヤー面側が、ついで2ニップ及び3ニップ目は金属ロール面に塗工紙のフェルト面側が当たるように、次の4ニップ目は再びワイヤー面側が金属ロールに当たるように通紙することによって表裏差がなくなることが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、処理速度1200m/分では、白紙光沢度等の表裏差がなく、また表面皺や荷姿外観に優れるものが得られるが、処理速度が1300m/分以上、特に1500m/分以上では、白紙光沢度が劣り、表裏差が大きくなり、耐ブリスター性等の品質に劣るものであった。
特開昭54−125712号公報 特開平10−331095号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、ギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設けた後、ソフトカレンダーに通紙して表面処理する仕上げ工程を連続して行う塗工紙の製造方法において、表裏差がなく、高速操業性に優れる塗工紙の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討した結果、ギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設けた後、ソフトカレンダーに通紙して表面処理する仕上げ工程を連続して行う塗工紙の製造方法において、抄紙速度が1300m/分以上の抄紙機のプレスパートにシュープレスを用いて湿紙 を搾水、乾燥した原紙に塗工液を塗工・乾燥して1層以上の塗工層を設けた後、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーを6ニップ以上で表面処理する仕上げ工程で、最初の6ニップの金属ロール面に当たる塗工紙の面がフェルト面側、ワイヤー面側、ワイヤー面側、フェルト面側、ワイヤー面側、フェルト面側の順になるように通紙する塗工紙の製造することにより、本発明に到達した。
表裏差がなく、高速操業性に優れ、オフセット印刷時の耐ブリスター性にも優れる塗工紙を製造することができ、特に軽量の塗工紙において、より効果を発揮することができる。
本発明は、ギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設けた後、ソフトカレンダーに通紙して表面処理する仕上げ工程を連続して行う塗工紙の製造方法において、抄紙速度が1300m/分以上、好ましくは1500m/分以上の抄紙機のプレスパートにシュープレスを用いて湿紙 を搾水、乾燥した原紙に塗工液を塗工・乾燥して1層以上の塗工層を設けた後、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーを6ニップ以上で表面処理する仕上げ工程で、最初の6ニップの金属ロール面に当たる塗工紙の面がフェルト面側、ワイヤー面側、ワイヤー面側、フェルト面側、ワイヤー面側、フェルト面側の順になるように通紙する塗工紙の製造方法である。
本発明の塗工原紙は、ヘッドボックスから噴射された紙料が2枚のワイヤーに挟まれて走行し、湿紙の両側からほぼ均等に脱水するギャップフォーマ型抄紙機を用いるものであり、特にフォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いることにより、表裏差のない表面性が良好なものが得られ、1300m/分以上の高速の抄紙速度においてより適している。本発明の製造方法におけるフォーミングパートはロールアンドブレード形式のフォーマであり、最初の脱水はバキュームを有したフォーミングロールのラップエリアで行われ、その直後に加圧ブレードモジュールによるブレード脱水が行われる。この機構より従来のフォーマよりも緩慢な脱水が可能となるため、均一な紙層構造や地合を有した紙が得られる。この時に使用されるフォーミングロールはその径が小さいと十分な抱き角度を得ることができず脱水の調整が不十分となるた1500mm以上が望ましい。フォーミングロールやブレードによる脱水機構に加えて、その後段にサクションユニットやハイバキュームサクションボックスなどの脱水装置を適宜用いることでドライネスの調整を行うことができる。
本発明のプレスパートは、シュープレスを用いるものであり、抄紙速度が高速の場合、プレス後水分を鑑みてタンデムタイプのシュープレスを1段以上で処理することが好ましく、より好ましくは2段以上で処理することにより、層間強度、耐ブリスター性が向上する。シュープレスは、ニップ幅が概ね150〜250mmの範囲にあり、処理条件は100KN/m〜1100KN/mが好ましく、より好ましくは500KN/m〜1100KN/mである。
また、前記シュープレスを2基以上使用する場合、ドライヤーパート側のシュープレスにトランスファーベルトが接触するように通紙することが、断紙等が起こりにくく、高速操業性に優れるものである。
抄紙機プレドライヤー、アフタードライヤーも公用の装置を用いることができ、乾燥条件も特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できる。
塗工原紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、機械パルプ(MP)、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、印刷用紙の抄紙原料として一般的に使用されているものであればよく、適宜、これらの1種類または2種類以上を配合して使用される。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプであれば良く、特に限定はない。本発明においては、脱墨パルプが対パルプ30重量%以上においても、表裏差がなく、層間強度が良好であるなどの効果を発揮することができる。
本発明で使用される填料は公知のものを任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素―ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物が好ましく使用される。紙中填料率は1〜40重量%である。抄紙においては紙中填料率が高いほど歩留りは低下する。従って、紙中填料率が高い印刷用塗工原紙の製造に本発明を適用したほうが本発明の効果が大きい。この観点から、紙中填料率は10〜40重量%が好ましく、12〜35重量%が更に好ましい。
内添薬品としては、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、染料、中性サイズ剤などの薬品を必要に応じて使用しても良い。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉が挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。中性サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、中性ロジンサイズ剤などが挙げられる。
さらに、上記の如く抄造した原紙上に、顔料と接着剤を含有した塗工液を塗工、乾燥して塗工層を設けた後、ソフトカレンダーに通紙して平滑化仕上を行う。
なお、塗工層の形成に先だって、該原紙に2ロールサイズプレスコータ、ロッドメタリングサイズプレスコータ、ゲートロールコーター等を用いて適宜接着剤等を塗布して表面処理を行う原紙などを用いることも可能である。さらには、塗工前に原紙をオンラインソフトキャレンダを使用して予め平滑化しておくことは、塗工後の塗被層を均一化する上で特に好ましい。
本発明の塗工液に使用する顔料としては、通常の塗工紙製造分野で用いられる顔料が適宜使用できる。具体的には、カオリン、クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、プラスチックピグメント等のうち1種又は2種以上を適宜混合して使用する。
また、塗工液に使用する接着剤としては、通常の塗工紙製造分野で使用される接着剤が適宜使用でき、例えば澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等を単独、あるいは2種以上併用して用いる。なお、接着剤の配合量は顔料100重量部に対し、5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部で調節する。なお、塗工液中には顔料や接着剤のほかに、一般塗工紙の製造分野で使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加することもできる。
上記材料を用いて調製された塗工液は、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテンコータ、ロッドメタリングサイズプレスコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータ、ゲートロールコータ等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工して乾燥する。塗工液の固形分濃度は、30〜68重量%程度に調整するものである。なお、複層に分けて塗工層を設ける場合には最終製品の品質特性を考慮して、上層と下層の顔料や接着剤等の種類を変えたり、配合比率等を適宜変更することもできる。
本発明においては、原紙に隣接する層に塗工する場合は、ゲートロールコータ、ブレードあるいはロッドメタリングサイズプレスコータ等のフィルムトランスファー方式が好ましいが、1300m/分以上の高速操業性の点から、特に低塗工量の塗工層を高速で設け、白紙面感、表裏の表面性が良好になるロッドメタリングサイズプレスコータが好ましい。この際の塗工量は、原紙片面当たり1〜6g/m2、より好ましくは2〜4g/m2である。更に引き続き上塗り塗工する場合には、フラデッドニップ式ブレードコーター、ジェットファウンテン式ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式ブレードコーター等によるブレード方式が好ましく、特に高速塗工適性の観点からジェットファウンテン式ブレードコーターを採用することが好ましい。また、下塗り塗工後にソフトカレンダー処理を行っても良い。
本発明においては、抄紙、塗工及びカレンダー処理を一体化し、連続的に通紙して塗工紙を製造することにより、1300m/分以上の高速での操業性に優れ、塗工紙の表裏差がなく、高平滑な塗工紙を得ることができ、好ましくは1500m/分以上、より好ましくは1600m/分以上で2500m/分程度である。即ち、ギャップフォーマ型抄紙機のプレスパート部にタンデムシュープレスを用いて抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設けた後、ソフトカレンダーに通紙して表面処理する仕上げ工程を連続して行う、1300m/分以上の高速で塗工紙の製造する際、塗工紙のワイヤー面側がフェルト面側より白紙光沢度、平滑度等が高くなり、表面性に表裏差が発生する問題があり、この問題を解決するため、ソフトカレンダーの通紙条件について検討を重ねた。その結果、表裏差をなくすためには少なくとも6ニップが必要であり、かつ最初の1ニップ目は金属ロール面に塗工紙のフェルト面側が、ついで2ニップ及び3ニップ目は金属ロール面に塗工紙のワイヤー面側が当たるように、続いて4ニップ目は再びフェルト面側が金属ロールに当たり、5ニップ目はワイヤー面側が金属ロールに当り、6ニップ目はフェルト面側が金属ロールに当たるように通紙することによって初めて表裏差がなくなることを見出した。
抄紙、塗工及びカレンダー処理を一体化し、連続的に通紙して塗工紙を製造する際のオンラインでの高温ソフトカレンダー処理は、最も水分が高い状態で処理できる1ニップ目に金属ロール側に当たった塗工紙の面は、それ以降のニップより表面が可塑化し易くなり、平滑な金属ロール面を写し取り易くなるため、最も白紙光沢度や平滑度の発現性が高くなる。本発明においては、ギャップフォーマ型抄紙機のプレスパート部にタンデムシュープレスを用いて抄紙した原紙においては、湿紙の搾水性と走行性をバランス良く両立させるために、ドライヤーパート側のシュープレスにトランスファーベルトが接触することが好ましい。この際、トランスファーベルトは通常使用される毛布に比べ平滑であるため、トランスファーベルトに接した面側の表面性が良い状態になる。従って、1ニップ目は、表面性に劣るフェルト面側を金属ロール面に当てるように通紙する必要がある。次に2ニップ目はワイヤー面側が金属ロールに当たるようにし、3ニップ目もワイヤー面側を金属ロール面に当て、4ニップ目はフェルト面側、5ニップ目はワイヤー面側、6ニップ目はフェルト面側を金属ロールをあてることにより表裏差のない塗工紙が得られる。また、7ニップよりニップ数を多くしても、7ニップ以後は、塗工紙の水分が低くなった領域でカレンダー処理することになり、金属ロール面にあたる塗被面の順序が表裏差等に与える影響が少なくなり、どのような通紙を行っても問題ない。
ソフトカレンダーの1〜6ニップ目の金属ロール表面温度は100〜250℃であることが好ましく、より好ましくは100〜200℃である。また、1〜6ニップ目までのカレンダー線圧は100〜600kN/mであることが好ましく、より好ましくは150〜450kN/mである。
ソフトカレンダーの1ニップ目にはいる際の紙水分は光沢発現性と操業性を両立させるために5%〜12%が好ましいが、より好ましくは7%〜10%である。ソフトカレンダーの金属ロールと対をなして使用される弾性ロールの材質については特に限定されないが、一般に変性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等の高温高圧で耐久性を示す樹脂ロールが好ましく利用される。また、樹脂ロールの硬度としては、シェアD硬度で85度以上のものを使用すると優れた表面平滑性が得られる。本発明で使用するソフトカレンダーの型式は、通紙の容易さ、省スペースを考慮してタンデムタイプの2ロールで6スタックが好ましい。タンデムタイプとは、一対の金属ロールと弾性ロールを重ねた2ロールを並列に並べたタイプのソフトカレンダーである。
本発明においては、プレスパートにシュープレスを用いたギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設けた後、ソフトカレンダーを6ニップ以上通紙して表面処理する仕上げ工程を連続して行う、速度が1300m/分以上の高速での塗工紙を製造することにより、表裏差がなく、また表面皺や荷姿外観に優れ、(嵩高、光沢、白色度、白紙面感)、高速操業性に優れる塗工紙を製造することができ、特に軽量の塗工紙において、より効果を発揮することができる。具体的には、塗工紙の坪量が30〜80g/m2が好ましく、より好ましくは、40〜65g/m2であり、原紙片面当たりの塗工量については、3〜15g/m2が好ましく、より好ましくは、4〜12g/m2、更に好ましくは4〜10g/m2において、本発明の効果をより発揮するものである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す。なお、 例中の部数及び%はそれぞれ重量部、重量%を示す。品質評価方法は次に示す通りである。
〈品質評価方法〉
(1) 白紙光沢度:JIS P-8142に従い角度75度で測定した。
(2)耐ブリスター性:RI−I型印刷機(明製作所)を用い、東洋インキ製(TKマークV617)を使用し、インキ量0.8cc一定で両面印刷して一昼夜調湿度した後、この試験片を温度140℃に設定した恒温オイルバスに浸し、ブリスターの発生状況を目視判定した。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(3)高速操業性:プレスパート部での断紙が起こりにくく、塗工時にミストなどの発生がなく、カレンダー時の収縮シワの発生がない高速操業性の適性を評価した。
◎非常に良好、○良好、△やや不良、×不良
[実施例1]
古紙パルプ30部とし、LBKP70部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸ジャルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を4部添加して紙料を調整した。この紙料を用いて、抄紙速度が1600m/分のロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機でプレスパートに2基のタンデムシュープレス(プレス線圧1000KN/m、2基目の紙のワイヤー面側にトランスファーベルトが接触)を用いて湿紙を搾水して乾燥した原紙に抄紙して、引き続きオンマシンのロッドメタリングサイズプレスコータを用いて、両面に固形分濃度6%の酸化澱粉溶液を1.6g/m塗工・乾燥し、45.6g/m2の中質塗工原紙を得た。次に、重質炭酸カルシウム73部及びカオリン27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン4.5部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを8.2部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、原紙片面当たり8.3g/m2 を両面に上塗り塗工・乾燥した。
引き続き更に、ショアD硬度91°の樹脂ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度150℃、線圧400kN/mの条件で連続カレンダー処理した。その際、1〜6ニップで塗工面がF、W、W、F、W、F面側の順に各ニップの金属ロール面に当たるように通紙し、塗工紙を製造した。抄紙、塗工、カレンダー処理を一体化して連続して行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1600m/分で行った。
[比較例1]ショアD硬度91°の樹脂ロールを有する2ロール・4スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜3ニップが金属ロール表面温度160℃、線圧250kN/m、4ニップが金属ロール表面温度40℃、線圧100kN/mの条件で連続カレンダー処理した。その際、1〜4ニップで塗被面がW、F、F、W面側の順に各ニップの金属ロール面に当たるように通紙した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例2]長網式ワイヤーの後部のみツインワイヤーであるハイブリットフォーマーを用いた以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例3]連続カレンダー処理する際、1〜6ニップで塗被面がF、W、W、F、F、W面側の順に各ニップの金属ロール面に当たるように通紙した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例4]プレス処理する際、4基のロールプレスで1〜4ニップの線圧は70KN/mでプレス処理した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。

Figure 0005003249

Claims (4)

  1. ギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して
    塗工層を1層以上設けた後、ソフトカレンダーに通紙して表面処理する仕上げ工程を連続して行う塗工紙の製造方法において、抄紙速度が1300m/分以上の抄紙機のプレスパートにシュープレス を用いて湿紙 を搾水、乾燥した原紙に、塗工液を塗工・乾燥して1層以上の塗工層を設けた後、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーを6ニップ以上で表面処理する仕上げ工程で、1〜6ニップ目までの金属ロール表面温度が100〜200℃であり、かつ、最初の6ニップの金属ロール面に当たる塗工紙の面がフェルト面側、ワイヤー面側、ワイヤー面側、フェルト面側、ワイヤー面側、フェルト面側の順になるように通紙することを特徴とする塗工紙の製造方法。
  2. ギャップフォーマ型抄紙機がフォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式あることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙の製造方法。
  3. 前記シュープレスがタンデムシュープレスを1基以上有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工紙の製造方法。
  4. 原紙上に最初に塗工する装置が、メタリングサイズプレスコータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗工紙の製造方法。
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