JP4729131B2 - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は塗工紙およびその製造方法に関する。特に本発明は、顔料と接着剤を配合した塗工液を塗工する製造工程で問題となる操業性を改善し、品質に優れた印刷用塗工紙を製造する方法に関する。
近年、印刷用塗工紙は、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等の広告・宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が伸びている。これら商業印刷物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体としての目的が達成されることが重要であるので、商業印刷用途においては、低コストで印刷仕上がりの良い塗工紙が求められてきている。このような旺盛な塗工紙の需要に対応するため、紙メーカーでは高品質を維持したまま、生産性を上げ、コストダウンを図るべく、塗工設備の広幅、高速化を進めている。したがって、現在、高品質を維持したまま生産性を上げることが重要な技術課題である。
塗工紙の生産方式としては、抄紙と塗工を別々の独立した工程として行うオフマシン塗工方式と、一台のマシンで抄紙と塗工を連続した工程として行うオンマシン塗工方式が知られている。特に、オンマシン塗工方式は、製品の製造原価を抑えることが可能で、価格競争力のある製品を製造できる特徴があるため、近年は、生産設備としてオンマシン塗工装置を用い、より高速で製品化する試みがなされている。
一般に、オンマシン塗工装置には、フィルムトランスファー方式とブレード方式の装置が使用される。フィルムトランスファー方式の塗工装置としては、ゲートロールコーターやロッドメタリングサイズプレスコーターが知られており、これらのコーターを用いて、顔料と接着剤を含有する顔料塗工液を塗工して微塗工紙、塗工紙等を得ることができる。一方、ブレード方式の塗工装置では、バッキングロールに支持された原紙上に各種アプリケート方式で顔料塗工液を塗工した後、ブレードでかきとって塗工層を形成させる。ブレードコーターは固型分濃度65%を超える高濃度の塗工液を塗工することができ、1000m/分以上、近年では1300m/分以上の高速塗工が可能で、原紙表面の凹凸をカバーできるため平滑な塗工面を形成しうる等の特徴がある。しかし、一方で、ブレード方式の塗工には、塗工面へのストリークやスクラッチなどの欠陥の発生、ブレード刃先に生じるスタラグマイト、ブリーディングなどによる操業性の低下や品質欠陥の発生、ブレード磨耗の問題、バッキングロールが汚れやすいなどの短所も存在する。
バッキングロール汚れは、主に二次面(両面塗工をオンラインで順次に行なう塗工方式の場合、後から塗工する面)を塗工する際、バッキングロールの表面に一次面(最初に塗工する面)の塗工層の一部が付着する現象であり、一次面の塗工層強度よりバッキングロールと一次塗工層間の接着強度が強くなった場合に、一次塗工層がバッキングロール側に取られることによって発生する。バッキングロール汚れの発生が著しくなると、幅方向の塗工量プロファイルの悪化による品質低下、紙切れ、および、頻繁な研磨によるロール洗浄の必要性が生じ、生産性が低下する。
一般に、バッキングロールと一次面塗工層の接着強度に影響を及ぼす大きな因子は、塗工液中に使用するラテックスのベタツキ性(粘着性、流動性)であるとされ、この塗工操業性を改良するためには主として2種類の考え方がある。第一の方法は、ロールへの転移を少なくすることである。具体的には、共重合体ラテックスのベタツキ性(粘着性)を低減、塗工紙の表面強度の向上、特に耐湿潤強度の改良が有効である。第二の方法は、ロール上に転移した共重合体ラテックスを含む異物(塗工層の一部)の洗浄性を向上させることである。通常、バッキングロールには、付着した異物を掻きとって除去するドクターブレードが設置されている。そのため、ドクターブレードでの異物の掻き取り易さ、すなわち洗浄性を改良することが、バッキングロール汚れ対策として特に有効である。
以上のような塗工紙の品質向上や塗工紙生産の操業上の問題解決を目的として、顔料塗工液に配合する共重合体ラテックスについて、ゲル含量やガラス転移温度、粒子表面特性の観点から様々な改良がなされてきた。例えば、特許文献1には、初期耐水性を改良させる方法として、ジルコニウムを含む特定組成の共重合体ラテックスを使用した紙塗工組成物が開示されている。しかし、この方法では初期耐水性の改良効果が未だ不充分である。
一方、高速塗工に適したフィルムトランスファー方式の塗工装置として主にゲートロールコーターやロッドメタリングサイズプレスコーターが知られているが、ゲートロールコーターは、ロッドメタリングサイズプレスコーターと比較して高速時にボイリングが発生しやすい、塗工量の制御幅が狭い、広い設置スペースが必要などの問題があるため、近年では、オンマシンでの高速塗工装置としてロッドメタリングサイズプレスコーターが好ましく用いられてきている。
フィルムトランスファー方式の塗工装置に関して、種々の技術が提案されている。特許文献2は、特定のラテックスを塗料に配合することを提案している。顔料塗工として、ゲートロールコーターなどのフィルムトランスファー方式の塗工装置を用いて下塗り塗工を行い、さらにブレードコーターを使用して上塗り塗工を行う際に、下塗り用のゲートロールコーターではロール間のせん断力により塗料がガムアップ(凝固)してロールに付着する問題が発生し、上塗り用のブレードコーターではブレードの刃先に塗料が凝集して付着し、塗工紙の塗工面にムラやスジが生じる問題が発生するところ、特許文献2では、かかる問題を解消すべく、ゲル含量を調整したラテックスを塗料に配合することが提案されている。また、特許文献3も、オンマシンでの多層塗工に関して問題となるガムアップによる操業性低下に対して、バインダーとして特定のラテックスを提案している。
また、広告・宣伝を目的とした商業印刷分野では、低価格であることが求められるため、原料面からは、機械パルプの使用が検討される。しかし、その用途目的から高速の印刷方式であるオフセット輪転機(オフ輪)によって印刷される場合が多いが、オフ輪は印刷後連続して高温で加熱乾燥する印刷方式であるため、他の枚葉オフセット、輪転グラビア、活版等の印刷方式ではみられないラフニングという特異な現象を発生しやすく印刷仕上がりを悪化させる重大な欠陥となっている。ラフニングは上質系塗工紙には見られない中質系塗工紙特有の現象であり、オフ輪印刷時、紙にインキや湿し水を付与された後に高温下での急速な乾燥にさらされることにより、特に機械パルプの繊維が形状変化を起こし、紙表面の粗さが増大するため発生するとされているが詳細なメカニズムは分かっておらず、充分な対策も解明されていない。
特開平6−192997号公報 特開平9−67796号公報 特開平9−324395号公報
前述のごとく、生産性向上の観点から、近年、生産設備としてオンマシン塗工装置を用い、より高速で製品化する試みがなされている。一般に、オフマシン塗工装置を用いる場合、抄紙工程と塗工工程との間に間隔があるため、抄造された原紙の紙面温度が下がるのに対し、オンマシン塗工装置を用いる場合、抄紙工程と塗工工程とが連続で行なわれるため、原紙および一次面で塗工された後の紙面温度は高い状態となっている。このため、オンマシン塗工装置を用いる場合、一次塗工後の塗工層に存在する共重合体ラテックス成分がバッキングロールに付着しやすく、また、紙面温度が高いため、塗工層からバッキングロール側に取られた付着物が乾燥しやすく洗浄が困難となる。このように、オンマシン塗工設備を用いて高速で操業する場合、従来の技術・方法ではバッキングロール汚れ防止策としては不十分であり、さらなる改善が必要であった。
また、フィルム転写方式のコーターであるロッドメタリングサイズプレス(RMSP)コーターを用いる場合であっても、操業速度がより高速化すると、ロッドのニップ出口で一部の塗工液が粕状に固まり、これに対応したアプリケータロール表面の塗料フィルム膜が乱れ、その結果、均一な塗工面の塗工紙が製造できないという問題(いわゆるロッド粕トラブル)が発生する。
さらに、原料パルプとして機械パルプを使用した塗工紙をオフセット印刷に用いる場合、オフセット印刷時にラフニングを生じることがある。
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、1300m/分以上などの高速の操業条件下においても、ブレードコーターを用いた塗工の際のバッキングロール汚れを防止し、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いて塗工する際のロッド粕を抑制し、さらに、印刷時のラフニングの少ない印刷適性に優れた塗工紙を効率的に製造する技術を提供することにある。
本発明者等は、上記課題について鋭意検討した結果、1300m/分以上などの高速の操業条件下においても、顔料塗工液に配合する接着剤として特定の共重合体ラテックスを使用することにより、ブレードコーターのバッキングロール汚れやロッド粕トラブルを抑制し、優れた印刷適性を有する印刷用塗工紙が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明においては、コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
(ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
から形成され、
共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
(ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
から形成され、
ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである、共重合体ラテックスを使用する。
1つの観点において、本発明は、上記共重合体ラテックスを顔料塗工用の接着剤として用いる塗工紙の製造方法である。別の観点において、本発明は、上記共重合体ラテックスを顔料塗工層に含んでなる塗工紙である。
また、別の観点からは、本発明は、上記共重合体ラテックスからなる製紙用顔料塗工用接着剤(バインダー)である。さらに別の観点からは、本発明は、上記共重合体ラテックスを含んでなる製紙用顔料塗工用組成物(塗料)である。
これに限定されるものではないが、本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 顔料と接着剤を含有する塗工液を原紙上に塗工して1層以上の塗工層を設けることを含む、塗工紙の製造方法であって、前記接着剤として、コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
(ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)から形成され、共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
(ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)から形成され、ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである共重合体ラテックスを用いる、塗工紙の製造方法。
(2) 前記共重合体ラテックスの全体が、
(a)共役ジエン単量体33〜35重量%、
(b)不飽和カルボン酸単量体3.5〜3.7重量%、
(c)シアン化ビニル単量体20〜22重量%、および
(d)これら単量体と共重合可能な他の単量体39.3〜43.5重量%
(ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である)
から構成され、共重合体部分Aと共重合体部分Bとが同一粒子内に存在して異相構造を形成し、共重合体Bはメルカプタン類の分子量調整剤の非存在下において乳化重合して得られることを特徴とする、(1)に記載の方法。
(3) 前記塗工がブレードコーターを用いて行われる、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記塗工がロッドメタリングサイズプレス方式のコーターを用いて行われる、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記コーターがオンマシンコーターであり、抄紙工程から塗工工程までが連続して行なわれる、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 操業速度が1300m/分以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記原紙をギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙する工程を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 前記ギャップフォーマ型抄紙機がタンデムシュープレスを1基以上有する、(7)に記載の方法。
(9) コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
(ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)から形成され、共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
(ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)から形成され、ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである、共重合体ラテックスからなる接着剤を含んでなる製紙用顔料塗工用組成物。
(10) (9)に記載の製紙用顔料塗工用組成物を原紙上に塗工した塗工紙。
本発明によれば、1300m/分以上などの高速の操業条件下においても、ブレードコーターのバッキングロール汚れやロッドメタリングサイズプレスコーターにおける粕トラブルを抑制し、優れた印刷適性を有する印刷用塗工紙を製造することができる。
また、本発明によれば、印刷品質、特にドライ強度、ウェット強度、印刷光沢度に優れる印刷用塗工紙を得ることができる。本発明の印刷用塗工紙は、印刷時のラフニングが少なく、耐ブリスター性が良好である。
さらに、ギャップフォーマ型抄紙機、特にプレスパートにタンデムシュープレスを1基以上有するギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙することにより、表面性が良好となり、印刷光沢度の向上、微小光沢ムラ、インキ着肉ムラ、ラフニングの発生をより抑えることができる。
本発明においては、顔料塗工層を構成する接着剤として特定の共重合体ラテックスを使用する。具体的には、本発明においては、コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
共重合体部分Aが、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
(ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
から形成され、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
共重合体部分Bが、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
(ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
から形成され、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである、共重合体ラテックスを使用する。
本発明の共重合体ラテックスを塗工層を形成する接着剤として使用すると、オンマシンコーターを用いて抄速1300m/分以上の高速で塗工紙を製造する場合であっても、バッキングロール汚れやロッド粕の発生を防ぐことができ、高い操業性で高品質の塗工紙を製造することが可能になる。
本発明の共重合体ラテックスが高速操業時のバッキングロール汚れ防止に有効である理由は明らかでなく、本発明はそのメカニズムによって限定されるものではないが、本発明の共重合体ラテックスを含むことによって、粘着性が低減し、また、洗浄性が向上するため、バッキングロール汚れ特性が良好となるものと推測される。さらに、本発明の共重合体を含む顔料塗工液は、塗工液の粘度や高速流動性が良好であり、塗工速度が1300m/分以上である高速操業に特に適している。さらにまた、本発明の共重合体は、強度等に影響を与える共重合体の構造が高分子量体であるため、塗工紙のピック強度、印刷光沢が良好な塗工紙の塗工層を形成することができる。
また、本発明の共重合体ラテックスが高速操業時のロッド粕トラブルの抑制に有効である理由は明らかでなく、本発明は以下のメカニズムによって限定されるものではないが、本発明の共重合体ラテックスを含むことによって、塗工液の機械的安定性が向上し、さらには塗工液の粘度や高速流動性が良好となるために、ロッド粕を大幅に低減でき、良好な塗工紙が得られるものと考えられる。
さらに、本発明の好ましい態様において、ロッドメタリング方式の塗工装置を用いて原紙上に下塗り塗工し、さらに、ブレード方式の塗工装置を用いて顔料と接着剤を有する塗工液を上塗り塗工する。この際、前記下塗り塗工は、澱粉塗工液を両面合わせて1.0g/m以上塗工するか、または、塗工液中の顔料100重量部に対し13重量部以上の澱粉を配合した塗工液を両面合わせて3.0g/m以上塗工することにより行い、顔料塗工液中の接着剤として上記の共重合体ラテックスを用いることが好ましい。
本発明においては、通常よりも多量の澱粉を原紙に下塗り塗工する。具体的には、本発明では、澱粉を主体とする塗工液(以下、澱粉塗工液という)を両面合わせて1.0g/m以上の塗工量で下塗り塗工してクリア塗工層を形成させるか、または、顔料100重量部に対し13重量部以上の澱粉を配合した塗工液を両面合わせて3.0g/m以上の塗工量で下塗り塗工して顔料塗工層を形成させる。
上記したように、機械パルプを含む中質系塗工紙をオンマシンコータを用いて抄速1300m/分以上の高速で製造すると、オフセット印刷などの印刷時に塗工紙の印刷面が印刷前の紙表面と比較して粗くなり、仕上がりが悪くなる所謂ラフニング現象が発生する問題があったが、ロッドメタリング方式の塗工装置で澱粉を下塗り塗工することによって、機械パルプを含む中質塗工紙におけるラフニングが大幅に減少した。ロッドメタリング方式の塗工装置で澱粉を下塗り塗工することによってラフニングが減少するメカニズムは明らかではないが、より原紙表面に近い下塗り塗料で澱粉を単独塗工するか、澱粉を通常塗料より高配合した塗料を塗工することにより、ラフニングの原因である印刷における機械パルプ繊維の形状変化を抑制する効果があると推測される。
共重合体ラテックス
本発明の共重合体ラテックスは、コア層とシェル層を含んで構成され、共重合体100重量%に対して、コア層部分が80〜82重量%、シェル層部分が20〜18重量%を構成する。
本発明の共重合体ラテックスはコア層として共重合体部分Aを含んでなり、このような共重合体部分Aによって、耐衝撃性が向上するため、塗工紙の強度、特にドライピック強度を良好にすることができる。また、本発明の共重合体ラテックスはシェル層として共重合体部分Bを含んでなり、このような共重合体部分Bによって、粘着性が低減され、かつ洗浄性が向上するため、特にバッキングロール汚れ特性が良好にすることができる。
また、本発明の共重合体ラテックスはシェル層として共重合体部分Bを含んでなり、このような共重合体部分Bによって、機械的安定性が向上するため、ロッド粕トラブルを抑制することができる。したがって、本発明の共重合体ラテックスにおいては、共重合体ラテックス粒子内にコア層とシェル層とが存在し異相構造を形成していることが必要である。また、コア層部分である共重合体部分Aが80重量%未満であると、塗工層の強度が十分でなくなり、一方、共重合体部分Aが82重量%を超えると、塗工液の機械的安定性が低下し、高速操業時にロッド粕が発生する。
好ましい態様において、本発明の共重合体ラテックスは、
(a)共役ジエン単量体33〜35重量%、
(b)不飽和カルボン酸単量体3.5〜3.7重量%、
(c)シアン化ビニル単量体20〜22重量%、および
(d)これら単量体と共重合可能な他の単量体39.3〜43.5重量%
を含んで構成される。
本発明の共重合体ラテックスにおいて、(a)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、33〜35重量%であり、33.5〜34.5重量%であることが好ましい。上記含有割合が33重量%未満であると、共重合体ラテックスが硬くなり過ぎ、十分な塗工層強度(ピック強度)を得ることができない。一方、35重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。
また、本発明の共重合体ラテックスにおいて、(b)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、3.5〜3.7重量%であり、3.55〜3.65重量%であることが好ましい。上記含有割合が3.5重量%未満であると、乳化重合時の共重合体ラテックスの安定性が悪く、また、共重合体ラテックス(P)の洗浄性が低下し、バッキングロール汚れ特性が低下する。一方、3.7重量%超であると、得られる共重合体ラテックスの粘度が高くなるため、塗工液の粘度が高くなりすぎ塗工性が悪くなり、高速流動性が低下してロッド粕が発生しやすくなったり、塗工層の平滑性を損ない印刷光沢が低下する。
さらに、本発明の共重合体ラテックスにおいて、(c)シアン化ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、20〜22重量%であることが好ましく、20.5〜21.5重量%であることが更に好ましい。(c)シアン化ビニル単量体に由来する構造単位を含有させることによって、共重合体ラテックスの耐油性が向上するため、印刷光沢を更に向上させることができる。上記含有割合が20重量%未満であると、印刷光沢が低下する。一方、22重量%超であると、インキ転移性が低下する。
さらにまた、本発明の共重合体ラテックスにおいては、(d)上記単量体と共重合可能な他の単量体を39.3〜43.5重量%にて含有させてもよい。
本発明の共重合体ラテックスのコア層を形成する共重合体部分Aは、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
から構成され、ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である。
この共重合体部分A中の(a−1)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、30〜32重量%であり、30.5〜31.5重量%であることが好ましい。上記含有割合が30重量%未満であると、共重合体部分Aが硬くなり過ぎ、十分なドライピック強度を得ることができない。一方、32重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。
また、共重合体部分A中の(b−1)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、1.1〜1.4重量%である。上記含有割合が1.1重量%未満であると、乳化重合時の共重合体部分Aの安定性が悪く、重合様態が悪化する。一方、1.4重量%超であると、シェル層を形成する共重合体部分Bが同一粒子内に異相構造を形成しなくなり、目的とする性能が得られない。
また、本発明の共重合体ラテックスのシェル層を形成する共重合体部分Bは、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
から形成され、ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である。
この共重合体部分B中の(a−2)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、2〜4重量%であり、2.5〜3.5重量%であることが好ましい。上記含有割合が2重量%未満であると、共重合体部分Bが硬くなり過ぎ、十分なウェットピック強度を得ることができない。一方、4重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。
また、共重合体部分B中の(b−2)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、2.2〜2.5重量%である。上記含有割合が2.2重量%未満であると、共重合体ラテックス(P)の洗浄性が低下し、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。一方、2.5重量%超であると、得られる共重合体ラテックスの粘度が高くなるため、塗工液の粘度が高くなりすぎ塗工性が悪くなり、高速流動性が低下してロッド粕が発生しやすくなったり、塗工層の平滑性を損ない印刷光沢が低下する。
さらに、共重合体部分B中の(c−2)シアン化ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、5〜7重量%であることが好ましく、5.5〜6.5重量%であることが更に好ましい。上記含有割合が5重量%未満であると、印刷光沢が低下する。一方、7重量%超であると、インキ転移性が低下する。
本発明の共重合体ラテックスは、前記共重合体部分Aと前記共重合体部分Bとが同一粒子内に存在してコアシェル型の異相構造を形成し、その割合が共重合体100重量%に対して、前期共重合体部分Aが80〜82重量%であることが好ましい。前記共重合体部分Aと前記共重合体部分Bとが同一粒子内に存在して異相構造を形成しない場合には、目的とする性能が得られない。また共重合体部分Aの割合が80重量%未満であると、十分なピック強度が得られない。一方、82重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。
本発明の共重合体ラテックスは、ゲル含有量が93〜96%であり、93〜95%であることが好ましい。上記ゲル含有量が93%未満であると、十分なピック強度が得られず、また、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。一方、96%超であると、十分なピック強度が得られなくなる。ここで、本明細書において「ゲル含有量」とは、共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムによりpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させ、得られた凝固物を洗浄、乾燥した後、0.3gの試料を100mlのトルエンに25℃、20時間浸漬させたときの、トルエン中に残存する固形物の、浸漬前の全固形分に対する重量比率をいう。なお、トルエン中に残存する固形物は、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分のことである。
本発明の共重合体ラテックスは、重量平均粒子径が73〜88nmであり、75〜88nmであることが好ましい。上記重量平均粒子径が73nm未満であると、平滑性が低下し、印刷光沢が低下する。一方、88nm超であると、十分なピック強度が得られない。ここで、本明細書において、「重量平均粒子径」とは、動的光散乱法によって重量平均粒子径を測定する測定装置に共重合体ラテックスを供して測定される値である。この測定は、例えば、粒子径測定装置「LPA−3100」(大塚電子製)を用いることができる。
本発明の共重合体ラテックスは、前記共重合体部分Aと前記共重合体部分Bとからなり、共重合体部分Aは4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、共重合体部分Bは43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有することが好ましい。さらに好ましくは、共重合体部分Aは5〜10℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、共重合体部分Bは45〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有する。上記共重合体部分Aのガラス転移温度が4℃未満であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。一方、上記共重合体部分Aのガラス転移温度が12℃超であると、十分なドライピック強度が得られない。また、上記共重合体部分Bのガラス転移温度が43℃未満であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れやロッド粕が発生しやすくなる。一方、上記共重合体部分Bのガラス転移温度が50℃超であると、十分なウェットピック強度が得られない。
本発明の共重合体ラテックスに含有される共役ジエン単量体は、共重合体ラテックスに含有する共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与することができる。共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエンが好ましい。これらの共役ジエン単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスを構成する単量体成分としては、好ましい態様において、上記の共役ジエン単量体以外に、不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル単量体、および、前記単量体と共重合可能な他の単量体が挙げられる。
不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、β−メタアクリルオキシエチルアシッドヘキサハイドロフタレートなどのハーフエステル類;これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。これらの不飽和カルボン酸単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本明細書において、不飽和カルボン酸単量体というときは、重合中に不飽和カルボン酸単量体に変化するものを含めたものをいうものとする。重合中に不飽和カルボン酸単量体に変化するものとしては、例えば、モノカルボン酸類の無水物、ジカルボン酸類の無水物、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。具体的には、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物などは、水性媒体中で乳化重合する際にカルボン酸に変化するため、不飽和カルボン酸単量体として使用することができる。
また、シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルメタクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、アクリロニトリルが好ましい。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、前記単量体と共重合可能な他の単量体は、共重合体に主として目的に応じた適度な硬さを付与するために用いられる成分である。他の単量体としては、例えば、分子中に重合性不飽和結合を1個以上有する化合物を挙げることができ、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。具体的には、芳香族ビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物等が挙げられる。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和二塩基酸アルキルエステルとしては、例えば、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル等が挙げられる。
アクリルアミド及びメタクリルアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
本発明の共重合体ラテックスは、公知の重合方法によって製造することができ、好ましい態様において乳化重合により製造される。重合においては、分子量調節剤を使用して、分子量を制御することができる。好ましい態様において、本発明の共重合体ラテックスのシェル層である共重合体部分Bは、メルカプタン類の分子量調節剤の非存在下において重合される。
分子量調節剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムスルフィド類、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーなどの炭化水素類、アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルネピン、γ−テルネピン、ジペンテン、1,1−ジフェニルエチレンなどを挙げることができる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の共重合ラテックスは、塗料の塗工適性や塗工紙の品質などの観点から、顔料100重量部に対して固形分で1〜20重量部であることが好ましく、2〜15重量部であることがより好ましく、さらに好ましくは3〜10重量部である。
塗工原紙
本発明において塗工原紙のパルプ原料は、特に限定されるものではなく、例えば、機械パルプ(MP)、脱墨パルプ(DIP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、印刷用紙の抄紙原料として一般的に使用されているものであればよく、適宜、これらの1種類または2種類以上を配合して使用することができる。機械パルプとしては、例えば、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)などが挙げられ、抄紙工程からの損紙を離解して得られる回収パルプも使用することができる。脱墨パルプとしては、例えば、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプを挙げることができる。また、パルプの原料となる樹種も特に制限されず、広葉樹あるいは針葉樹由来のパルプを使用することができる。特に本発明においては、特定のラテックスを使用することによって、機械パルプを含む中質塗工紙においてもラフニングを抑制することができる。具体的には、機械パルプが対パルプ30重量%以上においても、本発明によれば、ラフニングが少なく、耐ブリスター性が良好であるなどの効果を発揮することができる。
本発明においては、脱墨パルプを対パルプ20重量%以上、更には30重量%以上配合しても、表裏差がなく、層間強度が良好な塗工紙を得ることができる。強度の点から、脱墨パルプの配合量は80重量%以下であることが好ましい。
本発明においては、塗工原紙の原料として公知の填料を使用することができる。填料としては、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素―ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。また、有機・無機複合填料を使用することも可能である。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物が好ましく使用される。
填料の配合率も用途に応じて決定することができるが、好ましい態様において、紙中填料率は1〜40固形分重量%である。抄紙においては紙中填料率が高いほど歩留りは低下する。したがって、紙中填料率が高い印刷用塗工原紙の製造に本発明を適用したほうが本発明の効果が大きい。この観点から、紙中填料率は10〜40固形分重量%が好ましく、12〜35固形分重量%がさらに好ましい。
本発明においては、内添薬品として、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、染料、サイズ剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、紫外線防止剤、退色防止剤、濾水性向上剤、凝結剤などの薬品を必要に応じて使用しても良い。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉が挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。中性サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、中性ロジンサイズ剤などが挙げられる。これらの内添薬品は、必要に応じてパルプ、填料と共に使用され紙料を調製することができる。
本発明の塗工原紙の製造においては、通常の抄紙機を用いることができる。本発明においては、抄紙機のフォーマ部についても特に制限はなく、オントップフォーマ、ギャップフォーマなどのフォーマ部を備える抄紙機を用いることができる。特に本発明においては、ヘッドボックスから噴射された紙料が2枚のワイヤーに挟まれて走行し、湿紙の両側からほぼ均等に脱水するギャップフォーマ型抄紙機を用いることが好ましく、特にフォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いると、1300m/分以上の高速の抄紙速度においても高い操業性で、ラフニングの発生が少なく、表裏差の少ない表面性が良好な紙が得られ、好適である。ロールアンドブレード形式のギャップフォーマでは、最初の脱水はバキュームを有したフォーミングロールのラップエリアで行われ、その直後に加圧ブレードモジュールによるブレード脱水が行われる。この機構より従来のフォーマよりも緩慢な脱水が可能となるため、より均一な紙層構造や地合を有した紙が得られる。また、この時に使用されるフォーミングロールは、その径が小さいと十分な抱き角度を得ることができず脱水の調整が難しくなるため、フォーミングロール径は1500mm以上であることが望ましい。本発明においては、フォーミングロールやブレードによる脱水機構に加えて、その後段にサクションユニットやハイバキュームサクションボックスなどの脱水装置を適宜用いることでドライネスの調整を行うことができる。
本発明で使用する抄紙機は、プレスパートにシュープレスを用いることが好ましく、抄紙速度が高速の場合、プレス後水分を鑑みてタンデムタイプのシュープレスを用い1段以上で処理することが好ましく、2段以上で処理することがより好ましい。シュープレス、特にタンデムタイプのシュープレスを使用することにより、層間強度、耐ブリスター性を向上させることが可能である。本発明においてシュープレスを使用する場合、ニップ幅が概ね150〜250mmであることが好適であり、回転駆動するプレスロールと油圧で押し上げる加圧シューの間を通紙させ、フェルトと加圧シューの間にスリーブを走行させるタイプが適している。プレス圧はプレス出口水分や表裏差を加味して適宜調整できるが、好ましくは100kN/m〜1100kN/m、より好ましくは500kN/m〜1100kN/mである。また、前記シュープレスを2基以上使用する場合、ドライヤーパート側のシュープレスにトランスファーベルトが接触するように通紙すると、断紙等が起こりにくく、高速操業性に優れる。
本発明においては、ドライヤーとして公知の装置を用いることができる。プレドライヤー、アフタードライヤーも公用の装置を用いることができ、乾燥条件も特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できる。
本発明の塗工原紙は、調製した紙料を上記の如く抄造することにより製造することができる。本発明の抄紙方法については、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式のいずれであってもよい。また、本発明に使用する原紙の坪量も特に制限されず、好ましい態様において、25〜200g/m、より好ましくは30〜100g/m、特に好ましくは30〜50g/mである原紙を使用することができる。
さらに、本発明の塗工原紙においては、必要に応じて澱粉などの接着剤を主体とするクリア塗工液を塗工して表面処理を施してもよい。クリア塗工により、塗工原紙の表面性改善に加えて、接着剤の浸透による層間強度の向上を図ることができる。クリア塗工層の接着剤量は、固形分重量で80重量%以上が好ましく、また、クリア塗工層の塗工量は、固形分重量で0.5〜3.0g/mが好ましい。クリア塗工液の主成分として使用する接着剤としては、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、エーテル化澱粉(湿式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉、乾式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉等)などの変性澱粉や、イオン性を有するポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。クリア塗工液には、接着剤以外にサイズ剤、界面活性剤、保湿剤、消泡剤などを併用することもできる。
クリア塗工する場合、塗工装置としては、ロッドメタリングサイズプレスコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータ、ゲートロールコータ、2ロールサイズプレスなどを使用できるが、特に高速時における層間強度向上の点からロッドメタリングサイズプレスコータを使用することが好ましい。
本発明においては、上記のクリア塗工された塗工原紙、あるいはクリア塗工されない塗工原紙に、顔料塗工液を塗工する前に、チルドカレンダ、ソフトカレンダー等によるプレカレンダ処理を施しても良い。
塗工紙
本発明においては、上記の如く抄造した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける。該塗工層を2層以上設ける場合、顔料と接着剤を含有する顔料塗工液を下塗り塗工して下塗り塗工紙を得ることができる。
顔料と接着剤を主成分とする下塗り顔料塗工液に使用する顔料については、重質炭酸カルシウムが主に使用されるが、要求品質に応じて軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、サチンホワイト、プラスチックピグメント、二酸化チタン等を併用する。また、下塗り顔料塗工液に使用する接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系等の各種共重合体エマルジョン及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体等の合成系接着剤、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、エーテル化デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン等を用いる。本発明の顔料塗工液には分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を使用しても良い。
下塗り塗工する場合、塗工装置としては、ロッドメタリングサイズプレスコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータ、ゲートロールコータ、2ロールサイズプレスなどを使用できるが、特に高速時における層間強度向上の点からロッドメタリングサイズプレスコータを使用することが好ましい。
下塗り顔料塗工液の塗工量は、好ましくは、原紙片面で固形分で1〜12g/mの範囲であり、より好ましくは1〜10g/m、さらに好ましくは2〜8g/m、最も好ましくは2〜5g/mである。1g/mより少ない量は、通常の塗工液濃度では塗工しにくく、塗工液濃度を下げた場合には、塗工液の原紙内部への浸透が大きくなり表面性が低下しやすい。12g/mより多い量を塗工する場合は、塗工液濃度を高くする必要があり、装置上塗工量のコントロールがしにくい。
塗工後乾燥された塗工紙は、上塗り顔料塗工液の塗工前にチルドカレンダ、ソフトカレンダー等によるプレカレンダ処理を施しても良い。
本発明においては、上記の原紙あるいは下塗り塗工紙の上に、顔料と接着剤を含有する上塗り顔料塗工液を上塗り塗工して塗工紙を製造する。
本発明において、上塗り顔料塗工液の顔料、接着剤組成、配合量、塗被量等は特に限定されず、一般に使用される顔料、接着剤で良い。塗工液濃度は30〜70%重量%程度であり、55〜68重量%が好ましい。
本発明の塗工紙の上塗り顔料塗工層を構成する顔料としては、通常の塗工紙製造分野で用いられる顔料が適宜使用できる。例えば、カオリン、クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、プラスチックピグメント等を使用することができ、最終製品の品質特性を考慮して、1種又は2種以上を適宜混合して使用する。本発明においては、印刷強度、印刷光沢度の点から、上塗り顔料塗工層の顔料として、炭酸カルシウムを顔料100重量部当たり50重量部以上が好ましく、より好ましくは70重量部以上である。
本発明においては、本発明の共重合体ラテックスを顔料塗工層を構成する接着剤として使用するが、通常の塗工紙製造分野で使用される他の接着剤を適宜併用することができる。併用する接着剤としては、例えば澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体などが挙げられ、2種以上を併用して用いても良い。好ましい態様において、接着剤の配合量は顔料100重量部に対し、5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部で調節する。なお、塗工液中には顔料や接着剤のほかに、一般塗工紙の製造分野で使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、保水剤、印刷適性向上剤、サイズ剤、紫外線防止剤、退色防止剤、蛍光増白剤、粘度安定化剤、滑剤、防滑剤等の各種助剤を適宜添加することもできる。
本発明の好ましい態様において、ブレード方式の塗工装置を用いて1層以上の顔料塗工層が形成される。好ましい態様において、上記材料を用いて調製された塗工液は、フラデッドニップ式ブレードコーター、ジェットファウンテン式ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式ブレードコーター等のブレード式コーターを用いて、原紙上、または、顔料及び接着剤を主成分とする顔料塗工液を塗工して表面性改善を改善した下塗り塗工紙上に、片面あるいは両面に上塗り塗工される。本発明においては、特に高速塗工適性の観点からジェットファウンテン式ブレードコータを採用することが好ましい。
上塗り顔料塗工層の片面当たりの塗工量については、本発明の効果が発揮されやすいため、3〜20g/mが好ましく、4〜15g/mがより好ましく、4〜12g/mがさらに好ましく、4〜10g/mが特に好ましい。また、本発明においては、上塗り顔料塗工層を原紙または下塗り塗工紙の片面又は両面に、1層以上設けることが可能である。
本発明の別の好ましい態様において、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いて1層以上の顔料塗工層が形成される。本発明で使用するロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置とは、例えば、ワーヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート等からなる通常の抄紙機において、ドライヤーパートの途中で設けられるサイズプレス部分に備えられたロッドメタリングサイズプレスコータのことであり、このコータを用いて、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工するものである。また、抄紙機上のサイズプレス部分以外で使用することもできる。本発明においては、ミストの発生、塗工ムラなどの操業性、紙品質の点から、ロッドの溝幅は溝なしロッドも含めた0.30mm以下が好ましく、より好ましくは、0.05〜0.30mmである。また、ロッド径は、好ましくは5〜50mmであり、より好ましくは10〜30mmが、塗工適性の点から優れている。
また、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置で顔料塗工液を塗工する塗工量は、好ましくは、原紙片面で固形分で1〜12g/mの範囲であり、より好ましくは1〜10g/m、さらに好ましくは2〜8g/m、最も好ましくは2〜5g/mである。1g/mより少ない量は、通常の塗工液濃度では塗工しにくく、塗工液濃度を下げた場合には、塗工液の原紙内部への浸透が大きくなり表面性が低下しやすい。12g/mより多い量を塗工する場合は、塗工液濃度を高くする必要があり、装置上塗工量のコントロールがしにくい。また、この時の塗工液の固形分濃度は、30〜65重量%が好ましい。
本発明のロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いた塗工速度は、1300m/分以上の高速において適しており、好ましくは1500m/分以上、より好ましくは1600m/分以上で2500m/分程度である。
本発明の好ましい態様において、上記の如く抄造した原紙上に、ロッドメタリング方式の塗工装置を用いて、澱粉を含んでなる下塗り塗工層を設ける。具体的には、ロッドメタリングサイズプレスコータなどのロッドメタリング方式の塗工装置を用いて、下塗り塗工として、澱粉塗工液を両面1.0g/m以上塗工するか、或いは、塗工液中の顔料100重量部に対し、13部以上の澱粉を配合した顔料塗工液を両面3.0g/m以上塗工することによって、ラフニングが低減された塗工紙を優れた高速操業性で得ることができる。
下塗り塗工として澱粉塗工液を両面1.0g/m以上の塗工量でクリア塗工する場合、澱粉が固形分で両面合わせて1.0g/m以上塗工することが好ましく、1.0〜4.0g/m塗工することがより好ましく、1.0〜3.0g/m塗工することがさらに好ましい。また、下塗り塗工として顔料塗工液を塗工する場合、塗工液中の顔料100重量部に対し、澱粉13部以上を配合した顔料塗工液を両面で3.0g/m以上塗工することが好ましく、3.0g/m〜10g/m以下塗工することがより好ましく、3.0g/m〜6.0g/m以下塗工することがさらに好ましい。使用する澱粉に制限はないが、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉を単独、あるいは混合して好適に使用することができ、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉が紙表面を被覆するためラフニングを抑制しやすい点から好ましい。本発明の澱粉塗工液とは澱粉を主に含んでなる塗工液を意味し、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等も一部混合して使用することができる。また、顔料塗工液を下塗り塗工する場合、従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料などを、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
塗工層の乾燥は、一般に使用されるドライヤーを用いることができ、例えば、加熱熱風エアドライヤ、加熱シリンダ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等、各種の方式のドライヤを、単独であるいは組み合せて用いることができる。乾燥状態が用紙のカールに影響を及ぼすため、本発明においては表裏の乾燥バランスをコントロールすることのできる装置を用いることが好ましい。
本発明においては、このようにして得られた塗工紙に対し、カレンダー処理などの表面処理を行うことができる。カレンダー処理は、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等により行うことができ、これらを併用しても良い。印刷品質及び印刷作業性のバランスを良好にする観点から、特にソフトカレンダー処理することが好ましい。カレンダーの処理温度は、100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。カレンダー処理時の線圧も特に制限されないが、10〜200kg/cmであることが好ましく、10〜100kg/cmであることがより好ましい。
本発明は、抄紙速度が1300m/分以上の高速条件下で、原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工して塗工層を1層以上設けるオンマシンコーターを用いた塗工紙を製造する際に特に有効である。本発明によれば、特に二次面塗工時にバッキングロール汚れやロッド粕が発生しにくいため、高速操業性を向上させることができ、また、印刷品質(とくにウェット強度、印刷光沢度、耐ブリスター性)に優れた塗工紙を製造することができる。また、本発明においては、抄紙および塗工だけでなく、更にカレンダー処理を加えて一体化し、連続的に通紙して塗工紙を製造することもできる。
本発明の塗工紙の坪量は、特に制限されず、例えば、30g/m〜200g/mの範囲とすることができる。例えば、好ましくは90g/m以下、より好ましくは70g/m以下であってもよく、好ましくは35〜70g/m以下、より好ましくは35〜64g/m、さらに好ましくは35〜55g/mという低坪量であってもよい。また、本発明の塗工紙は、印刷適性に優れるため、印刷用塗工紙として好適である、特に、オフセット印刷用塗工紙として好適である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本明細書において、部数及び%は、特に断らない限り、それぞれ重量部、重量%を示し、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
<品質評価方法>
(1)ゲル含有量
共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムによりpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させ、得られた凝固物をメタノールで洗浄、乾燥させる。乾燥した試料0.3gを100mlのトルエンに25℃、20時間浸漬させたときの、トルエン中に残存する固形物の、浸漬前の全固形分に対する重量比率を測定し、ゲル含有量とした。
(2)重量平均粒子径
光散乱法による粒子径測定装置「LPA−3100」(大塚電子製)を用いて測定した。
(3)ガラス転移温度
共重合体ラテックスを130℃で30分間加熱乾燥してフィルムを作製し、この乾燥フィルムのガラス転移温度を、示差走査熱量計「DSC−220C」(セイコー電子製)を用いて、昇温速度15℃/分の条件で測定した。
(4)塗工用顔料の平均粒子径
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マスターサイザーS、マルバーン製)を用いて、体積累積分布の50%点を平均粒子径として測定した。
(5)バッキングロール汚れ評価
72時間連続操業した後、ロールの汚れ状態を目視評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=バッキングロール汚れが発生しない、○=バッキングロール汚れが若干発生する、△=バッキングロール汚れがかなり発生する、×=バッキングロール汚れが著しく発生する
(6)ロッド粕発生状態の評価
ロッドメタリングサイズプレスコータで塗工中にロッド出口の塗料粕の状態を目視評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:まったく粕は発生せず、○:粕は発生していないがやや塗料フィルムにみだれが見られる、△:少し粕が発生、×:大量の粕が発生
(7)高速操業性
プレスパート部での断紙が起こりにくく、塗工時にミストなどの発生がなく、カレンダー時の収縮シワの発生がない高速操業性の適性を評価した。
◎非常に良好、○良好、△やや不良、×不良
(8)塗工紙のドライ強度(耐刷強度)
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、TKハイプラス紅インキ(東洋インキ製)を使用して印刷後、ゴムロールについた印刷跡を転写紙に手動で転写してピッキングの程度を目視で相対評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(9)塗工紙のウェット強度
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、塗工紙表面を湿水ロールで湿してから、TKハイプラス紅インキ(東洋インキ製)を使用して印刷後、ゴムロールについた印刷跡を転写紙に手動で転写してピッキングの程度を目視で相対評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(10)印刷光沢度
東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、オフセット印刷用インキ(レオエコーSOY−M、東洋インキ製)を使用して印刷速度500rpmで印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P−8142に従い角度75度にて印刷光沢度を測定した。
(11)塗工紙の白紙面感
塗工紙の白紙面の凹凸ムラを目視評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:良好、○:平均的、△:やや劣る、×:劣る
(12)塗工紙の耐ブリスター性
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、オフセット印刷用インキ(東洋インキ製:TKマークV617)を使用し、インキ量0.8ccにて両面印刷して一昼夜調湿度した後、この試験片を温度140℃に設定した恒温オイルバスに浸し、ブリスターの発生状況を目視評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(13)ラフニング
Fibro社製のペーパーサーフェイスアナライザーFIBRO1000により塗工紙のラフニングを測定した。この測定器は、幅3.5cmの試料表面に水を塗布し、赤外線ランプにより乾燥後、表面繊維の盛り上がりの程度をCCDカメラにより画像解析を行なって評価する。測定は、水塗布量8.0g/m、乾燥温度150℃の条件で行ない、基準線より0.1mm以上に盛り上がった繊維の数をQty値(本/m)として、ラフニングを評価した。したがって、Qty値が小さいほどラフニングは良好である。
実験1:ブレードコーターによる塗工
<共重合体ラテックスの製造>
攪拌装置及び温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水95重量%/ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%/過硫酸カリウム0.7重量%/硫酸第一鉄・7水塩0.3重量%/1,3−ブタジエン31重量%/スチレン33.75重量%/アクリロニトリル15重量%/アクリル酸1重量%/イタコン酸0.25重量%/α−メチルスチレンダイマー0.5重量%/t−ドデシルメルカプタン0.15重量%を1段目成分として仕込み、窒素で重合系内を置換した。続いて、重合系の反応容器内の温度を45℃に昇温し、9時間重合を行い、共重合体部分Aを得た。ここで、共重合体部分Aに用いた単量体成分の合計は、共重合体全体を100とした場合、81である。
次いで、重合転化率が70%以上に到達したことを確認した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量%/過硫酸カリウム0.8重量%/硫酸第一鉄・7水塩0.3重量%/1,3−ブタジエン3重量%/スチレン6.65重量%/アクリロニトリル6重量%/メチル(メタ)アクリレート1重量%/アクリル酸1.3重量%/イタコン酸1.05重量%/α−メチルスチレンダイマー0.1重量%を2段目成分(共重合体部分Bの成分)として3時間かけて連続的に重合系内に添加し、重合を完結した。ここで、共重合体部分Bに用いた単量体成分の合計は19である。最終的な重合転化率は99%であった。
以上のようにして得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpH7.5に調整した。その後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、更に加熱水蒸気蒸留によって固形分含量50%の共重合体ラテックス(P)を得た。
得られた共重合体ラテックス(P)について、(1)ゲル含有量、(2)重量平均粒子径、および(3)ガラス転移温度を、上記評価方法にしたがって評価した。その結果、(1)ゲル含有量が94%、(2)重量平均粒子径が85nm、および共重合体部分Aのガラス転移温度が7℃、共重合体部分Bのガラス転移温度が46℃であった。本ラテックスを実施例1に使用した。比較例1〜10で使用するラテックスは、表1で示した実施例1において、1段目のモノマー成分、2段目のモノマー成分で配合量の異なるところ以外は、実施例1で使用するラテックスと同様に製造した。
<塗工紙の製造>
[実施例1]
DIP(古紙パルプ)30部とLBKP70部とからなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を3部添加して紙料を調成した。
この紙料を用いて、抄紙速度1600m/分にて、ロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いて湿紙を形成させ、プレスパートにて2基のタンデムシュープレス(プレス線圧1000kN/m、2基目の紙のワイヤー面側にトランスファーベルトが接触)を用いて湿紙を搾水して、乾燥した原紙を抄紙した。引き続き、オンマシンのロッドメタリングサイズプレスコータを用いて、固形分濃度6%の酸化澱粉溶液を両面で1.6g/mクリア塗工し、乾燥して、34.6g/mの中質塗工原紙を得た。
さらに連続して、重質炭酸カルシウム73部及びカオリン27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン4.5部と前記共重合体ラテックス(P)を8.2部配合して固形分濃度64%の塗工液を、塗工量が原紙片面当たり8.3g/mとなるようにジェットファウンテン方式のブレードコータで両面に上記塗工液を塗工し、乾燥した。
引き続き、仕上げ工程にて2ロール・6スタックのソフトカレンダーを使用し、白紙光沢度50%(JIS P−8142に従い角度75度で測定)の塗工紙を得た。
抄紙、塗工、カレンダー処理を連続して行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1600m/分であった。
[比較例1]
実施例1において、ゲル含有量が92%の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例2]
実施例1において、ゲル含有量が97%の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例3]
実施例1において、共重合体部分Aのガラス転移温度が3℃の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例4]
実施例1において、共重合体部分Aのガラス転移温度が14℃の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例5]
実施例1において、の共重合体部分Bのガラス転移温度が42℃の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例6]
実施例1において、共重合体部分Bのガラス転移温度が52℃の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例7]
実施例1において、共重合体部分Aの割合が79重量%の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例8]
実施例1において、共重合体部分Aの割合が83重量%の共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例9]
実施例1において、共重合ラテックスの重量平均粒子径が70nmのものを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例10]
実施例1において、重量平均粒子径が90nmの共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
Figure 0004729131
表1に結果を示す。表1から明らかなように、本発明の共重合体ラテックスを顔料塗工の接着剤として使用すると、操業時のバッキングロール汚れの発生が少なく、高い操業性で塗工紙を製造することが可能だった。また、本発明により得られた塗工紙は、ドライ強度、ウェット強度ともに優れ、印刷光沢度も高かった。
実験2:ロッドメタリングサイズプレスコーターによる塗工
<共重合体ラテックスの製造>
実験1のラテックス(P)を、実験2の実施例に使用した。また、比較例2〜9で使用するラテックスは、1段目のモノマー成分、2段目のモノマー成分を表1のように配合した以外は、上記のラテックス(P)と同様に製造した。
さらに、実験2の比較例1で使用するラテックスは、次のように製造した。すなわち、上記共重合体ラテックスの製造と同様にして、攪拌装置及び温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水95重量%/ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6重量%/過硫酸カリウム1.5重量%/硫酸第一鉄・7水塩0.6重量%を仕込み、窒素で重合系内を置換した。続いて、重合系の反応容器内の温度を45℃に昇温し、1,3−ブタジエン34重量%/スチレン40.4重量%/アクリロニトリル21重量%/メチル(メタ)アクリレート1重量%/アクリル酸2.3重量%/イタコン酸1.3重量%/α−メチルスチレンダイマー0.4重量%/t−ドデシルメルカプタン0.05重量%を12時間にわたって連続的に重合系内に添加し、重合を完結した。最終的な重合転化率は99%であった。
以上のようにして得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpH7.5に調整した。その後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、更に加熱水蒸気蒸留によって固形分含量50%の共重合体ラテックス(P2)を得た。
得られた共重合体ラテックス(P2)について、前記共重合体ラテックス(P)と同様にして、(1)ゲル含有量、(2)重量平均粒子径、および(3)ガラス転移温度を評価した。その結果、(1)ゲル含有量が99%、(2)重量平均粒子径が82nm、および共重合体ラテックス(P2)のガラス転移温度が4℃であった。
Figure 0004729131
Figure 0004729131
<塗工紙の製造>
[実施例1]
DIP(TMP35重量%含有)30部とLBKP70部とからなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を0.2部添加して紙料を調成した。
この紙料を用いて、抄紙速度1600m/分にて、ロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いて湿紙を形成させ、プレスパートにて2基のタンデムシュープレスを用いて湿紙を搾水して、原紙を抄造した。
引き続き、オンマシンコータでアプリケーターロール2本とそれぞれのロールに溝幅0.15mmのロッド(ロッド径10mm)を装備したロッドメタリングサイズプレス(RMSP)を用いて、平均粒径0.6μmの重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として前記共重合体ラテックス(P)2部と酸化澱粉15部を配合した固形分濃度38%の塗工液を、塗工量が両面で8g/mとなるように下塗り塗工し、乾燥して、坪量が52g/mの下塗り塗工紙を得た。
次に、ブレード方式の塗工装置で重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン7部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを8部配合して固形分濃度62%の塗工液を調製し、片面当たり8g/mを両面に、塗工速度1600m/分で上塗り塗工し、乾燥した。
引き続き、仕上げ工程にて2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度110℃、線圧400kN/m、処理速度1600m/分の条件でカレンダー処理して塗工紙を得た。
抄紙、塗工、カレンダー処理を連続して行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1600m/分であった。
[実施例2]
実施例1において、接着剤として前記共重合体ラテックス(P)5部と酸化澱粉9部を配合した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、接着剤として、1段で合成した共重合ラテックス(P2)を使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例2]
実施例1において、共重合体部分B中の(a−2)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合が全構造単位に対して4.5重量%である共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例3]
実施例1において、共重合体部分B中の(b−2)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合が全構造単位に対して2.15重量%である共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例4]
実施例1において、共重合体部分B中の(b−2)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合が全構造単位に対して2.6重量%である共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例5]
実施例1において、共重合体全体100重量%に対して重合体部分Aが83重量%である共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例6]
実施例1において、ゲル含有量が85%である共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例7]
実施例1において、重量平均粒子径が95nmである共重合ラテックスを使用した以外は上記実施例1と全く同様に塗工紙を製造した。
[比較例8]
実施例1において、共重合体部分Aのガラス転移温度が2℃である共重合体ラテックスを使用した以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
[比較例9]
実施例1において、共重合体部分Bのガラス転移温度が41℃である共重合体ラテックスを使用した以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
[比較例10]
実施例1において、接着剤として共重合体ラテックスを使用せずに酸化澱粉19部を用いた以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
Figure 0004729131
Figure 0004729131
表3に結果を示す。表3から明らかなように、実施例1および2は、製造工程においてロッド粕が発生せず、塗工紙の白紙面感、耐刷強度、耐ブリスター性、ラフニングがすべて良好であった。
実験3:下塗り塗工層を有する印刷用塗工紙の製造
<共重合体ラテックスの製造>
実験1のラテックス(P)を、実験3の実施例1、2に使用した。また、比較例1〜6で使用するラテックスQ〜Sは、以下の表1に示す原料配合で上記の合成方法により製造した。
Figure 0004729131
実験3−1:下塗り塗工層としてクリア塗工層を有する印刷用塗工紙の製造
[実施例1]
サーモメカニカルパルプ30部とし、LBKP70部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を4部添加して紙料を調成した。
この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分にて坪量44.0g/mの中質原紙を抄紙した。
引き続きオンマシンのロッドメタリングサイズプレスコータ(RMSP)で両面に固形分濃度6%の酸化澱粉溶液を両面合わせて1.6g/m塗工・乾燥して、下塗り塗工層として1.6g/mのクリア塗工層を有する45.6g/mの中質塗工原紙を得た。
次に、オンマシンのブレードコータで重質炭酸カルシウム73部及びカオリン27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン4.5部と前記共重合体ラテックスPを8.2部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、原紙片面当たり8.3g/mを両面に上塗り塗工・乾燥した。
更に、ショアD硬度91°の弾性ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度150℃、線圧400kN/mの条件でカレンダー処理した。
[比較例1]
実施例1において、ゲル含有量が92%の共重合ラテックスQを使用した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、共重合体部分Aのガラス転移温度が3℃の共重合ラテックスRを使用した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、共重合体部分Bのガラス転移温度が42℃の共重合ラテックスSを使用した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
Figure 0004729131
表5から明らかなように、本願発明の印刷用塗工紙は比較例に対しQty値が小さくラフニングが少なく、耐ブリスター性が良好、ドライ強度も強く、且つ高速操業性が良好であり、バッキングロール汚れも発生しなかった。これに対し、比較例はいずれも機械パルプ配合率が実施例1と同量であるもののQty値が大きい、耐ブリスター性が劣る、バッキングロール汚れが発生する、高速操業性が悪い、などの問題が生じた。
具体的には、上塗り塗工層のバインダーとしてそれぞれ共重合体ラテックスQ、R、Sを用いた比較例1〜3では、ブレードコーターのバッキング汚れがひどく、操業性に問題が生じた。また、共重合体ラテックスQを用いた比較例1では、塗工紙のドライ強度も十分でなかった。
実験3−2:下塗り塗工層として顔料塗工層を有する印刷用塗工紙の製造
[実施例2]
サーモメカニカルパルプ30部とし、LBKP70部からなるパルプスラリーに填料として(軽質炭酸カルシウム)を紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を4部添加して紙料を調成した。
この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分にて坪量44.0g/mの中質原紙を抄紙した。
引き続きオンマシンのロッドメタリングサイズプレスコータ(RMSP)を用いて、重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスが2部配合された固形分濃度38%の下塗り塗工液を、両面合わせて4.0g/m下塗り塗工・乾燥して、下塗り塗工層として4.0g/mの顔料塗工層を有する48.0g/mの中質下塗り塗工紙を得た。
次に、オンマシンのブレードコータで重質炭酸カルシウム73部及びカオリン27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン4.5部と前記共重合体ラテックスPを8.2部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、原紙片面当たり8.3g/mを両面に上塗り塗工・乾燥して塗工紙を得た。
更に、ショアD硬度91°の弾性ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度150℃、線圧400kN/mの条件でカレンダー処理した。
[比較例4]
実施例2において、ゲル含有量が92%の共重合ラテックスQを使用した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例2において、共重合体部分Aのガラス転移温度が3℃の共重合ラテックスRを使用した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例6]
実施例2において、共重合体部分Bのガラス転移温度が42℃の共重合ラテックスSを使用した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
Figure 0004729131
表6から明らかなように、本願発明の印刷用中質塗工紙は比較例に対しQty値が小さくラフニングが少ない。これに対し、比較例はいずれも機械パルプ配合率が実施例2と同量であるものの、Qty値が比較的大きくラフニングの程度が大きいか、耐ブリスター性が劣る、バッキングロール汚れが発生する、などの問題が生じた。
具体的には、上塗り塗工層のバインダーとしてそれぞれ共重合体ラテックスQ、R、Sを用いた比較例4〜6では、ブレードコーターのバッキング汚れがひどく、操業性に問題が生じた。また、共重合体ラテックスQを用いた比較例4では、塗工紙のドライ強度も十分でなかった。

Claims (10)

  1. 顔料と接着剤を含有する塗工液を原紙上に塗工して1層以上の塗工層を設けることを含む、塗工紙の製造方法であって、
    前記接着剤として、コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
    共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
    (a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
    (b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
    (d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
    (ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
    から形成され、
    共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
    (a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
    (b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
    (c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
    (d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
    (ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
    から形成され、
    ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである共重合体ラテックスを用いる、塗工紙の製造方法。
  2. 前記共重合体ラテックスの全体が、
    (a)共役ジエン単量体33〜35重量%、
    (b)不飽和カルボン酸単量体3.5〜3.7重量%、
    (c)シアン化ビニル単量体20〜22重量%、および
    (d)これら単量体と共重合可能な他の単量体39.3〜43.5重量%
    (ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である)
    から構成され、
    共重合体部分Aと共重合体部分Bとが同一粒子内に存在して異相構造を形成し、共重合体Bはメルカプタン類の分子量調整剤の非存在下において乳化重合して得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塗工がブレードコーターを用いて行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記塗工がロッドメタリングサイズプレス方式のコーターを用いて行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記コーターがオンマシンコーターであり、抄紙工程から塗工工程までが連続して行なわれる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 操業速度が1300m/分以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記原紙をギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙する工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ギャップフォーマ型抄紙機がタンデムシュープレスを1基以上有する、請求項7に記載の方法。
  9. コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、
    共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
    共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
    (a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
    (b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
    (d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
    (ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
    から形成され、
    共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
    (a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
    (b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
    (c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
    (d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
    (ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
    から形成され、
    ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである、共重合体ラテックスからなる接着剤を含んでなる製紙用顔料塗工用組成物。
  10. 請求項9に記載の製紙用顔料塗工用組成物を原紙上に塗工した塗工紙。
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