JP3979158B2 - 塗工板紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は白色性、白紙外観に優れ、且つ良好な印刷適性を有した塗工板紙およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、世界的に地球環境問題の重要性が認識されており、我が国においても省資源、リサイクル化対策が積極的に進められている。塗工紙の分野では森林の保全および紙ごみの削減のために製品原料の古紙パルプ配合率の増加や、塗被層においても古紙をパルプにする際に回収されない微細繊維と共に塗被組成物が廃水処理後、多量の製紙スラッジと呼ばれる廃棄物となるため減量化が望まれている。塗工板紙においてはすでに製品原料の古紙パルプの多配合化はなされているが、塗被層の塗工量に関してはさらなる減量化が望まれている。
一般に塗工板紙は古紙配合率が高いことに起因する基紙の白色度の低下、および脱墨処理で完全に取り除くことのできなかった、いわゆる残カーボンやインキが付着したままの繊維等が原因の基紙表面の白色度むら、すなわちくすみが顕著になるため、基紙上にはより一層の白色性、隠蔽性の高い塗被層が求められている。また近年では、高濃度・高速塗工、塗工表面の高平滑化等の要望に伴い、最上層にブレード塗工のような比較的塗工表面の白色度むらを強調しやすい平坦化塗工方式が多く採用されることから、塗工板紙の分野においては少なくとも片面20g/m程度の塗被層による被覆が必須とされており、塗工量の減量化はなかなか難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、基紙表面に塗被される塗被組成物の塗工量が両面で30g/m以下、片面あたり8〜17g/mであり、それでいて白色性、白紙外観に優れ、且つ良好な印刷適性を有した塗工板紙およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基紙の片面または両面に塗被層を有する塗工板紙において、少なくとも片面が顔料と接着剤を主成分とする上塗り層と下塗り層からなる2層で形成され、下塗り層の顔料として、プラスチックピグメントが下塗り層の全顔料固形分に対して、3〜10質量%含有され、上塗り層の顔料として、プラスチックピグメントが含有されていないことを特徴とする塗工板紙に関する。前記塗工板紙の塗工量は、両面で30g/m以下、片面あたり8〜17g/mであることが好ましい。前記下塗り層のプラスチックピグメントは、平均粒子径が500〜1500nmであり、且つ中空構造であることが好ましい。上塗り層と下塗り層からなる2層で形成される前記塗被層において、下塗り層がロッドコーターで、上塗り層がブレードコーターで形成されることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
一般に、古紙配合率の高いパルプ構成である塗工板紙において、片面17g/m以下の塗工量にて塗工表面の高白色性と、かつ基紙表面のくすみを十分に隠蔽した良好な白紙外観を得ることは難しい。特に最上層の塗工にブレード塗工のような平坦化塗工を選択する際には、従来のエアナイフ塗工等の輪郭塗工方式に比べ塗工表面の高白色性、隠蔽性を達成する塗被層を形成することはさらに難しくなる。
そこで、本発明者らは上記のごとき難点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、該塗被層のうち下塗り塗被層の顔料として、プラスチックピグメントが下塗り塗被層の全顔料固形分に対して、3〜10質量%含有されることより、塗工表面の高白色性、基紙表面の隠蔽性、つまり白色度むらのない優れた白紙外観を有する塗工板紙を得ることができ、且つ良好な印刷適性を有した塗工板紙が得られ、本発明の所望とする目的を達成することができたのである。
【0006】
なお、プラスチックピグメントを上塗り塗被層の顔料として用いてもよいが、プラスチックピグメントは光沢性が高く、ブレード塗工のような平坦化塗工方式では上塗り塗被層の厚みに基づく塗工板紙表面の光沢むらが強調されやすくなる。さらには下塗り塗被層との白色性の差が大きくなることから白色度むらも強調されやすくなり、好ましくない。また、エアナイフ塗工のような輪郭塗工方式を用いると、この傾向は少なくなるがいまだ十分ではなく、しかも平滑性の高い優れた白紙外観の塗工表面は得られにくい。
【0007】
上記のごとき塗被層の塗工量、塗被層の組成物において、塗工表面の高白色性、基紙の被覆性および良好な白紙外観が得られる理由は必ずしも定かではないが、以下のように考えられる。
すなわち、下塗り塗被層に使用するプラスチックピグメントの比重は、一般に約0.8程度であり、比重が2〜5程度の無機顔料と比較してかなり小さいため、顔料としてプラスチックピグメントを使用することで、無機顔料のみを使用した塗被層と比較して、同じ塗工量では、塗被層が嵩高く形成される。その結果、少ない塗工量の塗被層においても嵩高い塗被層が得られ、基紙表面を十分に被覆できるものと思われる。またプラスチックピグメントの使用は、塗被層の白色性を高める効果があり塗工層表面が高白色になる。さらに、プラスチックピグメントを下塗り塗被層に使用することにより、下塗り塗被層の白色性が高められ、二酸化チタンなどの高白色度の顔料を使用した上塗り塗被層との白色度の差が少なくなり、少ない上塗り塗工量、あるいはブレード塗工等の平坦化塗工方式にて強調されやすい塗工表面の白色度むらも比較的目立ちにくくなり、白紙外観を改善する効果があるものと思われる。
【0008】
なお本発明で使用するプラスチックピグメントは、下塗り層の全顔料固形分に対して、3〜10質量%含有されるものである。3質量%未満の使用では、本発明の高白色性のものは得られず、嵩高い塗被層は得られないために白紙外観にも劣る結果となる。また10質量%を越えると、プラスチックピグメントの平均粒子径が非常に小さいため、接着剤と混合して得られた塗被層において、顔料の接着能力が乏しいため、印刷時に顔料が塗被紙表面から脱落しやすくなり、ブランケットパイリング等の印刷トラブルの原因となる。上記印刷強度の対処法として接着剤の量を多くすることが考えられるが、白色度や隠蔽性等の光学特性が低下したり、あるいは印刷時のインキの乾燥性(インキセット)が低下するといった別の不具合を生じ、白色度および隠蔽性の向上、さらには印刷適性を効果的にバランスさせることになると、いまだに満足する結果を得るにはいたっていない。加えてプラスチックピグメントの配合率が高くなると塗被組成物の塗工作業性、特に機械的安定性が低下するおそれもあり好ましくない。
【0009】
また本発明で使用するプラスチックピグメントは、例えばスチレンやアクリル系、尿素樹脂系ピグメント、あるいは該ピグメントの鞘部にスチレン・ブタジエン共重合体を使用することにより、バインダー能をもたせたバインダーピグメント等が挙げられ、また形状として密実型、貫通孔型、お椀型、偏平型、中空粒子等の種々の構造のピグメントが例示され、特に規定されるものではないが、平均粒子径が500〜1500nmであり、且つ中空構造のものが、内部空隙とシェル部の屈折率差にもとづく高い隠蔽性から得られる優れた白紙外観のため、好ましく使用される。因みに、500nm未満であると、白色度やパーカープリントサーフ粗さが低下し、1500nmを越えると、固形分濃度の低下やバッキングロール等の汚れで操業性の問題が生じてくる。
【0010】
下塗り塗被層用塗料は、前記プラスチックピグメントの他に、その他の顔料、接着剤を混合・攪拌して調製される。その他、必要に応じて、塗料中には分散剤;苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤;消泡剤;防腐剤;蛍光染料;離型剤;染料;耐水化剤;流動変性剤;着色顔料等の添加剤を適宜添加することもできる。
【0011】
本発明で使用する、プラスチックピグメント以外の顔料としては、焼成クレー、構造化カオリンおよびデラミネーテッドクレー等の通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サチンホワイト、タルク等の一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用の顔料の1種以上が、本発明の範囲内で、適宜使用される。なかでも好ましい顔料としては、焼成クレー、構造化カオリンおよびデラミネーテッドクレー等の通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムがあげられる。
【0012】
また、接着剤としては、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル酸系重合体ラテックス;エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシ基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性あるいはアルカリ膨潤性の重合体ラテックス;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白類;ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;陽性澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等があげられ、単独、あるいは二種以上混合して使用される。
【0013】
下塗り塗被層用塗料において、前記顔料と接着剤の比率は顔料100質量部に対して、接着剤は5〜30質量部程度が好ましい。
【0014】
上塗り塗被層用塗料および塗被層が1層の場合の塗料は、前記下塗り塗被層用塗料に記載された顔料、接着剤、添加剤を混合・攪拌して調製されが、なかでも好ましい顔料としては、焼成クレー、構造化カオリンおよびデラミネーテッドクレー等の通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタンがあげられる。
【0015】
なお、塗被層用塗料の塗工量としては、下塗り塗被層については乾燥重量で5〜10g/m、上塗り塗被層については乾燥重量で3〜10g/mであり、この範囲で下塗りと上塗りの塗工量の合計が乾燥重量で8〜17g/mの範囲となるように選択すればよい。ちなみに、下塗り塗被層が5g/m未満では、基紙表面を十分に被覆することができず本発明で所望する隠蔽性が得られない。また10g/mを越えると、その効果は飽和する。また上塗り塗被層が3g/m未満では、下塗り塗被層表面を十分に被覆することができずインキ転写不良等を引き起こし、満足する印刷適性が得られず、10g/mを越えると、下塗り塗被層同様その効果は飽和する。また、下塗りと上塗りの塗工量の合計が17g/mを越え、両面の塗工量が30g/mを越えると、目的とする塗被層の減量化が図れない。また、片面が塗被層1層の場合は、塗工量は乾燥重量で8〜17g/mの範囲である。
【0016】
塗工装置としては特に限定されるものではなく、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーターおよびゲートロールコーター、サイズプレス等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等が本発明の効果を損なわない範囲で適宜組み合わせて使用されるが、基紙への下塗り層形成の塗工装置としてはロッドコーター、下塗り塗被層を設けた紙への上塗り層形成の塗工装置としてはブレードコーターが好ましく使用される。また、塗被層が1層の場合は、ブレードコーターが好ましく使用される。
【0017】
下塗り塗被層用塗料の塗工装置として、ロッドコーターが好ましく使用されるのは、基紙表面の凹凸に沿った輪郭塗工が可能であり、且つ高濃度塗料を使用できるため高速塗工も可能であることが理由としてあげられる。また、上塗り塗被層用塗料の塗工装置として、ブレードコーターが好ましく使用されるのは、高平滑な塗工面が得られやすく、また下塗りで使用されるロッドコーターと同じく、高濃度塗料を使用できるため高速塗工も可能であることが理由としてあげられる。
【0018】
なお、マシンキャレンダーやヤンキードライヤーを使用して平滑度をあげた基紙を使用して下塗り塗被層を設けたり、下塗り塗被層を設けた後にソフトキャレンダー等により平滑化処理を行うこともできる。また、上塗り塗被層用の塗被組成物を塗工、乾燥した後にソフトキャレンダー、あるいはスーパーキャレンダー等を使用して平滑化処理を施すのが望ましい。塗被層が1層の場合も、同様に平滑化処理を施すのが望ましい。
【0019】
基紙としては二層以上の多層抄きで構成され、使用するパルプとしては特に限定するものではなく、例えば晒ないしは未晒の化学パルプ、機械パルプ、さらには脱墨ないしは未脱墨の古紙パルプ等の一種、又は二種以上を適宜混合して使用される。その他、基紙には必要に応じて、サイズ剤;紙力剤;濾水剤;填料;染料等を適宜添加することもできる。なお、基紙の米坪は通常150〜650g/m程度である。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0021】
実施例1
▲1▼ 下塗り塗被層用塗料の調製
顔料として、構造化カオリン(商品名:エクシロン、エンゲルハード社製)45部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、備北粉化工業社製)50部を使用し、分散剤として、前記全顔料に対し、ポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに、中空構造のプラスチックピグメント(粒径1000nm、商品名:HP1055、ローム&ハース社製)5部、リン酸エステル化澱粉(商品名:PN500、三和澱粉社製)5部(固形分)、および固形濃度50%のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:X−400A、ガラス転移温度:−23℃、JSR社製)15部(固形分)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が62%の塗料を調製した。
【0022】
▲2▼ 上塗り塗被層用塗料の調製
顔料として、カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)60部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−221−GS、奥多摩工業社製)35部、二酸化チタン(商品名:クロノスKA−15、チタン工業社製)5部を使用し、分散剤として、前記全顔料に対し、ポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が68%の顔料スラリーを調製した。このスラリーにリン酸エステル化澱粉(商品名:PN500、三和澱粉社製)3部(固形分)、固形濃度50%のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1825、ガラス転移温度:8℃、旭化成社製)20部(固形分)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が60%の塗料を調製した。
【0023】
▲3▼ 下塗り層塗被紙の作成
各層に脱墨古紙パルプを使用して5層に抄き合わされた米坪290g/mの塗工板紙基紙の両面に、上記で得た下塗り塗被層用塗料をロッドコーターを用いて、片面あたり乾燥重量で8g/mとなるように塗被、乾燥して下塗り層塗被紙を得た。
【0024】
▲4▼ 塗工板紙の作成
上記の下塗り層塗被紙の両面に、上記で得た上塗り塗被層用塗料を、ブレードコーターを用い、片面あたり乾燥重量で7g/mとなるように塗被、乾燥して両面が2層タイプの塗工板紙を得た。次に、2スタックの、金属ロール表面温度が150℃、2ニップのソフトキャレンダーに通紙して、両面が平滑化処理された、両面が塗被層2層の塗工板紙を得た。
【0025】
実施例2
実施例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、中空構造のプラスチックピグメント(粒径500nm、商品名:MH5055、日本ゼオン社製)に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0026】
実施例3
実施例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、椀型粒子構造のプラスチックピグメント(粒径800nm、商品名:V1005、日本ゼオン社製)に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0027】
実施例4
実施例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、密実型粒子構造のプラスチックピグメント(粒径320nm、商品名:V1004、日本ゼオン社製)に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0028】
実施例5
実施例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、顔料として構造化カオリン40部、重質炭酸カルシウム50部、プラスチックピグメント10部に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0029】
実施例6
実施例1の塗工板紙の上塗り塗被層の塗被において、上塗り塗被層用塗料に水を加えて希釈し固形分濃度40%として、エアナイフコーターを用いて塗被した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0030】
比較例1
実施例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、顔料として構造化カオリン50部、重質炭酸カルシウム50部に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0031】
比較例2
実施例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、顔料として構造化カオリン48部、重質炭酸カルシウム50部、プラスチックピグメント2部に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0032】
比較例3
比較例1の下塗り塗被層用塗料の調製において、顔料として構造化カオリン35部、重質炭酸カルシウム50部、プラスチックピグメント15部に変更した以外は実施例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0033】
比較例4
比較例1の上塗り塗被層用塗料の調製において、顔料としてカオリン55部、軽質炭酸カルシウム35部、二酸化チタン5部、プラスチックピグメント(商品名:HP1055、ローム&ハース社製)5部に変更した以外は比較例1と同様にして塗工板紙を得た。
【0034】
比較例5
比較例4の塗工板紙の上塗り塗被層の塗被において、上塗り用塗料に水を加えて希釈し、固形分濃度40%としてエアナイフコーターを用いて塗被した以外は比較例4と同様にして塗工板紙を得た。
【0035】
上記のようにして得られた11種類の塗工板紙をJIS P8111に準拠した条件で6時間調湿後、白色度、表面隠蔽性、光沢度むら、オフセット印刷適性についてそれぞれ評価し、その評価結果を表1に示した。なお、各評価試験は下記に準じて実施した。
【0036】
〔白色度〕
JIS 8212に従い、分光白色度測色機(スガ試験機社製)を用いて測定した。
【0037】
〔表面隠蔽性〕
得られた塗工板紙の表面の色むら(白色度むら)の程度を目視にて評価した。
◎:均一で色むらがない
○:一部色むらが認められるが、実用上問題ない
△:色むらが目立ち、実用上問題ある
×:色むらが、非常に目立つ
【0038】
〔光沢度むら〕
得られた塗工板紙の表面の光沢度むらの程度を、斜方からの目視にて評価した。
◎:均一で光沢度むらがない
○:一部光沢度むらが認められるが、実用上問題ない
△:光沢度むらが目立ち、実用上問題ある
×:光沢度むらが、非常に目立つ
【0039】
〔ブランケットパイリング〕
オフセット枚葉印刷機(商品名:三菱ダイヤ4E−4型、三菱重工業製)を用い、塗被紙表面を連続5000部のカラー4色刷りになる印刷を行った後、ブランケット非画線部での紙粉の堆積度合いを目視により判定した。
◎:紙粉の発生が認められない
○:紙粉の発生がやや認められるが、操業上問題ない
△:紙粉が認められ、操業上問題ある
×:ブランケット上に紙粉が多く堆積している。
【0040】
〔オフセット印刷におけるインキ転写性〕
上記で得られた印刷物を目視評価した。
◎:インキの塗工面への転写が均一で、吸収むらもない。
○:階調部分によっては、やや吸収むらが認められるが、実用上問題ない
△:全体に転写性が不均一で、吸収むらも認められ、実用上問題ある
×:転写不良で、吸収むらも非常に悪い。
【0041】
【表1】
Figure 0003979158
【発明の効果】
表1より明らかなように、本発明に係る塗工板紙は、白色性、白紙外観に優れかつ良好な印刷適性を有することがわかった。

Claims (4)

  1. 基紙の片面または両面に塗被層を有する塗工板紙において、少なくとも片面が顔料と接着剤を主成分とする上塗り層と下塗り層からなる2層で形成され、下塗り層の顔料として、プラスチックピグメントが下塗り層の全顔料固形分に対して、3〜10質量%含有され、上塗り層の顔料として、プラスチックピグメントが含有されていないことを特徴とする塗工板紙。
  2. 前記塗工板紙の塗工量は、両面で30g/m以下、片面あたり8〜17g/mである請求項1に記載の塗工板紙。
  3. 前記下塗り層のプラスチックピグメントは、平均粒子径が500〜1500nmであり、且つ中空構造である請求項1または2に記載の塗工板紙。
  4. 上塗り層と下塗り層からなる2層で形成される前記塗被層において、下塗り層がロッドコーターで、上塗り層がブレードコーターで形成される請求項1〜3のいずれかに記載の塗工板紙の製造方法。
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