JP2004353130A - 塗工特殊板紙 - Google Patents

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俊一 内村
Koji Yajima
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Abstract

【課題】古紙を主原料とする板紙であり、高白色の白紙外観を有し、化粧箱や石鹸用箱等、高級包装材料として美粧性に優れ、長期陳列等にも十分耐えうる褪色性に優れ、印刷適性および商品性をも長期にわたり損なわない優れた塗工特殊板紙に関する。
【解決手段】古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、表層、中層、裏層の少なくとも3層以上の層構成からなる抄き合わせ原紙の両面に1層以上の塗被層を有する塗工特殊板紙において、表層面側の最外塗被層面の白色度が82%以上、かつ明度が92%以上で、フェードメーターによる褪色試験において、試験前の表層面側の最外塗被層面の白色度と10時間後の前記最外塗被層面の白色度の差が2%未満であることを特徴とする塗工特殊板紙。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗工特殊板紙に関し、古紙を主原料とする板紙であり、高白色の白紙外観を有し、化粧箱や石鹸用箱等、高級包装材料として美粧性に優れ、さらに詳しくは長期陳列等にも十分耐えうる褪色性に優れ、印刷適性および商品性をも長期にわたり損なわない優れた塗工特殊板紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗工特殊板紙は主として化粧箱や石鹸用箱、さらにはギフトケース用箱等に用いるため、美粧印刷を施し、高級包装材料として使用されることが多い。そのため、印刷適性が優れていることが求められるばかりでなく、白紙外観も良好なことが要求される。加えて化粧箱や石鹸用箱、ギフトケース用箱等、店頭に長期に陳列されることが多く、その際白紙面が黄色く変色し、商品価値を著しく低下させるといった、いわゆる褪色性が問題になる場合が多い。
また、塗工特殊板紙はもとより板紙全般において、原紙層を構成する原料は新聞、雑誌、チラシ等を離解・精選してなる古紙パルプを使用、多配合しており、木材より蒸解、漂白といった処理を施した晒化学パルプに比較し、白色度が低く、褪色性に劣るといった欠点があった。
更に近年、循環型社会を構築する一環として、可能な限りリサクルされた原材料の使用を進めることが、社会的に要請されている。この趣旨に照らし塗工特殊板紙を考えると、古紙パルプの配合を可能な限り多くすることや、鉱物資源としての顔料や石油資源から製造する合成接着剤等を使用し構成された塗被層を可能な限り減らすこと等が望ましい方法となる。
しかし、現状用紙への要求される品質とは相反するものであり、要求品質は年々向上し、より美粧性に優れた白紙外観の良い、言いかえると白色度の高い高級感のある塗工特殊板紙が要望されているが、これらを充分に満足する塗工特殊板紙はいまだ存在し得ておらず、それぞれの要求品質に適応するため原紙層においては晒化学パルプを多配合したり、塗被層に高価高白顔料を多配合したり、塗被層を厚くする等によって製品化されているのが現状である。
【0003】
雑誌古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、しかも表層および裏層に使用のパルプにおいて特殊な処理をおこない、表層の表面にカオリン等の白色顔料を主成分とする塗料を塗被し乾燥した方法が記載されている(特許文献1参照)が、白色度や褪色性については十分に満足するものではない。また、表面層に晒化学パルプ、表面下層、中および裏面層に古紙パルプを使用した原紙に特定の材料を使用した塗被層を設けた方法が記載されている(特許文献2参照)が、白色度、明度および褪色性については十分に満足するものではない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−327400号公報
【特許文献2】
特開2002−363887号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塗工特殊板紙に関し、古紙を主原料とする板紙で高白色の白紙外観を有し、化粧箱や石鹸用箱等、高級包装材料として美粧性に優れ、さらに詳しくは長期陳列等にも十分耐えうる褪色性に優れ、印刷適性および商品性をも長期にわたり損なわない優れた塗工特殊板紙を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、表層、中層、裏層の少なくとも3層以上の層構成からなる抄き合わせ原紙の両面に1層以上の塗被層を有する塗工特殊板紙において、表層面側の最外塗被層面の白色度が82%以上、かつ明度が92%以上で、フェードメーターによる褪色試験において、試験前の表層面側の最外塗被層面の白色度と10時間後の前記最外塗被層面の白色度の差が2%未満であることを特徴とする。
前記原紙のうち表裏層の白色度が78%以下であることが好ましい。
前記原紙の表層面側が2層の塗被層からなり、その上塗り層の顔料として、立方形状粒子で平均粒子径が0.3〜0.5μmの範囲である軽質炭酸カルシウムを含有することが好ましい。
前記原紙の表層面側の2層の塗被層のうち、上塗り層の顔料である前記軽質炭酸カルシウムを上塗り層の全顔料に対して、30〜70質量%含有することが好ましい。
前記塗被層の下塗り層および上塗り層を形成する塗工装置として、下塗り層がロッドコーター、上塗り層がブレードコーターで形成されることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
一般に、古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、表層、中層、裏層の少なくとも3層以上の層構成からなる抄き合わせ原紙の両面に1層以上の塗被層を有する塗工特殊板紙において、古紙パルプ使用に起因するところの白色度低下、ならびに白紙外観の低下、加えて褪色性の低下をも引き起こしてしまう。これを補うために、原紙層、特に原紙表裏層側には晒化学パルプを多配合することが一般的であるが、コスト高になり好ましくない。また、塗被層での対応として高白顔料、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成カオリン等が一般的に使用されるが、これらの顔料は光沢の発現性が悪く、配合を増やすと光沢が低下してくるという問題がある。さらにこの課題を解決する方法として塗被層を厚く、つまり塗工量を多くする方法があるが、これは印刷後紙器用途として箱にする際の罫割れ悪化等のトラブルを引き起こし易く、かつ高価高白顔料の多配合とあいまってコスト高となり好ましくない。
【0008】
そこで、本発明者らは上記の如き難点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明は古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、表層、中層、裏層の少なくとも3層以上の層構成からなる抄き合わせ原紙の両面に1層以上の塗被層を有する塗工特殊板紙において、表層面側の最外塗被層面の白色度が82%以上、かつ明度が92%以上で、フェードメーター(耐光試験機FAL−5:紫外線ロングライフフェードメーター/スガ試験機社製)による褪色試験において、試験前の表層面側の最外塗被層面の白色度と10時間後の前記最外塗被層面の白色度の差が2%未満である塗工特殊板紙を得ることができ、本発明の所望とする目的を達成することができたのである。
加えて、以下の用件が本発明を完成するにあたり極めて重要な要素である。
即ち、前記原紙のうち表裏層の白色度が78%以下であり、前記原紙の表層面側が2層の塗被層からなり、その上塗り層の顔料として、立方形状粒子で平均粒子径が0.3〜0.5μmの範囲である軽質炭酸カルシウムを含有し、前記軽質炭酸カルシウムを上塗り層の全顔料に対して、30〜70質量%含有し、前記塗被層の下塗り層および上塗り層について、下塗り層がロッドコーター、上塗り層がブレードコーターで形成されることである。即ち、原紙のうち表裏層の白色度が78%以下の原紙を使用しても、本願発明の塗被層により、高白色の白紙外観を有し褪色性等に優れた塗工特殊板紙を得ることができた点に技術的な価値がある。
【0009】
上記の如き構成で前述した課題が達成、改善される理由は必ずしも定かではないが、以下のように推定される。
即ち、古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、表層、中層、裏層の少なくとも3層以上の層構成からなる抄き合わせ原紙の表裏層の白色度が78%以下であるということは、晒化学パルプを多配合することなく古紙パルプ主体の原紙層を構成し、今日の循環型社会を構築するリサクルされた原材料の使用を推進するものである。加えて、本発明の塗工特殊板紙の塗被層の表層面側を2層構造とし、その上塗り層の顔料として、立方形状粒子の軽質炭酸カルシウムを使用し、その平均粒子径が0.3〜0.5μmの範囲である軽質炭酸カルシウムを全顔料あたり固形分対比で30〜70質量%含有することが重要である。この特定の顔料はその粒子形状から通常一般塗被紙製造分野で用いられる一般的な針状、紡錘状といったものに比較し、ポーラスな嵩高な塗被層を形成し易い。これはより表層の塗被層をポーラスで嵩高くすることにより原紙隠蔽効果が発揮され、顔料自体のもつ本来の高白さが結果的に発現し易くなり、白色度が82%以上で、かつ明度が92%以上の高白色で白紙外観の優れる塗工特殊板紙となる。また、塗被層がポーラスで嵩高くなることによって、古紙主体で構成された原紙層表面が紫外線により黄変する所謂褪色に対して、紫外線を遮断する効果が高くなり、結果としてフェードメーターによる褪色試験において、試験前の表層面側の最外塗被層面の白色度と10時間後の前記最外塗被層面の白色度の差が2%未満となる褪色性に優れ、商品性をも長期にわたり損なわない優れた塗工特殊板紙が得られると推定される。
【0010】
また、X線透過式粒度分布測定装置(セディグラフ5000−01/島津製作所社製)で測定した50重量%の粒子径が0.3〜0.5μmの範囲であることが重要である。0.3μm未満では、微粒子の割合が多くなり、平滑性は向上し白紙外観は向上するものポーラスな塗被層を形成しにくく、嵩高な塗被層をも形成しにくくなり、褪色性について劣る結果となる。また、0.5μmを越えると粗粒子の割合が多くなり、結果として平滑性が低下し、白紙外観が劣り好ましくない。
【0011】
また、配合量としては上塗り層全顔料あたり固形分対比で30〜70質量%含有することが重要であり、より好ましくは40〜60質量%含有することである。30質量%未満では、高白色な白紙外観の優れた塗工特殊板紙が得られず、強いてはポーラスで嵩高い塗被層がえられず褪色性に関して満足すべき効果が得られない。また、70質量%を越えると高白色な白紙外観の良好な品質が得られるものの、印刷強度が低下し、オフセット印刷時にパイリング等のトラブルを発生しやすくなり好ましくない。
【0012】
さらに、塗被層を形成する塗工装置として、下塗り層をロッドコーター、上塗り層をブレードコーターで塗工形成することが加えて重要である。下塗り層をロッドコーターで塗工することにより、一般的に塗被紙製造分野で用いられる、例えばアート、コート紙分野で使用されるブレードコーターに比較し原紙被覆性がより向上し、アート、コート紙分野の晒化学パルプ主体で構成される原紙層に比べ、板紙の比較的凹凸の大きい古紙主体の原紙層表面を下塗り塗被層でカバーする効果がある。また、上塗り層をブレードコーターで塗工することにより、本発明特定の軽質炭酸カルシウムを用いたポーラスでかつ嵩高い塗被層を損なうことなく、また、通常板紙分野で用いられているエアナイフコーターやロッドコーターに比較し、より高平滑な塗被表面が得られ、高白色の白紙外観の優れた塗工特殊板紙が得られる。
【0013】
上述したように本発明は、上塗り層に特定の軽質炭酸カルシウムを特定量配合し、かつ特定の塗工装置を使用し塗被層を形成することにより、白色度が82%以上で、かつ明度が92%以上の高白色で白紙外観の優れる塗工特殊板紙となり、フェードメーターによる褪色試験において、試験前の表層面側の最外塗被層面の白色度と10時間後の前記最外塗被層面の白色度の差が2%未満となる褪色性に優れ、商品性をも長期にわたり損なわない優れた塗工特殊板紙が得られ、本発明の所望とする優れた効果を達成することができるものである。また、塗被層を構成するその他の材料としては、本発明の優れた効果を損なわない範囲で適宜使用できるものである。
【0014】
まず、顔料としては本発明の規定する特定顔料以外の顔料、例えば通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サチンホワイト、タルク等の一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用の顔料の1種以上が本発明の効果を損なわない範囲で、下塗り層および上塗り層ともに適宜使用できる。特に上塗り層を構成する顔料としては本発明の規定する特定顔料以外では、好ましくは重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成カオリン、サチンホワイト等の高白顔料が挙げられる。
【0015】
次いで、塗被層の顔料以外の主要成分である接着剤としては、特に限定するものではなく、一般塗被紙の製造分野で使用されている接着剤が適宜使用できる。具体例として、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白類、陽性澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂やスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、酢酸ビニル系共重合体ラテックス、アクリル系共重合体ラテックス、ウレタン系共重合体ラテックス等の合成樹脂ラテックス等を例示できる。これらの接着剤は単独でも、あるいは二種以上混合使用してもよい。
【0016】
その他、必要に応じて、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、離型剤、染料、耐水化剤、流動変性剤、着色顔料等を適宜添加することもできる。その他助剤として一般的塗被紙製造分野では、白色度向上の目的で蛍光染料が使用されるが、板紙分野では食品用紙器としての用途が多く、環境ホルモン対応として、塗被層中は無論のこと板紙製造全工程での外添での蛍光染料使用は行なわないのが一般的である。また、塗被層を構成する材料中で、蛍光染料は褪色性にもっとも悪影響を及ぼすことは公知であり、本発明の効果を著しく損ねてしまう。
【0017】
なお、表層面側2層の塗被層の量としては、下塗り層については乾燥重量で7〜18g/m、上塗り層については乾燥重量で5〜15g/m、かつ下塗り、上塗りの塗工量の合計が乾燥重量で12〜30g/mの範囲で調製されることが望ましい。因みに、下塗り層が7g/m未満では原紙表面を十分に被服することができず本発明所望の原紙隠蔽性が得られず、18g/mを越えると、製函時に罫線を入れて箱にした場合等に塗工層割れを引き起こす虞がある。また、上塗り層が5g/m未満では本発明所望の高白色の白紙外観が得られず、15g/mを越えると、下塗り層同様製函時に罫線を入れて箱にした場合等に起こる塗工層割れを引き起こす虞があり好ましくない。
裏層面側の塗被層については、品質要求および用途によって1層または2層以上、下塗り用、上塗り用塗料が適宜選択して用いられ、塗工量についても上記の範囲で調製されることが望ましい。
【0018】
なお、塗工する前にマシンキャレンダー、ソフトキャレンダー、あるいはヤンキードライヤー等を使用して、予め原紙および下塗り層を設けた紙の平滑化処理を行うこともできる。また、上塗り層用塗料を塗工、乾燥した後にマシンキャレンダー、ソフトキャレンダー、あるいはスーパーキャレンダー等を使用して平滑化処理を施すのが望ましい。
【0019】
原紙としては3層以上の多層抄きで構成され、使用するパルプとしては特に限定するものではないが、例えば晒ないしは未晒の化学パルプ、機械パルプ、さらには脱墨ないしは未脱墨の古紙パルプ等の一種、又は二種以上を適宜混合して使用される。一般に、塗工特殊板紙としては、表面層および裏面層にはケント古紙、色上古紙といった白物古紙といわれるものを脱墨処理した古紙パルプや晒化学パルプが使用され、表面下層および裏面下層には晒化学パルプや脱墨古紙パルプ、中層には脱墨古紙パルプや未脱墨離解古紙パルプを使用して塗工特殊板紙の原紙を構成することが多い。その他、各層原紙には必要に応じて、サイズ剤、紙力剤、薬品安定剤、濾水剤、填料、染料等を適宜添加することもできる。なお、原紙の米坪は通常150〜650g/m程度である。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0021】
(実施例1)
▲1▼ 原紙の調製
表裏層に脱墨上質紙古紙パルプ、表面下層および裏面下層に脱墨色上古紙パルプ、中層には脱墨雑誌古紙パルプを使用して抄紙、5層に抄合せ、プレス処理を行い、次いで、この湿紙シ−トをドライヤ−で乾燥処理行って米坪290g/mの塗工特殊板紙用の原紙を得た。
【0022】
▲2▼ 下塗り層用塗料の調製
顔料として、構造化カオリン(商品名:エクシロン、エンゲルハード社製)40部、重質炭酸カルシウム(商品名:カービタル60、イメリス社製)60部を使用し、分散剤として、顔料に対しポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)5部、およびガラス転移温度が−20℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス13部(各固形分換算)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が62%の塗料を調製した。
【0023】
▲3▼ 上塗り層用塗料の調製
顔料として、カオリン(商品名:ハイドラグロス90、ヒューバ社製)55部、立方形状粒子で平均粒子径が0.45μmの軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、白石工業社製)40部、二酸化チタン(商品名:クロノスKA−15、チタン工業社製)5部を使用し、分散剤として、顔料に対しポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が68%の顔料スラリーを調製した。このスラリーにリン酸エステル化澱粉(商品名:PN−700、三和澱粉工業社製)3部、ガラス転移温度が10℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス20部(各固形分換算)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が60%の塗料を調製した。
【0024】
▲4▼ 塗工特殊板紙の製造
前記米坪290g/mの原紙の表層面に、上記で得た下塗り層用塗料をロッドコーターを用いて、片面当たり乾燥重量で13g/mとなるように塗被、乾燥した後、裏層面に同様にして片面当たり乾燥重量で9g/mとなるように塗被、乾燥した。そして、下塗りした表層面に、上塗り用塗料をブレードコーターを用いて、片面当たり乾燥重量で11g/mとなるように塗被、乾燥して後、金属ロール表面温度が180℃、2ニップのソフトキャレンダーに通紙して表層面側の塗被層が2層の塗工特殊板紙を得た。
【0025】
(実施例2)
実施例1の上塗り層用塗料の調製において、顔料としてカオリン(商品名:ハイドラグロス90、前出)35部、立方形状粒子で平均粒子径が0.37μmの軽質炭酸カルシウム60部とし、上塗り層の塗工量を片面当たり乾燥重量で13g/mとなるように塗被、乾燥した以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0026】
(実施例3)
実施例1の上塗り塗料の調製において、顔料としてカオリン(商品名:ハイドラグロス90、前出)60部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、前出)35部とし、上塗りの塗工量を片面当たり乾燥重量で13g/mとなるように塗被、乾燥した以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0027】
(実施例4)
実施例1の上塗り塗料の調製において、顔料配合をカオリン(商品名:ハイドラグロス90、前出)35部、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、前出)35部、重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90、ファイマテック社製)20部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)10部とした以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0028】
(比較例1)
実施例1の上塗り層塗料の調製において、軽質炭酸カルシウム/ブリリアントS15の代わりに、針状粒子で平均粒子径が0.49μmの軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS、奥多摩工業社製)とした以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0029】
(比較例2)
実施例1の上塗り層塗料の調製において、顔料としてカオリン(商品名:ハイドラグロス90、前出)20部、軽質炭酸カルシウム/ブリリアントS15の代わりに紡錘状粒子で平均粒子径が0.40μmの軽質炭酸カルシウム80部とした以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0030】
(比較例3)
実施例1の上塗り層塗料の調製において、カオリン/ハイドラグロス90の配合部数を75部、軽質炭酸カルシウム/ブリリアントS15の配合部数を20部とした以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0031】
(比較例4)
実施例2の上塗り層塗料の調製において、顔料配合を軽質炭酸カルシウム/ブリリアントS15 100部とした以外は実施例2と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0032】
(比較例5)
実施例1の塗工特殊板紙の塗被において、下塗り用塗料の塗工装置としてブレードコーターを使用し、上塗り用塗料の濃度を40%に希釈し、塗工装置としてエアナイフコーターを使用した以外は実施例1と同様にして塗工特殊板紙を得た。
【0033】
上記のようにして得られた実施例および比較例における原紙および塗工特殊板紙をJIS P8111に準拠した条件で6時間調湿後、原紙の表層面白色度、塗工特殊板紙の表層面の白色度、明度、白紙外観、褪色性(褪色試験前後の塗工特殊板紙の表層面の白色度の差)および印刷適性についてそれぞれ評価した。各実施例および比較例における上塗り層用塗料に使用する軽質炭酸カルシウムの内容、配合部数および塗工装置を表1に、評価結果を表2に示した。なお、各評価試験は下記に準じて実施した。
【0034】
(白色度)
JIS P8148−1993に準拠し、分光白色度測定計(スガ試験機社製)を用いて、C/2光源で測定した。なお、塗料中および古紙パルプ由来の蛍光染料等の蛍光増白を含まない為に、420nmカットオフフィルターを用いて測定した。
【0035】
(明度)
表層面側の塗工表面をJIS Z8730に準拠し、分光白色度測定計(スガ試験機社製)を用いて、C/2光源でLの値を測定した。
【0036】
(白紙外観)
塗工特殊板紙の表層面側の表面を目視評価した。
◎:艶汚れも全くなく、白色ムラ、光沢ムラも全くない。
○:艶汚れ、白色ムラ、光沢ムラがやや認められるが、実用上は問題ない。
△:艶汚れ、白色ムラ、光沢ムラがはっきり認められる。
×:全てが非常に目立つ。
【0037】
(褪色性)
フェードメーター(商品名:耐光試験機FAL−5 紫外線ロングライフフェードメーター、スガ試験機社製)にて夏季約1ヶ月分の日光照射に相当する10時間処理を塗工特殊板紙にておこない、処理前後の白色度をJIS P8148に準拠して測定した。それから褪色試験前後の表層面側の最外塗被層面の白色度の差を算出した。数値の小さい方が褪色性が良好である。
【0038】
(ブランケットパイリング)
オフセット枚葉印刷機(商品名:三菱ダイヤ4E−4型、三菱重工業社製)を用い、塗被紙表面を連続5000部のカラー4色刷りになる印刷を行った後、ブランケット非画線部での紙粉の堆積度合いを目視により判定した。
◎:紙粉の発生が認められない。
○:紙粉の発生がやや認められるが、操業上問題ない。
△:紙粉が認められ、操業上問題ある。
×:ブランケット上に紙粉が多く堆積している。
【0039】
(オフセット印刷におけるインキ転写性)
上記で得られた印刷物を目視評価した。
◎:インキの塗工面への転写が均一で、吸収むらもない。
○:階調部分によっては、やや吸収むらが認められるが、実用上問題ない。
△:全体に転写性が不均一で、吸収むらも認められ、実用上問題ある。
×:転写不良で、吸収むらも非常に悪い。
【0040】
【表1】
Figure 2004353130
【0041】
【表2】
Figure 2004353130
【0042】
【発明の効果】
表2より明らかなように、本発明に係る塗工特殊板紙は、古紙を主原料とする板紙で高白色の白紙外観を有し、化粧箱や石鹸用箱等、高級包装材料として美粧性に優れ、さらに詳しくは長期陳列等にも十分耐えうる褪色性に優れた、印刷適性および商品性をも長期にわたり損なわない優れた塗工特殊板紙であった。

Claims (5)

  1. 古紙を離解・精選してなる古紙パルプを用い、表層、中層、裏層の少なくとも3層以上の層構成からなる抄き合わせ原紙の両面に1層以上の塗被層を有する塗工特殊板紙において、表層面側の最外塗被層面の白色度が82%以上、かつ明度が92%以上で、フェードメーターによる褪色試験において、試験前の表層面側の最外塗被層面の白色度と10時間後の前記最外塗被層面の白色度の差が2%未満であることを特徴とする塗工特殊板紙。
  2. 前記原紙のうち表裏層の白色度が78%以下である請求項1に記載の塗工特殊板紙。
  3. 前記原紙の表層面側が2層の塗被層からなり、その上塗り層の顔料として、立方形状粒子で平均粒子径が0.3〜0.5μmの範囲である軽質炭酸カルシウムを含有する請求項1または2に記載の塗工特殊板紙。
  4. 前記原紙の表層面側の2層の塗被層のうち、上塗り層の顔料である前記軽質炭酸カルシウムを上塗り層の全顔料に対して、30〜70質量%含有する請求項1から3のいずれか一項に記載の塗工特殊板紙。
  5. 前記塗被層の下塗り層および上塗り層を形成する塗工装置として、下塗り層がロッドコーター、上塗り層がブレードコーターで形成された請求項1から4のいずれか一項に記載の塗工特殊板紙。
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