JP2009084776A - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を使用し、原紙上に顔料及び接着剤を含んだ塗工液を塗工する製造工程で問題となるアプリケーターロール表面汚れの改善、操業および品質に優れた印刷用塗工紙の製造方法および塗工紙を提供することにある。
【解決手段】原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける塗工紙の製造方法において、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上95以下のカバー材を有するアプリケーターロールを備えたロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いて、顔料と接着剤を含有する塗工液を両面で5.0g/m以上塗工する塗工紙の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を使用し、顔料と接着剤を配合した塗工液を塗工する製造工程で問題となる操業性の改善、および品質に優れた印刷用塗工紙の製造方法および塗工紙を提供することにある。
近年印刷用塗工紙は、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が伸びている。これら商業印刷物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体として目的が達成されることが重要であるので、低コストで印刷仕上がりの良いものが求められてきている。このような旺盛な塗工紙の需要に対応するため、紙メーカーでは高品質を維持したまま、生産性を上げ、コストダウンを図るべく、塗工設備の広幅、高速化を進めている。この様な状況下で高品質を維持したまま生産性を上げることが重要な技術課題である。
従来の塗工紙の生産方式としては、抄紙と塗工を別々の工程で行うオフマシン塗工方式と、一台のマシンで抄紙と塗工を同時に行うオンマシン塗工方式があり、オンマシン塗工方式の方が製品の製造原価を抑えることが可能で、価格競争力のある製品を製造できる特徴がある。
前述のごとく近年、生産性を更に向上するため、オンマシン塗工装置で、より高速で製品化する試みがなされている。オンマシン塗工装置には一般に、フィルムトランスファー方式であるゲートロールコーターやロッドメタリングサイズプレスコーターが用いられ、これらのコーターを用いて、通常は顔料と接着剤を含有する顔料塗工液を塗工して微塗工紙、塗工紙を得るか、あるいは更にそれらの塗工紙の上にブレード塗工方式のコーターを用いて、更に顔料塗工液を塗工するダブル塗工紙を高速で生産されることが求められている。フィルムトランスファー方式においては、高速時にミスト、ボイリングなどが発生しやすい問題あるが、ボイリングの問題がないことから、ロッドメタリングサイズプレスコーターを好ましく用いられてきている。
しかしながら、このような顔料塗工液をオンマシン塗工装置で、より高速塗工すると、短時間でアプリケーターロール表面が傷つき、塗工紙表面の平滑性が損なわれるためロール交換を余儀なくされ、操業性に問題がある場合があった。これまでにフィルムトランスファー方式のロッドメタリングサイズプレスコーターで顔料塗工を行い、表面平滑性や印刷適性に優れた塗工紙を製造する方法としては種々の方法が提案されている。
特開2001−115394 特開2004−332171 特開2006−328595 特開2007−46218 特開2007−63737
しかしながら、これらの方法では、特に1300m/分以上の操業速度においては、アプリケータロール表面の傷つきの耐性等に対して不十分であり、より改善することが求められていた。
以上のような状況に鑑み、本発明の課題はロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を使用し、顔料と接着剤を配合した塗工液を高速で塗工する際に問題となるアプリケーターロール表面の傷つきを防止して操業性に優れ、表面性に優れた印刷用塗工紙の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討した結果、抄紙機で抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける塗工紙の製造方法において、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上95以下のカバー材を有するアプリケーターロールを備えたロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を使用し、ここで、好ましくはオンマシンコータを使用し、該塗工装置を用いて顔料と接着剤を含有する塗工液を両面で5.0g/m以上塗工する塗工紙を製造することにより、高速操業において、アプリケータロール表面の傷つきが発生せず、塗工紙の表面性等が向上した良好な印刷用塗工紙を得ることができた。また、前記塗工紙に、更に顔料と接着剤を含有する塗工液を上塗り塗工することにより、高速操業において、アプリケータロール表面の傷つきが発生せず、塗工紙の表面性等が良好な印刷用塗工紙を得ることができた。
本発明においては、前記ロッドメタリングサイズプレス方式で塗工する塗工液の顔料として炭酸カルシウムを顔料100重量部当り50重量部以上含有し、接着剤の一部又は全量として澱粉を顔料100重量部当り10重量部以上含有した塗工液を塗工することにより、白紙面感が向上し、特に、炭酸カルシウムの平均粒子径が0.1μm以上0.8μm以下であることにより、アプリケータロール表面の傷つきが発生しにくく、白紙面感等が向上するものである。また、前記ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置のロッドの溝幅が溝なしロッドも含めた0.30mm以下にすることにより、アプリケータロール表面の傷つきが発生しにくく、表面性を向上することもできる。本発明においては、前記原紙を、フォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式であるギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙することにより、表面性が良好なり、ラフニングの発生をより抑えることができる。ギャップフォーマ型抄紙機がタンデムシュープレスを1基以上有することにより、耐ブリスター性を向上することができる。
また、前記上塗り塗工をブレードコータで行う場合においては上塗り塗工液の接着剤として特定の共重合体ラテックスを使用することにより、ブレードコーターの二次面塗工におけるバッキングロール汚れを防止し、印刷品質、特にドライ強度、ウェット強度、印刷光沢度が特に優れた塗工紙が得られることができた。
上塗り塗工液に使用する特定の共重合体ラテックスとしてはコア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
(ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
から形成され、
共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
(ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
から形成され、
ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである共重合体ラテックスを使用することができる。
本発明により、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を使用し、顔料と接着剤を配合した塗工液を塗工する製造工程で問題となる高速操業性の改善、および表面性及び白紙面感に優れた印刷用塗工紙の製造方法を得ることができる。
本発明は、原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける塗工紙の製造方法において、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、原紙上の1層目の塗工としてJISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上95以下のカバー材を有するアプリケーターロールからなるロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置により、顔料と接着剤を含有する塗工液を両面で5.0g/m以上塗工する塗工紙を製造する方法である。
本発明で使用するロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置とは、ワーヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート等からなる通常の抄紙機において、ドライヤーパートの途中で設けられるサイズプレス部分に備えられたロッドメタリングサイズプレスコータのことであり、このコータを用いて、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工するものである。すなわち、本発明は抄紙機上でコータを用いて顔料塗工し、好ましくはオンマシンコータであり、このコータでメタリングサイズプレスコータを使用するものである。
本発明において、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置で顔料と接着剤を配合した塗工液を高速塗工する際、塗工液中の顔料によりアプリケーターロール表面のカバー材(通常ポリウレタンや合成ゴム)が磨耗してしまうため、塗工紙の表面性が悪化し、ロール交換を頻繁に行わなくてはならず、操業性が悪化するという問題があった。この問題を解決するため、アプリケーターロール表面のカバー材に関して鋭意検討した結果、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上のカバー材を有するアプリケーターロールを使用すれば顔料による磨耗を抑えることができ、塗工紙表面の表面性の悪化を防止できることが判明した。JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ95を超えるカバー材を有するアプリケーターロールを使用すると、アプリケータロール間のニップ幅が狭くなり、ニップ圧が高くなりすぎるため、転写時に塗工液が原紙に押し込まれやすくなり、表面性及び白紙面感に優れた印刷塗工紙を得ることができない。
また本発明においては、顔料として炭酸カルシウムを顔料100重量部当り50重量部以上含有し、接着剤の一部又は全量として澱粉を顔料100重量部当り10重量部以上含有した塗工液を両面で5.0g/m以上塗工することが好ましい。これは、タイプAデュロメータ硬さ89以上のアプリケーターロールを使用した場合はこれより柔らかいアプリケーターロールを使用した場合に比べ、アプリケーターロール間のニップ圧が高くなり塗料が原紙にしみこみやすくなるが、接着剤として澱粉を顔料100重量部当り10重量部以上含有することにより塗料の保水性を向上でき塗料のしみこみを抑えることができること、更に、顔料として炭酸カルシウムを顔料100重量部当り50重量部以上含有した塗料を用いれば原紙の被覆性が向上し白紙面感が良い塗工紙を得ることができるからである。本発明においては、操業速度である抄紙及び塗工速度は、1300m/分以上で、アプリケータロールの傷の発生がなく、塗工紙の表面性をより良好にすることができるが、好ましくは1500m/分以上、より好ましくは1600m/分以上で2500m/分程度である。
本発明の原紙に使用するパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、機械パルプ(MP)、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、印刷用紙の抄紙原料として一般的に使用されているものであればよく、適宜、これらの1種類または2種類以上を配合して使用される。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプであれば良く、特に限定はない。
本発明の原紙で使用する填料は公知のものを任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素―ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物が好ましく使用される。紙中填料率は1〜40固形分重量%である。表面性向上の観点から、紙中填料率は10〜40固形分重量%が好ましく、12〜35固形分重量%が更に好ましい。
本発明の原紙の内添薬品としては、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、染料、中性サイズ剤などの薬品を必要に応じて使用しても良い。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉が挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。中性サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、中性ロジンサイズ剤などが挙げられる。
本発明の塗工原紙に用いられる抄紙機は、オントップフォーマー、ギャップフォーマなどの通常の抄紙機が用いられるが、ヘッドボックスから噴射された紙料が2枚のワイヤーに挟まれて走行し、湿紙の両側からほぼ均等に脱水するギャップフォーマ型抄紙機を用いることが、高速の抄紙速度においてより適している。また、ギャップフォーマ抄紙機の中でも特にフォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いることにより、高速時において、更に、表面性が良好なものが得られ、また、機械パルプを全パルプ中の10重量%以上、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは10〜40重量配合してもラフニングが発生しにくいものである。また、本発明の抄紙機のプレスパートは、シュープレスを用いることが好ましく、抄紙速度が高速の場合、プレス後水分を鑑みてタンデムタイプのシュープレスを1段以上で処理することが好ましく、より好ましくは2段以上で処理することにより、層間強度、耐ブリスター性が向上する。シュープレスの処理条件は100KN/m〜1100KN/mが好ましく、より好ましくは500KN/m〜1100KN/mである。また、前記シュープレスを2基以上使用する場合、ドライヤーパート側のシュープレスにトランスファーベルトが接触するように通紙することが、断紙等が起こりにくく、高速操業性に優れるものである。本発明において、顔料を含有する塗工液を塗工する前の抄紙した原紙の坪量は、特に限定はないが、30〜200g/m程度であり、好ましくは40〜100g/mである。
抄紙機プレドライヤー、アフタードライヤーも公用の装置を用いることができ、乾燥条件も特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できる。
本発明においては、上記の如く抄造した原紙上に、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用い、顔料と接着剤を配合した塗工液を両面で5g/m以上塗工する場合、顔料による磨耗をなくすため、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上のカバー材を有するアプリケーターロール2本からなるロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を使用することが好ましい。塗工装置のロッドについては特に、ロッドによるアプリケータロールの磨耗を防ぐためにはロッドの溝幅は溝なしロッドも含めた0.30mm以下が好ましい。特に溝ありロッドについては、0.05〜0.30mmであっても、ロールの摩耗を防ぐことができる。また、ロッド径は10〜50mmが、塗工適性の点から好ましい。
本発明の塗工液に用いる顔料としては、従来から用いられている、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。本発明においては、炭酸カルシウムを顔料100重量部当たり50重量部以上含有することで良好な白紙面感の塗工紙を得ることができる。炭酸カルシウムの平均粒子径は0.1μm以上0.8μm以下の炭酸カルシウムを用いれば、アプリケータロールの傷がつきにくく、白紙面感が良好になるため望ましい。また、高速塗工適性の点から、重質炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
本発明の顔料塗工層に用いる接着剤としては、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。本発明においては、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類を顔料100重量部当り10重量部以上使用することにより、塗料に高い保水性を持たせることができ、塗料のしみこみを抑えることができ、表面性が向上する。特に澱粉としては、酸化澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエーテル化澱粉が好ましい。これらの接着剤は顔料100重量部あたり10〜50重量部、より好ましくは10〜25重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗工紙用塗工組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。顔料と接着剤を含めた塗工液の塗工量は両面で5g/m以上にすることにより、塗工紙の表面性が良好でラフニングの少ない塗工紙を得ることができる。塗工量を上げるため濃度の高い塗料で塗工すると塗工液のレベリングが進まず、塗工面の平滑性がむしろ低下するため、塗工量は両面で好ましくは5g/m〜25g/mであり、より好ましくは5g/m〜20g/mである。本発明においては、原紙上に、ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いて顔料と接着剤を含めた塗工液を両面5g/m以上塗工した後、更に顔料と接着剤を有する上塗り塗工液を塗工することにより、塗工紙の表面性などの品質が向上する。
上塗り塗工液は、望まれる品質に応じて、塗料中の顔料、接着剤の種類、あるいは顔料と接着剤の量比を適宜変更して使用することにより上塗り塗工層を設けてよい。
本発明の顔料塗工層に用いる顔料としては、従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。 本発明の顔料塗工層に用いる接着剤としては、従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜25重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗工紙用塗工組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
本発明の上塗り塗工液を塗工する際のコータとしては、ゲートロールコータ及びブレードメタリングサイズプレスコータ、ロッドメタリングサイズプレスコータ等のフィルム転写型ロールコータ、ブレードコータ、及びショートドウェルタイムコータ、カーテンコータ、スプレーコータ等を用いて塗工することができる。
本発明の上塗り塗工層の塗工量は、好ましくは片面当たり2〜30g/m、より好ましくは5〜15g/mであり、更に好ましくは5〜12g/mである。上塗り塗工層を設ける場合、原紙にロッドメタリングサイズプレスコータを用いた下塗り塗工層の塗工量は両面で好ましくは5g/m〜12g/mであり、より好ましくは5g/m〜10g/mで塗工紙の表面性などの品質が良好なものが得られる。また、塗工層は、必要に応じて、更に2層以上設けても良い。
このようにして得られた塗工紙は、カレンダー処理を行うことが出来る。カレンダー処理は、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等でよく、これらを併用しても良い。カレンダーの処理温度は、100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。また、本発明においては、ソフトカレンダーで6ニップ以上の処理をすることにより、特に1300m/分以上の高速処理において、より塗工紙の表面性などの品質を向上することができる。ソフトカレンダー処理条件としては。1〜6ニップ目の金属ロール表面温度は100〜250℃であることが好ましく、より好ましくは100〜200℃である。また、1〜6ニップ目までのカレンダー線圧は100〜600KN/mであることが好ましく、より好ましくは150〜450KN/mである。
本発明においては、抄紙及び塗工速度1300m/分以上で、原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工液をロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置で塗工・乾燥して塗工層を設けるコータ、好ましくはオンマシンコータを用いた塗工紙を製造する際に、アプリケーターロールが傷つかず、操業性が向上し、更に表面性、白紙面感の良好な印刷用塗工紙を製造することができる。また、抄紙及び塗工だけでなく、更にカレンダー処理を加えて一体化し、連続的に高速で通紙して塗工紙を製造することにより、生産性を向上することもできる。本発明は、オフセット印刷用、グラビア印刷用等の塗工紙として好適に使用することができる。また、本発明の塗工紙は、特に坪量が30〜160g/m、より好ましくは40〜100g/m、更に好ましくは40〜70g/mで好適に用いられるものである。
上塗り塗工液を塗工する際、ブレードコータを使用する場合においては顔料塗工層を構成する接着剤として特定の共重合体ラテックスを使用することが特に好ましい。具体的には、コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
共重合体部分Aが、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
(ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
から形成され、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
共重合体部分Bが、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
(ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
から形成され、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである、共重合体ラテックスが特に好適である。
本発明の上記共重合体ラテックスを塗工層を形成する接着剤として使用すると、オンマシンコータを用いて抄速1300m/分以上の高速で塗工紙を製造する場合であっても、バッキングロール汚れを防ぐことができ、高い操業性で高品質の塗工紙を製造することが可能になる。
本発明の上記共重合体ラテックスが高速操業時のバッキングロール汚れ防止に有効である理由は明らかでなく、本発明はそのメカニズムによって限定されるものではないが、本発明の共重合体ラテックスを含むことによって、粘着性が低減し、また、洗浄性が向上するため、バッキングロール汚れ特性が良好となるものと推測される。さらに、本発明の共重合体を含む顔料塗工液は、塗工液の粘度や高速流動性が良好であり、塗工速度が1300m/分以上である高速操業に特に適している。さらにまた、本発明の共重合体は、強度等に影響を与える共重合体の構造が高分子量体であるため、塗工紙のピック強度、印刷光沢が良好な塗工紙の塗工層を形成することができる。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスは、コア層とシェル層を含んで構成され、共重合体100重量%に対して、コア層部分が80〜82重量%、シェル層部分が20〜18重量%を構成する。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスはコア層として共重合体部分Aを含んでなり、このような共重合体部分Aによって、耐衝撃性が向上するため、塗工紙の強度、特にドライピック強度を良好にすることができる。また、本発明に好適に使用される共重合体ラテックスはシェル層として共重合体部分Bを含んでなり、このような共重合体部分Bによって、粘着性が低減され、かつ洗浄性が向上するため、特にバッキングロール汚れ特性が良好にすることができる。
好ましい態様において、本発明の共重合体ラテックスは、
(a)共役ジエン単量体33〜35重量%、
(b)不飽和カルボン酸単量体3.5〜3.7重量%、
(c)シアン化ビニル単量体20〜22重量%、および
(d)これら単量体と共重合可能な他の単量体39.3〜43.5重量%
を含んで構成される。
本発明の共重合体ラテックスにおいて、(a)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、33〜35重量%であり、33.5〜34.5重量%であることが好ましい。上記含有割合が33重量%未満であると、共重合体ラテックスが硬くなり過ぎ、十分なピック強度を得ることができない。一方、35重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が悪化する。
また、本発明の共重合体ラテックスにおいて、(b)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、3.5〜3.7重量%であり、3.55〜3.65重量%であることが好ましい。上記含有割合が3.5重量%未満であると、乳化重合時の共重合体ラテックスの安定性が悪く、また、共重合体ラテックスの洗浄性が低下し、バッキングロール汚れ特性が低下する。一方、3.7重量%超であると、得られる共重合体ラテックスの粘度が高くなるため、塗工液の粘度が高くなりすぎ塗工性が悪くなり、塗工層の平滑性を損ない印刷光沢が低下する。
さらに、本発明の共重合体ラテックスにおいて、(c)シアン化ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、20〜22重量%であることが好ましく、20.5〜21.5重量%であることが更に好ましい。(c)シアン化ビニル単量体に由来する構造単位を含有させることによって、共重合体ラテックスの耐油性が向上するため、印刷光沢を更に向上させることができる。上記含有割合が20重量%未満であると、印刷光沢が低下する。一方、22重量%超であると、インキ転移性が低下する。
さらにまた、本発明の共重合体ラテックスにおいては、(d)上記単量体と共重合可能な他の単量体を39.3〜43.5重量%にて含有させてもよい。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスのコア層を形成する共重合体部分Aは、
(a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
(b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
(d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
から構成され、ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である。
この共重合体部分A中の(a−1)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、30〜32重量%であり、30.5〜31.5重量%であることが好ましい。上記含有割合が30重量%未満であると、共重合体部分Aが硬くなり過ぎ、十分なドライピック強度を得ることができない。一方、32重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が悪化する。
また、共重合体部分A中の(b−1)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、1.1〜1.4重量%である。上記含有割合が1.1重量%未満であると、乳化重合時の共重合体部分Aの安定性が悪く、重合様態が悪化する。一方、1.4重量%超であると、シェル層を形成する共重合体部分Bが同一粒子内に異相構造を形成しなくなり、目的とする性能が得られない。
また、本発明に好適に使用される共重合体ラテックスのシェル層を形成する共重合体部分Bは、
(a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
(b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
(c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
(d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
から形成され、ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である。
この共重合体部分B中の(a−2)共役ジエン単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、2〜4重量%であり、2.5〜3.5重量%であることが好ましい。上記含有割合が2重量%未満であると、共重合体部分Bが硬くなり過ぎ、十分なウェットピック強度を得ることができない。一方、4重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が悪化する。
また、共重合体部分B中の(b−2)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、2.2〜2.5重量%である。上記含有割合が2.2重量%未満であると、共重合体ラテックスの洗浄性が低下し、バッキングロール汚れ特性が低下する。一方、2.5重量%超であると、得られる共重合体ラテックスの粘度が高くなるため、塗工液の粘度が高くなりすぎ塗工性が悪くなり、塗工層の平滑性を損ない印刷光沢が低下する。
さらに、共重合体部分B中の(c−2)シアン化ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、5〜7重量%であることが好ましく、5.5〜6.5重量%であることが更に好ましい。上記含有割合が5重量%未満であると、印刷光沢が低下する。一方、7重量%超であると、インキ転移性が低下する。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスは、前記共重合体部分Aと前記共重合体部分Bとが同一粒子内に存在してコアシェル型の異相構造を形成し、その割合が共重合体100重量%に対して、前期共重合体部分Aが80〜82重量%であることが好ましい。前記共重合体部分Aと前記共重合体部分Bとが同一粒子内に存在して異相構造を形成しない場合には、目的とする性能が得られない。また共重合体部分Aの割合が80重量%未満であると、十分なピック強度が得られない。一方、82重量%超であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が低下する。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスは、ゲル含有量が93〜96%であり、93〜95%であることが好ましい。上記ゲル含有量が93%未満であると、十分なピック強度が得られず、また、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が低下する。一方、96%超であると、十分なピック強度が得られなくなる。ここで、本明細書において「ゲル含有量」とは、共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムによりpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させ、得られた凝固物を洗浄、乾燥した後、0.3gの試料を100mlのトルエンに25℃、20時間浸漬させたときの、トルエン中に残存する固形物の、浸漬前の全固形分に対する重量比率をいう。なお、トルエン中に残存する固形物は、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分のことである。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスは、重量平均粒子径が73〜88nmであり、75〜88nmであることが好ましい。上記重量平均粒子径が73nm未満であると、平滑性が低下し、印刷光沢が低下する。一方、88nm超であると、十分なピック強度が得られない。ここで、本明細書において、「重量平均粒子径」とは、動的光散乱法によって重量平均粒子径を測定する測定装置に共重合体ラテックスを供して測定される値である。この測定は、例えば、粒子径測定装置「LPA−3100」(大塚電子製)を用いることができる。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスは、前記共重合体部分Aと前記共重合体部分Bとからなり、共重合体部分Aは4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、共重合体部分Bは43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有することが好ましい。さらに好ましくは、共重合体部分Aは5〜10℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、共重合体部分Bは45〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有する。上記共重合体部分Aのガラス転移温度が4℃未満であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が低下する。一方、上記共重合体部分Aのガラス転移温度が12℃超であると、十分なドライピック強度が得られない。また、上記共重合体部分Bのガラス転移温度が43℃未満であると、粘着性が高くなり、バッキングロール汚れ特性が低下する。一方、上記共重合体部分Bのガラス転移温度が50℃超であると、十分なウェットピック強度が得られない。
本発明の共重合体ラテックスに含有される共役ジエン単量体は、共重合体ラテックスに含有する共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与することができる。共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエンが好ましい。これらの共役ジエン単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスを構成する単量体成分としては、好ましい態様において、上記の共役ジエン単量体以外に、不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル単量体、および、前記単量体と共重合可能な他の単量体が挙げられる。
不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、β−メタアクリルオキシエチルアシッドヘキサハイドロフタレートなどのハーフエステル類;これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。これらの不飽和カルボン酸単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本明細書において、不飽和カルボン酸単量体というときは、重合中に不飽和カルボン酸単量体に変化するものを含めたものをいうものとする。重合中に不飽和カルボン酸単量体に変化するものとしては、例えば、モノカルボン酸類の無水物、ジカルボン酸類の無水物、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。具体的には、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物などは、水性媒体中で乳化重合する際にカルボン酸に変化するため、不飽和カルボン酸単量体として使用することができる。
また、シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルメタクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、アクリロニトリルが好ましい。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、前記単量体と共重合可能な他の単量体は、共重合体に主として目的に応じた適度な硬さを付与するために用いられる成分である。他の単量体としては、例えば、分子中に重合性不飽和結合を1個以上有する化合物を挙げることができ、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。具体的には、芳香族ビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物等が挙げられる。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和二塩基酸アルキルエステルとしては、例えば、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル等が挙げられる。
アクリルアミド及びメタクリルアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
本発明に好適に使用される共重合体ラテックスは、公知の重合方法によって製造することができ、好ましい態様において乳化重合により製造される。重合においては、分子量調節剤を使用して、分子量を制御することができる。好ましい態様において、本発明の共重合体ラテックスのシェル層である共重合体部分Bは、メルカプタン類の分子量調節剤の非存在下において重合される。
分子量調節剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムスルフィド類、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーなどの炭化水素類、アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルネピン、γ−テルネピン、ジペンテン、1,1−ジフェニルエチレンなどを挙げることができる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるものではない。尚、実施例中に示される部および%は、特に断りのない限り全て固形分重量部および固形分重量%を意味する。
〈評価方法〉
(1)顔料の平均粒子径
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて、体積累積分布の50%点を平均粒子径として測定した。
(2)アプリケーターロール表面状態
24時間塗工した後、塗工前後でアプリケーターロール表面を目視比較した。
◎:塗工前と同じ状態、○:ほぼ塗工前と同じ状態、△:やや表面性が悪化、×:大幅に表面性が悪化
(3)塗工紙白紙面感
塗工紙の白紙面の凹凸ムラを目視比較した。
◎:良好 ○:平均的 △:やや劣る ×:劣る
(4)塗工紙表面性
JIS P 8151表面粗さ及び平滑度試験方法(エア・リーク法)−プリント・サーフ試験機法により塗工紙表面性を評価した。バッキングはハードバッキングを使用し、クランプ圧力は980kPaで行った。尚、F/Wの平均値を表面性とした。
(5)耐ブリスター性
RI−I型印刷機(明製作所)を用い、オフセット印刷用インキ(東洋インキ製:TKマークV617)を使用し、インキ量0.8cc一定で両面印刷して一昼夜調湿度した後、この試験片を温度140℃に設定した恒温オイルバスに浸し、ブリスターの発生状況を目視判定した。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(6)ラフニング
Fibro社製のペーパーサーフェイスアナライザーFIBRO1000で測定した。この測定器は、幅3.5cmの試料表面に水を塗布し、赤外線ランプにより乾燥後、表面繊維の盛り上がりの程度をCCDカメラにより画像解析を行なって評価する測定器である。測定は水塗布量8.0g/m、乾燥温度150℃の条件で行ない、基準線より0.1mm以上に盛り上がった繊維の数であるQty値(本/m)でラフニング量を評価した(Qty値が小さいほどラフニングは良好である。)。
実験1
[実施例1]
LBKP70部、DIP(TMP35重量%含有)30部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を0.4部添加して紙料を調整した。
この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分で抄紙して、引き続きオンマシンコータであるJISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ90のカバー材を有するアプリケーターロール2本とそれぞれのロールに溝なしロッド(ロッド径25mm)を装備したロッドメタリングサイズプレスを用いて、平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを2部配合した固形分濃度46%の塗工液を両面で6g/m下塗り塗工・乾燥して、坪量が50g/mの下塗り塗工紙を得た。
次に、ブレード方式の塗工装置で重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン7部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを8部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、片面当たり8g/mを両面に、塗工速度1600m/分で上塗り塗工・乾燥した後、2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度110℃、線圧400kN/m、処理速度1600m/分の条件でカレンダー処理してオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、溝なしロッドの代わりに溝幅0.10mmのロッドを装備したロッドメタリングサイズプレスを用い、平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを2部配合した固形分濃度40%の塗工液を両面で6g/m塗工した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ90のカバー材を有するアプリケーターロール2本を装備したオンマシンのロッドメタリングサイズプレスを用いる代わりに、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ84のカバー材を有するアプリケーターロール2本を用いたオンマシンのロッドメタリングサイズプレスを用いた以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、ロッドメタリングサイズプレスで平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを2部配合した固形分濃度30%の塗工液を両面で3g/m塗工・乾燥した以外は上記実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
Figure 2009084776
表1から明らかなように、実施例1,2の印刷用塗工紙は、アプリケータロール表面状態が良好であり、塗工紙の白紙面感及び表面性がともに良好であった。これに対し、比較例1はアプリケータロール表面状態が塗工前と比べて悪化し、塗工紙の白紙面感及び表面性が悪くなった。また、比較例2はアプリケータロール表面状態に問題はなかったが、塗工紙の白紙面感、表面性は劣っていた。
実験2
[実施例3]
LBKP70部、DIP(TMP35重量%含有)30部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を0.4部添加して紙料を調整した。この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分で抄紙して、引き続きオンマシンコータであるJISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ90のカバー材を有するアプリケーターロール2本とそれぞれのロールに溝なしロッド(ロッド径25mm)を装備したロッドメタリングサイズプレスを用いて、平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム55部、平均粒径0.4μmのクレー45部に対して、接着剤として酸化デンプン13部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを4部配合した固形分濃度57%の塗工液を両面で15g/m塗工・乾燥した後、2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜6ニップすべてが金属ロール表面温度110℃、線圧150kN/m、処理速度1600m/分の条件でカレンダー処理して坪量70g/mのオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例3において、溝なしロッドの代わりに溝幅0.10mmのロッドを装備したロッドメタリングサイズプレスを用い、平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム55部、平均粒径0.4μmのクレー45部に対して、接着剤として酸化デンプン13部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを4部配合した固形分濃度53%の塗工液を両面で15g/m塗工・乾燥した以外は上記実施例3と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例3において、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ90のカバー材を有するアプリケーターロール2本を装備したオンマシンのロッドメタリングサイズプレスを用いる代わりに、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ84のカバー材を有するアプリケーターロール2本を用いたオンマシンのロッドメタリングサイズプレスを用いた以外は上記実施例3と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例3において、ロッドメタリングサイズプレスで平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム55部、平均粒径0.4μmのクレー45部に対して、接着剤として酸化デンプン13部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを4部配合した固形分濃度33%の塗工液を両面で4g/m塗工・乾燥した以外は上記実施例3と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
Figure 2009084776
表2から明らかなように、実施例3、4の印刷用塗工紙は比較例に対し、アプリケータロール表面状態が良好であり、塗工紙の白紙面感及び表面性がともに良好であった。これに対し、比較例3はアプリケータロール表面状態が塗工前と比べて悪化し、塗工紙の白紙面感及び表面性が悪くなった。また、比較例4はアプリケータロール表面状態に問題はなかったが、塗工紙の白紙面感、表面性は劣っていた。
実験3
ブレードコータを使用して上塗り塗工を施す場合に、顔料塗工層を構成する接着剤として本発明の特定の共重合体ラテックスを検討した。なお、以下の実験において、ラテックスの物性および塗工紙の特性は下記の手順により評価した。
(1)ゲル含有量
共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムによりpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固させ、得られた凝固物をメタノールで洗浄、乾燥させる。乾燥した試料0.3gを100mlのトルエンに25℃、20時間浸漬させたときの、トルエン中に残存する固形物の、浸漬前の全固形分に対する重量比率を測定し、ゲル含有量とした。
(2)ラテックスの重量平均粒子径
光散乱法による粒子径測定装置「LPA−3100」(大塚電子製)を用いて測定した。
(3)ガラス転移温度
共重合体ラテックスを130℃で30分間加熱乾燥してフィルムを作製し、この乾燥フィルムのガラス転移温度を、示差走査熱量計「DSC−220C」(セイコー電子製)を用いて、昇温速度15℃/分の条件で測定した。
(4)バッキングロール汚れ評価
72時間連続操業した後、ブレードコータバッキングロール表面の汚れ状態を目視評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=バッキングロール汚れが発生しない、○=バッキングロール汚れが若干発生する、△=バッキングロール汚れがかなり発生する、×=バッキングロール汚れが著しく発生する
(5)塗工紙のドライ強度
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、TKハイプラス紅インキ(東洋インキ製)を使用して印刷後、ゴムロールについた印刷跡を転写紙に手動で転写してピッキングの程度を目視で相対評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(6)塗工紙のウェット強度
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、塗工紙表面を湿水ロールで湿してから、TKハイプラス紅インキ(東洋インキ製)を使用して印刷後、ゴムロールについた印刷跡を転写紙に手動で転写してピッキングの程度を目視で相対評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生する、×=発生が著しい
(7)印刷光沢度
東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、オフセット印刷用インキ(レオエコーSOY−M、東洋インキ製)を使用して印刷速度500rpmで印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P−8142に従い角度75度にて印刷光沢度を測定した。
(共重合体ラテックスの製造)
攪拌装置及び温度調節機を備えた耐圧反応容器に、水95重量%/ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%/過硫酸カリウム0.7重量%/硫酸第一鉄・7水塩0.3重量%/1,3−ブタジエン31重量%/スチレン33.75重量%/アクリロニトリル15重量%/アクリル酸1重量%/イタコン酸0.25重量%/α−メチルスチレンダイマー0.5重量%/t−ドデシルメルカプタン0.15重量%を1段目成分として仕込み、窒素で重合系内を置換した。続いて、重合系の反応容器内の温度を45℃に昇温し、9時間重合を行い、共重合体部分Aを得た。ここで、共重合体部分Aに用いた単量体成分の合計は、共重合体全体を100とした場合、81である。
次いで、重合転化率が70%以上に到達したことを確認した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量%/過硫酸カリウム0.8重量%/硫酸第一鉄・7水塩0.3重量%/1,3−ブタジエン3重量%/スチレン6.65重量%/アクリロニトリル6重量%/メチル(メタ)アクリレート1重量%/アクリル酸1.3重量%/イタコン酸1.05重量%/α−メチルスチレンダイマー0.1重量%を2段目成分(共重合体部分Bの成分)として3時間かけて連続的に重合系内に添加し、重合を完結した。ここで、共重合体部分Bに用いた単量体成分の合計は19である。最終的な重合転化率は99%であった。
以上のようにして得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpH7.5に調整した。その後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、更に加熱水蒸気蒸留によって固形分含量50%の共重合体ラテックスPを得た。
得られた共重合体ラテックスPについて、(1)ゲル含有量、(2)重量平均粒子径、および(3)ガラス転移温度を、上記評価方法にしたがって評価した。その結果、(1)ゲル含有量が94%、(2)重量平均粒子径が85nm、および共重合体部分Aのガラス転移温度が7℃、共重合体部分Bのガラス転移温度が46℃であった。
このラテックスを実施例5、6に使用した。また、比較例7〜9でそれぞれ使用する共重合体ラテックスQ〜Sは、以下の表3に示す原料配合で上記の合成方法により製造した。
Figure 2009084776
[実施例5]
LBKP70部、DIP(TMP35重量%含有)30部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を0.4部添加して紙料を調整した。
この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分で抄紙して、引き続きオンマシンコータであるJISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ90のカバー材を有するアプリケーターロール2本とそれぞれのロールに溝なしロッド(ロッド径25mm)を装備したロッドメタリングサイズプレスを用いて、平均粒径0.64μmの重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを2部配合した固形分濃度46%の塗工液を両面で6g/m下塗り塗工・乾燥して、坪量が50g/mの下塗り塗工紙を得た。
次に、重質炭酸カルシウム73部及びクレー27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン7部と前記共重合体ラテックスPを8部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、ジェットファウンテン方式のブレードコータで片面当たり8g/m を両面に、塗工速度1600m/分で上塗り塗工・乾燥した後、2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、白紙光沢度50%(JIS P−8142に従い角度75度で測定)の塗工紙を得た。抄紙、塗工、カレンダー処理を連続して行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1600m/分であった。
[実施例6]
実施例5において、溝なしロッドの代わりに溝幅0.10mmのロッドを装備したロッドメタリングサイズプレスを用いて塗工した以外は上記実施例5と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例5において、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ90のカバー材を有するアプリケーターロール2本を装備したオンマシンのロッドメタリングサイズプレスを用いる代わりに、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ84のカバー材を有するアプリケーターロール2本を用いたオンマシンのロッドメタリングサイズプレスを用いた以外は上記実施例5と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例6]
実施例5において、下塗り塗工の塗工量を両面で3g/mとした以外は上記実施例5と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例7]
比較例5において、ゲル含有量が92%の共重合ラテックスQを使用した以外は上記比較例5と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例8]
比較例5において、共重合体部分Aのガラス転移温度が3℃の共重合ラテックスRを使用した以外は上記比較例5と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例9]
比較例5において、共重合体部分Bのガラス転移温度が42℃の共重合ラテックスSを使用した以外は上記比較例5と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
Figure 2009084776
表4から明らかなように、実施例5,6の印刷用塗工紙は、アプリケータロール表面状態が良好であり、バッキングロール汚れが発生せず、塗工紙の白紙面感及び表面性がともに良好であり、ドライ強度も十分に強かった。比較例5はアプリケータロール表面状態が塗工前と比べて悪化し、塗工紙の白紙面感及び表面性が悪くなった。また、比較例6はアプリケータロール表面状態に問題はなかったが、塗工紙の白紙面感、表面性は劣っていた。また、比較例5の上塗り塗工層のバインダーとして使用した上記ラテックスPをラテックスQ、R、Sに変更した比較例7〜9は、上塗り塗工に用いたバッキングロールの汚れが発生して劣った。

Claims (9)

  1. 抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける塗工紙の製造方法において、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上95以下のカバー材を有するアプリケーターロールを備えたロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いて、顔料と接着剤を含有する塗工液を両面で5.0g/m以上塗工する塗工紙の製造方法。
  2. 前記ロッドメタリングサイズプレス方式で塗工する塗工液の顔料として炭酸カルシウムを顔料100重量部当り50重量部以上含有し、接着剤として澱粉を顔料100重量部当り10重量部以上含有した塗工液を塗工する請求項1に記載の塗工紙の製造方法。
  3. 前記ロッドメタリングサイズプレス方式で塗工する塗工液の顔料として使用する炭酸カルシウムの平均粒子径が0.1μm以上0.8μm以下である請求項1または2に記載の塗工紙の製造方法。
  4. 前記ロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置のロッドの溝幅が溝なしロッドも含めた0.30mm以下である請求項1〜3に記載の塗工紙の製造方法。
  5. 前記原紙を、フォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式であるギャップフォーマ型抄紙機を用いて抄紙する請求項4に記載の塗工紙の製造方法。
  6. 前記ギャップフォーマ型抄紙機がタンデムシュープレスを1基以上有する請求項5に記載の塗工紙の製造方法。
  7. 抄紙した原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける塗工紙の製造方法において、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、JISK6253規定のタイプAデュロメータ硬さ89以上95以下のカバー材を有するアプリケーターロールを備えたロッドメタリングサイズプレス方式の塗工装置を用いて、顔料と接着剤を含有する塗工液を両面で5.0g/m以上で下塗り塗工した後、更に顔料と接着剤を有する塗工液を上塗り塗工する塗工紙の製造方法。
  8. 前記上塗り塗工をブレードコータで行い、
    上塗り塗工液の接着剤として、コア層として共重合体部分Aとシェル層として共重合体部分Bとを含んでなる共重合体ラテックスであって、共重合体100重量%に対して、共重合体部分Aが80〜82重量%、共重合体部分Bが20〜18重量%を構成し、
    共重合体部分Aは、4〜12℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
    (a−1)共役ジエン単量体30〜32重量%、
    (b−1)不飽和カルボン酸単量体1.1〜1.4重量%、および
    (d−1)これら単量体と共重合可能な他の単量体47.5〜50重量%
    (ここで、単量体(a−1)、(b−1)、および(d−1)の合計量は80〜82重量%である)
    から形成され、
    共重合体部分Bは、43〜50℃の範囲に1つのガラス転移温度を有し、
    (a−2)共役ジエン単量体2〜4重量%、
    (b−2)不飽和カルボン酸単量体2.2〜2.5重量%、
    (c−2)シアン化ビニル単量体5〜7重量%、および
    (d−2)これら単量体と共重合可能な他の単量体4.5〜11重量%
    (ここで、単量体(a−2)、(b−2)、(c−2)および(d−2)の合計量は20〜18重量%である)
    から形成され、
    ゲル含有量が93〜96重量%、重量平均粒子径が73〜88nmである共重合体ラテックスを用いることを特徴とする、請求項7に記載の塗工紙の製造方法。
  9. 前記共重合体ラテックスの全体が、
    (a)共役ジエン単量体33〜35重量%、
    (b)不飽和カルボン酸単量体3.5〜3.7重量%、
    (c)シアン化ビニル単量体20〜22重量%、および
    (d)これら単量体と共重合可能な他の単量体39.3〜43.5重量%
    (ここで、単量体(a)、(b)、(c)および(d)の合計量は100重量%である)
    から構成され、
    共重合体部分Aと共重合体部分Bとが同一粒子内に存在して異相構造を形成し、共重合体Bはメルカプタン類の分子量調整剤の非存在下において乳化重合して得られることを特徴とする、請求項8に記載の塗工紙の製造方法。
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