JPH10140499A - オフセット印刷用塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

オフセット印刷用塗被紙及びその製造方法

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JPH10140499A
JPH10140499A JP29912396A JP29912396A JPH10140499A JP H10140499 A JPH10140499 A JP H10140499A JP 29912396 A JP29912396 A JP 29912396A JP 29912396 A JP29912396 A JP 29912396A JP H10140499 A JPH10140499 A JP H10140499A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速操業性に優れ、かつ上塗り塗被後の印刷
品質(表面強度、面状)に優れたオフセット印刷用塗被
紙を提供する。 【解決手段】 原紙に塗被液を2度塗被するオフセット
印刷用塗被紙の製造方法において、下塗り塗被液に平均
粒子径が40〜70nmであるスチレン・ブタジエン系
共重合体ラテックスを使用し、この下塗り塗被液をフィ
ルムトランスファー方式で原紙の表面に下塗り塗被した
後、平均粒子径が70nmより大きく、110nm以下
の範囲内にあるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテッ
クスを含む上塗り塗被液をブレード方式で塗被したこと
を特徴とするオフセット印刷用塗被紙およびその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原紙に下塗り塗被
液を塗被する場合において高速操業性に優れ、且つ上塗
り塗被後の面状、印刷表面強度等に優れたオフセット印
刷用塗被紙の製造方法およびその塗被紙に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷用紙の需要も徐々に増大する
傾向にある。とりわけ、広告、通販向けのチラシ、カタ
ログ、パンフレット等商業印刷分野での需要が着実に伸
びていることが特徴である。これら商業印刷物は、高級
印刷・出版向けと異なりそれ自体の商品価値は低いが、
宣伝媒体として目的が達成されることが重要であるた
め、低コストで印刷仕上がりが良いものが求められる。
従って紙ユーザーのコストダウン指向は一層強まってき
ており、使用される紙もより低グレード化、薄物・軽量
化に向かっている。
【0003】このような旺盛な需要に対応するため、紙
メーカーでは製品のより効率的な生産とコストダウンを
図るべく、塗被装置の広幅、高速化を進めており、高品
質を維持したまま、生産性を上げることが重要な課題で
ある。従って近年生産設備としては、一台のマシンで抄
紙と塗被を同時に行うオンマシン塗被方式が多く採用さ
れる傾向にある。また、原紙に比較的安価な顔料を含む
下塗り塗被液をオンマシンで塗被した後、上塗り塗被液
を塗被することにより、品質的には下塗り塗被により原
紙の被覆性が向上し、面状や印刷品質も良くなることか
ら、軽量塗被紙の製造においても多層塗被化が進む傾向
にある。そのため、オンマシン塗被方式であるフィルム
トランスファー塗被装置の一層の高速化が求められてい
る。
【0004】しかし、オンマシン塗被方式であるゲート
ロールコータやブレードあるいはロッドメタリングサイ
ズプレスコータなどを用いて、通常の塗被液を原紙に下
塗りする場合現在のところ操業最高速度で約1100m
/分が高速化の限界である。この高速化を阻んでいる原
因はいくつか挙げられ、塗被液のロールへの転写が不均
一になることに起因する転写パターン(以後ロールパタ
ーン)やアプリケーションロールニップ出口で塗被液が
霧状になって飛散する、ミストと呼ばれる現象がある。
ミストは、操業条件によっては1100m/分より低速
でも発生し始めるが、高速条件になるほどその程度が増
し、作業環境の悪化を招くと同時に、周辺ロールを汚
し、更に乾燥固化した場合には紙表面に落下し、製品欠
陥となる。また、特にゲートロールコータの場合には同
様なミスト発生の問題が生じると同時に、塗被液の機械
的、熱的安定性が劣るとインナーロールとアウターロー
ル間あるいはインナーロールとアプリケーションロール
間のように互いにロール径、周速が異なるロール間にか
かるせん断力によって、塗被液が凝固してロール表面に
付着するガムアップと呼ばれる現象が生じ、操業性を低
下させる。
【0005】さらに、アプリケーションロールニップ出
口での剥離が不安定となり剥離パターンが多く発生する
ようになる。これらの問題は塗被液濃度を低下させるこ
とによって低減できるが、乾燥負荷を増す上、塗被液の
原紙へのしみ込みが多くなり、原紙被覆性が劣るため、
上塗り塗被後の光沢ムラが多くなり、面状、印刷適性が
低下してしまう問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題は上記のごときフィルムトランスファ
ー方式を使用し、特に塗被速度が1100m/分以上の
高速で下塗り塗被する製造工程で問題となる操業性を改
善するとともに、上塗り塗被後の品質に優れたオフセッ
ト印刷用塗被紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、原紙に顔料と接着剤
を有する塗被液を2度塗被するオフセット印刷用塗被紙
の製造方法において、平均粒子径が40〜70nmであ
るスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含有す
る下塗り塗被液をフィルムトランスファー方式で原紙の
表面に塗被した後、平均粒子径が70nmより大きく、
110nm以下の範囲内にあるスチレン・ブタジエン系
共重合体ラテックスを含む上塗り塗被液をブレード方式
で塗被することにより本発明を成すに至った。
【0008】本発明者等は、特に1100m/分以上の
高塗被速度で下塗り塗被液を塗被する際に一層顕著に認
められる、ロールパターン、ミスト、剥離パターン、ガ
ムアップの問題が、高せん断速度下の塗被液粘度と相関
し、高せん断速度下の塗被液粘度を下げることがこれら
の問題解決に有効であることを認めた。
【0009】一方、高せん断速度下での塗被液粘度を低
下させる解決法の一つとして、ラテックス粒子径を小さ
くすることが有効であることは文献等で既に知られてい
る(化学工学会、塗布技術シンポジウム予稿集、199
3)。しかし、本発明者等は更に鋭意検討を重ねた結
果、上塗り塗被液中に平均粒子径が70nm以下のラテ
ックスを使用した場合には、粒子径が小さくなるにした
がいウェット着肉性(実機印刷機上で湿し水が付いた直
後に印刷される印刷面のインキ濃度)が低下すること
や、ウェット強度(実機印刷機上重ね刷り時湿し水が付
いた直後に印刷される印刷面の表面強度)が低下する問
題が生じることを新たに認めた。
【0010】以上の知見を基に本発明者等は、フィルム
トランスファー方式で塗被する下塗り塗被液中に平均粒
子径が40〜70nmであるラテックスを使用し、上塗
り塗被液中に平均粒子径が70nmより大きく、110
nm以下の範囲内にあるラテックスを使用することによ
り、下塗り塗被時の高速操業性に優れ、かつ上塗り塗被
後の印刷品質に優れた製品を製造し得ることを新たに見
い出した。
【0011】下塗り塗被液に使用するラテックスの平均
粒子径が、70nm以下の場合には、塗被液の高せん断
速度下の粘度を低下させることができ、ロールパター
ン、剥離パターン、ミスト、ガムアップを大幅に低減で
きる。この理由は、非常に粒子径の小さいラテックスを
使用するため、高せん断速度下における粘度が低く、塗
膜が各ロールに均一に転写され、更にロールから均一に
塗膜がスプリットして紙に塗被されるためである。また
粒子径の小さいラテックスを使用することにより、塗被
層中の顔料との接着面積が増加するため、ドライ強度
(ベタ印刷時の印刷面の印刷強度)が向上する。しかし
その場合でも、平均粒子径が40nmより小さくなる
と、上塗り塗被液に使用するラテックスの如何に関わら
ず、ラテックス製造時に配合される親水性の乳化剤の影
響により、ウェット強度が低下する。尚、下塗り塗被液
に使用するラテックスの平均粒子径は50〜60nmが
より好ましい。
【0012】また、上塗り塗被液に使用するラテックス
の平均粒子径が、70nm以下の場合には、上記同様親
水性の乳化剤の影響により、ウェット強度が低下すると
ともにウェット着肉性が低下する傾向となる。70nm
より大きい場合には、ウェット強度、ウェット着肉性の
問題はなく良好な品質を与えるが、110nmより大き
くなるとドライ強度が低下傾向となる。
【0013】以上より、単層塗被紙の製造時に粒子径の
小さいラテックスを使用した場合懸念されるウェット強
度、ウェット着肉性は、多層塗被化を行い、かつ上塗り
顔料塗被液中に、下塗りに使用したものより平均粒子径
の大きなラテックスを使用することにより解決される。
これは、ウェット強度、ウェット着肉性が、塗被層のご
く表層部の親水性や空隙構造に影響され、粒子径の大き
なラテックスを塗被層の上層部に使用すると、親水性乳
化剤の配合量が少ないためウェット強度が低下せず、か
つ顔料との接着点が少なくポーラスな塗被層を形成する
ため、ウェット着肉性も問題とならないものと考えられ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で使用する顔料は、特に規
定するものではないが、一般に製紙用に使用される重質
炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムやカオリン、クレ
ー、タルク、サチンホワイト、プラスチックピグメン
ト、二酸化チタン等が使用される。ただし、下塗り塗被
液に使用する顔料については、高せん断速度下での粘度
をできる限り低下させるため、平均粒子径が0.5〜
0.9μm程度の重質炭酸カルシウムを全顔料中70%
以上配合することが好ましい。
【0015】本発明で使用するスチレン・ブタジエン系
ラテックスの組成は、ごく一般的に使用されるスチレン
・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリ
ル共重合体あるいはその変性物が使用され、モノマーと
しては、スチレン、ブタジエンの他、メチルメタアクリ
レート他ビニル系不飽和カルボン酸エステル化合物や、
アクリロニトリル等その他ビニル化合物、あるいはアク
リル酸、フマル酸等ビニル系不飽和カルボン酸を用い
る。また、ラテックスのゲル含量については、ガムアッ
プ防止の観点から下塗り塗被液に用いるラテックスは7
5〜90%であることが好ましい。また、上塗り塗被液
に用いるラテックスのゲル含量は、良好な印刷表面強
度、耐ブリスター性を得るため30〜60%であること
が好ましい。また、ラテックス以外の接着剤として、塗
被液の保水性を維持し、原紙の内部結合強度を高めるた
めに使用するデンプンについては、酸化デンプン、エス
テル化あるいはエーテル化デンプン、酵素変性デンプン
やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デ
ンプンを用いる。
【0016】また下塗り塗被液濃度については、固形分
で35〜55%がより好ましい。35%より低い場合に
は高せん断速度下の粘度が低くなりすぎて、製品の面
状、印刷適性が低下し、反対に55%より高い場合に
は、高せん断速度下の粘度が高くなりすぎロールパター
ン、剥離パターン、ミスト、ガムアップが発生しやすく
なる。
【0017】また本発明において下塗り塗被に使用する
フィルムトランスファー方式の塗被装置は、ゲートロー
ルコータ、ブレードあるいはロッドメタリングサイズプ
レスコータなどが使用できる。上塗り塗被に使用するブ
レードコータは、ロールアプリケーションタイプあるい
はファウンテンノズルタイプのいずれでも良い。本発明
の塗被液には分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化
剤等通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤を使用し
ても良い。
【0018】また原紙としては、一般の印刷用塗被紙に
用いられる坪量30〜100g/m2 の原紙が好まし
く、目的により上質紙、中質紙を選択して使用する。
【0019】なお、下塗り塗被液の塗被量は、原紙の片
面当たり固形分で2〜8g/m2 の範囲で塗被するのが
好ましい。2g/m2 より少ない量を塗被する場合、装
置上の限界から塗被液濃度を大幅に下げざるを得ず、そ
の結果原紙被覆性、面状が低下しやすい。8g/m2
り多い量を塗被する場合は、逆に塗被液濃度を高くする
必要があり、この場合装置上塗被量のコントロールが困
難になると同時に、梨地状の面荒れやロールパターンが
紙表面に発生しやすくなるからである。
【0020】上塗り塗被液の顔料、接着剤組成、配合
量、塗被量等は特に限定されず、一般に使用される顔
料、接着剤で良い。塗被液濃度は60〜68%が好まし
く、上塗り塗被液の塗被量は通常片面当たり固形分で6
〜14g/m2 が好ましい。
【0021】上塗り塗被液を塗被乾燥された塗被紙は、
通常のごとくスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等
の仕上げ工程により光沢付けがなされる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、これらによって本発明は何等制約を受けるものでは
ない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および
重量%を示す。以下に品質評価方法を示す。
【0023】く品質評価方法〉 (1)ラテックス平均粒子径:0.05〜0.2%濃度
に希釈した試料を調製し、波長525nmの吸光度を測
定し、あらかじめ作成した検量線により求めた。 (2)ドライ強度:RI―II型印刷機(明製作所製)
を用い、東洋インキ製TV―24を使用し、インキ量
0.35ml―定で印刷し、印刷面のピッキングの程度
を目視で相対評価した。
【0024】◎=全く発生しない、○=ほとんど発生し
ない、△=発生する、×=発生が著しい (3)ウェット強度:RI―I型印刷機(明製作所製)
を用い、サンプルに湿し水を付与し5秒後に、TKハイ
プラス紅インキ(東洋インキ製)を使用し、インキ量
0.3ml―定で印刷し、ゴムロールに付いた印刷跡を
転写紙に手動で転写して、ピッキングの程度を目視で相
対評価した。
【0025】◎=全く発生しない、○=ほとんど発生し
ない、△=発生する、×=発生が著しい (4)ウェット着肉性:RI―I型印刷機(明製作所
製)を用い、サンプルに湿し水を付与し5秒後に、TK
ハイプラス紅インキ(東洋インキ製)を使用し、インキ
量0.3ml―定で印刷し、印刷物のインキ濃度を測定
した。数値が大きいほど良好である。
【0026】(5)剥離パターン発生評価:下塗り塗被
時に剥離パターンの発生状況を目視で判断した。
【0027】◎=全く発生しない、○=ほとんど発生し
ない、△=発生する、×=発生が著しい (6)ミスト発生評価:下塗り塗被時にミストの発生状
況を目視で判断した。
【0028】◎=全く発生しない、○=ほとんど発生し
ない、△=発生する、×=発生が著しい (7)ガムアップ発生評価:下塗り塗被した時のガムア
ップの発生状況を目視で判断した。
【0029】◎=全く発生しない、○=ほとんど発生し
ない、△=発生する、×=発生が著しい (8)白紙面状:白紙光沢度のむらを目視で相対評価し
た。
【0030】◎=全くむらがない、○=ほとんどむらが
ない、△=むらがある、×=むらが著しい [実施例1]重質炭酸カルシウム90部、カオリン10
部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を
添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤と
してリン酸エステル化デンプン22部と平均粒子径が6
5nmであるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテック
ス4部を配合し、固形分濃度45%の下塗り塗被液を調
製した。
【0031】更に、重質炭酸カルシウム65部、カオリ
ン35部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.
3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接
着剤としてリン酸エステル化デンプン4部と、平均粒子
径が95nmであるスチレン・ブタジエン系共重合体ラ
テックス10部を配合し、固形分濃度65%の上塗り塗
被液を調製した。
【0032】坪量54g/m2 の広葉樹晒しクラフトパ
ルプ単独配合原紙に、下塗り塗被する塗被装置としてゲ
ートロールコータを使用し、塗被速度1300m/分で
下塗り塗被液を片面当たり固形分で4g/m2 両面塗被
乾燥した後、ソフトカレンダー処理(50℃、80kg
/cm)した。
【0033】更に上塗り塗被する塗被装置として、高速
ブレードコータを使用し、塗被速度1300m/分で上
塗り顔料塗被液を、片面当たり固形分で8g/m2 両面
塗被した。更に12段スーパーカレンターを用いて光沢
仕上げした。
【0034】[実施例2]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が50nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用し、上塗り塗被液を調製する
際、平均粒子径が75nmであるスチレン・ブタジエン
系共重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と同
様に塗被紙を製造した。
【0035】[実施例3]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が60nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用し、上塗り塗被液を調製する
際、平均粒子径が75nmであるスチレン・ブタジエン
系共重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と同
様に塗被紙を製造した。
【0036】[実施例4]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が45nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用し、上塗り塗被液を調製する
際、平均粒子径が105nmであるスチレン・ブタジエ
ン系共重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と
同様に塗被紙を製造した。
【0037】[実施例5]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が55nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用し、上塗り塗被液を調製する
際、平均粒子径が95nmであるスチレン・ブタジエン
系共重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と同
様に塗被紙を製造した。
【0038】[比較例1]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が35nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と同様に
塗被紙を製造した。
【0039】[比較例2]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が100nmであるスチレン・ブタジエン系
共重合体ラテックスを使用し、上塗り塗被液を調製する
際、平均粒子径が35nmであるスチレン・ブタジエン
系共重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と同
様に塗被紙を製造した。
【0040】[比較例3]上塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が60nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と同様に
塗被紙を製造した。
【0041】[比較例4]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が90nmであるスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックスを使用し、上塗り塗被液を調製する
際、平均粒子径が100nmであるスチレン・ブタジエ
ン系共重合体ラテックスを使用した以外は、実施例1と
同様に塗被紙を製造した。
【0042】[比較例5]下塗り塗被液を調製する際、
デンプンとして酵素変性リン酸エステル化デンプンを3
0部使用し、固形分濃度30%の下塗り塗被液とし、上
塗り塗被液を調製する際、平均粒子径が150nmであ
るスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用し
た以外は、実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0043】[比較例6]下塗り塗被液を調製する際、
デンプンとして酸化デンプンを18部使用し、平均粒子
径が65nmのスチレン・ブタジエン系共重合体ラテッ
クス3部を配合し、固形分濃度57%の下塗り顔料塗被
液を使用し、上塗り塗被液を調製する際、平均粒子径が
60nmであるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテッ
クスを使用した以外は、実施例1と同様に塗被紙を製造
した。
【0044】以上の結果を表1及び表2に示した。
【0045】
【表1】
【表2】 表1及び表2から明らかなように、実施例1〜5は表面
強度(ドライ強度、ウェット強度)とウェット着肉性に
優れ、また塗被速度1300m/分でも剥離パターン、
ミスト、ガムアップは発生せず、そのため白紙面状は良
好であった。
【0046】これに対し、比較例1はウェット強度およ
びウェット着肉性が低下した。比較例2はドライ強度、
ウェット強度およびウェット着肉性が低下し、さらに操
業時に剥雛パターン、ミスト、ガムアップが発生し、白
紙面状が低下した。比較例3はウェット強度およびウェ
ット着肉性が低下した。比較例4はドライ強度が低下
し、また操業時に剥離パターン、ミスト、ガムアップが
発生し、白紙面状が低下した。比較例5はドライ強度、
白紙面状が低下した。比較例6はウェット強度およびウ
ェット着肉性が低下し、また操業時に剥離パターン、ミ
スト、ガムアップが発生し、白紙面状が低下した。
【0047】従って、本発明により製造された塗被紙は
表面強度、面状に優れ、さらに高速操業性に優れ、その
効果は極めて大なるものがある。
【0048】
【発明の効果】フィルムトランスファー方式を使用し、
特に塗被速度が1100m/分以上の高速で下塗り塗被
する製造工程で問題となる操業性を改善するとともに、
上塗り塗被後の品質に優れたオフセット印刷用塗被紙を
得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を有する塗被液を2
    度塗被するオフセット印刷用塗被紙の製造方法におい
    て、平均粒子径が40〜70nmであるスチレン・ブタ
    ジエン系共重合体ラテックスを含む下塗り塗被液を調製
    し、この下塗り塗被液をフィルムトランスファー方式で
    原紙の表面に下塗り塗被した後、別に調製した平均粒子
    径が70nmより大きく、110nm以下の範囲内にあ
    るスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含む上
    塗り塗被液をブレード方式で塗被することを特徴とする
    オフセット印刷用塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 下塗り塗被を1100m/分以上の塗被
    速度で塗被することを特徴とする請求項1記載のオフセ
    ット印刷用塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 原紙上に顔料と接着剤を有する2層の塗
    被層からなるオフセット印刷用塗被紙において、下塗り
    塗被層に平均粒子径が40〜70nmであるスチレン・
    ブタジエン系共重合体ラテックスを含有し、上塗り塗被
    層に平均粒子径が70nmより大きく、110nm以下
    の範囲内にあるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテッ
    クスを含有することを特徴とするオフセット印刷用塗被
    紙。
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JP2009084776A (ja) * 2007-09-14 2009-04-23 Nippon Paper Industries Co Ltd 塗工紙の製造方法
JP2013204195A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Daio Paper Corp 塗工紙
JP2014505180A (ja) * 2011-01-07 2014-02-27 エルジー・ケム・リミテッド ラテックスの分布が調節されたコーティング構造を有するコート紙及び製造方法

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