JP5033038B2 - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高速で製造された中質系の塗工紙の製造方法において、オフセット輪転印刷時において、ラフニングが少ない塗工紙の製造方法に関するものである。
近年印刷用紙は、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が伸びている。これら商業印刷物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体として目的が達成されることが重要であるので、低コストで印刷仕上がりの良いものが求められてきている。これら用途には原紙に機械パルプを含む中質系の塗工紙が用いられることが多い。そしてその用途目的から高速の印刷方式であるオフ輪によって印刷される場合が多いが、オフ輪は印刷後連続して高温で加熱乾燥する印刷方式であるため、他の枚葉オフセット、輪転グラビア、活版等の印刷方式ではみられないラフニングという特異な現象を発生しやすく印刷仕上がりを悪化させる重大な欠陥となっている。ラフニングは上質系塗工紙には見られない中質系塗工紙特有の現象であり、オフ輪印刷時、紙にインキや湿し水を付与された後に高温下での急速な乾燥にさらされることにより、特に機械パルプの繊維が形状変化を起こし、紙表面の粗さが増大するため発生するとされているが詳細なメカニズムは分かっておらず、充分な対策も解明されていない。
これまでに繊維フラクション含有率が特定された高歩留パルプを含有する原紙に特定の比表面積を有する重質炭酸カルシウムを配合した塗被組成物を塗被することや(特許文献1参照)繊維フラクションが特定された高歩留パルプを配合した原紙に特定の異質二重構造を有する乳化共重合体ラテックスと顔料を含有する塗被組成物を塗被することでヒートセットラフニングを改良する方法(特許文献2参照)、広葉樹機械パルプを含有する方法(特許文献3参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの方法は繊維フラクションが特定されたパルプの使用を前提としており、抄紙・塗工速度が1300m/分以上のオンマシンコータの高速操業時においては、ラフニングが発生する場合があった。
特開昭55−142794号公報 特開昭57−66196号公報 特開2003−49393号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を設ける塗工紙を製造する際に、高速操業性に優れ、特にオフセット輪転印刷時においてラフニングの少なく、印刷適性に優れた塗工紙の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を1層以上設ける塗工紙の製造方法において、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、機械パルプを含む紙料を抄紙した原紙上に、オンマシンのロッドメタリング方式の塗工装置で、澱粉塗工液を両面1.0g/m以上塗工した後、または、塗工液中の顔料100重量部に対し、13重量部以上の澱粉を配合した塗工液を両面3.0g/m以上塗工した後、更に顔料と接着剤を有する上塗り塗工液を塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法を開発した。
本発明により、原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を設けるオンマシンコータを用いた塗工紙を製造する際に、高速操業性に優れ、ラフニングが少なく、更に微小光沢ムラ、印刷着肉ムラの良好な塗工紙の製造方法を得ることができる。
本発明においては、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、脱墨パルプ(DIP)を含む紙料を抄紙した原紙上に、オンマシンコータのロッドメタリング方式の塗工装置で、澱粉塗工液を両面1.0g/m以上塗工した後、または、塗工液中の顔料100重量部に対し、13重量部以上の澱粉を配合した塗工液を両面3.0g/m以上塗工した後、更に顔料と接着剤を有する上塗り塗工液を塗工する塗工紙の製造方法である。
オンマシンコータを用いて、抄速1300m/分以上の高速で製造した中質系塗工紙をオフ輪印刷した際の印刷面が印刷前の紙表面と比較して粗くなり、仕上がりが悪くなる所謂ラフニング現象が発生する問題があった。この問題を解決するため、顔料と接着剤を有する塗工液を塗工する前に下塗りを行なう場合の塗工液の配合について検討を重ねた結果、ラフニングをなくすためには下塗りを行なう際、澱粉塗工液を多量に塗ることが有効であり、特に両面1.0g/m以上塗工した場合ラフニングが大幅に減少した。また、同様の傾向は下塗りに顔料と接着剤を有する塗工液を塗工した場合にも見られ、特に塗工液中の顔料100重量部に対し、13部以上の澱粉を配合した塗工液を両面3.0g/m以上塗工した場合にラフニングが大幅に減少した。
これらのメカニズムは明らかではないが、より原紙表面に近い下塗り塗料で澱粉を単独塗工するか、澱粉を通常塗料より高配合した塗料を塗工することによりラフニングの原因である機械パルプの繊維がオフ輪印刷される際の形状変化を抑制する効果があると推測される。
本発明の塗工原紙のパルプ原料としては、機械パルプを使用するものである。機械パルプ以外は特に限定されるものではなく、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)など、印刷用紙の抄紙原料として一般的に使用されているものであればよく、適宜、これらの1種類以上を配合して使用される。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプであれば良く、特に限定はない。本発明においては、機械パルプが対パルプ5重量%以上においても、ラフニングが少なく、微小光沢ムラ、印刷着肉ムラが良好であるなどの効果を発揮することができ、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜45重量%である。また、本発明においては、脱墨パルプを多く配合した場合でも効果があり、脱墨パルプが対パルプ30重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。
本発明で使用する填料は公知のものを任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素―ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物が好ましく使用される。紙中填料率は1〜40固形分重量%である。表面性向上の観点から、紙中填料率は10〜40固形分重量%が好ましく、12〜35固形分重量%が更に好ましい。
内添薬品としては、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、染料、中性サイズ剤などの薬品を必要に応じて使用しても良い。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉が挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドアミンエピクロロヒドリンなどが挙げられる。これらの薬品は地合や操業性などの影響の無い範囲で添加される。中性サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、中性ロジンサイズ剤などが挙げられる。
本発明の塗工原紙に用いられる抄紙機は、オントップフォーマー、ギャップフォーマなどの通常の抄紙機が用いられるが、ヘッドボックスから噴射された紙料が2枚のワイヤーに挟まれて走行し、湿紙の両側からほぼ均等に脱水するギャップフォーマ型抄紙機を用いることが、ラフニングの発生が少なく、表裏差のない表面性が良好なものが得られ、1300m/分以上の高速の抄紙速度においてより適しており、好ましくは1500m/分以上、より好ましくは1600m/分以上で2500m/分程度である。また、ギャップフォーマ抄紙機の中でも特にフォーミングロールによる初期脱水の直後に脱水ブレードによる脱水機構を有したロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機を用いることにより、更に、ラフニングの発生が少なく、表裏差のない表面性が良好なものが得られる。また、本発明の抄紙機のプレスパートは、シュープレスを用いることが好ましく、抄紙速度が高速の場合、プレス後水分を鑑みてタンデムタイプのシュープレスを1段以上で処理することが好ましく、より好ましくは2段以上で処理することにより、層間強度、耐ブリスター性が向上する。シュープレスの処理条件は100KN/m〜1100KN/mが好ましく、より好ましくは500KN/m〜1100KN/mである。また、前記シュープレスを2基以上使用する場合、ドライヤーパート側のシュープレスにトランスファーベルトが接触するように通紙することが、断紙等が起こりにくく、高速操業性に優れるものである。
抄紙機プレドライヤー、アフタードライヤーも公用の装置を用いることができ、乾燥条件も特に限定はなく、通常の操業範囲で適宜設定できる。
本発明においては、上記の如く抄造した原紙上に、ロッドメタリング方式の塗工装置であるロッドメタリングサイズプレスコータで澱粉塗工液を両面1.0g/m以上塗工した後、または、塗工液中の顔料100重量部に対し、13部以上の澱粉を配合した顔料塗工液を両面3.0g/m以上塗工した後、上塗り塗工として顔料と接着剤を有する塗工液を塗工することにより、ラフニングが大幅に少なく、高速操業性に優れる塗工紙を得ることができる。ロッドメタリングサイズプレスコータを1300m/分以上の高速で用いることにより、ボイリングやミストの発生がなく、断紙が起こりにくく、良好な操業性が得られるものであり、好ましくは1500m/分以上、より好ましくは1600m/分以上で2500m/分程度である。
澱粉塗工液を両面1.0g/m以上塗工する場合、澱粉が固形分で両面で1.0g/m以上塗工される必要があり、好ましくは1.0〜4.0g/m、より好ましくは1.0〜3.0g/mである。使用される澱粉としては酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉を単独、あるいは混合して使用することができ、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉が紙表面を被覆するためラフニングを抑制しやすい点から好ましい。また、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等も一部混合して使用することができる。
また、顔料塗工液を下塗り塗工する場合、塗工液中の顔料100重量部に対し、澱粉13部以上のを配合した顔料塗工液を両面で3.0g/m以上塗工する必要があり、好ましくは、3.0g/m以上10g/m以下、より好ましくは3.0g/m以上〜6.0g/m以下である。顔料としては、従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。顔料塗工層に用いる接着剤としては、顔料100重量部に対し、13重量部以上の澱粉を配合する必要がある。澱粉としては酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉等の澱粉を単独、或いは混合して使用することができる。好ましい澱粉としては、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉であり、配配合量としては15重量部以上が好ましく、より好ましくは15〜20重量部である。また、その他に従来から用いられている接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗被紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用できる。これらの接着剤は顔料100重量部あたり1〜15重量部、より好ましくは2〜10重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗被紙用塗被組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
本発明においては、原紙上に、ロッドメタリングサイズプレスコータで澱粉塗工液を両面1.0g/m以上塗工した後、または、塗工液中の顔料100重量部に対し、13部以上の澱粉を配合した顔料塗工液を両面3.0g/m以上下塗り塗工した後、更に顔料と着剤を有する上塗り塗工液を塗工する。
上塗り塗工液は、望まれる品質に応じて、塗料中の顔料、接着剤の種類、あるいは顔料と接着剤の量比を適宜変更して使用することにより上塗り塗工層を設ける。
本発明の顔料塗工層に用いる顔料としては、従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。 本発明の顔料塗工層に用いる接着剤としては、従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗被紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜25重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗被紙用塗被組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
本発明の上塗り塗工層の塗工量は、好ましくは片面当たり2〜30g/m、より好ましくは5〜15g/mであり、更に好ましくは5〜12g/mである。
このようにして得られた塗工紙は、カレンダー処理を行うことが出来る。カレンダー処理は、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等でよく、これらを併用しても良いが、特にソフトカレンダー処理する際の1ニップ目の弾性ロールの硬度と金属ロールの温度を特定の範囲とすることにより、白紙光沢度と表面性に優れ、インキ着肉性が高い塗工紙を、操業性に影響を与えることなく得ることができる。本発明においては、塗工紙の最表層表面を、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーを用いて、少なくとも2ニップ以上で表面処理し、この際、該弾性ロールのショア硬度がD90〜96であり、1ニップ目の金属ロールの表面温度が130℃未満である。
本発明におけるソフトカレンダーの1ニップ目の金属ロール表面温度は、130℃未満という比較的低温であり、好ましくは50℃以上130℃未満、より好ましくは60〜120℃、更に好ましくは60〜110℃である。ソフトカレンダーの1ニップ目の金属ロール表面温度が130℃より高いと、微小光沢ムラが発生しやすくなってしまう。本発明においては、ソフトカレンダーの1ニップ目の金属ロール表面温度が50℃以上であると白紙光沢度が高くなるため、特に好適である。また、2〜6ニップ目の金属ロール表面温度は、100〜250℃であることが好ましく、より好ましくは100〜200℃である。1〜6ニップ目までのカレンダー線圧は100〜600kN/mであることが好ましく、より好ましくは150〜400kN/mである。
ソフトカレンダーの金属ロールと対をなして使用される弾性ロールの材質については特に限定されないが、一般に変性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアクリレート樹脂等の高温高圧で耐久性を示す樹脂ロールが好ましく利用される。また、樹脂ロールの硬度としては、シェア硬度がD90〜96、好ましくはD92〜96のものを使用することにより問題なく操業することができる。
本発明で使用するソフトカレンダーの型式は、通紙の容易さ、省スペースを考慮してタンデムタイプの2ロールで4〜8スタックが好ましく、より好ましくは6スタックである。タンデムタイプとは、一対の金属ロールと弾性ロールを重ねた2ロールを並列に並べたタイプのソフトカレンダーであり、好ましくは塗工からオンラインで処理するソフトカレンダーある。
本発明において、ソフトカレンダー処理の1ニップ目の弾性ロールの硬度と金属ロールの温度を特定の範囲とすることにより優れた塗工紙が得られる理由の詳細は定かではないが、高速の熱ソフトカレンダーの処理工程において、1ニップ目は最も水分が高い状態で処理されるため、それ以降のニップより表面が可塑化しやすくなり、白紙光沢度や平滑度の発現への影響が大きい一方、塗工紙の塗工層の厚みムラ、水分ムラが影響しやすく、微小な光沢ムラが最も発生しやすいニップであることが関係していると考えられる。
本発明においては、機械パルプを含有する原紙上に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工・乾燥して塗工層を設けるオンマシンコータを用いた塗工紙を製造する際に、高速操業性に優れ、オフセット輪転印刷時にラフニングが少なく、更に微小光沢ムラ、印刷着肉ムラの良好な印刷用塗工紙を製造することができる。また、抄紙及び塗工だけでなく、更にカレンダー処理を加えて一体化し、連続的に通紙して塗工紙を製造することもできる。
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるものではない。尚、実施例中に示される部および%は、特に断りのない限り全て固形分重量部および固形分重量%を意味する。
<評価方法>
(1)ラフニング
Fibro社製のペーパーサーフェイスアナライザーFIBRO1000で測定した。この測定器は試料表面に水を塗布し、赤外線ランプにより乾燥後、表面繊維の盛り上がりの程度をCCDカメラにより画像解析を行なって評価する測定器である。測定は水塗布量8.0g/m、乾燥温度150℃の条件で行ない、基準線より0.1mm以上に盛り上がった繊維の数であるQty値(本/m)でラフニング量を評価した(Qty値が小さいほどラフニングは良好である。)。
(2)微小光沢ムラ
最終製品の微小光沢ムラを以下の4段階で目視評価した。
◎=無、○=ほとんど無、△=若干在り、×=光沢ムラ非常に目立つ
(3)インキ着肉ムラ
ローランド平判印刷機(4色)にて、オフセット印刷用インキ(東洋インキ製ハイユニティM)を用いて藍→紅→黄→墨の順に印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物の特に2色(藍、紅)印刷部および藍単色ベタ印刷部およびハーフトーン(50%)印刷部の印刷面感(着肉ムラ、光沢度ムラなど)を、以下の4段階で目視評価した。
◎=非常に良好、○=良好、△=やや劣る、×=劣る
(4)高速操業性
プレスパート部での断紙が起こりにくく、塗工時にミストなどの発生がなく、カレンダー時の収縮シワの発生がなく、ロールの傷がない高速操業性の適性を評価した。
◎非常に良好、○良好、△やや不良、×不良
[実施例1]
機械パルプ含有率33%の脱墨パルプ(DIP)30部とLBKP70部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸カルシウムを紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を4部添加して紙料を調整した。この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分で抄紙して、引き続きオンマシンのロッドメタリングサイズプレスコータを用いて、両面に固形分濃度6%の酸化澱粉溶液を1.6g/m塗工・乾燥し、45.6g/mの中質塗工原紙を得た。次に、重質炭酸カルシウム73部及びカオリン27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン4.5部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを8.2部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、原紙片面当たり8.3g/mを両面に上塗り塗工・乾燥した。更に、ショア硬度D94の弾性ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1ニップ目の金属ロールの表面温度が90℃、2〜6ニップの金属ロール表面温度が130℃、1〜6ニップ目の線圧を250kN/mとして連続カレンダー処理した。
[実施例2]
実施例1において、機械パルプ含有率33%の脱墨パルプ(DIP)30部とLBKP70部からなるパルプスラリーの代わりに、機械パルプ含有率33%の脱墨パルプ(DIP)60部とLBKP40部からなるパルプスラリーを使用した以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
[実施例3]
実施例1において、ショア硬度D94の弾性ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1ニップ目の金属ロールの表面温度が90℃、2〜6ニップの金属ロール表面温度が130℃、1〜6ニップ目の線圧を250kN/mとして連続カレンダー処理する代わりにショア硬度D94の弾性ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1ニップ目の金属ロールの表面温度が120℃、2〜6ニップの金属ロール表面温度が130℃、1〜6ニップ目の線圧を250kN/mとして連続カレンダー処理した以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
[比較例1]
実施例1において、酸化澱粉6%溶液をロッドメタリングサイズプレスコータで塗工する代わりに、ゲートロールコータで両面1.6g/m塗工した以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
[比較例2]
実施例1において、酸化澱粉を1.6g/m塗工する代わりに0.8g/m塗工した以外は上記実施例1と同様に塗工紙を製造した。
Figure 0005033038
表1に結果を示した。表1から明らかなように、本願発明の印刷用塗工紙は比較例に対しQty値が小さくラフニングが少なく、微小光沢ムラ、印刷着肉ムラが良好かつ高速操業性が良好であった。これに対し、比較例はいずれもQty値が大きいか、高速操業性が悪い、又は微小光沢ムラ、印刷着肉ムラが悪いという問題が有る。
[実施例4]
機械パルプ含有率33%の脱墨パルプ(DIP)30部とし、LBKP70部からなるパルプスラリーに填料として(軽質炭酸カルシウム)を紙中灰分が11%になるように添加し、内添紙力剤としてカチオン化澱粉を4部添加して紙料を調整した。この紙料を用いて、2基のタンデムシュープレスを有するロールアンドブレードフォーマ形式のギャップフォーマ型抄紙機で、1600m/分で抄紙して、引き続きオンマシンのロッドメタリングサイズプレスコータを用いて、重質炭酸カルシウム100部に対して、接着剤として酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを2部配合して固形分濃度38%の下塗り塗工液を調製し、両面4.0g/mを下塗り塗工・乾燥し、48.0g/mの中質下塗り塗工紙を得た。次に、重質炭酸カルシウム73部及びカオリン27部を含有する顔料100部に対して、接着剤として酸化デンプン4.5部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを8.2部配合して固形分濃度64%の塗工液を調製し、原紙片面当たり8.3g/mを両面に上塗り塗工・乾燥して塗工紙を得た。
更に、ショア硬度D94の弾性ロールを有する2ロール・6スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1ニップ目の金属ロールの表面温度が90℃、2〜6ニップの金属ロール表面温度が130℃、1〜6ニップ目の線圧を250kN/mとして連続カレンダー処理した。
[比較例3]
実施例4において、下塗り塗工液として、酸化デンプン15部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを2部の代わりに、酸化デンプン5部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを10部配合した以外は実施例4と同様に塗工紙を製造した。
[比較例4]
実施例4において、下塗り塗工液の塗工量が両面4.0g/mの代わりに2.0g/mとした以外は実施例4と同様に塗工紙を得た。
Figure 0005033038
表2に結果を示した。表2から明らかなように、本願発明の印刷用中質塗工紙は比較例に対しQty値が小さくラフニングが少なく、微小光沢ムラ、印刷着肉ムラが良好かつ高速操業性が良好であった。これに対し、比較例はいずれもQty値が比較的大きくラフニングの程度が大きい。

Claims (4)

  1. 械パルプを含む紙料から抄紙機を用いて抄紙した原紙上に、ロッドメタリング方式の塗工装置で、澱粉塗工液を両面で1.0g/m以上塗工した後、または、塗工液中の顔料100重量部に対し、13重量部以上の澱粉を配合した塗工液を両面で3.0g/m以上下塗り塗工した後、
    顔料と接着剤を有する塗工液を塗工し、さらに、
    塗工紙の最表層表面を、金属ロールと弾性ロールで構成されるソフトカレンダーを用いて、少なくとも2ニップ以上で表面処理すること、
    を含み、抄紙及び塗工速度が1300m/分以上であり、該弾性ロールのショア硬度がD90〜96であり、1ニップ目の金属ロールの表面温度が130℃未満である、塗工紙の製造方法。
  2. 機械パルプの配合量が、すべてのパルプに対して5重量%以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抄紙機がギャップフォーマ型抄紙機である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記抄紙機がタンデムシュープレスを1基以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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