JP6083666B2 - 微塗工印刷用紙の製造方法及び微塗工印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、坪量が低く、不透明度、白紙光沢度が高い微塗工印刷用紙の製造方法及び微塗工印刷用紙に関するものである。
紙は、新聞、書籍、雑誌、ポスター、カレンダー、パンフレット、包装紙等、ほとんどの場合印刷を施されて使用されており、印刷用紙の種類および特性は、印刷方式や用途によって様々である。一例を挙げると、オフセット印刷方式は、版面に親油性の画線部(印刷しようとする部分)と親水性の非画線部とを作り、湿し水と呼ばれる水を薄く塗り、次にインキを塗ると水をはじいた画線部にだけインキが付着するので、これをブランケットに転写し、さらにこのブランケットから紙にインキを転移させる方式である。湿し水を使用するため、水に濡れたときブランケットに付着して紙粉としてとられないように、用紙には表面強度が重視される。また、グラビア印刷方式は、版上の凹部にインキを盛り紙に転写する方式であるため、版と紙とが均一に接し網点の抜け(スペックル)が起こらないように、表面に微小な凹凸がなく平滑性が高いことが要求される。
量販店のチラシに使用される塗工紙は、通常、坪量49.0〜54.2g/mの微塗工印刷用紙で、顔料と接着剤を含む塗料を塗工して、インキ着肉性を向上させたもので、一般の塗工紙より少ない塗工量でチラシに必要な、カラー印刷に対応できる印刷適性が付与されている。このチラシに使用される印刷用紙はオフセット輪転印刷機により印刷される。
昨今、低コスト化の動きが顕著になっており、用紙の低坪量化や、上質紙から中質紙や下級紙へ、あるいは、塗工紙から非塗工紙へ用紙をグレードダウンする動きがある。チラシ用途に使用される微塗工印刷用紙も、低坪量化が進んでいる。
塗工紙の製造における塗料の塗工方法としては、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が用いられる。
このうち、微塗工印刷用紙の製造では、ブレードコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが用いられるのが普通である。ブレードコーターは、サイズプレスコーターやゲートロールコーターなどのロール転写方式とは異なり、ブレードを用いて原紙から塗料を直接掻き落とすので、原紙の坪量が低くなると、紙の強度も低くなり、ブレードタッチ圧の影響でコーターでの断紙の危険性が高まって生産性の悪化に繋がる。
塗工紙の坪量が決まっている場合は、このようなコーターでの断紙を防ぐには、塗工量をなるべく少なくして、その分原紙の坪量を高くして、紙の強度を高くする必要がある。しかし、このようにすると、塗工量が少ないほど塗料による原紙の被覆が不十分となるため、印刷適性にかかわる白紙光沢度などの品質が損なわれてしまう。
低坪量の塗工紙の白色度、不透明度、光沢度、印刷適性向上などを課題とした特許文献として、以下のような出願がある。
顔料粒子の粒径分布が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる、坪量50g/m以下、引張こわさがLorentzen製引張試験機を用いて200kN/m以上400kN/m以下である印刷用塗工紙。実用的な不透明度、相対的に良好なインク着肉性および印刷光沢度が高く、特にオフセット輪転印刷時の断紙が発生しない。(特許文献1)
坪量35〜50g/m、平均繊維長1.0〜1.5mmに分級選別されたパルプを用い、離解パルプのろ水度が250〜500mlである印刷用微塗工紙。塗工紙でありながら、非塗工紙のように手肉感や印刷作業性に優れる。(特許文献2)
平均粒子径0.9〜3.0μmのカオリンを顔料中50〜100質量%含有。スムースター平滑度が6.0kPa以下、光沢度が45%以上のオフセット印刷用光沢塗被紙。白紙光沢、印刷光沢に優れ、高温ソフトカレンダー処理時に微小な光沢ムラが少ない。(特許文献3)
接着剤を工夫したものとして、接着剤を顔料100重量部に対して30重量部以上60重量部以下の澱粉を有する塗工層を設けた微塗工紙。低坪量においても、印刷・製本作業適性を得ることができ、実用に適した剛度、インキ着肉性が得られ、裏抜けの問題が無い。(特許文献4)
以上は、塗料の改良を主体とした技術である。しかし、これらの技術によってもいまだ満足な微塗工印刷用紙が得られていない。特に低坪量の塗工紙は、原紙の強度を高くすることに加え、少ない塗工量で印刷適性を良くする必要がある。
原料のパルプに関する技術として、白色度と光沢度が必要な塗工紙は、BKP配合による白色度アップ、嵩のある機械パルプ(TMPなど)を配合して嵩を出し、カレンダー平滑化処理により光沢度アップが行われている。紙の白色度が特に高い場合は、配合する機械パルプは漂白する必要があるが、機械パルプはクラフトパルプよりリグニンを多く含むので、漂白が難しく、漂白薬品のコストがかさむ。
そこで、本願発明では、BKPと漂白TMPの中間的な特徴(白色度と嵩について)のあるチラシ古紙を原料とする脱墨パルプを使用することにより、BKPの減配、漂白TMPの減配、あるいは漂白TMPの白色度ダウンを行い、塗工紙のコストを削減することができる。チラシ古紙とは、財団法人古紙再生促進センター「古紙の統計分類と主要銘柄」によると「色刷りのある中質系コート紙等の古紙」である。
使用する古紙をチラシ古紙に限定した紙として、次のような特許文献があった。
特定の凝結剤を使用し、全パルプの70質量%以上が、雑誌古紙又はチラシ古紙から再生した脱墨パルプ(MDIP)であることを特徴とする紙。
雑誌やチラシに用いられるインキは、新聞インキと比べて低濃度、高粘度であるため、残インキの凝集作用により、異物欠陥が増加しやすい傾向にある。このため、特に雑誌古紙やチラシ古紙を離解・脱墨して得られるパルプを用いた場合において、従来の方法よりも特段に異物欠陥の発生を抑制する効果が高くなることが記載されている。しかし、低坪量の微塗工印刷用紙の白色度、不透明度、白紙光沢度などの光学特性を改良することは記載されていない。(特許文献5)
高白色度、高不透明度を併せ持つ印刷用紙として、次のような特許文献がある。
紫色顔料および/または青色顔料を含有する印刷用紙で、印刷用紙のJIS
P 8150の方法によって測定される紙の色相が、紫外線を含む測定においてb*値が−10以上−0.5未満である印刷用紙が記載されている。(特許文献6)
しかし、この技術は、紫色顔料および/または青色顔料を含有させることで、高白色度および高不透明度を併せ持つ印刷用紙を提供するものであるが、有色顔料の含有量が多くなると、白色度が低くなるし、紙の色目により含有量に上限があるため、白色度、不透明度対策の技術としては限界があるといえる。
最近は、フリーペーパーやフリーマガジンと呼ばれる、広告収入を元に、対象読者を性別や年齢層に応じて特定した無料の情報誌や各種広告の発行部数が増えており、このような用紙にも微塗工印刷用紙が用いられており、軽量で印刷適性の良好な微塗工印刷用紙の要望は、今後ますます高まっていくと予想される。
特開2004−3083号公報 特開2007−119962号公報 特開2009−203571号公報 特開2004−124289号公報 特開2009−242981号公報 特開2011−26757号公報
本発明の課題は、低坪量で、不透明度、白紙光沢度が高く、低コストの微塗工印刷用紙の製造方法及び微塗工印刷用紙を提供することである。
本発明者は、微塗工印刷用紙について、紙質と印刷適性の関係について検討した結果、微塗工印刷用紙のパルプ配合、白色度、不透明度、白紙光沢度、坪量などの諸条件を特定することにより、上記課題を解決できることを見出した。
本願第一発明は、機械パルプを7〜20質量%含み白色度が65〜75%に調整された古紙脱墨パルプ20質量%以上と、クラフトパルプと、機械パルプを混合することにより、機械パルプの含有率が10〜50質量%となるように調製された紙料を抄紙し、顔料と接着剤を主成分とする塗料を塗工して、平滑化処理し、白紙光沢度を25〜35%とすることを特徴とする微塗工印刷用紙の製造方法 である。
本願第二発明は、第一発明の製造方法において、古紙脱墨パルプが原料として、チラシ古紙を20質量%以上含むことを特徴とする微塗工印刷用紙の製造方法 である。
本願第三発明は、第一発明または第二発明の製造方法によって製造される、
白色度が65〜75%、不透明度が85〜95%、白紙光沢度が25〜35%、坪量が40〜60g/mであることを特徴とする微塗工印刷用紙 である。
本発明の微塗工印刷用紙の製造方法によれば、低坪量で、不透明度が高く、白紙光沢度などの印刷適性に優れた微塗工印刷用紙を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の微塗工印刷用紙の製造方法では、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートの各工程からなる抄紙機を用いる。抄紙機の型式は特に限定はなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を適宜使用できるが、オントップ型やギャップフォーマー型のツインワイヤー抄紙機が望ましく、特に両面から脱水するギャップフォーマー型抄紙機が望ましい。
本発明の微塗工印刷用紙の製造方法では、原料のパルプとして、クラフトパルプ、古紙脱墨パルプ、機械パルプ等が使用できる。クラフトパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等が使用できる。また、古紙脱墨パルプとしては、新聞古紙脱墨パルプ、上質古紙脱墨パルプ等の古紙脱墨パルプ(DIP)が使用できる。機械パルプとしては、ストーングラウンドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等を使用することができる。
本願発明では、機械パルプを7〜20質量%含み白色度が65〜75%に調整された古紙脱墨パルプ20%以上と、クラフトパルプと、機械パルプを混合することにより、機械パルプの含有率が10〜50質量%となるように調製された紙料を抄紙し、顔料と接着剤を主成分とする塗料を塗工して、平滑化処理し、白紙光沢度を25〜35%とすることを特徴とする。
古紙脱墨パルプに、機械パルプを7〜20質量%含むことで、不透明度と白色度を両立した古紙脱墨パルプとすることができ、白色度を65〜75%に調整することで、印刷用紙に使用するのに適したものとなる。すなわち、機械パルプが7質量%より少ないと不透明度が不足し、20質量%より多いと白色度を高くするための薬品コストが高くなる。古紙脱墨パルプの白色度は65〜70%とするのがさらに望ましく、このようにすると不透明度を高くすることができる。
さらに、紙に含まれる機械パルプが10〜50質量%となるように調整することにより、低い坪量で不透明度の高い微塗工印刷用紙を製造することができる。紙に含まれる機械パルプが50質量%を超えると微塗工印刷用紙の強度が不足する懸念がある。紙やパルプに含まれる機械パルプの含有率は、JISP8120:1998 紙、板紙及びパルプ繊維組成試験方法により、求めることができる。
古紙脱墨パルプを、このような機械パルプの含有率と白色度とするには、使用する古紙の選定と漂白条件を設定する必要がある。機械パルプは、新聞古紙や雑誌古紙に多く含まれており、これらの古紙に含まれる機械パルプは漂白されていないため、白色度が低い。一方チラシ古紙に含まれる機械パルプは漂白されており白色度が高い。従って、チラシ古紙に含まれる機械パルプを利用することで、不透明度、白色度の高い古紙脱墨パルプが安価に得られる。また、古紙パルプに含まれる機械パルプは、フレッシュな機械パルプよりもピッチ分が少ないので、漂白する場合でも漂白が容易である。さらにまた、古紙パルプに含まれる機械パルプは、一旦紙になることで柔軟になっており、平滑性が高いことから、カレンダーによる白紙光沢の発現効果が高くなる。
古紙脱墨パルプには好適には、チラシ古紙を20〜100質量%含有させる。このような特徴を有する古紙脱墨パルプを微塗工印刷用紙に20質量%以上含有させることで、新たに配合する機械パルプを少なくする、あるいは、新たに配合する機械パルプの白色度を下げることができるので漂白薬品のコスト削減になる。つまり、同じ機械パルプでも、古紙脱墨パルプに含まれる機械パルプを、新たに配合する機械パルプよりも優先して利用することで、コスト削減を図りながら、不透明度や白紙光沢度などの品質を向上させることができる。
古紙脱墨パルプは、そのカナダ標準ろ水度(CSF)は200〜300mlに調整されていることが好ましい。ろ水度が200mlより低いと抄紙時の脱水が悪くなり、乾燥負荷の増大や生産性低下の問題がある。ろ水度が300mlより高いと低米坪の微塗工印刷用紙としては地合いが悪くなり、塗工ムラができやすく、白紙光沢度の不足や印刷適性が悪くなるという問題がある。チラシのほとんどはオフセット印刷である。このため、チラシ古紙には、脱墨が困難なUV印刷された古紙の混入が少なく、脱墨処理条件の設定が容易となり、残インクが少なく、特に残インクの平均粒子径を小さくすることができる。したがって、異物混入の問題に対する要求が厳しい塗工印刷用紙に使用する古紙として適している。チラシ古紙とは、財団法人古紙再生促進センター「古紙の統計分類と主要銘柄」によると「色刷りのある中質系コート紙等の古紙」である。チラシ古紙は、印刷工場などで発生する産業古紙であるため、新聞古紙や雑誌古紙などの回収古紙に比べると、禁忌品の混入が少ないものである。
NBKPを配合する場合、そのカナダ標準ろ水度(CSF)は400〜600mlに調整されていることが好ましい。ろ水度が400mlより低いと、引裂き強さの不足によりコーターでの断紙が起こりやすく、600mlより高いと、地合いムラによる塗工ムラができやすく、白紙光沢度の不足や印刷適性が悪くなるという問題がある。
本発明の微塗工印刷用紙には、インキ発色性、インキ着肉性、不透明度、白色度向上を目的に填料を添加してもよい。
填料の種類は特に限定されず、一般に微塗工印刷用紙に使用されている填料を使用することができる。具体的には、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、クレー、ホワイトカーボン、シリカ等の無機填料やプラスチックピグメント等を使用することができる。なかでも、白色度が高く、入手の容易な、炭酸カルシウムを使用するのが好ましい。填料の添加量は特に制限は無いが、填料の添加量が過剰になると紙の強度を低下させるので、引張り強さを加味して添加量を決めるのが望ましい。
本発明の微塗工印刷用紙では、原料のパルプに硫酸バンド、サイズ剤、嵩向上剤、紙力増強剤等を添加することができる。サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸等のサイズ剤が使用できる。
紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂等が使用できるが、本発明の微塗工印刷用紙は、引張り強さ(縦)2.2kN/m以上、伸び(縦)1.5%以上とされていることが望ましい。引張り強さ(縦)が2.2kN/mに満たないと印刷時に断紙しやすく、伸び(縦)が1.5%に満たなくても印刷時に断紙しやすい。
本発明の微塗工印刷用紙では、原紙にカチオン化澱粉を添加してもよい。カチオン化澱粉の添加率としては原料のパルプに対し、0.2〜1.0質量%程度である。カチオン化澱粉を添加することにより、引張り強さ、伸びが向上し、コーターでの断紙や印刷機での断紙を防止することができる。
その他、必要に応じ、湿潤紙力増強剤、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、染料等の添加剤も使用することができる。
本発明の微塗工印刷用紙は原紙の両面に、顔料と接着剤を主成分とする塗料を塗工する。使用する顔料に特に限定は無いが、塗工紙用に従来から用いられている、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料等を必要に応じて1種類以上混合して使用することができる。
塗料には前記顔料とともに、接着剤を、顔料の接着能を向上させパイリングなどの表面強度に関わるトラブルを回避するために配合する。使用する接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用することができる。
本発明の微塗工印刷用紙は、原紙の両面に、ブレード塗工方式により塗料を塗工するのが望ましい。ブレード塗工方式は、ブレードで塗料を掻き落とすので、塗料を均一な厚みで塗工することが可能であり、印刷適性が良く、塗工量の調整範囲が広いことでも有利であるが、操業性の点では、微塗工印刷用紙のような低い坪量で塗工量の少ない塗工紙を製造する場合は紙切れを起こしにくいロールコ−ターやバーコーターやエアーナイフコーターを用いるのが有利である。しかし、現状設備としてオンマシンのブレードコーターを設置している抄紙機では、新たにロールコーターなどを設置するのは、スペースや費用の問題で難しい。本発明はブレードコーターを用いて塗料を塗工する微塗工印刷用紙に適している。
本発明の微塗工印刷用紙では、塗料の塗工量は片面あたり5〜8g/mであることが好ましい。塗料の塗工量が片面あたり8g/mより多いと、塗工紙の坪量が決まっているので、原紙の坪量を低くする必要があり、原紙や塗料に小さな異物が混入しても断紙のトラブルになりやすく、コーターでの塗工安定性(連続操業性)が悪くなる。
塗料の塗工量が片面あたり5g/mより少ないと、塗料による原紙の被覆が不十分となるため、白紙光沢度の不足や光沢ムラにより印刷適性が悪くなる。
塗料を塗工後の湿潤塗工層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥などの各種方式が採用できる。
本発明の微塗工印刷用紙の製造に際しては、ドライヤーで乾燥後に、カレンダー装置により平滑化処理する。カレンダー装置としては、チルドカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。要求される平滑度に応じて、ニップ数やニップ圧、ロール温度、ロール材質、ロール硬度等を設定するが、微塗工印刷用紙の白紙光沢度は25〜35%となるようにする。白紙光沢度が25%より低いとチラシとしての見映えが劣り、35%を超えると紙の腰が不足する。
本発明の微塗工印刷用紙は、坪量(JISP8124)が40〜60g/mとされている。坪量が40g/mより小さいとブレードコ−ターでの塗工は難しい。坪量は大きいほど剛度には有利であるが、省資源という点から60g/m以下、さらには50g/m以下が好ましい。このようにして得られる微塗工印刷用紙は、白色度(JISP8148)65〜75%、不透明度(JISP8149)85〜95%とされる。白色度が65%より低いと印刷の見映えの点で劣り、白色度が75%より高いと、不透明度が低くなる。不透明度が85%より低いと裏抜けが目立つようになる。不透明度は高いほうが良いが、95%以上は微塗工印刷用紙としては過剰品質であり、コストが高くなる。
コーターで塗料を塗工する際の原紙の水分は、4〜7%が望ましい。4%より低いとコーターで紙が裂けやすくなり、7%より高いと塗工後に水分ムラが生じやすく、しわ入りや印刷時のばたつきの原因となる。
塗料を塗工する前工程でカレンダーにて平滑化処理を行うこともできる。この場合、平滑度が高過ぎると、紙の密度が高くなるため、塗料の浸透が悪く、塗工量が不均一になり、プロファイルが悪化してしわ入りや印刷時のばたつきの原因となる。平滑度が低過ぎると塗工ムラが発生しやすくなる。平滑度は15〜80秒が望ましい。以上のようにして、本発明の微塗工印刷用紙が得られる。
以下、実施例及び比較例により、本発明の効果を具体的に表す。なお、%は特に断りのない限り質量%を表し、添加量は絶乾パルプに対する固形分または有効成分で表す。
(実施例1)
NBKP30質量部(510mlCSF、白色度81%)、サーモメカニカルパルプ17質量部(65mlCSF、白色度65%)、古紙脱墨パルプ53質量部(160mlCSF、白色度71.9%)からなるパルプ分散液に、硫酸バンド1.6%(有姿)、カチオン化澱粉(ジー・エス・エル・ジャパン株式会社製 商品名:ジェルトロン24)を0.4%添加して抄紙した。
古紙脱墨パルプは、原料としてチラシ古紙100質量%を使用し、脱墨・漂白処理により白色度を71.9%としたものであり、古紙脱墨パルプのパルプ組成は、N/L/M=20/65/15であった。次に、ショートドゥエルタイプのブレードコーターを用いて、顔料と接着剤を含む塗料を下記条件で、両面に塗工した。
重質炭酸カルシウム(製品名 ハイドロカーブ90HS備北粉化工業株式会社製)50質量部、2級カオリン(製品名 KCS、株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製)15質量部、微粒カオリン(製品名 カオファイン 白石カルシウム株式会社製)35質量部、SBRラテックス(製品名 スマーテックスPA8008 日本エイアンドエル株式会社製)7質量部、尿素燐酸エステル化澱粉(製品名 スターコート16 日本食品化工株式会社製)4.5質量部、分散剤(製品名 アロンT50 東亞合成株式会社製)15質量部(対カオリン)、塗料濃度62%、塗料粘度1250cps、塗工量 片面当たり7.5g/m、ブレード角度35度
塗料を塗工後に乾燥し、ソフトカレンダー3ニップ処理(線圧160kN/m 温度130℃、線圧170kN/m 温度130℃、線圧150kN/m 温度130℃)を行い、坪量49.0g/m、水分率5.5%の微塗工印刷用紙を得た。なお、白色度は73.0±1.5%になるように、染料で微調整した。
製造条件と得られた微塗工印刷用紙の評価結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
パルプ配合を、NBKP30質量部、サーモメカニカルパルプ20質量部、古紙脱墨パルプ40質量部、LBKP10質量部(360mlCSF)とした以外は、実施例1と同様にして微塗工印刷用紙を得た。
(実施例3)
パルプ配合を、NBKP30質量部、サーモメカニカルパルプ5質量部、古紙脱墨パルプ60質量部、LBKP5質量部(360mlCSF)とした以外は、実施例1と同様にして微塗工印刷用紙を得た。
(実施例4)
パルプ配合を、NBKP30質量部、サーモメカニカルパルプ10質量部、古紙脱墨パルプ60質量部とした。古紙脱墨パルプは、原料としてチラシ古紙50質量%と色上古紙30質量%とケント古紙20質量%を使用し、脱墨・漂白処理により白色度を72.8%としたものであり、古紙脱墨パルプのパルプ組成は、N/L/M=15/75/10であった。その他は、実施例1と同様にして微塗工印刷用紙を得た。
(実施例5)
坪量を54.2g/mとした以外は、実施例1と同様にして微塗工印刷用紙を得た。
(比較例1)
パルプ配合を、NBKP30質量部、サーモメカニカルパルプ5質量部、古紙脱墨パルプ50質量部、LBKP15質量部とした。古紙脱墨パルプは、原料として色上古紙60質量%とケント40質量%を使用し、脱墨・漂白処理により白色度を81.6%としたものであり、古紙脱墨パルプのパルプ組成は、N/L/M=6/90/4であった。その他は、実施例1と同様にして微塗工印刷用紙を得た。
(比較例2)
パルプ配合を、NBKP30質量部、古紙脱墨パルプ60質量部、LBKP10質量部とした。古紙脱墨パルプは、原料としてチラシ古紙10質量%、色上古紙50質量%とケント40質量%を使用し、脱墨・漂白処理により白色度を80.2%としたものであり、古紙脱墨パルプのパルプ組成は、N/L/M=5/90/5であった。その他は、比較例1と同様に微塗工印刷用紙を得た。
(比較例3)
パルプ配合を、NBKP30質量部、古紙脱墨パルプ15質量部、LBKP55質量部とした。その他は、比較例2と同様に微塗工印刷用紙を得た。
なお、試験方法と評価方法は次のとおりである。
(機械パルプ含有率)
JISP8120:1998紙、板紙及びパルプ繊維組成試験方法
(坪量)
JISP8124:1998紙及び板紙−坪量測定方法
(白色度)
JISP8148:2001紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法
(不透明度)
JISP8149:2000紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照射法
(白紙光沢度)
JISP8142:2005紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法
Figure 0006083666
Figure 0006083666
表1、表2に示したように、本発明の実施例1〜5では、いずれも、不透明度、白紙光沢度が高い微塗工印刷用紙が得られている。これに対し、比較例ではこれらのうちのいずれかが劣っている。比較例1、2は、不透明度が低くなっている。比較例3は不透明度と白紙光沢度が低くなっている。実施例1〜5では、色上古紙やケント古紙よりも価格が安いチラシ古紙の比率が高いことに加え、機械パルプの配合率が低いので、コスト的に有利である。
本発明の微塗工印刷用紙は、チラシ用途に好適に使用されるほか、パンフレットやフリーペーパー、フリーマガジンの用紙としても利用できる。

Claims (3)

  1. 機械パルプを7〜20質量%含み白色度が65〜75%に調整された古紙脱墨パルプ20質量%以上と、クラフトパルプと、機械パルプを混合することにより、機械パルプの含有率が10〜50質量%となるように調製された紙料を抄紙し、顔料と接着剤を主成分とする塗料を塗工して、平滑化処理し、白紙光沢度を25〜35%とすることを特徴とする微塗工印刷用紙の製造方法。
  2. 古紙脱墨パルプが原料として、チラシ古紙を20質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の微塗工印刷用紙の製造方法。
  3. 白色度が65〜75%、不透明度が85〜95%、白紙光沢度が25〜35%、坪量が40〜60g/mであることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法によって製造される微塗工印刷用紙。
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