JP5601392B2 - 印刷用両面塗工紙の製造方法 - Google Patents
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しかし、抄紙機の抄速が1200m/分を超えると、オントップタイプのフォーマーにおいても初期の長網部における原料表面の乱れの増加による地合の悪化が発生し始め、製品の品質低下を引き起こすので、これ以上の増速は困難となっている。
前記原紙は、ギャップフォーマーにより紙層が形成され、且つタンデムシュープレスにより搾水されて得られる原紙であることが好ましい。
前記マルチニップカレンダーのロールニップ加重が、全段独立して制御可能であることが好ましい。
前記プレカレンダーの金属ロールの表面温度が50〜130℃、ニップ線圧が5〜170kN/mであることが好ましく、マルチニップカレンダーの金属ロールの表面温度が80〜180℃、ニップ線圧が10〜450kN/mであることが好ましい。
前記プレカレンダーおよびマルチニップカレンダーに使用される金属ロールのJIS B 0601−2001で規定される算術平均粗さRaが0.05〜0.5μmであることが好ましい。
本発明で使用される原紙の主体となるセルロース繊維として、ケナフ・バガス・バンブー・コットンなど非木材系パルプも使用できるが、代表的には木材を原料としたパルプが使用される。木材パルプの原材料は、広葉樹材、針葉樹材のいずれでもよく、原材料からパルプを得るための蒸解法としては、クラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の蒸解法を用いることができるが、蒸解液を分割添加する蒸解法であるLo−solids法、Compact蒸解法、Kobudomari蒸解法、等の蒸解法は、蒸解時に使用するエネルギー量が少ない、製造されるパルプの漂白性がよいといった効果があるため、好適に用いられる。
前記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサーにおいて中濃度のパルプスラリーに添加され、混合が十分に行われた後、加圧下でパルプ、酸素及びアルカリの混合物を一定時間保持できる反応塔へ送られて、脱リグニンされる。
5〜4質量%、反応温度は80〜120℃、反応時間は15〜100分、パルプ濃度は8〜15%であり、この他の条件は公知のものが適用できる。本発明では、アルカリ酸素漂白工程において、上記アルカリ酸素漂白を連続して複数回行い、できる限り脱リグニンを進めるのが好ましい実施態様である。
サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ、損紙なども、本発明の所望の効果を妨げない限り、適宜混合使用することができる。
ほぼ鉛直上方に吐出する垂直吐出型と、抄紙機下流側に向かう水平方向と紙料吐出方向で形成する角度が30〜80°である傾斜吐出型があるが、どちらでも採用することができる。
本発明においては、プレカレンダー処理後にマルチニップカレンダー処理が行われるが、プレカレンダーを設置しない場合のマルチニップカレンダーにおいてニップ数を1つ増やした構成と比較して、プレカレンダー設置によるマルチニップカレンダーの操業条件緩和を効果的に発揮させるためには、前記T1としては0.30秒以上であり、これにより設備的にも設置が容易となる。また、マルチニップカレンダー処理前にプレカレンダー処理を行った効果が消失しないよう、前記T1が1.20秒以下である。前記T1として、プレカレンダーとマルチニップカレンダーの組合せ効果を最も発揮させるための好ましい範囲としては、下限として0.35秒以上、上限として0.80秒以下である。なお、T1の調整方法としては、プレカレンダーとマルチニップカレンダー間の設置距離の変更、ならびにペーパーロールの増減等による紙パスの変更で調整が可能である。
(原紙の作製)
Lo−solids蒸解釜(アンドリッツ(株)製)を用い、アカシアマンギューム:
ユーカリグランディス=30:70(質量比)からなる広葉樹チップをLo−solids蒸解法でクラフト蒸解した。なお、白液は硫化度28%のものを用意し、白液添加率は、活性アルカリとして、チップ供給系に対チップ絶乾重量当たり10%、蒸解ゾーンに8%、洗浄ゾーンに2%分割して添加し、蒸解温度は146℃で行なった。蒸解後のチップを解繊した後、洗浄工程、スクリーン工程、さらに再度洗浄工程を経て、未晒パルプを得た。
なお、苛性ソーダは一段目に一括添加し、酸素ガスは一段目に1.0%、二段目に0.8%と分割添加した。アルカリ酸素漂白後のパルプは、洗浄工程で洗浄処理した。
重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業製)からなる顔料スラリーに、顔料100部に対して、接着剤として澱粉(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)30部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−3000H、JSR社製)7部を添加し、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、さらに水を加えることで最終的に固形分濃度35%の下塗り塗工層用の顔料塗工液を調製した。
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)を、分散するカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、微粒カオリン(商品名:ハイドラグロス90、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)50部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:王子工一スC、前出)4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−3000H、JSR社製)10部、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、さらに水を加えることで最終的に固形分濃度63%の上塗り塗工層用の顔料塗工液を調製した。
前記で得た原紙(坪量53g/m2)に、上記で得た下塗り塗工層用の塗工液を、ロッドメタリング形式のロールコーターを使用し、片面あたりの乾燥塗布量が2.5g/m2となるように塗工・乾燥して、原紙の両面に下塗り層を形成した。次いで、下塗り層の各々に対し、上記で得た上塗り塗工層用塗工液を、ジェットファウンテン方式で塗布液を供給するブレードコーターを使用して、片面あたりの乾燥塗布量が8g/m2となるよう塗布・乾燥して、両面に上塗り塗工層を設けた。このようにして得られた塗工紙のカレンダー未処理時の白紙光沢度(上面/下面)は27/24%、王研式平滑度(上面/下面)は100/85秒であった。
実施例1の抄紙速度を、1500m/分から1200m/分、および表1記載のカレンダー条件に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。この際のT1は、0.62秒であった。
実施例1の抄紙速度を、1500m/分から1000m/分、および表1記載のカレンダー条件に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。この際のT1は、0.75秒であった。
実施例1において、プレカレンダーとマルチニップカレンダー間のパスを調節して、T1を0.30秒、および表1記載のカレンダー条件となるように変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
実施例1において、プレカレンダーとマルチニップカレンダー間のパスを調節して、T1を1.20秒、および表1記載のカレンダー条件となるように変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
実施例1において、プレカレンダーとマルチニップカレンダー間のパスを調節して、T1を1.50秒、および表1記載のカレンダー条件となるように変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
実施例1において、プレカレンダーとマルチニップカレンダー間のパスを調節して、T1を0.10秒、および表1記載のカレンダー条件となるように変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
実施例1において、プレカレンダーを使用せず、マルチニップカレンダーのみで表1記載のカレンダー条件でカレンダー処理を行った以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
実施例1において、プレカレンダーを使用せず、マルチニップカレンダーのみで表1記載のカレンダー条件に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
実施例1において、プレカレンダーを4台直列に配置して、表1記載のカレンダー条件でマルチニップカレンダーを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
光沢度計(型式:GM−26D、村上色彩技術研究所社製)を用いて、ISO 8254−1(1999)に準じ、入射角/反射角75度の条件で測定した値を、白紙光沢度とした。
原紙および塗工紙の平滑性を、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王研式平滑度で平滑度を測定した。
JIS P 8118に準じて測定を行った。
プレカレンダーおよびマルチニップカレンダーにおけるカレンダー処理において、連続2時間の操業内でロール汚れが発生しなかった場合を○、発生した場合を×として評価した。
11a・・・・・・・・・・・プレカレンダー弾性ロール
11b・・・・・・・・・・・プレカレンダー金属ロール
31・・・・・・・・・・・・マルチニップカレンダー
41a、b、c、d、e・・・マルチニップカレンダー弾性ロール
42a、b、c・・・・・・・マルチニップカレンダー金属ロール
Claims (4)
- セルロース繊維を主体とする原紙上に、片面当たり少なくとも1層の顔料および接着剤を主体とする顔料塗工層を設けた印刷用両面塗工紙の製造方法において、該原紙上の両面に顔料塗工層を設けた後、加熱された金属ロールおよび弾性ロールにより構成されるプレカレンダー処理と、加熱された金属ロールおよび弾性ロールの群からなるマルチニップカレンダー処理とを、処理速度1000m/分以上にてこの順に併用して行い、前記プレカレンダーの処理完了から前記マルチニップカレンダーの処理開始までの時間T1が0.30〜1.20秒であって、前記プレカレンダーの金属ロールの表面温度が50〜130℃、ニップ線圧が5〜170kN/mであり、前記マルチニップカレンダーの金属ロールの表面温度が80〜180℃、ニップ線圧が10〜450kN/mであることを特徴とする印刷用両面塗工紙の製造方法。
- 前記原紙は、ギャップフォーマーにより紙層が形成され、且つタンデムシュープレスにより搾水されて得られる原紙であることを特徴とする請求項1記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。
- 前記マルチニップカレンダーのロールニップ加重が、全段独立して制御可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。
- 前記プレカレンダーおよびマルチニップカレンダーに使用される金属ロールのJIS B 0601−2001で規定される算術平均粗さRaが0.05〜0.5μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。
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