JP4210162B2 - 塗工紙の製造方法及び塗工紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗工層の表面を金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせでカレンダー処理する塗工紙の製造方法及びこれによって製造された塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポスター、カレンダー、高級写真集など精細かつ高級感のある印刷物用の紙として、平滑度が高く、白紙光沢および印刷光沢に優れる光沢紙や、光沢を抑えて目に優しく、見やすく、印刷情報を読みやすくした艶消紙が用いられている。
【0003】
塗工紙は、一般的に、クレーや炭酸カルシウムなどの顔料を含む塗工液を、ロール塗工装置、ブレード塗工装置等の塗工装置を用いて基紙に塗工した後、乾燥し、その後に塗工面をカレンダー処理して、製造されている。平滑度を高めるために高ニップ圧で表面処理されるため紙厚および塗工厚が薄いのが一般的である。
【0004】
光沢紙、艶消紙の区分は、塗工紙の光沢レベルによって区分がなされている状況であるものの、区分けの光沢値の明確な区分が有るわけではないものの、一般的に、塗工紙表面の白紙光沢度が20%未満をマット調、20〜40%をダル調、40%を超える白紙光沢度のものを光沢紙といわれている。
【0005】
以下の説明では、光沢紙の製造を例にとり詳説する。近年では、特に、雑誌、グラビア等の分野において、より高級感のある印刷物が求められるようになっており、紙厚が厚く、嵩高で、不透明度の高いより高級感のある光沢紙が求められている。
【0006】
一般に、嵩高な塗工紙を製造するための手法としては、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせによる表面処理におけるニップ圧を最小限に抑え、嵩の低下を最小限に押さえて、原紙の表面平滑性を付与する目的で、弾性ロールと組み合わせた高温金属ロール(100℃〜200℃)による熱表面処理する方法(高温ソフトカレンダー法)、あるいは表面処理直前での蒸気の付与等が既に紹介されている(特開平4−361695号公報、特開平6−73685号公報)。
【0007】
これらは、紙の内層部は低い温度の状態のまま嵩を保持し、紙表層部のみを高温、高水分の状態にすることにより、より表層部を可塑化した状態で金属ロールの表面を紙表面に転写させることによって、表面性を向上させるという考え方に基づいている。
【0008】
本発明者らは、この高温ソフトカレンダー法は、嵩高な品質を与える上、生産効率にも非常に優れた表面仕上げ法であることを認識している。すなわち、従来、光沢塗工紙は、各種塗工装置で顔料塗工した塗工紙を一旦巻取った後、スーパーカレンダーを使用し、低温かつ通常10〜14段の多段ニップ条件で処理して光沢を付与し、製品化されるのに対し、高温ソフトカレンダー法は、塗工装置で顔料を塗工した後、そのまま金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせによるソフトカレンダー表面処理にてオンラインで表面仕上げすることが可能である。また、従来のスーパーカレンダーに使用する弾性ロールは、内部発熱の問題で耐熱性が劣り、耐圧・耐久性も劣るため高速化に限界があり、現状で操業可能な最高速度は約1400m/分程度である。従って、近年の1500m/分を超える塗工装置と併用するためには2台のスーパーカレンダーが必要となり省力、省スペース化という意味でも問題となる。これに対し耐熱、耐圧性に優れるプラスチックの弾性ロールを使用して、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせ表面処理の場合には、1500m/分を超える速度の操業も可能となり、高温でより少ないニップ数で処理する高温ソフトカレンダー法は、省スペース化でき、生産性が向上する点で優れた方法であることは予想している。
【0009】
ソフトカレンダー処理において、外部誘導加熱処理装置を付加したものは、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】
特開平11―61691号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、嵩高で不透明性が高い等の要求される紙の高品質を維持したまま、生産性を上げ、コストダウンを図る目的で、抄紙から、塗工装置での塗工、高温ソフトカレンダーでの表面仕上げまでを、すべてオンラインで一貫生産することにより、コスト競争力に優れた製品を製造する試みを追求した。
【0011】
しかし、本発明者らは、嵩高で不透明性が高い紙をオンラインで製造するには、高温で表面処理すれば、紙の内層部の温度も高くなり、その結果、紙が厚み方向の全層に渡って潰れ易くなるとの問題、及びニップ圧の影響が極めて大きいことを認めた。
【0012】
したがって、本発明の課題は、ソフトカレンダーによる高温表面処理によって、より嵩高で不透明度に優れる塗工紙の製造方法を確立すること、及びその製造方法により得られる塗工紙を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
パルプ原料を抄紙し、抄紙によって得た基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、顔料を含む塗工液を塗工し、乾燥し、その後に塗工面をカレンダー処理することをオンマシンで実施する、塗工層を有する塗工紙の製造方法であって、
塗工面をカレンダー処理する設備は、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせによる2ロール1ニップの段が2段設けられ、
前記金属ロールのそれぞれは、金属ロールのシェルの内方に、幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置を装備し、
さらに、前記各金属ロールに対して、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置を前記金属ロール近傍にそれぞれ設けて2つの高温ニップ域が構成され、
前記塗工液の塗工量が、片面当たり3〜15g/m2であり、前記2つの高温ニップ域の金属ロールの表面温度が230℃〜500℃、ニップ圧が125KN/m〜350KN/mとした条件で、1400m/分〜2300m/分で通紙することを特徴とする塗工紙の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態を参照しながらさらに詳説する。
以下、本発明の特徴を詳述する。
本発明者らは、たとえば100℃〜200℃の高温で表面処理すると、紙の表層部だけでなく、内層部の温度も高くなり、その結果、紙が表層部だけでなく、全層に渡って潰れ易くなるため、嵩が低下し、しかも不透明度も低下するのは、加圧により大きく影響を受けることを認めた。
【0015】
したがって、この嵩の低下を解決するため、最適な加圧によるカレンダー処理方法について鋭意検討を重ねた結果、塗工面を表面処理する工程が、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせにて構成される2ロール1ニップの2タンデムタイプであり、前記金属ロールの表面温度が230℃〜500℃、より望ましくは250℃〜500℃、特に望ましくは250℃〜380℃で、特には300℃を超え380℃以下の温度での表面処理をし、できる限り低いニップ圧で紙が全層に渡って潰れないようにすることにより、嵩の低下を防ぎ、不透明度の低下を抑えることが可能となる。要すれば、本発明は、いわば極高温のアイロンを短時間で当てる形態である。
【0016】
金属ロールの表面温度のコントロールとしては、金属ロール内部に温水や油を循環させる方法のほか、非回転部としての内側に設けた鉄芯の周囲に誘導コイルを設け、その誘導コイルに交流電流を流すことで、コイルに磁束を発生させ回転部としての外側のシェル(外筒)の内側に誘導電流を誘起させ、その抵抗熱によって外側のシェル(外筒)自身を自己発熱(誘導発熱)させる、本発明の「電磁誘導作用による内部加熱装置」によるものが、本発明の高温処理のために特に優れる。また、この電磁誘導作用による内部加熱装置によれば、誘導コイルをロールの幅方向(ロール自体の長手方向)に分割(たとえば3〜6分割)し、シェルに設けた温度センサによる温度信号に基づき、対応する誘導コイルに流す交流電流量を制御することで、ロールの幅方向の特に表面の温度制御が高精度で可能である利点がある。
【0017】
この場合、特にシェル内部に長手方向に延びるジャケット路を、周方向に間隔を置いて多数10本〜90本程度設け、これらを相互に連通させ、内部に熱媒体を封入しておく構造のものが、シェルの自己発熱による熱を吸収し、熱をロール表面全体において均一化できる点がより優れる。
【0018】
前述のように、高温で表面処理すると、紙の表層部だけでなく、内層部の温度も高くなり、その結果、紙が表層部だけでなく、全層に渡って潰れ易くなるため、嵩が低下する。しかるに、本発明に係る従来よりはるかに高い高温処理で、短時間の通紙を図る場合には、内層部への熱移動は極力防止でき、もって嵩の低下を防止できるものである。
【0019】
本発明に係る従来のよりはるかに高い温度(230℃〜500℃)での高温処理を、上記の電磁誘導作用による内部加熱装置によってのみ達成することが可能であると考えるかもしれない。しかし、金属ロールの表面温度を230℃〜300℃にすること自体は可能ではあるものの、温度の高温化に伴って、金属ロールのシェルに厚み方向の応力が発生し、ロールプロフィールが崩れがちとなり、もって紙厚プロフィールの制御性が低下する。また、電磁誘導作用による内部加熱装置に依存する場合には、金属ロール表面温度の時間当たりの温度応答性が悪い、さらにこれを原因として幅方向の温度応答性が悪いので、温度制御性が悪いことによる歩留まり低下の原因となる。
【0020】
そこで、本発明に従って、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置を金属ロール近傍に設けて高温ニップ域を構成するものである。
【0021】
ここで、本発明の実施の形態の形態を図示すると、製紙工程は、図示しない、ワイヤーパート、プレスパート、(プレ)ドライヤーパート、コータ(サイズプレス)パート、(アフター)ドライヤーパート、本発明のソフトカレンダーパート、リールパート、ワインダーパートを順に含むものである。
【0022】
本発明のソフトカレンダーパートは、金属ロール1と弾性ロール2からなる組み合わせによる2ロール1ニップの段が構成されたものである。望ましくは、2ロール1ニップの段が2段あるいは2段以上構成されたタンデムタイプとされる。2段で十分な処理が可能であるために、さらなる段の付設は過剰設備ぎみとなる。
【0023】
金属ロール1,1のそれぞれは、金属ロール1幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置を装備する。金属ロール1は、前述のように、シェル1A、誘導コイル1B、鉄芯1C、温度センサ1D、交流電源1E、及びジャケット路1Fを有する。
【0024】
さらに、金属ロール1の少なくとも一つに対して、好適には、図1に示すように、各金属ロール1,1に対して、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置10を金属ロール1,1近傍に設けて各段において、基紙Pの高温ニップ域を構成する。
【0025】
外部加熱装置10は、電磁誘導加熱の原理を応用したもので、図2に示すように、ワークコイル10Aに交流電源(インバータ)10Bからの交流電流(たとえば3〜20kHzの高周波)を流し、磁界を発生させて、シェル1A表面部に渦電流を生成させ、自己発熱させるものである。ワークコイル10Aとシェル1A表面との離間距離は、2〜20mm、特に2〜5mm程度が望ましい。また、図3に示すように、単位ワークコイルは、金属ロール1に軸心に対して交差する斜め配置とするのが、加熱用プロフィールの均一化のために望ましい。ロール幅方向のゾーン制御ピッチは、75〜150mm程度であり、ゾーン当たりの定格電力は4〜20kWとすることができる。またその他加熱ユニットに純水を流す冷却装置を併設してもよい。
【0026】
ところで、硬度の硬い金属ロールのみで構成されるスチールカレンダーで紙を潰した場合には、嵩が低下する問題が有るものの、紙の凸部を選択的に潰すため、紙厚プロフィールが非常に優れる。それに対し、本発明に従って金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせにより表面処理する場合や、スーパーカレンダーのように硬度の軟らかい弾性ロールでの処理は、嵩を維持したまま表面処理が可能なものの、紙の表面の凹凸に沿った形で紙を潰すため、紙厚プロフィールが劣る問題がある。
【0027】
このために、上記の設備をもって表面処理するものである。その際、塗工面は金属ロールに対面するように通紙する。
【0028】
弾性ロールの硬度は、ショアD硬度で85〜97、特に85〜94が望ましい。ニップ圧としては、ロール表面温度、目標の白色光沢との関係で、図4に示す関係があるので、その範囲で適宜選択できる。
【0029】
基紙(原紙)の塗工液としては、顔料を少なくとも含み、通常は接着剤をも含む。塗工量としては、片面当たり3〜15g/m2が望ましい。特に8〜15g/m2が望ましい。15g/m2より多い場合には、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせ表面処理による影響よりも塗工量自体のプロフィールが嵩あるいは不透明性に及ぼす影響が大きくなる。
【0030】
塗工液に使用する顔料には、主に重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、サチンホワイト、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料等を用いることができ、これらの顔料は必要に応じて単独または2種以上混合で使用することができる。
【0031】
塗工液に使用する接着剤はラテックスあるいはその他の水性接着剤から必要に応じ1種あるいは2種以上を選択して使用する。ラテックスとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらを更にカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したものである。
【0032】
また、ラテックス以外の水性接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化デンプン等のエステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工用接着剤である。
【0033】
本発明の塗工液には、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の各種助剤を併用しても良い。
【0034】
また、基紙としては一般の塗工紙に用いられる坪量30〜400g/m2程度の紙ベースや板紙ベースの原紙が適宜用いられるが、抄紙方法については特に限定されるものではない。
【0035】
トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであっても良く、もちろんメカニカルパルプを含む中質原紙及び回収古紙パルプを含む原紙及び上質原紙も使用できる。
【0036】
調製された塗工液は、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテンコータ、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗工する。特に二層以上塗工する場合には、塗工液の下塗り塗工には、ゲートロールコータ、ブレードあるいはロッドメタリングサイズプレスコータ等のフィルムトランスファー方式が、更に引き続く上塗り塗工にはファウンテンあるいはロールアプリケーション等によるブレード方式を採用することが好ましい。
【0037】
本発明で使用する金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせ表面処理の型式は、通紙の容易さ、省スペースを考慮してタンデムタイプの2ロールで4スタックの型式のものが好ましい。タンデムタイプとは、一対の金属ロールと弾性ロールを重ねた2ロールを並列に並べた設備である。また、弾性ロールの材質は、耐熱性に優れる変性ウレタン系、エポキシ系、ポリエーテル系等のプラスチックから成り、ショア硬度Dはより好適には85〜93が好ましい。尚、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせ表面処理した塗工紙の光沢度は、50%以上が好ましい。本発明において、塗工紙の光沢度が50%以上である場合において、特に優れた効果を発揮する。
【0038】
塗工液の組成、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせ表面処理におけるニップ圧の調整により、艶消塗工紙の製造も可能である。
【0039】
ニップ圧としては、125KN/m〜350KN/mが望ましい。さらに、通紙速度は、400m/分〜3000m/分とすることができる。特に、1400m/分〜2300m/分が好適な通紙速度である。1400m/分〜2300m/分の高速の通紙速度でも、優れた光沢度を得ることができることは本発明において特徴的な点である。
【0040】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に示す。なお、例中の部数及び%はそれぞれ重量部、重量%を示す。
【0041】
塗工液Aは、次記のものとした。
顔料として、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハート社製)20部と微粒カオリン(ウルトラグロス90、エンゲルハート社製、平均粒子径0.8μm)80部を使用し、バインダーとしてスチレンブタジエンラテックス(日本合成ゴム製)12部、ポリアクリル酸系分散剤(アロンT40、東亜合成化学製)0.1部、更に潤滑剤、消泡剤、蛍光染料を適宜添加し塗工液を調整した。
【0042】
この調製した塗工液を、坪量46g/m2の原紙の片面に乾燥坪量で11g/m2で塗工し、続いてオンマシンで本発明のカレンダー処理装置に通紙した。通紙速度は1800m/分とした。
同条件で、表1に示すように各製造条件を変えて光沢度などの品質を評価した。
【0043】
品質評価方法は次に示す通りである。
(1)白紙光沢度:JIS P−8142に従い角度75度で測定して評価した。
(2)プロフィール制御性評価:内部加熱装置及び外部加熱装置による金属ロール表面温度上昇速度を℃/分の値に基づき評価した。
(3)紙厚プロフィール評価:リールで巻き取られた巻き取りを電子式ペーパーロール硬さ試験機(パロテスター:富士物産社製)を使用し、巻き取りの幅方向の硬さプロフィールで相対評価した。
(4)ロール操業性評価:通紙時のロール汚れを観察した。
(5)外観評価:ワインダーで巻き取った製品巻き取りをそのまま24時間室温で放置した後の外観を目視評価した。
結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
この結果から、金属ロールに内部加熱装置を装備させるほか、外部電磁誘導作用による外部加熱装置を金属ロール近傍に設けて高温ニップ域を構成する条件の下で、金属ロールの表面温度を230℃〜500℃の高温で通紙させると、高品質の塗工紙を安定して(優れた制御性をもって)得ることができることが判った。
【0046】
他方、金属ロールの表面温度が低い場合には、光沢及びプロフィール制御性に劣るものである。
【0047】
さらに、金属ロールの表面温度、ニップ圧、通紙速度、白色光沢度については、図4〜図6に示す関係があることが判った。
【0048】
なお、上述の結果は、他の種の塗工液の塗布においても同様であることも知見している。
【0049】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によればソフトカレンダーによる高温表面処理によって、より嵩高で不透明度に優れ、塗工層表面の表面性に優れた塗工紙を得ることができる。さらに、操業性にも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の設備の概要図である。
【図2】 内部加熱装置及び外部加熱装置の概要構成図である。
【図3】 外部加熱装置におけるワークコイルの配置例の説明図である。
【図4】 ニップ圧、金属ロール表面温度、白色光沢度の相関グラフである。
【図5】 通紙速度、金属ロール表面温度、白色光沢度の相関グラフである。
【図6】 通紙速度、ニップ圧、白色光沢度の相関グラフである。
【符号の説明】
1…金属ロール、2…弾性ロール、10…外部加熱装置。
Claims (1)
- パルプ原料を抄紙し、抄紙によって得た基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、顔料を含む塗工液を塗工し、乾燥し、その後に塗工面をカレンダー処理することをオンマシンで実施する、塗工層を有する塗工紙の製造方法であって、
塗工面をカレンダー処理する設備は、金属ロールと弾性ロールからなる組み合わせによる2ロール1ニップの段が2段設けられ、
前記金属ロールのそれぞれは、金属ロールのシェルの内方に、幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置を装備し、
さらに、前記各金属ロールに対して、幅方向に分割制御可能な外部電磁誘導作用による外部加熱装置を前記金属ロール近傍にそれぞれ設けて2つの高温ニップ域が構成され、
前記塗工液の塗工量が、片面当たり3〜15g/m2であり、前記2つの高温ニップ域の金属ロールの表面温度が230℃〜500℃、ニップ圧が125KN/m〜350KN/mとした条件で、1400m/分〜2300m/分で通紙することを特徴とする塗工紙の製造方法。
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