JP4048623B2 - 塗工軽量印刷紙の製造方法及び塗工軽量印刷紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塗工軽量印刷紙の製造において、生産効率が良好で、不透明性、剛性を殆ど低下させることなく、平滑性、白紙光沢、印刷後光沢等の印刷適性を大幅に向上できる塗工軽量印刷紙の製造方法および塗工軽量印刷紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷紙はダイレクトメール、カタログ類の普及、増加、出版物の増ページ等の状況と低コスト、省資源の要求から近年ますます軽量化の方向に進みつつある。これら坪量25〜60g/m2程度の軽量印刷紙は、表面サイズ処理の普通紙もしくは微塗工紙或いは軽量塗工紙が用いられている。
【0003】
一方、印刷のヴィジュアル化、高級化の要求がますます高くなっており、軽量印刷紙といえども、一般の印刷紙なみの印刷適性が要求されている。印刷物の品質の面から考えると、平滑性及び光沢等を有することが必要であり、印刷作業性の面からは、不透明度、剛度が軽量印刷紙の品質にとって大切である。
【0004】
軽量印刷紙は特に坪量が軽いため、平滑性・光沢等の表面性、印刷適性と、不透明度、剛度特性を同時に満足させることは難しい。一方軽量印刷紙生産の立場からは、いかに生産効率を上げるかが以前にも増して最も重要な課題になってきている。
【0005】
塗工紙を生産する場合、抄紙、塗工、そして通常仕上げ工程として、平滑化及び光沢を出すためにカレンダー掛けが行われる。塗工紙を製造する場合に、仕上げ工程のカレンダー掛けは生産効率に大きな影響を及ぼす要因のひとつである。
【0006】
カレンダー処理には多くの方法があるが、それぞれのカレンダー仕上げ方法で生産効率、また得られる塗工紙の白色度、不透明度、剛度、光沢度、平滑度等は大きく異なる。通常、軽量印刷紙の仕上げに用いられるカレンダー仕上げ処理は、スーパーカレンダーである。
【0007】
スーパーカレンダーは通常、塗工、乾燥に続いては行われず、一旦巻取ってから改めてカレンダー掛けが別処理として行われるオフラインカレンダー方式であり、生産効率は低い。交互に鉄と弾性体の多数ロールから構成されるスーパーカレンダーは、線圧180〜450kgf/cmであり、ロール温度は60〜80℃が通常である。この処理は、線圧のかかった多数のロール間のニップを通過するために、得られる塗工紙は高い光沢と平滑性を有するが、潰れることは避けられず高い不透明度と高い剛度を有する腰を得ることは難しい。また、軽量であるがゆえに薄いため、平滑度、光沢度を高くするためにニップ数を多くすると、折れ皺の発生や、断紙などのトラブルが発生し易い。
【0008】
剛度が弱いと、オフ輪印刷機では乾燥ゾーンでのばたつきにより印刷面がドライヤーに接触しインクがとられる、版胴からのはがれが悪くなりねじれてはがれることによる紙切れ、印刷後折り本時の折れ皺の発生、印刷後のシート出しが不良になる、等の作業性の悪化が生じる。平判オフセット印刷機では、給紙、排紙がスムーズにいかず、スピードも上げられなくなり効率を損ねるなどの問題がある。そのため、一般に軽量印刷紙では、生産効率良く剛度、不透明度の低下もなく高平滑、高光沢を得ることは難しい現状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明の目的は、生産効率が良好で、不透明度、剛度を低下させず、平滑度及び白紙光沢が高く、印刷適性に優れた塗工軽量印刷紙の製造方法及びその製造方法により得られる塗工軽量印刷紙を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、坪量が25〜60g/m2の塗工軽量印刷紙の製造方法において、ゲートロールコーターにて顔料含有塗被液を片面当たり3〜10g(塗料固形分)/m2塗被した塗工層を、少なくとも一対の弾性ロールと金属ロールからなるオンライン方式のソフトカレンダーで金属ロールの表面温度が150℃以上の高温処理を行うことにより目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、原紙上に、Tgが20〜40℃で粒径が70〜110nmの範囲にある共重合体ラテックスと、顔料とを含有する塗工層を設けることを特徴とする上記記載の塗工軽量印刷紙の製造方法である。尚、粒子径はレーザ回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所製)により求めた数平均ラテックス粒子径である。
【0012】
本発明は、上記記載の塗工軽量印刷紙の塗工用支持体として、フリーネスが200ml・CSF(カナダ標準フリーネス)以下となるように叩解されたパルプ原料に無機填料を、原紙灰分が10重量%以上となるよう添加して抄造される原紙を用いた、上記記載の塗工軽量印刷紙の製造方法である。
【0013】
また、本発明は白色度85%以上、不透明度80%以上で、且つ表裏の平滑度1200秒以上(JAPAN TAPPI No.5の王研式平滑度試験器による)で、白紙光沢40%以上であることを特徴とする上記記載の製造方法により得られる塗工軽量印刷紙である。
【0014】
ソフトカレンダーは、金属ロールと弾性ロールを組み合わせ、少ないニップ数でカレンダー掛けする最近の仕上げ方法である。弾性ロールは、スーパーカレンダーと同等もしくはそれ以上の硬度を有する特殊合成樹脂被覆ロールを使用しており、高ニップ圧下で耐熱性、耐摩耗性に優れ、傷がつき難い特別な素材が用いられる。通常2組以上を組み合わせて、紙の表裏各面が1回は金属ロールに接するように使用する。金属ロールの表面温度が150℃未満では白紙光沢を高めるのに線圧を高める必要が生じ、紙厚の減少で紙の剛度の低下を招きやすい。
【0015】
この仕上げ方法は、マシンカレンダーと同様にオンラインカレンダーとして使用することが出来、生産効率は抄紙、塗工の妨げとならない。また、塗工紙の品質も高不透明度、高光沢、高平滑性を有し、紙の腰も良好である。そのため、生産効率や印刷用塗工紙の品質が良好なことから、最も有効なカレンダー処理であり、本発明で、優れた表面性をもつ塗工軽量印刷紙の生産にも有効である事実を見い出した。
【0016】
使用するラテックスとして、Tg(ガラス転移温度)は20〜40℃が好ましく、ソフトカレンダー高温処理により、高密度となっても、従来の平滑性の低い塗工軽量印刷紙と同等の剛性を保つことが可能となり、更に高温処理であってもロール汚れの心配はない。尚、Tgが20℃未満では高温処理によりソフトカレンダーロール表面に付着汚れが発生することがあり、40℃を越えると塗膜強度が弱くなり印刷時のトラブルが起こりやすい。ラテックスの粒径が70〜110nmのラテックスを用いることにより、ソフトカレンダー高温処理による塗膜の硬化が強く、従来の塗工軽量印刷紙と同等の塗膜強度を維持することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
塗工用支持体上(以下原紙とも言う。)に顔料および接着剤を主成分とする塗被組成物をオンマシンゲートロールコーターで塗被乾燥した後、これをオンライン方式で150℃以上の高温ソフトカレンダーに通紙して仕上げる印刷用塗被紙の製造方法であって、該塗被組成物は顔料100重量部に対する接着剤として、ガラス転移温度が20〜40℃の共重合体ラテックスを固形分として10〜30重量部含有する。なお、ゲートロールコーターは本発明のような塗工軽量印刷紙を得るための顔料含有塗被組成物のコーターとして、原紙に対する張力要求が低く、かつ塗布量の調整が容易であるなど、最も操業性が安定している装置である。
【0018】
ガラス転移温度が20〜40℃の共重合体ラテックスとしては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル酸系重合体ラテックス、酢酸ビニル系共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性あるいは非アルカリ溶解性の重合体ラテックス等の重合体ラテックスの一種以上を適宜選択して使用するのがよい。
【0019】
なお、重合体のガラス転移温度は重合に供するモノマーの種類により決定され、数種のモノマーを共重合させる共重合体にあっては、重合に供するモノマーの種類及びその配合率を適宜調節して共重合させることにより、ガラス転移温度を20〜40℃の範囲に保持させることができる。重合体ラテックスの配合部数は、ラテックスの固形分として顔料100重量部に対して10〜30重量部、好ましくは10〜20重量部の範囲で使用することが重要である。10重量部未満では剛度に対する効果が顕著でなく、また、30重量部を越えると塗被層の空隙率が極端に低下して、インキ吸収性の悪化及びオフセット印刷時のインキ着肉性が低下し、好ましくない。
【0020】
塗被組成物の接着剤成分として、ガラス転移温度が20〜40℃の範囲の重合体ラテックス以外に、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白類;ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤;陽性化澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酸素変性澱粉やそれらをフレッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等を適宜併用することができる。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤(染料、顔料)等の通常用いられている各種助剤が適宜使用できる。
【0021】
共重合体ラテックスの粒子径調整法は、公知の方法で行うことができる。例えば、シード重合においては、用いるシードラテックスの粒子径、または使用量を調整すれば良い。また、シードを用いない重合法では、乳化剤種類、乳化剤量、重合開始剤量、重合温度等の条件を適度に設定すれば良い。通常、乳化剤の量、および重合開始剤量が多いほど得られるラテックスの粒径は小さくなる。ラテックスの粒子径が70nm未満になると、顔料と顔料との間隙に粒子が入り接着点が少なくなり、接着強度が低下してしまう。また、粒子径が110nmより大きくなると、ラテックス粒子の比表面積が小さくなるため、造膜性、接着強度が弱くなり、高Tg域では使用に適しない。
【0022】
本発明の塗被組成物に配合する顔料としては、当業界で通常使用される顔料が何れも使用可能であって、例えば、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、焼成カオリン、ホワイトカーボン等の無機顔料の他、各種の有機顔料1種又は2種以上を使用することができる。
【0023】
原紙の抄紙方法については、特に限定されるものではなく、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙のいずれであってもよく、用いるパルプはNBKP、LBKPなどの化学パルプの他、TMPなどの高歩留パルプを含む中質原紙も使用できる。勿論、各種の回収古紙パルプも使用できる。また、紙力増強剤、填料、顔料、着色染料、歩留向上剤、硫酸バンド、消泡剤、等の抄紙用補助薬品がパルプスラリーに必要に応じて添加される。
【0024】
特に、フリーネス200ml・CSF以下に叩解されたパルプに、通常填料として用いられるクレー、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、焼成カオリン、ホワイトカーボン等の無機顔料を、原紙灰分が10重量%以上となるように添加することが好ましい。灰分の上限は原紙米坪が55g/m2前後の場合で約35重量%程度となる。これは用いるパルプの種類も関係する可変要素である。
【0025】
前記のフリーネス200ml・CSF以下に叩解したパルプとすると塗工原紙の強度が高くなると共に、内添填料の歩留まりも高くなる。原紙灰分が10重量%以上であれば得られた塗工軽量印刷紙の不透明度が高くなり印刷の裏写りが少なくなる。抄造については、フォードリニア、ツインワイヤー、オントップワイヤー等の公知の抄紙機で抄造されるが、中でもオントップワイヤー方式が望ましい。さらに、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドゥエルコーター等によって、予め表面サイズ剤などを予備塗工した原紙も適宜使用できる。これらの原紙上に塗被組成物を塗被する。
【0026】
また、湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気加熱シリンダー、加熱熱風エアードライヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等、あるいは、レーザー加熱、電子線加熱、誘電加熱等各種の方法が単独または併用して採用される。中でも蒸気加熱ドライヤー、加熱熱風エアードライヤーが好ましく、またこれらの併用も好ましい。
【0027】
本発明では、上記のようにして得られた塗被紙を、150℃以上に加温された高温のソフトカレンダーにオンライン方式で通紙して仕上げ処理するが、カレンダー圧力、ニップ数については特に限定されず、要求される品質に応じて適宜選択される。但しニップ数については、本発明のような軽量印刷塗被紙では2ニップで行うことが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。配合、組成、濃度などを示す数値は固型分または有効成分の重量を基準とする数値である。
【0029】
<紙試験方法>
坪量;JIS P 8124に準じて測定。
厚さ;JIS P 8118に準じて測定。
密度;同上
不透明度;ISO−2471に準じて測定。
平滑度;JAPAN TAPPINo.5の王研式平滑度試験器により測定。
白色度;ISO−2470に準じて測定。
白紙光沢度;JIS P 8142に準じて測定。
【0030】
印刷光沢度;RI試験印刷機でインキ(マークV 紅 東洋インキ社製)を0.5cc使用して印刷を行った後、JIS P 8142に準じて測定。
剛度;JIS P 8143クラークこわさ試験に準じて測定。
【0031】
ドライピック強度;RI試験印刷機でインキ(IPI#7 黒)を0.5cc使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視判定。5段階評価で、5(優)〜1(劣)。
【0032】
ウェットピック強度;RI試験印刷機を用い、モルトンロールで試験紙面上に水をつけ、その直後にインキ(IPI#7 黒)を0.5cc使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視判定。5段階評価で、5(優)〜1(劣)。
【0033】
[実施例1]
<塗被紙の作成>NBKP30%、LBKP70%の比率で配合したパルプを180ml・CSFとなるようにディスクリファイナーで叩解し、原紙灰分が15%となるように軽質炭酸カルシウムを添加し、オントップワイヤー方式の抄紙機で抄紙した坪量32g/m2の上質原紙に、オンマシンゲートロールコーターで、下記の塗料を片面5g/m2で両面塗被した。
【0034】
(顔料)
1級カオリン 40部
2級カオリン 40部
軽質炭酸カルシウム 20部
(バインダー)
リン酸エステル化澱粉 5部
スチレン・ブタジエン系ラテックス 15部
(Tg:+20℃、粒径:110nm)
【0035】
<カレンダー仕上げ>上記配合の塗料を塗被、乾燥後、以下の仕様のオンマシンソフトカレンダー処理し、塗工軽量印刷紙を作成した。
<ソフトカレンダー仕様>
・ニップ数:2(塗被紙の各面に1回づつ金属ロールが当たるようにニップを形成する)。
・金属ロール:直径780mm、鍛造鋼ロール。
・弾性ロール:直径610mm、合成樹脂被服ロール。
<ソフトカレンダー条件>
・金属ロール温度:170℃。
・ライン速度:500m/min。
・線圧:180kg/cm。
【0036】
[実施例2]
実施例1の配合塗料の調製において、バインダーとしてTg:+25℃、粒径:90nmのスチレン・ブタジエン系ラテックスを添加した以外は、実施例1と同様の方法で塗工軽量印刷紙を作成した。
【0037】
[実施例3]
実施例1の配合塗料の調製において、バインダーとしてTg:+30℃、粒径:80nmのスチレン・ブタジエン系ラテックスを添加し、ソフトカレンダー処理において、ロール温度を180℃に代えた以外は実施例1と同様の方法で塗工軽量印刷紙を作成した。
【0038】
[比較例1]
実施例1の配合塗料の調製において、バインダーとしてTg:+30℃、粒径:120nmのスチレン・ブタジエン系ラテックスを添加した以外は実施例1と同様の方法で塗工軽量印刷紙を作成した。
【0039】
[比較例2]
実施例1の配合塗料の調製において、バインダーとしてTg:+10℃、粒径:120nmのスチレン・ブタジエン系ラテックスを添加した以外は、実施例1と同様の方法で塗工軽量印刷紙を作成した。
【0040】
[比較例3]
実施例1の配合塗料の調製において、バインダーとしてTg:+30℃、粒径:60nmのスチレン・ブタジエン系ラテックスを添加した以外は、実施例1と同様の方法で塗工軽量印刷紙を作成した。
【0041】
[比較例4]
実施例1の配合塗料の調製において、バインダーとしてTg:+10℃、粒径:60nmのスチレン・ブタジエン系ラテックスを添加した以外は、実施例1と同様の方法で塗工軽量印刷紙を作成した。
【0042】
以上のように作成した実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例4の塗工軽量印刷紙の評価結果は表1及び表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表1から明らかなように、Tgが20〜40℃で粒径が70〜110nmの範囲にある共重合体ラテックスを使用することにより得られる塗工軽量印刷紙は、高温ソフトカレンダー処理した際に高平滑(1400秒以上)高光沢(43%以上)となり、密度も1.20以上だが剛度は11.0cm3/100以上であり、オフセット輪転印刷機での作業性(乾燥ゾーンでのばたつきやシート出しなど)は良好で、印刷時のピック強度も強く、問題は無かった。
【0046】
表2より、Tg+30℃で粒径120nmの共重合体ラテックスを使用し高温ソフトカレンダー処理したとき(比較例1)、剛度は実施例と同様に11.0cm3/100以上で良好であったが、ピック強度が弱くなった。また、Tg+10℃で粒径120nmの共重合体ラテックスを使用し、高温ソフトカレンダー処理したとき(比較例2)は、印刷時のピック強度は問題無いが剛度が8.0cm3/100と低落し、オフ輪印刷時のシート出しが不良になった。
【0047】
また、Tg+30℃で粒径60nmの共重合体ラテックスを使用し、高温ソフトカレンダー処理したとき(比較例3)は、剛度は良好であったが、印刷時のピック強度弱くなった。また、Tg+10℃で粒径60nmの共重合体ラテックスを使用し、高温ソフトカレンダー処理したとき(比較例4)は、剛度も8.0cm3/100と低落し、印刷時のピック強度も弱くなり、印刷適性が悪化した。
【0048】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、生産効率が良好で、不透明性、剛性を殆ど低下させることなく、平滑性、白紙光沢、印刷後光沢等の印刷適性を大幅に向上できる塗工軽量印刷紙を製造し、得ることができる。
Claims (2)
- 塗工軽量印刷用紙の製造方法において、スリーネスが200ml・CSF以下となるように叩解されたパルプ原料に無機填料を、原紙灰分が10重量%以上となるように添加し、抄造される原紙を塗工用支持体として用い、該塗工用支持体にゲートロールコーターにて顔料含有塗被液を片面当り3〜10g(塗料固形分)/m2塗被した塗工層が、Tg(ガラス転移温度)が20〜40℃で粒径が70〜110nmの範囲にある共重合体ラテックスと顔料を主成分として含有する塗工層であり、塗布乾燥後に、少なくとも一対の弾性ロールと金属ロールからなるオンライン方式のソフトカレンダーで金属ロールの表面温度が150℃以上の高温処理を行うことを特徴とする坪量が25〜60g/m2である塗工軽量印刷紙の製造方法。
- 白色度85%以上、不透明度80%以上で、且つ表裏の平滑度が1200秒以上(JAPAN TAPPI No.5の王研式平滑度試験器による)で、白紙光沢40%以上である請求項1記載の製造方法により得られる塗工軽量印刷紙。
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