JP5016353B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、ブリスター適性が良好で不透明度が高く、印刷光沢が高いことを特徴とする印刷用塗工紙に関するものである。
近年、印刷物のビジュアル化傾向やカラー化が進み、印刷用紙の高品質化の要求が高まってきている。従来から、高級美術印刷、カタログ、パンフレット、カレンダー等においては、印刷仕上がりでの高級感を求められてきており、塗工紙の白さ、白紙面感、印刷光沢、印刷面感に対して、高白色で印刷面感が良好なことが求められている。一方で、輸送および郵便コストの削減などのために用紙の軽量化の要望が強く、軽量化に伴う不透明度低下に対する対策要望も多い。これらの品質要望は相反することがあり、白色、平滑性、光沢・面感・軽量化・高不透明度を両立することが求められている。
用紙の軽量化要望には低坪量の用紙を選択することもあるが、密度が同じ低坪量紙を選択すると紙厚が低くなり冊子のボリューム感が損なわれたり、剛度低下で印刷物の手肉感が低下するなどの問題がある。紙厚を高くするために原紙の抄紙工程でパルプ間の繊維間結合を阻害する有機物を原紙に添加する方法等も明示されているが、層間強度低下によるオフ輪印刷でのブリスターが発生しやすい問題があった。
一方で形状を有する軽質炭酸カルシウム(針状、柱状、紡錘状等)を高配合した塗料を塗工すると、白紙光沢度、不透明度、白色度に優れる塗工紙が得られることが知られている。しかし、これら形状を有する軽質炭酸カルシウムを高配合すると、塗料のハイシェア粘度が高くなることや塗工液の保水性が低下することなどの影響と考えられるが、ブレード塗工方式では、ブレードの刃先にストラグマイトやブリーディングが発生し、紙面にストリークなどの欠陥が多くなる問題が発生する。ストリーク対策として低速塗工することも可能であるが作業性や生産効率が低下するために好ましくない。
針状、柱状、いがぐり状などの形状を有する炭酸カルシウムを塗工顔料として用いる既存技術は、例えば長径が3μm以上、100μm以下で、短径が0.3μm以上、4μm以下の針状炭酸カルシウムを塗料に顔料として10重量%以上含有する方法(特許文献1参照)、長径/短径=5〜10である針状炭酸カルシウムを全顔料に対して10〜40重量%含有した塗工液を塗布する方法(特許文献2参照)が挙げられる。しかし、これらの技術では、ブレード塗工方式での高速操業性が劣るのみならず、低密度、不透明度、印刷光沢度を両立する改善することができなかった。また、いがぐり状の軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕した軽質炭カルを60〜95重量%、接着剤として平均粒径50〜90nmである共重合ラテックスを含有することを特徴とする印刷用塗工紙(特許文献3参照)がある。しかし、この方法はブレードでの高速塗工適性(ハイシェア粘度・保水性・断紙)を改善するために顔料スラリー濃縮設備が必要となることや、特に塗工量が低い領域では断紙が発生しやすいなど、操業性・生産性が低下する問題があった。
特開平7-166493公報 特開平7-216791号公報 特開2001-262492号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を有する印刷用塗工紙において、不透明度が高く、低密度でオフセット輪転印刷機でのブリスター適性に優れており、且つ、印刷光沢が高く、白紙面感、印刷面感が良好で、高速塗工適性が良好なことを特徴とする印刷用塗工紙を提供する。
原紙上に、顔料および接着剤を含有する塗工層を2層以上設けた印刷用塗工紙において、平均粒子径1〜5μmのいがぐり状軽質炭酸カルシウムを全顔料中に20〜80重量%ほど含有した塗工液を、高速塗工適性を良化するためにフィルム転写方式で下塗り層として設けた後、ブレード塗工方式で上塗り層を設ける印刷用塗工紙。
本発明により、不透明度が高く、低密度でオフセット輪転印刷機でのブリスター適性に優れており、且つ、印刷光沢が高く、印刷面感が良好で、高速塗工適性が良好なことを特徴とする印刷用塗工紙を得ることができた。
本発明においては、原紙上に、顔料および接着剤を含有する塗工層を設けるオフセット印刷用塗工紙において、フィルム転写塗工方式で平均粒子径1.0〜5.0μmのいがぐり状の軽質炭酸カルシウムを全顔料中に20〜80重量%ほど含有した塗工層を下塗り層として設けた後、ブレード塗工方式で上塗り層を設けることで、印刷光沢が高く、印刷面感が良好で、高速塗工が可能な印刷用塗工紙、及びその製造方法を得ることができたものである。
本発明の下塗り層で使用するいがぐり状の軽質炭酸カルシウムは、好ましくは短径0.05〜1.0μm、長径0.05〜3.5μmの一次粒子の凝集体、もしくは該凝集体を湿式粉砕したものであるが、平均粒子径は1.0〜5.0μmであることが必要であり、湿式粉砕せずに製造ができ、更には白紙面感が良好な2.5〜4.0μmが好ましい。使用する軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が1μm未満の場合は、塗工層が密となり、塗工紙の密度が上昇するために好ましくない。また、平均粒子径が5μmを超える場合は白紙光沢が低下するために好ましくない。さらには、針状、柱状、紡錘状等の形状の軽質炭酸カルシウムはいがぐり状よりも、塗工紙が高密度、低不透明度となるために好ましくない。また、いがぐり状の軽質炭酸カルシウムは、柱状、針状や紡錘状の形状の軽質炭酸カルシウムよりも、塗工層に空隙が多く、塗工紙の透気抵抗度が低くなり、オフセット輪転印刷でのブリスター適性が向上し、更には、塗工層に空隙が多くなるため、塗工紙が低密度化すると考えられる。尚、本発明の平均粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザー2000)で求めた値である。また、下塗り層で使用するいがぐり状の軽質炭酸カルシウムは、下塗り層の全顔料中の20〜80重量%使用する必要があり、好ましくは40〜60重量%である。
20重量%未満の場合は、良好な白紙面感、高不透明度を達成するための十分な効果をえることが難しい。また、80重量%を超える場合は、白紙光沢度の低下や印刷表面強度が低下するので好ましくない。
本発明は、いがぐり状の軽質炭酸カルシウムを主成分とする下塗り層をフィルム転写方式で塗工する必要がある。これにより、フィルム転写方式の高速塗工適性が向上し、ブレードよりも輪郭塗工方式に近いフィルム転写式で原紙に塗工することにより塗工量ムラが少なく良好な白紙面感を達成した下塗り塗工紙を得ることができる。また、高白紙光沢度を向上するために、上塗り層はフィルム塗工方式よりも良好な塗工紙平滑性と高白紙光沢発現性を得ることができるブレード塗工方式で塗工する必要がある。下塗り層に原紙被覆性が良好ないがぐり状軽質炭酸カルシウムを含む塗料をフィルム転写方式で塗工することで良好な面感を達成して、上塗り層は光沢発現性が良いブレード塗工方式で塗工することにより、特に、高速塗工において良好な面感と高白紙光沢度を高度に両立することが可能となる。
本発明の下塗り層で使用するいがぐり状の炭酸カルシウムは、炭酸ガス法、苛性化法等で製造するものを使用することができる。高白色度、高不透明度をより向上させるためには、炭酸ガス法で合成されたいがぐり状軽カルを使用することが好ましい。
また、本発明の下塗り層で使用する顔料は、前記の軽質炭酸カルシウム以外に特に規定するものではなく、製紙用としてごく一般的に使用される重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、サチンホワイト、シリカ、二酸化チタンなどの無機顔料やプラスチックピグメント、ポリスチレン、尿素樹脂などの有機顔料が挙げられ、これらの顔料のなかから1種以上を前記記載の軽質炭酸カルシウムと併用しても良い。
本発明の下塗り層で使用する接着剤の種類としては、製紙用として一般的に使用されるスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックスあるいはその変成物が使用され、これら重合体のモノマーとしては、スチレン、ブタジエンのほか、メチルメタアクリレート他ビニル系不飽和カルボン酸エステル化合物やアクリロニトリル等その他ビニル化合物、あるいはアクリル酸、マレイン酸等ビニル系不飽和カルボン酸等が挙げられる。また、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、エーテル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酵素変成澱粉や冷水可溶性澱粉、カゼイン、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性天然高分子系の接着剤を併用しても良い。
本発明の下塗り層で使用する接着剤の配合量は、顔料100部に対して5〜50重量部が好ましく、より好ましくは10〜30重量部である。接着剤の配合量が5重量部未満の場合には印刷表面強度が低下するために好ましくない。また、50重量部を越える場合には塗工層に含まれる顔料分が減少するため軽質炭酸カルシウムを配合した効果を十分に得ることが難しい。
また、本発明の上塗り層で使用する顔料は、下塗り層のような規定はなく、製紙用としてごく一般的に使用される重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、サチンホワイト、シリカ、二酸化チタンなどの無機顔料やプラスチックピグメント、ポリスチレン、尿素樹脂などの有機顔料が挙げられ、これらの顔料のなかから1種以上を使用することができる。白紙光沢度向上の点から顔料100重量部あたりカオリンを50重量部以上含有することが好ましく、より好ましくは75重量部以上である。
本発明の上塗り層で使用する接着剤の種類としては、製紙用として一般的に使用されるスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン・ブタジエン・アクリル共重合体ラテックスあるいはその変成物が使用され、これら重合体のモノマーとしては、スチレン、ブタジエンのほか、メチルメタアクリレート他ビニル系不飽和カルボン酸エステル化合物やアクリロニトリル等その他ビニル化合物、あるいはアクリル酸、マレイン酸等ビニル系不飽和カルボン酸等が挙げられる。また、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、エーテル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酵素変成澱粉や冷水可溶性澱粉、カゼイン、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性天然高分子系の接着剤を併用しても良い。本発明のトップ層で使用する接着剤の配合量は、顔料100部に対して5〜50重量部が好ましく、より好ましくは5〜30重量部である。接着剤の配合量が5重量部未満の場合には印刷表面強度が低下するために好ましくない。また、50重量部を越える場合には塗工層に含まれる顔料を配合した効果を十分に得にくくなる。
また、下塗り層、上塗り層を設けるための塗工液には分散剤、増粘剤、消泡剤、耐水化剤、保水剤など製紙用としてごく一般に使用される各種助剤を使用しても構わない。これらの中でも、アクリル系後薄い保水剤は塗工液の保水性が良好になり面感が良好になるために好ましい。
本発明における原紙は、パルプ、填料と各種助剤から成る。パルプとしては、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を単独、あるいは任意の比率で混合して用いることができる。
また、本発明においては、原紙に用いる填料として、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、無定型シリケート、無定型シリカ、酸化チタン、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合体、合成樹脂填料等の公知の填料を独あるいは2種類以上を混合して使用することができる。填料の配合量はパルプ重量に対して1〜30重量%程度であり、好ましくは3〜20重量%である。また、必要に応じて通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤、柔軟化剤、嵩高剤(低密度化剤)、歩留まり向上剤などを、本発明の効果を阻害しない範囲で、紙料に添加し抄紙することができる。
原紙の抄紙方法については、特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであっても良い。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード等を用いて、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用可能である。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m2程度のものが使用され、より好ましくは30〜150g/m2である。
塗工原紙に調整された塗工液は、下塗り層はフィルム転写方式で塗工されるが、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのフィルム転写方式であればその転写方式は特に限定されるものではないが、高速塗工適性の点からロッドメタリングサイズプレスコータが好ましい。上塗り層は、バリデュエルコーター、ショートデュエルコーターなどのブレードコーターであればその方式は特に限定されるものではない。また、上塗り層は、必要に応じて2層以上塗工することもできる。
本発明の塗工量は、下塗り層は原紙片面あたり1〜8g/m2の範囲で調整するのが好ましいが、1〜4g/m2の範囲が特に好ましい。下塗り層は、塗工速度が800m/分以上、より好ましくは、塗工速度が1300m/分を超える高速でも操業性が優れる。一方、上塗り層の塗工量はアンダー塗工紙の片面あたり4〜24g/m2の範囲で調整するのが好ましいが、4〜12g/m2の範囲がより好ましく、6〜10g/m2の範囲が特に好ましい。なお、上塗り層は塗工速度が1400m/分以上の高速でも操業性が優れる。
湿潤した塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
以上のようにして得られた塗工紙は、塗工後のカレンダー処理において金属ロールの表面温度100℃以上の高温で処理することが好ましい。
本発明においては、少なくとも弾性ロールと100℃以上に加熱された金属ロールからなるカレンダーで1ニップ以上処理して仕上げることが好ましく、白紙光沢度を高くし、塗工紙の細孔容積の減少を抑えてバランス良く品質を向上させるために、100℃以上の金属ロールと弾性ロールからなるカレンダー処理は2〜8ニップが好ましく、より好ましくは2〜6ニップである。また、金属ロールの表面粗さは、JIS B0651で定義される表面粗さ(Rz:十点平均表面粗さ)の値が0.1〜15μmが好ましい。金属ロールの表面温度としては、より好ましくは120℃以上であり、上限の温度としては250℃が好ましい。処理線圧は、50〜300kN/mが好ましく、より好ましくは50〜200kN/mである。また、弾性ロールの材質は特に限定するものではないが、耐熱性に優れる変性ウレタン系、エポキシ系、ポリエーテル系等のプラスチックから成るものが好ましい。また硬度は、耐熱、耐圧、耐久性の良いショア硬度D80〜94のものを使用することが望ましい。
本発明においてのカレンダー処理の形態としては、少なくとも金属ロールと弾性ロールからなる一対以上のもので処理される。多段処理の場合、例えば、金属ロールと弾性ロールの2ロールからなるタンデムタイプのものを並行に複数設けて処理することができる。あるいは弾性ロールと金属ロールが床面に対して垂直あるいは斜めに複数個設けても良い。
本発明においては、塗工紙の坪量が50〜160g/m2の範囲が好ましく、特に50〜100g/m2の範囲において本発明の効果が顕著である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するがこれらによって本発明は何ら制約を受けるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部、重量%を示しており固形分換算の値である。得られた塗工紙について以下に示す方法に基づいて評価した。
〈評価方法〉
(1)顔料の平均粒子径:レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザー2000)を用いて、体積累積分布の50%点を平均粒子径とした。
(2)坪量:JIS P 8124:1998に従った。
(3)紙厚:JIS P 8118:1998に従った。
(4)密度:JIS P 8118:1998に従った。
(5)不透明度:JIS P 8149:2000に従った。
(6)白紙光沢度:JIS P 8142:1993に従った。
(7)印刷光沢度:ローランド社製4色枚葉印刷機(R304)により、枚葉プロセス印刷用インキ(東洋インキ製:ハイユニティーネオ M)で、印刷速度8000枚/時で、ベタ濃度(墨/藍/紅/黄=1.85/1.60/1.50/1.40)にて、片面4色印刷した。印刷物を10時間程度放置したのち、JIS P 8142:1993に従い、墨ベタ部印刷面の光沢を評価した。
(8)白紙面感:塗工量ムラに影響される光沢ムラなど白紙面感を、4段階で目視評価した。
◎:きわめて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(9)耐ブリスター性:
白紙を高温のシリコーンオイル中に入れる。その際、シリコーンオイルの温度を100〜250℃まで変化させ火ぶくれが発生するときの温度で耐ブリスター性を評価する。
耐ブリスター性が良好な方から、以下の4段階で目視評価した。
◎:きわめて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(10)操業性:ブレードコーターの高速塗工適性
バリデュエル式のブレードコーターにより1400m/minの高速塗工を行い、ブレード刃先に発生するストラグマイトやブリーディング、紙面欠陥(ストリーク)を目視で評価した。
◎:操業性がきわめて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(11)操業性:フィルム転写式コーターの高速塗工適性
ロッドメタリング式のフィルムコーターにより1400m/minの高速塗工を行い、紙面欠陥を目視で評価した。
◎:操業性がきわめて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(12)印刷表面強度
RI-II型印刷試験機にて、東洋インキ製造製SMXタックグレード10、15、20(墨)インキを使用し、ドライでの表面強度を4段階で目視評価した。
◎:極めて優れる、○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り


[実施例1]
下塗り層の顔料として、重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.58μm)50部(固形分)、炭酸ガス法で合成されたいがぐり状軽質炭酸カルシウムスラリー (平均粒子径3.5μm)50部(固形分)に対して、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合ラテックスを4部、ヒドロキシエチル化澱粉(ペンフォード社製 PFG295)を20部配合して、さらに水を加えて固形分濃度35%とする塗工液1を得た。
上塗り層の顔料として、微粒カオリンスラリー(ヒューバー社製 ハイドラグロス、平均粒子径0.3μm) 100部(固形分)に対して、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスを6.0部配合、ヒドロキシエチル化澱粉(ペンフォード社製PFG295)を8部配合して固形分濃度が61%になる塗工液2を得た。
塗工原紙は、化学パルプを100%、填料として軽質炭酸カルシウムを11%含有した密度0.74g/cm3で坪量72.5g/m2の上質紙を用いた。
上記原紙に、塗工液1をロッドメタリングサイズプレスで片面辺りの塗工量が3.5g/m2になるように両面塗工・乾燥して、アンダー塗工紙とした。次に、塗工液2をブレードコーターで片面あたりの塗工量が7.5g/m2となるように両面塗工・乾燥して塗工紙を得た。
更に、ショアD硬度91°の弾性ロールを有する2ロール・4スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、処理速度1400m/min、1〜4ニップすべてが金属ロール表面温度120℃、線圧200kN/mの条件でカレンダー処理した。

[実施例2]
実施例1において下塗り層に配合された重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.5μm)50部、炭酸ガス法で合成されたいがぐり状の軽質炭酸カルシウム(平均粒子径3.5μm)50部配合した代わりに、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.58μm)50部配合、苛性化法で合成されたいがぐり状の軽質炭酸カルシウム(平均粒子径3.5μm)50部配合した以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において下塗り層に配合された重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.5μm)50部、いがぐり状の軽質炭酸カルシウム(平均粒子径3.5μm)50部配合した代わりに、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.58μm)100部配合した以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において下塗り層の塗工方式をロッドメタリングサイズプレスからブレードコーターに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において使用した下塗り層に配合された重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.5μm)50部、いがぐり状の軽質炭酸カルシウム(平均粒子径 3.5μm)50部の代わりに、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97 平均粒子径0.5μm)50部、炭酸ガス法で合成されたいがぐり状の軽質炭酸カルシウム(平均粒子径 6.0μm)50部を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において使用した下塗り層に配合された重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.5μm)50部、いがぐり状軽質炭酸カルシウム(平均粒子径 3.5μm)50部の代わりに、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.5μm)50部、炭酸ガス法で合成したのち湿式粉砕を行なったいがぐり状軽質炭酸カルシウムを(平均粒子径0.7μm)50部を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。

[比較例5]
実施例1において使用した下塗り層に配合された重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製 FMT97、平均粒子径0.5μm)50部、いがぐり状軽質炭酸カルシウム(平均粒子径 3.5μm)50部の代わりに、いがぐり状軽質炭酸カルシウム(平均粒子径3.5μm)100部を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて印刷用塗工紙を得た。
結果を表1に示した。
Figure 0005016353

表1の結果より、実施例1、2は、不透明度が高く、低密度でオフ輪印刷でのブリスター適性に優れており、且つ、印刷光沢が高く、印刷面感が良好で、高速塗工適性が良好なことを特徴とする印刷用塗工紙を提供する。

比較例1は、密度が高く表面性に劣っており、不透明度が低くブリスター適性が劣る。
比較例2は、塗工時における高速操業性が著しく劣っており、連続して操業することが難しく、更には白紙面感が劣る。比較例3は、白紙光沢度が低く、印刷での表面強度が弱い。
比較例4は、密度が高く、ブリスター適性に若干劣っている。比較例5は、白紙光沢度が低く、印刷での表面強度が弱い。

Claims (1)

  1. 原紙上に、顔料および接着剤を含有する塗工層を2層以上設けた印刷用塗工紙において、フィルム転写塗工方式で平均粒子径1.0〜5.0μmのいがぐり状の軽質炭酸カルシウムを全顔料中に20〜80重量%含有した塗工層を下塗り層として設けた後、ブレード塗工方式で針状、柱状、又はいがぐり状の軽質炭酸カルシウムを含有しない上塗り層を設けてなることを特徴とする印刷用塗工紙。
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