JP2005273109A - 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙 - Google Patents
環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005273109A JP2005273109A JP2004091552A JP2004091552A JP2005273109A JP 2005273109 A JP2005273109 A JP 2005273109A JP 2004091552 A JP2004091552 A JP 2004091552A JP 2004091552 A JP2004091552 A JP 2004091552A JP 2005273109 A JP2005273109 A JP 2005273109A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- ink
- coated paper
- printing
- soybean oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
Abstract
【課題】本発明の目的は、環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙において、石油由来の溶剤の一部あるいは全てを大豆油に置き換えた大豆油インキを使用した場合に、印刷適性が実用上充分で、インキセット性およびインキ受理性に優れたオフセット印刷用塗工紙を提供することである。
【解決手段】原紙の片面または両面に少なくとも顔料とバインダーを含有する塗工層を少なくとも1層以上設けたオフセット印刷用塗工紙において、該塗工層中に含有される顔料の90質量%以上が平均粒子径1.5μm以上であり、全顔料の60質量%以上が、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子であり、バインダーとしてゲル量が50〜85%でありアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いたことを特徴とした環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙である。また前記環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙の密度が0.7〜1.2g/cm3であることを特徴とする印刷用塗工紙である。
【選択図】 なし
【解決手段】原紙の片面または両面に少なくとも顔料とバインダーを含有する塗工層を少なくとも1層以上設けたオフセット印刷用塗工紙において、該塗工層中に含有される顔料の90質量%以上が平均粒子径1.5μm以上であり、全顔料の60質量%以上が、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子であり、バインダーとしてゲル量が50〜85%でありアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いたことを特徴とした環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙である。また前記環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙の密度が0.7〜1.2g/cm3であることを特徴とする印刷用塗工紙である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙に関するものであり、さらに詳しくは、石油由来の溶剤の一部あるいは全てを大豆油に置き換えた、大豆油インキを使用した場合に、印刷適性が実用上充分で、インキセット性およびインキ受理性に優れたオフセット印刷用塗工紙に関するものである。
近年、オフセット印刷およびその印刷物の分野では、印刷操業性および印刷品質への要望がますます厳しくなっている。またその一方では、環境への負荷低減が大きなテーマとして注目されている。
オフセット印刷用インキは、原材料として石油由来の溶剤が使用されている。一般的なインキの成分比率は、顔料が20%、ビヒクルが75%、補助剤が5%であり、ビヒクル成分のうち石油溶剤が約30%となっている。これら石油溶剤成分に多く含まれる揮発性有機化合物が、印刷作業環境の汚染や排気による大気汚染、限られた天然資源である石油を消費してしまう点から問題となっており、これまでに石油溶剤の一部を、環境への負荷が少なく循環利用が可能な植物由来の油に置換する試みが広く行われてきた。
なかでも大豆油は、その性能および市場の安定性から、石油溶剤を代替する材料のほとんどを占めており、米国大豆油協会によりインキ成分のうち、輪転用で約7%以上、シート用で約20%以上の大豆油を使用したものが、大豆油インキとして認定されており、その使用が促進されている。
しかし、大豆油インキの弱点として、インキセット性およびインキ受理性の低下が挙げられる。石油溶剤はその揮発性により優れたインキセット性を示すが、大豆油は半乾性であるため、蒸発よりも油が重合することによりインキセットが進行する。このため、大豆油の割合が大きくなるほど乾燥に必要となる時間または熱量が大きくなり、印刷作業性の低下あるいは印刷欠陥であるブリスターやヒジワが発生するといった問題がある。大豆油溶剤は石油溶剤に比べ、塗工層に使用される顔料への親和性が低く、大豆油インキを使用した場合、インキ受理性が低下する点も問題である。
これら大豆油インキを使用したときにおこる印刷操業性低下の問題を解決するために、印刷用塗工紙の塗工層に微細なカオリンを多用し、かつ印刷用塗工紙表面の平滑度および透気度を高くする方法が提案されている(例えば、特許文献1)。前記方法は、簡便に、大豆油インキを使用したときのインキセット性を向上させる手法であるが、インキ受理性の低下は充分に解決されていない。また、近年、開発し販売されるに至ったインキ溶剤の大部分(6〜10割)が大豆油である大豆油インキを用いた場合、インキセット性の低下を抑制する効果が不充分であり、問題の解決には至っていない。
また、大豆油インキを使用したときにおこるインキセット性およびインキ受理性の低下を解決する方法として、印刷用塗工紙の塗工層に使用される顔料として、大豆油との親和性が高い顔料を用いる手法が考えられる。印刷用塗工紙に、顔料としてイガグリ状軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕することにより得られた軽質炭酸カルシウムを全顔料中に60〜95重量%、バインダーとして平均粒子径が50〜90nmである合成樹脂ラテックス粒子を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2)。前記方法は、簡便に、インキ受理性を向上させる手法であるが、インキ溶剤の大部分が大豆油である大豆油インキを用いた場合、インキセット性の低下を抑制する効果が不充分であり、また塗工層に用いる合成樹脂ラテックス粒子によってはドライ強度が不充分であり、印刷適性が実用上充分とならず、問題の解決には至っていない。
特開2002−317397号公報
特開2001−262492号公報
したがって、本発明の目的は、環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙において、石油由来の溶剤の一部あるいは全てを大豆油に置き換えた大豆油インキを使用した場合に、印刷適性が実用上充分で、インキセット性及びインキ受理性に優れたオフセット印刷用塗工紙を提供することである。
本発明者らが前述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、顕著に効果が確認された印刷用塗工紙を提供する方法を見出し、遂に本発明を完成するに至った。
即ち、本発明における印刷用塗工紙は、原紙の片面または両面に少なくとも顔料とバインダーを含有する塗工層を少なくとも1層以上設けたオフセット印刷用塗工紙において、該塗工層中に含有される顔料の90質量%以上が平均粒子径1.5μm以上であり、全顔料の60質量%以上が、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子であり、バインダーとしてゲル量が50〜85%でありアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いたことを特徴とした環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙である。
また前記印刷用塗工紙において、印刷用塗工紙の密度が0.7〜1.2g/cm3であることを特徴とする印刷用塗工紙である。
本発明により、環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙において、石油由来の溶剤の一部あるいは全てを大豆油に置き換えた大豆油インキを使用した場合に、印刷適性が実用上充分で、インキセット性およびインキ受理性に優れたオフセット印刷用塗工紙を提供することができる。
以下、本発明の印刷用塗工紙について、詳細に説明する。
本発明は、インキ溶剤の大部分を大豆油で置換した大豆油インキを用いた場合においても、インキセット性およびインキ受理性に優れたオフセット印刷用塗工紙に関するものであるが、我々が調査したところ、インキ溶剤の大部分を大豆油で置換した大豆油インキを用いた場合、インキセット性およびインキ受理性の低下を抑制する効果が不充分となる要因は、印刷用塗工紙の表面から内部に発生する塗工層毛細管が、大豆油インキの溶剤をセットするのに適した大きさを維持していないとともに、印刷用塗工紙の塗工層が大豆油インキの溶媒を吸収するのに適した吸油量を保持していないこと、つまり大豆油インキに対する親和性が低いことに起因することが明らかとなった。
すなわち印刷用塗工紙の塗工層毛細管によるインキ溶剤吸収の機構は、既知であるLucas−Washburn式に従って、数式1で示される。インキ溶剤の大部分を大豆油で置換した場合、インキ溶剤の粘度ηが高くなり、塗工層毛細管壁を形成する顔料および合成樹脂ラテックス粒子との親和性が低くなる。このために塗工層毛細管吸収方向に働く力γcosθが小さくなり、経過時間tを一定としたときのインキ溶剤吸収量が減少する、つまりインキセット性が低下する。
h=(rγcosθt/2η)1/2 (数式1)
h:インキ溶剤吸収量
r:塗工層毛細管の半径
γ:インキ溶剤の表面張力
θ:インキ溶剤の塗工層毛細管壁に対する接触角
t:経過時間
η:インキ溶剤の粘度
h=(rγcosθt/2η)1/2 (数式1)
h:インキ溶剤吸収量
r:塗工層毛細管の半径
γ:インキ溶剤の表面張力
θ:インキ溶剤の塗工層毛細管壁に対する接触角
t:経過時間
η:インキ溶剤の粘度
このため、本発明では塗工層毛細管の半径rを大きくするとともに、塗工層に含有する顔料および合成樹脂ラテックス粒子を大豆油と充分な親和性を持つ材料とし塗工層毛細管吸収方向に働く力γcosθを大きくすることによって、大豆油を溶剤に多用した場合のインキセット性の低下を解決する。
本発明は、塗工層に含有する顔料および合成樹脂ラテックス粒子を大豆油と充分な親和性を持つ材料とすることによって、大豆油を溶剤に多用した場合のインキ受理性の低下を解決する。
また、本発明は、インキ溶剤の大部分を大豆油で置換した大豆油インキを用いた場合においても、印刷適性が実用上充分であるオフセット印刷用塗工紙に関するものであるが、我々が調査したところ、印刷用塗工紙のドライ強度低下の要因は、塗工層毛細管の大きさと、塗工層に含有される合成樹脂ラテックス粒子のゲル量とアクリロニトリル成分に起因することが明かとなった。
そこで、本発明の印刷用塗工紙は、塗工層中に含有される顔料の90質量%以上が平均粒子径1.5μm以上とし、全顔料の60質量%以上を、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子とし、バインダーとしてアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いることによって、印刷用塗工紙の塗工層毛細管を、大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさに維持することを可能とした。
また、本発明の印刷用塗工紙は、塗工層中に含有される全顔料の60質量%以上をアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子とし、バインダーとしてアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いることによって、印刷用塗工紙の塗工層毛細管の大豆油インキに対する親和性を大きくすることを可能とした。
また、本発明の印刷用塗工紙は、塗工層中に含有されるバインダーとしてゲル量が50〜85%でありアクリロニトリル成分が5〜20質量%である合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いることによって、印刷用塗工紙の塗工層毛細管を大きくした場合にも、印刷用塗工紙のドライ強度の低下を抑制することを可能としたものである。
さらに、本発明の印刷用塗工紙は、印刷用塗工紙の密度を0.7〜1.2g/cm3にすることによって、印刷用塗工紙の塗工層毛細管を、大豆油インキの溶媒をセットするのに最も適した大きさに維持することを可能とした。
ところで、ここで挙げる大豆油インキとは、インキ成分のうち、シート式用で18質量%以上、輪転式用で6質量%以上の大豆油を配合するものを指す。大豆油の配合比率がこれらを下回る場合は、印刷作業環境の汚染や排気による大気汚染が無く、限られた天然資源である石油を消費してしまうことが無いという大豆油インキの利点は損なわれる場合がある。
本発明に用いられる顔料は、全顔料の90質量%以上を平均粒子径1.5μm以上としたものである。全顔料の90質量%以上を平均粒子径1.5μm以上とすることで、塗工層毛細管を大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさにする。全顔料の90質量%より少ない場合、および平均粒子径を1.5μmより小さくした場合、塗工層毛細管が大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさにならず、インキセット性の改善は行われない。
本発明に用いられるアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子以外の顔料において、特に制限は無く、各種クレー、カオリン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルクおよびプラスチックピグメントなど、適宜用いることができ、何らこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられるアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子において、製造方法、アラゴナイト系柱状炭酸カルシウムの短径および長径、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子の粒子径など特に制限は無く、適宜用いることができるが、塗工層毛細管を大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさとするためアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子の平均粒子径は1.5〜6.0μmであることが好ましい。例えば、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムとして白石工業製カルライトKTが挙げられる。
本発明に用いられるアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子において、必要であれば湿式粉砕処理を用いることが出来る。湿式分酸処理法は特に限定されるものではないが、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミルなどの湿式媒体攪拌式粉砕機を用いるのが好ましい。これらは、スラリー中の粒子を、例えばビーズのような粉砕媒体を用いて微粉砕する湿式粉砕機である。使用機器の形式、ディスク、粉砕媒体の材質、粉砕媒体の大きさ、粉砕媒体の充填率、スラリーの処理量などの条件は、適宜調整して構わないが、好ましくはアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子の比表面積の大きさ、および吸油性の高さを低下させないため、湿式粉砕処理を用いないことが望ましい。
アラゴナイト系柱状炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子は、比表面積が大きく、吸油性が非常に高いため、塗工層に含有される全顔料の60質量%以上用いることで、塗工層毛細管を大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさにするとともに、大豆油インキに対する親和性を大きくする。塗工層に含有される全顔料の60質量%より少なく用いた場合、塗工層毛細管の大豆油インキに対する親和性が充分とならず、インキセット性の改善およびインキ受理性の改善は行われない。
本発明の合成樹脂ラテックス粒子として、ゲル量が50〜85%でありアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子(以下、本発明の合成樹脂ラテックス粒子と言う)を全顔料に対して8〜20質量%用いることで、印刷用塗工紙のドライ強度の低下を抑制するとともに、インキセット性の改善およびインキ受理性の改善を行う。
塗工層中に用いる合成樹脂ラテックス粒子のゲル量が50%より少ない場合、顔料結合力は充分で無く、印刷用塗工紙のドライ強度の低下を抑制出来ない。合成樹脂ラテックス粒子のゲル量が85%より多い場合、合成樹脂ラテックス粒子が塗工層毛細管を被覆する割合が大きくなり、塗工層毛細管の大豆油インキに対する親和性が充分とならず、インキセット性の改善およびインキ受理性の改善は行われない。
塗工層中に用いる合成樹脂ラテックス粒子のアクリロニトリル成分が5質量%より少ない場合、顔料結合力は充分で無く、塗工層毛細管が大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさにならず、印刷用塗工紙のドライ強度の低下を抑制出来ず、インキセット性の改善は行われない。合成樹脂ラテックス粒子のアクリロニトリル成分が20質量%より多い場合、塗工層毛細管の大豆油インキに対する親和性が低下し、インキセット性の改善およびインキ受理性の改善が行われない。
塗工層中に用いる合成樹脂ラテックス粒子の平均粒子径が120nmより小さい場合、塗工層毛細管が大豆油インキの溶媒をセットするのに適した大きさにならず、インキセット性の改善は行われない。
本発明の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8質量%より少なく用いた場合、その効果が充分に発揮されず、印刷用塗工紙のドライ強度の低下を抑制出来ず、インキセット性の改善は行われない。本発明の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して20質量%より多く用いた場合、合成樹脂ラテックス粒子が塗工層毛細管を被覆する割合が大きくなり、塗工層毛細管の大豆油インキに対する親和性が充分とならず、インキセット性の改善およびインキ受理性の改善は行われない。
本発明の合成樹脂ラテックス粒子に用いられるアクリロニトリル以外の成分は、何ら限定されるもので無く、スチレン、ブタジエン、メチルメタクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、ビニルトルエン、酢酸ビニルなど、適宜用いることができ、何らこれらに限定されるものではない。
本発明の合成樹脂ラテックス粒子と併用して用いられるバインダーとしては、特に制限は無く、通常の澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフレッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉などの澱粉類、スチレン−ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの各種共重合ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物、ワックス、カゼイン、大豆蛋白などの天然物など、適宜用いることができ、何らこれらに限定されるものではないが、インキセット性およびインキ受理性を低下させないために、大豆油インキに対する親和性があまり低くないものが好ましい。
本発明において塗工液中に、必要に応じて、消泡剤、耐水化剤、着色剤、増粘剤、保水剤などの通常塗工紙を作成する上で使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものを適宜用いることができる。
本発明において用いられる原紙としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGWRMP、TMP、CTMP、CGPなどの機械パルプ、および故紙パルプなどの各種パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などの各種配合剤を好適に配合し、酸性、中性、アルカリ性のいずれかでも抄造できる。
本発明の原紙においては、ノーサイズプレス原紙、あるいは澱粉、ポリビニルアルコールなどでサイズプレスされた原紙などを適宜用いることができ、何らこれらに制限されるもので無い。また、必要とする原紙の密度、平滑度を得る為に各種カレンダー処理を施す場合もある。一連の操業で、塗工、乾燥された印刷用塗工紙は、必要に応じて各種カレンダー処理が施される。
本発明におけるカレンダー処理は、印刷用塗工紙の密度を0.7〜1.2g/cm3とする範囲のものが望ましい。印刷用塗工紙の密度が0.7〜1.2g/cm3である場合、本発明の合成樹脂ラテックス粒子が塗工層毛細管を被覆する割合も最も理想的であり、塗工層毛細管が大豆油インキの溶媒をセットするのに最も適した大きさであり、インキセット性およびドライピック強度がより優れる。
本発明において、印刷用塗工紙を製造する際の塗工方式は特に限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロール、シムサイザーなどの各種メタードフィルムトランスファー、エアナイフ、ロッド、ダイレクトファウンテン、ブレードなど各方式を適宜使用して構わないが、より良好な印刷適性を有する塗工紙を製造するには、ブレード方式によって塗工されるのが好ましい。
本発明の印刷用塗工紙において、塗工層の乾燥後の質量としては特に限定されるものではないが、通常1〜20g/m2、好ましくは2〜15g/m2である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の部および%はそれぞれ質量部および質量%を示し、固形分で表したものである。
顔料組成物の調整は以下のようにして行った。顔料に少なくとも1種類以上の分散剤を添加し、水中で、コーレスミキサーを用いて一次分散を行った(6400rpm、周速25m/s)。これを顔料スラリーとした。
各物性については次の通りである。キャピラリー粘度は、ACA Systems Oy社製「ACAV」を使用し、測定条件としては、圧力200MPa、キャピラリー内径0.5mmで行った。
原紙は以下のような配合で調整し、坪量70g/m2の原紙を抄造した。
<原紙配合>
LBKP(濾水度440mlcsf) 70質量部
NBKP(濾水度490mlcsf) 30質量部
<原紙配合>
LBKP(濾水度440mlcsf) 70質量部
NBKP(濾水度490mlcsf) 30質量部
<内添薬品>
軽質炭酸カルシウム(原紙中灰分で表示) 6質量部
市販カチオン化澱粉 1.0質量部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤 0.03質量部
軽質炭酸カルシウム(原紙中灰分で表示) 6質量部
市販カチオン化澱粉 1.0質量部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤 0.03質量部
この原紙に対して、サイズプレスで0.30g/m2の酸化澱粉を付着させ、塗工用原紙を得た。
印刷用塗工紙の製造に当たって、以下のような配合の塗工液を調整した。
<塗工液>
顔料スラリー 100質量部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1質量部
市販リン酸エステル澱粉 3質量部
水酸化ナトリウム pH9.6に調整
調整水 適宜
<塗工液>
顔料スラリー 100質量部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1質量部
市販リン酸エステル澱粉 3質量部
水酸化ナトリウム pH9.6に調整
調整水 適宜
アラゴナイト系柱状炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子は、平均粒子径2.3μmの白石工業製カルライトKTを用い、必要に応じてダイノーミル湿式媒体攪拌式粉砕機を用い、湿式粉砕処理を施した。
印刷用塗工紙の製造は以下のようにして行った。上記のようにして製造した塗工用原紙に対して、ファウンテンアプリケーション/ブレードコーターを用いて、塗工速度1600m/分で、下記のそれぞれの実施例、比較例における配合からなる固形分濃度64質量%の塗工液を、片面15g/m2塗工し、乾燥して塗工層を設けた印刷用塗工紙を得た。得られた塗工紙をそれぞれの実施例、比較例における線圧にて、スーパーカレンダー仕上げ装置(段数:10段、剛性ロール:外径400mmのチルドロール、弾性ロール:外径400mmのコットンロール)を用いてカレンダリング処理を施し、印刷用塗工紙を製造した。
各実施例、比較例における配合からなる塗工液を用いて製造した印刷用塗工紙の物性評価は以下の方法で行った。
<評価方法>
1)印刷適性
RI印刷適性試験機を用い、試験片に一定量の墨色大豆油インキ(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンナチュラリス100、インキ溶剤の100%が大豆油)を用い、高速回転にて印刷を施した後、印刷面のピッキングの程度を大豆油インキにおけるドライ強度として1〜10点の範囲で目視評価を行った。10点は紙剥けがまったく無くドライ強度が非常に良好であることを示し、1点は全面が紙剥けしドライ強度が不良であることを示す。ただし本発明においては、8点以上を発明の対象とした。
1)印刷適性
RI印刷適性試験機を用い、試験片に一定量の墨色大豆油インキ(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンナチュラリス100、インキ溶剤の100%が大豆油)を用い、高速回転にて印刷を施した後、印刷面のピッキングの程度を大豆油インキにおけるドライ強度として1〜10点の範囲で目視評価を行った。10点は紙剥けがまったく無くドライ強度が非常に良好であることを示し、1点は全面が紙剥けしドライ強度が不良であることを示す。ただし本発明においては、8点以上を発明の対象とした。
2)インキセット性
RI印刷機を用い、試験片に一定量の藍色大豆油インキ(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンナチュラリス100、インキ溶剤の100%が大豆油)を用い、印刷を施した後、30秒の間隔をおいて、別に用意したオフセット印刷用塗工紙に転写し、その転写度合いをインキセット性として1〜10点の範囲で目視評価を行った。評価基準を以下に示す。ただし本発明においては、7点以上を発明の対象とした。
9〜10点:インキセット性が優れる
7〜8点:インキセット性がやや優れる
5〜6点:インキセット性が普通
3〜4点:インキセット性がやや劣る
1〜2点:インキセット性が劣る
RI印刷機を用い、試験片に一定量の藍色大豆油インキ(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンナチュラリス100、インキ溶剤の100%が大豆油)を用い、印刷を施した後、30秒の間隔をおいて、別に用意したオフセット印刷用塗工紙に転写し、その転写度合いをインキセット性として1〜10点の範囲で目視評価を行った。評価基準を以下に示す。ただし本発明においては、7点以上を発明の対象とした。
9〜10点:インキセット性が優れる
7〜8点:インキセット性がやや優れる
5〜6点:インキセット性が普通
3〜4点:インキセット性がやや劣る
1〜2点:インキセット性が劣る
3)インキ受理性
RI印刷適性試験機を用い、試験片に一定量の亜麻仁油を転写し、一定量の藍色大豆油インキ(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンナチュラリス100、インキ溶剤の100%が大豆油)を用い印刷を施した後、印刷濃度を1〜5点の範囲で目視評価を行った。評価基準を以下に示す。ただし本発明においては、3点以上を発明の対象とした。
5点:インキ受理性が非常に良好
4点:インキ受理性が良好
3点:インキ受理性が普通
2点:インキ受理性が不良
1点:インキ受理性が非常に良好
RI印刷適性試験機を用い、試験片に一定量の亜麻仁油を転写し、一定量の藍色大豆油インキ(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンナチュラリス100、インキ溶剤の100%が大豆油)を用い印刷を施した後、印刷濃度を1〜5点の範囲で目視評価を行った。評価基準を以下に示す。ただし本発明においては、3点以上を発明の対象とした。
5点:インキ受理性が非常に良好
4点:インキ受理性が良好
3点:インキ受理性が普通
2点:インキ受理性が不良
1点:インキ受理性が非常に良好
(実施例1)
顔料スラリーとして、平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン30質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた。合成樹脂ラテックス粒子としてゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を全顔料に対して14質量%用いた。得られた塗工紙を線圧240kN/mにてスーパーカレンダー処理を施し、得られた密度1.3g/cm3の印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
顔料スラリーとして、平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン30質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた。合成樹脂ラテックス粒子としてゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を全顔料に対して14質量%用いた。得られた塗工紙を線圧240kN/mにてスーパーカレンダー処理を施し、得られた密度1.3g/cm3の印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で、顔料スラリーとして平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン40質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、顔料スラリーとして平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン40質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1で、顔料スラリーとして平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径2.0μmであることを特徴とする市販一級カオリン30質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、顔料スラリーとして平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径2.0μmであることを特徴とする市販一級カオリン30質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1で、顔料スラリーとして湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT100質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、顔料スラリーとして湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT100質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が50%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が50%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が85%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が85%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が5質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン45.5質量%、ブタジエン45.5質量%、アクリロニトリル5質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が5質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン45.5質量%、ブタジエン45.5質量%、アクリロニトリル5質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が20質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン38質量%、ブタジエン38質量%、アクリロニトリル20質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が20質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン38質量%、ブタジエン38質量%、アクリロニトリル20質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が150nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が150nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して20質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して20質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1で、得られた塗工紙を自重にてスーパーカレンダー処理を施した以外は実施例1と同様にして得られた密度0.7g/cm3の印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、得られた塗工紙を自重にてスーパーカレンダー処理を施した以外は実施例1と同様にして得られた密度0.7g/cm3の印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例1で、得られた塗工紙を線圧220kN/mにてスーパーカレンダー処理を施した以外は実施例1と同様にして得られた密度1.2g/cm3の印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、得られた塗工紙を線圧220kN/mにてスーパーカレンダー処理を施した以外は実施例1と同様にして得られた密度1.2g/cm3の印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で、顔料スラリーとして平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン30質量%、平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン10質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、顔料スラリーとして平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン30質量%、平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン10質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で、顔料スラリーとして、平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径1.4μmであることを特徴とする市販一級カオリン30質量%および湿式粉砕処理を施した平均粒子径1.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示した。
実施例1で、顔料スラリーとして、平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径1.4μmであることを特徴とする市販一級カオリン30質量%および湿式粉砕処理を施した平均粒子径1.3μmであるカルライトKT60質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1で、顔料スラリーとして、平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン40質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT50質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示した。
実施例1で、顔料スラリーとして、平均粒子径0.4μmであることを特徴とする市販微粒カオリン10質量%、平均粒子径1.5μmであることを特徴とする市販一級カオリン40質量%および湿式粉砕処理を施していない平均粒子径2.3μmであるカルライトKT50質量%を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が40%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が40%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が95%であるアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が95%であるアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が0質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン48質量%、ブタジエン48質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が0質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン48質量%、ブタジエン48質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が3質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン46.5質量%、ブタジエン46.5質量%、アクリロニトリル3質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が3質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン46.5質量%、ブタジエン46.5質量%、アクリロニトリル3質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例8)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が25質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン35.5質量%、ブタジエン35.5質量%、アクリロニトリル25質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が25質量%であり平均粒子径が120nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン35.5質量%、ブタジエン35.5質量%、アクリロニトリル25質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例9)
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が100nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で用いた合成樹脂ラテックス粒子に代えて、ゲル量が70%でありアクリロニトリル成分が12質量%であり平均粒子径が100nmである合成樹脂ラテックス粒子(スチレン42質量%、ブタジエン42質量%、アクリロニトリル12質量%、その他酸モノマー4質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例10)
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して5質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して5質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
(比較例11)
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して25質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
実施例1で、合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して25質量%用いた以外は実施例1と同様にして得られた印刷用塗工紙の評価結果を表1に示す。
評価:
実施例1〜13の結果から、石油由来の溶剤の全てを大豆油に置き換えた大豆油インキを使用した場合でも、塗工層中に用いる顔料の90質量%以上を平均粒子径1.5μm以上とし、全顔料の60質量%以上をアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子とし、本発明の合成樹脂ラテックス粒子を用いることで、印刷適性が良好で、インキセット性およびインキ受理性に優れることがわかる。
実施例1〜13の結果から、石油由来の溶剤の全てを大豆油に置き換えた大豆油インキを使用した場合でも、塗工層中に用いる顔料の90質量%以上を平均粒子径1.5μm以上とし、全顔料の60質量%以上をアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子とし、本発明の合成樹脂ラテックス粒子を用いることで、印刷適性が良好で、インキセット性およびインキ受理性に優れることがわかる。
実施例1〜3および比較例1、2の結果から、塗工層に用いる顔料の90質量%以上を平均粒子径1.5μm以上とすることで、インキセット性に優れることがわかる。
実施例1、4および比較例3の結果から、塗工層に用いる顔料の60質量%以上をアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子とすることで、インキセット性およびインキ受理性に優れることがわかる。
実施例1、5、6および比較例4、5の結果から、塗工層に用いる合成樹脂ラテックス粒子のゲル量を50〜85%とすることで、印刷適性が良好でインキセット性およびインキ受理性に優れることがわかる。塗工層に用いる本発明の合成樹脂ラテックス粒子のゲル量を50%より少なくした場合、印刷適性が低下し、85%より多くした場合、インキセット性およびインキ受理性の改善が充分でない。
実施例1、7、8および比較例6〜8の結果から、塗工層に用いる合成樹脂ラテックス粒子のアクリロニトリル成分を5〜20%とすることで、印刷適性が良好でインキセット性およびインキ受理性に優れることがわかる。塗工層に用いる合成樹脂ラテックス粒子のアクリロニトリル成分を5%より少なくした場合、印刷適性が低下し、インキセット性の改善も充分でない。塗工層に用いる合成樹脂ラテックス粒子のアクリロニトリル成分を20%より多くした場合、インキセット性およびインキ受理性の改善が充分でない。
実施例1、9および比較例9の結果から、塗工層に用いる合成樹脂ラテックス粒子の平均粒子径を120nm以上とすることで、インキセット性に優れることがわかる。
実施例1、10、11および比較例10、11の結果から、塗工層に用いる本発明の合成樹脂ラテックス粒子を顔料に対して8〜20質量%とすることで、印刷適性が良好で、インキセット性に優れることがわかる。塗工層に用いる本発明の合成樹脂ラテックス粒子を顔料に対して20質量%より多くすることで、インキセット性の改善が充分でない。
実施例1、12、13の結果から、印刷用塗工紙の密度を0.7〜1.2g/cm3としたときにさらにインキセット性に優れることがわかる。
Claims (2)
- 原紙の片面または両面に少なくとも顔料とバインダーを含有する塗工層を少なくとも1層以上設けたオフセット印刷用塗工紙において、該塗工層中に含有される顔料の90質量%以上が平均粒子径1.5μm以上であり、全顔料の60質量%以上が、アラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ状粒子であり、バインダーとしてゲル量が50〜85%でありアクリロニトリル成分が5〜20質量%である平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックス粒子を全顔料に対して8〜20質量%用いたことを特徴とした環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙。
- 前記環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙の密度が0.7〜1.2g/cm3であることを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004091552A JP2005273109A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004091552A JP2005273109A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005273109A true JP2005273109A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35173077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004091552A Pending JP2005273109A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005273109A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008255501A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用塗工紙 |
JP2008297635A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Daio Paper Corp | クラフト紙 |
-
2004
- 2004-03-26 JP JP2004091552A patent/JP2005273109A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008255501A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用塗工紙 |
JP2008297635A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Daio Paper Corp | クラフト紙 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5114729B2 (ja) | 炭酸カルシウム粒子およびコールドオフセット印刷用新聞用紙 | |
JP6106609B2 (ja) | 印刷用塗工紙およびそれを用いる印刷物製造方法 | |
JP4734926B2 (ja) | 塗工紙 | |
US7208068B2 (en) | Dullish coated paper for printing | |
JP2011080184A (ja) | 再生葉書用紙 | |
JP2009242980A (ja) | 填料内添紙 | |
JP2011122289A (ja) | コールドセット用オフセット印刷用紙 | |
JP2009270211A (ja) | 多層塗り嵩高塗工紙 | |
JP2007204856A (ja) | 印刷用塗被紙 | |
JP5809580B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP4840002B2 (ja) | 印刷用塗被紙およびその製造方法 | |
JP2007262639A (ja) | 印刷用塗工シート | |
JP2008075200A (ja) | 印刷用塗工紙およびその製造方法 | |
JP5276910B2 (ja) | 高不透明塗工紙 | |
JP2005273109A (ja) | 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙 | |
JP2011208299A (ja) | 平版オフセット印刷用塗工紙 | |
JP5265900B2 (ja) | オフセット印刷用紙 | |
JP3751253B2 (ja) | 印刷用紙 | |
JP2012117174A (ja) | コールドセット用オフセット印刷用紙 | |
JP2008127711A (ja) | 軽量塗被紙 | |
JP2002317397A (ja) | 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙および易脱墨性印刷物 | |
JP2009007690A (ja) | 印刷用塗工紙およびその製造方法 | |
JP2012067427A (ja) | 塗工紙 | |
JP2008208468A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2003055893A (ja) | オフセット印刷用塗工紙およびその塗工原紙、並びに該塗工原紙の製造方法 |