JPH09256296A - 印刷用塗工紙の製造方法及び印刷用塗工紙 - Google Patents

印刷用塗工紙の製造方法及び印刷用塗工紙

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JPH09256296A
JPH09256296A JP6358696A JP6358696A JPH09256296A JP H09256296 A JPH09256296 A JP H09256296A JP 6358696 A JP6358696 A JP 6358696A JP 6358696 A JP6358696 A JP 6358696A JP H09256296 A JPH09256296 A JP H09256296A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は生産効率が良好で、不透明
度、剛度及び白紙光沢が高く、印刷適性に優れ、なお且
つ高温でのソフトカレンダー処理によって黄変化による
変色の少ない印刷用塗工紙を得ることである。 【解決手段】 原紙上に、アクリロニトリル1〜30重
量%を単量体の一成分とする、Tgが0〜25℃である
共重合体ラテックスと、顔料とを含有する塗工層を設け
た塗工紙を、少なくとも一対の弾性ロールと金属ロール
からなる高温ソフトカレンダーで処理してなる印刷用塗
工紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、原紙に顔料塗工液を塗
工したあと、高温でソフトカレンダー処理することによ
り黄変化による変色の少ない印刷用塗工紙に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物の視覚化、多色化が進み、
印刷用紙に対する要求も多様化してきており、品質面で
は要求品質の多様化がみられ、これがグレードの細分化
をもたらし、品質要求が年々厳しくなりつつある。塗工
紙の高品質化、印刷物の視覚化、多色化が印刷用塗工紙
にますます強く望まれるようになってきている。
【0003】また印刷方式も輪転オフセット、枚葉オフ
セット及びグラビアの印刷等多種にわたり、高速化が進
んでいる。そのため、それぞれの印刷方式に適合した特
性を持つ印刷用紙の開発が進んでいる。このような状況
の中で塗工紙に対する要求は、印刷の作業性、印刷面品
質に優れ、かつ軽量で不透明度の高いもの等、各種のニ
ーズに対応して、バランス良く品質設計する必要があ
る。
【0004】印刷方式はいろいろあるが、印刷物の品質
の面から考えると白色度、不透明度に加えて平滑
性及び光沢等を有することが必要であり、印刷作業性の
面からは剛度等が塗工紙の品質にとって大切である。
具体的に述べると、 白色度は、印刷時に発色コントラストを得るために品
質上で重要な性質である。
【0005】不透明度は、印刷物の裏面から印刷画像
が透き通って見える現象−裏抜けに関する重要な性質で
ある。
【0006】平滑性及び光沢は、印刷時のインキ転移
性及び印刷品質に影響を与える重要な性質である。
【0007】剛度は高速化、印刷作業性に関連し、紙
の剛度が弱いと腰がなくなり、印刷工程でしばしば問題
を引き起こす原因となる重要な性質である。つまり紙積
み時の突き揃えや給紙が正しく行われず、印刷時の見当
が狂いやすくなる。
【0008】また、輪転オフセット印刷の場合、他の印
刷方式と異なり高温、高速乾燥機中で印刷されたインキ
を瞬間的に乾燥させることが必要であるため耐ブリスタ
ー適性を備えた、より高度な性能が要求される。ブリス
ターとは、塗工紙内の通気性が劣るとき、塗工紙内の含
有水分が乾燥によって瞬間的に発生した水蒸気が抜け
ず、内部圧を生じることにより塗工紙表面に火膨れを発
生する現象である。
【0009】一方塗工紙生産の立場からは、いかに生産
効率を上げるかが以前にも増して最も重要な課題になっ
てきている。塗工紙を生産する場合に、抄紙、塗工、そ
して通常仕上げ工程として、平滑化および光沢を出すた
めにカレンダー掛けが行われる。塗工紙を製造する場合
に、仕上げ工程のカレンダー掛けは生産効率に大きな影
響を及ぼす要因の一つである。
【0010】カレンダー処理には多くの方法があるが、
それぞれのカレンダー仕上げ方法で生産効率、また得ら
れる塗工紙の白色度、不透明度、剛度、光沢度、平滑性
等は大きく異なる。通常用いられるカレンダー仕上処理
は、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、グロスカ
レンダー、ソフトカレンダー処理である。
【0011】1.マシンカレンダー仕上げは通常、塗
工、乾燥に引き続きカレンダー掛けが行われる、いわゆ
るオンラインカレンダー方式で使用される。そのため抄
造あるいは塗工速度と同じ速度で行うことが出来るた
め、生産効率は塗工紙製造の妨げとならない。しかしな
がら、マシンカレンダーは、非加熱の2本の鋼ロール間
をウェブが通過するため、坪量の大小によって加圧が異
なる。そのため、カレンダー効果が均等にならず、塗工
紙に斑が生じ、白紙面感や印刷効果に問題を生じる。ま
た、平滑性を向上させるが光沢を向上させることは難し
い。
【0012】2.スーパーカレンダーは通常、塗工、乾
燥に続いては行われず、一旦巻き取ってから改めてカレ
ンダー掛けが別処理として行われるオフラインカレンダ
ー方式である。その上スーパーカレンダー仕上げの速度
は、通常500m/分程度であり、生産効率は低い。交
互に鋼と弾性体の多数のロールから構成されるスーパー
カレンダーは、線圧180〜450Kgf/cm、ニップ圧1
40〜300Kgf/cm2であり、ロール温度は60〜80
℃が通常である。この処理は、線圧のかかった多数のロ
ール間のニップを通過するために、得られる塗工紙は高
い光沢と平滑性を有するが、潰れることは避けられず高
い不透明度と高い剛度を有する腰を得ることは難しい。
【0013】3.グロスカレンダーは主に板紙系で使用
されている。これは加熱された仕上げ用ロールを使用し
てスーパーカレンダー仕上げの如く高い線圧で仕上げず
に、ニップ通過時間を長く取ることにより塗工紙または
塗工板紙に高い光沢を生じさせる。装置の線圧は90〜
200Kgf/cm、ニップ圧70〜150Kgf/cm、温度10
0〜300℃くらいが製造条件である。この比較的低い
線圧による仕上げは、紙の潰れを生じさせないので比較
的良好な不透明度や剛度を生じさせ、他方、この比較的
高い温度は塗工層の極表面を軟化させ光沢向上を可能に
する。
【0014】しかしながら、加熱された仕上げ用ロール
を使用するために、高温で塗工紙の表面が黄色に変色し
やすく、白色度が低下してしまう。また、この塗工紙の
表面はスーパーカレンダーで得られるような平滑性を示
さず、一般に高品質を得ることは難しく、更に、非常に
低速で行われ、生産効率が悪い。
【0015】4.ソフトカレンダーは、金属ロールと弾
性ロールを組み合わせ、少ないニップ数でカレンダー掛
けする最近の仕上げ方法である。弾性ロールは、スーパ
ーカレンダーと同等もしくはそれ以上の硬度を有する特
殊合成樹脂被覆ロールを使用しており、高ニップ圧下で
耐熱性、耐摩耗性に優れ、傷がつき難い特別な素材が用
いられる。この仕上げ方法はマシンカレンダーと同様
に、オンラインカレンダーとして使用することが出来、
生産効率は抄紙、塗工の妨げとならない。また、塗工紙
の品質も高不透明度、高光沢、高平滑性を有し、腰も良
好である。そのため、生産効率や印刷用塗工紙の品質が
良好なことから、最も有効なカレンダー処理である。
【0016】しかしながら、生産効率を損ねずに光沢や
平滑性を発現させるために、金属ロールを100〜30
0℃に加熱するため、グロスカレンダーと同様に高温に
よる塗工紙の黄変化による変色が起こるという問題があ
る。しかし、この問題に対する解決法は未だ提案されて
いない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は生産効率が良好で、不透明度、剛度及び白
紙光沢が高く、印刷適性に優れ、なお且つ高温でのソフ
トカレンダー処理によって黄変化による変色の少ない印
刷用塗工紙を得ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、原紙上にアクリロニ
トリル1〜30重量%を単量体の一成分とする、Tgが
0〜25℃である共重合体ラテックスと、顔料とを含有
する塗工層を設けた塗工紙を、乾燥後その塗工面を高温
ソフトカレンダー処理することにより本発明を完成する
に至った。
【0019】本発明においては、塗工紙を高温でソフト
カレンダー処理したときに変色が生じる部分は、直接高
温の金属ロールに接触する塗工層であると考えられる。
この塗工層である塗料組成物のなかで、熱に対して不安
定であり熱による変色が起こり易いのは、ラテックス及
び助剤などである。助剤については、顔料やバインダー
成分と比較して配合量が著しく少ないため、高温でのソ
フトカレンダー処理において変色に及ぼす影響は小さ
い。そのため、高温でのソフトカレンダー処理において
変色の原因の一つはラテックスにあると考えられる。本
発明で、ラテックス中の高温によって変色する成分とし
て、金属イオン、なんらかの酸化物質、乳化剤などがあ
るが、その中で、アクリロニトリル含有量が高温でのソ
フトカレンダー処理によって起こる塗工紙の変色に多大
な影響を及ぼす事実を見出した。
【0020】使用するラテックスとして、そのアクリロ
ニトリル含有量が30重量%より多いと高温でのソフト
カレンダー処理によって黄変化による変色の度合いが大
きい。一方、アクリロニトリル含有量が1重量%以下だ
と耐べたつき性が悪化し、高温でのソフトニップカレン
ダー処理を行った場合にロール汚れの原因となってしま
う。尚、ラテックス中のアクリロニトリル含有量とし
て、1〜25重量%が好ましく、さらには3〜20重量
%がより好ましく、耐べたつき性が向上し、高温でのソ
フトニップカレンダー処理が引き起こす変色の度合いが
小さい。
【0021】また、使用するラテックスのTgは0〜2
5℃であり、好ましくは5〜20℃である。Tgが25
℃より高くなると高温でのソフトカレンダー処理におい
て熱による硬化変形が十分におこらず、塗膜強度が弱
く、かつ印刷時のトラブルが発生しやすい。Tgが0℃
より低くなると、耐べたつき性に劣る傾向にあり、ロー
ル汚れが発生しやすい。以上から、本発明の高温ソフト
カレンダーによる効果は、アクリロニトリル含量が1〜
30重量%で、Tgが0〜25℃の範囲にあるラテック
スを使用することにより得られるものであり、紙の変色
を起こさずに不透明度、剛度、白紙光沢が高く良好な印
刷適性が得られる。
【0022】また、本発明において使用するラテックス
は、それ自身熱による変色度が低いものを用いる必要が
ある。ラテックスの変色度は、フィルム上にラテックス
を一定膜厚で塗布乾燥して被膜し、この被膜を150℃
で加熱した後の変色度を色差で表したものである。共重
合体ラテックスの変色度は、0.5〜3.5の範囲にあ
るのが好ましい。変色度が3.5より高いラテックスを
使用して原紙に塗工した場合、塗工紙を高温ソフトカレ
ンダー処理した際に変色の度合いが大きくなる傾向にあ
る。変色度が0.5より低いと耐べたつき性及び印刷光
沢が低くなりやすい。
【0023】本発明で使用するアクリロニトリル以外の
単量体成分は、特に限定するものではないが、通常スチ
レン、ブタジエン、アクリル酸、ブチルアクリル酸、メ
タクリル酸、メチルメタクリル酸、酢酸ビニル等であ
る。これらの単量体成分から選ばれるスチレン・ブタジ
エン系、スチレン・アクリル系、酢ビ系、エチレン・酢
ビ系、ブタジエン・メチルメタクリル系、酢ビ・ブチル
アクリレート系等の各種共重合体ラテックスが用いら
れ、特にはスチレン・ブタジエン系、アクリル系、スチ
レン・ブタジエン・アクリロ系の共重合体ラテックスが
好ましい。
【0024】本発明のソフトカレンダー処理温度につい
ては、高温になるほど白紙品質及び印刷適性の向上が見
られ、特に150℃以上になると、より高速度で処理す
ることができ、黄変化の変色も少なく良好な結果が得ら
れた。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明で用いる塗工用顔料として
は、カオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、クレー、サチンホワイト、タルク、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、活性白土,珪素
土、レーキ、プラスチックピグメント等が挙げられる。
【0026】本発明で用いる共重合体ラテックスの使用
量は、顔料塗工層の全顔料に対して、5〜30重量%が
好ましい。5重量%以下では強度を保つために他のバイ
ンダーを使用した場合にはカレンダーの効果が現れにく
くなり、その結果として平滑度や光沢度が低くなってし
まう。また、30重量%より多くなっても高温でのソフ
トカレンダー処理後の変色が著しく白色度が低下する。
その上、オフセット輪転印刷した場合の耐ブリスター適
性の効果も劣ってしまう。
【0027】本発明で用いるラテックス以外のバインダ
ーとしては、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸・
スチレン共重合体、イソブテン・無水マレイン酸共重合
体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の
合成バインダー、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル
化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして
得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然
系バインダーなどの一般に知られたバインダーが挙げら
れる。また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消
泡剤、耐水化剤、着色剤等の通常用いられている各種助
剤が適宜使用できる。
【0028】尚、本発明の共重合体ラテックスを含む顔
料塗工層は、原紙上に複数の塗工層がある場合には、一
番上(外)層、即ち直接ソフトカレンダーに接する層で
ある必要がある。例えば原紙にサイズプレスしたもの、
または原紙に顔料塗工層をロールコーター等で塗工した
ものの上に、本発明の共重合体ラテックスを含んだもの
を塗工し、上塗り顔料塗工層とする場合も含まれる。こ
の場合、下塗り顔料塗工層に使用する顔料及びバインダ
ーは特に限定されず、通常使用されるものを使うことが
可能である。また、使用する原紙は、中質紙、上質紙い
ずれでも良く、坪量が30〜200g/m2 が好まし
い。
【0029】本発明による塗被組成物を基紙に塗工する
方法は特に限定されるものではなく、各種ブレードコー
ター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコ
ーター、ロッドブレードコーター、ショートドゥェルコ
ーター等、通常の各種塗工装置が用いられる。
【0030】本発明のソフトカレンダー処理において、
弾性ロールは鋼鉄の鉄心が合成樹脂または合成ゴムで薄
く覆われており、また、金属ロールはチルドロール、鋼
鉄ロール等が使用される。ソフトカレンダーのニップ数
は2〜6で行うことが好ましい。また、ソフトカレンダ
ー処理は、高温、高速、そして高線圧で行われるが、処
理後の品質に大きな影響を与えるのは、ニップを通過す
る時間である。ニップ線圧が高くなるとニップ幅は広く
なり、ニップを通過する時間は長くなる。この時、ニッ
プ中で塗工紙表面は加熱した金属ロールと同じ温度にな
っていると考えられため、高温でソフトカレンダー処理
した場合、塗工紙表面が高温になっている時間が長くな
り、塗工紙の黄変化による変色の度合いが大きくなって
しまう。ニップの通過する時間が短い場合には、高温で
ソフトカレンダー処理しても塗工紙の黄変化の変色度合
いは小さい。故に、処理される塗工紙がロール間のニッ
プを通過する時間と金属ロール温度のバランスをとるこ
とが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
尚、特に断らない限り、部及び%はそれぞれ重量%を示
す。また、表中の配合部は全て固形分ベースである。評
価方法は次に示す通りである。
【0032】〈評価方法〉 ・ラテックスの変色度 固形分50%のラテックスを、PETフィルム上にワイ
ヤーバーNo.20で塗布し、60℃で2分間加熱乾燥
した。乾燥したフィルムの一部は未加熱試料として、色
差を測定し、残りのフィルムを150℃で1時間加熱し
た後、未加熱試料と同様に色差を測定した。未加熱試料
と加熱試料のL*a*b*値の差から色差△E*ab値
を求め、変色度とした。
【0033】測定機器:分光反射率計(エルレフォ20
00) 条件:キャリブレーション用のオパールグラスを下に置
き測定。
【0034】変色度:△E*ab={(△L*)^2+
(△a*)^2+(△b*)^2}^0.5 ・白色度:JIS(P−8123)に準じてブルーフィ
ルターを用い、ハンター白色度計にて測定。
【0035】・白紙変色度:各試料を高温ソフトカレン
ダー処理し、黄変化の程度を目視で相対評価した。5段
階評価で5(優)―1(劣)。
【0036】・不透明度:JIS(P−8138)に準
じて測定。
【0037】・平滑度:ベック平滑度計で測定。
【0038】・白紙光沢度:JIS(P−8142)に
準じて測定。
【0039】・印刷光沢度1:RI−II型印刷試験機
を用い、塗工面にインキ(商品名:TKマークアイ、東
洋インキ株式会社製)を0.4cc使用して印刷を行
い、一昼夜のシーズニングの後、75度で光沢を測定。
【0040】・ドライピック強度: RI−II型印刷
試験機を用い、塗工面にインキ(タック:15、東洋イ
ンキ株式会社製)を0.4cc使用して印刷を行い、印
刷面のピッキングの程度を目視判定。5段階評価で、5
(優)−1(劣) ・ウェットピック強度: RI−II型印刷試験機を用
い、ロールで試験面上に水をつけ、その直後にインキ
(商品名:TKマークベニ、東洋インキ株式会社製)を
0.4cc使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの
程度を目視判定。5段階評価で、5(優)−1(劣) ・耐ブリスター性:試験片を湿度66%の雰囲気で、一
昼夜のシーズニングの後、210℃のシリコンオイル中
に5秒間入れ、ブリスターの出方を目視判定。
【0041】[実施例1] 〈塗被紙の作成〉坪量44g/m2 の中質原紙に、ブレ
ードコーターで下記の配合の塗料を片面8g/m2 で両
面塗被した。
【0042】(顔料) 微粒カオリン 23部 2級カオリン 47部 微粒重質炭酸カルシウム 30部 (バインダー及び助剤) 酸化澱粉 5部 スチレンーブタジエン系ラテックス 15部 (アクリロニトリル含有量:7%、Tg10℃、変色度
1.5) 滑剤 0.7部 〈カレンダー仕上げ〉上記配合の塗料を塗被、乾燥後、
以下の仕様のソフトカレンダーを用い、以下の条件でソ
フトカレンダー処理し、印刷用塗被紙を作成した。
【0043】〈ソフトカレンダー仕様〉 ・ニップ数:2(塗被紙の表裏各面に1回ずつ金属ロー
ル面が当たるようにニップを形成する) ・金属ロール:直径800mm、鍛造鋼ロール(加熱機
構付き) ・弾性ロール:直径525mm、合成樹脂被覆ロール 〈ソフトカレンダー条件〉 ・金属ロール温度:180℃ ・ライン速度:800m/分 ・線圧:280kgf/cm [実施例2]実施例1の配合塗料の調製において、バイ
ンダーとしてアクリロニトリル含量20%、Tg23
℃、変色度3.5のスチレンーブタジエン系ラテックス
12部を添加した以外は実施例1と同様の方法で印刷用
塗被紙を作成した。
【0044】[実施例3]実施例1の配合塗料の調製に
おいて、ソフトカレンダー条件において、ライン速度を
500m/分、線圧を200kgf/cmに代えた以外
は実施例1と同様の方法で印刷用塗被紙を作成した。
【0045】[比較例1]実施例1の配合塗料の調製に
おいて、バインダーとしてアクリロニトリル含量35
%、Tg15℃、変色度10のスチレンーブタジエン系
ラテックス15部を添加した以外は実施例1と同様の方
法で印刷用塗被紙を作成した。
【0046】[比較例2]実施例1の配合塗料の調製に
おいて、バインダーとしてアクリロニトリル含量10
%、Tg40℃、変色度2.1のスチレンーブタジエン
系ラテックス12部を添加した以外は実施例1と同様の
方法で印刷用塗被紙を作成した。
【0047】[比較例3]実施例1の配合塗料の調製に
おいて、バインダーとしてアクリロニトリル含量33
%、Tg35℃、変色度8.5のスチレンーブタジエン
系ラテックス14部を添加し、ソフトカレンダー条件に
おいて、ライン速度を500m/分、線圧を200kg
f/cmに代えた以外は実施例1と同様の方法で印刷用
塗被紙を作成した。
【0048】[比較例4]実施例1の配合塗料の調製に
おいて、バインダーとしてアクリロニトリル含量0.5
%、Tg25℃、変色度0.5のスチレンーブタジエン
系ラテックス12部を添加した以外は実施例1と同様の
方法で印刷用塗被紙を作成した。
【0049】[比較例5]実施例1のソフトカレンダー
処理の代わりに、スーパーカレンダー処理(金属ロール
温度60℃、ライン速度800m/分、線圧200kg
f/cm、10ニップ)した以外は実施例1と同様の方
法で印刷用塗被紙を作成した。
【0050】[実施例4] 〈塗被紙の作成〉坪量44g/m2 の中質原紙に、ブレ
ードコーターで下記の配合の塗料を片面7.5g/m2
で両面塗被した。
【0051】(顔料) 微粒カオリン 35部 2級カオリン 40部 微粒重質炭酸カルシウム 25 (バインダー及び助剤) 市販エーテル化澱粉 5部 スチレンブタジエンラテックス 10部 (アクリロニトリル含有量:15%、Tg20℃、変色
度2.8) 滑剤 0.5部 〈カレンダー仕上げ〉上記配合の塗料を塗被、乾燥後、
以下の仕様のソフトカレンダーを用い、以下の条件でソ
フトカレンダー処理し、印刷用塗被紙を作成した。
【0052】〈ソフトカレンダー仕様〉 ・ニップ数:2(塗被紙の表裏各面に1回ずつホットロ
ール面が当たるようにニップを形成する) ・金属ロール: 直径800mm、鍛造鋼ロール(加熱
機構付き) ・弾性ロール: 直径525mm、合成樹脂被覆ロール 〈ソフトカレンダー条件〉 ・金属ロール温度:180℃ ・ライン速度:500m/分 ・線圧:170kgf/cm [実施例5]実施例4において、金属ロール温度150
℃、170kgf/cm以外は、実施例4と同様な印刷
用塗被紙を作成した。
【0053】[実施例6]実施例4において、金属ロー
ル温度150℃、230kgf/cm以外は、実施例4
同様な印刷用塗被紙を作成した。
【0054】[実施例7]実施例4において、金属ロー
ル温度120℃、230kgf/cm以外は、実施例4
と同様な印刷用塗被紙を作成した。
【0055】以上の様に作成した実施例1〜実施例7、
比較例1〜比較例5の印刷用塗被紙の結果は表1及び表
2に示した。
【0056】
【表1】
【表2】 表1から明らかなように、アクリロニトリル(AN)含
量が1〜30重量%で、Tgが0〜25℃の範囲にある
共重合体ラテックスを使用することにより得られる印刷
用塗被紙は、高温ソフトカレンダー処理した際に紙の黄
変化による変色は小さく、印刷時のピック強度も強く、
問題はなかった。表2よりAN含量が40%のラテック
スを使用した場合(比較例1)、高温ソフトカレンダー
処理した際に紙の変色は大きくなった。 AN含量が
0.5%のラテックスを使用した場合(比較例4)、高
温ソフトカレンダー処理した際にロール汚れが発生し
た。また、Tgが40℃のラテックスを使用した場合
(比較例2)、印刷時のピック強度が弱くなった。スー
パーカレンダー処理した場合には、密度が上がり、耐ブ
リスター性も悪くなった(比較例5)。
【0057】[実施例8] 〈塗被紙の作成〉坪量90g/m2 の上質原紙に、ブレ
ードコーターで下記の配合の塗料を片面9g/m2 で両
面塗被した。
【0058】(顔料) 2級カオリン 36部 微粒重質炭酸カルシウム 46部 粗粒重質炭酸カルシウム 18部 (バインダー及び助剤) 酸化澱粉 8 スチレンブタジエンラテックス 4部 (アクリロニトリル含有量:15%) 上記の条件で下塗りした塗被紙に対して、ブレードコー
ターで下記の配合の塗料をさらに片面10g/m2 を両
面塗被した。
【0059】(顔料) 微粒カオリン 53部 微粒重質炭酸カルシウム 47部 (バインダー及び助剤) 市販酸化澱粉 4 スチレンブタジエンラテックス 8.5部 (アクリロニトリル含有量:10%、Tg15℃、変色
度2) 滑剤 0.3部 〈カレンダー仕上げ〉上記配合の塗料を塗被、乾燥後、
以下の仕様のソフトカレンダーを用い、以下の条件でソ
フトカレンダー処理し、印刷用塗被紙を作成した。
【0060】〈ソフトカレンダー仕様〉 ・ニップ数:2(塗被紙の表裏各面に1回ずつホットロ
ール面が当たるようにニップを形成する) ・金属ロール:直径400mm、鍛造鋼ロール(加熱機
構付き) ・弾性ロール:直径300mm、合成樹脂被覆ロール 〈ソフトカレンダー条件〉 ・金属ロール温度:180℃ ・ライン速度:260m/分 ・線圧:70kgf/cm [実施例9]実施例8において、線圧120kg/cm
f以外は、実施例8と同様な印刷用塗被紙を作成した。
【0061】[比較例6]実施例8において、ソフトカ
レンダー処理の代わりにスーパーカレンダー処理(金属
ロール温度65℃、ライン速度30m/分、線圧200
kgf/cm)を行った以外は、実施例8と同様な印刷
用塗被紙を作成した。
【0062】以上の様に作成した実施例8、9及び比較
例6の印刷用塗被紙特性は表3に示した。
【0063】
【表3】 同じソフトカレンダーの金属ロール温度条件下では、線
圧が高くなると紙の密度は上がり、光沢度も上がるが、
白紙変色度は同等であった。また、スーパーカレンダー
処理した場合、密度が上がり、耐ブリスター性も悪くな
った。
【0064】
【発明の効果】本発明を実施することにより、生産効率
が良好で、不透明度、剛度及び白紙光沢が高く、なお且
つ高温でのソフトカレンダー処理によって塗工紙の黄変
化による変色が少なく、印刷適性が良好な印刷用塗工紙
を得ることが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙上に、アクリロニトリル1〜30重
    量%を単量体の一成分とする、Tgが0〜25℃である
    共重合体ラテックスと、顔料とを含有する塗工層を設け
    た塗工紙を、少なくとも一対の弾性ロールと金属ロール
    からなるソフトカレンダーで処理してなる印刷用塗工紙
    の製造方法。
  2. 【請求項2】変色度が0.5〜3.5である共重合体ラ
    テックスを用いた請求項1記載の印刷用塗工紙の製造方
    法。
  3. 【請求項3】印刷用塗工紙の塗工面を、ソフトカレンダ
    ーの金属ロールの表面温度が150℃以上でソフトカレ
    ンダー処理したことを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
    で製造された印刷用塗工紙。
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