JP3169695B2 - 艶消し塗被紙の製造法 - Google Patents

艶消し塗被紙の製造法

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JP3169695B2
JP3169695B2 JP20703892A JP20703892A JP3169695B2 JP 3169695 B2 JP3169695 B2 JP 3169695B2 JP 20703892 A JP20703892 A JP 20703892A JP 20703892 A JP20703892 A JP 20703892A JP 3169695 B2 JP3169695 B2 JP 3169695B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗被紙の製造法に於い
て、塗被後の段階で嵩高で剛性および印刷面のモットリ
ングに優れ、且つ製本工程等で発生する印刷インキが白
紙部に転移する問題を起こさず、且つ印刷インキの受理
性が良く、白紙光沢度が低いにも拘わらず印刷後、光沢
が高くコントラストに富んだ優れた印刷面を有する艶消
し塗被紙の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、艶は無いが表面が平滑でインキ受
理性の優れた艶消し塗被紙のニーズが多くなって来てお
り、主に高級な美術印刷、カタログ、パンフレット、カ
レンダーや商業出版用本文用紙に使用されている。艶消
し塗被紙のうち、マット調と呼ばれる印刷物は白色面、
単色印刷面、多色印刷面何れも光沢が低く、全面がフラ
ットでしっとりとした視感、触感を与える。これに対
し、白紙面の光沢は欲しないが、印刷面だけは或る程度
の光沢が望まれる場合がある。つまり、文字の部分は低
グロスにして読み易くし、画線部は光沢によって惹き立
たせることによってコントラストに富んだ印刷物にさせ
たいというニーズである。これにマッチするのがダル調
と呼ばれているものである。ダル調のものはマット調と
グロス調の中間にあり、一般に白紙光沢はマット調より
も若干高く、印刷後の光沢はグロス調のものよりも若干
低い。我が国市場では、マット、ダルの特性差は各銘柄
の特性として認識されているため両者は異なる品種とし
て明瞭に識別されていない。また、最近ではダル調とグ
ロス調の中間としてセミダル調と呼ばれるものも多く製
品化されている。
【0003】一般にマット調の艶消し塗被紙は、白紙光
沢を低く抑えるために通常のグロス調の塗被紙に比較し
て、より粗い顔料である炭酸カルシウムを多量に含有し
た塗被組成物を各種コータで塗被し、そのまま製品化さ
れるか或いは軽度のカレンダー処理のみで製品化され
る。これ等の艶消し塗被紙は、通常平滑性に劣り、印刷
インキ受理性、印刷後の光沢の点でグロス調塗被紙に比
較して劣っている。またダル調塗被紙と比較するとコン
トラストに劣る印刷仕上がりとなる。
【0004】一方、高級カタログ、カレンダーおよび商
業用出版用に使用されるマット調艶消し塗被紙は、より
高級感、ボリューム感が必要とされ、より嵩高な品質が
要求される。そのためには、塗被前の原紙をより嵩高化
しなければならないが、原紙のマシンカレンダー処理を
より低線圧で行なうことになり、結果として原紙および
塗被後の表面平滑性も低下して了う。従って、本発明者
等はカレンダー処理による嵩の低下を最小限に抑えて表
面平滑性を出す、言い換えれば、同じ平滑性を維持した
ままを嵩を高くする有効な方法に就いて鋭意検討し、原
紙のカレンダー処理の直前に加熱蒸気を付与した後、ソ
フトカレンダー処理することにより、これ等の問題点を
解決し得ることを認めた(特願平3−138852)。
【0005】印刷工程で印刷された紙は、製本工程での
折り機や丁合機で印刷部と白紙部が接触することによ
り、印刷インキが白紙部に転移したり、製本後の積み重
ねで表紙と裏表紙が接触することにより、印刷インキが
白紙面に転移して、印刷物の品質を大きく損ねるという
問題点を抱えているのが現状である。印刷インキが白紙
の部分に転移する主な原因としては、次のようなことが
考えられる。艶消し塗被紙は白紙光沢を抑えるために、
不定形で比較的粗い炭酸カルシウムを多く配合している
ため、印刷部と白紙部が接触した際に、白紙が印刷イン
キを掻き取って了うことが考えられる。また近年、印刷
の高速化が図られているため、印刷用紙に対して高いイ
ンキ乾燥性が要求されており、塗被紙がインキビヒクル
を吸収し易い設計、即ち炭酸カルシウムを高配合した設
計になっている。このため印刷したインキの被膜強度が
弱くなり、印刷部と白紙部とが接触した際にインキが落
ち易いことが考えられる。艶消し塗被紙は、特に高級な
印刷物に多く用いられていることから、上記の艶消し塗
被紙に特有の、印刷したインキが白紙面に転移する問題
を抱えていると、艶消し塗被紙が高級印刷用紙としての
機能を果たさなくなるのが現状である。
【0006】以上のような製本工程での問題点を解決す
るために、これまで印刷インキ中にワックスを主成分と
する耐摩擦コンパウンド等を添加して印刷面と白紙面の
摩擦を軽減する等の措置が採られているが、問題点を解
決するに至っていない。このような問題点の解決策とし
て、本発明者等は先きに炭酸カルシウムを50〜80重
量%およびカオリン20〜50重量%を含有する塗被組
成物を原紙に塗被した後、更に100℃以上の高温でソ
フトカレンダー処理することにより、印刷インキの白紙
面への転移を抑制し、且つ平滑性、印刷光沢に優れるこ
とを認めた(特願平3−279908)。本発明者等は
更に詳細な検討を重ねた結果、原紙に塗被する塗被液の
顔料成分として、平均粒子径が0.5〜1.5μmの重
質炭酸カルシウムを50〜95重量%およびカオリン5
〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被した
後、JIS B 0651で定義される表面粗さ(Rmax)が2〜8
μmであるマットロールにより100℃以上の高温で処
理し、光沢度(JIS P-8142 75度白紙光沢度)が35
%以下であるようにカレンダー仕上げすることにより、
印刷インキの白紙面への転移を抑制し、且つ白紙光沢度
が低くても、平滑度、印刷光沢が高く、マット調であり
ながらダル調並み以上のよりコントラストに富んだ印刷
面が得られることを認めたものである。
【0007】塗被紙をマットロールで処理する方法に就
いては特公昭59−53956が既に特許されている
が、これは顔料としてサチンホワイトを使用することを
規定しており、また本発明のような印刷インキの白紙面
への転移の問題を抑制したものではないことから基本的
に本発明と異なっている。また特開平1−26009
4、特開平2−234993、特開平3−24109
4、特開平3−260198に就いても本発明の如く印
刷インキの白紙面への転移の問題を抑制したものではな
く、特定条件の粗面化ロールと弾性ロールとを使用する
ことにより、艶消し塗被紙のインキ平滑性やインキ受理
性を改善するものであり、これに対し、本発明はソフト
カレンダーによる塗被前の原紙の処理、特定条件の顔料
の使用と表面の粗さが2〜8μmであるマットロールを
用い且つ100℃以上の高温で処理することとを組合わ
せることにより初めて上述の品質上の効果が得られるこ
とを認めたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
如き艶消し塗被紙の有する難点を解決すべく鋭意検討を
重ねた結果、艶消し塗被紙の製造法に於いて、塗被前の
原紙にソフトカレンダー処理を行い、しかる後に、原紙
に塗被する塗被液の顔料成分として、特定粒子径の重質
炭酸カルシウムを50〜95重量%およびカオリン5〜
50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被した後、
特定の表面粗さ(Rmax)を有するマットロールにより1
00℃以上の高温で処理し、光沢度が35%以下である
ようにカレンダー仕上げすることにより、嵩高で剛性等
強度特性および印刷時のモットリングに優れ、製本工程
および製本後に印刷インキが白紙面に転移する問題が無
く、且つ白紙光沢度が低くても、平滑度、印刷光沢が高
く、よりコントラストに富んだ印刷面を得ることを図る
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、艶消し塗被紙
の製造法に於いて、塗被前の原紙に低圧で軽度の加熱蒸
気を付与し紙表面を加湿および加熱した後、100〜1
50℃の範囲内でソフトカレンダー処理を行い、しかる
後に、原紙に塗被する塗被液の顔料成分として、平均粒
子径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを50
〜95重量%およびカオリン5〜50重量%を含有する
塗被組成物を原紙に塗被した後、JIS B0651で定義され
る表面粗さ(Rmax)が2〜8μmであるマットロールに
より100℃以上の高温で処理し、光沢度(JIS P-8142
75度白紙光沢度)が35%以下であるようにカレン
ダー仕上げすることを特徴とする艶消し塗被紙の製造法
に関するものである。
【0010】本発明者等は、先願(特願平3−1388
52)に於いて、嵩高な原紙を得る方法に就いて鋭意検
討した結果、高温(100℃以上)の加熱蒸気で原紙表
面を同時に加湿且つ加温して可塑化した後、100〜1
50℃の範囲内でソフトカレンダー処理し、更に、塗被
液を塗布することにより初めて飛躍的に嵩高な紙が得ら
れ、且つ強度特性、印刷時のモットリングをも向上し得
ることを認めた。本発明者等は新たに前記の如く特定の
炭酸カルシウムを特定量配合した塗被液を原紙に塗被
し、更に特定の条件でマットロールによりカレンダー仕
上げした後に於いても、より嵩高な塗被紙が得られるこ
とを認めたものである。製本工程等で発生する印刷イン
キが白紙部に転移する問題は、印刷部と白紙部が接触し
た際の白紙が印刷インキを掻き取る性質を改善し、また
印刷時のインキビヒクルの吸収を抑制して、印刷インキ
の被膜強度の低下を防止すること等で解決可能と考えら
れる。
【0011】粒子径の大きい炭酸カルシウムを高配合し
た塗被組成物を塗被した紙は白紙光沢が低い良好な艶消
し面が得られるが、一方で塗被紙表面での顔料配向性に
劣るため、白紙がインキを掻き取り易く、平滑性に劣る
ため印刷後の光沢も劣る。本発明者等の先願では(特願
平3−279908)このような問題点の解決策とし
て、炭酸カルシウムを50〜80重量%およびカオリン
20〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被し
た後、更に100℃以上の高温でソフトカレンダー処理
することにより、印刷インキの白紙面への転移を抑制
し、且つ平滑性、印刷光沢に優れることを認めた。本発
明者等は更に鋭意検討を重ねた結果、先ず塗被前の原紙
を特定の条件によりソフトカレンダー処理し、次ぎに塗
被する塗被液の顔料成分として、平均粒子径が0.5〜
1.5μmの重質炭酸カルシウムを50〜95重量%お
よびカオリン5〜50重量%を含有する塗被組成物を原
紙に塗被した後、JIS B 0651で定義される表面粗さ(Rm
ax)が2〜8μmであるマットロールにより100℃以
上の高温で処理し、光沢度(JIS P-8142 75度白紙光
沢度)が35%以下となるようにカレンダー仕上げする
ことにより初めて印刷インキの白紙面への転移する問題
を無くした上、更に白紙光沢度が低くても、平滑度、印
刷光沢が高くよりコントラストに富んだ印刷面が得られ
ることを認めた。
【0012】印刷インキの白紙面への転移を抑制し得る
理由は、高温で処理することにより塗被面の極く表層部
を可塑化させた上でマットロール面を塗被紙の塗被面に
転写することにより、表層部に存在する炭酸カルシウム
がより効率的に配向(圧入)されるため、白紙のインキ
の掻き取り易さを改善し、同時にインキビヒクルの吸収
が抑制されたために印刷したインキの被膜強度の低下が
起こらなかったものと考えられる。しかし予想に反しマ
ットロールの表面粗さが8μmを超える場合にはその効
果が認められなかった。この理由は定かではないが、恐
らくロールの表面粗さが大き過ぎると塗被面の顔料配向
を阻害するものと考えられる。
【0013】また本発明者等の先願のように高温ソフト
カレンダー処理した場合には使用する金属ロールの表面
粗さが2μm以下であるため処理後の塗被紙の白紙光沢
度が35%以上になって了い、結果として印刷後の光沢
と白紙光沢度の差が小さくなりコントラストの点で不充
分な印刷物となる。それに対し表面粗さが2μm以上の
マットロールで高温処理することにより、平滑度が向上
する(高温処理の効果)一方で、マットロールの艶消し
面を塗被紙の極く表面に転写し、白紙光沢度を低下させ
ることが可能となることを認めた。その結果、ソフトカ
レンダー処理の場合と同等の印刷後の光沢を維持したま
ま白紙光沢度が低下するため、コントラストに非常に富
んだ印刷物が得られる。
【0014】100℃以下で処理した場合には塗被紙表
面を可塑化する効果が小さいため、平滑性の向上が少な
い。また、表面粗さ8μm以上のマットロールでは平滑
度の向上幅も小さくなって了うためコントラストに富ん
だ印刷物が得られない。マットロールの相手ロールとし
ては耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロールで、硬度は特
に規定するものではないがショアD硬度で80〜90程
度が好ましい。また本発明の艶消し塗被組成物は平均粒
子径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを50
〜95重量%含有していることが必要である。平均粒子
径が0.5μmに満たない場合にはカレンダー処理後の
白紙光沢度の上昇が大きく好ましくない。また平均粒子
径が1.5μmを超えるとカレンダー処理後の平滑度が
不充分となり、印刷後の光沢に劣ることを認めた。次ぎ
に重質炭酸カルシウムの含有率が50重量%未満になる
と、やはりカレンダー処理後の白紙光沢度の上昇が著し
い。また95重量%超では印刷したインキの被膜強度が
弱くなる。
【0015】本発明に於いて使用する蒸気は、低圧で軽
度の加熱蒸気で、紙に付与する場合、使用蒸気圧は1k
g/cm2以下で、蒸気流量が15〜80kg/Hr/
m幅で、紙水分増加率が0.3〜1.2%の範囲内で蒸
気を付与することが望ましい。その理由は蒸気圧が高
く、流量も多過ぎると、過剰の水分が紙中層部まで浸透
し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下させる。また、
紙への蒸気付着量が多過ぎると塗工紙の場合、塗工層表
面がカレンダーロールに取られる問題を生じる。逆に蒸
気流量が少な過ぎると、紙の平滑および光沢のムラを発
生させる恐れがあり、また加湿、加温の効果が少なくな
り、平滑性、印刷適性の向上効果も少なくなる。従って
適正な水分付与条件としては、望ましくは紙水分増加率
が0.3〜1.2%の範囲内で蒸気を付与することが望
ましい。蒸気塗布後、カレンダーロールニップに入るま
での時間はできる限り短い方が良く、0.01〜0.2
5秒の範囲が望ましい。これ以上時間が長いと蒸気粒子
が紙中層部に浸入し、カレンダー処理後の嵩を大きく低
下させる。
【0016】また、モットリングが向上する理由として
は、加湿により紙表面が可塑化され、カレンダー処理時
にニップの全幅に汎りより均一な面圧が掛かり、カレン
ダーロール面が均一に紙表面に転写された結果、密度ム
ラが減少し均一性の高い原紙仕上りとなり、その結果、
塗工時の塗被液の浸透ムラ、更に印刷時に於いてもイン
キの吸収ムラも少なくなり、均一性の高い印刷物になっ
たためと思われる。
【0017】本発明に用いられる接着剤としては、スチ
レン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン
・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート
系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合
体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合
体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の
合成系接着剤、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵
素変性デンプンやそれ等をフラッシュドライして得られ
る冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の天
然系接着剤等の一般に知られた接着剤が挙げられる。こ
れ等の接着剤は顔料100重量部当り5〜50重量部、
より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で使用され
る。また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡
剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合される各種助
剤が適宜使用される。
【0018】斯くして調製された塗被組成物は一般の塗
被紙製造に使用される塗被装置、例えばブレードコー
タ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロール
コータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコ
ータ、グラビアコータ等を用いオンマシン或いはオフマ
シンによって原紙上に1層或いは多層に分けて塗被され
るものである。また原紙としては、一般の印刷用塗被紙
に用いられる坪量30〜400g/m2のペーパーベー
ス或いはボードベースの原紙が用いられる。斯かる原紙
への塗被組成物の塗被量は乾燥重量で10〜50g/m
2程度塗被されるが、得られる白紙品質の面から15〜
25g/m2の範囲で調節されるのが最も好ましい。
【0019】以上、本発明者等は艶消し塗被紙の製造法
に於いて、塗被前の原紙に低圧で軽度の加熱蒸気を付与
し紙表面を加湿および加熱した後、100〜150℃の
範囲内でソフトカレンダー処理を行い、しかる後に、原
紙に塗被する塗被液の顔料成分として、平均粒子径が
0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを50〜95
重量%およびカオリン5〜50重量%を含有する塗被組
成物を原紙に塗被した後、JIS B 0651で定義される表面
粗さ(Rmax)が2〜8μmであるマットロールにより1
00℃以上の高温で処理し、光沢度(JIS P-8142 75
度白紙光沢度)が35%以下であるようにカレンダー仕
上げすることにより、製本工程および製本後に印刷イン
キが白紙面に転移する問題が無く、且つ白紙光沢度が低
くても、平滑度、印刷光沢が高く、よりコントラストに
富んだ印刷面が得られることを認めた。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を示す。カレンダー処理にチ
ルドロールと樹脂ロールとの組み合わせから成る2段の
ソフトニップを有する2スタックのソフトカレンダー
(南千住製作所製)を用い、各ニップ前に、チルドロー
ルに当たる側の紙表面に蒸気が噴出されるように加湿装
置(相川鉄鋼株式会社のスチームフォイル)を設置し原
紙のカレンダー処理を行った。上記装置により処理され
た原紙は、原紙に塗被する塗被組成物の顔料成分100
重量部に対し、平均粒径が0.5〜1.5μmの重質炭
酸カルシウムを50〜95重量%およびカオリン(エン
ゲルハード(株)製、商品名ウルトラホワイト90)を5
〜50重量%、接着剤として酸化デンプン(王子コーン
スターチ(株)製、商品名王子エースB)6重量部と合成
接着剤(旭化成(株)製、商品名L-1762)9重量部、およ
び分散剤(東亜合成(株)製、商品名アロンT−40)
0.3重量部とを含有する塗被組成物(固形分濃度63
%)をブレードコータにより塗被した後、カレンダー処
理としてマットロールと樹脂ロールとの組み合わせから
成る2段のマットカレンダー(相模エンジニアリング社
製)を用いて下記の実験を行った。
【0021】実施例1 坪量90g/m2の原紙に、使用蒸気圧0.8kg/c
2、蒸気流量が50kg/Hr/m幅一定条件下で蒸
気を付与し、0.03秒後に各カレンダーニップに入る
ように120℃でソフトカレンダー処理した後、平均粒
子径が0.9μmの炭酸カルシウム(三共製粉(株)製、
商品名エスカロン#2200)を70重量部、カオリン
を30重量部配合した上記塗被組成物を、片面13g/
2の割合で両面塗工した塗被紙を、JIS B 0651で定義
される表面粗さ(Rmax)が3μmであるマットロールに
より120℃でカレンダー処理した。その際の処理線圧
は40kg/cm、処理スピードは600m/分で行っ
た。
【0022】実施例2 塗被紙をJIS B 0651で定義される表面粗さ(Rmax)が8
μmであるマットロールにより処理する以外は総べて上
記実施例1と同条件でカレンダー処理した。
【0023】実施例3 原紙のソフトカレンダー処理を150℃で行うこと以外
は総べて上記実施例1と同条件でカレンダー処理した。
【0024】比較例1 原紙のソフトカレンダー処理を70℃で行い、塗被紙の
マットロール処理を70℃で行うこと以外は総べて上記
実施例1と同条件でカレンダー処理した。
【0025】比較例2 塗被後もソフトカレンダー(マットロールの代わりにチ
ルドロール使用)を用い120℃で処理したこと以外
は、上記実施例1と同じ条件でカレンダー処理した。
【0026】比較例3 原紙のソフトカレンダー処理を70℃で行い、平均粒子
径0.9μmの炭酸カルシウムを30重量部、カオリン
を70重量部配合した塗被組成物を用いる以外は、上記
実施例1と同じ条件でカレンダー処理した。
【0027】比較例4 原紙のソフトカレンダー処理を70℃で行い、JIS B 06
51で定義される表面粗さ(Rmax)が15μmであるマッ
トロールを用いること以外は、上記実施例1と同じ条件
でカレンダー処理した。
【0028】〈品質評価方法〉 ・平均粒径:セイシン企業光透過式粒度分布測定装置S
HC5000を用いて、重量累積分布の50%点を平均
粒径として測定した。 ・白紙光沢度:JIS P-8142に従い角度75度で測定し
た。 ・平滑度:JAPPN Tappi No5 王研式平滑度試験器で
測定した。 ・印刷後光沢:RI−II型印刷試験機を用い、サカタイ
ンクスオフセット印刷用インキ(商品名:ダイヤトーン
GSL紅)を0.35cc使用して印刷し、1昼夜放置
後、75度光沢度を測定した。
【0029】・剛性:JIS P−814に従いクラ
ークこわさ試験器で測定した。 ・耐摩擦性:RI−II型印刷試験機を用い、東洋イン
キオフセット印刷用インキ(商品名:TKマークファイ
ブニュー墨M型)を0.35cc使用して印刷し、1昼
夜放置後、東洋精機製作所製サウザランド・ラブテスタ
ーを用い、印刷した試験紙と白紙を接触させ荷重1Lb
で、43回/分の速度で20回往復摩擦を行い、印刷し
た紙から白紙に転移したインキの濃度を目視で4段階評
価した。なお、目視の評価基準は以下の4段階とした。 ◎:インキ転移が殆んど無いもの ○:僅かにインキ転移するもの △:インキ転移が多いもの ×:インキ転移が非常に多いもの
【0030】・印刷仕上り:2色オフセット枚葉印刷機
(リョービ社製:3302M)を用い、1色目藍、2色目紅
インキを用いて印刷し、白紙と印刷面のコントラスト性
を目視評価した。目視の評価基準は以下の3段階とし
た。 ◎:コントラストに非常に富むもの △:コントラストは普通のもの ×:コントラストが不充分なもの ・モットリング:2色オフセット枚葉印刷機(リョービ
社製:3302M)を用い、1色目藍、2色目紅インキを用
いて印刷し、印刷面の印刷ムラ(モットリング)を目視
評価した。目視の評価基準は以下の4段階とした。 ◎:モットリングが殆んど無いもの ○:僅かにモットリングが存在するもの △:モットリングが多いもの ×:モットリングが非常に多いもの
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】表から明らかなように、実施例1、2、
3は低密度(嵩高)で剛性に優れており、低白紙光沢の
割りに高平滑、高印刷後光沢で、コントラストに非常に
富んだ印刷仕上りとなり、且つ耐摩擦性およびモットリ
ングにも優れている。これに対し比較例1は高密度で平
滑度が低く、耐摩擦性、コントラスト性およびモットリ
ングに劣る。比較例2は白紙光沢度が高くなり過ぎるた
めコントラスト性に劣る。比較例3は嵩高が損なわれ、
また、白紙光沢度が高いためにコントラスト性に劣る。
比較例4は嵩高が損なわれ、平滑度および耐摩擦性に劣
り、コントラスト性も満足の行くレベルに達しない。従
って、本発明の艶消し塗被紙の製造法により製造された
艶消し塗被紙は、従来に無い優れた品質を与え、その製
品価値は極めて大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−73697(JP,A) 特開 平6−73694(JP,A) 特開 平4−361695(JP,A) 特開 平2−160993(JP,A) 特許2930776(JP,B2) 特公 昭47−38882(JP,B1) 国際公開90/12920(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21G 1/00 - 9/00 D21F 1/00 - 13/12 D21H 11/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 艶消し塗被紙の製造法に於いて、塗被前
    の原紙に低圧で軽度の加熱蒸気を付与し、紙表面を加湿
    および加熱した後、加熱温度を100〜150℃の範囲
    内でソフトカレンダー処理を行い、しかる後に原紙に塗
    被する塗被液の顔料成分として、平均粒子径が0.5〜
    1.5μmの重質炭酸カルシウムを50〜95重量%と
    カオリン5〜50重量%とを含有する塗被組成物を原紙
    に塗被した後、JIS B 0651で定義される表面粗さ(Rma
    x)が2〜8μmであるマットロールにより100℃以
    上の高温で処理し、光沢度(JIS P-8142 75度白紙光
    沢度)を35%以下にカレンダー仕上げすることを特徴
    とする艶消し塗被紙の製造法。
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