JPH04370298A - 光沢塗被紙若しくは艶消し塗被紙又はそれらの製造方法 - Google Patents

光沢塗被紙若しくは艶消し塗被紙又はそれらの製造方法

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JPH04370298A
JPH04370298A JP14039991A JP14039991A JPH04370298A JP H04370298 A JPH04370298 A JP H04370298A JP 14039991 A JP14039991 A JP 14039991A JP 14039991 A JP14039991 A JP 14039991A JP H04370298 A JPH04370298 A JP H04370298A
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JP
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coated paper
gloss
steam
calendering
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Application number
JP14039991A
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English (en)
Inventor
Tomoji Sato
友治 佐藤
Fumihiko Yabuta
薮田 文彦
Toshio Inoue
井上 敏雄
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Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光沢塗被紙又は艶消し塗
被紙の製造において、所定の静的平滑度に仕上げる場合
嵩高で、剛度、引張り強度が高く、動的平滑性が高いた
めインキ受理性が良く、印刷後光沢等の印刷適性を大幅
に向上できる光沢塗被紙又は艶消し塗被紙の製造方法お
よび該製造方法で製造する光沢塗被紙又は艶消し塗被紙
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷用紙のビジュアル化、カラー
化、高級化に伴い、印刷用塗被の塗被面の光沢度、テリ
及び平滑性の改良要求が高まっている。またアート紙と
呼ばれる重塗工紙は、パンフレット、カタログ、カレン
ダー等商業宣伝物のなかで高度の印刷上がりを必要とす
る分野、及び高級美術印刷の分野に用いられ、網点再現
性やベタ部の均一性、トラッピングあるいは印刷後光沢
等印刷適性の一層の改良が求められている。
【0003】以上のような高光沢で高級な印刷用塗被紙
の製造工程に関し、各種の提案がなされている。例えば
、塗料配合面では熱可塑性の高いプラスチックピグメン
トやバインダーピグメントの配合等が提案されており、
塗被方法についてはウェットオンドライやウェットオン
ウェット等のダブルコーティング法が、また仕上げ工程
では高温カレンダー法(特開昭54−125712号、
特開平1−250493)等数多く提案されている。但
し、プラスチックピグメントのような特殊な顔料を使用
すると、必然的に塗被液は高価なものとなる。
【0004】光沢塗被紙は、一般に各種コータで塗工さ
れ、スーパーカレンダー処理により光沢を付与し製品化
される。このカレンダー処理により一般に紙の密度上昇
(嵩の低下)は避けられず、その結果不透明性、剛性な
どの特性が低下する。
【0005】また、近年、艶はないが表面が平滑でイン
キ受理性の優れた艶消し塗被紙のニーズが多くなってき
ており、主に高級な美術印刷、カタログ、パンフレット
、カレンダーや商業出版用本文用紙に使用されている。
【0006】艶消し塗被紙のうち、マット調と呼ばれる
印刷物は白色面、単色印刷面、多色印刷面いずれも光沢
が低く、全面がフラットでしっとりとした視感、触感を
与える。これに対し、白紙面の光沢は欲しないが、印刷
面だけはある程度の光沢が望まれる場合がある。つまり
、文字の部分は低グロスにして読み易くし、画線部は光
沢によってひきたたせることによってコントラストに富
んだ印刷物にさせたいというニーズである。これにマッ
チするのがダル調と呼ばれているものである。ダル調の
ものはマット調とグロス調の中間にあり、一般に白紙光
沢はマット調よりも若干高く、印刷後光沢はグロス調の
ものよりも若干低い。我が国市場では、マット、ダルの
特性差は各銘柄の特性として認識されているため両者は
異なる品種として明瞭に識別されていない。また、最近
ではダル調とグロス調の中間としてセミダル調と呼ばれ
るものも多く製品化されている。
【0007】以上の艶消し塗被紙は、一般に各種コータ
で塗工され、そのまま製品化されるかあるいは軽度のス
ーパーカレンダー処理のみで製品化される。
【0008】前記のごとく艶消し塗被紙は、高光沢を有
するグロス調塗被紙に比較して上品で高級感を醸し出す
ため、最近では従来のグロス調のものに代わって使用さ
れはじめるケースも多くなってきている。しかし従来の
艶消し塗被紙は、いずれも白紙光沢を低下させる仕様と
なっていることから、通常平滑性に劣り、更に印刷仕上
がり(印刷平滑性、印刷インキ受理性)の点でグロス調
塗被紙に比較して相当劣るのが現状である。
【0009】このような問題点の解決策としては、一般
に軽度のマシンカレンダー、スーパーカレンダー等によ
るカレンダー処理が行われるが、密度の上昇は避けられ
ず、その結果不透明性、剛性などの特性が低下する。
【0010】カレンダー処理による密度の上昇を押さえ
て平滑性、光沢を向上させる方法として、高温ロールに
よる熱カレンダー処理あるいはカレンダー処理直前に紙
表面への水塗布あるいは加熱蒸気の付与等の方法が知ら
れている。
【0011】高温カレンダー法は光沢塗被紙の坪量ムラ
や塗被量ムラ等がカレンダー処理後に大きな光沢ムラと
なってしまい、印刷時のトラッピングムラも大きい。
【0012】一般に紙の表面性を向上させるためには、
加熱よりも加湿の方が効果が高いとされている(M.A
grouts;Tappi  J.66(10),96
(1983))。
【0013】また、水塗布の場合は、紙の平均水分が最
低でも約1.5%以上上昇してしまい密度の上昇幅が大
きくなること、カレンダーロールへの塗料の付着の問題
が大きいこと等の問題がある。
【0014】以上より、軽度の加熱蒸気を紙に付与した
後にカレンダー処理する方法が近年開発され、その効果
が認められている(特開平2−160993)。但しこ
れは、塗工軽量印刷用紙に適用されたものであり、本発
明のような塗工量の多い塗工紙を対象にしたものではな
い。またその他以下の点で本発明と基本的に異なる。 (1)本発明では、紙に蒸気を付与した後のカレンダー
処理条件を前記請求項に記述したごとく処理温度を10
0〜150℃に限定して初めて、本発明に記載の品質上
の効果が得られることを認めたものである(特開平2−
160993の方法では同じ効果は得られない)。
【0015】更に耐熱性の高い特殊樹脂ロールを有する
ソフトカレンダーでカレンダー処理して初めて、上記の
ような高温での処理が可能となるものである。ソフトカ
レンダー法の方式は基本的にはオンマシンで(オフマシ
ンの場合もある)金属ロールとソフトロールを組合わせ
、少ニップ数でカレンダー掛けするものである。ソフト
ロールとして耐熱性の高い特殊樹脂を被覆したロールを
使用し、金属ロールを加温型とする方式である。
【0016】(2)本発明では、光沢塗被紙の場合、新
たにトラッピングムラをも改善し得ることを認めた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
ごとき光沢塗被紙又は艶消し塗被紙の有する難点を解決
すべく鋭意検討を重ねた結果、加熱蒸気を用いてあらか
じめ紙表面を加湿かつ加熱した後、特定範囲の温度でカ
レンダー処理することにより、従来の技術のように静的
平滑度を向上させなくても、動的平滑度を高め、インキ
受理性、印刷後光沢等印刷適性を向上させることが可能
となり、更に新たに嵩高で不透明度、剛度も向上し、又
、光沢塗被紙の場合にはトラッピングムラをも改善し得
ることを認め、従来にない優れた品質を有する光沢塗被
紙又は艶消し塗被紙の製造方法及びその製造方法により
得られる光沢塗被紙又は艶消し塗被紙を提供するもので
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は光沢塗被紙又は
艶消し塗被紙の製造方法において、カレンダー処理直前
に低圧で軽度の加熱蒸気を、紙に平行に噴出させ紙表面
を加湿及び加熱した後、100〜150℃の温度範囲内
でソフトカレンダー処理を行うことを特徴とする光沢塗
被紙又は艶消し塗被紙の製造方法である。
【0019】上記製造方法によりカレンダー処理後の光
沢度(JIS  P−8142  75度白紙光沢度)
が、65〜90%の範囲にある光沢塗被紙が好ましい。
【0020】また、上記製造方法により得られる塗被量
が片面10〜20g/m2 の艶消し塗被紙である。ま
たその場合、顔料としては平均粒子径が0.6〜10μ
mの炭酸カルシウムを50〜100重量部含有させた艶
消し塗被紙が好ましい。
【0021】本発明の特徴は、光沢塗被紙又は艶消し塗
被紙のカレンダー処理直前に、低圧で軽度の加熱蒸気を
特定の条件で紙の表面に付着させる点にあるが、これま
での蒸気加湿装置は、実機での連続使用の場合以下のよ
うな問題があった。
【0022】即ち、(1)蒸気ドレンが紙面に落下ある
いは吹き飛ばされる、(2)蒸気が周囲に飛散し、周辺
の機器に結露し、紙に結露水が落下する。(3)蒸気が
周辺に漏れ、作業環境が悪化する等の問題である。
【0023】以上の問題点を解決するため、コアンダ効
果を利用して蒸気を紙に平行かつ対向させて流す装置が
提案された。この利点は、紙と蒸気の接触時間を長くで
きること、紙につれまわってくる空気の侵入を防止でき
ること、紙の走行安定性が向上することにある。
【0024】本装置の主たるコンセプトは以下の如くで
ある。
【0025】蒸気のもつ熱エネルギーは紙と蒸気の温度
差によって蒸気が紙表面に微粒となって凝縮することに
よってつたえられる。この時、空気が介在すると空気は
断熱材の役目を果たし、熱授受の効率は著しく低下する
とともに、凝縮水は大きな粒子となってしまい、凝縮水
の紙への付着が不均一になってしまい、水分、温度ムラ
が大きくなってしまう。このように操業上の問題点を解
決するとともに熱効率を改善することによりはじめてカ
レンダー前での使用が可能となった。
【0026】一般にカレンダー処理により、密度の上昇
即ち嵩の低下は避けられず、その結果、不透明性や剛性
も低下する傾向にある。光沢塗被紙の場合、嵩の低下を
できる限り最小限に押さえ、高光沢、高平滑化するため
には、紙のごく表層部のみを緻密化する必要がある。艶
消し塗被紙の場合も同様に、嵩の低下をできる限り最小
限に押さえ、印刷平滑性、インキ受理性、印刷後光沢を
上げるためには、紙のごく表層部のみを緻密化する必要
がある。この手法としては、紙の表層部のみを加熱によ
り潰すことによって表面性を発現させるいわゆる温度勾
配カレンダー法が従来から提案されている(M.F.G
ratton  et.al.;Pulpand  P
aper  Can.,88(12),T461(19
87)等)。
【0027】また別な方法として、紙の表層部のみを加
湿により潰す方法がある。この方法は、加熱か加湿かの
違いだけでその作用機構は基本的に温度勾配カレンダー
法と同じである。即ち、加湿により紙の表層部のみを可
塑化した直後にカレンダー処理することによりカレンダ
ーロール表面を可塑化された紙表面に転写するメカニズ
ムである。
【0028】本発明者らは、この加湿カレンダー法を鋭
意研究した結果、水シャワーにより加湿する場合は、加
湿量が多くなってしまい(紙の平均水分量として1.5
%以上増加する)、カレンダー処理により表面性は大き
く向上するが、同時に嵩の低下幅も大きくなってしまう
ことを認めた。これは紙の表層部だけでなく中層部まで
水分が浸透してしまったことが原因と考えられる。また
この方法では紙の水分プロファイルの制御も難しいこと
等の問題点があった。また、この場合紙表面に付着した
水がカレンダーロールの温度を下げる方向に作用するこ
ともわかった。前記のように、紙表面を可塑化するには
カレンダーロールの温度はより高温で処理する方が望ま
しいが、水シャワーによる加湿方法では、カレンダーロ
ール温度を下げる方向に作用するためマイナスの効果と
なってしまう。
【0029】以上のような検討から、本発明者等は蒸気
による加湿方法が最良であることを認めた。本発明に用
いる蒸気は高温(100℃以上)であるため、紙表面(
この場合顔料塗被面および塗被面直下の紙表面)を同時
に加湿かつ加温して可塑化する。従って、蒸気加湿直後
にカレンダー処理した場合、顔料塗被層及び顔料塗被層
に近い紙層のみは密度が増加し表面性が向上するが、紙
中層部は密度が上がらず、紙全体としては平均密度がそ
れほど上がらず、高光沢、高平滑の優れた光沢塗被紙が
得られ、印刷仕上がり(印刷平滑性、インキ受理性、印
刷後光沢等)の優れた艶消し塗被紙が得られるのである
【0030】また、本発明と同様な蒸気によるカレンダ
ー法を用いて、その効果を論じた先行技術(特開平2−
160993)とは以下の点で基本的に異なるものであ
る。まず本発明では、紙に蒸気を付与した後のカレンダ
ー処理条件を前記請求項に記述したごとく100〜15
0℃に規定し、カレンダー法としては高耐熱、耐圧性の
特殊樹脂を有するソフトカレンダー法を採用することで
ある。
【0031】上記先行技術では、蒸気加湿によるカレン
ダー処理により、紙の密度上昇および嵩の減少を最小限
に押さえたまま、王研式平滑度を向上させることが可能
となり、それによって初めて印刷適性向上が可能である
と論じている。しかし本方法によれば、蒸気加湿後にカ
レンダー処理条件として、カレンダー処理温度が100
〜150℃の範囲で処理し、更に装置としてソフトカレ
ンダー法を採用することにより初めて、光沢塗被紙の印
刷仕上がり(インキ受理性、印刷後光沢等)を向上し得
、艶消し塗被紙の印刷仕上がりを向上し得るものである
。しかも、静的平滑度(王研式平滑度)を向上しなくと
も、動的平滑度が向上するため、上記印刷仕上がりを向
上し得る。更に上記先行技術では嵩、剛度は低下傾向に
あるのに対し、本発明の方法によれば嵩、剛度も向上し
得ることも認めた。
【0032】また新たに、本発明により光沢塗被紙の場
合、トラッピングムラも向上し得ることを認めた。
【0033】これらの理由は、紙の熱、水分に対する可
塑性、紙の熱伝導度、弾性率、紙層構造、弾性ロールの
弾性率等複雑な因子によって、紙の表面性の発現性メカ
ニズムが左右されると考えられるため定かではないが、
おおむね以下の違いが理由として考えられる。
【0034】まず、前記のごとくカレンダー処理温度が
100℃以下で処理した場合は、カレンダーロール温度
が紙表層部の温度より低いため、あらかじめ蒸気により
加熱されたごく表層部の紙の温度が逆に冷やされる結果
となり、紙の表層部のみを可塑化する効果に対してマイ
ナス効果となり、結果として同じ密度に紙を仕上げても
王研式平滑度は向上しなくなる。
【0035】また150℃以上の高温で処理すると加温
と蒸気による加湿が過度になってしまい、相乗効果によ
り表面性は大きく向上するものの、前記のように極端に
密度が上昇してしまい、結果として嵩、不透明度、剛度
の低下を招く。
【0036】本発明の方法によれば、一つには100℃
以上の高温で処理することにより、同じ王研式平滑度(
静的平滑度)を得るのにより低線圧で処理できるため、
嵩、不透明度、剛度が向上する。
【0037】また耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロール
を有するソフトカレンダー法を採用して初めて上記のよ
うな高温でカレンダー処理することが可能となる。なぜ
なら、一般的に使用されるスーパーカレンダーの場合に
は、弾性ロールであるコットンロールの内部発熱が大き
く、耐熱、耐圧性に限界があるため、ロールの最高使用
温度は一般に約85℃以下に制限されるためである。ま
た、板紙の製造で一般に使用されるグロスカレンダーの
場合には、金属ロール側は100℃以上の高温でも使用
されるが、弾性ロールであるゴムロールは、耐久性に著
しく劣るため一般に高速抄紙機、高速コータには適用で
きない。したがって、耐熱性、耐圧性に優れた特殊樹脂
ロールを有するソフトカレンダーを採用して初めて高温
、高圧での使用が可能となる。なお、ソフトカレンダー
のロールの温度は紙の温度より高く設定することが好ま
しい。
【0038】本発明の低圧で軽度の加熱蒸気流を紙に噴
出する装置としては、紙と平行に蒸気を噴出する装置、
ノズルから紙表面に一定の角度で噴出する装置などで、
蒸気が紙表面に付着して適度に紙の温度と水分を上昇さ
せる調整ができるものであれば使用できる。
【0039】本発明において使用する蒸気は、低圧で軽
度の加熱蒸気で、紙に付与する場合、使用蒸気圧は1k
g/cm2 以下で、蒸気流量が15〜80kg/Hr
/m幅で、紙水分増加率が0.3〜1.2%の範囲内で
蒸気を付与することが望ましい。その理由は前記のよう
に蒸気圧が高く、流量も多すぎると、過剰の水分が紙中
層部まで浸透し、カレンダー処理後の嵩を大きく低下さ
せる。また紙への蒸気付着量が多すぎると塗工紙の場合
塗工層表面がカレンダーロールに取られる問題を生じる
。逆に蒸気流量が少なすぎると、紙の平滑、光沢ムラを
発生させる恐れがあり、また加湿、加温の効果が少なく
なり、平滑性、印刷適性の向上効果も少なくなる。した
がって、適正な水分付与条件としては、望ましくは紙水
分増加率が0.3〜1.2%の範囲内で蒸気を付与する
ことが望ましい。
【0040】蒸気塗布後、カレンダーロールニップに入
るまでの時間はできる限り短い方が良く、0.01〜0
.25秒の範囲内が望ましい。これ以上時間が長いと蒸
気粒子が紙中層部に侵入し、カレンダー処理後の嵩を大
きく低下させる。
【0041】また本研究の結果、使用する弾性ロールの
硬度はショアD87〜93の範囲内にあることが望まし
いことがわかった。
【0042】その理由は明確ではないが、弾性ロールの
硬度がより低い場合には、ニップ幅は広くなり、紙に対
する面圧が大きくなる。この場合には、金属ロールの表
面を紙表面に転写する時間が長くなり、面圧とは逆に線
圧は小さくなるため、紙の光沢発現性は高くなるが、紙
の表層部より若干中層部近くまでの平滑性を測定する王
研式平滑度ではあまり大きな向上として現れない。
【0043】逆に弾圧ロール硬度が高い場合には、ニッ
プ幅も狭く、紙にかかる線圧も高いため王研式の平滑度
の向上も大きくなると考えられる。ただしロール硬度が
過度に高いと、異物通過時のロールの傷付きとその復元
性に劣り実用的でなく、品質的にも従来の金属ロール/
金属ロールの組み合わせによるカレンダー法と差がなく
なってしまう。従って適度な硬度範囲の弾性ロールを使
用する必要がある。
【0044】光沢塗被紙の場合にトラッピングムラが向
上する理由としては、加湿により塗被紙表面が可塑化さ
れ、カレンダー処理時にニップの全幅にわたりより均一
な面圧がかかり、カレンダーロール面が均一に塗被紙表
面に転写された結果、密度ムラが少なくより均一性の高
い仕上がりとなり、印刷インキの吸収ムラも少なくなっ
たためと思われる。
【0045】本発明に用いられる光沢塗被紙用原紙又は
艶消し塗被紙用原紙には、染料、サイズ剤、乾燥紙力増
強剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、歩どまり向上剤等通常
抄紙で用いられる添加剤を必要に応じて含むものである
【0046】また本発明の艶消し塗被紙は、塗被層の顔
料として平均粒子径が0.6〜10μmの炭酸カルシウ
ムを50〜100重量部含有させたことを特徴とする。 この理由は、表面平滑性に富む塗被層を形成する顔料(
例えば、カオリンクレーや二酸化チタン)を高配合した
艶消し塗被紙を用いて、蒸気加湿し、カレンダー処理す
ると、光沢度が過度に向上してしまい、艶消し塗被紙で
はなく高光沢のグロス調塗被紙となってしまうからに過
ぎない。
【0047】また本発明に使用する光沢塗被紙は、塗被
量が片面10〜25g/m2 であり、片面塗被でも両
面塗被紙いずれでも良い。
【0048】また、原紙表面に塗工する顔料としては、
クレー、カオリン、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸
カルシウム(艶消し塗被紙の場合は除く)、酸化チタン
、炭酸マグネシウム、合成シリカ、サチンホワイト、プ
ラスチックピグメント等を単独に、または数種類組み合
わせて使用することができる。また、塗工液に使用する
バインダーとしてはデンプン、ポルビニルアルコール、
ラテックス等を単独にまたは数種類組み合わせて用いる
ことができる。
【0049】また本発明の光沢塗被紙は、カレンダー処
理後の光沢度(JIS  P−8142  75度白紙
光沢度)が、65〜90%の範囲にある光沢塗被紙であ
る。 また本発明に使用する艶消し塗被紙は、塗被量が片面1
0〜20g/m2 であり、片面塗被でも両面塗被紙い
ずれでも良い。
【0050】また、一般に塗被紙製造に使用される塗被
装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロー
ルコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテ
ンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等を用
いオンマシンあるいはオフマシンによって原紙上に一層
あるいは多層に分けて塗被されるものである。
【0051】以上本発明者等は、紙の表層部のみを可塑
化する手段として加熱あるいは加湿によるカレンダー法
を種々検討を重ねた結果、低圧で軽度の加熱蒸気を光沢
塗被紙又は艶消し塗被紙の表面に付与し、紙表面を加湿
及び加熱した後、100〜150℃範囲内で高温でソフ
トカレンダー処理を行うことにより、同一の静的平滑度
(王研式平滑度)に仕上げても、動的平滑度が高く、イ
ンキ受理性、印刷後光沢等印刷適性に優れ、更に嵩高で
不透明度、剛度が高い光沢塗被紙又は艶消し塗被紙を製
造し得ることを認めた。また、光沢塗被紙の場合にトラ
ッピングムラが少ないことを認めた。
【0052】
【実施例】本発明の実施例を示す。
【0053】カレンダー処理にチルドロールと樹脂ロー
ルの組み合わせからなる2段のソフトニップを有する2
スタックのソフトカレンダーを用い、各ニップ前に、チ
ルドロールの当たる側の紙表面に蒸気が噴出されるよう
に、加湿装置(相川鉄鋼株式会社のスチームフォイル)
を設置し下記の実験を行った。
【0054】本実施例及び比較例で使用したソフトカレ
ンダーの詳細は次の通りである。
【0055】本体メーカー:南千住製作所(株)ロール
面長:1050mm 加熱ロール:誘導発熱ジャケットロール(トクデン製)
ソフトロール:エラグラスRE(金陽社製)ショアー硬
度D  89他 実施例1 坪量95g/m2 の光沢塗被紙用原紙に、主として顔
料及び接着剤から成る塗被液を片面18g/m2 両面
塗工した塗被紙に、使用蒸気圧0.8kg/cm2 、
蒸気流量が50kg/Hr/m幅一定条件下で蒸気を付
与し、0.03秒後に各カレンダーニップに入るように
カレンダー処理した。その際カレンダーロール温度は1
20℃で処理した。
【0056】比較例1 カレンダーロール温度を70℃でカレンダー処理するこ
と以外はすべて上記実施例1と同条件でカレンダー処理
した。
【0057】比較例2 蒸気をまったく使用しない以外は、上記実施例1と同じ
光沢塗被紙を用い、同じ条件でカレンダー処理した。
【0058】実施例2 坪量100g/m2 の艶消し塗被紙用原紙に、主とし
て顔料及び接着剤から成る塗被組成物の顔料成分中に平
均粒子径が0.7μmの炭酸カルシウムを顔料100重
量部中50重量部配合した塗被液を、片面13g/m2
両面塗工した塗被紙を用いて、使用蒸気圧0.8kg/
cm2 、蒸気流量が50kg/Hr/m幅一定条件下
で蒸気を付与し、0.03秒後に各カレンダーニップに
入るようにソフトカレンダー処理した。その際カレンダ
ーロール温度は120℃で処理した。
【0059】比較例3 カレンダーロール温度を70℃でカレンダー処理するこ
と以外はすべて上記実施例1と同条件でカレンダー処理
した。
【0060】比較例4 蒸気をまったく使用しない以外は、上記実施例1と同じ
条件でカレンダー処理した。
【0061】(品質評価方法) ・白紙光沢度:JIS  P−8142に従い角度75
度で測定した。
【0062】・静的平滑度:JAPAN  Tappi
  No.5  王研式平滑度試験器で測定した。
【0063】・動的平滑度:パーカプリントサーフ表面
粗さ(PPS)計(野村商事製PPS−78型)を用い
、μ単位の粗さとして表示する。数値の小さい方が動的
平滑性が高い。
【0064】・剛性:JIS  P−8113に従いク
ラークこわさ試験機で測定した。
【0065】・不透明度(%):JIS  P−813
8に準じて測定した。
【0066】・トラッピングムラ:RI−1型印刷機(
明製作所製)を使用して、一色目黄、二色目紅インキを
用いて印刷し、印刷ムラを目視により5段階相対評価し
た。 ・印刷後光沢は上記同様JIS  P−8142に従い
角度75度で測定した。 ・網点再現性は、ローランドオフセット印刷機を用いて
二色印刷した後、網点を光学顕微鏡で観察し、目視評価
した。
【0067】・インキ受理性(印刷面光沢度):RI−
2型印刷機(明製作所製)を使用した印刷を行い、紅イ
ンキの受理性を目視判定した。また、印刷面光沢度は上
記同様JIS  P−8142に従い角度75度で測定
した。
【0068】なお、目視の評価基準は以下の4段階とし
た。
【0069】◎:非常に優れている。
【0070】○:優れている。
【0071】△:普通。
【0072】×:劣っている。
【0073】
【0074】
【0075】
【発明の効果】表から明らかなように、従来の蒸気加湿
カレンダー技術と異なり、紙に蒸気を付与した後のカレ
ンダー処理条件を前記請求項に記述したごとく、カレン
ダー処理温度を100〜150℃に規定してソフトカレ
ンダー処理する本発明の方法により、所定の王研式平滑
度に紙を仕上げる場合、動的平滑度が高く、インキ受理
性、印刷後光沢等印刷適性を飛躍的に向上させ得ること
ができる。更に嵩高で不透明度、剛度の高い光沢塗被紙
又は艶消し塗被紙を製造し得る。又、光沢塗被紙の場合
にはトラッピングムラを減少し得る。従って、本発明の
製造方法により製造された光沢塗被紙又は艶消し塗被紙
は、従来にない優れた品質特性が得られ、その製品価値
は極めて大なるものがある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  光沢塗被紙の製造方法において、塗被
    量が片面10〜25g/m2 である光沢塗被紙のソフ
    トカレンダー処理直前に、低圧で軽度の加熱蒸気を付与
    し紙表面を加湿及び加熱した後、ソフトカレンダーロー
    ル温度が100〜150℃範囲内でのソフトカレンダー
    処理を行うことを特徴とする光沢塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の方法により製造された
    光沢塗被紙。
  3. 【請求項3】  カレンダー処理後の光沢度(JIS 
     P−8142  75度白紙光沢度)が、65〜90
    %の範囲にある請求項2記載の光沢塗被紙。
  4. 【請求項4】  艶消し塗被紙の製造方法において、塗
    被量が片面10〜20g/m2 である艶消し塗被紙の
    ソフトカレンダー処理直前に、低圧で軽度の加熱蒸気を
    付与して紙表面を加湿及び加熱した後、ソフトカレンダ
    ーロールの温度が100〜150℃の範囲内でのソフト
    カレンダー処理を行うことを特徴とする艶消し塗被紙の
    製造方法。
  5. 【請求項5】  請求項4記載の方法により製造された
    艶消し塗被紙。
  6. 【請求項6】  塗被層の顔料として、平均粒子径が0
    .6〜10μmの炭酸カルシウムを前記顔料100重量
    部中50〜100重量部含有させたことを特徴とする請
    求項5記載の艶消し塗被紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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