JPH05321193A - キャスト塗被紙の製造法 - Google Patents
キャスト塗被紙の製造法Info
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- JPH05321193A JPH05321193A JP14700492A JP14700492A JPH05321193A JP H05321193 A JPH05321193 A JP H05321193A JP 14700492 A JP14700492 A JP 14700492A JP 14700492 A JP14700492 A JP 14700492A JP H05321193 A JPH05321193 A JP H05321193A
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- cast
- paper
- gloss
- coated paper
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 顔料及び接着剤を主成分とする乾燥塗被層を
再湿潤し、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢仕上
げするキャスト塗被紙の製造法に於いて、光沢ムラを無
くし且つ白紙光沢、表面性を向上させる。 【構成】 キャスト加工前の塗工層を予めカレンダー処
理する方法に於いて、低圧で軽度の加熱蒸気を付与し紙
表面を加湿且つ加熱した後、加熱温度100〜150℃
の範囲内でソフトカレンダー処理することにより、高品
質のキャスト塗被紙を得るものである。 【効果】 従来法に於けるカレンダー処理のように得ら
れるキャスト塗被紙の嵩高さや剛度を損なうことなく、
光沢ムラ、白紙光沢、表面性の優れたキャスト塗被紙が
連続で安定して高速生産可能となった。
再湿潤し、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢仕上
げするキャスト塗被紙の製造法に於いて、光沢ムラを無
くし且つ白紙光沢、表面性を向上させる。 【構成】 キャスト加工前の塗工層を予めカレンダー処
理する方法に於いて、低圧で軽度の加熱蒸気を付与し紙
表面を加湿且つ加熱した後、加熱温度100〜150℃
の範囲内でソフトカレンダー処理することにより、高品
質のキャスト塗被紙を得るものである。 【効果】 従来法に於けるカレンダー処理のように得ら
れるキャスト塗被紙の嵩高さや剛度を損なうことなく、
光沢ムラ、白紙光沢、表面性の優れたキャスト塗被紙が
連続で安定して高速生産可能となった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙の製造法
に関し、特に塗被層表面に密着ムラに基因する班点や光
沢ムラの発生を伴うこと無く、高速で且つ安定して製造
できる再湿潤キャスト法(リウェットキャスト法)の改
良に関するものである。
に関し、特に塗被層表面に密着ムラに基因する班点や光
沢ムラの発生を伴うこと無く、高速で且つ安定して製造
できる再湿潤キャスト法(リウェットキャスト法)の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢
塗被紙は、原紙の表面に顔料及び接着剤を主成分とする
水性顔料塗料を塗被してキャスト塗被層を設け、塗被層
が湿潤状態にある段階で、キャスト塗被層を加熱された
金属製の鏡面ドラムに圧着し、乾燥することにより製造
されている。このキャスト塗被紙の製造方法としては、
湿潤状態の塗被層を直接加熱ドラム面に圧接して光沢仕
上げするウェットキャスト法、湿潤状態の塗被層をゲル
状態にして加熱ドラム面に圧接して光沢仕上げするゲル
化キャスト法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥した後、再
湿潤により可塑化して加熱ドラム面に圧接するリウェッ
トキャスト法等が知られている。
塗被紙は、原紙の表面に顔料及び接着剤を主成分とする
水性顔料塗料を塗被してキャスト塗被層を設け、塗被層
が湿潤状態にある段階で、キャスト塗被層を加熱された
金属製の鏡面ドラムに圧着し、乾燥することにより製造
されている。このキャスト塗被紙の製造方法としては、
湿潤状態の塗被層を直接加熱ドラム面に圧接して光沢仕
上げするウェットキャスト法、湿潤状態の塗被層をゲル
状態にして加熱ドラム面に圧接して光沢仕上げするゲル
化キャスト法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥した後、再
湿潤により可塑化して加熱ドラム面に圧接するリウェッ
トキャスト法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これ等のキャスト仕上
法は、何れも可塑状態に在る塗被層を加熱ドラム面に圧
接乾燥し、離型させる点では共通しているが、塗被層の
可塑状態の違いによって操業性及び得られるキャスト塗
被紙の品質に於いて夫々以下の如き問題点を有してい
る。先ずウェットキャスト法では、塗被層の粘性が低い
ので加熱ドラム面の温度を100℃以上にすると塗被液
の沸騰が起こり、塗被層を破壊されるという問題点があ
るため100℃以上に高めることができず、このため低
速度での操業を余儀なくされているのが現状である。
法は、何れも可塑状態に在る塗被層を加熱ドラム面に圧
接乾燥し、離型させる点では共通しているが、塗被層の
可塑状態の違いによって操業性及び得られるキャスト塗
被紙の品質に於いて夫々以下の如き問題点を有してい
る。先ずウェットキャスト法では、塗被層の粘性が低い
ので加熱ドラム面の温度を100℃以上にすると塗被液
の沸騰が起こり、塗被層を破壊されるという問題点があ
るため100℃以上に高めることができず、このため低
速度での操業を余儀なくされているのが現状である。
【0004】ゲル化キャスト法では、塗被層がゲル状態
にされているため、加熱ドラム面の温度を100℃以上
に上げることも可能であるが、増速と共に塗被層中に含
まれる多量の水分を加熱ドラム接触時に於いてスムーズ
に原紙層中に移行させて蒸発除去する必要があり、また
塗被層のゲル化の度合いを調節することも難かしく、こ
のため余り高速でのキャスト仕上げを行うと光沢などの
品質が低下する。リウェットキャスト法では塗被層が一
旦乾燥されるため、加熱ドラム面の温度を90〜180
℃まで上げることも可能であるが、一旦乾燥された塗被
層を再湿潤するために可塑化の度合いがウエットキャス
ト法やゲル化キャスト法に比較して著しく低い。そのた
め低速度下での操業に於いては比較的均質な強光沢の塗
被が得られるものの、高速度での操業となるに従って光
沢の均質性は急激に失われて光沢ムラとなる。これは可
塑化が低いため塗被層が加熱ドラム面に均一に密着され
ないことが原因であると考えられる。
にされているため、加熱ドラム面の温度を100℃以上
に上げることも可能であるが、増速と共に塗被層中に含
まれる多量の水分を加熱ドラム接触時に於いてスムーズ
に原紙層中に移行させて蒸発除去する必要があり、また
塗被層のゲル化の度合いを調節することも難かしく、こ
のため余り高速でのキャスト仕上げを行うと光沢などの
品質が低下する。リウェットキャスト法では塗被層が一
旦乾燥されるため、加熱ドラム面の温度を90〜180
℃まで上げることも可能であるが、一旦乾燥された塗被
層を再湿潤するために可塑化の度合いがウエットキャス
ト法やゲル化キャスト法に比較して著しく低い。そのた
め低速度下での操業に於いては比較的均質な強光沢の塗
被が得られるものの、高速度での操業となるに従って光
沢の均質性は急激に失われて光沢ムラとなる。これは可
塑化が低いため塗被層が加熱ドラム面に均一に密着され
ないことが原因であると考えられる。
【0005】リウェットキャスト法に於けるこのような
問題を改良するために、例えば塗被層をポーラスにして
加熱ドラムへの密着を良くするように亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウムの塩類を塗被紙に添加する方法(特開
昭60−146097号)も提案されているが、この方
法は、金属塩を添加したときに塗被液の粘度上昇が著し
く、また塗被液中に凝集粒状物が発生し易い等、操業性
が低下するだけでなく、粒状物により塗被乾燥後の塗被
層表面の外観が損なわれる場合もある。また、再湿潤す
る前の塗被層をスーパーカレンダー等でカレンダー掛け
して平滑化しておく方法や、塗被層を仕上面に圧接する
際のフォーミングロール圧を高圧にする方法も提案され
ている。しかしこれ等の方法は一方でキャスト塗被紙の
特徴である低密度で嵩高く、且つ剛度が高いという利点
を著しく損なうことになって了う。
問題を改良するために、例えば塗被層をポーラスにして
加熱ドラムへの密着を良くするように亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウムの塩類を塗被紙に添加する方法(特開
昭60−146097号)も提案されているが、この方
法は、金属塩を添加したときに塗被液の粘度上昇が著し
く、また塗被液中に凝集粒状物が発生し易い等、操業性
が低下するだけでなく、粒状物により塗被乾燥後の塗被
層表面の外観が損なわれる場合もある。また、再湿潤す
る前の塗被層をスーパーカレンダー等でカレンダー掛け
して平滑化しておく方法や、塗被層を仕上面に圧接する
際のフォーミングロール圧を高圧にする方法も提案され
ている。しかしこれ等の方法は一方でキャスト塗被紙の
特徴である低密度で嵩高く、且つ剛度が高いという利点
を著しく損なうことになって了う。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる現状に鑑み本発明
者等はキャスト塗被紙を連続して安定して高速生産でき
る方法の開発を目的とし、特にリウェットキャスト法の
改良に就いて種々検討を重ねた結果、リウェットキャス
ト法に加熱蒸気による加湿、加熱処理及びソフトカレン
ダー処理技術を導入する方法を見い出した。即ち再湿潤
する前の塗被層表面を低圧で軽度の加熱蒸気を付与し加
湿且つ加熱した後、加熱温度を100〜150℃の範囲
内でソフトカレンダー処理を行うことにより、従来法に
於けるスーパーカレンダー処理のようにキャスト塗被紙
の嵩高さや剛度を損なうことなく、光沢及び光沢の均質
性を高め良好な表面を得ようとするものである。
者等はキャスト塗被紙を連続して安定して高速生産でき
る方法の開発を目的とし、特にリウェットキャスト法の
改良に就いて種々検討を重ねた結果、リウェットキャス
ト法に加熱蒸気による加湿、加熱処理及びソフトカレン
ダー処理技術を導入する方法を見い出した。即ち再湿潤
する前の塗被層表面を低圧で軽度の加熱蒸気を付与し加
湿且つ加熱した後、加熱温度を100〜150℃の範囲
内でソフトカレンダー処理を行うことにより、従来法に
於けるスーパーカレンダー処理のようにキャスト塗被紙
の嵩高さや剛度を損なうことなく、光沢及び光沢の均質
性を高め良好な表面を得ようとするものである。
【0007】加熱蒸気処理は紙と平行且つ対向させたノ
ズルから紙表面に一定の角度で蒸気を噴出し、蒸気が紙
表面に付着して適度に紙の温度と水分を上昇且つ調整が
できれば良く、例えば特願平3−356324号、16
9078号、166175号記載の装置等が使用でき
る。また本発明を実施するためには、耐熱、耐圧性に優
れた特殊樹脂ロールを有するソフトカレンダー法を用い
ることが望ましい。ソフトカレンダー処理温度は100
〜150℃で行われなければならない。100℃未満で
はキャスト加工前の段階での表面性が不充分なため加工
後に於いても良好なキャスト面(表面性)が得られな
い。また150℃を超えるとキャスト加工後の嵩高さ、
剛度が失われ、またロールの耐久性が悪化する。
ズルから紙表面に一定の角度で蒸気を噴出し、蒸気が紙
表面に付着して適度に紙の温度と水分を上昇且つ調整が
できれば良く、例えば特願平3−356324号、16
9078号、166175号記載の装置等が使用でき
る。また本発明を実施するためには、耐熱、耐圧性に優
れた特殊樹脂ロールを有するソフトカレンダー法を用い
ることが望ましい。ソフトカレンダー処理温度は100
〜150℃で行われなければならない。100℃未満で
はキャスト加工前の段階での表面性が不充分なため加工
後に於いても良好なキャスト面(表面性)が得られな
い。また150℃を超えるとキャスト加工後の嵩高さ、
剛度が失われ、またロールの耐久性が悪化する。
【0008】以上の条件でカレンダー処理しキャスト加
工前の表面性を向上させることによりキャストドラムへ
の密着性が増してドラム表面の写し取りが容易となるた
め、ドラム温度を90℃以上に昇温し加工速度を50〜
150m/minに上昇させた場合でも、従来のリウェ
ットキャスト法の如く微少な光沢欠陥が増加する事は無
く、しかも低密度で印刷適性の良好なキャスト塗被紙が
常に安定して得られるのである。また製品の管理指標と
して王研式平滑度(JAPAN TAPPI No.5王研式平滑度試験
器測定値)を用いることができる。キャスト加工後に良
好な表面性を得るためにはキャスト加工前の平滑度が10
00秒以上であることが好ましい。本発明で使用するソフ
トカレンダーの特殊樹脂としてはウレタン樹脂、ポリエ
ーテル樹脂、エボナイト系ゴム等が使用され、表面強度
がショアD硬度で60〜93のものが好ましい。
工前の表面性を向上させることによりキャストドラムへ
の密着性が増してドラム表面の写し取りが容易となるた
め、ドラム温度を90℃以上に昇温し加工速度を50〜
150m/minに上昇させた場合でも、従来のリウェ
ットキャスト法の如く微少な光沢欠陥が増加する事は無
く、しかも低密度で印刷適性の良好なキャスト塗被紙が
常に安定して得られるのである。また製品の管理指標と
して王研式平滑度(JAPAN TAPPI No.5王研式平滑度試験
器測定値)を用いることができる。キャスト加工後に良
好な表面性を得るためにはキャスト加工前の平滑度が10
00秒以上であることが好ましい。本発明で使用するソフ
トカレンダーの特殊樹脂としてはウレタン樹脂、ポリエ
ーテル樹脂、エボナイト系ゴム等が使用され、表面強度
がショアD硬度で60〜93のものが好ましい。
【0009】本発明の方法に於いて塗被層を形成するた
めに用いられる塗被組成物は従来のキャスト塗被紙用組
成物と同様、顔料及び接着剤を主たる成分とする組成物
が用いられる。塗被顔料としてはクレー,炭酸カルシウ
ム,サチンホワイト,水酸化アルミニウム,硫酸バリウ
ム等を1種または2種以上混合して使用する。接着剤と
してはカゼイン,大豆タンパク,スチレン・ブタジエン
等の共役ジエン系,アクリル酸エステル等のアクリル
系,エチレン・酢酸ビニル等のビニル系共重合体等のラ
テックスを顔料100重量部に対し5〜30重量部併用
して配合する。尚、更に必要に応じて従来のキャストコ
ート用の塗被液組成物に用いられている剥離剤、消泡
剤、分散剤等も使用することができる。
めに用いられる塗被組成物は従来のキャスト塗被紙用組
成物と同様、顔料及び接着剤を主たる成分とする組成物
が用いられる。塗被顔料としてはクレー,炭酸カルシウ
ム,サチンホワイト,水酸化アルミニウム,硫酸バリウ
ム等を1種または2種以上混合して使用する。接着剤と
してはカゼイン,大豆タンパク,スチレン・ブタジエン
等の共役ジエン系,アクリル酸エステル等のアクリル
系,エチレン・酢酸ビニル等のビニル系共重合体等のラ
テックスを顔料100重量部に対し5〜30重量部併用
して配合する。尚、更に必要に応じて従来のキャストコ
ート用の塗被液組成物に用いられている剥離剤、消泡
剤、分散剤等も使用することができる。
【0010】斯くして調製された塗被組成物は一般の塗
被紙製造に用いられているブレードコーター,エアーナ
イフコーター,ロールコーター,ブラシコーター,カー
テンコーター,バーコーター,グラビアコーター,サイ
ズプレスコーター等の塗被装置を設けたオンマシン或い
はオフマシンコーターによって原紙上に1層或いは多層
に分けて塗被される。その際の塗被組成物の固形分濃度
は、一般に40〜65重量%であるが、操業性を考慮す
ると45〜65重量%の範囲が好ましい。また、原紙と
しては一般の印刷用塗被紙やキャスト塗被紙に用いられ
る坪量30〜400g/m2のペーパーベース或いはボ
ードベースの原紙が用いられる。これ等は酸性或いは中
性抄紙で抄造される原紙であり、高歩留パルプを約10
重量%以上含む中質原紙も勿論使用できる。また、予備
塗工やキャスト塗被層の裏面に一般の顔料コーティング
層を設けたような塗被紙も原紙として使用可能である。
被紙製造に用いられているブレードコーター,エアーナ
イフコーター,ロールコーター,ブラシコーター,カー
テンコーター,バーコーター,グラビアコーター,サイ
ズプレスコーター等の塗被装置を設けたオンマシン或い
はオフマシンコーターによって原紙上に1層或いは多層
に分けて塗被される。その際の塗被組成物の固形分濃度
は、一般に40〜65重量%であるが、操業性を考慮す
ると45〜65重量%の範囲が好ましい。また、原紙と
しては一般の印刷用塗被紙やキャスト塗被紙に用いられ
る坪量30〜400g/m2のペーパーベース或いはボ
ードベースの原紙が用いられる。これ等は酸性或いは中
性抄紙で抄造される原紙であり、高歩留パルプを約10
重量%以上含む中質原紙も勿論使用できる。また、予備
塗工やキャスト塗被層の裏面に一般の顔料コーティング
層を設けたような塗被紙も原紙として使用可能である。
【0011】斯かる原紙を用いて塗被組成物を乾燥重量
で10〜35g/m2程度塗被されるが、得られるキャ
スト塗被紙の品質、キャスト塗被速度の改良効果の点か
ら観て15〜25g/m2の範囲で調整されるのが最も
好ましい。原紙上に塗被された塗被組成物の乾燥は熱風
ドライヤー,エアーホイルドライヤー,エアーキャップ
ドライヤー,シリンダードライヤー,赤外線ドライヤ
ー,電子線ドライヤー等、通常の塗被紙用乾燥装置によ
って行われる。塗被紙の乾燥程度は、原紙の種類、塗被
組成物の種類等によって異なるが、一般には紙水分とし
て約1〜10%の範囲であり、約2〜7%の範囲に乾燥
するのが望ましい。
で10〜35g/m2程度塗被されるが、得られるキャ
スト塗被紙の品質、キャスト塗被速度の改良効果の点か
ら観て15〜25g/m2の範囲で調整されるのが最も
好ましい。原紙上に塗被された塗被組成物の乾燥は熱風
ドライヤー,エアーホイルドライヤー,エアーキャップ
ドライヤー,シリンダードライヤー,赤外線ドライヤ
ー,電子線ドライヤー等、通常の塗被紙用乾燥装置によ
って行われる。塗被紙の乾燥程度は、原紙の種類、塗被
組成物の種類等によって異なるが、一般には紙水分とし
て約1〜10%の範囲であり、約2〜7%の範囲に乾燥
するのが望ましい。
【0012】尚、再湿潤液に就いては特に限定されるも
のではなく、例えばポリエチレンエマルジョン,脂肪酸
石鹸,カルシウムステアレート,マイクロクリスタリン
ワックス,界面活性剤,ロート油等の離型剤を0.01
〜3重量%程度含有した水溶液、エマルジョン等の通常
の再湿潤液が用いられる。また、密着ムラをより改善す
べくアルカリやヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩、
尿素等を乾燥塗被層の可塑化を促進するために併用する
ことも勿論である。
のではなく、例えばポリエチレンエマルジョン,脂肪酸
石鹸,カルシウムステアレート,マイクロクリスタリン
ワックス,界面活性剤,ロート油等の離型剤を0.01
〜3重量%程度含有した水溶液、エマルジョン等の通常
の再湿潤液が用いられる。また、密着ムラをより改善す
べくアルカリやヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩、
尿素等を乾燥塗被層の可塑化を促進するために併用する
ことも勿論である。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、勿論こ
れ等に限定されるものではない。また、例中の部及び%
は特に断わらない限り夫々重量部、重量%を表す。
れ等に限定されるものではない。また、例中の部及び%
は特に断わらない限り夫々重量部、重量%を表す。
【0014】実施例1 カオリン100部、分散剤0.3部をコーレス分散機を
用いて水中に分散し、固形分濃度60%の顔料スラリー
を調製した。これに消泡剤としてトリブチルフォスフェ
ートを0.5部、離型剤としてステアリン酸カルシウム
を5部、接着剤として固形分濃度15%のカゼイン水溶
液10部(固形分)、スチレン・ブタジエン共重合体ラ
テックス(商品名,SN307,住友ノーガタック社
製)15部(固形分)を加え、更に水を加えて固形分5
0%の塗被液を調製した。得られた塗被液を用いて坪量
70g/m2のキャスト塗被紙用原紙に塗被量が乾燥重
量で25g/m2となるようにブレードコーターで塗被
し、乾燥機で紙水分が7%になるように乾燥した。
用いて水中に分散し、固形分濃度60%の顔料スラリー
を調製した。これに消泡剤としてトリブチルフォスフェ
ートを0.5部、離型剤としてステアリン酸カルシウム
を5部、接着剤として固形分濃度15%のカゼイン水溶
液10部(固形分)、スチレン・ブタジエン共重合体ラ
テックス(商品名,SN307,住友ノーガタック社
製)15部(固形分)を加え、更に水を加えて固形分5
0%の塗被液を調製した。得られた塗被液を用いて坪量
70g/m2のキャスト塗被紙用原紙に塗被量が乾燥重
量で25g/m2となるようにブレードコーターで塗被
し、乾燥機で紙水分が7%になるように乾燥した。
【0015】次いで図1に示す装置によりリウェットキ
ャスト加工を行った。即ち、蒸気加湿装置1により、蒸
気圧0.8kg/cm2、蒸気流量50kg/Hr/m幅で蒸気を
噴射し、チルドロールと樹脂ロール(ショア硬度D8
9)から成るソフトカレンダー2(南千住製作所製)に
より加熱温度120℃でソフトカレンター処理した後、
再湿潤液供給ノズル6により再湿潤液としてポリエチレ
ンエマルジョン(0.5%濃度)を供給して、表面温度
110℃の鏡面ドラム4に圧接ロール3によりプレスニ
ップ圧100kg/cmで圧接・乾燥して後、ストリップオ
フロール5で鏡面ドラムから剥離することによって、加
工速度100m/minでキャスト塗被紙を製造した。
ャスト加工を行った。即ち、蒸気加湿装置1により、蒸
気圧0.8kg/cm2、蒸気流量50kg/Hr/m幅で蒸気を
噴射し、チルドロールと樹脂ロール(ショア硬度D8
9)から成るソフトカレンダー2(南千住製作所製)に
より加熱温度120℃でソフトカレンター処理した後、
再湿潤液供給ノズル6により再湿潤液としてポリエチレ
ンエマルジョン(0.5%濃度)を供給して、表面温度
110℃の鏡面ドラム4に圧接ロール3によりプレスニ
ップ圧100kg/cmで圧接・乾燥して後、ストリップオ
フロール5で鏡面ドラムから剥離することによって、加
工速度100m/minでキャスト塗被紙を製造した。
【0016】比較例1 上記実施例1と同じ塗被液、同じ方法で塗被液をブレー
ドコーターで塗被し、乾燥機で紙水分が7%になるよう
に乾燥した。その後、直ちに(蒸気加湿、ソフトカレン
ダー処理を行わず)実施例1と同じ方法でキャスト加工
した。
ドコーターで塗被し、乾燥機で紙水分が7%になるよう
に乾燥した。その後、直ちに(蒸気加湿、ソフトカレン
ダー処理を行わず)実施例1と同じ方法でキャスト加工
した。
【0017】比較例2 蒸気加湿を行わず、且つ実施例1と同程度の平滑性を得
るためソフトカレンダのニップ圧を上げたこと以外は上
記実施例1と同じ方法でキャスト加工した。
るためソフトカレンダのニップ圧を上げたこと以外は上
記実施例1と同じ方法でキャスト加工した。
【0018】比較例3 70℃でソフトカレンダー処理し且つ実施例1と同程度
の平滑性を得るためソフトカレンダーのニップ圧を上げ
たこと以外は上記実施例1と同じ方法でキャスト塗被紙
を得た。
の平滑性を得るためソフトカレンダーのニップ圧を上げ
たこと以外は上記実施例1と同じ方法でキャスト塗被紙
を得た。
【0019】実施例及び各比較例で得られたキャスト塗
被紙の品質評価結果を下記の表1に併記した。尚、表1
中の光沢ムラ、白紙光沢、操業性は次のようにして求め
た。 光沢ムラ:目視により評価した。 ○:キャスト後の塗被面に光沢ムラは殆んど無い。 ×:キャスト後の塗被面に光沢ムラが可成り有る。 ××:キャスト後の塗被面に光沢ムラが極めて多く有
る。 白紙光沢:村上色彩技術研究所製の光沢度計を用い、7
5°光沢を測定した。 平滑度:王研式平滑度計により測定した。
被紙の品質評価結果を下記の表1に併記した。尚、表1
中の光沢ムラ、白紙光沢、操業性は次のようにして求め
た。 光沢ムラ:目視により評価した。 ○:キャスト後の塗被面に光沢ムラは殆んど無い。 ×:キャスト後の塗被面に光沢ムラが可成り有る。 ××:キャスト後の塗被面に光沢ムラが極めて多く有
る。 白紙光沢:村上色彩技術研究所製の光沢度計を用い、7
5°光沢を測定した。 平滑度:王研式平滑度計により測定した。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】表から明らかなように、実施例1は従来
のリウェットキャスト塗被紙(比較例1)と比べ嵩高性
を殆んど低下させること無く、キャスト加工後の平滑度
を大幅に向上でき、また白紙光沢、光沢ムラ、操業性を
大きく改善できる。更に比較例2,3からも判るように
ソフトカレンダー処理時の条件が不適であると、紙厚を
犠牲にしてソフトカレンダーのニップ圧を上げても、白
紙光沢は低く且つ光沢ムラは解消しない。
のリウェットキャスト塗被紙(比較例1)と比べ嵩高性
を殆んど低下させること無く、キャスト加工後の平滑度
を大幅に向上でき、また白紙光沢、光沢ムラ、操業性を
大きく改善できる。更に比較例2,3からも判るように
ソフトカレンダー処理時の条件が不適であると、紙厚を
犠牲にしてソフトカレンダーのニップ圧を上げても、白
紙光沢は低く且つ光沢ムラは解消しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例で用いたキャスト仕
上装置の概略図である。
上装置の概略図である。
1 蒸気加湿装置 2 ソフトカレンダー 3 圧接ロール 4 鏡面ドラム 5 ストリップオフロール 6 再湿潤液供給ノズル
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これ等のキャスト仕上
法は、何れも可塑状態に在る塗被層を加熱ドラム面に圧
接乾燥し、離型させる点では共通しているが、塗被層の
可塑状態の違いによって操業性及び得られるキャスト塗
被紙の品質に於いて夫々以下の如き問題点を有してい
る。先ずウェットキャスト法では、塗被層の粘性が低い
ので加熱ドラム面の温度を100℃以上にすると塗被液
の沸騰が起こり、塗被層が破壊されるという問題点があ
るため100℃以上に高めることができず、このため低
速度での操業を余儀なくされているのが現状である。
法は、何れも可塑状態に在る塗被層を加熱ドラム面に圧
接乾燥し、離型させる点では共通しているが、塗被層の
可塑状態の違いによって操業性及び得られるキャスト塗
被紙の品質に於いて夫々以下の如き問題点を有してい
る。先ずウェットキャスト法では、塗被層の粘性が低い
ので加熱ドラム面の温度を100℃以上にすると塗被液
の沸騰が起こり、塗被層が破壊されるという問題点があ
るため100℃以上に高めることができず、このため低
速度での操業を余儀なくされているのが現状である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】ゲル化キャスト法では、塗被層がゲル状態
にされているため、加熱ドラム面の温度を100℃以上
に上げることも可能であるが、増速と共に塗被層中に含
まれる多量の水分を加熱ドラム接触時に於いてスムーズ
に原紙層中に移行させて蒸発除去する必要があり、また
塗被層のゲル化の度合いを調節することも難かしく、こ
のため余り高速でのキャスト仕上げを行うと光沢などの
品質が低下する。リウェットキャスト法では塗被層が一
旦乾燥されるため、加熱ドラム面の温度を90〜180
℃まで上げることも可能であるが、一旦乾燥された塗被
層を再湿潤するために可塑化の度合いがウェットキャス
ト法やゲル化キャスト法に比較して著しく低い。そのた
め低速度下での操業に於いては比較的均質な強光沢の塗
被紙が得られるものの、高速度での操業となるに従って
光沢の均質姓は急激に失われて光沢ムラとなる。これは
可塑化が低いため塗被層が加熱ドラム面に均一に密着さ
れないことが原因であると考えられる。
にされているため、加熱ドラム面の温度を100℃以上
に上げることも可能であるが、増速と共に塗被層中に含
まれる多量の水分を加熱ドラム接触時に於いてスムーズ
に原紙層中に移行させて蒸発除去する必要があり、また
塗被層のゲル化の度合いを調節することも難かしく、こ
のため余り高速でのキャスト仕上げを行うと光沢などの
品質が低下する。リウェットキャスト法では塗被層が一
旦乾燥されるため、加熱ドラム面の温度を90〜180
℃まで上げることも可能であるが、一旦乾燥された塗被
層を再湿潤するために可塑化の度合いがウェットキャス
ト法やゲル化キャスト法に比較して著しく低い。そのた
め低速度下での操業に於いては比較的均質な強光沢の塗
被紙が得られるものの、高速度での操業となるに従って
光沢の均質姓は急激に失われて光沢ムラとなる。これは
可塑化が低いため塗被層が加熱ドラム面に均一に密着さ
れないことが原因であると考えられる。
Claims (1)
- 【請求項1】 顔料及び接着剤を主成分とする乾燥塗被
層を再湿潤し、加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢
仕上げするキャスト塗被紙の製造法に於いて、再湿順す
る前の塗被層表面を低圧で軽度の加熱蒸気を付与し加湿
且つ加熱した後、加熱温度が100〜150℃の範囲内
でソフトカレンダー処理することを特徴とするキャスト
塗被紙の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14700492A JPH05321193A (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | キャスト塗被紙の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14700492A JPH05321193A (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | キャスト塗被紙の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05321193A true JPH05321193A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=15420390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14700492A Pending JPH05321193A (ja) | 1992-05-13 | 1992-05-13 | キャスト塗被紙の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05321193A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001032986A1 (en) * | 1999-10-29 | 2001-05-10 | S. D. Warren Services Company | Cast coated sheet and method of manufacture |
US7691232B2 (en) * | 2004-03-06 | 2010-04-06 | Voith Paper Patent Gmbh | Method and device for treating a paper or cardboard web |
-
1992
- 1992-05-13 JP JP14700492A patent/JPH05321193A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001032986A1 (en) * | 1999-10-29 | 2001-05-10 | S. D. Warren Services Company | Cast coated sheet and method of manufacture |
US6582821B1 (en) | 1999-10-29 | 2003-06-24 | S. D. Warren Services Company | Cast coated sheet and method of manufacture |
US6783804B2 (en) | 1999-10-29 | 2004-08-31 | S.D. Warren Services Company | Cast coated sheet and method of manufacture |
US7691232B2 (en) * | 2004-03-06 | 2010-04-06 | Voith Paper Patent Gmbh | Method and device for treating a paper or cardboard web |
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