JP3854011B2 - 印刷用塗被紙ならびにその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用塗被紙に関し、特にオフセット輪転印刷に際し、印刷後の乾燥工程で発生しがちであったオフ輪皺(印刷業界ではヒジワと称することがある)が殆んど生じない新規な印刷用塗被紙に関し、さらに当該塗被紙を製造する方法をも包含する。なお、本発明に係る印刷用塗被紙は、これをグラビア輪転印刷またはフレキソ印刷に使用したときにも見当ズレを起こすことが少ない点で有益である。
【0002】
【従来の技術】
まず、オフ輪皺について説明する。近年の印刷業界における省力化や高速化に伴ない、オフセット平判(枚葉)印刷方式よりオフセット輪転印刷方式(以下、オフ輪印刷と称す)に移行する傾向がある。オフ輪印刷は、印刷速度が速いだけでなく、両面同時印刷が可能であり、後工程の省力化等を考慮すると、平判(枚葉)印刷に比較して生産性も遙かに高い。
【0003】
しかし、オフ輪印刷は、印刷直後に加熱乾燥を行うために平判印刷には見られない幾つかの品質上の問題点がある。なかでも、最も重要で解決が困難な課題として知られているのは、オフ輪皺である。オフ輪皺は、オフ輪印刷に固有の問題と考えられており、印刷後に紙の流れ方向に筋状の皺が発生する現象であり、良好な印刷仕上りが要求される塗被紙で特に発生し易い。皺の程度のひどいものは、印刷物が波形トタンのように波をうち、商品性を大きく損なうものである。そのため、従来からオフ輪皺の発生しない印刷用塗被紙が強く要望されているが、未だ、そのような印刷用塗被紙は市場に提供されていない。
【0004】
ところで、前記オフ輪皺の発生原因に関して、いくつかの研究報告がなされているが、その考え方には大別して2つある。一つは「テンション皺」の考え方であって、オフ輪印刷時に用紙にテンションが加わることで発生した皺が、オフセットインキにより固定化することにより、オフ輪皺が形成されるとするものである。他の一つは、オフ輪印刷の乾燥工程において、画線部と非画線部の乾燥収縮量の差により皺が発生するという考え方である(山崎岳志/紙パルプ技術協会研究発表会要旨集;Vol49,P110 〜113 /1982)。
【0005】
この様な現象を抑えるための具体的手段として提案されている一つの手法は、特開昭58−186700号公報に開示されている。この方法は、使用する原紙のパルプのフリーネスを特定範囲に保持すると共に、当該原紙の透気度をも特定の通気性がよい領域に規制することによって前記オフ輪皺の発生を抑制することができるというものである。しかし、オフ輪印刷用塗被紙の製造に際しては、パルプ調成、抄紙、塗工、キャレンダによる加圧仕上および巻取り等の一連の工程を経て製品化するものであるから、単純にパルプのフリーネスや原紙の透気度を調整しただけでは、オフ輪皺の解消という点で満足できるような製品を得ることができていないのが現状である。
【0006】
また、特開平9−291496号公報によると、巻取り水分と原紙の内部層間強度を規定することにより、オフ輪皺を解消し、若しくは軽減できると提案しているが、内部層間強度を下げることは、オフ輪印刷用塗被紙のもう一つの課題である耐ブリスター対策のために、塗被紙水分を低くしておく必要があり、結果として、その後の折り工程での塗被紙の表面が割れてしまう現象、所謂「折れ割れトラブル」を発生させる虞れがある。また、この従来法は、目的とするオフ輪皺の解消という点でも満足のいく改善効果をあげることができないでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記したようなオフ輪印刷用塗被紙に関する重要な品質上の解決課題であるオフ輪皺の発生要因を究明し、その解決策について検討を重ねた。その結果、本発明はオフ輪印刷時に横目方向(CD方向)における乾燥収縮力の小さい用紙を使用することでオフ輪皺の発生を未然に防ぐことができることを見出した。
【0008】
ちなみに、前記のオフ輪皺は、従来、主として低米坪塗被紙(概ね製品米坪で60g/m2以下)のものに目立って現れていたので、その対策も低米坪塗被紙を対象としていたが、今般、本発明者らの観察によると、製品米坪で60g/m2以上の高米坪塗被紙にも散見されるので、これらについてもオフ輪皺の発生しない塗被紙を得るべく創意工夫を重ねたものである。
【0009】
なお、本発明に係る塗被紙は、オフ輪皺の解消に顕著な効果を発揮することは勿論であるが、それ以外に乾燥ユニットを装備した印刷機、たとえばグラビア輪転印刷機やフレキソ印刷機などに掛ける印刷用紙として利用すると、熱乾燥に起因して発生しやすい「見当ズレ」が効果的に抑制される。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基紙の両面にポリビニルアルコールの樹脂皮膜を設けてなる原紙の両面に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けてなる印刷用塗被紙であって、該塗被紙の横方向(CD方向)における乾燥収縮力Rが式(1)を満足し、かつ該塗被紙のJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.5(B)に準拠して測定した透気度の値が8万秒以上であることを特徴とする印刷用塗被紙を対象とするもので、測定に当たっては、下記の測定方法に準拠して測定する。
0 ≦ R ≦ 45gf・・・・・・・・・(1)
【0011】
〔乾燥収縮力Rの測定方法〕
JIS−P−8111に準拠して調湿(室温20℃、相対湿度65%の条件下で調湿)した塗被紙サンプルを、マシンの流れ方向(MD方向)に直交するように幅2mmに切り取り、長さ2cmのスパンで熱機械分析機〔TMA/SS6000;セイコー電子工業(株)製〕に掛け、当該分析機における端子プローブのPID制御の値として、P(比例)=100、I(積分)=1、D(微分)=100を使用し、5gfの初期荷重をかけた状態で、スパンを0.01μm/分で拡げていきながら、20℃より200℃/分の加温速度で設定温度300℃迄昇温させて、設定温度300℃で2分間保持した場合の昇温開始より1.5分後の熱乾燥により発生した収縮力をRとする。
【0012】
ちなみに、TMA/SSとは「Thermo Mechanical Analyzer/Stress Strain」 の略称であって、熱物性測定器の一種を指す。
また、本発明は、原紙または基紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けてなる印刷用塗被紙において、該塗被紙のJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.5(B)に準拠して測定した透気度が8万秒以上である印刷用塗被紙を対象とするものである。
【0013】
なお、印刷用塗被紙の上記(1)式におけるRや上記した透気度を満足する好ましい実施態様としては、基紙両面に対し、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称する)水溶液や、PVA水溶液および無機顔料よりなる水性液を、乾燥重量で片面当たり0.5〜5g/m2となるように塗布、乾燥してなる原紙を使用するのがよい。
【0014】
さらに、好ましい実施態様としては、PVA水溶液や、PVA水溶液および無機顔料よりなる水性液を塗布、乾燥してなる原紙であって、JIS−P−8117に準拠して測定した透気度が1000秒以上である原紙を使用することや、上記PVAとして、ケン化度が85モル%以上のPVAを使用して得た原紙を使用するのを可とする。
【0015】
なお、前記のようにPVA水溶液やPVAと無機顔料よりなる水性液が塗布、乾燥されてなる原紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けた印刷用塗被紙は、当該塗被層で紙面が覆われるため、その透気度は原紙に比べて遥かに高くなり、もはやJIS−P−8117に準拠した測定法では測定不可能であるから、別途、該塗被紙の透気度をJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.5(B)に準拠して測定するものである。
【0016】
なお、本発明にあってPVAを用いた技術的理由は、当該PVAにより基紙表面に一種の樹脂皮膜を形成させて紙の透気度を高め、それによって印刷時における乾燥工程での画線部と非画線部との乾燥収縮量の差に起因する皺の発生、換言すれば、紙中の水分が乾燥により蒸発し、紙が収縮する現象を未然に防止することが可能であることを見出したことによる。
【0017】
前述のように、本発明を説明するに当っては、用語として「基紙」と「原紙」とを使い分けているので、以下においては、この点に関し若干、補足しておく。すなわち、本発明を説明するに際して使用している「原紙」及び「基紙」なる用語は、いずれも最終製品である本発明の塗被紙を得るに当って使用する原材料シートを指しているが、さらに厳密に定義すると、仕上げ塗料を塗被する前の紙シートを「原紙」といい、主として原材料である紙シート面に予備的にPVA等の樹脂皮膜を形成させて、予め紙の透気度を高めておいたシートを指す。一方、「基紙」とは、前記原紙を得るに当って使用する原材料シートで、さらに詳しくいうと、本発明である塗被紙の製造法を構成する予備処理工程、すなわち、例えば、本発明の構成要素をなすPVA等の樹脂皮膜を形成させる工程を経る前の紙シートを指す。
換言すれば、「原紙」は、PVA等の樹脂液を塗工した後の紙シートで、最終の仕上げ塗料を塗被する前の紙シートをいう。因みに、前記した従来法の説明に当っては、このような使い分けをせず、包括的に「原紙」なる表現を用いた。
【0018】
ところで、本発明者らは従来から問題とされていたオフ輪印刷におけるオフ輪皺の発生メカニズムおよびその解消策について、鋭意研究を重ねてきた。その結果、オフ輪皺の発生機構に関し、以下の如き知見を得た。
最初にオフ輪皺の本質を考察すると、本来平坦であるべき印刷物が、横方向に幾つもに折れ曲がった状態と考えることができ、このことは、オフ輪皺は横方向に圧縮力を受けた物体が座屈を起した現象と同じであると考えられ、その挙動はオイラーの公式により式(2)の様に定義される。
P = (n2 π2 bh3 )Ec /12L2 ……………(2)
P;画線部を座屈させる力、n;画線部が座屈した数、
Ec ;画線部の横方向弾性率、b;画線部の長さ、
h;画線部の厚さ、L;画線部の幅、をそれぞれ示す。
式(2)の右辺は、紙を座屈させようとする力に対抗する因子であり、耐座屈力と考えられる。
【0019】
ここで、前記式(2)の右辺をより理解し易くするために、紙の特性を知る上で良く用いられるガーレ剛度(S)をこの式の右辺に導入した。なお、ガーレ剛度は、次式(3)のように定義されている。
S = kh3Ec (ガーレ剛度の定義より) ………(3)
Ec ;紙の弾性率、h;紙の厚さ、k;定数
【0020】
ここで、式(2)に式(3)を代入し、皺の数をNで表すと式(4)が得られる。なお、皺の数(N)は画線部が座屈した数nの1/2の数である。
N = kL(P/bS)1/2 …………………(4)
k;定数、L;画線部の幅、P;横方向の圧縮力、b;画線部の長さ、
S;画線部のガーレ剛度
【0021】
ちなみに、画線部と非画線部とについて説明しておくと、画線部とは、印刷においてインキが転移された部分、非画線部とは、インキが転移されていない部分をいう。
【0022】
ところで、前記画線部の幅(L)が決められているとき、発生するオフ輪皺の波数は、横方向圧縮力P、画線部の長さb、および画線部のガーレ剛度Sの、以上3つの因子により決定され、横方向圧縮力が増えると、その平方根に比例してオフ輪皺は増大する。また、画線部の長さが長くなるか、画線部のガーレ剛度が大きくなると、その平方根に反比例してオフ輪皺は減少する。
【0023】
ここで、紙を座屈させる横方向の圧縮力Pには、テンションより生じるポアソン応力と、画線部と非画線部との乾燥収縮量の差により生じる乾燥収縮力がある。
まず、ポアソン応力であるが、物体を縦方向に引張ると、横方向に縮もうとする性質がある。このとき縦方向の伸びをεm、横方向の縮みをεcとすると、その比ν=εc/εmはポアソン比と呼ばれる物質固有の値である。
【0024】
紙が無限の長さをもっていれば、縦方向に引張っても、ポアソン比に応じて横方向に縮むだけである。しかし、実際は紙の両端は流れ方向の有限間隔で固定されており、自由に縮むことはできない。また、テンション変動などにより、横方向の圧縮力が発生し、紙を座屈させる。これがポアソン応力による皺の発生である。
【0025】
もう一つの横方向の圧縮力は、乾燥による収縮力の作用である。即ち、オフ輪印刷では、印刷後の乾燥により紙は収縮する。このとき非画線部は乾燥初期より収縮を始めるが、画線部はインキ層により水分の蒸発が妨げられるため、非画線部に比較して遅れて収縮を始める。このために非画線部における収縮力が画線部に圧縮力として作用し画線部が座屈する。これら2つの力により画線部が座屈したものが上記のオフ輪皺であるが、物体が座屈を起こす場合、1点のみが折れ曲がるのが最も応力を必要としない形である。しかし、オフ輪印刷時の縦方向のテンションにより、紙には平面を維持しようとする力が働く。その結果、波形をしたトタン板状の小さな山を持つオフ輪皺が生じることになる。
【0026】
本発明者らは、これらオフ輪皺を発生させる横方向圧縮力について各種塗工紙を対象に調査、検討を行った。その結果、乾燥収縮力による横方向圧縮力はポアソン応力による横方向圧縮力より大きく、さらには塗被紙の繊維配向やサイズプレスの種類などの変動によって大きく変化することが分かり、オフ輪皺を発生させる横方向圧縮力が乾燥収縮力に依存していることが判明した。そこで乾燥収縮力の測定について検討を加えた結果、本来必要としているのは、非画線部と同時に収縮する画線部に作用する圧縮応力であると考えるに至ったが、現時点では遺憾ながら、その応力を完全に計測する手法がない。
【0027】
一方、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、下記の方法を用いて測定した乾燥収縮力が、オフ輪皺発生と相関性が深く、オフ輪皺を発生させる横方向圧縮力の指標、すなわち代用値として十分に利用できることを見出した。よって、本発明における乾燥収縮力Rの測定方法を、次のように定めたものである。
【0028】
すなわち、JIS−P−8111に準拠して調湿(室温20℃、相対湿度65%の条件下で調湿)した塗被紙サンプルを、マシンの流れ方向に直交する方向(所謂、横目方向=CD方向)に、幅2mm、長さ2cmのスパンが取れるような長さで切り取り、このサンプルを熱機械分析機〔TMA/SS6000;セイコー電子工業(株)〕に掛けて初期荷重5gfの条件下に取り付ける。このとき、紙サンプルの収縮によるスパン変化を制御するために、TMA装置におけるプローブのPID制御の値として、P=100、I=1、D=100を用いる。また、測定中のスパンを0.01μm/分の割合で拡げる設定をするが、これはTMA装置のプログラム上、最低限の変化をさせる必要があるためで、実体としてはスパンは殆んど固定されていると考えられる。
【0029】
そして、紙サンプルの乾燥収縮力とオフ輪皺との関係を求めるに当っては、20℃より昇温速度200℃/分の速さで、設定温度300℃まで昇温を行い、その状態で2分間保持した場合の昇温開始から1.5分後の収縮力を測定したものであるが、このような条件を設定すれば、本発明者らがオフ輪皺の発生と熱乾燥による収縮力との関係が再現性良く得られることを見出したからである。
【0030】
ところで、オフ輪皺は前記(4)式に示すように、図柄の因子を除くと横方向圧縮力(P)とガーレ剛度(S)とで決定されるものであり、オフ輪皺の解消には塗被紙の横方向圧縮力(P)の代用値となる乾燥収縮力(R)とガーレ剛度(S)との両方を特定することが必要と考えられる。周知のように、ガーレ剛度は、紙の弾性率と紙厚、特に紙厚の影響を大きく受ける物性値であり、一方、紙厚は塗被紙の米坪の影響を大きく受ける。しかしながら、本発明者らは、敢えて塗被紙のガーレ剛度や米坪に関しては言及せずに、本発明を特定した。
【0031】
それは、ユーザである印刷業者が高米坪の印刷用紙を選択した場合と低米坪の印刷用紙を選択した場合とで、オフ輪皺に対する許容範囲が異なることによる。例えば高米坪の製品に対しては僅かなオフ輪皺も許されないという態度で臨むが、低米坪の印刷用紙の場合には一般的にオフ輪皺がひどく現れるために、そのオフ輪皺を軽減するだけでも十分な改良効果があるものと評価されるであろうと推察される。すなわち、オフ輪皺の数〔前記(4)式の(N)〕に対する許容範囲が、工業的には、塗被紙の米坪により異なる。
【0032】
上記の事情より、本発明者らはオフ輪皺に対するもう一つの影響因子である塗被紙のガーレ剛度に関しては言及せず、また、ガーレ剛度に極めて大きな影響を与える塗被紙の米坪に関しても言及しなかった。要するに、ガーレ剛度や紙の米坪以外の因子で、オフ輪皺に関係する要因を探求した結果、用紙の乾燥収縮力が大きく影響していることを突きとめたのである。すなわち、特定の条件下で測定した塗被紙の乾燥収縮力Rが前記したような特定値を満たすと、オフ輪皺が効果的に軽減され、印刷用塗被紙の商品価値が大幅に向上することを見出し、遂に本発明を完成するに至ったのである。
【0033】
なお、式(1)における乾燥収縮力Rを45gf以下に特定したのは、Rが45gfを越えると、印刷乾燥時における横方向圧縮力が大きくなってオフ輪皺が多く発生し、商品価値が低下するからである。
【0034】
また、Rは正の値をとる必要がある。それは、Rが負の値、即ち伸びる現象が起こると画線部より非画線部に対して圧縮力が作用し、非画線部が座屈してやはりオフ輪皺が発生するようになるからである。ただし、通常の印刷用塗被紙ではRが負の値をとることはほとんどない。よって、Rは0≦R≦45gfであり、より好ましくは40gf以下に特定するものである。
【0035】
下限としてはゼロ、即ち全く熱収縮を起こさないことが望ましいが、実体は水分を有する天然繊維を主体とする製品であることを考慮すると、通常は幾らかの乾燥収縮を伴っているものである。
【0036】
【実施態様】
ここで、印刷用塗被紙とは、原紙または基紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設けたものであり、米坪としては35g/m2程度以上が一般的である。また、本発明が目的としているオフ輪皺や見当ズレは米坪が130g/m2程度以下のもので発生し易いことが知られている。本発明を適用する場合、米坪が35〜130g/m2の製品、なかでも60〜130g/m2の製品に適用すると、とりわけ好ましい結果が得られる。
【0037】
因みに、乾燥収縮力Rの調整方法は種々あるので、特に限定されず、任意の方法を採用することが可能である。例えばパルプの叩解条件、サイズプレス用の薬品の種類、塗布量、抄造条件、繊維配向性、塗被層中の顔料の種類、バインダーの種類、顔料とバインダーの配合比およびその塗工量または塗工時の乾燥条件等を適宜調整することで乾燥収縮力Rを任意に調整することができる。
【0038】
また、オフ輪皺を軽減することや、グラビア輪転印刷またはフレキソ印刷などに使用したときの見当ズレを小さくする塗被紙の特性について考慮した場合、その透気度が極めて高い(=通気性が悪い)とき、具体的には、J.TAPPI 紙パルプ試験方法 No.5(B)に準拠して測定した透気度が8万秒以上となるような塗被紙に仕上げると、オフ輪皺や見当ズレを効果的に改善できる。その理由は、塗被紙の透気度が高い(=通気性が悪い)ので、塗被紙の水分が熱により飛散されない結果、塗被紙の乾燥収縮が起こり難く、換言すれば、乾燥収縮力が高くならないのでオフ輪皺が発生しないものと考えられ、他方見当ズレもなくなるのである。因みに、塗被紙のJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.5(B)に準拠して測定した透気度が8万秒未満では、オフ輪皺や見当ズレを満足のいくレベルまで改善できない。
【0039】
また、透気度の上限は特に限定されないが、300万秒以下がオフ輪印刷時の耐ブリスタ適性とのバランス上、好ましい。ただし、300万秒という透気度レベルは該透気度測定方法での適性測定範囲を超えており、測定値にある程度の変動を含む。さらに、本発明で特定する乾燥収縮力Rと透気度の両方の値を満足する印刷用塗被紙であるならば、その塗被紙はオフ輪皺や見当ズレを、より効果的に改善できるので特に好ましい。
【0040】
本発明者らは、上記特定の乾燥収縮力Rや透気度を有する印刷用塗被紙を得るための手法について検討した結果、PVAを主成分とする水性液を適切な条件で基紙に塗布、乾燥してなる原紙を使用することが好ましいことを見出した。
即ち、PVA水溶液を基紙両面に対し、乾燥重量で片面当たり0.5〜5g/m2となるように塗布、乾燥してなる原紙を使用し、この原紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けてなる印刷用塗被紙とするのである。ここで、PVA水溶液とは糊化したPVAを主成分とする水溶液であり、必要に応じてPVA水溶液には、消泡剤や防腐剤などの各種助剤、さらには、PVA100部に対して(固形分対比で)、澱粉、澱粉誘導体やセルロール誘導体などの水溶性樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスなどの水性樹脂分散体などを50部以下の範囲で添加することができる。
【0041】
そのようなPVA水溶液を基紙に塗布するに際し、ハンドリングや操業上の問題のない範囲で高い粘度で塗布し、その後できるだけ短時間で乾燥することが、基紙上に良好なPVA皮膜を形成させることができることを確認した.このようにして得た原紙を使用して印刷用塗被紙に仕上げるとオフ輪皺や見当ズレを効果的に改善できる。ちなみに、PVA水溶液を基紙に塗布する際のPVA水溶液の粘度としては、B型粘度計60rpm、水溶液温度20℃で、100〜2000mPa・sの範囲に調整することが好ましい。PVA水溶液の粘度が100mPa・s未満では、塗布したPVAが基紙内部に浸透してしまい、基紙表面上にPVAの皮膜が形成され難く、逆に2000mPa・sを超えるとPVA水溶液の塗工適性が悪化し、基紙上に均一に塗布することが難しくなるため、いずれも好ましくない。
【0042】
なお、基紙へのPVA水溶液の塗布に際して使用する塗布装置は特に限定されない。例示しておくと2ロールサイズプレスコータ、ゲートロールコータ、バーコータ、ロールコータ、ブレードコータ、フィルムメタリングサイズプレスコータが適宜使用される。なかでも、粘性のある組成物を塗布するために、ゲートロールコータやフィルムメタリングサイズプレスコータ等が好ましく使用される。
【0043】
ちなみに、本発明においては、PVA水溶液および無機顔料よりなる水性液を基紙両面に対し、乾燥重量で片面当たり0.5〜5g/m2となるように塗布、乾燥してなる原紙を使用すると、印刷用塗被紙に仕上げた際に、オフ輪皺や見当ズレの解消、軽減だけでなく、印刷仕上がりや、印刷適性、基紙に対する塗工適性が改善されるので、より好ましい手法といえる。その場合の無機顔料としては特に限定されるものではないが、例えばクレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの顔料を例示することができる。
【0044】
PVA水溶液に対する無機顔料の添加量としては、固形分対比でPVA100部に対して、無機顔料を300部以下、好ましくは50〜200部の範囲で調整するとよい。なお、無機顔料の添加量が300部を超えると、本発明が所望する顕著なオフ輪皺や見当ズレの改善効果が得られない虞れがある。
【0045】
基紙へのPVA水溶液および無機顔料よりなる水性液の塗布に際しては、上記PVA水溶液の塗布に際して使用される塗布装置を前記と同様に使用することができる。また、PVA水溶液と無機顔料とよりなる水性液を基紙に塗布する際の水性液の粘度としては、B型粘度計60rpm、水溶液温度20℃で、100〜2000mPa・sの範囲に調整することが好ましい。この範囲を外れると好ましい結果が得られない所以は先に述べたとおりであって、前記範囲内に保持するのがよい。
【0046】
また、PVA水溶液やPVAと無機顔料よりなる水性液の塗布量は乾燥重量で片面あたり0.5〜5g/m2とするのがよく、表裏で略同等の塗布量となるようにするのが好ましい。因みに、両面での乾燥塗布量が1g/m2未満の場合には、本発明が所望とするオフ輪皺の解消〜軽減効果を得ることが難かしく、他方、片面で5g/m2を越えるような量は、効果が飽和し、それ以上の塗布量となると、操業上、あるいは印刷適性面で種々の難点を誘発し、好ましくない。さらに、基紙へのPVA水溶液やPVAと無機顔料とからなる水性液の塗布は多層に分けて行ってもよい。
【0047】
PVA水溶液やPVAと無機顔料よりなる水性液を基紙に塗布、乾燥してなる原紙の特性としては、JIS−P−8117に準拠して測定した原紙の透気度が1000秒以上、好ましくは1500秒以上とし、この原紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けて印刷用塗被紙に仕上げると、オフ輪皺や見当ズレの解消、軽減に顕著な効果が得られる。因みに、PVA水溶液やPVAと無機顔料よりなる水性液を基紙に塗布、乾燥してなる原紙の透気度が1000秒未満では、この原紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けて印刷用塗被紙に仕上げても、乾燥収縮率Rを本発明の範囲に調整することが難しかったり、得られた印刷用塗被紙のJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.5(B)に準拠して測定した透気度として、本発明が特定する値の範囲に調整することが難しくなり、その結果、本発明が所望するオフ輪皺や見当ズレに対する顕著な改善効果が得られない虞れがある。
【0048】
加えて、上記PVAとして、ケン化度が85モル%以上のPVA、好ましくはケン化度90モル%以上のPVAを使用することが、オフ輪皺や見当ズレの解消、軽減に顕著な効果が得られるので好ましい実施態様である。
【0049】
なお、原紙として、PVA水溶液やPVA水溶液および無機顔料よりなる水性液を特定量基紙両面に塗布したもの、さらにそのPVAとして、特にケン化度の高いPVAを選択的に使用する理由は、ケン化度の高いPVAが、一旦基紙上へ塗布、乾燥されてフィルム状態になると、次に水に触れても容易に溶け出さずに、フィルム状態がそのまま維持されるからである。その理由については必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。即ち、該PVAが塗布されてなる原紙は、次の工程でさらに水性顔料組成物が塗布されて塗被紙に仕上げられる。その際にPVAフィルムは多量の水と接することになる。その場合、耐水性の強いPVAフィルムであると、そのままフィルム状態が維持されて、塗被紙に仕上げられる。そのような塗被紙が、オフ輪印刷にかかると、印刷工程で加熱乾燥処理されるときに、塗被紙中の水分は高熱により蒸発し、それに伴って、塗被紙は収縮を起こし始め、一方で基紙上に形成されたフィルム状のPVAは熱により収縮とは反対に、延伸する特性を有する結果、両者が相殺しあって、塗被紙全体としては乾燥収縮が抑えられ、結果として塗被紙の乾燥収縮力が軽減され、オフ輪皺が軽減されるものと推察される。
【0050】
したがって、PVA水溶液やPVA水溶液および無機顔料からなる水性液の基紙への塗布、乾燥に際し、基紙表面にPVAの皮膜(フィルム)が形成されていることが重要である。PVAの皮膜が形成されているか否かは、そのようにして得られた原紙あるいは塗被紙の透気度を測定することで判断できる。当然、皮膜形成が弱いと透気度が低く(=通気性がよく)、皮膜形成が強いと透気度が高く(=通気性が悪く)なるので容易に判断できる。
なお、基紙表面上でのPVAの皮膜は、前記したように塗布液の粘度の影響を受ける。このため、使用するPVAの重合度としては100〜3000の範囲のものを使用すると良好な皮膜が得られやすいので好ましい。また、皮膜形成性が良好なPVAであれば各種変性PVAも使用できる。
【0051】
従来よりオフ輪印刷用塗被紙の原紙として、耐ブリスター適性を付与する目的で、基紙表面にPVAを塗布することは知られている(例えば特開昭55−62294号公報参照)。この先行例は、PVAに界面活性剤を添加した上で基紙に塗布してオフ輪印刷用塗被紙を製造しようとしたものである。すなわち、オフ輪印刷用塗被紙の解決すべき課題の一つである耐ブリスター適性の改善を目的としたもので、当該先行例の要旨は、界面活性剤を併用することで基紙層内部までPVAを浸透させて層間強度を高め、一方で基紙表面でのPVA皮膜形成を抑制(透気度を下げて、通気性をよくする)することで、耐ブリスター適性の改善を図ったものであるから、本発明の技術思想とは全く反対のものである。さらに、特開昭54−11314号公報では、PVAを基紙に塗布することで、得られる原紙のZ軸強度を一定値以上とし、一方で原紙の透気度を一定値以下にすることにより、耐ブリスター適性に優れた原紙を得ようとしたものである。なお、前記公開公報における原紙の透気度は100秒以下であり、数百秒ではブリスターが発生するというものであるから、本発明で定義する1000秒を越えるような原紙とは明らかに異なるものである。
【0052】
要するに、上記2つの先行技術は、いずれもPVAを基紙へ塗布して、層間強度を高め、かつ、できるだけ透気度を下げることでオフ輪印刷における耐ブリスター適性を改善しようと意図したものであるが、本発明は、PVAを基紙へ塗布するに際してもその基紙表面にPVAの皮膜、換言すれば基紙表面にPVAなどによる樹脂皮膜を設けることで透気度を高くし、それによってオフ輪印刷で従来解決できなかったオフ輪皺の発生を顕著に解消させるようにしたものであるから、従来にない新しい技術思想に基づくものといえる。
【0053】
次に、本発明におけるオフ輪印刷用塗被紙の基紙を構成するパルプ構成について述べる。本発明で使用されるパルプは、特に限定されず、例えば広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、高歩留りパルプ、脱墨古紙パルプ等が適宜選択使用される。また、基紙の抄紙方法についても特に限定されるものではなく、酸性あるいはアルカリ性抄紙法にて抄紙される。また、基紙には通常の2ロールサイズプレスコータ、ロールコータ、ブレードコータ等を使用しての予備塗工を施すこともできる。
【0054】
本発明において、原紙上に塗布される顔料と接着剤を主成分とする水性顔料組成物については特に限定されるものではないが、顔料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント等の通常の塗被紙用顔料の1種以上が、適宜選択して使用される。
【0055】
また、接着剤としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスを、カルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス、さらに陽性化澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂などの水溶性合成接着剤等が適宜選択して使用される。
【0056】
さらに、水性顔料組成物には、必要に応じて分散剤、耐水化剤、流動性変性剤、着色剤、蛍光増白剤等の各種助剤を添加することができる。
【0057】
そして、水性顔料組成物の原紙への塗布に際しては、一般の塗被紙製造に使用される塗工装置、例えばブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、サイズプレスコータ等の塗工装置を設けたオンマシン方式またはオフマシンコータによって、原紙上に1層あるいは多層に分けて塗布される。塗布時の顔料組成物の固形分濃度は、一般に40〜75重量%で、操業性を考慮すると45〜70重量%で調整され、塗布量としては乾燥重量で一般に片面あたり5〜20g/m2の範囲に調整するのがよい。
【0058】
上記のようにして得られる印刷用塗被紙は、通常キャレンダに通紙して製品として仕上げられる。その際のキャレンダとしては、例えばスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトコンパクトキャレンダ等の金属ロールまたは金属ドラムと弾性ロールよりなる各種キャレンダが、オンマシンまたはオフマシン仕様で、適宜使用される。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。勿論、本発明は、それらの実施例に限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」は特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。また、乾燥収縮力Rの評価方法は下記の通りである。
〔乾燥収縮力Rの測定方法〕
JIS−P−8111に準拠して調湿した塗被紙サンプル(室温20℃、相対湿度65%の条件下で調湿)を、マシンの流れ方向に直交するように幅2mm、長さ2cmのスパンが取れるように切取って、熱機械分析機〔TMA/SS6000;セイコー電子工業(株)〕に初期荷重5gfを掛けてセットする。次いで、端子プローブのPID制御の値として、P(比例)=100、I(積分)=1、D(微分)=100を使用した上で、5gfの初期荷重をかけ、スパンを0.01μm/分で拡げていきながら、20℃より200℃/分の速さで設定温度300℃迄昇温を行い、300℃で2分間保持した場合の、昇温開始より1.5分後の乾燥により発生した収縮力をRとする。
〔オフ輪皺の評価〕
小森印刷機械社製のオフセット輪転印刷機を用いて4色ベタ図柄を両面に印刷し、発生したオフ輪皺を目視にて評価した。なお、印刷に供した塗被紙水分はいずれも4.5〜5.0%の範囲であり、印刷速度200rpm、乾燥機出口での紙面温度は110℃で一定とした。
(評価基準)
◎ :オフ輪皺の発生が殆ど見られない。
○ :軽度のオフ輪皺の発生が見られる。
△ :オフ輪皺の発生が見られる。
× :ひどいオフ輪皺の発生が見られる。
【0060】
実施例1
LBKP70部(フリーネス410ml/csf)、NBKP30部(フリーネス480ml/csf)からなるパルプスラリに、填料として軽質炭酸カルシウムを紙灰分が10%となるように添加し、さらに内添サイズ剤としてAKDサイズ剤(商品名:SKS−293F/荒川化学工業社)0.04部および硫酸アルミニウム0.5部をそれぞれ添加して紙料を調成し、オントップ抄紙機で抄紙して基紙を得た。この基紙に消泡剤(商品名:SNデフォーマ777/サンノプコ社)をPVA固形分に対して0.05%添加し、さらに6%濃度に調製したPVA(商品名:PVA−124;ケン化度98.5%、重合度2400/クラレ社)水溶液をバーコータで片面ずつの塗布、乾燥を両面に施して塗被紙用原紙を得た。このときのPVA水溶液粘度は450mPa・sであり、その塗布量は乾燥重量で片面当たり2.8g/m2であった。また、得られた原紙の米坪は52g/m2であった。
【0061】
(塗被組成物の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90/ファイマティック社)15部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−221GS/奥多摩工業社)20部、微細カオリン(商品名:アマゾン88/CADAM社)40部、汎用カオリン(商品名:HT/エンゲルハード社)25部からなる顔料をコーレス分散機を用いて分散して顔料スラリを得た。このスラリに、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:SN307/住化A&L社)10部(固形分)、酸化澱粉糊液(商品名:エースA/王子コーンスターチ社)3部(固形分)、その他の助剤を添加し、最終的に固形分63%の塗料を調製した。
【0062】
(印刷用塗被紙の製造)
上記の塗料を前記の塗被紙用原紙に、片面当たり乾燥重量で11g/m2になるようにブレードコータで片面ずつ塗布・乾燥して両面塗被紙を得た。
かくして得られた塗被紙を、金属ロールとコットンロールよりなるスーパーキャレンダに密度が1.15g/cm3となるように通紙し、印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力Rおよびオフ輪皺の評価結果などを表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例2
実施例1において、PVA水溶液の基紙への塗布量を乾燥重量で片面当たり1.5g/m2とした以外は実施例1と同様にして、印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力Rおよびオフ輪皺の評価結果などを表1に示した。
【0065】
実施例3
実施例1において、PVA水溶液に代えてカオリン(商品名:UW−90/エンゲルハード社)50部、PVA(商品名:PVA−124/クラレ社)50部からなる固形分濃度11%の水性液を基紙に塗布した以外は、実施例1と同様にして、印刷用塗被紙を得た。なお、カオリンとPVAからなる水性液の粘度は250mPa・sであった。得られた塗被紙の乾燥収縮力Rおよびオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0066】
実施例4
実施例1において使用したPVA−124の代わりにPVA(商品名:PVA−224;ケン化度88%、重合度2400/クラレ社)を用いた以外は実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。なお、塗布時のPVA水溶液の粘度は400mPa・sであった。得られた塗被紙の乾燥収縮力R及びおオフ輪皺評価結果などを表1に掲記した。
【0067】
比較例1
実施例1において、基紙に何も塗布せずに塗被紙用原紙として用いた以外は実施例1と同様にして、印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力Rおよびオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0068】
比較例2
実施例2において、PVA水溶液に代えて10%濃度の酸化澱粉糊液(商品名:エースA/王子コーンスターチ社)を基紙に塗布した以外は実施例2と同様にして、印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力Rおよびオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0069】
実施例5
実施例1において、PVA水溶液の基紙への塗布量を乾燥後重量で片面当たり0.5g/m2とした以外は実施例1と同様にしてオフ輪印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力Rおよびオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0070】
なお、前記実施例1〜3および比較例1〜2で得られた塗被紙のオフ輪印刷後の表面を、可視光レーザ式変位センサと波形データ観測ソフトとを用いてグラフ化したところ、図1〜3から明らかなように、実施例1〜3の事例にあっては、オフ輪皺は殆んど見られず、一方、比較例1〜2を測定した図4〜5にあっては、ひどいオフ輪皺が確認された。
【0071】
前記実施例1〜5および比較例1〜2で得た印刷用塗被紙をグラビア輪転印刷に用いたときの見当ズレの程度を測定した結果を表1の最右欄に示した。ちなみに、「見当ズレ」の評価は次のようにして行った。
〔見当ズレの評価〕
日立精工社のグラビア輪転印刷機を用いて印刷し、412mm離れた右端と左端のとんぼの黄(1色目)と墨(4色目)のズレ量の合計を見当ズレとした。なお、各色での乾燥は熱風温度を60℃で一定とし、各色間での蒸気付加などの見当ズレ調整は行わなかった。
【0072】
実施例6
実施例1において、基紙の米坪を大きく減少させて塗被紙用原紙の米坪を40g/m2としたこと以外は実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力R及びオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0073】
実施例7
実施例1において、基紙の米坪を大きく増加させて塗被紙用原紙の米坪を83g/m2としたこと以外は実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力R及びオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0074】
実施例8
LBKP30部(フリーネス410ml/csf)、脱墨パルプ50部(フリーネス200ml/csf)及びNBKP20部(フリーネス480ml/csf)からなるパルプスラリに、填料として軽質炭酸カルシウムを紙灰分が10%となるように添加し、さらに内添サイズ剤としてAKDサイズ剤(商品名:SKS−293F/荒川化学工業社)0.04部及び硫酸アルミニウム0.5部をそれぞれ添加して紙料を調成した上で、長網抄紙機で抄紙し、さらに連続して2ロールサイズプレスコータで酸化澱粉糊液(濃度3.5%、商品名:エースA/王子コーンスターチ社)と表面サイズ剤(濃度0.1%、商品名:ポリマロン1329/荒川化学工業社)とからなる水性液でサイズプレス処理して基紙を得た。サイズプレスでの塗布量は、乾燥重量で両面1.2g/m2であった。次いで、この基紙に消泡剤(商品名:SNデフォーマ777/サンノプコ社)をPVA固形分に対して0.05%添加して糊化したPVA(商品名:PVA−110/クラレ社:ケン化度98.5モル%、重合度1000)水溶液とカオリン(商品名:UW90/エンゲルハード社)を固形分対比で50:50で混合して得た濃度25%の水性液をゲートロールコータで両面に塗布、乾燥して塗被紙用原紙を得た。PVAとカオリンとからなる水性液のゲートロール塗布時の粘度は1300mPa・sであり、その塗布量は乾燥重量で両面合計で7g/m2であった。なお、ゲートロール塗布での片面ずつの塗布量はほぼ同量であった。また、得られた原紙の米坪は83g/m2であった。
この原紙を使用して、実施例1と同様にして調成した塗被組成物を、前記と同様に両面に塗布・乾燥し、さらにスーパーキャレンダ処理して印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力R及びオフ輪皺評価結果などは表1に示されている。
【0075】
実施例9
実施例8において、抄紙後連続して行う2ロールサイズプレスで使用する水性液として、酸化澱粉と表面サイズとからなる水性液に代えて、実施例1で使用した消泡剤を0.05%(対PVA固形分)を含む濃度3.5%のPVA(商品名:PVA−110/クラレ社)水溶液を使用して基紙としたが、それ以外は実施例8と同様にして印刷用塗被紙を得た。得られた塗被紙の乾燥収縮力R及びオフ輪皺評価結果などを表1に示した。
【0076】
【発明の効果】
表1より明らかなように、本発明で得られた印刷用塗被紙は、オフ輪皺が殆んど発生しない、印刷仕上がりの優れた印刷用塗被紙となる。
また、前記塗被紙をグラビア印刷に用いたときも、見当ズレが殆ど生じない印刷仕上がりの優れたグラビア輪転印刷用塗被紙となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、オフ輪皺を可視光レーザ式変位センサ(LB-1000/キーエンス社)を使用して変位を測定し、かつ波形データ観測ソフト(WAVE SHOT/キーエンス社)を用いてグラフ化した印刷後の塗被紙の画線部表面の凹凸図であって、凹凸が激しいほどオフ輪皺の程度がひどいことを具体的に示したもので、同図は本発明の実施例1に対応する塗被紙のオフ輪皺グラフである。なお、同グラフにおける縦1目盛は200μmを、横1目盛は6.9mmを示す(以下同じ)。
【図2】図2は、同じく本発明の実施例2に対応する塗被紙のオフ輪皺グラフ。
【図3】図3は、同じく本発明の実施例3に対応する塗被紙のオフ輪皺グラフ。
【図4】図4は、同じく比較例1で得られた塗被紙のオフ輪皺グラフ。
【図5】図5は、同じく比較例2で得られた塗被紙のオフ輪皺グラフであって、前述のように各グラフの縦1目盛は200μmを、横1目盛は6.9mmをそれぞれ示している。
Claims (4)
- 基紙の両面にポリビニルアルコールの樹脂皮膜を設けてなる原紙の両面に、顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けてなる印刷用塗被紙であって、下記測定方法に準拠して測定した該塗被紙の乾燥収縮力Rが式(1)を満足し、かつ該塗被紙のJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.5(B)に準拠して測定した透気度の値が8万秒以上であることを特徴とする印刷用塗被紙。
0 ≦ R ≦ 45gf・・・・・・・・・(1)
[乾燥収縮力Rの測定方法]
JIS−P−8111に準拠して調湿(室温20℃、相対湿度65%の条件下で調湿)した塗被紙サンプルを、マシン流れ方向に直交するように、2mmの幅に切り取り、長さ2cmのスパンで熱機械分析機[TMA/SS6000;セイコー電子工業(株)製]に掛け、当該分析機における端子プローブのPID制御の値として、P(比例)=100、I(積分)=1、D(微分)=100を使用し、5gfの初期荷重をかけた状態でスパンを0.01μm/分で拡げながら、20℃より200℃/分の加温速度で設定温度300℃迄昇温させて、設定温度300℃で2分間保持した場合の昇温開始より1.5分後の熱乾燥により発生した収縮力をRとする。 - 基紙両面に対し、B型粘度計(60rpm)で測定した粘度が100〜2000mPa・sの範囲にあるポリビニルアルコール水溶液を乾燥重量で片面当たり0.5〜5g/m2となるように塗布、乾燥することにより、JIS−P−8117に準拠して測定した透気度の値が1000秒以上である原紙を調製し、この原紙両面に顔料および接着剤を主成分とする塗被層を設けることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗被紙の製造法。
- ポリビニルアルコール水溶液が無機顔料をさらに含有する請求項2記載の印刷用塗被紙の製造法。
- ポリビニルアルコール水溶液が、ケン化度85モル%以上のポリビニルアルコールの水溶液である請求項2記載の印刷用塗被紙の製造法。
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