JP4784151B2 - オフセット印刷用顔料塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、オフセット印刷時のインキ着肉性を顕著に向上することができ、しかもブランケットパイリング等のトラブルを発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するオフセット印刷用顔料塗工紙に関する。
新聞用紙の印刷を含め、近年の商業印刷方式は、オフセット印刷が主流となっている。オフセット印刷は通常PS版と呼ばれる刷版を作成し、刷版に湿し水とインキを供給して印刷する方式である。刷版は平版であり、刷版上で画線部は親油性の表面となるように処理され、非画線部は親水性の表面になるように処理されている。この刷版に湿し水とインキを供給すると、画線部にはインキが、非画線部には水が付着した状態となり、この刷版よりブランケットを介して紙にインキを転移させて印刷する。
このオフセット印刷では、比較的タックの強いインキを使用するため、用紙には表面強度が強いことが要求される。また、湿し水で用紙表面を処理するために、表面強度が弱い、あるいは耐水性の弱い表面を持つ用紙を使用すると、紙粉や顔料がブランケットに堆積したり、インキに混入することにより、印刷面に所謂カスレを生じる場合がある。特に、顔料塗工紙においては、塗料の保水性、流動性を確保するために、接着剤の一部に澱粉、繊維素誘動体やポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を使用する場合が多いが、水溶性高分子の耐水性は低く、湿し水が付着した湿潤状態での表面強度を向上する効果が小さい。また、接着剤として配合された水溶性高分子は塗膜表面の表面接触角を低下させ、カラーオフセット印刷時のインキの着肉性を低下させてしまう。
このようなブランケットパイリング、インキ着肉性に関する問題に対応する方法として、塗料中に接着剤としてカルバミン酸エステル化澱粉を配合する方法(特許文献1参照)やリン含有量が1重量%以上のリン酸エステル化澱粉を配合する方法(特許文献2参照)、カチオン性バインダーを接着剤とする方法(特許文献3、4、5参照)が提案されている。これらの方法では、乾燥表面強度や着肉ムラは改善されるが、使用される変性澱粉は親水性が強いため湿潤表面強度の向上効果が出にくい傾向にある。さらに、塗膜表面にマイグレートした澱粉が塗膜表面の接触角を低下させるため、オフセット印刷におけるインキ着肉性に劣る欠点があった。
また、特定の粘度を持つ熱化学変性澱粉を配合する方法(特許文献6参照)や冷水可溶性澱粉を配合する方法(特許文献7参照)、アセチル化澱粉を用いる方法(特許文献8参照)が開示されているが、いずれの方法も変性澱粉の親水性が高いため、インキ着肉性に問題が有り、また、湿潤表面強度においても充分な効果を得られるものではなかった。
これに対して、塗料中に表面サイズ剤を添加する方法(特許文献9参照)では、塗工層の撥水性を高めることでヒジワを抑制することができるとある。この方法では表面サイズ剤の効果により湿し水の吸収を抑制することはできるが、水溶性高分子と表面サイズ剤が塗料の乾燥工程で分離してしまう。従って、水溶性高分子そのものの撥水性を上げられるわけではなく、やはり湿潤表面強度向上効果において不十分であった。
特開平11−71403号公報 特開平9−78495号公報 特許第3157044号公報 特開平6−33397号公報 特開平6−184992号公報 特開平6−272194公報 特開平7−229093号公報 特開平7−189179号公報 特開2004−211231号公報 特開2005−54346号公報
本発明は、オフセット印刷時のインキ着肉性を顕著に向上することができ、しかもブランケットパイリング等のトラブルを発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するオフセット印刷用顔料塗工紙に関する。
本発明に係るオフセット印刷用顔料塗工紙は、接着剤と顔料を主成分とする塗工液が塗布、乾燥されてなり、接着剤と顔料の比率が10/100〜50/100となるよう配合したものであり、かかる接着剤が長鎖アルキル基を有するアルキルアクリレート及びスチレンを単量体主成分とするスチレン・アクリル系共重合体、並びに、酸化澱粉を含有するものである。
前記スチレン・アクリル系共重合体が、炭素数8〜24のアルコールでエステル化されたアルキルメタクリレート及びスチレンを単量体主成分とする共重合体またはその塩であると、老化物の生成が少なく、しかも紙力向上効果に優れるためより好ましい。前記酸化澱粉に対する前記スチレン・アクリル系共重合体の含有率が5〜10%であると、酸化澱粉糊液の安定性が高くなり好ましい。
前記酸化澱粉の重量平均分子量は、50000〜80000の範囲が好ましく、カルボキシル基置換度は0.017以上であることが好ましい。
本発明に係るオフセット印刷用顔料塗工紙は、オフセット印刷時のインキ着肉性が顕著に改善され、ブランケットパイリング、ガイドロール汚れ等のトラブルをも発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するという利点がある。
本発明者らは、オフセット印刷において、顔料塗工紙の表面接触角がインキ着肉性、およびブランケットパイリング等の印刷作業性に与える影響について鋭意検討した。その結果、顔料塗工紙の表面接触角を高める目的で、通常使用されている澱粉に表面サイズ剤を併用する方法では乾燥表面強度が低下し、ブランケットパイリングなどの印刷作業性を犠牲にする必要があること、及び、澱粉そのものに疎水性を与えれば、良好な印刷作業性を維持したままで顔料塗工紙の表面接触角を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、顔料塗工紙のインキ着肉性を向上させる手段について鋭意検討した結果、長鎖アルキル基を有するアルキルアクリレート及びスチレンを単量体主成分とするスチレン・アクリル系共重合体、並びに、酸化澱粉を含有する接着剤を塗工液に配合することで、インキ着肉性の顕著な向上が達成できることを見出した。
本発明の接着剤と同様の構成を有する表面サイズ剤が既に提案されているが(特許文献10参照)、本発明は顔料塗工用の塗料の接着剤の一成分として蒸気構成の接着剤を使用するところに特徴がある。
表面サイズ剤の場合は、接着剤が主成分となる塗工液、即ち顔料/接着剤の比率が100/100〜0/100であり、かつ2〜20%程度の低濃度で塗工される表面サイズプレス紙に適用されることが特許公報中に述べられている。表面サイズプレス紙は表面強化で填料や繊維の脱落を防止することを主目的としているため、高接着剤比率が必要となるが、本願においては、顔料と接着剤の比率が100/10〜100/50であり、かつ30〜70%程度の高濃度で塗工される顔料塗工紙であるため、表面サイズプレス紙とは構成も目的も全く異なるものである。
高接着剤比率で顔料塗工をした場合、白紙光沢度および印刷光沢度が顔料塗工紙より著しく劣り、顔料塗工の効果が出難くなる。また、高い光沢度を得るには塗工量を増やすか、またはカレンダー処理で用紙を平滑化する方法が取られるが、これらはいずれもインキの吸収性を妨げるため、印刷汚れが発生し易くなる。一方、低接着剤比率の顔料塗工紙では、顔料に由来する高い白紙光沢度および印刷光沢度が得られ、かつ塗工層がポーラスであるためインキ吸収性が良好であり、印刷汚れなどのトラブルが発生しにくく、雑誌やチラシ広告などの用途に好適に用いられる。
従って、本発明においては、接着剤と顔料の比率が10/100〜50/100であることが重要である。
本発明に使用する接着剤は、原料澱粉を酸化触媒にて酸化処理して得た澱粉に、長鎖アルキル基を有するアルキルアクリレート及びスチレンを単量体主成分とするスチレン・アクリル系の共重合体を配合して得られる接着剤が好適である。以下、本明細書においては、これを「スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉」と略称する。
ここで言うアルキルアクリレートには、便宜上、アルキルメタクリレートあるいはそれらの塩も含むものとする。また、本明細書では、共重合体を単にポリマーと表現することもある。
また、アルキル基の炭素数は8〜24であることが好ましく、アルキル基を含有するポリマーとしてはスチレン型モノマーとメタクリル酸エステルモノマーおよびα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーを共重合したスチレン・アクリル系ポリマー、またはその塩が好ましい。アルキル基の炭素数が8未満であると充分な疎水性が得られず、また24を超えると糊液が不安定となり、操業性に問題が発生しやすくなる。前記スチレン・アクリル系ポリマーとしては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミンとの塩等の形態でも良い。前記塩を形成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等、有機アミンとしては、アルカノールアミン(エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等)、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン等)等が例示される。前記スチレン型モノマーとしてはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなどが例示される。前記メタクリル酸エステルモノマーとしてはメタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ノナデシル、メタクリル酸エイコシル等が例示される。前記エチレン性不飽和カルボン酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸等が例示される。前記スチレン・アクリル系ポリマーにおけるメタクリル酸エステルモノマー(A)、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー(B)、およびスチレン型モノマー(C)の割合は、好ましくはモノマーAが5〜60質量%、モノマーBが5〜20質量%、モノマーCが35〜85質量%である。前記スチレン・アクリル系ポリマーの数平均分子量は、3000〜30000が好ましく、5000〜15000がさらに好ましい。酸化澱粉とスチレン・アクリル系ポリマーの配合割合は、質量比で100:0.1〜10の範囲が好ましく、100:5〜8の範囲がより好ましく、100:6〜8の範囲がさらに好ましい。
原料澱粉の種類については特に限定されないが、タピオカ澱粉はアミロペクチン比率が高く、塗工機での塗工性に問題が発生する場合がある。好ましくは、とうもろこし澱粉が原料澱粉として用いられる。
また、本発明のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉は、その配合物から形成したフィルムに水を滴下した後1.0秒後の表面接触角が、70°以上とすることが好ましい。
インキ着肉性は、顔料塗工紙最表面の疎水性が高いほど良くなるが、この現象は、インキ中の疎水性成分が、顔料塗工紙表面にどの程度受け付けられるかによって説明できる。すなわち、印刷に際し、インキ中には10〜30質量%程度の水が乳化されて取りこまれるが、顔料塗工紙の最表面の疎水性が高いほど、インキ中の疎水性成分が顔料塗工紙表面に受け付けられやすくなり、インキ濃度が高くなる。逆に顔料塗工紙最表面の親水性が高い場合には、乳化インキ中の水が積極的に顔料塗工紙表面に受け付けられ、インキ成分が顔料塗工紙表面に残り難くなり、インキ濃度が低くなる。
通常使用される酵素変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉あるいはエーテル化澱粉などは、その澱粉単体フィルムの水滴下後1.0秒後の表面接触角が30〜50°程度であり、インキ着肉性のレベルは低い。これらの通常使用される澱粉に表面サイズ剤を添加することで、表面処理剤フィルムの瞬間的な表面接触角を高めることはできる。しかし、表面サイズ剤を添加しても表面処理剤フィルムが万遍なく疎水化されている訳ではないので、水との接触によりイオン結合が解離して表面サイズ剤が遊離してしまい、また、表面サイズ剤が澱粉中の水素結合を阻害するため、表面強度を低下させてしまう。
一方、本発明のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉は、疎水基が含有されているため、澱粉フィルム自体の膨潤が抑制され、水との接触によるサイズ成分の遊離を生じず、サイズ性の低下がほとんどみられない。また、酸化澱粉自体が疎水化されているため、澱粉分子間の結合を阻害する程度が低く、表面サイズ剤を原因とする乾燥表面強度の低下がみられない。このような理由により、本発明では、オフセット印刷における等のトラブルを抑制できるものと推測される。
なお、上に述べた表面処理剤フィルムや澱粉単体フィルムは、親水化処理したPETフィルムまたは合成紙などの基材上に、基材自体の影響を生じないように乾燥固形分として5g/m2以上の塗布量で、基材表面が表面処理剤等で完全にカバーされるようにバーコータなどで塗布した後、乾燥機で乾燥して得られる。また、表面接触角は、例えば動的表面接触角測定装置(Fibro社製、ダイナミックアブソープションテスタDAT1100)を用いれば、水滴を滴下後0.1〜5.0秒程度の間の任意の経過時間における表面接触角を測定することが出来る。
本発明において、酸化澱粉の重量平均分子量は50000〜80000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が50000未満であると、乾燥フィルムの強度が低くなりがちで、また老化速度も比較的速いため、充分な表面強度が得られない虞がある。一方、重量平均分子量が80000を超えると、表面処理剤の粘度が高くなり、顔料間、顔料−繊維間あるいは繊維間に充分な結合強度が発生せず、ブランケットへの顔料パイリングが起こりやすくなる。なお、澱粉の重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフで、プルランを用いて検量線を作成し、試料のリテンション時間から、対プルランの相対分子量を求めることで測定できる。
本発明において、酸化澱粉のカルボキシ基置換度は、0.017以上であることが望ましい。カルボキシ基置換度は、澱粉糊化液の老化性に影響しており、カルボキシ基置換度が0.017未満であると、澱粉糊化液の老化が進みやすく、経時で、強度に寄与しない澱粉老化物量が多くなってしまう。また、カルボキシ基置換度は澱粉分子間結合にも関与しており、多い方が澱粉分子間結合強度が高くなる。なお、カルボキシル基置換度は、澱粉糊化液の中和滴定よりカルボキシル基量を求め、その量から置換度を計算することができる。
なお、本発明においては、塗工液の副成分として、生澱粉、通常の酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース類、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルラン等の天然水溶性高分子誘導体類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の合成水溶性高分子類、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の合成ラテックス類、消泡剤類、スライムコントロール剤類、染料類などを適宜配合しても差し支えない。
本発明において、塗工濃度については特に制限はないが、塗工機や塗工速度により必要な塗料物性は異なり、通常の顔料塗工液と同様に40〜70%程度が好ましい。40%未満では塗料中の接着剤成分が原紙中に吸収され易くなり、表面強度が低下し易くなる。また、光沢が出難くなる。70%を超えると、塗料の流動性が極端に悪化し、ポンプアップ等のハンドリングに問題が起こり易くなり、また、塗工機によっては筋などの塗工パターンが出易くなるため好ましくない。
本発明では、接着剤と顔料の比率は10/100〜50/100であることが重要である。顔料を含む高接着剤比率の塗料を表面塗工して表面強度を向上させる技術(一般的にピグメントサイズプレスと呼ばれる)では、接着剤と顔料が一般的に100/100〜100/0の割合で配合されるが、この技術のみでは、前述のように一般の顔料塗工紙と同じように、光沢度と他の品質をバランスさせることはできない。顔料をできるだけ少ない接着剤で固定化することで、光沢度、インキ吸収性などの品質がバランスできるようになるが、接着剤と顔料の比率が10/100未満であると、接着剤が少なすぎるために顔料がブランケット上にパイリングしやすくなる。一方、50/100を超えると、接着剤が多すぎ、光沢度とインキ吸収性のバランスが取れなくなる。また、この接着剤と顔料の比率では、両面12〜60g/m程度の通常の顔料塗工量においては、透気度が高くなりすぎて、印刷乾燥工程で原紙中の水分が水蒸気化して膨張し、ブリスターと呼ばれる火ぶくれ状の層間剥離を起こす虞があるため、塗工量を下げる必要が生じるが、塗工量が片面6g/m未満では原紙のカバーリングが不十分となり、塗工欠陥が生じる可能性がある。
本発明においては、接着剤として、本発明のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉に加えて、合成ラテックスを併用するのが好適である。その比率については特に制限されないが、スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉100重量部当り、合成ラテックス100〜1000重量部配合すると顔料間の接着強度を向上でき、ブランケットへの顔料パイリングをさらに抑制できるため好ましい。酸化澱粉の配合量が多すぎると光沢度が発現しにくくなり、また、バインダーマイグレーションによる接着剤の偏在化により印刷時にムラが生じ易くなる。酸化澱粉の配合量が少なすぎると塗料の保水性が低下し、塗工パターンが発生する虞がある。
前記合成ラテックスとしては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体が最も代表的なものである。
また、本発明で顔料としてはカオリンクレー、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、サチンホワイト等の公知の無機顔料類やポリスチレン、フェノール樹脂などの公知の有機顔料が具体例として示すことができる。これらの顔料は単独、または2種以上混合して適宜用いられるが、なかでもカオリンと炭酸カルシウムは光沢度と白色度をバランスさせることができ、かつ塗料物性も制御し易いため、好適に用いられる。
本発明において、原紙の抄紙方式としては、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ性抄紙等のいずれの方式でも良いが、特に中性抄紙によって得られる、紙面pHが6.0以上の原紙がオフセット印刷用顔料塗工紙として好適である。中性抄紙においては、通常、中性ロジンサイズなどの中性サイズ剤が内添サイズとして用いられるが、酸性抄紙法と比較して、抄紙pHを高めるために硫酸バンドの使用量が制限される。内添ロジンサイズ剤や表面サイズ剤は、強カチオンである硫酸バンドとの相互作用により、そのサイズ性を発現するが、中性抄紙法によって、紙面pHが6.0以上になると、カチオン量が極端に少なくなり、内添ロジンサイズ剤や表面サイズ剤に由来するサイズ性が発現し難くなる。しかし、本発明においては、スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉を用いるため、紙面pH6.0以上の高紙面pHの顔料塗工紙においても、澱粉誘導体に由来する疎水性が変化しないため所望のサイズ性を容易に得ることが出来、ブランケットパイリング等のトラブルを抑制しながら、インキ着肉性を向上させることができる。
なお、紙面pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することが出来る。すなわち、前記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面PHを測定する。
本発明で用いるオフセット印刷用顔料塗工紙の原紙としては、原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、脱墨古紙パルプ(DIP等)等を単独または任意の比率で混合して使用される。また、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの製紙用填料が抄紙時に添加される。また、必要に応じて、内添サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、耐水化剤、紫外線吸収剤等の公知公用の抄紙用薬品が適宜添加され、公知公用の抄紙機にて抄紙される。原紙の抄造条件についても、特に限定はない。抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
本発明のオフセット印刷用顔料塗工紙に使用する原紙は、特に限定されるものではないが、一般的には、坪量が30〜200g/m2程度の範囲にある原紙が、目的に応じて適宜選択して使用される。この新聞用紙原紙の物性は、オフセット印刷機で印刷可能である必要があり、通常の顔料塗工紙程度の引張り強度、引裂き強度、伸びなどの物性を有するものであれば良い。
本発明の塗料組成物を顔料塗工紙原紙へ塗布するための塗工装置としては、特に限定されるものではないが、例えばインクラインまたはバーティカルツーロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエル等のベベルタイプやベントタイプのブレードコーターロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の装置が適宜使用される。なお、表面処理剤組成物を塗布後の湿潤塗工層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。本発明の塗工量は、片面当たり固形分で6〜30g/m、好ましくは6〜15g/m、さらに好ましくは6〜10g/mである。6g/m未満では原紙のカバーリングが不足し、塗工欠陥発生により印面が悪化する虞がある。一方、30g/mを超えて塗工しても、塗工量増加に見合う性能の向上が得られず、コスト的に不利となる。なお、本発明の塗工層を原紙あるいは下塗り塗工した原紙に単層あるいは多層に設けても良い。
本発明のオフセット印刷用顔料塗工紙の製造に際しては、塗料組成物の塗工層の形成後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理が施されるが、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、コーターと別であるオフタイプとコーターと一体となっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗工紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組合せて使用することも勿論可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ固形分質量部および固形分質量%を示す。
後述のようにして得た実施例および比較例となるオフセット印刷用新聞用紙について、下記の物性を測定し、その結果を表1に示した。
(澱粉フィルムの表面接触角)
各実施例および比較例で使用した、澱粉のみを含む表面処理剤組成物または澱粉と表面サイズ剤を含む表面処理剤組成物を、親水化処理したPETフィルム上に、乾燥塗布量が5g/m2となるように塗布した後、乾燥機で乾燥して表面処理剤フィルムを作成した。
得られた各表面処理剤フィルムについて、23℃、50%RH雰囲気下で、動的表面接触角測定装置(ダイナミックアブソープションテスタ DAT1100、Fibro社製)を用い、水滴を滴下後0.1秒後および1.0秒後の表面接触角を測定した。
(オフセット印刷用顔料塗工紙の表面接触角)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用顔料塗工紙について、23℃、50%RH雰囲気下で、動的表面接触角測定装置(ダイナミックアブソープションテスタ DAT1100、Fibro社製)を用い、水滴を滴下後0.1秒後および1.0秒後の表面接触角を測定した。
(ブランケットパイリング)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用顔料塗工紙について、アルミ版とブランケット(DAYインターナショナル製DAYブランケット8891)をセットしたオフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を使用して、カラー4色刷りを行い、5000部印刷を行った後、ブランケット非画線部への紙粉の堆積度合いを目視にて判定した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5:紙粉の発生がほとんど認められない。
4:紙粉の発生がわずかに認められる。
3:紙粉の発生がやや認められるが、実用上問題のないレベル。
2:紙粉の発生が明確に認められる。
1:ブランケット上に紙粉が多く堆積している。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(インキ着肉性)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用顔料塗工紙から巾2cmの試料ストリップを切り取り、これをサンプル台紙(OK特アートポスト 256g/m)に貼りつけ、RI印刷試験機(明製作所製)にて、墨インキ(News Webmaster 墨、サカタインクス株式会社製)を0.4ml展開させ、ゴムロールと練りロール間をキスタッチにして、その間に水を0.2ml滴下後、印刷を行い、墨ベタ印刷面の黒色濃度をカラー反射濃度計(X−RITE404G、X RITE Inc.製)にて測定した。
(乾燥表面強度)
上記と同様にして各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙を貼り付けたサンプル台紙を作成し、上記RI印刷試験機にて、印刷インキ(紙試験 SD50紅B T&K TOKA株式会社製)を0.4ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5:繊維の取られが全くみられず、白抜けが発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生し、白抜け部がわずかに(1〜5個所程度)みられる。
3:一部で繊維の取られが発生するが、実用上問題のないレベル。白抜け部は6〜20個所程度。
2:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%未満。
1:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%以上。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(湿潤表面強度)
上記と同様にして各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙を貼り付けたサンプル台紙を作成し、RI印刷試験機にて、湿らせたガーゼで水を付けたゴムロールで新聞用紙面に水を付けた後、直ちに印刷インキ(T&K TOKA株式会社製)を0.5ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5:繊維の取られが全くみられず、白抜けが発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生し、白抜け部がわずかに(1〜5個所程度)みられる。
3:一部で繊維の取られが発生するが、実用上問題のないレベル。
2:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%未満。
1:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%以上。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(インキセット)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙を貼り付けたサンプル台紙を作成する。インキ練り用のゴムロールと金属ロールを1段目にセットしたRI印刷試験機にて印刷インキ(T&K TOKA株式会社製)0.5mlを練った後、インキ練り用ゴムロールをはずし、インキ練り用金属ロールを洗浄する。圧胴にサンプル台紙をセットし、RI印刷機の3段目に前述のインキを練ったゴムロール、1段目にインキ転写用片面塗工紙を巻いたゴムロールを装着し、3段目で印刷されたサンプルが転写紙にタッチしたところからで一旦印刷をとめ、そこから一定時間ごとに2〜3cmづつ印刷を進めて、その濃度変化を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。なお、下記において基準品とは比較例1で得たオフセット印刷用新聞用紙である。
〈評価基準〉
5:基準品と比較して、印刷終了後のインキロール表面を転写した紙の印刷部インキ濃度が明確に低い。
4:基準品と比較して、印刷終了後のインキロール表面を転写した紙の印刷部インキ濃度がやや低い。
3:基準品のインキ濃度レベル。実用上問題のないレベル。
2:基準品と比較して、印刷終了後のインキロール表面を転写した紙の印刷部インキ濃度がやや高い。
1:基準品と比較して、印刷終了後のインキロール表面を転写した紙の印刷部インキ濃度が明確に高い。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(印面カスレ)
前記オフセット印刷機を使用し、連続2000部の墨単色印刷を行った後、印刷面のカスレの度合いを目視にて判定した。
〈評価基準〉
5:印刷面のインキ濃度が高く、カスレの発生が認められない。
4:わずかにカスレが発生するが、インキ濃度は全体的に高い。
3:カスレの発生がやや認められるが、実用上問題のないレベル。
2:カスレの発生が明確に認められ、印刷面のインキ濃度が全体的にやや低い。
1:カスレの程度が多く、印刷面のインキ濃度が全体的に低い。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
顔料塗工紙原紙の作成
針葉樹クラフトパルプ40部、グラウンドウッドパルプ20部、プレッシャーグラウンドウッドパルプ40部の割合で混合して離解し、レファイナーで叩解処理したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(P3Y、PIRAAB STARCH Co, Ltd.製)を0.5%、中性ロジンサイズ剤(N815、荒川化学工業株式会社製)を0.8%、填料としてホワイトカーボンを1%添加し、硫酸バンドで抄紙pHを6.5に調整後、得られた紙料をギャップフォーマー抄紙機で抄紙し、米坪45g/m2の顔料塗工紙原紙を得た。
実施例1
塗料組成物として、カオリン100部(商品名;ミラグロスJ、シール株式会社製)を分散剤(商品名;アロンT−40、東亜合成株式会社製)0.05部で分散した60%分散スラリー、スチレンブタジエンラテックス(商品名;T−2635R、JSR株式会社製)12部、スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉(商品名;GRS-T120、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量62000の酸化澱粉にメタクリル酸オクタデシル/スチレン/アクリル酸ナトリウム=20/40/40質量%のモノマー比率で共重合されたスチレンアクリル系ポリマーを7.0質量%配合した澱粉、カルボキシ基置換度0.020)6.0部、耐水化剤(商品名;スミレーズ SPI−102A、住友化学株式会社製)0.1部、滑剤(商品名;SN8004SP、サンノプコ株式会社製)0.23部からなる固形分濃度60%の塗料を調製し、これを上記の顔料塗工紙原紙の両面に、ブレードコーターを使用して、乾燥後の塗布量が片面当り8.0g/m2となるように塗布、乾燥後、スーパーカレンダー仕上げを行い、実量61.0g/m2のオフセット印刷用顔料塗工紙を得た。
実施例2
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えてスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を3.0部、通常の酸化とうもろこし澱粉(商品名;王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量91000)3.0部を使用した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用顔料塗工紙を得た。
実施例3
塗料組成物のカオリン100部に代えてカオリン50部、軽質炭酸カルシウム(商品名;タマパール TP−123、奥多摩工業株式会社製)50部を使用した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用顔料塗工紙を得た。
実施例4
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えてスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を10部、スチレンブタジエンラテックス(商品名;T−2635R、JSR株式会社製)10部を使用した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用顔料塗工紙を得た。
比較例1
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えて、通常の酸化トウモロコシ澱粉(商品名;王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量91000、カルボキシ基置換度0.014)6.0部を使用した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例2
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えて、通常の酸化トウモロコシ澱粉(商品名;王子エースC、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量45000、カルボキシ基置換度0.025)6.0部を使用した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例3
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えて、スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉(商品名;GRS−T110、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量82000、カルボキシ基置換度0.016)6.0部を使用した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例4
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えて、スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉(商品名;GRS−T110、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量82000、カルボキシ基置換度0.016)100部、スチレンブタジエンラテックス(商品名;T−2635R、JSR株式会社製)50部を使用し、固形分濃度20%の塗料を調製し、これを上記の顔料塗工紙原紙の両面に、ゲートロールコーターを使用して塗布した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用表面サイズプレス紙を得た。
比較例5
塗料組成物のスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉を6.0部に代えて、スチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化トウモロコシ澱粉(商品名;GRS−T120、王子コーンスターチ株式会社製、重量平均分子量62000、カルボキシ基置換度0.020)100部、スチレンブタジエンラテックス(商品名;T−2635R、JSR株式会社製)50部を使用し、固形分濃度20%の塗料を調製し、これを上記の顔料塗工紙原紙の両面に、ゲートロールコーターを使用して塗布した以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用表面サイズプレス紙を得た。
Figure 0004784151
原紙上に、顔料およびスチレン・アクリル系ポリマーを配合された酸化澱粉を接着剤成分の一つとして含む塗料組成物を塗布、乾燥して得たオフセット印刷用顔料塗工紙は、ブランケットパイリング等のトラブルを発生することがなく、しかもオフセット印刷時のインキ着肉性が顕著に改善されているため、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を要求されるオフセット印刷用顔料塗工紙として適用できる。

Claims (3)

  1. 接着剤及び顔料を主成分とし、該接着剤が長鎖アルキル基を有するアルキルアクリレート及びスチレンを単量体主成分とするスチレン・アクリル系共重合体、並びに、カルボキシ基置換度が0.017以上である酸化澱粉を含有し、該接着剤と顔料の比率が10/100〜50/100となるよう配合した塗工液組成物を塗工してなることを特徴とするオフセット印刷用顔料塗工紙。
  2. 前記スチレン・アクリル系共重合体は、炭素数8〜24のアルコールでエステル化されたアルキルメタクリレート及びスチレンを単量体とする共重合体、またその塩であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用顔料塗工紙。
  3. 前記接着剤におけるスチレン・アクリル系共重合体の含有率が固形分質量換算で5〜10%であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のオフセット印刷用顔料塗工紙。
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