JP4113287B2 - 耐水性印刷用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強サイズ紙に顔料と疎水性アクリル系ディスパージョンを主剤とする塗料を塗工し、塗工面は水に濡れるが水の浸入を防ぎ、水が基材に染み込まないようにしたもので、合成紙に対抗できる耐水性をもち、印刷作業が容易で印刷適性も良好であり、しかも片面塗りの塗工紙では普通紙に近い回収再生性能を持つ特殊印刷用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここで対象とした耐水紙は、構造的に紙の表面に疎水性樹脂層を設けて紙層への水の浸入を防いだものである。この耐水紙としては、ポリエチレン樹脂、合成ゴム系ディスパージョンとパラフィン系ワックス或いは脂肪酸エステル等との混合物、アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸エステルと不飽和芳香族モノマーとの共重合ディスパージョン、これらアクリル系ディスパージョンとパラフィン系ワックスとの混合物あるいはスチレンアクリル樹脂とセラミック微粉末とからなる被膜を紙表面に設けたものが公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の疎水性被膜を設けてなる耐水性では水の浸透防止効果はほぼ完全でしかも再生回収が可能なものも得られるが、紙としての感触や印刷適性については必ずしも満足できるものではなく、しかも印刷用紙を対象とした強力な耐水紙はない。
【0004】
この発明は、従来の耐水性を与えることによって生ずる上記問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、樹脂層を紙の表面に設けて水の浸入を防ぎ、水による紙力の低下、膨潤による変形を防ぐことであるが、樹脂表面には水を弾かない程度の親水性を与え、紙としての感触もコート、アート紙に近いものであって印刷適性が良好であり、片面加工品では古紙の回収再生が一般紙に近いという耐水性印刷用紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するべく鋭意研究の結果、耐水化剤としてアクリル酸アルキルエステルと不飽和芳香族モノマーからなる疎水性α、βモノエチレン性不飽和モノマーを主原料とするアクリル系ディスパージョンを顔料100部当り50乃至100部配合してなる塗料を、基材の片面当り固型分8乃至25g/m2塗工することによって、ほぼ完全な耐水性が得られ、平滑化処理によってコート・アート紙なみの印刷適性が得られることを発見した。
【0006】
そして、これらの知見に基づいてなされた発明は、次の通りである。すなわち、本出願の請求項1に記載の発明は、原紙の片面もしくは両面について顔料100部(固型重量部、以下同じ)当たり、アクリル系ディスパージョン50乃至100重量部からなる塗料を塗工した加工紙であって、前記アクリル系ディスパージョンは、アルキル基炭素数が8以上のアクリル酸エステルモノマーと不飽和芳香族モノマーとの共重合物である耐水性アクリル系樹脂からなり、最低造膜温度30乃至80℃の耐水性アクリル系樹脂と、最低造膜温度−10乃至20℃の耐水性アクリル系樹脂とを、固形分による重量換算で10:90乃至70:30の割合で混合したものであり、塗料の塗工面のコッブ吸水度が3g/m2以下である耐水性印刷用紙である。
【0007】
また、この出願の請求項2に記載の発明は、アクリル系ディスパージョンが、スチレンアクリル樹脂ディスパージョン100重量部に対し、造膜性の高いブタジエン系共重合物ディスパージョン100部以下を混合した樹脂ディスパージョンをバインダーとする請求項1に記載の耐水性印刷用紙である。
【0008】
また、この出願の請求項3に記載の発明は、パルプ100部に対し、1.0部以上の変性ロジンエマルジョンと金属塩により、コッブ吸水度30g/m2以下とした耐水性の高い原紙の片面若しくは両面について、顔料100部当たり、樹脂ディスパージョン50乃至100部からなる塗料を片面当り8乃至25g/m2の範囲で塗工したもので、塗工面のコッブ吸水度が3g/m2以下である請求項1又は2記載の耐水性印刷用紙である。
【0009】
更に、変性ロジン系エマルジョンサイズが、α、β不飽和多塩基酸で変性した耐熱性のエマルジョンサイズであり、金属塩がアルミニウム塩である請求項3に記載の耐水性印刷用紙である。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記疎水性モノマーとして利用できるものはアクリル酸エステルではアルキル基が炭素数が8以上のモノマーであって、代表的なものを挙げれば、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸アルキル(C=12,13)、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリルであり、一部メタクリル酸アルキルエステルを利用しても良い。最も実用的なものはアクリル酸2エチルヘキシルである。芳香族モノマーとしてスチレン、α−メチルスチレンが一般的である。
【0011】
また、この疎水性モノマーと共重合させるコモノマーとして代表的なものは(メタ)アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステルが利用される。これに不飽和カルボン酸として(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などの反応性乳化剤を乳化剤の主材として用い、表面張力の低下を極力防止したもので特にペイント用として市販されている重合度の高いアクリル系ディスパージョンに好適品が多く、ペイント用バインダーを紙の塗料として採用したことが本発明の特徴である。
【0012】
スチレンモノマーの比率の高いアクリル系ディスパージョンでは疎水性アクリル酸エステルが樹脂総量の5乃至10重量部の低下率でも充分な耐水性を示すものがあり、コスト的に有利である。即ち、疎水性芳香族モノマーの比率が高い程耐水性は向上するが、造膜性や耐油性が低下し、且つ黄変性が大きくなるという欠陥があるが、ペイント用と異なり、紙加工品では使用期間が短く且つ直射日光に曝露されることも少ないので、耐久性、黄変性、耐チョーキング性等、スチレンアクリル系ディスパージョンでもさして問題になることはないので、スチレン成分が樹脂総量の30重量%を越えるものでも有用なものが多い。
【0013】
耐水性、黄変性、チョーキング性などはさして問題とはならないが耐水性を与えるための主たる要件は塗料の疎水性と造膜性が共に高いことである。造膜性の指標となるのはアクリル系ディスパージョンの最低造膜温度(以下MFTと略)であり、この値が低い程造膜が容易で耐水性が発現し易い。ところが、塗工作業に於いては、塗料による汚れを防ぎ難く、疎水性の塗料が短時間で造膜してしまうと水洗いでは除去不能で、溶剤で払拭するかむしろ機械的にこそぎ落さねばならない。
【0014】
さらに、加工紙としてMFTの低いディスパージョンを使ったものは、ブロッキングが起り易いという問題がある。このような問題を解決するには、MFTが30℃以上の原材料を主剤にすれば汚れは容易に水洗いできるし、ブロッキングの心配も少なくなる。しかし、高MFTの耐水性ディスパージョンは、高温乾燥条件でも造膜が不完全で充分な耐水性が得られないことが多い。
【0015】
そこで、MFTが30乃至80℃の耐水性アクリル系ディスパージョンを10乃至70重量%とし、これに造膜性に優れたMFTが20乃至−10℃の耐水性アクリル系ディスパージョンを90乃至30重量%を併用することによって、耐水性の優れた製品に仕上げることが可能である。両者の比率は塗工作業の操業性と耐ブロッキング性によって決められる。これらの一部を疎水性アクリル酸エステル共重合物に置き換えてもよい。
【0016】
特に、耐光性の要求が厳しくない用途では、低MFTアクリル系ディスパージョンの代りに、疎水性が高く、且つ造膜性の高いブタジエン系共重合物を50重量%以下併用することによって期待以上の高い耐水性が得られ、且つ塗工工程の作業性も極めて良好である。この系の塗料は常温下での造膜成分が少なく、塗工作業中、飛散付着した塗料汚れを容易に水洗いすることができる。
【0017】
このように、実用的にはMFTの高いアクリル系ディスパージョンが耐水性を与える主原料となるものであるが、スチレン・アクリル共重合体ディスパージョンのMFTを上げる手段としてメタクリル酸メチル、或は不飽和芳香族の配合部数を増加することが一般的であり、耐水性を重視したものでは後者が有利である。また、紙加工品はペイント並の耐光性を要求されることが殆どないので、スチレンアクリル共重合ディスパージョンでスチレン比率の高いものが本発明の目的に適しているといえるが、スチレン比率の余りにも高いものでは塗工層が収縮して割れを生じ耐水性を損なうこともある。
【0018】
顔料としてはカオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、三水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、サチン白、タルクなど一般に印刷用コート紙の顔料として利用されるものの中から選んでよい。これらの顔料は分散剤、消泡剤、pH調整剤等を併用して分散する。ペイント用アクリル系ディスパージョンは分散剤が多く顔料との混用性が高いことも特徴で、ポリカルボン酸塩で分散した顔料と均一に混合できる。顔料100部に対し、アクリル系ディスパージョンを50乃至100部混合する。必要に応じて、流動性改善剤、保水剤、着色剤、防腐防ばい剤、消臭剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、溶剤、などの助剤を添加する。
【0019】
この塗料によって形成された被覆は完全に近い水の浸透防止効果があるが、基材の断裁面からの水の染み込みを防ぐことができない。そのため、一般の紙を原紙として使うと切口から水が浸透し、エッジの波打ち現象が起り、これが凍結すると紙層が破壊することがある。この対策として、原紙のコッブ吸水度を30g/m2以下望ましくは20g/m2以下に制限しなければならない。
【0020】
コッブ吸水度を下げるためには、α、β不飽和多塩基酸で変性したロジンエマルジョンをパルプ100部に対し、1部以上添加し、充分なアルミニウム塩によって定着させる方法が最適である。特に、上記変性ロジンの軟化点を110℃以上にするとか、一部のカルボキシル基を疎水性のエステルにすることによって熱水に対する抗抗性を向上することにより、また、原料の可塑性を上げて、できるだけ充填量を少なくしてウェットプレスにより高密度化して毛細管径を小さくし、不連続化することによって耐水性を上げることができる。コッブ吸水度で15g/m2以下の原紙を製造することも可能であり、この対策によって切口の変形を防ぐことができる。用途によっては湿潤強度を与えることもある。
【0021】
このようにして得られた原紙に、前記塗料を片面当り固形分8g/m2乃至25g/m2望ましくは12乃至20g/m2の範囲で塗布する。塗工量8g/m2以下では充分な耐水性被膜を形成せず、印刷適性も劣る。また、25g/m2以上ではコスト上昇に見合う品質の改善が認められないだけでなく、コート層が厚くなるため再生回収時に塗工層の小片が離脱しこれを完全に離解することが困難で、これを浮遊分離しない限り、上質紙への再生原料として利用することができない。
【0022】
上記で得られた片面塗工品は、表面の性質が異なるため、温度の変化によってカールが生じ、利用の障害となることがある。また用途によっては、裏面から水が浸入する問題があり、両面加工が必要な場合もある。この場合、水の浸入は主として断面になるので、古紙の回収は困難となる。
【0023】
この塗料の原紙への塗工はエアナイフ、ダイ、ブレード、ロール、バー、ロッド、コンマ等の形式のコーターが使用可能であるが、生産性と面感からベントプレード方式が好適である。加工紙はスーパーカレンダー等の平滑仕上機によって平滑化処理を行い、ISO−8791−4に規定されるプリントサーフ法によるクランプ圧980kpaで測定した表面粗さが2.5μm以下、望ましくは1.5μm以下に仕上げる。但し、印刷紙以外の用途にはこの限りはない。耐水、耐油バリアーとして利用できることは勿論である。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明に係る耐水性印刷用紙を実施例にて具体的に説明する。なお実施例中の部及び%はすべて乾燥重量部及び重量%を示す。
【0025】
〈実施例1〉
カオリン(ハイドラスパース JM ヒューバー社)20部、炭酸カルシウム(ソフトン 白石カルシウム)50部、酸化チタン(W−10石原産業)30部、ポリカルボン酸系分散液と消泡剤を加えた水中に分散し、アンモニアでpHを9乃至10とした後、サイビノールUC−404(サイデン化学)80部及び滑剤(ノプコート 104)2部を混合して塗料とした。
【0026】
N−BKP100部を濾水度300mlまで叩解し、サイズ剤(R−800
【0027】
仕上処理した加工紙はJIS−P8111に従って前処理を行ったのちコッブ吸水度、耐熱水性、インキ受理性及び透湿度を測定した。
【0028】
1)コッブ吸水度
JIS−P8140の規定に従い塗工面について20℃の水に120秒間接触させたときの水の浸透量g/m2を測定した。
【0029】
2)耐熱水性
非塗工面に50μmPETの粘着フィルムを貼付けローラーで圧着した後、5cm×10cmの試料を採取し、これを金網の篭に納めて80℃の熱水中に20分間浸漬した後、付着水を濾紙で軽く吸い取り重量を測定し、試験前の重量に対する増加重量(吸水量)を試料面積50cm2で除した値を耐熱水性g/m220minとして表した。この値は紙の断面からの吸水、裏面のPETフィルムの吸水量を含むので、純粋に塗工面からの吸水量ではないが、一定の値を嵩上げした吸水量として、コッブ吸水量より、厳しい耐水性の評価方法として採用した。
【0030】
3)インキ受理性
IHI製R1テスター1型で、大日本インキ化学製トランスGインキ(赤色)2mlをローラーに展色したものをベタ刷りし、この濃度をマクベス濃度計(赤フィルター)で測定し比較した。1.0以上は受理性が充分なもの(○)、0.8位になると肉眼的には著しい差になり、印刷紙として利用できないもの(△)として区別した。参考例にはないが0.6以下は(×)に相当するが僅かに着色している程度でワックスを併用したものがこの水準になることが多い。
【0031】
4)透湿度
JIS K7129。これは参考までに測定値を挙げたが、水蒸気の透過性は耐水性よりミクロな形での膜構造と塗料自体の吸湿性を示すものである。実施例では造膜状態を示す代用特性として水蒸気透過率g/m224Hrを示した。
【0032】
〈実施例2〉
アクリルディスパージョンをボンコート5462K(大日本インキ化学工業)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0033】
〈実施例3〉
アクリルディスパージョンをボンコートExp−863(大日本インキ化学工業)に設定した以外は実施例1と同様に実施した。
【0034】
〈実施例4〉
アクリルディスパージョンをボンコートExp−5462−2(大日本インキ化学工業、ホルマリン不使用品)に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0035】
〈実施例5〉
アクリルディスパージョンをサイビノールEK−81(サイデン化学)40部ボンコートExp−863 40部を併用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0036】
〈実施例6〉
アクリルディスパージョンをサイビノールEK−81 40部、スチレンブタジエン系ラテックスP−6×20(住友エービーエス・ラテックス)40部との混合物に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0037】
〈参考例1〉
アクリルディスパージョンとしてボンコートU−40(大日本インキ化学工業)80部に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0038】
〈参考例2〉
アクリルディスパージョンとしてサイビノールEK−55(サイデン化学)80部に変更した。なお、顔料の分散剤はスチレンマレイン酸(SMA1440H 河原油化)1.3部、ポリオキシエチレン多環フェニールエーテル(ニューコール723 日本乳化剤)2.4部を利用した。(ポリカルボン酸で分散した顔料では、EK−55の混合性が不良)その他は実施例1と同様に実施した。
【0039】
〈参考例3〉
アクリルディスパージョンとしてサイビノールEK−81 50部とボンコートATC−51 30部の混合物を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0040】
【表1】
表1には、実施例及び参考例に用いた樹脂ディスパージョンのMFTとガラス転移点(TG)を示す。
【0041】
【表2】
表2には、実施例1乃至6と参考例1乃至3の処方で作成した耐水性印刷用紙のコッブ吸水度、耐熱水性、インキ受理性及び透湿度の各々の評価結果を示す。
【0042】
実施例、参考例に挙げたものは何れも手塗りによる結果で塗工後、乾燥機に入れるまでに、塗料中の水が基材に染み込んだり蒸発したりして水分が減り、MFTの高いバインダーを使ったものでは造膜性が低下し、実施例5,6のように耐水性、透湿度が劣る結果となる。この場合、乾燥温度を上げても良い結果は得られない。
【0043】
しかし、実機で加工した場合は塗工後1秒前後でSCAFドライヤーに達するので造膜性が助長され、実施例6では透湿度は400g/m224Hrに低下し、コッブ吸水度0g/m2、耐熱水性は20.6g/m2・20minまで向上する。この事例のように、MFTの高いアクリル系ディスパージョンの造膜性を改善できるMFT20℃以下、望ましくは15乃至2℃の疎水性、ディスパージョンを混用することによって作業性が良く、且つ耐水性の高い加工紙が得られる。
【0044】
参考例1はアクリル酸エステルと酢酸ビニルエステルの共重合物であり、コッブ吸水度及び透湿度共に良好であるにもかかわらず耐熱水性に劣り、インキの受理性も悪く、印刷用紙としては利用できない。
【0045】
参考例2は顔料との混用性が悪く、また造膜性が高くて作業性が劣る。耐熱水性は抜群であるが、インキの受理性が悪く印刷紙に向かない。
【0046】
参考例3は高MFT疎水性アクリル系エマルジョンにスチレン・アクリル系ソープフリーディスパージョンを混合したものである。後者は分子量が低く、これを水溶性オリゴマーで安定したもので、MFTは0℃以下であるのに透湿度が大きく、耐水性が低い。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、印刷適性が良く、熱水処理にも耐える高い耐水性によって基材の変形が小さい加工紙が得られる。その性能は強度については合成紙と比較にならないものの、耐水性については親水性成分が主体である。加工紙であるにも拘わらず、加工面からの水の侵入に対する抵抗力は実用的には近似した水準であり、しかも印刷工程での作業性、印刷適性共に良好で、一部の合成紙の用途への適用が可能であり、且つ再生可能である点に特徴がある。
Claims (4)
- 原紙の片面もしくは両面について顔料100部(固型重量部、以下同じ)当り、アクリル系ディスパージョン50乃至100部からなる塗料を塗工した加工紙であって、前記アクリル系ディスパージョンは、アルキル基炭素数が8以上のアクリル酸エステルモノマーと不飽和芳香族モノマーとの共重合物である耐水性アクリル系樹脂からなり、最低造膜温度30乃至80℃の耐水性アクリル系樹脂と、最低造膜温度−10乃至20℃の耐水性アクリル系樹脂とを、固形分による重量換算で10:90乃至70:30の割合で混合したものであり、塗料の塗工面のコッブ吸水度が3g/m2以下であることを特徴とする耐水性印刷用紙。
- アクリル系ディスパージョンが、スチレンアクリル樹脂ディスパージョン100部に対し、造膜性の高いブタジエン系共重合物ディスパージョン100部以下を混合した樹脂ディスパージョンをバインダーとする請求項1に記載の耐水性印刷用紙。
- パルプ100部に対し、1.0部以上の変性ロジンエマルジョンサイズと金属塩により、コッブ吸水度30g/m2以下とした耐水性の高い原紙の片面若しくは両面について、顔料100部当り、請求項2又は3の樹脂ディスパージョン50乃至100部からなる塗料を片面当り8乃至25g/m2の範囲で塗工したもので、塗工面のコッブ吸水度が3g/m2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐水性印刷用紙。
- 変性ロジン系エマルジョンサイズが、α、β不飽和多塩基酸で変性した耐熱性のエマルジョンサイズであり、金属塩がアルミニウム塩である請求項3に記載の耐水性印刷用紙。
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