JP2005330609A - 艶消し塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基紙の少なくとも片面に、下塗り層および上塗り層からなる二層の塗工層を有し、上塗り層は、顔料として、体積分布平均粒径が1.5〜3.0μmのデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当り20〜70重量部含有し、下塗り層は体積分布平均粒径が1.5μm以上の顔料を含有しない艶消し塗工紙とする。
【選択図】なし
Description
<請求項1>
基紙の少なくとも片面に、下塗り層および上塗り層からなる二層の塗工層を有する艶消し塗工紙であって、
前記上塗り層は、顔料として、体積分布平均粒径が1.5〜3.0μmのデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当り20〜70重量部含有し、
前記下塗り層は体積分布平均粒径が1.5μm以上の顔料を含有しない、
ことを特徴とする艶消し塗工紙。
本発明の艶消し塗工紙においては、十分に高い表面平滑性および低白紙光沢度という相反する特性を両立することができる。その理由はおそらく次のとおりであると考えられる。すなわち、本発明の艶消し塗工紙では、下塗り層中に1.5μm以上の顔料を含有しないため、基紙の凹凸を均等に埋める様に塗料が基紙表面を被覆し、依って下塗り層の表面が平滑となり、その平滑な面に低白紙光沢度を達成するのに十分な粒径のデラミネーテッドクレーを含有する上塗り層が設けられる。
前記塗工層全体の厚さが15〜50μmである、請求項1記載の艶消し塗工紙。
塗工層の厚さが15μm未満では、基紙表面の凹凸を下塗り層でカバーすることが困難であり、下塗り層表面に生じる基紙由来の塗工層凹凸が生じることで、平滑性向上効果が低下し、50μm超になると、コスト高になるだけでなく、塗工層の強度が低下し、近時飛躍的に需要が拡大している高速印刷製本等において塗工層が剥離する等の問題を生ずるため好ましくない。
前記塗工層を有する面における、JIS P 8142に準拠して測定される白紙光沢度が20%以上、印刷光沢度が60%以上、およびJIS P 8119に準拠して測定される平滑度が60〜200秒である、請求項1または2記載の艶消し塗工紙。
本発明の艶消し塗工紙においては、JIS P 8142に準拠して測定される白紙光沢度が少なくとも20%以上を有するため、白紙における上塗り層と印刷を施した印刷物とが印刷工程や製本工程で擦れあう状況下においても、印刷物の印刷インキが白紙における上塗り層に転移することが殆ど無く、印刷インキによる白紙面汚れが生じることがない。
前記塗工層に対して弾性ロールと金属ロールからなる、塗工面平滑化処理を施してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の艶消し塗工紙。
本発明においては、塗工層表面の平滑性を調整するのが好ましく、この場合においても前述の本発明の特徴的作用によって十分に低い白紙光沢度を維持することができる。特に、低ニップによる弾性ロールとチルドロールを使用したスーパーカレンダーやソフトカレンダーを施すことで、クッション性を維持し、俗にカレンダー焼けといわれる塗工面の変色や平滑ムラを抑え、印刷インクの乗りが良い艶消し塗工紙を得ることができる。
(基紙)
本発明の基紙としては、一般の印刷用塗工紙に用いられる坪量30〜400g/m2のペーパーベースあるいはボードベースの基紙が用いられるが、抄紙方法については特に限定されず、酸性抄紙、アルカリ性抄紙いずれであってもよい。基紙の原料パルプは特に限定されない。既知のKPのような化学パルプ、PGW、SGP、RGP、BCTMP、CTMP等の機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプ、あるいはケナフ、竹、麻、藁等由来の非木材パルプ等とすることができる。これらのパルプは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の下塗り層としては、特に限定されるものではなく、例えば分散媒体および顔料を配合してなる一般的な組成を採用することができる。ただし、下塗り層中に顔料を用いる場合には、体積分布平均粒径が少なくとも1.5μm以上、好ましくは1.2μm以上の顔料を含有しないようにする。下塗り層中に1.5μm以上の顔料を含有しないため、基紙の凹凸を均等に埋める様に塗料が基紙表面を被覆することが可能になる、顔料の粒径が1.5μmを超えると、基紙の凹凸を平坦にする効果(より詳しくは、繊維のフィブリル化による微細空隙間に顔料が入り込み、基紙表面の凹凸を平坦にする効果)が劣り、故に下塗り層表面の平滑性が低下し、後述する上塗り層の平滑性に対する影響が大きくなる。
この顔料の体積分布平均粒径は、次の式に基づいて計算することができる:
体積分布平均粒径(MV)=Σ(V・・・di )/ΣVi
ただし、
Vi =各粒径区分における体積割合
di =各粒径区分における粒径の代表径
本発明の上塗り層は、顔料として、体積分布平均粒径が少なくとも1.5〜3.0μm、好ましくは1.5〜2.0μmのデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当り20〜70重量部、好ましくは30〜50重量部含有する。デラミネーテッドクレーの粒径は、1.5μmよりも小さくなると下塗り層との親和性が向上し境界面が不明確になり平坦性が向上するため、白紙光沢度が高くなりすぎる問題が生じる。
本発明の塗工層は、塗工液を基紙の片面または両面に塗工することにより形成することができる。塗工に際しては、ブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、ブラシコータ、カーテンコータ、バーコータ、グラビアコータ、サイズプレスコータ等の、一般的な塗工装置を単独で、また、組み合わせて使用することができる。
本発明の艶消し塗工紙では、基紙の一方の面に塗工層を設けても良く、両面に塗工層を設けても良い。塗工層全体の厚さ(つまり下塗り層の厚さと上塗り層の厚さとの和)は特に限定されないが、25〜50μm、特に30〜40μmであるのが好ましい。
本発明の艶消し塗工紙においては、基紙に塗工層を設けた後、スーパーカレンダー、マットカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理を施すことにより、表面の平滑性を調整することができる。中でも、軽度のスーパーカレンダー処理が好適であり、この場合、塗工層表面の平滑度が所望の値、例えば60〜200秒の範囲となるように、スーパーカレンダーのロール圧を調整することができる。具体的には、スーパーカレンダーのロール加圧条件は線圧で100〜400kg/cm 、より好ましくは150〜350kg/cmの範囲で調節される。100kg/cm未満であると好適な平滑度が得られず、400kg/cmを超えると紙厚が薄くなり、不透明度が低下して、高級感が低下する。また繊維焼けが生じる。スーパーカレンダーのロール温度は、品質を安定するために50〜95℃の範囲で処理するのが好ましい。50℃未満では好適な塗工層が形成されない。95度を超えると繊維焼けが生じる。
・上塗り塗工層
接着剤としてカルボキシ変性スチレン・ブタジエンラテックス16部、重質炭酸カルシウム54部、カオリン10部及び表1に記載するデラミネーテッドクレーを配合して上塗り塗工層を調整した。
・下塗り塗工層
接着剤として、上層と同様に、カルボキシ変性スチレン・ブタジエンラテックスを16部、軽質炭酸カルシウムを86部使用した他は、表1に記載の条件で下塗り層を調節し、ゲートロールコーターにて下塗り層を設けた。
坪量が54g/m2の上質紙を使用した。
「平滑度」(上層・下層)…JIS P 8119に準拠して測定した。
「不透明度」…JIS P 8138に準拠して測定した。
「白紙光沢度」…JIS P 8142法に準じ、村上色彩技術研究所製の光沢度計を用い、75°光沢を測定した。
「擦れ汚れ」…印刷面と印刷前の白紙面とを一定圧力で接触させてこすり合わせた後、白紙面の汚れ程度で判定した。○:汚れが見られない。△:僅かに汚れが見られる。×:汚れが生じている。
「ドライピック」…RI印刷試験機(明製作所製)を使用し、印刷インク(タック18)0.4ccにて印刷を行い、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に転写させ、目視にて5段階評価した。(数値が高いものほど良好)
「ウェットピック」…RI印刷試験機(明製作所製)を使用し、塗工層面を吸水ロールで湿潤させた後、印刷を施し、インクの受理性を目視にて5段階評価した。(数値が高いものほど良好)
「印刷光沢度」…RI印刷試験機(明製作所製)を使用し、東洋インキTKマークVニュー紅Mで1回または2回印刷を施し、20℃65%RHで24時間放置した後の、75度印刷光沢度をJIS P 8142法に準じ測定した。
「インキ着肉性」…RI印刷試験機(明製作所製)を使用し、オフセット印刷インキ0.1ccを用いて塗工層面に印刷を行い、20℃65%RHで24時間放置した後の印刷面のインキ着肉ムラを以下の基準に準じて目視判断した。
○:インキの着肉性に優れ、インキの着肉ムラもない。
△:インキの着肉ムラが見られる。
×:インキの着肉が著しく悪い。
Claims (4)
- 基紙の少なくとも片面に、下塗り層および上塗り層からなる二層の塗工層を有する艶消し塗工紙であって、
前記上塗り層は、顔料として、体積分布平均粒径が1.5〜3.0μmのデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当り20〜70重量部含有し、
前記下塗り層は体積分布平均粒径が1.5μm以上の顔料を含有しない、
ことを特徴とする艶消し塗工紙。 - 前記塗工層全体の厚さが15〜50μmである、請求項1記載の艶消し塗工紙。
- 前記塗工層を有する面における、JIS P 8142に準拠して測定される白紙光沢度が20%以上、印刷光沢度が60%以上、およびJIS P 8119に準拠して測定される平滑度が60〜200秒である、請求項1または2記載の艶消し塗工紙。
- 前記塗工層に対して弾性ロールと金属ロールからなる、塗工面平滑化処理を施してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の艶消し塗工紙。
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JP2004148535A JP2005330609A (ja) | 2004-05-19 | 2004-05-19 | 艶消し塗工紙 |
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2004
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