JP2012136806A - 塗工白板紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、塗工白板紙に求められる紙器加工の品質、特に印刷適性のグラビア印刷のミッシングドット軽減及び後加工適性のニス光沢発現性に優れた塗工白板紙を提供するものである。
【解決手段】基紙の表面に、顔料と接着剤を主成分として含有する2層の塗被層を有し、下塗り塗被層に、顔料として2μm以下の粒子含有率が80〜95%の炭酸カルシウムを全顔料の70質量%以上含有し、かつ接着剤としてガラス転移温度が−50〜−30℃の範囲内にある共重合体ラテックス(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有し、さらに上塗り塗被層に、2μm以下の粒子含有率が90%以上の顔料を全顔料の50質量%以上含有し、かつ接着剤として2種類の共重合体ラテックスを特定の条件で配合して、かつ該共重合体ラテックス混合物(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有することを特徴とする塗工白板紙。
【選択図】なし

Description

本発明は塗工白板紙に関し、さらに詳しくは塗工白板紙に求められる印刷適性と後加工適性の両品質をバランスし、特に印刷適性としてグラビア印刷のミッシングドット軽減、および後加工適性としてニス光沢発現性、製函適性に優れた塗工白板紙に関する。
塗工白板紙は、主として化粧箱、菓子箱、石鹸用箱等の紙器類に使用されており、内包した商品をアピールするため各種印刷方式により紙表面に印刷が施された後に、各種の後加工を施されて紙器に加工される。
紙器類に加工使用される塗工白板紙は、印刷、出版用途の一般的な印刷用塗被紙とは異なり、印刷適性と併せて紙器加工適性も求められる。このうち、印刷については、枚葉平版オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の各種印刷方式により印刷されるため、それぞれの印刷方式に対する品質適性が塗工白板紙には要求される。また、紙器類への加工については、表面の美粧性や表面保護のための表面加工として、ニス加工、プレスコート加工およびフィルム貼合加工等、さらに製函加工として、打抜き加工、罫線入れ加工、糊付け加工等が行われるため、上記印刷適性と併せて、これら多岐に渡る後加工適性も塗工白板紙に要求される。
このような塗工白板紙の紙器類加工において、特に、大ロットの商品の印刷については、巻取りを使用した高速印刷が可能であり、併せて印刷 ラインに打ち抜き装置を組み合わせることにより、より効率よく紙器が生産でき、経済的にも優れている理由から、グラビア印刷が使用されることが多い。しかしながら、塗工白板紙では、原紙が古紙多配合の多層抄き構成であること、および紙器の強度発現に対して紙厚を維持する必要からカレンダ加圧処理による表面の平滑化が制限されるために、印刷、出版用途の一般的なグラビア印刷用塗被紙に比べて、平滑性が発現し難い傾向にあり、このためグラビア印刷において、グラビア網点欠落(以下ミッシングドット)が発生し、印刷仕上りが悪化しやすい問題点がある。
また、塗工白板紙の表面加工については、前記のようにニス加工、プレスコート加工およびフィルム貼合加工等の各種表面加工方法があるが、このうちニス用コーターとUV乾燥設備を印刷機の後に設置して、印刷後の塗工白板紙にそのまま連続してニス加工を行うことにより、より効率よく紙器が生産でき、経済的にも優れている理由から、インラインニス(UVニス)加工が使用されるケースが増えている。しかしながら、オフセット印刷適性も求められる塗工白板紙では、インキ乾燥性や吸水着肉性などのオフセット印刷適性向上に対して、塗工層の吸収能力向上が必要となるが、この塗工層によって塗工白板紙の表面に展開したニスが吸収されてしまうため充分な厚みのニス層を形成することができなくなり、このためニス光沢発現が低下して、所望とする美粧性効果、表面保護効果が得られない問題点がある。
このため、各種方法が提案されている。このうち、グラビア印刷において良好な網点再現性が得られ、かつ耐スーパーカレンダー汚れ適性が良好な塗工印刷紙として、紙塗工用顔料100重量部に対し、平均粒子径0.2〜0.4μm、ガラス転移温度−50〜−10℃及びゲル含有量70〜90重量%のスチレン-ブタジエン系共重合体を含む水性ラテックスを4〜15重量部配合する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、上記技術はグラビア印刷適性の向上には有効であるが、印刷、出版用途の一般的な印刷用塗被紙を想定した方法であり、印刷用塗被紙の上塗り塗被層に対して特定のラテックスを用いるのみでは、塗工白板紙に求められる表面加工適性、後加工適性などの各種必要適性併せて向上させることは難しい問題点がある。
また、塗工適性と折り割れを改善する塗工白板紙として、下塗りラテックスとして、特定のモノマー組成、配合により乳化重合して得られるガラス転移温度が−10〜−45℃の範囲であり、特定のモノマーを共重合して得られた水溶性共重合物と保水剤を使用する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、上記技術のように下塗り層ラテックスの改善のみでは、グラビア印刷適性の向上効果は限定的であり、またオフセット印刷適性やニス加工適性等の各種必要適性を併せて向上させることは難しい。
また、塗工操業性良好で、表面強度、耐水性、インキ乾燥性、印刷光沢、ブリスターパック適性、及び糊付性に優れた塗工板紙として、板紙の塗工組成物用共重合体ラテックスとして、−100〜50℃の範囲に少なくとも2つのガラス転移点を有し、かつ最も高いガラス転移点と最も低いガラス転移点との差が5℃以上であり、粒子表面のゼータ電位が−100〜−10mVであるラテックスを使用する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、上記技術のように高いガラス転移点を有するラテックスを塗工層全層に対して適用すると、塗工層の柔軟性、クッション性を阻害するため、グラビア印刷適性が向上し難い。
また、油性インキ印刷直後のニス塗布適性を有し、ムラの発生のない塗工白板紙として、上塗り層の顔料に重質炭酸カルシウムを全顔料の45質量%以上含有し、塗料濃度を64%以上の塗工液で塗工することが提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、上記技術のように上塗り層の顔料と塗料濃度の改善のみでは、充分なグラビア印刷適性を得ることが難しい。
さらに、オフセット、グラビア印刷共用塗工白板紙として、下塗り層に焼成クレー、構造化カオリンおよびデラミネーテッドクレーから選ばれる少なくとも1種の顔料を全顔料あたり固形分対比で30〜70重量%含有し、かつ接着剤としてガラス転移温度が−50〜−5℃である共重合体ラテックスを全顔料対比固形分5〜25重量%含有し、上塗り層の接着剤として、ガラス転移温度が0℃以上の共重合体ラテックスを全顔料対比固形分で3〜30重量%含有する塗工白板紙が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、上記方法のように焼成クレー等を30〜70重量%配合すると塗料粘度の上昇を引き起こすため、塗工装置による塗工の際に塗料濃度を低く設定する必要があるが、この塗料濃度低下に伴って塗被層の被覆性、平滑性が低下するため、グラビア印刷のミッシングドットが悪化する恐れがある。また、上記方法のように焼成クレーや構造化カオリンのような嵩高な塗工層を形成する顔料を用いるため塗工層の吸収性が高くなり、ニス加工適性が低下しやすい。
上記のように塗工白板紙の品質向上に対して各種方法が提案されているが、紙器加工における印刷適性、ニス加工適性、後加工適性などの各種適性、特にグラビア印刷適性とニス加工適性を充分に満足する方法がないのが現状である。
特開平02−139500号公報 特開平05−287697号公報 特開平11−060817号公報 特開2008−231586号公報 特開2002−363887号公報
本発明は、塗工白板紙に求められる紙器加工の際の印刷適性と後加工適性の各種品質を両立し、特に印刷適性としてグラビア印刷のミッシングドット軽減、および後加工適性としてニス光沢発現性に優れた塗工白板紙を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、グラビア適性および後加工適性に優れた塗工白板紙が得られることを見出した。即ち、本発明は、基紙の表面に、顔料と接着剤を主成分として含有する2層の塗被層を有する塗工白板紙において、該塗被層のうち、基紙に隣接して設けられる下塗り塗被層に、顔料として2μm以下の粒子含有率が80〜95%の炭酸カルシウムを全顔料の70質量%以上含有し、かつ接着剤としてガラス転移温度が−50〜−30℃の範囲内にある共重合体ラテックス(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有し、さらに該下塗り塗被層に隣接して設けられる上塗り塗被層に、2μm以下の粒子含有率が90%以上の顔料を全顔料の50質量%以上含有し、かつ接着剤として下記の(1)及び(2)の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を下記の(3)及び(4)を満たすように配合して、かつ該共重合体ラテックス混合物(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有することを特徴とする塗工白板紙である。
(1)共重合体ラテックス(A):ガラス転移温度−50〜−30℃、平均粒子径120〜180nm。
(2)共重合体ラテックス(B):ガラス転移温度−5〜20℃、平均粒子径80〜100nm。
(3)共重合体ラテックス混合物の混合比(固形分):(A)/(B)≧1。
(4)共重合体ラテックス混合物(平均値):ガラス転移温度−30〜−15℃、平均粒子径120〜140nm。
前記下塗り塗被層に含有する該炭酸カルシウムが100質量%であることが好ましい。
前記上塗り塗被層の顔料中に2μm以下の粒子含有率が95〜100%である重質炭酸カルシウムを含有することが好ましい。
前記下塗り塗被層の塗工方式がロッド塗工、および上塗り塗被層の塗工方式がブレード塗工またはエアナイフ塗工により塗被形成されることが好ましい。
前記下塗り塗被層および上塗り塗被層が、基紙の両面にそれぞれ設けられることが好ましい。
本発明によって、紙器加工の際の印刷工程におけるグラビア網点再現性が改善され、かつ製函、ニス引き等の後加工適性に優れた塗工白板紙が得られた。
本発明の塗工白板紙においては、基紙に隣接して設けられる下塗り塗被層に、顔料として2μm以下の粒子含有率が80〜95%の炭酸カルシウムを全顔料の70質量%以上含有し、かつ接着剤としてガラス転移温度が−50〜−30℃の範囲内にある共重合体ラテックスを顔料に対して5〜20質量%含有する必要がある。下塗り層の顔料および接着剤が上記構成であると、グラビア印刷時に版が紙と接触する際に、適度に微細な粒子径の顔料と低いガラス転移点を有する接着剤の効果により下塗り層にクッション性が付与され、下塗り層が変形しやすくなることにより、紙表面と版との密着性が向上して優れたグラビア網点再現性を発揮する。また、オフセット印刷適性に対しては、塗工層強度、インキ乾燥性を向上させる効果も有する。
本発明における上記のような下塗り塗被層の効果発現に対して、下塗り塗被層に使用される顔料については、下塗り層のクッション性、変形性を阻害しにくい粒子形状として、顔料原石に対して湿式あるいは乾式の粉砕、分級(粒度分布調整)を施して製造される特性上、不定形でブロック状の粒子形状を有している炭酸カルシウムが特に好ましい。また、紙の塗工分野で使用されている顔料の中で最も安価である点においても炭酸カルシウムが特に好ましい。紙の塗工分野に使用される顔料には、特異な形状を有する顔料として、扁平性の強いカオリンやタルク、針状性、柱状性の強い軽質炭酸カルシウムやサチンホワイトなどがあるが、このような形状特性の強い顔料は、下塗り塗被層のクッション性、変形性を阻害する恐れがある。また上記のような形状特性の強い顔料は、価格の面でも高価である。
下塗り層に使用される上記の炭酸カルシウムを含む全顔料の粒子径については、下塗り層のクッション性、変形性と平滑発現を阻害しにくい粒子径として、2μm以下の粒子含有率が80〜95%であることが好ましく、2μm以下の粒子含有率が90〜95%であることが特に好ましい。2μm以下の粒子含有率が80%未満のような粗粒の場合には、下塗り層の表面平滑性が低下し、この平滑性の低下が上塗り層の平滑性まで影響するために、充分なグラビア印刷の網点再現性が得られなくなる恐れや、オフセット印刷のインキ乾燥性が悪化する恐れがある。他方、95%を越える場合には、オフセット印刷適性において、塗工層強度が悪化する恐れがある。
下塗り層における上記の炭酸カルシウムの配合率については、下塗り層のクッション性、変形性と平滑発現を阻害しにくい配合率として、下塗り塗被層に配合される全顔料に対して70質量%以上であることが好ましく、100質量%であることが特に好ましい。下塗り層の炭酸カルシウムの配合率が70質量%未満である場合には、これ以外に配合される他の顔料の粒子形状や粒子径の影響により、下塗り層のクッション性、変形性や平滑発現が阻害される恐れやオフセット印刷における塗工層強度が悪化する恐れがある。
ここで、下塗り層における上記の炭酸カルシウムと併せて使用できる顔料については、本発明の規定する炭酸カルシウム以外の顔料、例えば通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サチンホワイト、タルク等の一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用の顔料の1種以上が本発明の効果を損なわない上記規定範囲内で、適宜使用できる。
さらに、本発明における下塗り塗被層の接着剤として使用される共重合体ラテックスについては、下塗り層にクッション性、変形性、弾力性を発現させるために、ガラス転移温度が−50〜−30℃の範囲内にあることが好ましい。これに対して、下塗り層の共重合体ラテックスのガラス転移温度が−50℃より低い場合には、共重合体ラテックスが軟らかくなり過ぎ、オフセット印刷における塗工層強度が悪化する恐れがある。他方、下塗り層の共重合体ラテックスのガラス転移温度が−30℃よりも高い場合には、充分なグラビア印刷適性を得るために必要な下塗り層のクッション性、変形性が得られなくなる恐れがある。
下塗り層における上記の共重合体ラテックスの平均粒子径については、下塗り層のクッション性、変形性、平滑性、インキ乾燥性および塗工層強度を発現させるために、平均粒子径として100〜300nmとすることが好ましい。これに対して、下塗り層の共重合体ラテックスの平均粒子径が100nm未満の場合には、下塗り層のクッション性、変形性、平滑性、インキ乾燥性が悪化する恐れがある。他方、下塗り層の共重合体ラテックスの平均粒子径が300nmを超える場合には、塗工層強度が悪化する恐れがある。
下塗り層における上記の共重合体ラテックスは、ガラス転移点および平均粒子径がそれぞれ上記の範囲内であれば、特に限定されず、たとえばスチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル酸系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシ基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性あるいは非アルカリ溶解性の重合体ラテックスの一種または、2種以上選択して使用することが可能である。
下塗り層における上記の共重合体ラテックスの配合部数については、下塗り層のクッション性、変形性、平滑性、および塗工層強度を発現させるために、共重合体ラテックスを顔料に対して5〜20質量%含有することが好ましい。これに対して、下塗り層の共重合体ラテックスの配合部数が顔料に対して5質量%未満の場合には、下塗り層のクッション性、変形性、平滑性、および塗工層強度が悪化する恐れがある。他方、下塗り層の共重合体ラテックスの配合部数が顔料に対して20質量%を越える場合には、下塗り層の平滑性、インキ乾燥性が悪化する恐れがある。
ここで、下塗り塗被層におけるラテックス以外の接着剤としては、水溶性接着剤として、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類から1種または2種以上を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜選択して使用できるが、その際の水溶性接着剤の配合総量については、下塗り塗被層に含まれる全顔料に対して3質量%以下とすることが好ましく、0質量%とすることが特に好ましい。下塗り塗被層における水溶性接着剤の配合総量が、3質量%を越える場合には、本発明の特長の1つである下塗り塗被層のクッション性の発現を妨げ、グラビア印刷適性を低下させる恐れがある。
本発明の塗工白板紙においては上記構成の下塗り塗被層と併せて、該下塗り塗被層に隣接して設けられる上塗り塗被層に、顔料として2μm以下の粒子含有率が90%以上の顔料を全顔料の50質量%以上含有し、かつ接着剤として下記(1)〜(2)の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を併用し、該2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を(3)の範囲で、その共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度と平均粒子径の平均値が(4)の範囲内となるように配合して、かつ共重合体ラテックス混合物(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有する必要がある。
(1)共重合体ラテックス(A):ガラス転移温度−50〜−30℃、平均粒子径120〜180nm。
(2)共重合体ラテックス(B):ガラス転移温度−5〜20℃、平均粒子径80〜100nm。
(3)共重合体ラテックス混合物の混合比(固形分):(A)/(B)≧1。
(4)共重合体ラテックス混合物(平均値):ガラス転移温度−30〜−15℃、平均粒子径(平均値)120〜140nm。
上塗り層の顔料および接着剤が上記構成であると、適度に微細な粒子径の顔料と低いガラス転移点を有する共重合体ラテックス(A)の効果により、下塗り層と併せて上塗り層にもクッション性が付与され、下塗り層との相乗効果によって紙表面と版との密着性が向上して優れたグラビア網点再現性を発揮する。また、高いガラス転移温度を有する共重合体ラテックス(B)の効果により、塗工やカレンダ工程における塗工層の剥がれ、裏面の毛羽立ち、およびベタツキを防止して操業性が安定化するほか、顔料粒子径を過度に微細にしないことにより、ニス表面加工におけるニス光沢発現性が向上する効果も有する。
本発明における上記のような上塗り塗被層の効果発現に対して、上塗り層における顔料の粒子径については、上塗り層のクッション性、変形性および平滑性発現を阻害しにくい粒子径として、2μm以下の粒子含有率が90%であることが好ましく、2μm以下の粒子含有率が95〜100%であることが特に好ましい。これに対して、上塗り層における上記顔料の粒子径について、2μm以下の粒子含有率が90%未満のように粗粒分が含まれる場合には、上塗り層の表面平滑性やクッション性が低下し、充分なグラビア印刷の網点再現性が得られなくなる恐れがある。
また、上塗り層における2μm以下の粒子含有率が90%以上の顔料の配合率については、上塗り層のクッション性、変形性と平滑発現を阻害しにくい配合率として、上塗り塗被層に配合される全顔料に対して50質量%以上であることが好ましく、80質量%であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。これに対して、上塗り層の上記顔料の配合率が50質量%未満である場合には、上塗り層における顔料粗粒分の増加の影響により、上塗り層のクッション性・変形性や平滑発現が阻害される恐れがある
また、上塗り層における顔料については、前記下塗り層における場合と同様に、上塗り層のクッション性、変形性を阻害しにくい粒子形状として、不定形でブロック状の粒子形状を有している重質炭酸カルシウムが好ましい。また、紙の塗工分野で使用されている顔料の中で最も安価である点においても重質炭酸カルシウムが特に好ましい。これに対して、紙の塗工分野に使用される顔料には、特異な形状を有する顔料として、扁平性の強いカオリンやタルク、針状性、状性の強い軽質炭酸カルシウムやサチンホワイトなどがあるが、このような形状特性の強い顔料は、前記下塗り層における場合と同様に、上塗り塗被層のクッション性、変形性を阻害する恐れがある。また上記のような形状特性の強い顔料は、価格の面でも高価である。
ここで、上塗り層における上記の炭酸カルシウムと併せて使用できる顔料については、本発明の規定する炭酸カルシウム以外の顔料、例えば通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サチンホワイト、タルク等の一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用の顔料の1種以上が本発明の効果を損なわない上記規定範囲内で、適宜使用できる。
本発明における上塗り塗被層の接着剤として使用される共重合体ラテックス(A)については、上塗り層にクッション性、変形性、弾力性を発現させるために、ガラス転移温度が−50〜−30℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移温度が−50℃より低い場合には、もう一方の共重合体ラテックス(B)と併用しても、共重合体ラテックス混合物が軟らかくなり過ぎ、オフセット印刷における塗工層強度が悪化する恐れや塗工やカレンダ工程における塗工層の剥がれ、裏面の毛羽立ち、およびベタツキ等の操業性が悪化する恐れがある。他方、上塗り層の共重合体ラテックス(A)のガラス転移温度が−30℃よりも高い場合には、もう一方の共重合体ラテックス(B)と併用した際に、充分なグラビア印刷適性を得るために必要な上塗り層のクッション性、変形性が得られなくなる恐れがある。
また、上塗り層における上記の共重合体ラテックス(A)の平均粒子径については、上塗り層のクッション性、変形性、平滑性および塗工層強度を発現させるために、平均粒子径として120〜180nmとすることが好ましい。平均粒子径が120nm未満の場合には、上塗り層のクッション性、変形性および平滑性が悪化する恐れがあるため好ましくない。他方、上塗り層の共重合体ラテックス(A)の平均粒子径が180nmを超える場合には、塗工層強度が悪化する恐れがある。
一方、本発明における上塗り塗被層の接着剤として使用される共重合体ラテックス(B)については、塗工やカレンダ工程における塗工層の剥がれ、裏面の毛羽立ち、およびベタツキを防止して操業性を安定化させるために、ガラス転移温度が−5〜20℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移温度が−5℃よりも低い場合には、もう一方の共重合体ラテックス(A)と併用しても、共重合体ラテックス混合物が軟らかくなり過ぎ、オフセット印刷における塗工層強度が悪化する恐れや塗工やカレンダ工程における塗工層の剥がれ、裏面の毛羽立ち、およびベタツキ等の操業性が悪化する恐れがある。他方、上塗り層の共重合体ラテックス(B)のガラス転移温度が20℃よりも高い場合には、もう一方の共重合体ラテックス(A)と併用した際に、弾力性低下に伴うグラビア印刷適性の悪化、ガラス転移不良に伴う塗工層強度発現の低下を引き起こす恐れがある。
また、上塗り層における上記の共重合体ラテックス(B)の平均粒子径については、上塗り層の塗工層強度およびニス適性を発現させるために、平均粒子径として80〜100nmとすることが好ましい。平均粒子径が80nm未満の場合には、上塗り層の塗工層強度が過大となり、クッション性、変形性および平滑性が悪化する恐れがある。他方、上塗り層の共重合体ラテックス(B)の平均粒子径が100nmを超える場合には、塗工層空隙増加による塗工層の吸収性向上の影響により、ニス加工適性が悪化する恐れがある。
さらに、上塗り塗被層において、上記特定の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を併用した共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度(平均値)については、上塗り層にクッション性、変形性、弾力性を発現させるために、ガラス転移温度が−30〜−15℃の範囲内にあることが好ましい。上塗り層の共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度(平均値)が−30℃より低い場合には、共重合体ラテックス混合物が軟らかくなり過ぎ、オフセット印刷における塗工層強度が悪化する恐れや塗工やカレンダ工程における塗工層の剥がれ、裏面の毛羽立ち、およびベタツキ等の操業性が悪化する恐れがある。他方、上塗り層の共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度(平均値)が−15℃よりも高い場合には、弾力性低下に伴うグラビア印刷適性の悪化、ガラス転移不良に伴う塗工層強度発現の低下を引き起こす恐れがある。
上塗り層における上記特定の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を併用した共重合体ラテックス混合物の共重合体ラテックス(A)および(B)の混合比率については、共重合体ラテックス混合物の混合比(固形分)で(A)/(B)≧1、すなわち、共重合体ラテックス混合物中に、共重合体ラテックス(A)が50%以上配合されることが好ましい。共重合体ラテックス混合物に対して、共重合体ラテックス(A)を50%以上の配合とすることにより、上塗り層に対してクッション性、変形性を付与して、高いグラビア印刷適性を得やすくなる。
また、上塗り層における上記特定の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を併用した共重合体ラテックス混合物としての平均粒子径(平均値)については、上塗り層の塗工層強度およびニス適性を発現させるために、平均粒子径として120〜140nmとすることが好ましい。上塗り層の共重合体ラテックス混合物としての平均粒子径が120nm未満の場合には、上塗り層の塗工層強度が過大となり、クッション性、変形性および平滑性が悪化する恐れがある。他方、上塗り層の共重合体ラテックス混合物としての平均粒子径が140nmを超える場合には、塗工層空隙増加による塗工層の吸収性向上の影響により、ニス加工適性が悪化する恐れがある。
上塗り層における上記の共重合体ラテックスは、ガラス転移温度および平均粒子径がそれぞれ上記の範囲内であれば、特に限定されず、たとえばスチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル酸系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシ基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性あるいは非アルカリ溶解性の重合体ラテックスの一種または、2種以上選択して使用することが可能である。
上塗り層における上記の共重合体ラテックスの配合部数については、上塗り層のクッション性、変形性、平滑性、インキ乾燥性、塗工層強度およびニス加工適性を発現させるために、上記特定の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を併用した共重合体ラテックス混合物を顔料に対して5〜20質量%含有することが好ましい。混合物として、5質量%未満の場合には、上塗り層のクッション性、変形性、塗工層強度、およびニス加工適性が悪化する恐れがある。他方、20質量%を越える場合には、上塗り層の平滑性、インキ乾燥性が悪化する恐れがある。
ここで、上塗り塗被層におけるラテックス以外の接着剤としては、水溶性接着剤として、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類から1種または2種以上を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜選択して使用できるが、その際の水溶性接着剤の配合総量については、上塗り塗被層に含まれる全顔料100質量部に対して3質量%以下とすることが好ましく、0質量%とすることが特に好ましい。上塗り塗被層における水溶性接着剤の配合総量が、上塗り塗被層に含まれる全顔料に対して3質量%を越える場合には、上塗り塗被層のクッション性および平滑性の発現を妨げてグラビア印刷適性を低下させる恐れや、塗工〜乾燥の際にバインダーマイグレーションによる水溶性接着剤の局在化を生じてインキ乾燥性を悪化させる恐れがある。
本発明の塗工白板紙に使用される基紙(原紙)については、2層以上(一般的には、5〜7層)の紙層の多層抄きで構成され、基紙の米坪としては、通常150〜650g/m程度である。
上記基紙の各紙層に使用するパルプとしては特に限定するものではなく、例えば晒ないしは未晒の化学パルプ、機械パルプ、さらには、例えば、雑誌古紙、チラシ古紙、新聞古紙、オフィス古紙、情報用紙古紙、段ボール古紙、紙器古紙等の古紙パルプを必要に応じて脱墨、ないしは未脱墨の古紙パルプ等の一種、又は二種以上を適宜混合して使用されるが、片面印刷を目的として基紙の片面に顔料塗被層を設けるタイプの塗工白板紙では、多層構成の基紙において塗被層を設けられる基紙の最表層(第1層、表面層)に晒化学パルプ、前記最表層下に隣接する第2層(表面下層)に脱墨古紙パルプ、第3層以降の各層(それぞれ中層)および最下層(裏面層)に未脱墨の古紙パルプをそれぞれ使用することが好ましい。また、両面印刷を目的として基紙の両面に顔料塗被層を設けるタイプの塗工白板紙では、基紙両面の最表層(表面層)に晒化学パルプ、前記両面の最表層下に隣接する第2層(表面下層)に脱墨古紙パルプをそれぞれ使用することが好ましい。前記のように、基紙の中層には白色度が低く灰色を呈している未脱墨古紙パルプを使用しているが、基紙の表面層および表面下層に白色度の高い晒化学パルプや脱墨古紙パルプを適用して基紙の白色度を向上させることにより、基紙表面から透過視認される中層灰色を目立たなくさせることができ、印刷仕上り、および紙器加工後の見栄えを向上させることができる。
ここで、上記基紙には硫酸バンド、ロジン等のサイズ剤、ポリアミド、澱粉等の紙力増強剤、濾水歩留まり向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロヒドリン等の耐水化剤、染料等の各種助剤を、パルプ原料に添加する内添方式、または基紙表面にサイズプレス等により塗布添加する外添方式などにより、適宜添加することもできる。
上記基紙については、下塗り塗被層を塗工する前にマシンカレンダ、ソフトカレンダ、あるいはヤンキードライヤ等を使用して、予め平滑化処理を行うことが好ましい。前記のように塗工前の基紙に対して平滑化処理を施すことにより基紙の平滑性が向上し、これによって塗被層を設けることによる塗工白板紙の平滑発現効果も向上することから、グラビア印刷適性を良化させやすくなる。
本発明の前記下塗り塗被層用塗被液、および上塗り塗被層用塗被液を基紙に塗工する方法としては、塗被紙製造に一般に使用される塗工装置が使用でき、例えば、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールサイズプレスコーター、フィルムメタリングサイズプレスコーター等の塗工装置を使用して、オンマシン方式またはオフマシン方式により前記多層構成基紙の表面に塗工することができる。下塗り塗被層の塗工方式としては、比較的に基紙表面の凹凸に沿った形式で一定の厚みを有する塗被層を形成(所謂輪郭塗工)することが可能であり、これによって一定のクッション性を有する塗被層が得られやすく、かつ高濃度塗工、高速塗工が可能であることから、ロッドコーターによる塗工方式が好ましい。他方、下塗り塗被層に隣接して設けられる上塗り塗被層の塗工方式としては、比較的に高平滑な塗工面を有する塗被層を形成(所謂平坦塗工)することが可能であり、これによって高いグラビア印刷適性が得られやすく、かつ高濃度塗工、高速塗工が可能であるブレードコーターによる塗工方式、または塗工計量の際に装置磨耗等がなく、安定して長時間操業が可能なエアーナイフコーターによる塗工方式が好ましい。
さらに、本発明の下塗り塗被層用塗被液、および上塗り塗被層用塗被液の固形分濃度は、10〜75質量%の範囲で選ぶことができる。各塗被層の塗工量については、片面あたり乾燥重量で0.5〜20g/mの範囲となるように、塗工方式に合わせて固形分濃度を適宜調整することが好ましく、さらに下塗り塗被層の塗工量については片面あたりの乾燥重量として5〜15g/m、上塗り塗被層の塗工量については片面あたりの乾燥重量として3〜15g/m、かつ下塗り塗被層および上塗り塗被層の両塗工量の合計が片面あたりに乾燥重量として8〜25g/mの範囲となるように調整することが、より好ましい。これに対して、下塗り塗被層の塗工量が片面あたりの乾燥重量として5g/m未満では、基紙表面を十分に被覆することができないために本発明所望の平滑性が得られない恐れがあるため好ましくなく、他方15g/mを越えると、製函時に罫線を入れて箱にした場合等に塗工層割れを引き起こす恐れがある。また上塗り塗被層についても、片面あたりの乾燥重量として3g/m未満では下塗り塗被層表面を十分に被覆することができないためにインキ転写不良等を引き起こし、オフセット、グラビア印刷ともに満足する品質が得られない恐れがあるため好ましくなく、他方15g/mを越えると、前記下塗り塗被層の場合と同様に、製函時に罫線を入れて箱にした場合等に塗工層割れを引き起こす恐れがある。
そして、本発明の塗工白板紙においては、上塗り塗被層用塗被液を塗工、乾燥した後に、マシンカレンダ、ソフトカレンダ、あるいはスーパーカレンダ等を使用して平滑化処理を施すことが好ましい。前記のように塗工後の塗工白板紙に対して平滑化処理を施すことにより塗工白板紙の平滑性が向上し、これによってグラビア印刷適性を良化させやすくなる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」、「%」は特に断わらない限り、質量部、質量%を示す。
(顔料の2μm以下の粒子含有率)
各顔料の単独分散液に対してピロリン酸ソーダの0.1%液を添加して固形分濃度約4〜8%の顔料希釈分散液を調製し、さらに超音波洗浄装置により5分間分散処理して得られた顔料希釈分散液についてセディグラフ5100(米国マイクロメリティクス社製)を用いて沈降法により顔料粒度分布を測定し、得られた粒度分布測定結果より顔料の粒子全体に対する2μm以下の粒子含有率を算出した。
(共重合体ラテックスのガラス転移温度)
各共重合体ラテックスを、100℃で20時間真空乾燥を行って得られた共重合体ラテックスの乾燥フィルムについて示差走査熱量計(DSC:セイコーインスツルメンツ社製)を用いて測定した。
(共重合体ラテックスの粒子径)
各共重合体ラテックスの水中における共重合体ラテックス(エマルジョン粒子)のブラウン運動を動的レーザー光散乱法により観測し、この散乱光強度の時間的な揺らぎ(散乱光の光子数の揺らぎ)を正確な時間尺度で把握することにより拡散係数を求める光子相関法により解析した。(平均粒子径の単位:nm)
(共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度の算出方法)
本発明における共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度は、以下の式により算出した。
共重合体ラテックス混合物のガラス転移温度(℃)=Tg(A)×W(A)/(W(A)+W(B))+Tg(B)×W(B)/(W(A)+W(B))
ここで、
Tg(A):共重合体ラテックス(A)のガラス転移温度
W(A) :共重合体ラテックス(A)の上塗り層配合部数
Tg(B):共重合体ラテックス(B)のガラス転移温度
W(B) :共重合体ラテックス(B)の上塗り層配合部数
(共重合体ラテックス混合物としての平均粒子径の算出方法)
本発明における共重合体ラテックス混合物としての平均粒子径は、以下の式により算出した。
共重合体ラテックス混合物の平均粒子径(nm)=D(A)×W(A)/(W(A)+W(B))+D(B)×W(B)/(W(A)+W(B))
ここで、
D(A):共重合体ラテックス(A)の平均粒子径
W(A):共重合体ラテックス(A)の上塗り層配合部数
D(B):共重合体ラテックス(B)の平均粒子径
W(B):共重合体ラテックス(B)の上塗り層配合部数
実施例1
(基紙の調製)
基紙第1層目の表面層に晒化学パルプ、第2層目の表面下層に脱墨古紙パルプ、第3層目の中層、第4層目の中層、および第5層目の裏面層に未脱墨古紙パルプをそれぞれ使用して5層に抄き合わせた後にマシンカレンダ処理して、米坪290g/mの塗工白板紙用の基紙を得た。
(下塗り塗被層用塗被液の調製)
顔料として、2μm以下の粒子含有率が90%の重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)100部を使用し、分散剤として、顔料100部に対しポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンT50、東亜合成社製)0.25部を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が72%の顔料分散液を調製した。次いで、この顔料分散液に対して、顔料100部に対する固形分換算として、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)3部、およびガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PB9317、日本エイアンドエル社製)14部をそれぞれ添加し、最終的に固形分濃度が62%の下塗り塗被層用塗被液を得た。
(上塗り塗被層用塗被液の調製)
顔料として、2μm以下の粒子含有率が90%のカオリン(商品名:カオファイン90、米国シール(Thiele)社製)30部、2μm以下の粒子含有率が97%の重質炭酸カルシウム(商品名:カービタル97、米国イメリス(Imerys)社製)64部、および二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)6部を使用し、分散剤として、顔料100に対しポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンT50、東亜合成社製)0.2%を添加し、コーレス分散機を用いて固形分濃度が68%の顔料分散液を調製した。次いで、この顔料分散液に対して、顔料100部に対する固形分換算として、酸化澱粉(商品名:エースY、前出)1部、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)10部、およびガラス転移温度10℃、平均粒子径95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:B1530、旭化成工業社製)5部をそれぞれ添加し、最終的に固形分濃度が64%の上塗り塗被層用塗被液を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−26℃および138nmであった。
(塗工白板紙の調製)
前記の塗工白板紙用の基紙に対して、ロッドコーターを用いて前記の下塗り塗被層用塗被液を片面当たり乾燥重量で9g/mとなるように塗被、乾燥して下塗り塗被紙を得た。次いで、得られた下塗り塗被紙に対して、ブレードコーターを用いて前記の上塗り塗被層用塗被液を片面当たり乾燥重量で10g/mとなるように塗被、乾燥して2層塗工紙を得た。そして、得られた2層塗工紙に対して、金属ロール表面温度が200℃、2ニップのソフトカレンダによる通紙処理を行なって、最終的な塗工白板紙を得た。
実施例2
実施例1において、下塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が90%の重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)80部、および2μm以下の粒子含有率が60%の重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、備北粉化工業社製)20部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
実施例3
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が90%のカオリン(商品名:カオファイン90、前出)30部、2μm以下の粒子含有率が90%重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)64部、および二酸化チタン(商品名:KA−100、前出)6部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
実施例4
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が90%のカオリン(商品名:カオファイン90、前出)10部、2μm以下の粒子含有率が97%重質炭酸カルシウム(商品名:カービタル97、前出)84部、および二酸化チタン(商品名:KA−100、前出)6部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
実施例5
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が90%のカオリン(商品名:カオファイン90、前出)54部、2μm以下の粒子含有率が99%軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP221GS、奥多摩工業社製)40部、および二酸化チタン(商品名:KA−100、前出)6部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
実施例6
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)7.5部、およびガラス転移温度10℃、平均粒子径95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:B1530、旭化成工業社製)7.5部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−17℃および128nmであった。
実施例7
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)7.5部、およびガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:PA7070、日本エイアンドエル社製)7.5部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−24.5℃および123nmであった。
実施例8
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の固形分濃度を40%とし、上塗り塗被層用塗被液の塗工方式をエアーナイフ方式とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
実施例9
実施例1において、塗工白板紙用の基紙の裏面に対して、表面と同様に下塗り塗被層及び上塗り塗被層の2層を塗工することにより、両面2層塗工の塗工白板紙とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例1
実施例1において、下塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が90%の重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)60部、および2μm以下の粒子含有率が60%の重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)40部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例2
実施例1において、下塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が97%の重質炭酸カルシウム(商品名:カービタル97、前出)100部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例3
実施例1において、下塗り塗被層用塗被液の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA7070、前出)14部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例4
実施例1において、下塗り塗被層用塗被液の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PB9317、前出)4部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例5
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の顔料を、2μm以下の粒子含有率が90%のカオリン(商品名:カオファイン90、前出)30部、2μm以下の粒子含有率が60%重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、前出)64部、および二酸化チタン(商品名:KA−100、前出)6部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例6
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PB9317、前出)15部のみとした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例7
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−20℃、平均粒子径150nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:G1475、旭化成工業社製)15部のみとした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例8
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA7070、前出)15部のみとした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例9
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度10℃、平均粒子径95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:B1530、前出)15部のみとした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。
比較例10
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)5部、およびガラス転移温度10℃、平均粒子径95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:B1530、前出)10部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−8℃および117nmであった。
比較例11
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)10部、およびガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:PA7070、前出)5部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−31℃および135nmであった。
比較例12
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)5部、およびガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:PA7070、前出)10部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−18℃および110nmであった。
比較例13
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−20℃、平均粒子径150nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:G1475、前出)7.5部、およびガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:PA7070、前出)7.5部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−12.5℃および118nmであった。
比較例14
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)7.5部、およびガラス転移温度−20℃、平均粒子径150nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:G1475、前出)7.5部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−32℃および155nmであった。
比較例15
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PA7070、前出)7.5部、およびガラス転移温度10℃、平均粒子径95nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:B1530、前出)7.5部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−2.5℃および90nmであった。
比較例16
実施例1において、上塗り塗被層用塗被液の2種類の共重合体ラテックスを、ガラス転移温度−44℃、平均粒子径160nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(A)(商品名:PB9317、前出)2部、およびガラス転移温度−5℃、平均粒子径85nmのスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(B)(商品名:PA7070、日本エイアンドエル社製)2部とした以外は、実施例1と同様な方法で塗工白板紙を得た。ここで、共重合体ラテックス混合物としてのガラス転移温度および平均粒子径は、それぞれ−24.5℃および123nmであった。
上記実施例および比較例で得られた塗工白板紙を、JIS P8111に準拠した条件で6時間調湿後、塗工白板紙の白紙品質として白紙光沢とPPS平滑度、オフセット印刷適性として印刷強度と印刷光沢、グラビア印刷適性としてミッシングドット、および後加工適性としてUVニス光沢についてそれぞれ評価した。また、操業安定性として塗工白板紙の塗工後の仕上げカレンダ工程におけるカレンダロールのベタツキについても評価した。各実施例および比較例における塗工白板紙の品質評価結果を表1に示した。なお、各品質評価は下記に準じて試験実施した。
(白紙光沢)
塗工白板紙の塗工面を、JIS P8142:2005に準拠して測定した。
(PPS平滑度)
塗工白板紙の塗工面を、JIS P8151:2004に準じて、加圧型平滑度計(測定器:パーカープリントサーフ、Messmer Buchel社製)を使用して、加圧条件が1960kPa時の平滑度を測定した。単位はμmで、数値が小さい程、平滑性が良好であることを示す。
(オフセット印刷適性:印刷強度)
RI印刷機(明製作所製)を用いて、オフセットインキを使用して塗工白板紙を印刷した際に発生する塗工層ピッキングの程度を目視評価した。
◎:非常に良好。
○:良好。
△:やや劣る。
×:劣る。
(オフセット印刷適性:印刷光沢)
オフセット枚葉印刷機(スピードマスター102、ハイデルベルグ社製)を用いて塗工白板紙の4色オフセット印刷を行い、4色重色部についてJIS P8142:2005に準じて測定した。
(グラビア印刷適性:ミッシングドット)
印刷局式グラビア印刷試験機を用いて塗工白板紙のグラビア印刷を行い、50%階調網点部のミッシングドットの程度を目視評価した。
◎:網点の欠落ほとんどない。
○:数個程度のミッシングドットが認められる。
△:十数個程度のミッシングドットが認められる。
×:二十個を越える多数のミッシングドットが認められる。
(UVニス光沢)
UV硬化型ニス(商品名:ダイキュアクリアUV1603、DICグラフィックス社製)をザーンカップ#4で10秒となるように調整した後に、UV硬化装置付き塗布装置(型式:SG610UV、デュプロ社製)を用いて前記UV硬化型ニスを塗工白板紙表面に塗布、UV硬化乾燥させてニス表面加工を行った。得られた塗工白板紙のニス加工部分について、入射角60度の光沢度計(GM-26D、村上色彩技術研究所製)を用いて光沢度を測定した。
(操業安定性:カレンダロールにおけるベタツキ)
塗工白板紙の塗工後の仕上げカレンダ工程におけるカレンダロールへのベタツキの程度(操業中のロール貼り付き音、カレンダ表面の汚れ)を評価した。
○:ロール貼り付き音はなく、カレンダ表面汚れ発生もない。
×:ロール張り付きの傾向が認められ、カレンダ表面にも汚れ発生がある。
Figure 2012136806
表1より明らかなように、本発明に係る塗工白板紙である実施例1〜9は、いずれもグラビア印刷適性およびUVニス加工適性の両方に優れており、併せて充分なレベルのオフセット印刷適性も有している。

Claims (5)

  1. 基紙の表面に、顔料と接着剤を主成分として含有する2層の塗被層を有する塗工白板紙において、該塗被層のうち、基紙に隣接して設けられる下塗り塗被層に、顔料として2μm以下の粒子含有率が80〜95%の炭酸カルシウムを全顔料の70質量%以上含有し、かつ接着剤としてガラス転移温度が−50〜−30℃の範囲内にある共重合体ラテックス(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有し、さらに該下塗り塗被層に隣接して設けられる上塗り塗被層に、2μm以下の粒子含有率が90%以上の顔料を全顔料の50質量%以上含有し、かつ接着剤として下記の(1)及び(2)の2種類の共重合体ラテックス(A)および(B)を下記の(3)及び(4)を満たすように配合して、かつ該共重合体ラテックス混合物(固形分)を顔料に対して5〜20質量%含有することを特徴とする塗工白板紙。
    (1)共重合体ラテックス(A):ガラス転移温度−50〜−30℃、平均粒子径120〜180nm。
    (2)共重合体ラテックス(B):ガラス転移温度−5〜20℃、平均粒子径80〜100nm。
    (3)共重合体ラテックス混合物の混合比(固形分):(A)/(B)≧1。
    (4)共重合体ラテックス混合物(平均値):ガラス転移温度−30〜−15℃、平均粒子径120〜140nm。
  2. 前記下塗り塗被層に含有する該炭酸カルシウムが100質量%であることを特徴とする請求項1に記載の塗工白板紙。
  3. 前記上塗り塗被層の顔料中に2μm以下の粒子含有率が95〜100%の重質炭酸カルシウムを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工白板紙。
  4. 前記下塗り塗被層の塗工方式がロッド塗工、および上塗り塗被層の塗工方式がブレード塗工またはエアナイフ塗工により塗被形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗工白板紙。
  5. 前記下塗り塗被層および上塗り塗被層が、基紙の両面にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工白板紙。
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