JP6934741B2 - 印刷用紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用紙及びその製造方法に関するものである。
近年、白紙光沢が低い、いわゆるマットコート紙と呼ばれる印刷用紙の需要が高まっている。このような印刷用紙は、基紙の風合いを併せ持つため、高級感を醸し出せることで、カタログ、ポスター、パンフレットや商業出版用本文用紙等に幅広く使用でき、印刷方式もUV印刷、オフセット輪転印刷等の種々の方式が採用できるためである。
但し、このような印刷用紙は、通常の印刷用紙に比べて表面の平坦性が低いため、要求される印刷物の絵柄(濃度)によっては、インクの使用量が増える傾向がある。そのため、印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等に、インクの乾燥が不十分の際には、印刷部が白紙部に接触することで、インクのコスレ汚れ(インクの転写)が問題となることが多かった。
特許文献1には、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を有する塗工紙において、顔料は、特定の粒径分布を有する重質炭酸カルシウム及びカオリンのみからなり、顔料100重量部あたり、重質炭酸カルシウムを20重量部以上50重量部以下、カオリンを50重量部以上含有させた構成が記載されている。特許文献1に記載の塗工紙では、顔料粒子の充填密度が低くポーラスな塗工層を形成することにより、塗工層へのインキ吸収を抑制してインキ表面の被膜強度を強くし、この結果、印刷物のインキ落ちを改善している。
特許第4474843号公報
特許文献1に記載の塗工紙では、シャープな粒度分布を有する顔料を使用するが故に、顔料同士を接合する接着剤の強度が弱まり、塗工層から顔料の脱落が発生して印刷物に付着する可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、印刷を施しても、印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等の工程中で、インクのコスレ汚れを低減し、塗工層からの顔料の脱落も発生しない印刷用紙及びその製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決する手段として、以下の形態をとることができる。
本発明は、基紙上に顔料と接着剤を含有する顔料塗工層を少なくとも1層有する印刷用紙において、最表層の顔料塗工層が、体積基準で0.4〜2.0μmの範囲に70%以上含まれる粒径分布を有する重質炭酸カルシウムと、体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に30%以上65%以下含まれる粒径分布を有し、体積基準の粒径分布で、ピーク値が略0.20μm、略0.45μm及び略3.0μmに存在するカオリン(A)と、体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に15%以上55%以下含まれる粒径分布を有し、体積基準の粒径分布で、ピーク値が略0.35μm、略3.0μmに存在するカオリン(B)とからなる白色顔料を含み、白色顔料100重量部あたり、重質炭酸カルシウムを40重量部以上50重量部以下、カオリン(A)及びカオリン(B)を合計で50重量部以上60重量部以下含有し、カオリン(A)とカオリン(B)との質量比が、55:45〜75:25であり、坪量が81.4〜157.0g/m であることを特徴とするものである。
本発明によると、印刷を施しても、印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等の工程中に、インクのコスレ汚れを低減し、塗工層からの顔料の脱落も発生しない印刷用紙を得ることができる。
以下、実施の形態を詳細に説明する。
本開示における印刷用紙は、基材上に白色顔料と接着剤を含有する塗工層が形成されたものであり、当該塗工層は、白色顔料として重質炭酸カルシウム、カオリン(A)及び(B)を含む。以下、各成分及び製造方法について順に説明していく。
(基紙:原料パルプ)
基紙を構成する原料パルプとしては、例えば、バージンパルプ、古紙パルプ、これらのパルプを組み合わせたもの等を使用することができる。
バージンパルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ(MP)を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
古紙パルプとしては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(基紙:添加剤)
基紙には、必要により添加剤を内添することができる。
添加剤としては、例えば、填料、サイズ剤、紙質向上剤、凝結剤、消泡剤、蛍光増白剤、硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(基紙:下塗り層)
基紙には、必要により水溶性高分子を主成分とする下塗り層を設けてもよい。
水溶性高分子としては、例えば、天然高分子系を使用することができる。天然高分子系としては、例えば、コーン、小麦、タピオカ、ポテト等の生澱粉を各種製法で変性させた、酵素分解澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸化澱粉、変性酸化澱粉や、カルボキシメチル化セルロース(CMC)、カルボキシエチル化セルロース(CEC)等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。また、下塗り層には、例えば、サイズ剤、耐水化剤、着色染料、着色顔料、消泡剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることができる。
(下塗り顔料塗工層)
最表層の顔料塗工層の下に、顔料を含有する下塗り顔料塗工層を設けても良い。下塗り顔料塗工層は、炭酸カルシウムを主成分として、ラテックスや水溶性高分子などの接着剤を含有する。塗工量としては、少なくとも基紙に片面あたり3.0g/m以上5.0g/m以下塗工されていることが好ましく、3.2g/m以上4.8g/m以下がより好ましく、3.5g/m以上4.5g/m以下がさらに好ましい。下塗り顔料塗工層が形成されていることで、後述する最表層の顔料塗工層の塗工量を低減できるため、印刷物の運搬中に発生する用紙同士のコスレによる顔料の脱落を軽減することができる。
下塗り顔料塗工層の形成は、片面あたり5.0g/m未満のような低塗工量でも均一に塗工層を形成することができる観点から、ロッメタリングコータ、ゲートロールコータ等のフィルム転写方式の塗工機を使用して行うことが好ましい。
下塗り顔料塗工層には、例えば粘度調整剤、耐水化剤、着色染料、着色顔料、消泡剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることができる。
(顔料塗工層:最表層)
顔料塗工層(最表層)は、白色顔料と接着剤を含有する。なお、以下に示す白色顔料の体積基準の粒度分布は、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、製品名:MT3300)を用いて測定したものである。
(白色顔料:重質炭酸カルシウム)
白色顔料の一つは、重質炭酸カルシウムである。重質炭酸カルシウムの体積基準の粒度分布は、好ましくは、0.4〜2.0μmの範囲に70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは78%以上に調製されていることである。
重質炭酸カルシウムの含有量は、白色顔料100重量部あたり、好ましくは40重量部以上60重量部以下、45重量部以上58重量部以下がより好ましく、48重量部以上55重量部以下がさらに好ましい。
上述した体積基準の粒度分布及び含有量を満足する重質炭酸カルシウムを、後述するカオリン(A)及びカオリン(B)と混合して顔料塗工層(最表層)を形成すると、体積基準の粒度分布がブロードなカオリン(A)及びカオリン(B)は、塗工層表面で適度な隙間を生じて配列するため、その隙間に重質炭酸カルシウムが充填し、接着剤の要求量も低レベルで顔料同士を接合でき、より平坦な塗工層表面になるものと推定される。重質炭酸カルシウムの含有量が白色顔料100重量部あたり40重量部未満では、顔料同士の隙間に充填される重質炭酸カルシウムの量が不足し、上述した効果が得られない場合がある。また、重質炭酸カルシウムの含有量が白色顔料100重量部あたり60重量部を超えると、顔料同士の隙間に充填される重質炭酸カルシウムの量が多く、塗工層表面にも配列されるが、接合強度が弱くなり白色顔料が脱落する可能性がある。
(白色顔料:カオリン(A)、カオリン(B))
白色顔料は、さらにカオリン(A)及びカオリン(B)を含む。
カオリン(A)としては、体積基準の粒度分布が0.5〜5.0μmの範囲に65%以下含まれるように調製されているものを使用する。カオリン(A)の体積基準の粒度分布は、63%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。カオリン(A)の体積基準の粒度分布の下限としては、例えば30%以上とすることができる。さらに、体積基準の粒度分布で、ピーク値が略0.20μm、略0.45μm及び略3.0μmに存在するように調製されていることがより好ましい。
カオリン(B)としては、体積基準の粒度分布が0.5〜5.0μmの範囲に55%以下含まれるように調製されているものを使用する。カオリン(B)の体積基準の粒度分布は、50%以下であることがより好ましく、45%以下であることがさらに好ましい。カオリン(B)の体積基準の粒度分布の下限としては、例えば15%以上とすることができる。さらに、体積基準の粒度分布で、ピーク値が略0.35μm、略3.0μmに存在するように調製されていることがより好ましい。
カオリン(A)とカオリン(B)の含有比としては、2種類の合計を100質量%とした場合、55:45〜75:25が好ましく、60:40〜73:27がより好ましく、65:35〜70:30がさらに好ましい。
上述した体積基準の粒度分布に調製されたカオリン(A)及びカオリン(B)を混合した塗料で顔料塗工層(最表層)を形成すると、体積基準の粒度分布がブロードであり、且つ粒子径の大小の異なるピーク値を持つことで、塗工層表面に顔料同士の適度な隙間を生じさせて配列し易くなる。そうすることで、顔料同士の隙間に重質炭酸カルシウムが充填し易く、接着剤の要求量も低レベルで顔料同士を接合でき、塗料粘度も低く保つことができる。この結果、塗工層内部へのインク吸収が抑制され、インクの乾燥性に優れるため、コスレ汚れを低減でき、塗工層からの顔料の脱落も発生しないものと推定される。
(顔料塗工層:塗工量)
顔料塗工層(最表層)は、基紙の少なくとも一方の面に塗工液を塗工することで形成することができる。最表層の顔料塗工層形成用塗工液の塗工量は片面あたり7.0g/m以上11.0g/m以下が好ましく、7.2g/m以上10.8g/m以下がより好ましく、7.5g/m以上10.5g/m以下がさらに好ましい。
顔料塗工層(最表層)の形成は、ブレードコータを使用して行うことが好ましい。最表層の顔料塗工層形成用塗工液の塗工量は、片面あたり7.0g/m以上であるが、ブレードコータを用いると、このような塗工量が多い範囲で精度良く塗工できる。また、カオリンの含有量が多くなった場合は、高粘度な物性の塗工液となるが、ブレードコータであれば高粘度の塗工液の塗工適性に優れる。
顔料塗工層(最表層)には、例えば、粘度調整剤、耐水化剤、着色染料、着色顔料、消泡剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させることができる。
(接着剤)
接着剤としては、ラテックスと澱粉を含有する。
ラテックスの例としては、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックスなどが例示される。
また、澱粉の例としては、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、冷水可溶性澱粉、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性天然高分子が例示される。
接着剤の配合量は、白色顔料100重量部に対して、澱粉を2.0重量部以上4.0重量部以下、ラテックスを7.5重量部以上10.0重量部以下とすることが好ましい。
(その他製造工程)
このようにして得られた印刷用紙は、各種公知公用の仕上げ装置、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、マットカレンダーなどを利用でき、適宜製品仕上げを施してもよい。マットコート紙に要求される品質レベル(紙厚、光沢度等)に応じて工程を得ていることが好ましい。
(印刷用紙の品質)
(坪量)
印刷用紙の坪量は、好ましくは81.4〜157.0g/m、より好ましく104.7〜157.0g/mである。坪量が104.7g/m以上のような高米坪であれば、下塗り顔料塗工層を設けてもマットコート紙に求められる印刷適性や手肉感を満足でき、最表層の顔料塗工層の塗工量を低減できるため、印刷物の運搬中に発生する用紙同士のコスレによる顔料の脱落を軽減するのに適している。
(静摩擦係数、動摩擦係数)
印刷用紙の静摩擦係数は、好ましくは0.45以上0.52以下、より好ましくは0.46以上0.51以下、さらに好ましくは0.47以上0.50以下である。動摩擦係数は、好ましくは0.40以上0.46以下、より好ましくは0.41以上0.45以下、さらに好ましくは0.42以上0.45以下である。ここで、静摩擦係数と動摩擦係数の関係については、静摩擦係数に対して動摩擦係数が小さい数値となる。静摩擦係数が、0.52を超えると印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等に、用紙が接触することで過度な摩擦が起こやすくなり、インクのコスレ汚れや塗工層からの顔料の脱落による汚れが発生する可能性が高くなる。また0.45未満であると、用紙同士が接触する際に滑りが起こりやすく、印刷機での折り工程で所定の形状に折れないことや、印刷物の運搬中には梱包形状が崩れてしまうなどの問題が生じる可能性がある。
(インキセット)
印刷用紙のインキセットは、好ましくは12分以上15分未満であることが好ましい。インキセットが12分未満であると、インクの乾燥が不十分であり、印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等の工程中にインクのコスレ汚れが発生する可能性がある。インキセットが15分を超えると、インクが浸透しすぎるため、印刷物(絵柄)の鮮明さに欠ける可能性がある。
(耐磨耗性試験)
耐磨耗性試験の評価結果は、印刷物の印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等に発生するインクのコスレ汚れ及び塗工層からの顔料の脱落に相関性がみられる。耐磨耗性試験の評価が良い結果であるほど、インクのコスレ汚れ及び塗工層からの顔料の脱落が少なくなる。
(白紙光沢度)
印刷用紙の白紙光沢度は、マットコート紙の特徴である基紙の風合いを併せ持ち、高級感を醸し出せ、印刷物の鮮明さを得る観点から、15%以上50%以下であることが好ましく、18%以上45%以下がより好ましく、20%以上40%以下がさらに好ましい。白紙光沢度が15%を下回ると、目的とする印刷物の鮮明さが得られない可能性があり、白紙光沢度が50%を超えると、基紙の風合いを損なう可能性がある。白紙光沢度は、JIS P8142(2005)に準拠して測定した数値である。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明の範囲は、この実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5及び比較例1〜4に係る印刷用紙の作製方法)
原料パルプとして、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、パルプスラリーを得た。各原料パルプの配合割合は、80質量%、20質量%とし、パルプスラリーには、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP121−6S(奥多摩工業社製)、タマパール\TAMAPEARLは、登録商標。)、凝結剤、歩留剤、紙力増強剤を内添した。
得られたパルプスラリーをギャップフォーマで抄紙して、基紙を得た。
得られた基紙の両面に下塗り顔料塗工層形成用塗工液をロッドメタリングコータで塗工した。塗工量は、両面で8.0g/m(片面辺り4.0g/m)とした。下塗り顔料塗工層形成用塗液は、白色顔料としてカービタル60(イメリス ミネラルズ・ジャパン社製/「CARBITAL」は登録商標)100質量部、ラテックス(PB2901(日本エイアンドエル社製))10.0質量部、澱粉(RC#20(日本食品化工社製))10.0質量部を配合したものを使用した。
次に、接着剤、白色顔料及び蛍光増白剤を混合して最表層の顔料塗工層形成用塗工液を得た。
接着剤としては、ラテックス(PB2901(日本エイアンドエル社製))及び澱粉(RC#20(日本食品化工社製))を使用した。ラテックス及び澱粉の配合量は、白色顔料100質量部に対し、それぞれ8.0質量部、3.0質量部とした。実施例1〜5では、白色顔料として、重質炭酸カルシウム(自社生産品)、カオリン(A)及びカオリン(B)を使用した。比較例1〜4では、白色顔料として、重質炭酸カルシウム(自社生産品)に、カオリン(A)、カオリン(B)及びカオリン(C)のいずれか1種類を配合したもの、または、重質炭酸カルシウム(自社生産品)に、カオリン(A)及びカオリン(B)を配合したものを使用した。
表1に示すように、重質炭酸カルシウムとしては、体積基準で0.4〜2.0μmの範囲に80%含まれる粒径分布を有するものを使用した。カオリン(A)としては、体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に60%含まれるものを使用した。カオリン(B)としては、体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に40%含まれるものを使用した。カオリン(C)としては、体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に70%含まれるものを使用した。また、重質炭酸カルシウム、カオリン(A)、カオリン(B)及びカオリン(C)の配合量は、表1に示す通りである。尚、表1に示す重質炭酸カルシウム、カオリン(A)、カオリン(B)及びカオリン(C)の配合量の単位は、「質量部」である。
Figure 0006934741
得られた最表層の顔料塗工層形成用塗工液を使用して、基紙の両面の下塗り顔料塗工層上に最表層の顔料塗工層を形成した。この形成は、ブレードコータ塗工機で行った。最表層の顔料塗工層形成用塗工液の塗工量(両面の塗工量。片面辺りの塗工量は、記載値の半分)は、表2に示す通りである。
得られた印刷用紙について、坪量、摩擦係数、インキセット、耐磨耗性試験を下記方法により評価した。
(印刷用紙の品質評価方法)
(1)坪量:JIS P8124(2011)に準拠して測定した。
(2)摩擦係数:JIS P8147(2010)に準拠して、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
(3)インキセット:RIテスター((株)明製作所製造)を使用して標準のオフセット印刷インキを使用してベタ印刷を行い、印刷面に白紙を圧着して経時0分から15分(1分間隔)の白紙側へのインキ転移性を評価した。インキが転移した経時時間を評価値とした。使用したインキは「FUSION−G<N>藍」(大日本インキ社製)で、塗布量は0.5mlとした。
(4)耐磨耗性試験:
得られた印刷用紙に黒色のベタ印刷を行いマクベス反射濃度計RD−918(米国コルモーゲンコーポレーション社製)で、印刷部分を測定した。インキ濃度は2.0となるように印刷した。印刷後の印刷物を、摩擦部に設置させ、摺動部には同印刷用紙(白紙)を設置した。JIS P8136(1994)に準拠して、30回摺動させた際の、印刷用紙へのインクのコスレ汚れ及び塗工層からの顔料の脱落を触手と目視にて官能評価した。
なお、官能評価の評価基準は、以下のとおりとした。
◎:インクのコスレ汚れ及び顔料の脱落が全くない場合
〇:インクのコスレ汚れ及び顔料の脱落が僅かに認められるが、ほとんど目立たず実用上差し支えがない場合
△:インクのコスレ汚れが多少認められ、実用に供するにはやや難がある場合
×:インクのコスレ汚れがひどく実用性が全くない場合
表2に、各実施例及び各比較例に係る印刷用紙における顔料塗工層の塗工量と評価結果を併せて示す。
Figure 0006934741
本発明は、印刷用紙及びその製造方法として利用することができ、印刷機での折り工程や印刷物の運搬中等にインクのコスレ汚れが低減でき、塗工層からの顔料の脱落もないため、マットコート紙に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 基紙上に顔料と接着剤を含有する顔料塗工層を少なくとも1層有する印刷用紙において、
    最表層の顔料塗工層が、
    体積基準で0.4〜2.0μmの範囲に70%以上含まれる粒径分布を有する重質炭酸カルシウムと、
    体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に30%以上65%以下含まれる粒径分布を有し、体積基準の粒径分布で、ピーク値が略0.20μm、略0.45μm及び略3.0μmに存在するカオリン(A)と、
    体積基準で0.5〜5.0μmの範囲に15%以上55%以下含まれる粒径分布を有し、体積基準の粒径分布で、ピーク値が略0.35μm、略3.0μmに存在するカオリン(B)とからなる白色顔料を含み、
    前記白色顔料100重量部あたり、前記重質炭酸カルシウムを40重量部以上50重量部以下、前記カオリン(A)及びカオリン(B)を合計で50重量部以上60重量部以下含有し、
    前記カオリン(A)とカオリン(B)との質量比が、55:45〜75:25であり、
    坪量が81.4〜157.0g/m であることを特徴とする、印刷用紙。
  2. 前記印刷用紙の静摩擦係数が0.45以上0.52以下であり、動摩擦係数が0.40以上0.46以下であることを特徴とする、請求項に記載の印刷用紙。
  3. 前記顔料塗工層は、接着剤として、前記白色顔料100重量部に対して、澱粉を2.0重量部以上3.0重量部以下、ラテックスを7.5重量部以上10.0重量部以下含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷用紙。
  4. 前記塗工層は、前記最表層の顔料塗工層と、下塗り顔料塗工層とを含み、
    前記基紙に隣接する下塗り顔料塗工層の塗工量が片面あたり3.0g/m以上5.0g/m以下であり、
    前記最表層の顔料塗工層の塗工量が片面あたり7.0g/m以上11.0g/m以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の印刷用紙。
  5. 請求項4に記載の印刷用紙の製造方法であって、
    前記下塗り顔料塗工層をフィルム転写方式により塗工し、
    前記最表層の顔料塗工層をブレードコータ方式により塗工することを特徴とする、印刷用紙の製造方法。
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