JP2005139565A - 印刷用艶消し塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】白紙光沢度が低く、かつ印刷インクによるコスレ汚れの発生しにくい印刷用艶消し塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙の両面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を少なくとも1層設けた両面塗工の印刷用艶消し塗工紙であって、最表面塗工層は片面当たり顔料として全顔料の5〜80重量%のクロライトを含み、乾燥塗工量が5〜15g/mであり、該最面塗工層形成のための塗工液の塗工、乾燥後にカレンダー処理によってベック平滑度が100〜2000秒に調整され、かつ、75度光沢値が40%以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、艶消し塗工紙に関し、詳しくは、印刷後あるいは印刷後の製本時等の用紙同士の擦れによるインキ汚れが発生しにくい印刷用艶消し塗工紙に関する。
艶消し塗工紙は、意図的に白紙の表面光沢を低くし、印刷物として上品で深みのあるトーンを醸しだして高級感を与えるようにした塗工紙である。このような艶消し塗工紙は高級な美術印刷、高級ポスター、カタログ、カレンダー等に巾広く使用されている。
従来、艶消し塗工紙は2種類の方法で製造されている。即ち、その1つは通常のグロス系の塗工紙に使用される顔料と対比し、比較的粗い顔料を配合した塗工液を原紙に塗布、乾燥して、そのまま製品化するか、あるいは軽度のキャレンダー処理を行って製品化している。他の1つは、平滑に塗被された顔料塗工層表面に、粗面化キャレンダーロールを用いてロールの有するミクロン単位の粗面を塗工層表面に転写して艶消しに仕上げる方法である。
このようにして製造された艶消し塗工紙はその粗い表面のために、実用面で難点を抱えている。特に、大きな問題点として、印刷工程や製本工程、あるいは搬送工程において印刷部と白紙部とが摩擦されることにより白紙部に印刷インクが転移する、所謂コスレ汚れといわれるインク転移現象である。このコスレ汚れが発生すると製品価値が低下し、ひどい場合はユーザークレームとして、莫大な損失を被ることになる。
印刷インクが白紙部に転移する主な原因は、一般的に次のように考えられている。即ち、艶消し塗工紙はその塗工層表面が粗く、その粗い部分が一種のやすりのような作用を起こし、印刷部と接触した際に白紙凸部(粗の部分)がインクを掻き取ってしまうものと推定される。
このようなコスレ汚れを解決するために、印刷インクとしては、インク中にワックス等を添加して印刷面と白紙面との摩擦を軽減する等が知られている。
一方、塗工紙としては、塗工紙を所定温度以上の高温ソフトカレンダーで処理する方法(特許文献1参照)、塗工層に特定の粒子径を有するデラミネーテッドクレーを含有させる方法(特許文献2参照)、塗工液中に脂肪酸エマルジョン等の潤滑剤を含有せしめて塗工層を形成する方法(特許文献3参照)等が提案されているが、いずれも満足すべき効果を得るまでには至っていない。
また、塗工層(顔料塗工層)中に表面をシリコンコーティングした澱粉粒を含有せしめる方法(特許文献4参照)、塗工層中に平均粒径8〜30mmのポリオレフィン樹脂粒子を含有せしめる方法(特許文献5参照)、塗工層中に平均粒径8〜30mmのポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子を含有せしめる方法(特許文献6参照)、顔料として特定の粒度分布を有するカオリンを用いる方法(特許文献7参照)、顔料として粒径3mm以上の炭酸カルシウムを用いる方法(特許文献8参照)等が提案されているが、これらにおいても満足すべき効果を得るまでには至っていない。
特に、塗工層における顔料としての炭酸カルシウムの配合を増した場合にはインキ汚れの発生しやすい傾向が顕著になり、また摩擦係数が低くできるカオリンを炭酸カルシウムと併用した場合、カオリンの配合量を増やすと光沢値が上がり、艶消し効果が低下する。
さらに、塗工層を形成した後、この上に、接着剤と脂肪酸エマルジョン、脂肪酸金属塩エマルジョン及び/又はポリオレフィン樹脂粒子との水性組成物を塗工することにより、用紙同士が擦れた際に摩擦抵抗を減少させて、インキ汚れの発生を抑える方法が提案されている(特許文献9参照)。しかし、この方法では塗工層上に新たな表面処理層を設けるため、工程数が増えコスト高になりがちである。
特開平5−117995号公報 特開平5−5297号公報 特開平6−158594号公報 特開平8−127996号公報 特開平8−209591号公報 特開平10−96192号公報 特開平11−100799号公報 特開平11−131392号公報 特開平9−31893号公報
本発明の課題は、印刷時及び印刷後の用紙の擦れによるインキ汚れ(コスレ汚れ)の発生が、従来の印刷用艶消し塗工紙に比べて極めて少ない印刷用艶消し塗工紙を提供することである。
本発明者らは、印刷用艶消し塗工紙で擦れによるインキ汚れの発生を阻止するためには、塗工層における顔料として従来から使用されている炭酸カルシウム、カオリンでは限界があり、また塗工層に樹脂粒子を添加させた場合にも同様の限界があることを認めた上で、更に前記の課題達成のための研究検討を進めてきた結果、顔料としてクロライトを使用し、カレンダー処理によってベック平滑度を100〜2000秒に調整し、かつ75度光沢値を40%以下とした場合に所期の目的が達成されることを見出した。
また、塗工層の顔料成分としてクロライトを用いることによって、環境変化特に高湿度下でも用紙の摩擦係数を低く維持できることも見出した。
本発明は、これら知見に基いてなされたものであり、上記課題は、次の(1)〜(4)によって達成される。
(1) 原紙の両面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を少なくとも1層設けた両面塗工紙であって、最表面塗工層は片面当たり顔料として全顔料の5〜80重量%のクロライトを含み、乾燥塗工量が5〜15g/mであり、該最表面塗工層形成のための塗工液の塗工、乾燥後にカレンダー処理によってベック平滑度が100〜2000秒に調整され、かつ、75度光沢値が40%以下であることを特徴とする印刷用艶消し塗工紙。
ここで「最表面塗工層」とは、原紙の片面に設けられる塗工層が1層であれば、これが最表面塗工層となり、塗工層が2層以上積層されて構成されたものであれば、最も上層の塗工層が最表面塗工層となることを意味する。
(2)前記両面塗工紙の最大静止摩擦係数が0.30〜0.60の範囲にあることを特徴とする上記(1)記載の印刷用艶消し塗工紙。
(3)前記クロライトは白色度が90%以上で、かつ平均粒径(D50)が3〜9μmであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の印刷用艶消し塗工紙。
(4)前記クロライトを含有する顔料成分全体の平均粒径(D50)が1〜9μmであることを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)記載の印刷用艶消し塗工紙。
請求項1に係る発明によれば、最表面塗工層は顔料の主成分としてクロライト粒子を用い、塗工層をカレンダー処理してベック平滑度100〜2000秒、75度光沢度40%以下にしたことから、白紙光沢度が低いにもかかわらず、コスレ汚れが極めて起こりにくい印刷用艶消し塗工紙が得られる。また、クロライトを用いたことから、塗工紙は環境が変化しても特に高湿度下でも、用紙の摩擦係数が低く維持できる。
請求項2に係る発明によれば、最大静止摩擦係数が0.30〜0.60であることにより、艶消し効果が増大する。
請求項3に係る発明によれば、顔料の主成分として使用されるクロライトが白色度90%以上、平均粒度(D50)3〜9μmであることにより、上記効果に加え、塗工紙の白色度は高まる。
請求項4に係る発明によれば、クロライトを含有する顔料全体の平均粒径(D50)が1〜9μmであることにより、上記効果がより高まったものとなる。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の原紙の両面に顔料および接着剤を主成分とする塗工層を片面に少なくとも1層設けた印刷用艶消し塗工紙においては、最表面塗工層は片面当り、顔料成分として全顔料のうち固形分で5〜80重量%がクロライトであり、及び乾燥塗工量が5〜15g/mであり、該最表層の塗工層形成のための塗工液の塗工、乾燥後にカレンダー処理によりベック平滑度100〜2000秒、75度光沢値40%以下とされたものである。
前記クロライト(緑泥石、Chlorite)は、マグネシウム、アルミニウムなどを主成分とする含水ケイ酸塩鉱物であり、化学組成Mg2Al(OH)6・Mg3(SiAl)O10OH2である。
このクロライトは、扁平でアスペクト比が大きいので塗工面の平滑性を改善し、インキ着肉性を向上させることができ、また、滑りやすい性質を有しているので、塗工面の摩擦係数を減少させることができる性質をもっている。その粒子形状、表面性等がクロライトと類似した性質を有している顔料にタルクがあるが、クロライトは親水性であるため、タルクに比べ、溶解性がよく、塗工液を調製するとき濃度設定を高くすることができる。
また、クロライトは白色度が90%以上と高白色であるため、この高白色クロライトはマット調の高白顔料として有用であり、また高白色クロライトは価格において高白色タルクに比べ割安である。
塗工層の顔料成分として用いられるクロライトは、平均粒径(D50)3〜9μm好ましくは5〜8μmのものが望ましい。
3μm未満では白紙の光沢発現性が高まり、艶消しの特徴を維持できなくなり、逆に9μmを超えると艶消し効果およびコスレ汚れの解消効果には優れるものの、印刷適正や顔料塗工液とした場合の分散安定性が低下してしまう。
このような、クロライトは、市販品として例えば兼松ケミカル/中央テイノ製の品名NK−CU−2(白色度91.0%以上、平均粒度(D50)7.0〜8.0μm)、NK−CW(白色度93.0%以上、平均粒度(D50)6.0μm以下)などとして入手することができる。
また、最表面塗工層における顔料成分は、顔料成分全体の5〜80重量%(固形分)好ましくは10〜60重量%(固形分)の範囲でクロライトが配合されているのがよい。5重量%未満ではコスレ汚れに対する軽減や解消効果が少なく、一方、80重量%を越えてもコスレ汚れに対する効果がさらに見られる訳ではなく、塗工液の流動性が変化し、塗工性が悪化してしまうといった不具合が生じることから好ましくない。
本発明で使用される顔料は、クロライト以外に、特に規定するものではなく、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チタンホワイト、プラスチックピグメント、二酸化チタン、シリカ等が使用できる。
これらクロライト以外の顔料は、クロライト粒子の好ましい平均粒径が規定されたのと同様、平均粒径(D50)0.2〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.0μmであるのがよい。そして、クロライト及びこれ以外の顔料からなる顔料成分全体の平均粒径(D50)は1〜9μm好ましくは2〜8μmの範囲に収まっているのが望ましい。
塗工層における接着剤としては、例えば、酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白類、スチレン−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル重合体などのビニル系重合体ラテックス、あるいは、これらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基などの官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックスと呼ばれる、所謂通常の塗被紙分野で使用される各種接着剤が適宜選択して使用できる。
接着剤の配合量は特に限定されるものではないが、一般に顔料に対し、固形分対比で2〜50重量%好ましくは5〜30重量%の範囲で調整される。
塗工液を形成する水性塗工液中には、必要に応じて、耐水化剤、硬化剤、消泡剤、着色剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合される。
塗工液濃度は40〜70重量%、好ましくは50〜65重量%の範囲内であることが好ましい。最表面塗工層は通常、ブレードコーターで塗工されるが、塗工液濃度が高い場合には粘度が高くなりすぎ、ストリーク、スクラッチ等の塗工欠陥の発生が多くなり操業性が劣る傾向にある。逆に低い場合には、塗工量のプロファイル制御がし辛くなることや塗工後の乾燥負荷が増加する問題がある。原紙片面当たり2層以上の塗工層が積層される場合、最表面塗工層以外の下層塗工層は、その役目が原紙の凹凸(紙表面の不均一)や吸液性の不均一を改善し、最表面塗工層を可能な限り均一な塗工層にすることであるため、この役目を果たせば特に、その構成は限定されない。
原紙としては、一般の印刷用紙に用いられる坪量30〜300g/m程度の中質紙、上質紙が用いられる。
塗工液を原紙へ塗工し、乾燥させる方法としては、一般の塗工紙製造に用いる塗工装置と乾燥法が適宜使用され、塗工装置としては、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、サイズプレスコーター、ビルブレードコーター等の両面塗工装置を設けたオンマシンまたはオフマシンコーターによって、原紙上に一層あるいは多層に分けて塗工されるが、最表面塗工層の塗工には、高速塗工による高生産性および塗工面の高平滑性を考慮すると、ブレードコーターがより好適に使用される。、また、原紙上の湿潤塗被層を乾燥させる方法としては、従来から公知の熱風加熱、ガスヒーター加熱、高周波加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、レーザー加熱、電子線加熱等の各種加熱乾燥方式が適宜採用される。
なお、最表面塗工層の塗工量は一般に乾燥重量で片面当たり3〜20g/m2 程度であるが、得られる印刷用艶消し塗工紙の白紙品質、印刷品質および塗被適性や高速塗工における乾燥能力等を考慮すると片面当たり5〜15g/m2 程度の範囲で調整することが望ましい。原紙片面に2層以上の塗工層が設けられる場合においても、これら全体の塗工層の乾燥塗工量は、5〜50g/m好ましくは5〜30g/mであるのが望ましい。
かくして得られた塗工紙は要求される品質に応じ、オンあるいはオフのスーパーキャレンダー、マットキャレンダー、粗面化キャレンダーやソフトキャレンダー等で適宜加圧仕上げすることも可能である。
このカレンダーがけにより、JIS P8119で測定されるベック平滑度が100〜2000秒、好ましくは150〜1500秒で、かつ、JIS P8142で測定される75度光沢値が45%以下、好ましくは40%以下とされる。さらに好ましくは塗工紙の両面の最大静止摩擦係数が0.30〜0.60、好ましくは0.35〜0.45の範囲とされる。
ベック平滑度が100秒未満ではインク着肉性が不充分であり、2000秒を超えるとインク着肉性は向上するものの、カレンダー処理により塗工層密度が高くなり、引いては紙の剛度が低下し、印刷作業性が低下する。また、75度光沢度が40%を超えるとマットとしての感じが乏しくなる。さらに、最大静止摩擦係数を0.30〜0.60とすることで艶消し塗工紙は適度の滑り性を有し、コスレ汚れが更に阻止されるようになる。
次に実施例をあげて、本発明を具体的に説明する。ここでの部、%はともに重量基準である。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)20重量%、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)80重量%の比例構成になるパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに固形分対比でパルプに対して中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.3重量%、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分で12%となるように添加し、サイズプレス(ゲートロールコーター)で澱粉を固形分付着量が片面当り1.5g/mになるように両面塗布し、オントップワイヤー型抄紙機を使用して抄紙を行なって米坪80g/mの原紙を得た。
一方、高白色クロライトとしてNK−CW(兼松ケミカル/中央テクノ製、白色度93%、平均粒子径(D50) 5.8μm )を30部、カオリン(シール社社製、カオブライト90、平均粒子径0.4μm)を20部、重質炭酸カルシウム(オミヤ社製、ハイドロカーブ60、平均粒子径1.4μm)を50部、接着剤として酸化澱粉5部、スチレン・ブタシ゛エン共重合ラテックス 10部、耐水化剤0.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度 60%の塗工液を調整した。この塗工液の全顔料の平均粒子径は、2.5μmである。
この塗工液を上記の原紙に片面当たり乾燥重量で10g/mになるようにブレードコーターで両面塗工を行い、乾燥後スーパーカレンダー処理(12段、線圧180kg/cm)して印刷用艶消し塗工紙を得た。この品質評価の結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、顔料として、クロライト(NK−CW)を5部、カオリン(シール社社製、カオブライト90)を20部、重質炭酸カルシウム(オミヤ社製、ハイドロカーブ60)を75部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た(全顔料平均粒子径1.4μm)。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(実施例3)
実施例1において、顔料として、クロライト(NK−CW)を80部、重質炭酸カルシウム(オミヤ社製、ハイドロカーブ60)を20部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た(全顔料平均粒子径4.9μm)。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(実施例4)
実施例1において、塗工量を片面当り乾燥重量で5g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(実施例5)
実施例1において、塗工量を片面当り乾燥重量で15g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(比較例1)
実施例1において、顔料として、クロライト(NK−CW)を3部、カオリン(シール社社製、カオブライト90)を20部、重質炭酸カルシウム(オミヤ社製、ハイドロカーブ60)を77部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た(全顔料平均粒子径1.1μm)。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(比較例2)
実施例1において、顔料として、クロライト(NK−CW)100部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(比較例3)
実施例1において、塗工量を片面当り乾燥重量で3g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(比較例4)
実施例1において、塗工量を片面当り乾燥重量で17g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(比較例5)
実施例1において、顔料として、クロライトを平均粒子径10μmのクロライト30部代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た(全顔料平均粒子径3.8μm)。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(比較例6)
実施例1において、顔料として、クロライト(NK−CW)を10部、カオリン(シール社社製、カオファイン90、平均粒子径0.2μm)を30部、重質炭酸カルシウム(オミヤ社製、セタカーブ、平均粒子径0.5μm)を60部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た(全顔料平均粒子径0.9μm)。表1にこれの品質評価を合わせ示す。
(表面平滑度) JIS P8119に準じて測定し、ベック平滑度で示した。
(白色光沢) JIS P8142に準じ、角度75℃で測定した。
(最大静止摩擦係数)JIS P8147に準じて測定した。
(インクコスレ汚れ)RI−II型印刷試験機(明製作所製)を用い、オフセット印刷用インク(商品名:Graf−g/大日本インキ社製)を0.3ml使用して印刷を行い、3日間放置後、染色物摩擦堅牢度試験機(東洋精機製作所製)を用い、荷重600gで5往復の摩擦を行い、印刷した紙から白紙に転移したインクの濃度を目視により評価した。
◎:インクの転移がほとんどない
○:インクが極く僅かに転移する
○:インクの転移がやや認められるが、実用に供しえる
△:インクが転移しているが、実用に供しえる
×:インクの転移が多く問題である
(印刷平滑性)コスレ汚れ評価と同様にして印刷し、印刷面を目視評価した。
◎:着肉ムラ、インク転移不良等が目視確認できない
○:着肉ムラ、インク転移不良等が僅かにある
△:着肉ムラ、インク転移不良等があるが、実用上問題ない
×:着肉ムラ、インク転移不良等が多い
(塗工操業性) 塗工の均一性やストリーク、スクラッチ等の塗工欠陥有無、塗工量のプロファイル制御の行い易さ等の塗工適性を評価した。
◎:優れている
○:普通
×:悪い
Figure 2005139565
表1の評価結果から明らかなように、本発明の印刷用艶消し塗工紙は、白紙光沢度が低いにもかかわらずコスレ汚れが極めて起こりにくいものとなる。

Claims (4)

  1. 原紙の両面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を少なくとも1層設けた両面塗工紙であって、最表面塗工層は片面当たり顔料として全顔料の5〜80重量%のクロライトを含み、乾燥塗工量が5〜15g/mであり、該最表面塗工層形成のための塗工液の塗工、乾燥後にカレンダー処理によってベック平滑度が100〜2000秒に調整され、かつ、75度光沢値が40%以下であることを特徴とする印刷用艶消し塗工紙。
  2. 前記両面塗工紙の最大静止摩擦係数が0.30〜0.60の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の印刷用艶消し塗工紙。
  3. 前記クロライトは白色度が90%以上で、かつ平均粒径(D50)が3〜9μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷用艶消し塗工紙。
  4. 前記クロライトを含有する顔料成分全体の平均粒径(D50)が1〜9μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用艶消し塗工紙。
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