JPH08209591A - 印刷用艶消し塗被紙 - Google Patents

印刷用艶消し塗被紙

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JPH08209591A
JPH08209591A JP1300795A JP1300795A JPH08209591A JP H08209591 A JPH08209591 A JP H08209591A JP 1300795 A JP1300795 A JP 1300795A JP 1300795 A JP1300795 A JP 1300795A JP H08209591 A JPH08209591 A JP H08209591A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】白紙光沢度が低く、かつ印刷後の印刷インクに
よるコスレ汚れの発生しにくい印刷用艶消し塗被紙を提
供する。 【構成】原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする顔料塗
被層を設けてなる印刷用艶消し塗被紙であって、該顔料
塗被層中にレーザー回折法により測定した平均粒子径が
8〜30μmであるポリオレフィン樹脂粒子が顔料に対
し、固形分で0.2〜3重量%含有せしめられた印刷用
艶消し塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗被紙に関し、特に白紙
光沢度が低く、かつ印刷後の印刷インクによるコスレ汚
れの発生しにくい印刷用艶消し塗被紙に関する。
【0002】
【従来の技術】艶消し塗被紙は、意図的に白紙の表面光
沢を低くし、印刷物として上品で深みのあるトーンを醸
しだして高級感を与えるようにした塗被紙である。この
ような艶消し塗被紙は高級な美術印刷、高級ポスター、
カタログ、カレンダー等、巾広く使用されている。
【0003】従来、艶消し塗被紙は2種類の方法で製造
されている。即ち、その1つは通常のグロス系の塗被紙
に使用される顔料と対比し、比較的粗い顔料を配合した
塗被液を原紙に塗被、乾燥して、そのまま製品化する
か、あるいは軽度のキャレンダー処理を行って製品化し
ている。他の1つは、平滑に塗被された顔料塗被層表面
に、粗面化キャレンダーロールを用いてロールの有する
ミクロン単位の粗面を塗被層表面に転写して艶消しに仕
上げる方法である。
【0004】このようにして製造された艶消し塗被紙は
その粗い表面のために、実用面で難点を抱えている。特
に、大きな問題点として、印刷工程や製本工程、あるい
は搬送工程において印刷部と白紙部とが摩擦されること
により白紙部に印刷インクが転移する、所謂コスレ汚れ
といわれるインク転移現象である。このコスレ汚れが発
生すると製品価値が低下し、ひどい場合はユーザークレ
ームとして、莫大な損失を被ることになる。
【0005】印刷インクが白紙部に転移する主な原因
は、一般的に次のように考えられている。即ち、艶消し
塗被紙はその塗被層表面が粗く、その粗い部分が一種の
やすりのような作用を起こし、印刷部と接触した際に白
紙凸部(粗の部分)がインクを掻き取ってしまうものと
推定される。
【0006】従来、このようなコスレ汚れを解決するた
めに、印刷インクとしては、インク中にワックス等を主
成分とする耐摩擦性のコンパウンド等を添加して印刷面
と白紙面との摩擦を軽減する等の処置がとられている。
一方、塗被紙としては、塗被紙を所定温度以上の高温ソ
フトキャレンダーで処理する方法(特開平5−1179
95号)、特定の粒子径を有するデラミネーテッドクレ
ーを特定量含有せしめた塗被層を原紙に設ける方法(特
開平5−5297号)等が提案されているが、問題点を
解決するまでには至っていない。さらに、塗被液中に脂
肪酸エマルジョン、脂肪酸塩エマルジョン、ワックスエ
マルジョン、ポリエチレンエマルジョン等の潤滑剤を特
定量含有せしめたもので塗被層を形成させる方法(特開
平6−158594号)等が提案されてはいるが、いず
れの潤滑剤を用いても満足すべき効果を得るまでには至
っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記より、本発明者等
は艶消し塗被紙のコスレ汚れの改良策について鋭意研究
を重ねた。その結果、本発明は従来の艶消し塗被紙と比
較し、白紙光沢度が低いにもかかわらず、コスレ汚れが
極めて起こりにくい艶消し塗被紙を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に、顔
料と接着剤を主成分とする顔料塗被層を設けてなる印刷
用艶消し塗被紙において、該顔料塗被層中にレーザー回
折法により測定した平均粒子径が8〜30μmであるポ
リオレフィン樹脂粒子が顔料に対し、固形分で0.2〜
3重量%含有せしめられたことを特徴とする印刷用艶消
し塗被紙である。
【0009】
【作用】前記したように、本発明者等は、印刷インクに
よるコスレ汚れの極めて起こりにくい艶消し塗被紙を得
るべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定の平均粒子径
を有するポリオレフィン樹脂粒子を顔料塗被層に含有さ
せることにより、印刷インクによるコスレ汚れが著しく
軽減され、極めて優れた効果が得られることを見出し本
発明を完成するに至った。即ち、本発明は特定の平均粒
子径を有するポリオレフィン樹脂粒子を水性顔料塗被液
に添加し、該塗被液を原紙に塗被、乾燥して仕上げられ
た艶消し塗被紙である。
【0010】一般に、ポリオレフィン樹脂粒子は潤滑
剤、離型剤等として塗被紙製造分野で用いられるが、そ
の平均粒子径は5μm以下のものが主体である。本発明
者等は、このポリオレフィン樹脂粒子に着目し、種々実
験を重ね、試行錯誤の結果、顔料塗被層中に特定の粒子
径を有するポリオレフィン樹脂粒子を特定量使用するこ
とにより、極めて効果的にコスレ汚れが解消され、優れ
た艶消し塗被紙が得られることを見出した。
【0011】なお、ポリオレフィン樹脂粒子を添加する
ことによって、コスレ汚れが大巾に解消される理由につ
いては定かではないが、以下のように推定される。即
ち、通常艶消し塗被紙の塗被層表面はその品質特性上、
一般のアート紙や高光沢塗被紙と比較し、その面が粗
く、多くの微小な凹凸が存在する。その凸部が他の印刷
部と接触することにより、ヤスリのような作用をして印
刷面のインクを掻き取ることによって、白紙部がインク
で汚されるものと推定される。
【0012】ここに、顔料塗被層中に添加されるポリオ
レフィン樹脂粒子としては、レーザー回折法により測定
した平均粒子径が8〜30μmであるポリオレフィン樹
脂粒子を使用するものである。また、該ポリオレフィン
樹脂粒子を塗被層を形成する塗被液に配合する場合の添
加量として、顔料に対し固形分対比で0.2〜3重量%
に特定するものである。因みに、0.2重量%未満で
は、コスレ汚れに対する軽減〜解消効果が少なく、他
方、3重量%を越えると、コスレ汚れに対する解消効果
が飽和するのみならず、顔料塗被液の分散安定性が低下
したり、印刷効果の低下等があり、好ましくない。
【0013】また、ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子
径を8〜30μmに特定することの意義は、前述したよ
うに艶消し塗被紙の表面は微小な凹凸が多数存在してお
り、その表面のミクロ的な平滑性はかなり低いものであ
る。このような粗面をもつ塗被層に通常の塗被紙用顔料
と比較し、異常に大きい粒子径を有するポリオレフィン
樹脂粒子を塗被層に適当量配合することにより、その大
粒径の樹脂粒子が他面との接触(支持体となる)を受け
もつ結果、鋭い顔料による直接の接触が回避され、さら
にポリオレフィン樹脂粒子固有の柔らかくて離型作用を
示すことより、摩擦抵抗が減少する結果、効果的にイン
ク汚れが解消、もしくは軽減されるものと推考される。
因みに、平均粒子径が8μm未満では、インク汚れの軽
減〜解消効果が少なく、他方、30μmを越えるとイン
ク汚れの解消効果には優れるものの、印刷適性や顔料塗
液とした場合の分散安定性等が低下し、好ましくない。
【0014】上記より、本発明は、ポリオレフィン樹脂
粒子の使用に際しインク汚れの解消効果に優れ、かつ顔
料塗被液の安定性や印刷効果に優れ、バランスされた領
域として、その平均粒子径が8〜30μm、かつ添加量
として全顔料に対し固形分対比で0.2〜3重量%含有
せしめることによって、極めて優れた作用、効果が得ら
れることを見出し達成されたものである。
【0015】次に、本発明において、顔料塗被層に使用
される顔料としては特に限定されるものではないが、よ
り優れた艶消し塗被紙を得るために平均粒子径が沈降法
による測定値で1μm以上の重質炭酸カルシウムを全顔
料に対し20重量%以上配合せしめることが望ましい。
一方、このような粗い顔料を使用すると、通常の高光沢
塗被紙に使用される微細な顔料を使用した場合と比較
し、白紙光沢度は低くなるが、コスレ汚れは悪化する。
しかしながら、本発明により得られる艶消し塗被紙にお
いては、前述の如く、平均粒子径の極めて大きいポリオ
レフィン樹脂粒子が添加されているために、このような
懸念はなく、低い白紙光沢度を得ることができる。因み
に、前記特定の重質炭酸カルシウムの配合量が20重量
%未満では、白紙光沢度の低減効果が少なくなるおそれ
がある。
【0016】また、顔料塗被層用の顔料として、平均粒
子径が1.5μm以上のカオリン、および/またはデラ
ミネーテッドカオリンを全顔料の40重量%以上含有せ
しめることが望ましい。即ち、このように相対的に粗い
カオリンを使用すると、前記の粗い粒子径を有する重質
炭酸カルシウムを使用する場合と同様に低い白紙光沢度
が得られる。さらに、ポリオレフィン樹脂粒子の添加に
よるコスレ汚れに対する軽減〜解消効果が重質炭酸カル
シウムの場合と比較し、より大きいことが分かった。
【0017】この理由は必ずしも明らかではないが、前
記のカオリンやデラミネーテッドカオリンはその粒子形
状が板状であるために、重質炭酸カルシウムと比較し塗
被層面の凹凸が緩やかであり、ポリオレフィン樹脂粒子
のスペーサーとしての作用がより明確に発現されるもの
と推定される。因みに、40重量%未満の場合には光沢
度の低減効果やポリオレフィン樹脂粒子の添加によるコ
スレ汚れに対する軽減効果(または解消効果)が低下す
るおそれがある。
【0018】勿論、本発明における顔料塗被層に使用さ
れる顔料、接着剤について、特定するものではなく、通
常の塗被紙の塗被組成物に使用される顔料や接着剤の中
から適宜選択して使用される。顔料としては、例えば重
質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイ
ト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、タルク、
カオリン、クレー、焼成カオリン、ホワイトカーボン、
デラミネーテッドカオリン、構造化カオリン、珪藻土、
炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベンドナイト、セリ
サイト等の無機顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホ
ルマリン樹脂微粒子、微少中空粒子等の有機顔料等が例
示される。
【0019】また、接着剤としては、例えばカゼイン,
大豆蛋白等の蛋白質類、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス,メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体ラテックス,スチレン−メチルメタクリレート−ブタ
ジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテック
ス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エ
ステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル
系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス
等のビニル系ラテックス、あるいはこれらの各種重合体
ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変
性した重合体または共重合体ラテックス等が例示され
る。さらには、アルカリ溶解性、アルカリ膨潤性等の各
種の合成樹脂重合体、ポリビニルアルコール、オレフィ
ン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウ
レタン樹脂等の合成樹脂系接着剤、酸化澱粉,陽性澱
粉,エステル化澱粉,デキストリン等の澱粉類、カルボ
キシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース誘導体を挙げることができる。
【0020】なお、接着剤の配合量は、特に限定される
ものではないが、一般に顔料に対し、固形分対比で2〜
50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲で調節さ
れる。また、塗被層を形成する水性塗被液中には、必要
に応じて耐水化剤、硬化剤、架橋剤、消泡剤、着色剤、
離型剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合される。か
くして調製される塗被液は、原紙上に塗被されるが、原
紙の製造方法(酸性抄紙、中性抄紙等)や米坪(目方)
については特に限定されるものではなく、通常30〜3
00g/m2 程度の上質原紙や中質原紙等が適宜使用さ
れる。
【0021】塗被液を原紙へ塗被し、乾燥させる方法と
しては、一般の塗被紙製造に用いる塗工装置と乾燥法が
適宜使用され、塗工装置としては、例えばブレードコー
ター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバー
スロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、
ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレ
ックスコーター、サイズプレスコーター、ビルブレード
コーター等の両面あるいは片面塗工装置を設けたオンマ
シンまたはオフマシンコーターによって、原紙上に一層
あるいは多層に分けて塗被される。また、原紙上の湿潤
塗被層を乾燥させる方法としては、従来から公知の熱風
加熱、ガスヒーター加熱、高周波加熱、電気ヒーター加
熱、赤外線ヒーター加熱、レーザー加熱、電子線加熱等
の各種加熱乾燥方式が適宜採用される。
【0022】なお、塗被量は一般に乾燥重量で片面当た
り3〜50g/m2 程度であるが、得られる印刷用艶消
し塗被紙の白紙品質、印刷品質および塗被適性や高速塗
工における乾燥能力等を考慮すると片面当たり5〜30
g/m2 程度の範囲で調整することが望ましい。かくし
て得られた塗被紙は要求される品質に応じ、オンあるい
はオフのスーパーキャレンダー、マットキャレンダー、
粗面化キャレンダーやソフトキャレンダー等で適宜加圧
仕上げすることも可能である。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論、本発明はそれらに限定されるもの
ではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部、
および重量%を示す。
【0024】実施例1 顔料塗被層に使用する顔料として、平均粒子径が0.5
7μmである重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカ
ーブ−90/備北粉化工業社製…顔料A)70部、平均
粒子径が0.55μmであるカオリン(商品名:HT/
エンゲルハード社製(米国)…顔料B)30部、接着剤
として、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10
部、酸化澱粉5部(それぞれ固形分対比)を加え、さら
に平均粒子径が27.5μmであるポリオレフィンパウ
ダー(商品名:ミペロンXM−221U/三井石油化学
社製…潤滑剤a)0.3部、分散剤(商品名:エマルゲ
ン108/花王社製)を潤滑剤a100部に対し0.5
部添加し、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗被液
を得た。この塗被液を米坪90g/m2 の上質原紙上に
片面当たり乾燥重量で15g/m2 になるようにブレー
ドコーターで両面塗被、乾燥を行い、乾燥後の水分が5
%の塗被紙を得た。
【0025】実施例2 実施例1において、潤滑剤aの添加量を1部とした以外
は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
【0026】実施例3 実施例1において、潤滑剤aの添加量を2.5部とした
以外は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
【0027】実施例4 実施例1において、潤滑剤aの代わりに、平均粒子径が
9.3μmであるポリオレフィン樹脂分散液(商品名:
ケミパールV−100/三井石油化学社製…潤滑剤b)
0.3部を使用し、かつ分散剤を使用しなかった以外
は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
【0028】実施例5 実施例4において、潤滑剤bの添加量を1部とした以外
は、実施例4と同様にして塗被紙を得た。
【0029】実施例6 実施例4において、潤滑剤bの添加量を2.5部とした
以外は、実施例4と同様にして塗被紙を得た。
【0030】実施例7 実施例2において、顔料塗被層用の顔料として、平均粒
子径が1.2μmである重質炭酸カルシウム(商品名:
ハイドロカーブ−60/備北粉化工業社製…顔料C)7
0部、顔料B30部を使用した以外は、実施例2と同様
にして塗被紙を得た。
【0031】実施例8 実施例7において、顔料塗被層用の顔料として、顔料A
45部、顔料B30部、顔料C25部とした以外は、実
施例7と同様にして塗被紙を得た。
【0032】実施例9 実施例8において、顔料Aの添加部数を55部、顔料C
の添加部数を15部とした以外は、実施例8と同様にし
て塗被紙を得た。
【0033】実施例10 実施例5において、顔料塗被層用の顔料として、平均粒
子径が2.1μmであるデラミネーテッドカオリン(商
品名:Nusurf/エンゲルハード社製(米国)…顔
料D)70部、顔料A30部を使用した以外は、実施例
5と同様にして塗被紙を得た。
【0034】実施例11 実施例10において、顔料Dの添加部数を45部、顔料
Aの添加部数を55部とした以外は、実施例10と同様
にして塗被紙を得た。
【0035】実施例12 実施例10において、顔料Dの添加部数を35部、顔料
Aの添加部数を65部とした以外は、実施例10と同様
にして塗被紙を得た。
【0036】比較例1 実施例1において、潤滑剤aの添加量を0部とした以外
は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
【0037】比較例2 実施例1において、潤滑剤aの添加量を0.1部とした
以外は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
【0038】比較例3 実施例4において、潤滑剤bの添加量を3.5部とした
以外は、実施例4と同様にして塗被紙を得た。
【0039】比較例4 実施例6において、潤滑剤bの代わりに、平均粒子径が
4.5μmであるポリオレフィン樹脂分散液(商品名:
ケミパールV−300/三井石油化学社製…潤滑剤c)
を使用した以外は、実施例6と同様にして塗被紙を得
た。
【0040】比較例5 実施例2において、潤滑剤aの代わりに、平均粒子径が
34.9μmであるポリオレフィンパウダー(商品名:
ミペロンXM−220/三井石油化学社製…潤滑剤d)
を使用した以外は、実施例2と同様にして塗被紙を得
た。
【0041】比較例6 実施例6において、潤滑剤bの代わりに、平均粒子径が
0.2μm以下であるポリオレフィンエマルジョン(商
品名:ノプコートPEM−17/サンノプコ社製…潤滑
剤e)を使用した以外は、実施例6と同様にして塗被紙
を得た。
【0042】なお、上記の実施例および比較例で使用さ
れた顔料、潤滑剤の平均粒子径の測定、コスレ汚れの評
価、白紙光沢および印刷平滑性については以下の如き方
法に準じて測定、評価を行った。
【0043】(顔料および潤滑剤の平均粒子径の測定)
顔料の平均粒子径は沈降法により粒度分布を測定(測定
器:セディグラフ−5000/島津製作所製)し、累積
重量が50%となる粒子径を顔料の平均粒子径とした。
また、潤滑剤(ポリオレフィン樹脂粒子等)の平均粒子
径は、レーザー回折法により粒度分布を測定(測定器:
SALD−2000/島津製作所製)し、累積重量が5
0%となる粒子径を平均粒子径とした。なお、レーザー
回折法を採用したのは、ポリオレフィン樹脂粒子は比重
が小さいために沈降法では測定ができないことによる。
【0044】(コスレ汚れの評価方法)RI−II型印
刷試験機(明製作所製)を用い、オフセット印刷用イン
ク(商品名:Graf−g/大日本インキ社製)を0.
3ml使用して印刷を行い、3日間放置後、染色物摩擦
堅牢度試験機(東洋精機製作所製)を用い、荷重600
gで5往復の摩擦を行い、印刷した紙から白紙に転移し
たインクの濃度を目視により評価した。 ◎ インクの転移がほとんどない ○ インクが極く僅かに転移する ○’インクの転移がやや認められるが、実用に供しえる △ インクが転移しているが、実用に供しえる × インクの転移が多く問題である
【0045】(白紙光沢)JIS−P−8142に準
じ、角度75°で測定した。
【0046】(印刷平滑性)コスレ汚れ評価と同様にし
て印刷し、印刷面を目視評価した。 ◎ 着肉ムラ、インク転移不良等が目視確認できない ○ 着肉ムラ、インク転移不良等が僅かにある △ 着肉ムラ、インク転移不良等があるが、実用上問題
ない × 着肉ムラ、インク転移不良等が多い
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明に係る
印刷用艶消し塗被紙は、白紙光沢が低く、コスレ汚れの
発生しにくい優れたものであった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする顔
    料塗被層を設けてなる印刷用艶消し塗被紙において、該
    顔料塗被層中にレーザー回折法により測定した平均粒子
    径が8〜30μmであるポリオレフィン樹脂粒子が顔料
    に対し、固形分で0.2〜3重量%含有せしめられたこ
    とを特徴とする印刷用艶消し塗被紙。
  2. 【請求項2】顔料として、沈降法により測定した平均粒
    子径が1μm以上である重質炭酸カルシウムが全顔料に
    対し、固形分対比で20重量%以上含まれる請求項1記
    載の印刷用艶消し塗被紙。
  3. 【請求項3】顔料として、平均粒子径が1.5μm以上
    であるカオリンまたはデラミネーテッドカオリンの少な
    くとも1種が使用され、かつその配合量が全顔料に対
    し、固形分対比で40重量%以上含まれる請求項1また
    は請求項2記載の印刷用艶消し塗被紙。
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