JP4089064B2 - 塗工紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に白紙の光沢が高く、印刷時の給紙性が良好な塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、オフセット印刷に用いられる印刷用紙では、表面が平滑であり、印刷後の刷り上がり感を満足させるために、紙基体に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設けたアート紙、コート紙等の塗工紙が使用されている。このような塗工紙は、白紙光沢度によって低光沢度のマット(光沢度20%以下)紙、ダル(光沢度20〜45%)紙、高光沢度のグロス(光沢度45%以上)紙の3種類に分けられる。特に白紙光沢度の高いグロス紙は、顔料層を塗工後、スーパーキャレンダ処理するため、塗被層表面の平滑性が高くなり、それに伴い、用紙間の密着性も高くなるのが特徴である。現在、印刷機は、高速化が進み、特に枚葉印刷では、多数枚の用紙の重送が頻繁に発生している。また印刷環境も空調設備の管理の良好な場合では、20℃、55〜65%RHで行われるが、一般には日本の気候から夏季は25℃以上、70〜80%RH、冬季は15℃以下、30〜50%RHの環境下での印刷が行われている。特に夏季25℃以上、70〜80%RHの環境では、用紙の多数枚の重送が頻繁に発生しているのが現状である。
【0003】
印刷時の用紙の給紙性不良については、表面が高平滑で用紙間の密着性の高い、高グロス紙に多く発生することが知られている。この給紙不良は、高温高湿条件下ほど顕著に発生する。これらに関し、従来から塗被層中に高級脂肪酸系化合物を配合し、用紙間の摩擦係数を低下させることが試みられているが、配合量が多いため、塗被層の強度低下、光沢の発現不良および高湿でのブロッキング等が発生し、これらの改良が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を改善することを目的とし、特に白紙光沢度が高く、かつ印刷時に多数枚の用紙の重送が発生しない塗工紙を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高い白紙光沢度を有し、かつ印刷時に多数枚の用紙の重送が発生しないことを鋭意研究した結果、紙基材の両面に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設けてなる塗工紙において、該塗被層中に、特定のガラス転移温度および平均粒子径を有する接着剤と、特定の軟化点および平均粒子径を有する高級脂肪酸系化合物を含有する塗被液を塗工、乾燥し、平滑化処理して得た塗被層表面の光沢度が、50%以上にすることにより、前記問題点を解決し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明に係る塗工紙は、紙基材と、その少なくとも一面に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層とを設けてなり、前記接着剤は、ガラス転移温度20〜40℃、平均粒子径40〜120nmおよびゲル分率60〜90%の合成高分子化合物を用い、前記塗被層は、下記物性を有する高級脂肪酸系化合物を、顔料100重量部に対し、0.3〜5.0重量部用いた塗被液を塗工して形成され、かつ前記塗被層表面の光沢度が50%以上であることを特徴とするものである。
平均粒子径0.1〜2.0μm
比重0.8〜1.0
軟化点80〜160℃
【0007】
さらに前記接着剤が、顔料100重量部に対し、5〜20重量部用いることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる接着剤のガラス転移温度が、20℃未満では、高温高湿での塗膜の軟化が著しい。この現象については、明確ではないが、高温高湿では、塗被層の接着剤が軟化で、塗被層も同様に軟化し、塗工面の密着性が高まることにより、多数枚の用紙の重送が発生すると考えられる。一方、その接着剤のガラス転移温度が、40℃を越えると、塗膜の強度が著しく低下するため、本発明の所望とする重送防止効果が得られないことがある。接着剤のガラス転移温度のより好ましい範囲は、25〜35℃である。
【0009】
さらに、本発明で用いる接着剤の平均粒子径は、40〜120nmが好ましい、ちなみに120nmを越えると、接着剤の造膜性が低下するため、塗被層の強度も低下し、印刷時にブランケットが汚れることがある。40nm未満では、塗工紙の透気度が高くなり、画像形成時にブリスタが発生することがある。平均粒子径のより好ましい範囲は、40〜100nmである。
【0010】
また本発明で用いる接着剤の塗膜強度を高温から低温の環境で安定に保つためには、接着剤のゲル分率が重要であり、60〜90%である必要がある。ちなみにゲル分率が90%を越える場合は、白紙の光沢度が出にくくなることがある。一方、ゲル分率が60%未満では、塗膜強度の安定性が低下することがある。ゲル分率のより好ましい範囲は、65〜85%である。
【0011】
本発明で用いる接着剤のゲル分率は、重合過程で形成される粒子内橋かけや、枝分かれ構造の大小を意味する。ゲル分率の低い熱可塑性タイプの接着強度は、ガラス転移温度以上の高温では接着剤層の凝集力が小さくなるために低下するが、橋かけや枝分かれ構造によるゲル分率の高い接着剤は、この傾向を有効に阻止することが出来る。また低温側でも、ゲル分率の低い熱可塑性タイプでは、温度の低下に伴う脆弱化のために接着強度が次第に低下するが、この欠点も橋かけ構造の形成により強靱化し、改良される。またゲル分率を制御する方法としては、ブタジエン共重合率、重合温度や連鎖移動剤濃度等を調整する方法が一般に行われている。
【0012】
上記接着剤としては、水性系の高分子化合物を指し、例えば、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体類やビニル系共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成高分子化合物が挙げられる。そしてこれらの中から塗工紙の要求品質に応じて、1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
【0013】
接着剤の配合割合は、顔料100重量部(固型分)に対して5〜20重量部(固型分)の範囲である。5重量部未満では、塗被層の塗膜の強度が弱く、印刷時に塗被層が剥がれて堆積し、ブランケットの汚れとなることがある。一方20重量部を越えると、塗料の泡立ちが著しく、操業性が低下することがある。
【0014】
本発明者等は、紙間の摩擦係数を低減することについて鋭意研究を重ねた結果、塗被層中に、特定の高級脂肪酸系化合物を配合することで、塗被層の塗膜の低下することなしに、紙間の摩擦係数を低減出来ることを見出し、本発明を達成するに至った。
【0015】
本発明で用いる高級脂肪酸系化合物は、平均粒子径が2.0μm以下で、融点或いは軟化点が80℃以上で、高級脂肪酸系化合物の材料の比重が0.8〜1.0であることを特徴とする。
【0016】
一般に、高級脂肪酸系化合物としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルチミン酸、ミリスチン酸、ラウリル酸、ベヘニン酸、エルカ酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの高級脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ビスアミド、エチレン−ビス−ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの高級脂肪酸アミドおよびそのメチロール化物が挙げられるが、本発明では、特に、平均粒子径が0.1〜2.0μm、融点或いは軟化点が80〜160℃、かつ高級脂肪酸系化合物の材料の比重が0.8〜1.0のものを1種ないし2種以上適宜選択して、使用される。
【0017】
本発明に用いる高級脂肪酸系化合物の平均粒子径が2.0μmを越える場合、グロス系の塗工紙では、平均粒子径が0.3μm程度の顔料を主として用いるため、白紙光沢が低下することがある。またその平均粒子径が0.1μm未満の場合、顔料の粒子径よりも著しく小さいため、顔料間に埋没し、多量に配合する必要があり、同時に塗膜の強度が著しく低下することがある。好ましくは0.2〜1.5μmである。
【0018】
また本発明に用いる高級脂肪酸系化合物の軟化点或いは融点が80℃未満では、塗被液の塗被層の乾燥時に、溶融し、球状を保持出来ず、顔料間に埋没し、滑り性が低下することがある。好ましくは、95〜160℃である。さらに高級脂肪酸系化合物の比重が1.0を越えると、塗被液の乾燥時に、塗被層表面へマイグレートし難く、塗被層中の顔料表面への付着量が少なくなり、滑り性が低下することがある。
【0019】
本発明に用いる高級脂肪酸系化合物の配合量は、顔料100重量部に対し、0.3〜5.0重量部配合する。0.3重量部未満では、顔料表面を十分に覆うことが出来ず、滑り性が低下することがある。一方、5.0重量部を越えると、塗被層の塗膜強度が低下することがある。高級脂肪酸系化合物の配合量のより好ましい範囲は、0.3〜3.0重量部である。
【0020】
本発明に係る塗工紙は、上記の紙基材の両面に主として顔料と水性接着剤からなる塗被液を塗工し、平滑化処理を施すことによって得られる。顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂並びにそれらの微小中空粒子や貫通孔型樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上が適宜選択して用いられる。
【0021】
接着剤としては、本発明で用いた接着剤の他に、水溶性及び/または水分散性の高分子化合物を指し、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エ−テル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコールのような合成高分子化合物等が挙げられる。そして、これらの中から塗工紙の品質目標に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
【0022】
この塗被液中には、これらの他に各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、撥水剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜使用することも可能である。
【0023】
塗被液の塗工量については、本発明に係る塗工紙の使用目的に応じて選択されるものであるが、一般的には、基材表面の凹凸を完全に覆う程度が必要であり、乾燥重量で8〜40g/m2が適当である。また塗被層を形成する塗被方法としては一般に公知の塗被装置、例えばブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ等の装置が適宜用いられる。
【0024】
塗被層は、紙基材の両面に形成され、必要に応じ、1層あるいは必要に応じて2層以上の中間層を設け、多層構造にすることも可能である。なお両面塗工や多層構造にする場合、各々の塗被液が同一または同一塗工量である必要はなく、所要の品質レベルに応じて適宜調整して配合されればよく、特に限定されるものではない。また紙基材の片面に塗被層を設けた場合、裏面に合成樹脂層、顔料と接着剤等からなる塗被層や帯電防止層等を設けて、カール防止性、印刷適性付与、給排紙適性等を付与することも可能である。さらに紙基材の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、用途適性を付加して使用することも勿論可能である。
【0025】
本発明は、紙基材上に塗被層を設けた後、通常の乾燥工程や表面処理工程等で平滑化処理されて、水分が3〜10%、好ましくは4〜8%程度となるように調整して仕上げられる。
【0026】
また平滑化処理する際は、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ等の平滑化処理装置で行われる。またオンマシンやオフマシンが適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。
【0027】
平滑化処理を施した塗工紙は、印刷用紙の風合いを備えることが必要となるため、JIS Z8741に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度は50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。
【0028】
本発明に係る塗工紙は、印刷用紙はもとより、熱転写用紙や電子写真転写用紙等のノンインパクトプリンティング方式の画像記録用紙として使用しても、用紙の走行性を著しく向上させることが出来る。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「重量部」及び「重量%」を示す。なお以下の実施例および比較例で用いた接着剤および高級脂肪酸系化合物(以下、「滑剤」とも称す。)の成分と物性は表1および表2に示す。
【0030】
実施例1
〔基材の調製〕
LBKP(フリーネス(CSF)=500ml)70部、NBKP(フリーネス(CSF)=500ml)30部のパルプスラリーに、炭酸カルシウム10部、アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤(AKD)0.03部、さらに歩留まり向上剤として、ポリアクリルアミド0.03部、硫酸バンド0.5部を添加し、これらの混合物を白水で希釈して、固形分濃度1.1%の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機を用いて抄紙し、次いで、酸化澱粉(商品名 エースA 王子コーンスターチ社製)の液濃度5%のサイズプレス液を、塗布量が乾燥重量で2g/m2となるようにサイズプレス装置で塗布し、乾燥させて坪量が80g/m2の紙基材を得た。
【0031】
〔塗被液の調整と塗布〕
ウルトラホワイト90(成分;カオリン エンゲルハード社製)70重量部(固形分を示す。以下同様)とブリリアントS15(成分;軽質炭酸カルシウム白石カルシウム社製)30重量部に分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名アロンA−9 東亜合成社製)を0.2部(顔料100重量部に対する固形添加量を示す。以下同様)を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名;エースA、王子コーンスターチ社製)3.0重量部、スチレンーブタジエン共重合体ラテックス(商品名;OX1100 日本ゼオン社製)10部を添加、撹拌し、さらに高級脂肪酸系化合物としてハイミクロンG110(成分;エチレン−ビス−ステアリン酸アミド 中京油脂社製)1重量部を加えて、固形分濃度が50%の塗被液を調製した。用いた接着剤と高級脂肪酸系化合物の成分および物性を表1,2に示す。
【0032】
〔紙基材への塗被層の形成〕
得られた塗被液を、上記の紙基材の片面に乾燥重量で12g/m2となるようにブレードコータを用いて両面塗被し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップによりなるスーパーキャレンダに通紙して、JIS Z8741に基づく入射・受光角75度の白紙光沢度が65%になるように調整して、坪量が104g/m2の塗工紙を得た。得られた塗工紙の印刷時の給紙性、ブランケット汚れを評価し、その結果を表3に示す。
【0033】
実施例2
実施例1で、接着剤として商品名;OX1100を商品名;OX1101(日本ゼオン社製)に変更した以外は同様に塗工紙を作成し、評価した。
【0034】
比較例1〜3
実施例1で用いた接着剤:商品名;OX1100を、商品名;T1713(日本ゼオン社製)(比較例1)、商品名;OX1098(日本ゼオン社製)(比較例2)、商品名;OX1099(日本ゼオン社製)(比較例3)に変更した以外は同様に塗工紙を作成し、評価した。
【0035】
実施例3
実施例1で、高級脂肪酸系化合物として商品名;ハイミクロンG110(成分;エチレン−ビス−ステアリン酸アミド 中京油脂社製)の配合量を4重量部に変更した以外は同様に塗工紙を作成し、評価した。
【0036】
比較例4〜5
実施例1で、高級脂肪酸系化合物として商品名;ハイミクロンG110(成分;エチレン−ビス−ステアリン酸アミド 中京油脂社製)の配合量を、0.2重量部(比較例4)、7重量部(比較例5)に変更した以外は同様に塗工紙を作成し、評価した。
【0037】
実施例4〜5
実施例1で、高級脂肪酸系化合物として商品名;ハイミクロンG110(成分;エチレン−ビス−ステアリン酸アミド 中京油脂社製)を、商品名;ハイミクロンG270(実施例4)、商品名;KSL220(実施例5)に変更した以外は同様に塗工紙を作成し、評価した。
【0038】
比較例6〜9
実施例1で用いた高級脂肪酸系化合物として商品名;ハイミクロンG110(成分;エチレン−ビス−ステアリン酸アミド 中京油脂社製)を、商品名;ノプコートC104HS(比較例6)、商品名;ハイドリンZ−7−30(比較例7)、商品名;セロゾール428(比較例8)、商品名;ハイドリンP−7(比較例9)に変更した以外は同様に塗工紙を作成し、評価した。
【0039】
評価方法
[塗工紙の光沢度の測定]
光沢度を入射角と受光角が75度の条件で測定した。
測定器:商品名GLOSS METER MODEL GM−26D(村上色彩研究所社製)
【0040】
[塗工紙の印刷]
印刷機環境
環境:(1)10℃、30%RH
(2)20℃、65%RH
(3)30℃、80%RH
印刷速度:8000枚/時間
【0041】
(走行性)
環境(1)(2)(3)で8000枚印刷時の走行性を評価
◎:多数枚銜え込み発生0回。実用上問題なく、優れている。
○:多数枚銜え込み発生1〜3回。実用上問題ない。
△:多数枚銜え込み発生4回〜10回。実用上問題ある。
×:多数枚銜え込み発生11回以上。実用上問題あり、著しく劣っている。
【0042】
(ブランケット汚れ評価)
8000枚印刷後のブランケットの汚れを、下記の評価基準で評価した。
◎:汚れが観られない。実用上問題なく、優れている。
○:汚れがやや観られる。実用上問題ない。
△:汚れが頻繁に観られる。実用上問題ある。
×:汚れが著しく観られた。実用上問題あり、著しく劣っている。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る塗工紙は、白紙光沢度が高く、かつ印刷時に多数枚の用紙の重送が発生せず、給紙性に優れ、かつブランケット汚れの発生がなく、高品位な印刷物を得ることが出来、実用上極めて有用である。
Claims (2)
- 紙基材と、その少なくとも一面に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層とを設けてなる塗工紙において、前記接着剤は、ガラス転移温度20〜40℃、平均粒子径40〜120nmおよびゲル分率60〜90%の合成高分子化合物を用い、前記塗被層は、下記特性を有する高級脂肪酸系化合物を、顔料100重量部に対し、0.3〜5.0重量部用いた塗被液を塗工して形成され、かつ前記塗被層表面の光沢度が50%以上であることを特徴とする塗工紙。
平均粒子径0.1〜2.0μm
比重0.8〜1.0
軟化点80〜160℃ - 前記接着剤が、顔料100重量部に対し、5〜20重量部用いた請求項1記載の塗工紙。
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