JPH07214929A - 溶融型熱転写記録用受像体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱溶融インク型の熱転写記録方式を利用した溶
融型熱転写記録用受像体であって、特に高速バーコード
記録におけるインク受理性に優れ、バーコード記録画像
が鮮明であり、かつバーコード記録部の耐久性に優れた
溶融型熱転写記録用受像体を提供するものである。 【構成】支持体の少なくとも一面上にインク受像層が形
成され、該インク受像層の主成分が、ポリウレタンアイ
オノマーとロジン化合物からなる溶融型熱転写記録用受
像体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、熱溶融インク型の熱転
写記録方式を利用した溶融型熱転写記録用受像体に関
し、特に高速バーコード記録におけるインク受理性に優
れ、バーコード記録画像が鮮明であり、かつバーコード
記録部の耐久性に優れた溶融型熱転写記録用受像体に関
する。

【０００２】

【従来の技術】バーコード記録は、現在、デパートやス
ーパーマーケット等の製品管理、運送業における荷物の
管理、会社での勤怠管理など巾広い分野で利用されてい
る。産業分野で用いられるバーコード記録に対しては、
特に、記録の信頼性ならびに記録の耐久性（保存性）が
要求される。近年では、上記バーコード記録方式の他
に、電子写真記録、熱転写記録、あるいはインクジェッ
ト記録方式等各種の記録方式が存在し、それぞれに一長
一短がある。

【０００３】これらの記録方式の中で、インクジェット
記録方式は、印字部の水による汚染や紫外線による退色
が著しい。また、電子写真方式は、サランラップ等の可
塑剤に対するトナーの溶解が著しい。そこで、電子写真
やインクジェット記録方式に比較して、種々の耐久性に
優る熱溶融インク型の熱転写記録方式がバーコード記録
の手段として最近注目されている。また、この方式は、
記録媒体として普通紙を利用できる点が特徴とされてい
る。

【０００４】しかしながら、この熱転写方式もバーコー
ド記録部の耐水性、耐擦過性、耐改ざん性等に難点を抱
えており、それらの改良が望まれている。因みに、その
対策として、インクの組成を変更することで対応してい
るものの、いまだに満足のいくものではなく、記録媒体
サイド（受像シート）での改良が強く求められている。
具体的な難点の例としては、例えばバーコード記録部を
水に浸漬して、数時間放置するとインクが受像層から剥
離し浮遊する。あるいは、バーコード記録部をヘアトニ
ックで擦ると、インクを含む受像層の表面が剥がれる等
である。これらの現象は、受像シートの改良なしでは、
対応できないものである。また、バーコードの処理の高
速化に伴い、高速記録、鮮明画像、高解像度化等の要望
が強くなっている。このような要望に対し、記録用受像
シートとして普通紙（以下、記録用受像紙と呼称する）
を用いると受像層表面の平滑性やインク受理性の不足に
起因して転写ムラやドット抜け等の欠点が生じ易く難点
である。

【０００５】このために、記録用受像紙の表面平滑性を
改良する方法として、ベック平滑度を特定したり、特定
の顔料やバインダーを含有する熱転写受像層を設ける等
が行われている。しかし、これらの従来の方法は改良効
果がある程度認められるが、転写インクドットの抜けや
ドット形状の再現性不良等による画像鮮明性の低下等が
あり、完全には解消されていない。したがって、単にキ
ャレンダー処理等を強化して平滑性を高めたり、熱転写
受像層に顔料やバインダーを含有させるだけでは不十分
であり、上記欠点を解消して、バーコード記録部の耐久
性ならびにインクの転写性やドット再現性に優れ、鮮明
な記録画像が得られる溶融型熱転写記録用受像紙がいま
だに得られていないのが実状である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱溶融イン
ク型の熱転写記録方式に対応する受像シートとして、特
に、バーコード記録におけるインク受理性に優れ、バー
コード記録画像が鮮明で、かつバーコード記録部の耐久
性に優れた溶融型熱転写記録用受像体を提供するもので
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、支持体の少な
くとも一面上にインク受像層が形成され、該インク受像
層の主成分が、ポリウレタンアイオノマーとロジン化合
物からなることを特徴とする溶融型熱転写記録用受像体
である。

【０００８】

【作用】本発明者等は、バーコードの記録において、特
にインクの受理性に優れ、ドット抜け、ドット滲み、ド
ットのブリッジングのない鮮明画像で、さらに記録部の
耐久性に優れた溶融型熱転写記録用受像紙を得るために
鋭意検討を行った。その結果、支持体の少なくとも一面
上にインク受像層が形成され、該インク受像層の主成分
が、ポリウレタンアイオノマーとロジン化合物からなる
塗被層を設けてなる溶融型熱転写記録用受像体は、上記
の如き特性を全て満足することを見出し、本発明を完成
するに至った。

【０００９】而して、本発明は、前記した如く支持体
（以下の記述は、基紙を支持体とした場合について述べ
る）の少なくとも一面上にインク受像層を形成し、該イ
ンク受像層がポリウレタンアイオノマーとロジン化合物
を主成分とする層からなることを特徴とするものであ
る。一般に、溶融型熱転写記録では、プリンターのヘッ
ドを加熱して、リボン上のワックスを、溶融し、受像層
へ転写するという機構を採っている。そこで、インク受
像層の軟化温度を転写されるリボンのワックスの軟化温
度に近くすることを試み鋭意検討を重ねた結果、ガラス
転移温度が９０℃以下のポリウレタンアイオノマーが、
インクの受理性に優れていることを見出した。因みに、
ガラス転移温度が９０℃を越えると、インクの受理性が
低下し、所望の記録品質を得ることができない。

【００１０】また、バーコード記録では、記録部のより
優れた堅牢性が要求される。ポリウレタンアイオノマー
は、印刷インキとの密着性には優れるが、堅牢性の点で
は、必ずしも十分ではない。そこで、記録部の堅牢性を
向上させるべく鋭意検討を重ねた結果、軟化温度が１３
０℃以下であるロジン化合物が、記録部の堅牢性を著し
く向上させ、かつインクの受理性も阻害しないことが明
かとなった。

【００１１】従来、転写インクの組成が、ワックスであ
るため、親和性の関係上、同類のワックスを受像層に配
合する試みが主流であったが、十分なインクの受理が得
られていない。これは、溶融して受像層へ転写されたワ
ックスが、転写リボンと受像層との剥離時、リボン側へ
再度転写されるためである。他方、受像層へロジン化合
物を用いた場合には、粘着性があるために溶融して受像
層へ転移してきたワックス（色材インクを含む）は、転
写リボンと受像層との剥離時、リボン側へ再度転写され
ることなく、受像層上に受理されると推測される。な
お、ロジン化合物の軟化温度が１３０℃を越えると、イ
ンク受理性が著しく低下する。より好ましい軟化温度は
８０℃以下である。

【００１２】また、ポリウレタンアイオノマーは乳化剤
を用いることなく、樹脂自体のイオン性によって、微粒
子状に水中に分散した形態の高性能水性樹脂である。そ
して、本発明で使用されるポリウレタンアイオノマーの
具体例としては、例えば、大日本インキ化学社製のハイ
ドランＨＷ３４０に代表されるハイドランＨＷシリー
ズ、ハイドランＡＰ−３０Ｆに代表されるハイドランＡ
Ｐシリーズ、第一工業製薬社製のスーパーフレックス１
００に代表されるスーパーフレックスシリーズ等が挙げ
られる。一方、ロジン化合物の具体例としては、中京油
脂社製のセロゾールＤ−１０１に代表されるセロゾール
Ｄシリーズ、荒川化学工業社製のエマルジョン、スーパ
ーエステルＥ−７２０に代表されるスーパーエステル
Ｅ，ＳＥ−５０、超淡色ロジン−エステルＫＲ６１０、
ＫＥ−３１１、ＫＥ−３５４等が挙げられる

【００１３】なお、ポリウレタンアイオノマーとロジン
化合物の使用割合については特に限定するものではない
が、固形分対比でポリウレタンアイオノマー１００重量
部に対しロジン化合物は５〜８０重量であることが望ま
しい。因みに、８０重量部を越えると、受像層の印刷イ
ンクとの密着性が低下する。他方、５重量部未満では、
堅牢性が低下する。

【００１４】また、インク受像層中には、事務適性（筆
記適性や捺印適性）、印刷適性などをより向上させるた
めに、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、タルク、カオリン、焼成カオリン、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミ
ナ、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシ
ウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシ
ウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ベントナイト、ゼ
オライト、セリサイト等の鉱物質顔料やポリスチレン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂等を、本発
明の所望の効果を損なわない範囲で適宜使用することが
できる。

【００１５】さらに、インク受像層中には、必要に応じ
て、水溶性高分子、例えばカチオン性澱粉、両性澱粉、
酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化
澱粉、エ−テル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の
天然あるいは半合成高分子化合物；ポリビニルアルコー
ル、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリ
ジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライ
ド、酢酸ビニル、スチレン、（メタ）アクリル酸、（メ
タ）アクリル酸エステル、（メタ）アクリルアミド、メ
チルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等
の合成高分子化合物等が例示できる。そして、これらの
中から溶融型熱転写受像紙の品質目標に応じて１種ある
いは２種以上が適宜選択して使用される。

【００１６】インク受像層中には、これらの他に各種助
剤、例えば界面活性剤、ｐＨ調節剤、粘度調節剤、柔軟
剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導
電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、
蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化
剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜
添加使用される。

【００１７】本発明において、受像層の塗被量（乾燥重
量）は、片面１〜７ｇ／ｍ² 以下、好ましくは１．５〜
４ｇ／ｍ² であり、微塗工タイプに特定するものであ
る。因みに、塗被量が１ｇ／ｍ² 未満では、所望とする
鮮明なバーコードの記録画像および記録部の耐久性が得
られず、一方７ｇ／ｍ² を越えると、普通紙としての外
観が損なわれる。インク受像層の塗抹方法については特
に限定されず、例えばツ−ロ−ル式、またはメ−タリン
グブレ−ド式のサイズプレス、ゲ−トロ−ル、ビルブレ
−ド、ショ−トドウェルコ−タ、ロ−ルコ−タ、ブレ−
ドコ−タ、エアーナイフコータやスプレ−等の装置が適
宜使用される。

【００１８】本発明では、支持体となる基紙として、填
料を全パルプ繊維に対して５〜３０重量％、好ましくは
１０〜２５重量％含有させるが、これは填料がパルプ繊
維間に都合良く内在し、適度な空隙とクッション性を基
紙に付与し、受像紙の特性を飛躍的に向上させる機能を
有するためである。一方、填料が３０重量％を越える
と、紙層間強度が極端に弱くなってしまい、バーコード
記録部の耐久性が、低下する。

【００１９】なお、填料としては、一般に上質紙に用い
られる各種の顔料、例えばカオリン、焼成カオリン、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化
チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウ
ム、シリカ、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト等
の鉱物質顔料やポリスチレン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。

【００２０】なお、紙料中にはパルプ繊維や填料の他
に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から
使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオ
ン性あるいは、両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力
増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じ
て適宣選択して使用される。更に、染料、蛍光増白剤、
ｐＨ調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライム
コントロール剤等の抄紙用内添助剤も紙の用途に応じて
適宣添加する。

【００２１】支持体となる基紙の抄紙方法については特
に限定するものではなく、例えば抄紙ｐＨが４．５付近
である酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料
を主成分として含み抄紙ｐＨを約６の弱酸性〜約９の弱
アルカリ性とする中性抄紙法等の全ての抄紙方法に適用
することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー
抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宣使用して抄
紙される。本発明において、支持体としては上記の如
き、パルプ繊維を主成分とする基紙の他に、合成紙、不
織布、合成樹脂フィルム等も適宜使用することもでき
る。

【００２２】支持体上にインク受像層を形成するに当た
り、受像層を１層、あるいは必要に応じて２層以上の多
層構造にすることも可能である。なお、多層構造にする
場合、各々の塗被液が同一である必要はなく、所要の品
質レベルに応じて適宜調整して配合されればよく、特に
限定されるものではない。また、支持体の裏面に合成樹
脂層や顔料と接着剤等からなる塗被層、帯電防止層等を
設けてカール防止、印刷適性付与、給排紙適性等を付与
することもできる。さらに、支持体の裏面に種々の加
工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑
等の後加工を施すことにより、各種の用途適性を付加す
ることも勿論可能である。

【００２３】本発明の溶融型熱転写記録用受像紙は、通
常の乾燥工程や表面処理工程等で平滑化処理されて、水
分が３〜１０重量％、好ましくは４〜８重量％程度とな
るように調整して仕上げられる。なお、平滑化処理を施
す際に、ベック平滑度を１５０秒以上に調整することに
より、一層顕著な高品位な記録画像が得られる。ベック
平滑度が１５０秒以下になるとインクの転写性の低下お
よびドットの欠け等が増し、バーコード記録画像が低下
する恐れがある。また、溶融型熱転写記録用受像紙を平
滑化処理する際は、要求される品質に応じてスーパーキ
ャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトキャレンダー
等の平滑化処理装置を用いて、オンラインやオフライン
で適宜処理される。加圧装置の形態、加圧ニップの数
は、用いられる平滑化処理装置に応じて適宜調節され
る。

【００２４】

【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、それらの範囲に限定されるものでない。
なお、例中の「部」及び「％」は特に断わらない限り、
「重量部」及び「重量％」を示す。

【００２５】実施例１ ＮＢＫＰ（フリーネス ＝480ml)５部、ＬＢＫＰ（フリーネス ＝48
0ml ）９５部のパルプスラリーに、填料としてタルク１
７部、ロジンエマルジョンサイズ剤１．５部、硫酸バン
ド２部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してｐＨ
５．３、固形分濃度１．１％の紙料を調製した。この紙
料を長網抄紙機を用いて抄紙し、次いで下記配合の塗被
液を、塗被量が乾燥重量で７．０ｇ／ｍ² となるように
サイズプレス装置で塗被、乾燥させ、米坪１１５ｇ／ｍ
² の記録用受像紙を調製し、さらにスーパーキャレンダ
ーで平滑化処理して、ベック平滑度が４００秒の熱転写
記録用受像紙を得た。

【００２６】 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 軽質炭酸カルシウム ＴＰ−１２１（奥多摩工業社製） １００部 ポリウレタンアイオノマー ハイドランＡＰ−３０Ｆ ２００部 （大日本インキ化学社製／ガラス転移温度：６１℃） ロジン化合物 セロゾールＤ−１０１ １００部 （中京油脂社製／軟化温度：７８℃） ポリビニルアルコール ＰＶＡ−１１７（クラレ社製） ２０部

【００２７】実施例２ 塗被液の配合を下記の如く変更した以外は、実施例１と
同様にして熱転写記録用受像紙を得た。 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 重質炭酸カルシウム ＳＳ−２２００（備北粉化社製） １００部 ポリウレタンアイオノマー ハイドランＡＰ−３０Ｆ ２００部 （大日本インキ化学社製／ガラス転移温度：６１℃） ロジン化合物 スーパーエステルＥ−７２０ １５０部 （荒川化学工業社製／軟化温度：１００℃） ポリビニルアルコール ＰＶＡ−１１７（クラレ社製） ２０部

【００２８】実施例３ 塗被液の配合を下記の如く変更した以外は、実施例１と
同様にして熱転写記録用受像紙を得た。 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 軽質炭酸カルシウム ＴＰ−１２１（奥多摩工業社製） １００部 ポリウレタンアイオノマー ハイドランＡＰ−３０Ｆ ２００部 （大日本インキ化学社製／ガラス転移温度：６１℃） ロジン化合物 セロゾールＤ−１８８ ２０部 （中京油脂社製／軟化温度：１２４℃） ポリビニルアルコール ＰＶＡ−１１７（クラレ社製） ２０部

【００２９】実施例４ ＮＢＫＰ（フリーネス ＝480ml)５部、ＬＢＫＰ（フリーネス ＝48
0ml ）９５部のパルプスラリーに、填料として軽質炭酸
カルシウム（商品名；ＴＰ−１２１、奥多摩工業社製）
を１５部添加し、さらに、硫酸バンド０．５部、カチオ
ン性澱粉を０．５部、アルキルケテンダイマ−を０．５
部を添加し、これらの混合物を白水で希釈したのち、ア
ニオン性ポリアクリルアミドを０．０２部添加してｐＨ
７．９、固形分濃度が１．１５重量％の紙料を調製し
た。この紙料を長網抄紙機を用いて抄紙し、次いで下記
配合の塗被液を、塗被量が乾燥重量で７．０ｇ／ｍ² と
なるようにサイズプレス装置で塗被、乾燥させ米坪１１
５ｇ／ｍ² の記録用受像紙を調製し、さらにスーパーキ
ャレンダーで平滑化処理して、ベック平滑度が４００秒
の熱転写記録用受像紙を得た。

【００３０】 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 軽質炭酸カルシウム ＴＰ−１２１（奥多摩工業社製） １００部 ポリウレタンアイオノマー ハイドランＡＰ−４０ ２００部 （大日本インキ化学社製／ガラス転移温度：４９℃） ロジン化合物 セロゾールＤ−１０１ １００部 （中京油脂社製／（軟化温度：７８℃） ポリビニルアルコール ＰＶＡ Ｒ−１１３０（クラレ社製） ２０部

【００３１】比較例１ 塗被液を下記に変更した以外は、実施例１と同様にして
熱転写記録用受像紙を得た。 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 軽質炭酸カルシウム ＴＰ−１２１（奥多摩工業社製） １００部 酸化澱粉 エースＡ ２００部 （王子コーンスターチ社製／熱分解）

【００３２】比較例２ 塗被液を下記に変更した以外は、実施例１と同様にして
熱転写記録用受像紙を得た。 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 重質炭酸カルシウム ＳＳ−２２００（備北粉化社製） １００部 ＳＢＲラテックス Ｔ−０３８ １０部 （日本合成ゴム社製／（ガラス転移温度：−１４℃）

【００３３】比較例３ 塗被液を下記に変更した以外は、実施例１と同様にして
熱転写記録用受像紙を得た。 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 重質炭酸カルシウム ＳＳ−２２００（備北粉化社製） １００部 澱粉 エースＡ ２００部 （王子コーンスターチ社製／熱分解） ロジン化合物 セロゾールＤ−１０１ １００部 （中京油脂社／軟化温度：７８℃）

【００３４】比較例４ 塗被液を下記に変更した以外は、実施例１と同様にして
熱転写記録用受像紙を得た。 〔塗被液配合〕 （商 品 名） （固形分） 軽質炭酸カルシウム ＴＰ−１２１（奥多摩工業社製） １００部 ポリウレタンアイオノマー ハイドランＡＰ−３０Ｆ ２００部 （大日本インキ化学社製／ガラス転移温度：６１℃）

【００３５】かくして得られた熱転写記録用受像紙につ
いて、それぞれ下記の方法により測定および品質評価を
行い、得られた結果を表１に示した。

【００３６】（記録画像のバーコード品位の評価）バー
コード記録画像面について、ドットアナライザー（DA−
3000）により30倍に拡大し、バーの欠損やシャープ性
（滲み、細り）の程度を下記の評価基準で目視評価し
た。 ◎ ：バーがシャープで抜けがなく極めて優れている。 ○ ：バーの滲み、細りや抜けが殆どなく良好である。 △ ：バーの滲み、細りや抜けがあり僅かに劣ってい
る。 × ：バーの滲み、細りや抜けが多く劣っている。

【００３７】（記録画像の耐水性の評価）記録部の耐水
性について、３日間水に浸漬させ、記録部を指で擦りバ
ーの剥がれを目視評価した。 ◎ ：バーの剥がれが見られない。 ○ ：バーの剥がれが殆どなく良好である。 △ ：バーの剥がれが多く見られる。 × ：バーの剥がれが著しく見られる。

【００３８】（記録画像の耐ヘアトニック性の評価）記
録部の耐ヘアトニック性について、記録部をヘアトニッ
クを含浸させた綿花で、荷重５００ｇ／ｃｍ² を掛け２
０回擦りバーの欠損を目視評価した。 ◎ ：バーの欠損が見られない。 ○ ：バーの欠損が殆どなく良好である。 △ ：バーの欠損が多く見られる。 × ：バーの欠損が著しく見られる。

【００３９】（オフセット印刷適性の評価） ドライの表面強度：Printing Ink SD50 T-13（東華
色素化学社製）を０．５CC練り、これで印刷して、表面
の剥け（印刷表面強度）を目視評価した。 ◎ ：表面の剥けが見られない。 ○ ：表面の剥けが殆どなく良好である。 △ ：表面の剥けが多く見られる。 × ：表面の剥けが著しく見られる。

【００４０】 ウェットの表面強度：Printing Ink S
D50 T-13（東華色素化学社製）を０．５CC練り、印刷前
に印刷面を水で湿らせた後、印刷し表面の剥けを目視評
価した。 ◎ ：表面の剥けが見られない。 ○ ：表面の剥けが殆どなく良好である。 △ ：表面の剥けが多く見られる。 × ：表面の剥けが著しく見られる。

【００４１】

【表１】

【００４２】

【発明の効果】表１における実施例から明らかなよう
に、本発明の溶融型熱転写受像紙は、記録画像面のバー
コードの滲み、細りおよび欠損がなく、かつ印刷適性な
らびに耐久性に優れた溶融型熱転写受像紙であった。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】支持体の少なくとも一面上にインク受像層
   が形成され、該インク受像層の主成分が、ポリウレタン
   アイオノマーとロジン化合物からなることを特徴とする
   溶融型熱転写記録用受像体。
2. 【請求項２】ポリウレタンアイオノマーのガラス転移温
   度が９０℃以下である請求項１記載の溶融型熱転写記録
   用受像体。
3. 【請求項３】ロジン化合物の軟化点が１３０℃以下であ
   る請求項１記載の溶融型熱転写記録用受像体。