JPH06278380A - 熱転写記録用受像紙 - Google Patents

熱転写記録用受像紙

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JPH06278380A
JPH06278380A JP5068289A JP6828993A JPH06278380A JP H06278380 A JPH06278380 A JP H06278380A JP 5068289 A JP5068289 A JP 5068289A JP 6828993 A JP6828993 A JP 6828993A JP H06278380 A JPH06278380 A JP H06278380A
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pulp
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JP5068289A
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English (en)
Inventor
Tomofumi Tokiyoshi
智文 時吉
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
Osamu Kitao
修 北尾
Hiromichi Yasuda
普道 安田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/215,340 priority patent/US5418057A/en
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高速記録あるいは高速読取りが必要とされる乗
車券等に好適な熱転写記録用受像紙を提供する。 【構成】(a)パルプ繊維として、叩解前のパルプの保
水度がJ. TAPPI No.26に準拠する測定値で12
5%以下、かつ下記およびの条件式を満たすパルプ
繊維が全パルプ繊維の50〜100重量%からなり、さ
らに(b)合成高分子樹脂として、ガラス転移点および
表面張力が、それぞれ−60〜−5℃、38〜58mN
/mである合成高分子樹脂を用いた熱転写記録用受像
紙。 :0.3 ≦ L ≦ 1.0 :0.3 ≦ d/D ≦ 0.8 L:J. TAPPI No.52に準拠して測定した長さ加
重平均繊維長(mm) D:顕微鏡写真法にて測定した平均繊維径(μm) d:顕微鏡写真法にて測定した平均ルーメン径(μm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱溶融インク型の熱転
写記録方式を利用した複写機、プリンタおよびファクシ
ミリ等で使用される受像紙に関し、特に高速記録あるい
は高速読取りが必要とされる乗車券、定期券、航空券等
の券紙類、POSラベル等のラベル類、およびプリペイ
ドカード等のカード類に好適な熱転写記録用受像紙に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA、FAの急速な進展に伴い、
電子写真方式や熱転写記録方式等の各種記録方式を利用
した複写機、プリンタやファクシミリ等が、それぞれの
用途に応じて利用されており、例えばCAD/CAM等
にも広く用いられている。このような熱転写記録方式に
おける画像形成には有色の色材が用いられ、通常色材を
溶融、蒸発、昇華させて記録媒体、例えば紙やフィルム
シート等の受像紙の上に転移させて粘着、吸着、染着作
用により記録画像を形成させている。
【0003】ところで、この種の記録方式の中でも色材
とワックス類、あるいは樹脂等で構成された熱溶融性イ
ンク層を有するインク転写シートをサーマルヘッドや通
電ヘッド等の発熱により溶融させ、色材を受像紙に転移
させて記録像を得る熱溶融型の熱転写記録方式は、特に
装置が簡便でコンパクト化が容易、さらにメンテナンス
フリー等といった利点を有することから、信頼性やセキ
ュリティの要求される乗車券、定期券、航空券等の券紙
類、POSラベル等のラベル類、およびプリペイドカー
ド等のカード類への利用が注目されている。また、熱溶
融型の転写記録方式は記録媒体として普通紙が利用でき
るといった特徴を有している。
【0004】しかし、このような熱転写記録方式も、他
の記録方式と同様に記録装置の性能改善や向上と相まっ
て、フルカラー記録、高速記録、鮮明画像、高解像度化
等への要望が強くなり、普通紙では満足できなくなって
きている。例えば、ラベル類においては、高速スピード
で記録されたバーコード等が読取り装置を用いて読取ら
れる際に、画像品質が悪くてドット抜けや線途切れ等が
数多く見られると、バーコード等を精度良く読取ること
ができなくなり、受像紙としては不合格である。また、
磁気記録方式を組み合わせた券紙、カード類において
は、カード類等を磁気ヘッドの内蔵された装置内を高速
で通過させたり、あるいは長期に亘って繰り返し使用さ
れたりするために、受像紙に転移された転写画像が擦れ
汚れたり、スクラッチ等によってドットの欠損等が生じ
ると、定着性や堅牢性が問題となり、カードとしての役
目を果たさなくなる。
【0005】このために、受像紙に関する多くの提案が
なされている。例えば、転写性を改良するために、受像
層表面のベック平滑度を特定したもの(特開昭59ー1330
92号、同59ー187892号)、特定のエマルジョンやラテッ
クスを含有する受像層を設けたもの(特開昭61−158497
号、同61−158498号)、あるいは特定の顔料とポリビニ
ルアルコールやラテックス等のバインダーを含有する受
像層を設けたもの(特開昭60−110489号、同60−192690
号、同61−217289号、同61−266296号、同61−284486
号、同62−32085 号、同62−257888号、特開平1 −2024
93号)等が挙げられる。しかしながら、これら従来の方
法でも、インク転写性の改良効果が完全に解消されては
いない。即ち、エッジ部の再現性や画像のシャ−プ性を
欠いて画像がボケたり、あるいは熱転写記録時にインク
転写シートと受像紙とが引き離される際のピックで受像
層表面が転写インクと共にまくれあがり、ドットが欠損
して線途切れ現象を起す等の難点を抱えており、満足す
べき記録画像が未だに得られていないのが実状である。
【0006】また、最近は熱転写記録用受像紙にグラビ
ア印刷やオフセット印刷等の印刷を施す機会も多くな
り、それに伴って受像紙の平滑性や表面強度、あるいは
不透明度等の品質に対する要求も厳しくなってきた。さ
らには、受像紙に起因して発生する紙粉による画像品質
の低下やプリンタでの通紙トラブル等も露呈しており、
これらトラブルの解消策が急務となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の如き
転写ムラ、線途切れやドット抜けがなく、インクの転写
受理性、再現性、鮮明性に優れ、しかも転写画像の定着
性、堅牢性に優れ、フルカラー記録は勿論、優れた高速
記録適性を有し、かつ優れた印刷適性を兼ね備えた、高
品位で高画質な熱転写記録用受像紙を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、パルプ繊維を
主成分とする基紙の片面に合成高分子樹脂を主成分とす
る塗被組成物を塗布または含浸して熱溶融性インクを受
理する受像層を設けた熱転写記録用受像紙において、
(a)該パルプ繊維として、叩解前のパルプの保水度が
J. TAPPI No.26に準拠する測定値で125%以
下、かつ下記およびの条件式を満たすパルプ繊維が
全パルプ繊維の50〜100重量%からなり、さらに
(b)該合成高分子樹脂として、ガラス転移点および表
面張力が、それぞれ−60〜−5℃、38〜58mN/
mである合成高分子樹脂を用いることを特徴とする熱転
写記録用受像紙である。 :0.3 ≦ L ≦ 1.0 :0.3 ≦ d/D ≦ 0.8 ここに、 L:J. TAPPI No.52に準拠して測定した長さ加
重平均繊維長(mm) D:顕微鏡写真法にて測定した平均繊維径(μm) d:顕微鏡写真法にて測定した平均ルーメン径(μm)
【0009】
【作用】本発明の支持体となる基紙は、原料であるパル
プの種類、その製造方法、叩解機の種類および処理条
件、添加薬品、抄造方法、またはキャレンダ等の後処理
方法等を適宜調整して製造される。これらの諸条件のう
ち、基紙の平滑性を得る上では、原料パルプの種類およ
び性質は特に重要な要素の一つである。例えば、後処理
工程のスーパーキャレンダ等による加圧処理で紙面の平
滑化はある程度達成されるものの、パルプの種類や性質
によっては、いくらキャレンダ処理を強化しても、画像
がシャープで、転写ムラのない高品位な熱転写記録用受
像紙が得られ難いという難点がある。
【0010】上記の如き実状より、本発明者等は、イン
ク転写シートと記録受像面の密着性を高め、転写ムラや
ドット抜けのない、インク転移性に優れ、高画質な熱転
写記録ができる受像紙について鋭意検討を重ねた。その
結果、所望の効果を得るためには、支持体となる基紙の
特性が重要であり、特に基紙にクッション性や平滑性を
付与させ、かつその基紙に特定の合成高分子樹脂を主成
分とするインク受像層を形成させることにより、パルプ
の特性と合成高分子樹脂の相乗効果によって、従来の技
術からは到底予想もできない顕著な効果が得られること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】第1に、本発明で使用するパルプの性質と
して、重要視すべき特性として保水度がある。ここに、
パルプの保水度とは、一定量のパルプ繊維が保有する水
の量で規定されるものであり、パルプの膨潤状態や有孔
度の定量的な尺度となるものである。具体的にはJ. T
APPI No.26に準拠する方法で測定される値であ
り、WRVと呼称されている。通常のパルプは、木材、
藁、バカス、竹、ケナフ等のリグノセルロース繊維を原
料として蒸解工程や、漂白工程を経て製造される。そし
て、原材料の種類やパルプの製造方法によって、相違は
あるものの、一般に漂白後のパルプ繊維の保水度は12
5〜200%であるといわれている。
【0012】本発明で使用するパルプ繊維の大半は、そ
の保水度が125%以下のものに特定され、膨潤性の非
常に低いパルプ繊維である。このようなパルプ繊維は、
繊維壁内への水分の浸透が少ないので、吸脱湿による繊
維の伸縮変化が少ない。そのことが、寸法安定性の向上
に有効に作用することは勿論のこと、繊維間の結合強度
が比較的小さく、かつ繊維間の接触点が少ないために、
基紙に適度な空隙とクッション性を付与させてくれるこ
とが分かった。さらに、このような特性を有すうパルプ
繊維を用いて基紙として仕上げられた場合、その断熱特
性が際立って改善され、かつサーマルヘッドや通電ヘッ
ドからの熱を受像層表面に程良く蓄熱させることがで
き、熱転写記録用受像紙としての品質特性向上を飛躍的
に向上させ得ることが分かった。
【0013】なお、このようなパルプ繊維を得るために
は、その種類や製造方法等について特に限定するもので
はないが、例えば、蒸解、漂白工程を経て製造されたス
ラリー状あるいは粥状のパルプ繊維(ウェットパルプ)
を乾燥機を用いて一旦シート状に乾燥したドライパル
プ、あるいは抄紙工程を経て少なくとも一度成紙とな
り、乾燥工程を経た古紙パルプ等が例示される。
【0014】因みに、本発明で特定されるパルプ繊維の
保水度が125%を越える場合、その値が大きくなるに
つれて紙層中の空隙やクッション性が次第に失われ、断
熱効果が乏しくなる。結果として、そのようなパルプを
用いて仕上げた受像紙では本発明が所望とするシャープ
で、ドット抜けのない高画質な熱転写受像層を形成させ
ることができないだけでなく、紙の伸縮度合が大きくな
るためにカールが生じ易くなり、プリンタでの走行トラ
ブル等の起因となる。一方、保水度が小さ過ぎると、紙
層中の空隙が多くなり過ぎ、繊維間の結合強度が極端に
小さくなり、紙層強度の低下や紙粉の発生につながる。
結果として、画像再現性の低下やピックによる画線部の
線途切れ現象が発生する恐れがあり、さらに、印刷効果
の低下も予想されるので、好ましくない。従って、パル
プ繊維の保水度としては、125%以下、より好ましく
は75〜120%程度のものが望ましい。
【0015】基紙の製造に際し、通常ウェットパルプは
紙料として抄紙機のワイヤーパートへ導かれ、抄紙工程
を経て、所謂紙シートとして仕上げられる。この場合、
紙料の調製法としてはウエットパルプ(ドライパルプの
場合はパルプを一旦離解してスラリー化し)を基紙に仕
上げた場合に適度の紙層強度や平滑性が得られるよう
に、各種レファイナー等の叩解機にかけて所要の叩解が
施され、必要に応じて各種の内添剤、染料、あるいは填
料等をパルプスラリーに適宜添加して、濃度が0.3〜
1重量%前後の紙料(パルプスラリー)として調製され
る。
【0016】なお、従来の熱転写記録用受像紙の場合、
その支持体である、基紙を構成するパルプ繊維は、その
保水度が叩解工程を経た後で通常160〜300%程度
のものが使用されている。それに対して、本発明者等は
本発明の所望の効果を得るためのパルプ繊維の特性につ
いて鋭意研究を行った。その結果、叩解処理に供する前
のパルプ繊維の保水度が極めて重要な要素となることを
見出した。
【0017】即ち、離解された時点における保水度(叩
解前)がJ. TAPPI No.26に準拠する測定値で1
25%以下であることが重要である。勿論、紙料の調製
に際しては、既述した如く、叩解機にかけて叩解が施さ
れることになるが、過度の叩解が施されると、上記の如
き特定のパルプ繊維であっても本来の特性が失われ、所
望の機能を発揮しない恐れがあるので、叩解後のパルプ
繊維の保水度として180%以下、好ましくは90〜1
60%程度の範囲に調整することが望ましい。
【0018】さらに、上記特定のパルプ繊維が下記お
よびの条件式を同時に満たすことが重要である。この
ような条件を満たすパルプ繊維を使用することにより、
得られた基紙は比較的嵩高な紙層構造、および優れたク
ッション性を有し、かつ均質で高平滑性を有する基紙が
極めて効果的に得られるものである。 :0.3 ≦ L ≦ 1.0 :0.3 ≦ d/D ≦ 0.8 L:J. TAPPI No.52に準拠して測定した長さ加
重平均繊維長(mm) D:顕微鏡写真法にて測定した平均繊維径(μm) d:顕微鏡写真法にて測定した平均ルーメン径(μm)
【0019】なお、上記の特定パルプ繊維の配合量とし
て、基紙を構成する全パルプ繊維中に50重量%以上、
より好ましくは60重量%以上含有せしめることが重要
である。因みに、50重量%未満の場合には、本発明が
所望とする適度な空隙とクッション性を有する基紙が得
られないだけでなく、その得られた基紙をキャレンダ等
による加圧処理を施しても十分な平滑化効果が期待でき
ない。結果として、本発明の所望とする転写ムラやドッ
ト抜けのない、高品位な受像紙を得ることができない。
以上より、パルプ繊維として、特定された保水度、物性
値、および配合量が全て満たされたときに、本発明の所
望とされる効果が極めて効率よく発揮されることが分か
った。
【0020】なお、上記およびの条件式を満たすパ
ルプ繊維としては、例えばカエデ、カバ、カシ、ナラ、
ブナ、アスペン、ユーカリ等の広葉樹を原料とするK
P、SP、AP法等によって得られる化学パルプが挙げ
られる。因みに、パルプ繊維の長さ加重平均繊維長(以
下、L値と呼称する)が1. 0mmを越えると、抄紙工
程での紙料の分散性が不良となり、地合が劣って均質な
受像層表面が得られ難い。一方、0.3mm未満になる
と、紙層強度が極端に小さくなって、紙粉が発生し易く
なり、紙粉による画像の低下やピックによる画線部の線
途切れ現象等の原因となり易い。しかも、印刷適性も低
下するので好ましくない。従って、L値として0.3〜
1.0mm、より好ましくは0.35〜0.85mmが
望ましい。
【0021】一方、の条件式において、d/D比が
0.8を越える場合には、地合が良好となり紙面の平滑
性は向上するものの、紙が潰れ易くなり、基紙のクッシ
ョン性が失われ、本発明の所望とする、ドット抜けがな
く、かつシャープで高画質な画像形成が行われない恐れ
がある。他方、0.3未満の場合には、繊維が硬くなり
過ぎて、紙が潰れ難く、紙面平滑性の低下や、画質の低
下が懸念される。さらに、紙層強度も小さくなる。従っ
て、d/D比としては0.3≦d/D≦0.8、より好
ましくは0.35≦d/D≦0.75であることが望ま
しい。
【0022】なお、パルプ繊維長の測定方法としては、
篩別法によるパルプ繊維長測定法(TAPPI−STD
T233 hm−82)や投影法によるパルプ繊維長測定法
(TAPPI−STD T232 hm−85)等があるが、本
発明でいうJ.TAPPI No.52に準拠する方法で長
さ加重平均繊維長を測定する方法は、これらの方法とは
異なり、高い検出力を持ち、繊維の幅、繊維壁の厚み、
繊維の柔軟性等の影響を受けることなく繊維長分布を自
動的に測定できるという特徴を有している。なお、本発
明の各実施例等における測定値はフィンランドのKAJ
AANI社製のFS−100型機を用いて測定したもの
である。
【0023】また、平均繊維径と平均ルーメン径につい
ては顕微鏡写真から測定した。顕微鏡写真を撮る際は、
パルプ繊維をアクリル樹脂で包埋し、ミクロトームで作
った薄い切片を用いて行い、各々について25本の繊維
を測り、平均値を求めた。
【0024】上記より、本発明においては、基紙を構成
するパルプ繊維の特性が極めて重要な要因の1つとなる
ものである。因みに、パルプの特定要件のうち、単に保
水度のみ満足しても、前記およびの条件式を満たさ
ない場合には、その効果が不十分となり易い。よって、
上記で特定される、パルプ繊維の保水度、繊維の特性条
件および、およびその配合量が全て満されるとき
に、それらの相乗効果によって、本発明が所望とする基
紙特性が極めて効果的に発揮されることが初めて分かっ
たのである。
【0025】なお、本発明においては、上記特定のパル
プ繊維を50重量%以上含有せしめる限り、必要によ
り、それ以外の化学パルプ繊維を適宜配合することがで
きる。さらに、SGP、RGP、BCTMP、CTMP
等の機械パルプや脱墨パルプ、あるいはケナフ、竹、
藁、麻等のような非木材パルプ、ポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維、ポリノジック繊維等の有機合成繊維、さ
らにはガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の
無機質繊維も使用できる。
【0026】本発明においては、紙料調製に際し、填料
をパルプ繊維分に対して2〜30重量%、より好ましく
は4〜25重量%含有せしめることにより、上記で特定
したパルプ繊維間に効果的に内在し、適度な空隙やクッ
ション性、あるいは平滑性の改善に有効であることが分
かった。このような条件で得られる基紙を用いて仕上げ
た受像紙は、とりわけ優れた断熱特性を示し、熱転写記
録受像紙として優れた品質特性を有するものであり、よ
り好ましい実施様態となり得る。
【0027】この場合の填料としては、特に限定するも
のではないが、例えばタルク、カオリン、クレー、焼成
カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボ
ン、アルミノ珪酸塩、無定形シリカ、セリサイト、ベン
トナイト、スメクタイト等の鉱物質填料やポリスチレン
樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子
等の有機合成填料等が挙げられ、さらに、古紙やブロー
ク等に含まれる填料も再生使用できる。なお、これらの
各種填料の中でも、JIS−K−6220で規定される見掛
比重が0.10〜0.50g/cm3 、より好ましくは
0.15〜0.45g/cm3 の多孔質填料が基紙の断
熱特性をより効率よく付加できるので、特に好ましく使
用される。
【0028】なお、紙料中にはパルプ繊維や填料の他
に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から
使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオ
ン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増
強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤が必要に応じて
適宜選択して使用される。また、染料、蛍光増白剤、p
H調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコ
ントロール剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜添
加することも可能である。さらに、澱粉、ポリビニルア
ルコール、カルボキシメチルセルロース、ラテックスお
よびそれらの誘導体あるいは変性物等の接着剤や各種表
面サイズ剤、顔料、染料、蛍光増白剤、帯電防止剤等を
用いて表面サイズすることも可能である。
【0029】抄紙方法については特に限定されず、例え
ば抄紙pHが4. 5付近である酸性抄紙法、あるいは炭
酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、
抄紙pHを約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性とする、
所謂中性抄紙法等全ての抄紙方法を適用することができ
る。
【0030】次に、本発明に係る重要な第2の要件とし
て、合成高分子樹脂について述べる。本発明で使用され
る合成高分子樹脂は、そのガラス転移点(以下、Tgと
呼称する)、および表面張力(以下、γと呼称する)
が、それぞれ−60〜−5℃、および38〜58mN/
mであることが重要な要件である。即ち、本発明では、
受像層として比較的軟らかい皮膜を形成せしめることに
より、合成高分子樹脂で形成された受像層表面はサーマ
ルヘッドからの熱で適度に可塑化(熱転移)して転写イ
ンクとの親和性が高められ、さらには受像層表面の濡れ
性の改善効果が優れるためにサーマルヘッドで溶融した
転写インクが受像層中に適度に浸透してインクの定着性
向上に著しく効果のあるものである。特に、インク転写
シート中の熱溶融成分(ワックス類等)の溶融している
時間が短いために、転写インクの受像層への浸透が不十
分となり易い、例えば4インチ/秒以上のスピードで高
速記録がなされる熱転写記録方式の場合にその効果が十
分に発揮されるものである。
【0031】なお、合成高分子樹脂のTgは、構成モノ
マーの種類、組成、構成比率(共重合率)や重合温度等
の重合条件によって、適宜調整し得るものである。例え
ば、ポリブタジエンのTgは約−90℃、ポリイソブチ
レンは約−73℃、ポリスチレンは約90℃、ポリメタ
クリル酸メチルは約105℃、ポリアクリル酸ブチルは
約−55℃、あるいはポリエチレンは約−125℃が一
般に知られている。また、これらの構成モノマーを適宜
組合わせ、重合温度等を種々調整する等して共重合体と
なし、そのTgを適宜調節することができる。例えば、
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは、印刷強度
や印刷光沢等に優れるために、製紙業界において紙塗工
用バインダーとして幅広く利用されているが、通常この
ようなバインダーのTgは0〜60℃程度のものが多
い。
【0032】他方、合成高分子樹脂の表面張力(γ)
は、例えば乳化重合時の乳化剤として使用される界面活
性剤あるいは保護コロイド(水溶性ポリマー)が合成高
分子樹脂の粒子表面へ吸着または化学的結合により形成
されて得た保護層の状態、あるいは粒子表面に吸着しな
いで遊離している乳化剤の残存量(濃度)等によって左
右される。勿論、合成高分子樹脂のγもTgと同様に、
その重合条件や粒子径、乳化剤の種類や量、さらに水溶
性塩類の添加等によって調整し得るものである。
【0033】因みに、本発明において、合成高分子樹脂
のTgが−5℃を越えると、受像層表面のインクとの親
和性が劣るためにドット抜けや線途切れ現象等が認めら
れ、ドット再現性が悪く画線部のシャープ性に欠けるよ
うになる。さらに、スクラッチによるドットの欠損や擦
れ汚れが起こり易くなり、定着性や堅牢性が劣る。一
方、−60℃未満だと受像紙のブロッキングの発生やイ
ンクの滲み現象、あるいは表面強度の低下による印刷適
性不良等の原因となり、好ましくない。
【0034】また、合成高分子樹脂のγが38mN/m
未満の場合には、受像層の転写インクに対する表面の濡
れ性が低下し、インクの転移不良や受像層表面でのイン
クの泳ぎ現象等が発生して、得られる画像の品質低下が
著しい。一方、58mN/mを越える場合には、インク
の転移性は増すものの、インク(ドット)が広がって滲
んだり、不均一な転写画像となり易い。さらに、合成高
分子樹脂の分散安定性が急激に悪化するために、塗工適
性の良い塗被組成物が得られない。上記より、合成高分
子樹脂のTgが、−60〜−5℃、より好ましくは−5
5〜−10℃、およびγが、38〜58mN/m、より
好ましくは40〜56mN/m程度にそれぞれ特定する
ものである。
【0035】なお、合成高分子樹脂としては、特に限定
されるものではなく、例えばスチレン/ブタジエン共重
合体、メタクリル酸エステル/ブタジエン共重合体、ア
クリルニトリル/ブタジエン共重合体、ポリブタジエ
ン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン等の合成ゴム
系やメタクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合
体、エチルアクリル酸エステル/アクリル酸エステル共
重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリ
アクリル酸エステル等のアクリル系、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、マレイン酸エステル/酢酸ビニル共重合
体、エチルアクリル酸エステル/酢酸ビニル共重合体、
ポリ酢酸ビニル等の酢酸ビニル系、塩化ビニル系、塩化
ビニリデン系、及びこれら重合体又は共重合体にカルボ
キシル基、水酸基、アミド基、アミノ基等の官能基を導
入した各種変性重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリイソプレン等のラテックスあるいはエマルション等
が挙げられる。そして、これらの中から熱転写記録用受
像紙の品質目標に応じて1種あるいは2種以上が適宜選
択して使用される。なお、これらの合成高分子樹脂の中
でも、合成ゴム系ラテックスは、受像層表面の接着強度
の改善や顔料の分散安定性に優れ、柔軟で弾力性に富ん
だフィルムを形成して転写インクの定着性やドット形状
の再現性に優れた効果を発揮するために、特に好ましく
使用される。
【0036】塗被組成物(受像層)中には上記特定の合
成高分子樹脂の他に、必要に応じて水溶性(又は水分散
性)の高分子化合物を併用することができるが、本発明
の所望の効果を得るためには、少なくとも特定の合成高
分子樹脂を、塗被組成物全固形分に対して、70重量%
以上、より好ましくは75重量%以上含有させることが
好ましい。
【0037】なお、前記の水溶性(又は水分散性)の高
分子化合物としては、例えばカチオン性澱粉、両性澱
粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、α化澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
等のセルロース誘導体、天然ゴム、ゼラチン、カゼイ
ン、大豆蛋白等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンイミン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミ
ド、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、ポリアミド−エ
ピクロロヒドリン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂等の合成高分子化合物等が例示でき
る。また、これらの他にも各種助剤、例えば界面活性
剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワ
ックス類、分散剤、流動変性剤、導電剤、安定化剤、帯
電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫
外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐
剤、香料等が必要に応じて適宜使用することも可能であ
る。
【0038】さらに、塗被組成物中には、必要に応じ
て、本発明の所望の効果を損なわない範囲でブロッキン
グ防止等の目的で少量の顔料を使用することもできる。
顔料としては、一般塗被紙に用いられる各種の顔料、例
えばカオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、水酸化
アルミニウム、サチンホワイト、重質炭酸カルシウム、
軽質炭酸カルシウム、ケイソウ土、焼成ケイソウ土、融
剤焼成ケイソウ土、ゼオライト、ホワイトカーボン、無
定形シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、
炭酸亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、炭酸マグネシ
ウム、シリカ、コロイダルシリカ、ベントナイト、ゼオ
ライト、セリサイト等の鉱物質顔料やポリスチレン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂等の微粒子、及び微小中空粒子やその他の
有機系顔料等が挙げられる。
【0039】塗被組成物の塗被量または含浸量として
は、乾燥重量で片面当たり1〜5g/m2 、より好まし
くは1.5〜4.5g/m2 の範囲が望ましい。因み
に、1g/m2 未満の場合は、本発明の所望の効果が得
られ難い。一方、5g/m2 を越えると、受像層表面が
ブロッキングし易くなり、また、インクの滲みによる画
線部のシャープ性不良等の原因となる恐れが有り、好ま
しくない。
【0040】なお、塗被方法としては、一般に公知公用
の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコー
タ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコー
タ、チャンプレックスコータ、カーテンコータ、ダイス
ロットコータ、グラビアコータ、ブラシコータ、ツーロ
ール、あるいはメータリングブレード式のサイズプレス
コータ、ショートドウェルコータ、ビルブレードコー
タ、ゲートロールコータ、スプレー等の装置が適宜用い
られる。これらの装置はオンマシンコータ、あるいはオ
フマシンコータの形式で塗被、または含浸される。
【0041】かくして調製される熱転写記録用受像紙
は、通常の乾燥工程や表面処理工程等で平滑化処理され
て、TAPPI−STD UM 403に定めるZ軸強度が
0.05〜0.18ft・lb、より好ましくは0.08〜
0.16ft・lb程度の範囲、かつ水分が3〜10重量
%、より好ましくは4〜8重量%程度となるように調
整、仕上される。
【0042】なお、平滑化処理を施す際には、上記品質
を満足させると同時に、さらに受像紙表面のJIS−B
0601に定める十点平均粗さ(RZ )が3〜15μm、よ
り好ましくは5〜12μmの範囲となるように調整する
ことによって、本発明が所望とする、より一層優れた、
高品位な記録画像を得ることができる。因みに、受像紙
表面の十点平均粗さが15μmを越えると、用紙の平滑
性が劣るようになり、ドット抜けや画質の低下が懸念さ
れる。一方、3μm未満になるまで平滑化を進めると、
結果として、基紙の持つクッション性や断熱特性等の特
性が失われ、インクの転移不良、受像層表面でのインク
泳ぎや濃淡ムラが発生し易くなり、好ましくない。ま
た、インクの定着性が劣るようになり、かつスクラッチ
によるドットの欠損や擦れ汚れ等の原因となり易い。
【0043】ここで特定する十点平均粗さとは、万能表
面形状測定器SE−3C〔(株)小坂研究所製〕を使用
し、JIS−B0601に定める方法に準じて、基準長さ8
mmで測定した。かかる表面粗さの測定方法は、触針の
上下動を電気的量に変換し、紙面の凸凹、即ち平滑性を
読み取ったものである。そのため、一般的な空気漏洩式
の平滑度測定器であるベック平滑度計やパーカープリン
トサーフ等の測定器では困難とされていた細かな紙面の
粗さを、紙の透気性の影響を受けることがなく正確に測
定ができた。しかも、本発明者等の詳細な検討結果によ
れば、受像紙表面のうねりをカットオフして求める中心
線平均粗さの値より、この十点平均粗さの測定値の方が
本発明の所望する平滑化処理の効果と極めて相関性の高
いことが明らかとなっている。
【0044】なお、熱転写記録用受像紙を平滑化処理す
る際は、特に無理をすることなく通常のスーパーキャレ
ンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ等の平滑化
処理装置で行われる。特に50℃以上、より好ましくは
80℃以上に加熱された金属ロールと加熱又は非加熱の
弾性ロールで構成された加圧ニップ間に通紙して平滑化
処理すれば、より望ましい結果が得られる。また、オン
マシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、
加圧ニップの数等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜
調節される。
【0045】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論それらの範囲に限定されるものでは
ない。なお、例中の「部」および「%」は特に断らない
限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0046】〔パルプ繊維の各物性の測定〕パルプ繊維
の保水度および繊維形態について、下記の方法により測
定を行い、得られた結果を表1に示した。 (保水度)J.TAPPI No.26に準拠してパルプ繊
維の保水度(%)を測定した。
【0047】(長さ加重平均繊維長)J.TAPPI N
o.52に準拠してパルプ繊維の長さ加重平均繊維長(L
値;mm)を測定した。
【0048】(d/Dの測定)ミクロト−ムで作った2
5本のパルプ繊維の薄い切片を顕微鏡写真で撮影し、そ
の平均繊維径(D;μm)、および平均ル−メン径
(d;μm)を測定し、d/Dを算出した。
【0049】〔合成高分子樹脂の各物性の測定〕合成高
分子樹脂のTgおよびγについて、下記の方法により測
定を行い、得られた結果を表2に示した。 (Tg)示差走査熱量計(DSC−10/セイコー電子
工業社製)を用いて測定した。
【0050】(γ)ジュヌーイ氏表面張力計(大平理化
工業社製)を用いて測定した。
【0051】実施例1 〔基紙の調製〕LBKP(パルプのドライパルプ、フ
リーネス=CSF 480ml)90部、NBKP(パルプ
のドライパルプ、フリーネス=CSF 500ml)10
部を配合してなるパルプスラリーに、填料として焼成カ
オリン(見掛比重=0.34g/cm3 )を7部、硫酸バン
ドを2.0部、ロジンエマルジョンサイズ剤を1.2
部、およびカチオン性澱粉を1.5部添加し、これらを
白水で希釈した後、pH5.2、固形分濃度が0.95
%の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機を用いて抄
紙し、次いでサイズプレス装置を用いて、酸化澱粉と紡
錘状軽質炭酸カルシウムの塗被量が乾燥重量でそれぞれ
2g/m2 、1g/m2 となるようにサイズプレスコー
ティング後、乾燥し、3ニップのマシンキャレンダに通
紙して米坪が86.5g/m2 の基紙を得た。
【0052】〔塗被組成物の調製〕表2に示した樹脂A
100部に蛍光増白剤2部および水を加え、攪拌混合し
て、固形分濃度が30%の塗被組成物を調製した。
【0053】〔受像層の形成〕かくして得た塗被組成物
を上記の基紙の片面に、乾燥塗被量が3.5g/m2
なるように、エアーナイフコータを用いて塗被、乾燥
し、その後スーパーキャレンダを使用して、ニップ数1
1、金属ロールの温度50℃、ニップ線圧150Kg/
cmの条件下で平滑化処理して、米坪が90g/m2
熱転写記録用受像紙を得た。
【0054】実施例2〜4 実施例1の基紙の調製において、パルプ繊維の種類を変
更して、何れもドライパルプであるパルプ(実施例
2)、パルプ(実施例3)、およびパルプ(実施例
4)を使用し、それぞれ90部配合して基紙を調製した
以外は、実施例1と同様にして基紙、および受像紙を得
た。
【0055】実施例5 実施例1の基紙の調製において、パルプ配合を変更し
て、LBKP(パルプのドライパルプ、CSF 480m
l)70部、LBKP(パルプのウェットパルプ、C
SF 480ml)20部、およびNBKP(パルプのド
ライパルプ、CSF 500ml)を10部配合して基紙を
調製した以外は、実施例1と同様にして受像紙を得た。
【0056】実施例6〜9 実施例1の塗被組成物の調製において、合成高分子樹脂
の種類を変更して、表2に示した樹脂B(実施例6)、
樹脂C(実施例7)、樹脂D(実施例8)、樹脂E(実
施例9)を使用して塗被組成物を調製した以外は、実施
例1と同様にして受像紙を得た。
【0057】実施例10〜11 実施例1の受像層の形成において、塗被量を変更して、
乾燥重量で2g/m2(実施例10)、および6g/m
2 (実施例11)となるように塗被した以外は、実施例
1と同様にして受像紙を得た。
【0058】比較例1〜3 実施例1の基紙の調製において、パルプ繊維の種類を変
更して、何れもウェットパルプであるパルプ(比較例
1)、パルプ(比較例2)、およびパルプ(比較例
3)を使用し、それぞれ90部配合して基紙を調製した
以外は、実施例1と同様にして基紙および受像紙を得
た。
【0059】比較例4 実施例1の基紙の調製において、パルプ配合を変更し
て、LBKP(パルプのドライパルプ、CSF 480m
l)40部、LBKP(パルプのウェットパルプ、C
SF 480ml)50部、およびNBKP(パルプのド
ライパルプ、CSF 500ml)を10部配合して基紙を
調製した以外は、実施例1と同様にして受像紙を得た。
【0060】比較例5〜9 実施例1の塗被組成物の調製において、合成高分子樹脂
の種類を変更して、表2に示した樹脂F(実施例5)、
樹脂G(実施例6)、樹脂H(実施例7)、樹脂J(実
施例8)、樹脂K(実施例9)を使用して塗被組成物を
調製した以外は、実施例1と同様にして受像紙を得た。
【0061】比較例10 実施例1おいて、調製して得た基紙に塗被組成物を塗被
することなく、そのままスーパーキャレンダに通紙した
以外は、実施例1と同様にして受像紙を得た。
【0062】実施例12 〔基紙の調製〕LBKP(パルプのドライパルプ、C
SF 480ml)95部、NBKP(パルプのドライパ
ルプ、CSF 500ml)5部を配合したパルプスラリー
に、填料として球形状凝集軽質炭酸カルシウム〔見掛比
重=0.38g/cm3 〕とカオリン〔見掛比重=0.60
g/cm3 〕の混合填料(混合比2:1)を18部、硫
酸バンドを0.5部、カチオン性澱粉を1.5部、カチ
オン性ポリアクリルアミドを0.2部、およびアルキル
ケテンダイマーを0.2部添加し、これらの混合物を白
水で希釈してpH7.9、固形分濃度が1.05%の紙
料を調製した。この紙料をツインワイヤー抄紙機を用い
て抄紙し、米坪が86g/m2 の基紙を得た。
【0063】〔塗被組成物の調製〕樹脂Aの85部に、
ポリビニルアルコール15部、蛍光増白剤1部および水
を加え、攪拌混合して、固形分濃度が40%の塗被組成
物を調製した。
【0064】〔受像層の形成〕かくして得た塗被組成物
を上記の基紙の片面に、乾燥塗被量が4g/m2 となる
ようにゲートロールコータを用いて塗被乾燥し、その後
ソフトキャレンダを使用して、ニップ数4、金属ロール
の温度100℃、ニップ線圧200Kg/cmの条件下
で平滑化処理して米坪が90g/m2 の熱転写記録用受
像紙を得た。
【0065】実施例13 実施例12の塗被組成物の調製において、合成高分子樹
脂の配合部数を変更して、樹脂A75部と、ポリビニル
アルコール25部を配合して塗被組成物を調製した以外
は、実施例10と同様にして受像紙を得た。
【0066】比較例11 実施例12の塗被組成物の調製において、合成高分子樹
脂の種類を変更して、樹脂Lを使用して塗被組成物を調
製した以外は、実施例1と同様にして受像紙を得た。
【0067】かくして得られた24種類の熱転写記録用
受像紙について、下記の方法により品質測定および評価
を行い、得られた結果を表3に示した。
【0068】〔画像濃度の測定〕熱転写プリンタを用い
てバーコード印字、ベタ印字及び網点印字を有するテス
トパターンを転写記録し、得られた記録画像の黒色ベタ
印字部の濃度をマクベス濃度計(RD914型/マクベ
ス社製)にて測定した。
【0069】(記録面の転写ムラの評価)上記ベタ印字
部の転写ムラの程度を下記の評価基準により目視評価し
た。 ◎ : 濃淡ムラや泳ぎがなく優れている。 ○ : 濃淡ムラや泳ぎが殆どなく良好である。 △ : 濃淡ムラや泳ぎが認められ、僅かに劣ってい
る。 × : 濃淡ムラや泳ぎが数多く見られ、劣っている。
【0070】(記録面のシャープ性の評価)上記バーコ
ード印字した細線(エッジ部)のシャープ性を下記の評
価基準により目視評価した。 ◎ : ドットの滲みや線途切れがなく、細線がシャー
プで優れている。 ○ : ドットの滲みや線途切れが殆どなく、細線のシ
ャープ性は良好である。 △ : ドットの滲みや線途切れが認められ、細線が不
明瞭で、僅かに劣っているが実用上は問題ない。 × : ドットの滲みや線途切れが多く認められ、細線
が不明瞭で劣っている。
【0071】(記録面のドット再現性の評価)上記網点
印字部をドットアナライザー(DA−3000/KSシステ
ムズ社製)により30倍に拡大し、ドットの形状(真円
性)やドット抜けの程度を下記の評価基準により目視評
価した。 ◎ : ドットの抜けがなく、ドット形状が優れてい
る。 ○ : ドットの抜けが殆どなく、ドット形状が良好で
ある。 △ : ドットの抜けが認められ、ドット形状が僅かに
劣っているが実用上は問題ない。 × : ドットの抜けが多く、ドット形状が劣ってい
る。
【0072】(記録面の擦れ汚れの評価)上記バーコー
ド印字部を染色堅牢度用摩擦試験機(東洋精機製作所社
製)を用い、荷重200gにて100回擦過した後、汚
れの程度を下記の評価基準により目視評価した。 ◎ : 印字の汚れがなく優れている。 ○ : 印字の汚れが殆どなく良好である。 △ : 印字の汚れが認められ、僅かに劣っている。 × : 印字の汚れが顕著で、劣っている。
【0073】(印刷強度の評価)RI印刷適性試験機
(明製作所社製)を用いて印刷を行い、下記の評価基準
により目視評価した。 ◎ : ピックの発生がなく優れている。 ○ : ピックの発生が殆どなく良好である。 △ : ピックの発生があり、僅かに劣っている。 × : ピックの発生が多く、劣っている。
【0074】(記録紙の受像層表面の十点平均粗さの測
定)万能表面形状測定器(SE−3C/小坂研究所社
製)を用い、JIS−B0601に準拠して、基準長さ8m
mにおける受像層表面の十点平均粗さ(RZ :μm)を
測定した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】表3の結果から明らかなように、本発明
の実施例に係わる熱転写記録用受像紙は、特に転写ムラ
やドット抜けがなく、印字がシャ─プでドット再現性に
優れ、さらに、転写された印字の擦れ汚れの発生がな
く、堅牢性に優れ、かつ優れた印刷適性を有し、高画質
を形成し得る熱転写記録用受像紙であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 普道 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプ繊維を主成分とする基紙の片面に合
    成高分子樹脂を主成分とする塗被組成物を塗布または含
    浸して熱溶融性インクを受理する受像層を設けた熱転写
    記録用受像紙において、(a)該パルプ繊維として、叩
    解前のパルプの保水度がJ. TAPPI No.26に準拠
    する測定値で125%以下、かつ下記およびの条件
    式を満たすパルプ繊維が全パルプ繊維の50〜100重
    量%からなり、さらに(b)該合成高分子樹脂として、
    ガラス転移点および表面張力が、それぞれ−60〜−5
    ℃、38〜58mN/mである合成高分子樹脂を用いる
    ことを特徴とする熱転写記録用受像紙。 :0.3 ≦ L ≦ 1.0 :0.3 ≦ d/D ≦ 0.8 ここに、 L:J. TAPPI No.52に準拠して測定した長さ加
    重平均繊維長(mm) D:顕微鏡写真法にて測定した平均繊維径(μm) d:顕微鏡写真法にて測定した平均ルーメン径(μm)
  2. 【請求項2】合成高分子樹脂が合成ゴム系ラテックスで
    ある請求項1記載の熱転写記録用受像紙。
  3. 【請求項3】塗被組成物の塗被量が乾燥重量で片面当た
    り1〜5g/m2 である請求項1記載の熱転写記録用受
    像紙。
JP5068289A 1993-03-26 1993-03-26 熱転写記録用受像紙 Pending JPH06278380A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023077189A (ja) * 2021-11-24 2023-06-05 王子ホールディングス株式会社 紫外線レーザー印刷用媒体、印刷物、および加工品
WO2023224035A1 (ja) * 2022-05-17 2023-11-23 王子ホールディングス株式会社 紫外線レーザー印刷用媒体、印刷物およびその製造方法、加工品、並びにインク組成物
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JP2023169695A (ja) * 2022-05-17 2023-11-30 王子ホールディングス株式会社 紫外線レーザー印刷用媒体、印刷物およびその製造方法、加工品、並びにインク組成物
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