JP2004209965A - インクジェット記録用塗工紙及びその記録物 - Google Patents

インクジェット記録用塗工紙及びその記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録において、コックリングがなく、白紙の光沢感と同様な傾向のインクジェット印字の画像光沢を示し、オフセット印刷物の風合い有するインクジェット用塗工紙を提供する。
【解決手段】シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有することを特徴とする。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷が可能であるインクジェット記録用塗工紙であり、特に、且つインクジェット記録を行った場合のコックリングがなく、白紙の光沢感に近いインクジェット印字の画像光沢を示し、オフセット印刷物の風合い有するインクジェット用塗工紙及びその記録物に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターで作成した画像情報等を記録紙に表示する手段として、熱や圧力を駆動源としてノズルより溶液状のインクを記録紙上に吐出させ、インクにより画像を形成して印刷を行うインクジェット記録方式等が使用されている。特に近年ではインク滴の制御とインクの開発、及び受容層の性能向上に伴い銀塩写真並みの画像を得られるまでに進歩している。
インクの発色性及び再現性を高める目的で、媒体の記録表面に無定形シリカをはじめとする種々の多孔質無機顔料類を塗布した記録用紙(特開昭55−51583号公報、特開昭56−148585号公報)が開示されている。また、にじみを抑えて高精細の画像を得る目的で、前記の多孔質顔料の物性を特定(特開昭58−110287号公報、特開昭59−185690号公報、特開昭61−141584号公報)して用いる等の改良が提案されている。さらに、記録体に水等が付着したとき、インクがにじむことがないように、インク中の染料と反応して不溶性レーキを形成するするカチオン性高分子及び水溶性金属塩をインク記録画像に付与する方法(特開昭55−150396号公報)、ポリカチオン高分子電解質を記録表面に含有させておく方法(特開昭56−84992号公報)、及び樹脂型染料固着剤等を記録表面に塗布する方法(特開昭60−161188号公報)などが提案されてきた。
しかしながら、このような一般的な記録媒体はインクジェットインクの印画性は良好なものの、シリカの配合比が大きいため、白紙部の光沢が低く、且つ印画部の光沢も低いものである。また、原紙層がインクの溶媒を吸収することによってコックリングが発生するため、得られる画像は通常のオフセット印刷やグラビア印刷などの印刷物とは異なった質感を持つものである。
一方、インクジェット記録用シートとして、オフセット印刷適性を付与したものもいくらかある。特開2000−247016号公報(特許文献1)には、紙支持体に、特定のカチオン化合物を塗布・含浸させたものがあるが、白紙部の光沢感が低く、オフセット印刷物との風合いが大きく異なるものである。特開2000−256992号公報(特許文献2)には、紙支持体上に、顔料塗被層を設けた印刷用顔料塗被紙の表面にカチオン性染料定着剤を塗布したカチオン層を設けた構成であるが、後から塗布するカチオン性染料定着剤の一部が顔料塗被層に浸透することにより、インクジェット記録を行った際、滲み等が発生し易い。
特開2000−247016号公報 特開2000−256992号公報
本発明の目的は、オフセット印刷が可能であるインクジェット記録用塗工紙であり、特に、且つインクジェット記録を行った場合のコックリングがなく、白紙の光沢感に近いインクジェット印字の画像光沢を示し、オフセット印刷物の風合い有するインクジェット用塗工紙及びその記録物を提供するものである。
本発明者らは上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、特定の顔料を用いた記録層を形成することにより、光沢性が高く、またコックリングが発生し難く、オフセット印刷用紙の風合いを有するインクジェット画像光沢を得られることを見出し、本発明(イ)を達成するに至った。
(1)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、且つ、記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上であることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は35以下であることが好ましく、また、L/W値は5以上であることが好ましい。
(2)記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料の含有量が、30質量部以上である(1)記載のインクジェット記録用塗工紙。
なお、前記顔料の含有量が35重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましい。
(3)インクジェット記録用塗工紙の、イソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下である(1)又は(2)記載のインクジェット記録用塗工紙。
なお、好ましくは19g/m以下である。
(4)平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである(1)〜(3)の何れかに記載のインクジェット記録用塗工紙。
(5)記録層にインクの定着剤を含有させた(1)〜(4)の何れかに記載のインクジェット記録用塗工紙。
また、本発明者らは更に研究を重ねた結果、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、特定の顔料を用いた記録層を形成し、特定の材料のコッブサイズ度を規定することにより、コックリングの発生がなく、白紙光沢に近いインクジェット画像光沢が得られ、オフセット印刷用紙の風合いを有するインクジェット画像を得られることを見出し、本発明(ロ)を達成するに至った。
(6)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、且つインクジェット記録用塗工紙のイソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下であることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は35以下であることが好ましく、また、L/W値は5以上であることが好ましい。そして、コッブサイズ度は19g/m以下が好ましい。
(7)記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料の含有量が、30質量部以上である(6)記載のインクジェット記録用塗工紙。
なお、前記顔料の含有量が35重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましい。
(8)平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである(6)又は(7)記載のインクジェット記録用塗工紙。
(9)記録層にインクの定着剤を含有させた(6)〜(8)の何れかに記載のインクジェット記録用塗工紙。
更に、本発明者らは更に研究を重ねた結果、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、特定の顔料から選ばれる顔料を含有する第1記録層、及び特定の顔料を用いた第2記録層を形成することにより、コックリングの発生がなく、インキ吸収性が優れ、白紙光沢に近いインクジェット画像光沢が得られ、オフセット印刷用紙の風合いを有するインクジェット画像を得られることを見出し、本発明(ハ)を達成するに至った。
(10)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層が、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種と接着剤を含有する第1記録層、第1記録層上に形成され、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料と接着剤を含有する第2記録層からなることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は35以下であることが好ましく、また、L/W値は5以上であることが好ましい。
(11)第2記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料の含有量が、30質量部以上である(10)記載のインクジェット記録用塗工紙。
なお、前記顔料の含有量が35重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましい。
(12)インクジェット記録用塗工紙の、イソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下である(10)又は(11)記載のインクジェット記録用塗工紙。なお、好ましいコッブサイズ度は19g/m以下である。
(13)平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである(10)〜(12)の何れかに記載のインクジェット記録用塗工紙。
(14)記録層にインクの定着剤を含有させた(10)〜(13)の何れかに記載のインクジェット記録用塗工紙。
(15)記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上である(10)〜(14)の何れかに記載のインクジェット記録用塗工紙。
更にまた、本発明者らは更に研究を重ねた結果、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、特定の顔料を用いた記録層を形成し、更に中空型又は貫通型プラスチックピグメントを含有させることにより、白紙光沢が高いものとなり、コックリングの発生がなく、白紙光沢に近いインクジェット画像光沢が得られ、オフセット印刷用紙の風合いを有するインクジェット画像を得られることを見出し、本発明(ニ)を達成するに至った。
(16)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、更に、記録層中に中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントを含有することを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は35以下であることが好ましく、また、L/W値は5以上であることが好ましい。
(17)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層が、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種と接着剤を含有する第1記録層、第1記録層上に形成され、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料と、中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントと接着剤を含有する第2記録層からなることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は35以下であることが好ましく、また、L/W値は5以上であることが好ましい。
(18)記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上である(16)又は(17)記載のインクジェット記録用塗工紙。
(19)平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである請求項16〜18の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
(20)記録層に、あるいは記録層が複数層ある場合は少なくともその一層に、インクの定着剤を含有させた請求項16〜19の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
さらに、本発明者らは更に研究を重ねた結果、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、特定の顔料として炭酸カルシウムを用いた記録層を形成するにより、カチオン性インクを用いたインクジェット記録適性を有し、また白紙光沢が高いものとなり、コックリングの発生がなく、白紙光沢に近いインクジェット画像光沢が得られ、オフセット印刷用紙の風合いを有するインクジェット画像を得られることを見出し、本発明(ホ)を達成するに至った。
(21)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する炭酸カルシウムを含有することを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は10以下であることが好ましく、また、L/W値は5以下であることが好ましい。また、記録層中にアニオン性化合物を含有することが好ましい。
(22)シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層が、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種と接着剤を含有する第1記録層、第1記録層上に形成され、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する炭酸カルシウムと接着剤を含有する第2記録層からなることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は10以下であることが好ましく、また、L/W値は5以下であることが好ましい。また、第2記録層中にアニオン性化合物を含有することが好ましい。
(23)上記(21)又は(22)に記載のインクジェット記録用塗工紙に、カチオン性インクを用いたインクジェット記録方式により記録して得た記録物。
更に、本発明は、次の記録物をも包含する。
(24)上記(1)〜(22)の何れかに記載されたインクジェット記録用塗工紙に、インクジェット記録方式で記録した後、乾燥機で乾燥して得た記録物。
(25)上記(1)〜(22)の何れかに記載されたインクジェット記録用塗工紙に、オフセット印刷を行った後、インクジェット記録方式により記録して得た記録物。
オフセット印刷には、UV硬化インクを用いて印刷することが好ましい。
本発明に係る塗工紙は、インクジェット記録において、特に、コックリングがなく、白紙の光沢感と同様な傾向のインクジェット印字の画像光沢を示し、更に高速印字に対応した乾燥設備を装着したプリンタで印字することで、オフセット印刷物の風合い有する画質が得られるものであり、実用上極めて有用である。
以下本発明のインクジェット記録用塗工紙について詳細に説明する。一般にオフセット印刷やグラビア印刷では基材となる印刷用紙の上に画像情報に基づいてインキをのせ、乾燥や硬化させることで画像情報を記録する。その際、印刷インクの一部は基材中に浸透するが、その大部分は基材表面に留まるのが普通であり、この基材表面のインク皮膜が光沢を発現することになる。
一方、インクジェットによる印画では、インクジェットのインクは基本的に受容層と呼ばれる塗布層の内部に浸透することで発色し、かつ乾燥する。そのために印画部の光沢を積極的に上昇させる事はない。そこで、インクジェット方式で形成された画像は一般にいう印刷物と質感を異にすることとなる。
インクジェットによる印画によって、所謂印刷(オフセット印刷、あるいはグラビア印刷などによる印刷を指す)に依る場合によく似た画像を得るためには、白紙部及び印画部の光沢度が高いことが必要である。また、インクを吸収することによって発生するコックリングを改善する必要がある。さらに高品位な画質を得るためには、印字前後にインクの乾燥性や用紙のコックリングを改善するための装置を設けることが必要である。
本発明(イ)は、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に、形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、且つ記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上であることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
である。
本発明(ロ)は、シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、且つインクジェット記録用塗工紙のイソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下であることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
1≦L/W≦50 (I)
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
である。
本発明(イ)、(ロ)は、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を主顔料としてもちいることにより、インクの吸収性を制御し、コックリングを改善する。本発明では、主顔料とは、記録層中にもっとも多く配合されている顔料を意味し、記録層中に配合されるその他の顔料を副顔料という。
主顔料は、顔料粒子の短径Wに対する平面長径Lの比として定義されるアスペクト比(L/W)が1〜50の範囲にあり、好ましくは35以下であり、また5以上が好ましい。より好ましくは5〜35の範囲である。
主顔料は、平均粒子径が0.3〜1.5μmの範囲内、好ましくは0.3〜1.2μmの範囲内にある粒子を用いる。
このような顔料を用い、好ましくは記録層中全顔料100質量部中、30質量部以上、好ましくは35質量部以上の含有量で含有させることにより、インクの溶媒の吸収性とコックリングを改善することができる。
使用できる顔料としては、上記条件満足するものであれば特に限定するものではなく、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ複合炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、ベーマイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の無機顔料が例示できる。中でも、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリンなどのカオリン類、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム類が好ましく、カオリンの使用が特にインクジェット記録を行った際のコックリングや、オフセット印刷の風合いともよく好ましい。
ちなみに、カオリン粒子の平均粒子径が0.3〜1.5μmであっても、アスペクト比が1未満の場合、得られる記録層において、コックリングが発生する。アスペクト比が50を超える場合は、インクの溶媒の吸収が遅く、コックリングは良いが、印字部が滲む或は連続印字で後からの印字物を重ねることによって、印字部が汚れる問題が発生する。
前記記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する前記粒子の含有量が30質量部以上とすると、更にインクの吸収性を制御し、コックリングを改善できる。また、上記顔料を配合した塗工層を平滑化処理する事によって、印字濃度も制御できる。
本発明のインクジェット記録用塗工紙において、その記録層中の顔料の主成分として用いられる顔料の含有量は、記録層中の全顔料100質量部に対し、30質量部以上であることが好ましく、35質量部〜100質量部の範囲内にあることがより好ましい。なお、30質量部未満では、所望のコックリングをえることができない。
また、水を主とする染料や顔料の分散液を小滴として噴射することにより記録するインクジェット方式の画像には、インクの吸収性、発色の鮮やかさ等々の機能が求められ、特に分散媒である水との親和性を求められるにも拘らず、使用上、耐水性も求められ、相矛盾する機能を調和させる必要がある。
上記の要求に対応するため、塗工層には、インクジェットのインクの定着性(耐水性・発色性)を高める為に、イオン性に応じてカチオン性、または、アニオン性の物質を定着剤として含有させることで、水不溶性のキレートが形成される。
因みに、カチオン性ポリマー等のカチオン性物質が良く、インク中のスルホン酸基,カルボキシル基などのアニオン性基と水不溶性のキレートが形成され、インクジェット記録画像が耐水化される。カチオン性物質としては、ポリエチレンイミン,ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリン反応物,ポリエチレンイミン−アクリルアミド付加物,ポリエチレンイミン−アクリロニトリル付加物,ポリアミド−ポリアミン樹脂,ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂,ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂などのカチオン性ポリマ−が好適に使用される。
また、リンタングステンモリブデン酸及びタンニンなど、インク中のアミノ基などのカチオン性基と水不溶性の染料レ−キが形成され、記録画像が耐水化されるのである。アニオン性物質としては、リンタングステン酸,リンモリブデン酸などの水不溶性金属塩,スチレン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩,α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物のアンモニウム塩などのアニオン性ポリマ−、アニオン変性PVA、カルボキシメチルセルロース等が使用されるが、中でもアニオン性ポリマ−が好適に使用される。
本発明のインクジェット記録用塗工紙において、そのシート状紙基体を構成するパルプについて、その製法及び種類等に特に限定はない。例えばKPのような化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP及びCTMP等の機械パルプ、脱墨パルプのような古紙パルプ、並びにケナフ、竹、藁、麻等のような非木材パルプであってもよく、またポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、再生繊維、例えばポリノジック繊維並びにガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。なおシート状紙基体に用いるパルプとして、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプを用いることが好ましい。
またシート状紙基体中には、必要に応じて、填料が配合されていてもよい。填料としては、一般に上質紙に用いられる各種の顔料を用いることができ、例えばカオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、ベーマイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂の微小中空粒子、密実型粒子および貫通孔型粒子などの有機顔料が挙げられる。
なおシート状紙基体の抄造時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、パルプ繊維や填料の他に、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
シート状紙基体の抄紙方法については特に限定はなく、例えば抄紙pHが4.5付近で行われる酸性抄紙法、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pH約6の弱酸性から抄紙pH約9の弱アルカリ性で行われる中性抄紙法等の、全ての抄紙方法を適用することができ、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機を適宜使用することができる。
本発明に係るインクジェット記録用塗工紙の記録層に使用する顔料としては、前記のアスペクト比(L/W)及び平均粒子径を満足する顔料を主顔料として用いるが、副顔料として、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ複合炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、ベーマイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト及びスメクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂及びベンゾグアナミン系樹脂等の中空粒子型、密実粒子型および貫通孔粒子型の有機顔料も副顔料として用いることが可能であり、これらの中から1種あるいは2種以上が適宜選択して用いられる。副顔料が、前記のアスペクト比(L/W)及び平均粒子径を満足していても構わない。主顔料としてカオリンを用いた場合、副顔料としては、焼成カオリンを用いるとコックリングなどの効果を損なうことなく、インク吸収性が向上するので好ましい。
本発明のインクジェット記録用塗工紙において、その記録層に含まれる接着剤(バインダー)には、必要に応じて、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂類等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
記録層中の接着剤は、顔料100質量部(固型分)に対して、2〜50質量部(固型分)の範囲内にあることが好ましい。この配合割合が2質量部未満では、記録層の塗膜強度が不十分になり、製本や折り加工の時に記録層が剥がれる。一方、これが50質量部を越えると、記録層のインク吸収性が著しく低下し、インクニジミ防止性が不十分になることがある。
この記録層中には、これら顔料及び接着剤の他に、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等の少なくとも1種が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
本発明のインクジェット記録用塗工紙において、記録層の塗工量は、3〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは5〜25g/mであり、更に好ましくは8〜20g/mである。塗工量が3g/m未満では、得られる記録層のインクの定着性が不十分になることがある。一方、30g/mを越えると、塗工時の乾燥性が悪くなるなどの操業性が低下し、製造原価も高くなる。
記録層を形成するための塗被方法としては、一般に従来の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、スプレーコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、ロッドコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ及びツーロール、並びにメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、リップコータ及びゲートロールコータ等の装置を適宜に用いることができる。
記録層を、シート状紙基体の両面に形成してもよく、1以上の複数層に形成してもよい。多層構造の記録層は、最外面記録層とシート状紙基材との間に必要により1層あるいは2層以上の中間記録層を設けたものである。なお両面塗工や多層構造にする場合、各々の塗被液が同一または同一塗工量である必要はなく、所要の品質レベルに応じて適宜調整して配合すればよい。またシート状紙基体の片面に記録層を設けた場合、裏面に合成樹脂層、又は顔料と接着剤等からなる記録層又は、帯電防止層等を設けてカール防止、印刷適性付与、及び/又は給排紙適性等を付与することも可能である。さらにシート状紙基体の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、用途適性を付加することも勿論可能である。
本発明のインクジェット記録用塗工紙は、シート状紙基体上に記録層を設けた後、通常の乾燥工程及び表面処理工程等により平滑化処理される。またインクジェット記録用塗工紙の水分含有量を好ましくは2〜10%に、より好ましくは3〜8%程度に調整して仕上げられる。
上記平滑化処理を施す際には、通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置がオンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。カレンダロールの表面温度は、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは100℃以上である。
本発明(イ)は、上記の如く作成されたインクジェット記録用塗工紙で、記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上であることが特徴である。インクジェット記録体でよく使用されるシリカなどは、白紙光沢が低いものとなってしまう、光沢度が40%未満の場合、オフセット印刷の風合いを示すインクジェット記録用塗工紙とならない。たとえば、印刷用塗工紙でいうグロス系の光沢が得られない。
本発明(ロ)は、上記の如く作成されたインクジェット記録用塗工紙で、水(イソプロピルアルコール5%含有)の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下であることが好ましい。30g/mを超える場合は、コックリングが著しく低下する。より好ましくは、20g/mが好ましい。
本発明(ハ)は、上記の如く作成されたインクジェット記録用塗工紙で、シート状紙基体と記録層の間に、高吸収性の顔料を主成分とする第1記録層を形成し、上記特定の顔料を含む記録層を第2記録層として、第1記録層上に形成した構成である。
第1記録層に使用する顔料としては、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種である。このような顔料を使用することにより、インクジェットインクの吸収性を高める。第1記録層には、第2記録層で使用する接着剤を配合する。また、インク定着剤をはじめとする第2記録層で使用する各種助剤も配合でき、公知の方法で形成できる。第1記録層の塗工量としては、3〜30g/m、好ましくは5〜25g/mである。第2記録層の塗工量は3〜25g/m、好ましくは5〜20g/mである。
本発明(ニ)は、上記発明の記録層、あるいは第2記録層に中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントを含有する構成である。中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントを含有することにより、白紙光沢度が更に高くなる。
中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントとしては、スチレン重合体、スチレン-アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などが例示できる。配合量は、記録層又は第2記録層の全顔料100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは3〜15質量部である。
本発明(ホ)は、上記発明の記録層、あるいは第2記録層で用いる平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料が炭酸カルシウムである。
〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
なお、平均粒子径は0.3〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.2μmがより好ましい。また、L/W値は10以下であることが好ましく、また、L/W値は5以下であることが好ましい。
炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムが例示できる。
炭酸カルシウムを用いたインクジェット記録用塗工紙は、カチオン性インクを用いたインクジェット記録に適している。この場合、記録層には、アニオン性化合物を含有することが好ましい。
インクジェット記録方式はインクの微小液滴を、さまざまな吐出方式により飛翔させて紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行うものであるが、最近では印字速度がいっそう速くなり、多数枚を連続印字した時に、短時間で印字部と次の記録紙の裏面(白紙面)が重なって、印字部の色が移ってしまう裏移りと呼ばれる現象が発生する場合が在るために、インクジェットプリンタの装置的な対応も必要となってきている。
本発明では、上記インクの吸収性や乾燥性の問題点を解決するために、必要に応じてインクの吐出後に乾燥装置を有するプリンターを用いることが好ましい。
この乾燥装置を用いると、高速インクジェットプリンターで印字してもインクの裏移りが無くかつコックリングも改善され、オフセット印刷の風合いの画質を得ることができる。乾燥設備の例としては、100℃程度の熱風を印字面側或いは裏面から、インク吐出前後で送風することが挙げられる。
本発明では、インクジェット記録用塗工紙に、一旦オフセット印刷を行った後、インクジェット記録方式により記録を行うとよい。このようにして記録された記録物は、不可変情報をオフセット印刷により、可変情報をインクジェット記録方式により記録することができ、しかもオフセット印刷物と同じ風合いを有する記録物となる。
本発明を下記実施例により具体的に説明するが、勿論、それらは本発明の範囲を限定するものでない。なお、例中の「部」および「%」は、特に断わらない限り、「質量部(固型分)」および「質量%」を表す。
実施例1
〔シート状紙基材の作製〕
LBKP(フリーネス(CSF)=450ml)100部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてアルケニル琥珀酸無水物(商品名:ファイブラン81K、荒川化学工業社製)0.05部、定着剤としてカチオン化澱粉(商品名:CatoF、王子ナショナル社製)0.7部、並びに硫酸バンド0.5部を添加し、さらに填料として、炭酸カルシウム10部を添加し、これらの混合物を白水で希釈してpH7、固形分濃度0.8%の紙料を調製した。この紙料を、長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙に、酸化澱粉(商品名:エースA、日本NSC社製)を濃度6%で含むサイズプレス液を、サイズプレス装置で塗布量が乾燥質量で2g/mとなるように塗布し、乾燥し、さらにマシンカレンダを用いてベック平滑度が50秒になるように平滑化処理を施して、坪量が70g/mのシート状紙基体を作製した。
〔塗被液の調製〕
カオリン(商品名:Alpha−Print、イメリス社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)3.0部及びカチオン系ラテックス(商品名:リカボンドFK−820,アクリル−スチレン系,中央理化工業社製)10部を添加して撹拌し、さらにカチオン樹脂(商品名:SR1001,ポリアミド・エピクロロヒドリン系)を15部加え、水を加えて、固形分濃度40%の塗被液を調製した。表1に用いた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示す。
〔シート状紙基体への記録層の形成〕
得られた塗被液を、前記シート状紙基体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が15g/mになるように塗被し、乾燥し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して、記録層表面のJIS Z8741に基づく入射・受光角75度の光沢度が70%になるように表面処理した。坪量が100g/mのインクジェット記録用塗工紙が得られた。得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を表2に示す。
実施例2
実施例1と同様にしてシート状基材を作製した。
〔塗被液の調製〕
カオリン(商品名:Fine−Delams、イメリス社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)3.0部及びカチオン系ラテックス(商品名:リカボンドFK−820,アクリル−スチレン系、中央理化工業社製)10部を添加して撹拌し、さらにカチオン樹脂(商品名:SR1001、ポリアミド・エピクロロヒドリン系)を15部加え、水を加えて、固形分濃度40%の塗被液を調製した。表1に用いた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示す。
〔シート状紙基体への記録層の形成〕
得られた塗被液を、前記シート状紙基体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が15g/mになるように塗被し、乾燥し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して、記録層表面のJIS Z8741に基づく入射・受光角75度の光沢度が70%になるように表面処理した。坪量が100g/mのインクジェット記録用塗工紙が得られた。得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を表2に示す。
比較例1
実施例1と同様にしてシート状基材を作製した。
〔塗被液の調製〕
カオリン(商品名:Supra−smooths、イメリス社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)3.0部及びカチオン系ラテックス(商品名:リカボンドFK−820,アクリル−スチレン系、中央理化工業社製)10部を添加して撹拌し、さらにカチオン樹脂(商品名:SR1001,成分:アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合体、住友化学社製)を15部加え、水を加えて、固形分濃度40%の塗被液を調製した。表1に用いた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示す。
〔シート状紙基体への記録層の形成〕
得られた塗被液を、前記シート状紙基体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が15g/mになるように塗被し、乾燥し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して、記録層表面のJIS Z8741に基づく入射・受光角75度の光沢度が70%になるように表面処理した。坪量が100g/mのインクジェット記録用塗工紙が得られた。得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を表2に示す。
比較例2
実施例1と同様にしてシート状基材を作製した。
〔塗被液の調製〕
無定形シリカ(商品名:ファインシールX−45、トクヤマ社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにシリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)15部及びカチオン樹脂(商品名:SR1001、アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合体、住友化学社製)を10部加え、水を加えて、固形分濃度25%の塗被液を調製した。表1に用いられた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示す。
〔シート状紙基体への記録層の形成〕
得られた塗被液を、前記シート状紙基体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が15g/mになるように塗被し、乾燥し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して、表面処理したが、目標の光沢度70%を得ることができなかった。坪量が100g/mのインクジェット記録用塗工紙が得られた。得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を表2に示す。
「顔料の物性」
[顔料の平均粒子径の測定]
測定器は、セディグラフ5100;V3.07を用いた。以上の結果を表1に示した。
[顔料のアスペクト比の測定と形状観察]
電子顕微鏡で15,000倍に拡大して、アスペクト比の測定と形状の観察を行った。以上の結果を表1に示した。
実施例3
実施例1と同様にしてシート状基材を作製した。
〔第1記録層用塗被液の調整〕
シリカ複合炭酸カルシウム(商品名:FMTIJ−511、ファイマテック社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにシリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)22部を添加して撹拌し、さらにカチオン樹脂(商品名:SR1001、ポリアミド・エピクロロヒドリン系)を10部加え、水を加えて、固形分濃度23%の塗被液を調製した。
〔第2記録層用塗被液の調製〕
カオリン(商品名:Alpha-Print、イメリス社製)70部に、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)、中空型プラスチックピグメント(商品名:AE−851、JSR社製)、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにシリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130)15部を添加して撹拌し、さらにカチオン樹脂(商品名:SR1001、ポリアミド・エピクロロヒドリン系)を10部加え、水を加えて、固形分濃度23%の塗被液を調製した。表1に用いた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示す。
〔シート状紙基体への記録層の形成〕
得られた第1記録層用塗被液を、前記シート状紙基体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が10g/mになるように塗被し、乾燥し、ついで、第2記録層用塗被液を、両面の第1記録層面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が7g/mになるように塗被し、乾燥し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して、記録層表面のJIS Z8741に基づく入射・受光角75度の光沢度が70%になるように表面処理した。坪量が100g/mのインクジェット記録用塗工紙が得られた。得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を表2に示す。
実施例4
実施例1において、カオリン(商品名:Alpha−Print、イメリス社製)100部に変えて、カオリン(商品名:Alpha−Print、イメリス社製)95部と中空型プラスチックピグメント(商品名:AE−851、JSR社製)5部を併用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用塗工紙を得た。表1に用いた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示し、表2に得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を示す。
実施例5
実施例1と同様にしてシート状基材を作製した。
〔塗被液の調製〕
軽質炭酸カルシウム(商品名:TP222HS、奥多摩工業社製)100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(商品名:アロンA−9、東亜合成社製)0.2部を加え、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)3.0部及びアニオン系ラテックス(商品名:T2540A スチレン−ブタジエン系、ジェイエスアール社製)10部を添加して撹拌し、さらに、スチレンーアクリル共重合物のナトリウム塩 2部とカルボキシメチルセルロースを0.5部配合し、さらに紫外線防止剤(商品名:PUVA−30W、ベンゾトリアゾール系、大塚化学社製)を3部配合し、水を加えて、固形分濃度40%の塗被液を調製した。表1に用いた無機顔料の組成、粒子形状、アスペクト比、平均粒子径を示す。
〔シート状紙基体への記録層の形成〕
得られた塗被液を、前記シート状紙基体の両面に、エアーナイフを用いて片面当たり乾燥塗布質量が15g/mになるように塗被し、乾燥し、金属ロールと弾性ロールで構成された加圧ニップに通紙して、記録層表面のJIS Z8741に基づく入射・受光角75度の光沢度が45%になるように表面処理した。坪量が100g/mのインクジェット記録用塗工紙が得られた。得られたインクジェット記録用塗工紙の物性を表2に示す。
Figure 2004209965
「インクジェット記録用塗工紙の物性」
[塗工紙の光沢度の測定]
JIS Z8741により、塗工紙の光沢度を入射角と受光角が75度の条件で測定した。測定器は、村上色彩研究所社製GLOSS METER MODEL GM6Dを用いた。以上の結果を表2に示した。
[コッブサイズ度の測定]
測定溶媒として5%イソプロピルアルコール水溶液を用い、測定溶媒とサンプルとの接触時間を10秒で行った以外はJIS−P8140に準じる。以上の結果を表2に示した。
Figure 2004209965
「インクジェット記録」
上記実施例及び比較例の各々において作製されたインクジェット記録用塗工紙について、下記の方法でインクジェット記録を行った。
[インクジェット記録]
得られたインクジェット記録用塗工紙のうち、実施例5で得られたインクジェット記録用塗工紙は、下記カチオン性インクを用い記録し、他のインクジェット記録用塗工紙はアニオン性インクを用い記録した。
(1)アニオン性インク
塩基性染料を含んだインクを用いて、ピエゾ振動子によってインクを噴射させるオンデマンド型記録ヘッドを有する記録装置(商品名:PM−870C、セイコーエプソン社製)を用いて記録した。
(2)カチオン性インク
直接染料、酸性染料を含んだインクを用いて、ピエゾ振動子によってインクを噴射させるオンデマンド型記録ヘッドを有する記録装置(商品名:PM−870C、セイコーエプソン社製)を用いて記録した。
[インク乾燥]
上記インクジェット記録を行ったインクジェット記録用塗工紙を、下記の2種の乾燥方法で乾燥し、それぞれについて、評価を行った。
(1)乾燥方法(A)
記録したものをそのまま室内で自然乾燥を行った。
(2)乾燥方法(B)
記録した後、熱風(80℃)を裏面からあてて乾燥した。
「評価方法」
上記インクジェット記録を行った記録物を、下記の基準で評価した。
[印字光沢度]
JIS Z8741により、画像部(Y,M,C,K 各100%)の光沢度を入射角と受光角が75度の条件で測定した。測定器は、村上色彩研究所社製GLOSS METER MODEL GM6Dを用いた。その結果を表3に示した。
[コックリング]
得られた記録物のコックリング状態を目視判定した。
◎ :コックリングが殆どなく極めて良好である。
○ :コックリングが少なく良好である。
× :コックリングがあり実用上問題がある。
この結果を表3に示した。
[裏移り]
乾燥後、印字部分と白紙を重ね合わせて、裏移りを目視で評価した。
◎ :裏移りが全くなく、きわめて良好。
○ :裏移りが若干発生するが、実用上問題ないレベルである。
△ :裏移りが発生し、実用上問題となるおそれがあるレベルである。
× :裏移りがひどく、実用上問題である。
この結果を表3に示した。
[滲みおよび鮮明度]
得られた記録像の滲み及び鮮明度を目視判定した。
◎ :インクの滲みが殆どなく画質が極めて鮮明である。
○ :インクの滲みが少なく画質が鮮明である。
× :インクの滲みがあり実用上問題がある。
この結果を表3に示した。
Figure 2004209965
「オフセット印刷適性」
上記実施例及び比較例の各々において作製されたインクジェット記録用塗工紙について、明製作所製RI印刷機を用いて、表面強度および吸水着肉性の印刷評価を行った。
[表面強度]
サンプルにタック値13の紅インキを印刷し、印刷面のピッキング(以下、ドライピックと記す)を目視評価した。また、サンプルに水を付着させた後、タック値13の紅インキを印刷し、印刷面のピッキング(以下、ウェットピックと記す)を目視評価した。
◎:ドライピック、ウェットピックとも発生せず、極めて良好。
○:ドライピックまたはウェットピックが若干発生するが、実用上問題ないレベルである。
△:ドライピックまたはウェットピックが発生し、実用上問題となるおそれがあるレベルである。
×:ドライピックまたはウェットピックがひどく、実用上問題である。
[吸水着肉性]
サンプルに水を付着させた後、オフセット輪転印刷用インキを印刷し、吸水着肉性を目視評価した。
◎:インキの濃淡ムラがなく、極めて良好。
○:インキの濃淡ムラが若干発生するが、実用上問題ないレベルである。
△:インキの濃淡ムラが発生し、実用上問題となるおそれがあるレベルである。
×:インキの濃淡ムラがひどく、実用上問題である。
Figure 2004209965
各実施例、各比較例を対比すると、特定の顔料を主顔料として有する記録層を形成することにより、コックリングが発生し難く、中でも75°光沢度が40%以上のものはグロスタイプのオフセット印刷用紙の風合いを有するインクジェット画像光沢が得られる(本発明(イ))。
各実施例、各比較例を対比すると、特定の顔料を主顔料として有する記録層を形成することにより、光沢性が高く、中でも5%イソプロピルアルコール水溶液の10秒コッブサイズ度が30g/m以上、光沢度が40%以上のものは記録後乾燥処理を施した際のコックリングが発生しないインクジェット記録物が得られる(本発明(ロ))。
実施例1と実施例3を対比すると、滲み・鮮明性の評価が同等であるが、裏移りがよく、記録後の乾燥性が記録層を2層にした実施例3の方が優れるので高速記録プリンタに適したインクジェット記録用塗工紙となる(本発明(ハ))。
実施例1と実施例4を対比すると、白紙光沢度が70%となるように両者を製造したものであり、実施例1と同じ条件の加圧ニップで表面処理をすると、中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントを記録層に用いた実施例4の白紙光沢度は73%となり、光沢性の優れたインクジェット記録用塗工紙が得られる(本発明(ニ))。
実施例5は、カチオン性インクに適用でき、コックリングが発生し難く、オフセット印刷用紙の風合いに近いインクジェット記録物が得られる(本発明(ホ))
また、各実施例のインクジェット記録用塗工紙は、オフセット印刷適性を有するものであり、オフセット印刷と、インクジェット記録を行うことができる塗工紙である。
本発明のインクジェット記録用塗工紙は、オフセット印刷の風合いを有する記録物をインクジェット記録方式で行うことができ、しかも、オフセット印刷も可能であるので、不可変情報をオフセット印刷で印刷し、可変情報をインクジェット記録方式で記録することができるので、個人向けカタログ、ダイレクトメール、チラシなどの用途に利用できる。

Claims (25)

  1. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、且つ、記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上であることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  2. 記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料の含有量が、30質量部以上である請求項1記載のインクジェット記録用塗工紙。
  3. インクジェット記録用塗工紙の、イソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下である請求項1又は2記載のインクジェット記録用塗工紙。
  4. 平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである請求項1〜3の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  5. 記録層にインクの定着剤を含有させた請求項1〜4の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  6. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、且つインクジェット記録用塗工紙のイソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下であることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  7. 記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料の含有量が、30質量部以上である請求項6記載のインクジェット記録用塗工紙。
  8. 平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである請求項6又は7記載のインクジェット記録用塗工紙。
  9. 記録層にインクの定着剤を含有させた請求項6〜8の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  10. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層が、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種と接着剤を含有する第1記録層、第1記録層上に形成され、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料と接着剤を含有する第2記録層からなることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  11. 第2記録層に含まれる顔料の合計質量100質量部に対する、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料の含有量が、30質量部以上である請求項10記載のインクジェット記録用塗工紙。
  12. インクジェット記録用塗工紙の、イソプロピルアルコールを5%含有する水の10秒コッブサイズ度が、30g/m以下である請求項10又は11記載のインクジェット記録用塗工紙。
  13. 平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである請求項10〜12の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  14. 記録層にインクの定着剤を含有させた請求項10〜13の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  15. 記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上である請求項10〜14のいずれか記載のインクジェット記録用塗工紙。
  16. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料を有し、更に、記録層中に中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントを含有することを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  17. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層が、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種と接着剤を含有する第1記録層、第1記録層上に形成され、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する顔料と、中空型又は貫通孔型プラスチックピグメントと接着剤を含有する第2記録層からなることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  18. 記録層面のJIS−Z−8741による75°光沢度が40%以上である請求項16又は17記載のインクジェット記録用塗工紙。
  19. 平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ式(I)を満足する顔料が、カオリンである請求項16〜18の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  20. 記録層に、あるいは記録層が複数層ある場合は少なくともその一層に、インクの定着剤を含有させた請求項16〜19の何れか一項記載のインクジェット記録用塗工紙。
  21. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層中に、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する炭酸カルシウムを含有することを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  22. シート状紙基材と、その少なくとも一面上に形成され、かつ顔料および接着剤を主成分として含む記録層とを有しているインクジェット記録用塗工紙において、前記記録層が、シリカ、シリカ・アルミナ、シリカ複合炭酸カルシウム、アルミナ、ベーマイト、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種と接着剤を含有する第1記録層、第1記録層上に形成され、平均粒子径0.2〜2.0μmであり、かつ下記式(I)を満足する炭酸カルシウムと接着剤を含有する第2記録層からなることを特徴とするインクジェット記録用塗工紙。
    1≦L/W≦50 (I)
    〔但し、式(I)中、Lは粒子の長径を表し、Wは粒子の短径(厚み)を表す〕
  23. 請求項21又は22に記載のインクジェット記録用塗工紙に、カチオン性インクを用いたインクジェット記録方式により記録して得た記録物。
  24. 請求項1〜22の何れか一項に記載されたインクジェット記録用塗工紙に、インクジェット記録方式で記録した後、乾燥機で乾燥して得た記録物。
  25. 請求項1〜22の何れか一項に記載されたインクジェット記録用塗工紙に、オフセット印刷を行った後、インクジェット記録方式により記録して得た記録物
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