JP2017190553A - 印刷用塗工紙 - Google Patents
印刷用塗工紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017190553A JP2017190553A JP2017099328A JP2017099328A JP2017190553A JP 2017190553 A JP2017190553 A JP 2017190553A JP 2017099328 A JP2017099328 A JP 2017099328A JP 2017099328 A JP2017099328 A JP 2017099328A JP 2017190553 A JP2017190553 A JP 2017190553A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- printing
- paper
- ink
- coated paper
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
Description
[1]基紙上の少なくとも一方の面に塗工層を設けた印刷用塗工紙であって、塗工層が、5℃における純水を用い、吸収時間5msec1/2の吸液量が7ml/m2以上、30ml/m2以下であり、且つ、30重量%のエタノール水溶液を用い、エタノール水溶液が塗工層に接触してから0.1sec後の接触角が22°以上30°以下であることを特徴とする印刷用塗工紙。
〔2〕接触角が24°以上28°以下である〔1〕記載の印刷用塗被紙。
〔3〕印刷用塗工紙の王研式透気度が、100sec以上8000sec以下である〔1〕又は〔2〕記載の印刷用塗工紙。
〔4〕塗工層に軽質炭酸カルシウムを含有する〔1〕〜〔3〕のいずれか1に記載の印刷用塗工紙。
インクジェット商業印刷においては、印刷用塗工紙の表面にインクが接触した後、直ぐに乾燥装置でインクが乾燥、定着させられるので、極短い時間での、インク挙動が重要となっている。
このため、インクジェット商業印刷のインク吸収性を、従来から行なわれてきた吸収・吸油速度測定法を用いて、その優劣を見極めることは非常に難しい。
ちなみに従来用いられてきた吸収・吸油速度測定法とは、ステキヒド法(JIS P 8122)やコッブ法(JIS P 8140)などのサイズ度測定法やクレム法(JIS P 8141)等の用紙に接触してらの時間が比較的長いところの吸収性についての測定法を指している。
ステキヒド法は、水が表面から裏面に透過(正確には両面から同時に浸透し紙層内部で接触する)するまでの時間を測定しており、コッブ法は液体との接触時間数秒から5分程度の間に吸収する液体量を測定する。クレム法では、5分間での毛管吸収による吸上げ高さを測定している。これらは液的と用紙の接触する時間が数秒程度以上の場合を想定した吸水速度及び吸液量を測定する方法であるので、インクジェット商業印刷機における吸液時間である数msecから1sec程度の範囲よりはるかに長い時間を対象としている。
また、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 NO.51(2000)の簡略化、省力化として提唱されている動的走査吸液計(dynamic scanning absorptometer ; DSA)(参考資料:空閑重則、片岡裕史、江前敏晴、尾鍋史彦,「動的走査吸液計の開発と応用」,紙パ技協誌48、730−734(1994))を用いて得られる吸収曲線から得られる吸収時間5msec1/2の吸液量(転移量)(ml/m2)を代替法として用いても問題無い。
本発明は、この吸液量が7ml/m2以上、30ml/m2以下である必要がある。7ml/m2以上とすることによりインクの吸収性を十分に得ることが出来る。30ml/m2以下とすることにより、適度なドットの広がりを得ることができる。
インクジェット印刷を施した場合、その印刷画質はインクのドット形状が左右する。真円状のドットであれば良好な画質となるが、真円状に歪が生じたり、ドットが小さかったりすると、画質が損なわれることになる。発明者らはドット形状を決める重要な物性値について鋭意検討した結果、印刷用塗工紙に接触した際の接触角度が、インクのドット形状やその大きさに深く関わっており、インクジェット商業印刷の印刷適性に重要であることを見出した。接触角度の最適化により、良好なドット形状が得られる理由については定かではないが、必要以上に接触角度が大きくなると印刷用塗工紙の表面でインクが広がらず、ドットが必要な大きさの形状にならず印刷用塗工紙の下地部が出て来て、白スジ状のムラを発生させる。また、必要以上に接触角度が小さいと近くの異なるドットとくっついたりし、ドットの形状が歪になったり、異なる色が混ざる結果となる。
印刷用塗工紙の表面のインクの広がりの指標として、印刷用塗工紙に一定量の液を垂らした際の接触角とインクジェット商業印刷の関係について、鋭意検討した結果、最適な画像を得るための接触角度として、22°以上30°以下、更に24°以上28°以下にすることにより、より良好な結果が得られることがわかった。
接触角は、30重量%のエタノール水溶液により、株式会社マツボー製動的接触角測定装置DAT 1100を用いて測定した。また、インクジェット商業印刷で得られる画質との相関について鋭意検討した結果、エタノール水溶液が印刷用塗工紙に接触してから、0.1sec後の接触角が、インクジェット商業印刷の品質と相関が高いことを見出したため、0.1sec後の接触角度にて規定している。
接触後0.1秒後の接触角が、インクジェット商業印刷の画質変化と相関が高い理由については明らかではないが、高速化されたインクジェット商業印刷機は、印刷用塗工紙へのインク液滴の着弾から乾燥まで、非常に短い時間でインク定着を行なっているために、0.1秒後の接触角度の値がインクジェット適性を考えるにあたり重要なファクターとなったのだと推定している。
本発明は、更に、印刷用塗工紙の王研式透気度(JISP8117)が100sec以上8000sec以下であることが好ましい。100sec未満の場合、インク記録適性は優れるものの、印刷用塗工紙の風合いが損なわれるものであり、特に光沢性が低く、オフセット印刷用グロスタイプ塗工紙に匹敵するものとは言いがたくなる。一方、8000secを越えると、印刷用塗工紙の風合いは優れるものの、インクジェットインクの吸収性が損なわれるなど、インクジェット印刷適性を得ることが出来ない。王研式透気度の下限は、120sec以上が好ましく、140sec以上がより好ましい。王研式透気度の上限は、5000sec以下が好ましく、3000sec以下がより好ましく、2000sec以下が更に好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、従来のグラビア印刷やオフセット印刷等に使用される印刷用塗工紙と同様、基紙の少なくとも一方の面に塗工層を有する。塗工層は、顔料と接着剤を含有し、更に助剤を含んでいても構わない。塗工層は少なくとも1層、もしくはそれ以上の多層でも良く、また基紙の片面のみに存在しても良いし、両面に存在しても良い。しかし、従来の印刷用塗工紙は、上記吸液量と接触角を両方とも満足するものはなく、本発明は両物性を満足する必要がある。
本発明の塗工層に使用する顔料としては、上記で規定する物性値を発現する塗工層が得られるものであれば特に特定することはなく、カオリン、重質炭酸カルシウム、凝集炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、無定形シリカ、微粒子シリカ、コロイダルシリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、サチンホワイト、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン・アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、並びにこれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機材料からなる有機顔料粒子等が挙げられる。これらの中で、炭酸カルシウム、タルク、カオリンを用いると、従来の印刷用塗工紙の風合いが近いので好ましい。また、カオリン、重質炭酸カルシウム等を用いると、接触角を高めに調節することができ、無定形シリカ、微粒子シリカ、アルミナ等の嵩比重の小さな顔料を用いると、吸液量を高めに、接触角を低くめに調節することができる。カオリン、有機顔料粒子を用いると白紙光沢性を向上する。塗工層に用いる顔料は、これらの顔料の中から、適宜選択して使用することができる。中でも、軽質炭酸カルシウムは、インク吸収性やインク定着性と白紙光沢性の両方の品質に優れるので好ましく、特に軽質炭酸カルシウムの中でも、顔料の形状が針状であることが好ましい。なお、無定形シリカ、微粒子シリカ、アルミナ等の嵩比重の小さな顔料は、インクジェット記録専用紙としてよく使用される材料でもあり、これらを単独で顔料として用いた塗工層は、吸液量が30mlを超える高い層となってしまい易いため、他の顔料と併用する必要がある。
塗工層に使用する接着剤としては、上記で規定する物性値を発現する塗工層が得られるものであれば特に特定することはなく、ラテックスバインダー、デンプン、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白等の蛋白系接着剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの合成物、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系接着剤等が使用可能である。これらの接着剤の中でラテックスバインダー、デンプン、ポリビニルアルコールは、インク吸収性と塗工層強度ともに良好で、特に好ましい。
ラテックスバインダーとしてはスチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系のラテックスバインダーが好ましい接着剤として例示できる。また、デンプンとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、リン酸エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉系接着剤が例示できる。ポリビニルアルコールの中では、鹸化度が80%以上のものがより好ましい接着剤である。ラテックスバインダーを多く配合すると、接触角の値が大きくなる傾向にあるが、デンプン(やポリビニルアルコール)を併用すると、接触角の値を低く調節することもできる。
インクジェット商業印刷機用インクは、水性顔料インクや水性染料インクが使われるが、これらの水性インクでの印刷物のインク定着性や発色性を向上させる目的で、塗工層や基紙に、インク定着剤を含有させることができる。
有機系インク定着剤としては、例えば、水溶性或いは水性エマルジョンタイプなどが使用される。例えば、ポリアルキレンポリアミン系樹脂、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、カチオン性ポリビニルピロリドン、ポリ−トリメチルアンモニウムメタクリレート、ビニルイミダゾリウムメタクロライド−ビニルピロリドン共重合体、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンポリアミン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド共重合体、ポリアルコキシジアルキル第4級アンモニウム塩、モノアリルアミン−ジアルルアミン塩酸塩共重合体、ポリアリルアミン塩酸塩、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合体、エピクロルヒドリンジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・SO2共重合体、ジアリルアミン塩・SO2共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等が挙げられ、1種あるいは2種以上を併用しても良い。これらカチオン性樹脂の分子量は、特に限定するものではないが、高分子量となるとインク吸収性が低下するため、分子量30,000以下のものの使用が望ましい。
本発明に使用する助剤としては、ポリエチレンエマルジョン、脂肪酸の塩類やその誘導体、マイクロクリスタリンワックス等の離型剤、界面活性剤などの濡れ剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、粘性改良剤、着色剤、潤滑剤、耐水化剤等の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。離型剤や濡れ剤は、吸液量や接触角の調節のために用いることができるが、助剤のみで調節することは困難であるため、顔料や接着剤の処方で調節し、助剤は微調節程度に留めることが好ましい。
本発明に使用する基紙としては、シート状のものであればよく、例えば通常のインクジェット記録用紙、印刷用塗工紙、板紙に用いられる米坪30〜500g/m2程度の紙支持体を基紙として好適に使用することができる。基紙として使用する紙支持体のパルプ原料も特に限定されるものではなく、脱墨パルプ、機械パルプ、化学パルプ等、通常の製紙方法で製造される紙のパルプ原料として一般的に用いられるパルプ原料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。前記基紙を得る抄紙機についても特に限定されるものではなく、長網式抄紙機、短網式抄紙機、円網式抄紙機、オントップフォーマー抄紙機、ギャップフォーマー抄紙機、ヤンキー抄紙機等の従来公知の抄紙機で適宜抄紙することができる。紙層は、1層抄きでも多層抄きでも構わない。
塗工液は、一般的に固形分濃度を10〜65質量%程度に調製し、基紙上に乾燥重量で3〜40g/m2、より好ましくは5〜20g/m2になるように塗工、乾燥する。塗工層の組成にもよるが、塗工量が多くなると、吸液量が高く調節することが可能である。しかし、塗工量が多くなりすぎると、塗工層の強度が低下する傾向にあるため、接着剤を増量するなどの調節が必要となる。なお、接着剤の増量は吸液量が低く調整されることになる。同じ塗工層の組成を複数層に分けて設けと塗工層の強度低下は低減できるが、一度に塗工層を設けた場合に比べ、吸液量の増加量は少なくなる。
塗工層を形成する装置としては、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、バーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター等の従来公知の塗工装置の中から適宜選択して使用することができる。基紙上の湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、熱風乾燥、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の従来公知の乾燥方法の中から適宜選択して使用することができる。また、塗工層をカレンダー処理により、平滑化しても良い。カレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられ、熱を加えながら平滑化処理する熱カレンダーを用いることもできる。なお、カレンダー処理を行うと、塗工層の吸液量を下げる方向に調節することができる。
「基紙の作成」
LBKP(CSF470ml)100%からなるパルプスラリーに、填料としてタルクを支持体灰分が4%となるように添加した後、パルプ固形分に対して硫酸アルミニウム0.88%、カチオン澱粉0.35%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学社製)0.3%、ポリアクリルアミド(商品名:リアライザーR−300、ソーマル社製)0.04%を順次添加し、紙料を調製した。得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、さらにゲートロールサイズプレス装置で酸化澱粉(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)を両面で1.8g/m2(固形分)塗布・乾燥し、マシンカレンダーで平滑化処理を施して坪量90g/m2の基紙を得た。
市販の針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)100部(固形分換算)に、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA、王子コンスターチ社製)3部(固形分)およびスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、JSR社製)4部(固形分)を加え、固形分濃度が50%の塗工液を調製した。
前記基紙上にブレードコーターを用いて、片面の乾燥重量で10g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥した。この後、スーパーカレンダーを用いて、線圧60kg/cm2ニップの条件で平滑化処理を施して、坪量110g/m2の印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工液の調製に用いる顔料に代えて、市販の軽質炭酸カルシウム(商品名:TP221F、奥多摩工業社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例3
実施例1の塗工液の調製に用いる顔料に代えて、市販の軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS−15、白石カルシウム工業社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工液の調製に用いる顔料に代えて、市販のカオリン(商品名:アマゾンプラス、CADEM社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例5
実施例1の塗工液の調製に用いる顔料に代えて、市販の重質炭酸カルシウム(商品名:セタカーブHG、備北粉化工業社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工液に調製で使用した接着剤の酸化澱粉の配合量を0部(配合しない)とする以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例7
実施例1の印刷用塗工紙の作製の際に、片面の乾燥重量を15g/m2とする以外は実施例1と同様にして、米坪120g/m2の印刷用塗工紙を得た。
実施例1の印刷用塗工紙の作製において、支持体上にロッドブレードコーターを用いて、片面の乾燥重量で10g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥した後、更に、ロッドブレードコーターにて、乾燥重量で5g/m2になるように上塗り層を両面に塗工、乾燥した後、スーパーカレンダーを用いて、線圧60kg/cm2ニップの条件で平滑化処理を施して、坪量120g/m2の印刷用塗工紙を得た
実施例1の塗工液の調製において、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの配合部数を1部とする以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
比較例2
実施例1の塗工液の調製において、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの配合部数を10部とする以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
比較例2の塗工液の調製において、接着剤の酸化澱粉の配合部数を5部とする以外は、比較例2と同様にして印刷用塗工紙を得た。
比較例4
比較例3の印刷用塗工紙の作製の際に、片面の乾燥重量で5g/m2になるように塗工液を両面に塗工する以外は、比較例3と同様にして印刷用塗工紙を得た。
実施例8の印刷用塗工紙の作製において、片面の乾燥重量で10g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥した後、更に、ロッドブレードコーターにて、乾燥重量で5g/m2塗工するところを2g/m2塗工する以外は、実施例8と同様に印刷用塗工紙を得た
比較例5の印刷用塗工紙の作製において、用いる塗工液として下記の下塗用塗工液と上塗り用塗工液を用い、実施例1支持体上にロッドブレードコーターを用いて、片面の乾燥重量で14g/m2になるように下記下塗用塗工液を両面に塗工、乾燥した後、更に、ロッドブレードコーターにて、乾燥重量で8g/m2になるように下記上塗用塗工液を両面に塗工、乾燥した後、スーパーカレンダーを用いて、線圧60kg/cm2ニップの条件で平滑化処理を施して、坪量134g/m2の印刷用塗工紙を得た
「下塗用塗工液の調製」
市販のカオリン(商品名:アマゾンプラス、CADEM社製)30部(固形分換算)と市販の重質炭酸カルシウム(商品名:セタカーブHG、備北粉化工業社製)40部(固形分換算)そして市販の軽質炭酸カルシウム軽質炭酸カルシウム(商品名:TP221F、奥多摩工業社製)30部(固形分換算)に、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースB、王子コンスターチ社製)3部(固形分)およびスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、JSR社製)10部(固形分)を加え、固形分濃度が53%の下塗り塗工液を調製した。
「上塗用塗工液の調製」
市販の重質炭酸カルシウム(商品名:セタカーブHG、備北粉化工業社製)100部(固形分換算)に、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースB、王子コンスターチ社製)3部(固形分)およびスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、JSR社製)10部(固形分)を加え、固形分濃度が53%の下塗り塗工液を調製した。
「基紙の作成」
LBKP(CSF470ml)100%からなるパルプスラリーに、填料としてタルクを支持体灰分が4%となるように添加した後、パルプ固形分に対して硫酸アルミニウム0.88%、カチオン澱粉0.35%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学社製)0.3%、ポリアクリルアミド(商品名:リアライザーR−300、ソーマル社製)0.04%を順次添加し、紙料を調製した。得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、さらにゲートロールサイズプレス装置で酸化澱粉(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)を両面で1.8g/m2(固形分)塗布・乾燥し、マシンカレンダーで平滑化処理を施して坪量90g/m2の基紙を得た。
市販の無定形シリカ(商品名:ファインシールX−45、(株)トクヤマ製)100部(固形分換算)に、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA、王子コンスターチ社製)3部(固形分)およびスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、JSR社製)5部(固形分)、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:Rポリマー1130、クラレ社製)を加え、固形分濃度が15%の塗工液を調製した。
前記基紙上にエアーナイフコーターを用いて、片面の乾燥重量で20g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥した。この後、マシンカレンダーを用いて、線圧20kg/cm2ニップの条件で平滑化処理を施して、坪量130g/m2の印刷用塗工紙を得た。
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 NO.51(2000)で規定されたブリストー法に沿って得られた吸収曲線において、その曲線の、吸収時間が5ms1/2の吸液量(転移量)(ml/m2)の値である。測定には純水を使用し、測定の際の温度は、25℃である。
30重量%のエタノール水溶液を用い、株式会社マツボー製動的接触角測定装置DAT 1100を用い、エタノール水溶液が印刷用塗工紙に接触してから、0.1sec後の接触角を測定した。
JIS P8142に準拠して、75度における白紙面の光沢度を測定した。
「王研透気度」
JIS P 8117に準拠して、王研式透気度を測定した。
「インク吸収性の評価」
得られた印刷用塗工紙をラインヘッド搭載カラーラベルプリンター(LX−P5500顔料インクモデル、Canon製)でブラックベタ印刷と文字印刷を行ない。その印刷部分を目視評価した。
◎:ベタ印刷部分にムラなし。文字と白紙部にニジミなし。良好。
○:ベタ印刷部分にムラ、文字部から白紙部にインクのニジミが若干みられるが、
使用上問題のないレベル。
△:ベタ印刷部分にムラ、文字部から白紙部にインクのニジミが見られるレベル。
×:ベタ印刷部分全面にムラ、文字そのものが潰れ文字の形状が判別できないレベル。
インク吸収性の評価で得られた印刷物から、1ドットの形状を光学顕微鏡で20倍拡大し観察した。
◎:無作為に抽出した10個のドット全て奇麗な真円状。ドット内にも白抜けがない。
ベタ印刷部において、隣のドットの間に白抜けなし。
○:無作為に抽出した10個のドットうち1〜2個においてドットの真円性が歪となる。
ドット内には、白抜けがない。ベタ印刷部において、隣のドットの間に白抜けなし。
△:無作為に抽出した10個のドットうち3〜4個においてドットの真円性が歪となる。
ドット内に、若干白抜けが見られ、ベタ印刷部において、隣のドットの間に白抜けが若干見れ
れるが、問題ないレベル。
×:無作為に抽出した10個のドットうち8個以上にドットの真円性が歪となる。
ドット内に、白抜けが見られ、ベタ印刷部において、隣のドットの間に白抜けがみられ、1つのドットとして認識できてしまうレベル。
上記インク吸収性の評価と同様にして、ラインヘッド搭載カラーラベルプリンター(LX−P5500顔料インクモデル、Canon製)でブラックベタ印刷と文字印刷を行ない。印刷終了後、1分後に、1×5ccmサイズのゼロックス用紙を人差し指に巻きつけ、一定の力で、印刷面を擦り取った。
◎:擦りとった印刷部のインク剥がれが、まったく見られないレベル。良好。
○:擦りとった印刷部のインク剥がれが、少量見られるものの極僅かで、使用上問題のないレベル。
△:擦りとった印刷部のインク剥がれがあるが、下地の白紙部が露出するまでには至らないレベル。
(評価には乾燥機を有さないプリンターで評価しているが、印刷後に乾燥機を有する状態で使用する場合、乾燥の条件を調節すれば使用可能なレベル)。
×:擦りとった印刷部のインクが殆ど剥がれ取られ、下地の白紙部が露出しているレベル。
得られた印刷用塗工紙を用いて、RI印刷試験機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FusionG EZ 墨 N、DIC Corporation社製)を、1ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。
◎:ピッキングが全く発生せず、良好。
○:ピッキングが少し発生するが、実用上問題ないレベル。
△:ピッキングが発生し、実用上、かなりの制限が必要なレベル。
×:ピッキングが多く発生し、実用上は許容できない
Claims (4)
- 基紙上の少なくとも一方の面に塗工層を設けた印刷用塗工紙であって、塗工層が、25℃における純水を用い、吸収時間5msec1/2の吸液量が7ml/m2以上、30ml/m2以下であり、且つ、30重量%のエタノール水溶液を用い、エタノール水溶液が塗工層に接触してから0.1sec後の接触角が22°以上30°以下であることを特徴とする印刷用塗工紙。
- 接触角が24°以上28°以下である請求項1記載の印刷用塗被紙。
- 印刷用塗工紙の王研式透気度が、100sec以上8000sec以下である請求項1又は2記載の印刷用塗工紙。
- 塗工層に軽質炭酸カルシウムを含有する請求項1〜3のいずれか1に記載の印刷用塗工紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017099328A JP2017190553A (ja) | 2017-05-18 | 2017-05-18 | 印刷用塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017099328A JP2017190553A (ja) | 2017-05-18 | 2017-05-18 | 印刷用塗工紙 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013119330A Division JP6205872B2 (ja) | 2013-06-05 | 2013-06-05 | 印刷用塗工紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017190553A true JP2017190553A (ja) | 2017-10-19 |
Family
ID=60085715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017099328A Pending JP2017190553A (ja) | 2017-05-18 | 2017-05-18 | 印刷用塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017190553A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE1950981A1 (en) * | 2019-08-29 | 2021-03-01 | Stora Enso Oyj | Method of producing a cellulose fiber structure and a fiber structure |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001039010A (ja) * | 1999-07-27 | 2001-02-13 | Tomoegawa Paper Co Ltd | インクジェット記録用媒体 |
JP2004209965A (ja) * | 2002-12-17 | 2004-07-29 | Oji Paper Co Ltd | インクジェット記録用塗工紙及びその記録物 |
JP2005074938A (ja) * | 2003-09-03 | 2005-03-24 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 |
JP2005262871A (ja) * | 2004-02-17 | 2005-09-29 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | インクジェット記録材料 |
JP2005343108A (ja) * | 2004-06-07 | 2005-12-15 | Oji Paper Co Ltd | 顔料インク用インクジェット記録シート |
JP2009233925A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Nippon Paper Industries Co Ltd | インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 |
JP2009242985A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | パール調塗工紙 |
JP2011132646A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-07-07 | Oji Paper Co Ltd | 印刷用顔料塗被紙及びその製造方法 |
JP2011132649A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-07-07 | Oji Paper Co Ltd | 印刷用顔料塗被紙、印刷用顔料塗被紙の製造方法 |
JP2012224535A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-15 | Oji Holdings Corp | 塗工用軽質炭酸カルシウム含有スラリー及びそれを用いた塗被紙 |
-
2017
- 2017-05-18 JP JP2017099328A patent/JP2017190553A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001039010A (ja) * | 1999-07-27 | 2001-02-13 | Tomoegawa Paper Co Ltd | インクジェット記録用媒体 |
JP2004209965A (ja) * | 2002-12-17 | 2004-07-29 | Oji Paper Co Ltd | インクジェット記録用塗工紙及びその記録物 |
JP2005074938A (ja) * | 2003-09-03 | 2005-03-24 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 |
JP2005262871A (ja) * | 2004-02-17 | 2005-09-29 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | インクジェット記録材料 |
JP2005343108A (ja) * | 2004-06-07 | 2005-12-15 | Oji Paper Co Ltd | 顔料インク用インクジェット記録シート |
JP2009233925A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Nippon Paper Industries Co Ltd | インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法 |
JP2009242985A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | パール調塗工紙 |
JP2011132646A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-07-07 | Oji Paper Co Ltd | 印刷用顔料塗被紙及びその製造方法 |
JP2011132649A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-07-07 | Oji Paper Co Ltd | 印刷用顔料塗被紙、印刷用顔料塗被紙の製造方法 |
JP2012224535A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-15 | Oji Holdings Corp | 塗工用軽質炭酸カルシウム含有スラリー及びそれを用いた塗被紙 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
江前敏晴: "印刷用紙分析評価技術の進歩と事例", 日本印刷学会誌, vol. 第45巻第3号, JPN6018010573, 2008, pages 116 - 123, ISSN: 0004013855 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE1950981A1 (en) * | 2019-08-29 | 2021-03-01 | Stora Enso Oyj | Method of producing a cellulose fiber structure and a fiber structure |
WO2021038504A1 (en) * | 2019-08-29 | 2021-03-04 | Stora Enso Oyj | Method of producing a cellulose fiber structure and a fiber structure |
SE544633C2 (en) * | 2019-08-29 | 2022-09-27 | Stora Enso Oyj | Method of producing a cellulose fiber structure |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4893313B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
WO2012043323A1 (ja) | 印刷用塗工紙および印刷画像を形成する方法 | |
JP6330369B2 (ja) | インクジェット印刷用塗工紙 | |
JP4094152B2 (ja) | インクジェット記録紙の製造方法 | |
JP5324186B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP2017190553A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP6785713B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2004276519A (ja) | 両面インクジェット記録用シートおよびその使用 | |
JP6205872B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP5781993B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2014237898A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2010052190A (ja) | インクジェット記録体用支持体及びそれを用いた記録体 | |
JP3778058B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP2006281606A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2015139996A (ja) | 油性インク用インクジェット記録用光沢紙 | |
JP2015013459A (ja) | インクジェット印刷用塗工紙 | |
JP2007021751A (ja) | 光沢インクジェット記録用紙 | |
JP2006212885A (ja) | 光沢インクジェット記録用紙 | |
JP4375328B2 (ja) | 光沢インクジェット記録用紙 | |
JP2003251928A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2007050580A (ja) | インクジェット記録用シート | |
JP2007261104A (ja) | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 | |
JP6248870B2 (ja) | インクジェット印刷用塗工紙 | |
JP3965687B2 (ja) | 顔料インク用インクジェット記録媒体 | |
JP2004209684A (ja) | インクジェット記録用紙およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180327 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181016 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190416 |