JP3965687B2 - 顔料インク用インクジェット記録媒体 - Google Patents

顔料インク用インクジェット記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の所属する技術分野】
本発明はインクジェット記録媒体に関し、特に顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字(記録)することに適したインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式はフルカラー化が容易なことや印字騒音が少ないこと、更に現像や定着などの化学薬品を使用した画像形成処理が不要であることなどから近年急速に普及してきた。この方式はノズルから記録媒体に向けてインク液滴を高速で吐き出させるものであり、インク中に多量の溶媒を含む。従って、記録媒体としては速やかにインクを吸収する性能が要求される。また、最近のコンピューターやデジタルカメラの普及により、銀塩写真に近い画像が求められるようになってきている。そこで、インクジェット記録用紙には高い発色性、色再現性、インク吸収性及び光沢が必要となり、これに対応するために表面にインク受理層を設けたいわゆる塗工紙タイプのインクジェット記録媒体が開発されている。
【0003】
現在においては特にフルカラーの分野で、染料を溶媒に溶解した、いわゆる染料インクを使用したプリンターが主流である。近年、プリンターの高速化や多色インクの採用などにより、インクジェット記録体にはより高いインク吸収性が求められており、そのため支持体上にインク受理層を設けたインクジェット専用紙が各社より上市されている。しかしこの染料インクは、発色性の点で優れるものの、長期の掲示において紫外線・オゾン等により酸化され、画像が退色して見栄えが悪化するという問題がある。この様な問題を解決するために、染料インクに比べ耐光性に優れた顔料インクを用いることが近年提案されている。顔料インクは染料インクに比べて分子量が非常に大きく、そのためにじみの制御等の定着機構も染料の低分子レベルの反応とは大きく異なっており、染料インクで記録することのみを想定した従来のインクジェット記録媒体では印字濃度、にじみ等の点で充分な特性が得られないのが現状であった。
【0004】
顔料インクで発生する上記問題を解決するために特開2001−270238号公報には平均粒径を規定した非晶質シリカもしくはアルミナ、もしくはアルミナ水和物と、接着剤として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有するインク受理層を設けたインクジェット記録媒体が提案されている。また、特開2001−328344号公報では、吸油量と平均二次粒子径を規定した無機顔料と接着剤を含むインク受理層を支持体上に設けたインクジェット記録媒体が提案されている。しかし、これらの方法では充分な発色性および色再現性を得ることができず、さらにインクジェット記録媒体の光沢が低く、銀塩写真に近い画像が要求される用途での使用には適していない。
【0005】
銀塩写真に近い画像をインクジェット記録方式で得るために、記録媒体に光沢を持たせることは従来から行われている。一般に光沢感を付与するためには、粒子径の小さな顔料であるシリカなどのコロイド粒子とバインダーを用いる手法が多く行われているが、球状のコロイド粒子を用いると造膜後の空隙が小さくなるのでインク吸収速度が小さくなり、ブリード(滲み)が発生するという欠点がある。また、コロイダルシリカは合成非晶質シリカとは異なって内部空隙を持たないため、コロイダルシリカをインク受理層に使用する場合には、必要とされるインク吸収容量を得るためにインク受理層を厚くする必要がある。しかしながら、インク受理層を厚くすると粉落ち現象が発生しやすくなる。そこで、バインダーの配合量を増やして粉落ちを防止した場合には、特に表面でのインク吸収速度が遅くなってブリード現象が発生し、高解像度の印字画像が得られないと言う欠点があった。
【0006】
コロイド粒子を用いた際に発生する問題を解決する手段として、特開2002−248855号公報および特開2001−232934号公報には、気相法アルミナを使用したインクジェット記録媒体が提案されているが、顔料インクで記録を行うと、充分な発色性および色再現性を得ることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、顔料インクで記録を行った際に、インクジェット記録媒体のインク吸収性や光沢性、さらには発色性や色再現性といった特性のすべてを良好にすることは、極めて困難であった。従って、本発明の目的は顔料インクを使用したインクジェットプリンターで印字した際に、画像が鮮明でさらに発色性、色再現性の高いインクジェット記録媒体を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、支持体上に少なくとも気相法アルミナ、親水性樹脂を含んでなるインク受理層を設け、さらに該インク受理層上にカチオン性樹脂を主成分とした、又は含有する層を塗工することにより、高い光沢性、良好なインク吸収性、発色性、及び色再現性を有するインクジェット記録媒体を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は支持体上に、気相法アルミナと親水性樹脂を主成分とするインク受理層を1層以上有し、前記インク受理層上に、ポリエチレンイミン塩、アルキルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミンアクリルアミド共重合体塩、ポリスチレンの級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つのカチオン性樹脂を主成分とし、かつ顔料を含まないオーバー層を有する顔料インク用インクジェット記録媒体である。
なお、本発明においては、特に高級感を重視する場合には、インクジェット記録媒体表面の75°鏡面光沢度を50%以上とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる支持体はその組成・製造方法は特に限定されるものではなく、抄紙用パルプに必要に応じてタルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、シリカ等の填料を添加し、酸性あるいは中性抄紙で通常行われている方法により調製した紙、またコート紙等の塗工紙、また、乾式あるいは湿式の不織布、合成紙、フィルム、ラミネート紙などを適宜用いることができる。
【0011】
本発明におけるインク受理層には、無機顔料として気相法アルミナが用いられる。気相法アルミナの製造方法は広く知られており、例えば水素または酸素の火炎中で塩化アルミニウムの蒸気を加水分解する工程を含む方法によって製造することができる。こうして製造されたアルミナ粒子は、凝集度が比較的低く、あるいは真球状に近い形状をした極めて単分散に近いものであるため、透明度を必要とするインクジェット記録媒体には適している。
【0012】
本発明のインク受理層に用いる気相法アルミナは、一次粒子の形であっても二次的な凝集粒子の形であっても良い。本発明において好ましいアルミナの形態は二次的な凝集粒子の形である。その一次粒子径は3nm〜50nmであり、二次的な凝集粒子の直径が120nm〜200nmである事が好ましい。このような凝集体を含有するインク受理層は充分なインク吸収容量を持ち、適度な光沢性を有している。この一次粒子径が3nm未満であると、一次粒子間の空隙が著しく小さくなり、インク中の溶剤やインクを吸収する能力が低下し、所望する鮮明な画像が得られない。また、一次粒子径が50nmより大きくなると、凝集した二次粒子径が大きくなり、インク受理層の透明性が低下し、また所望する光沢性が得られないし、インク受理層中の空隙が小さくなる傾向にある。
【0013】
インク受理層には、塗膜としての特性を維持するために親水性樹脂を有していることが好ましい。このような親水性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール及びその変性物、酢酸ビニル、酸化デンプン、エーテル化デンプン、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、カルボキシメチルセルロース、SBラテックス、NBラテックス、アクリルラテックス、エチレン酢酸ビニル系ラテックス等が使用できる。本発明においては、これらの親水性樹脂の少なくとも1種を使用することができるが、その配合部数は、前記した気相法アルミナ100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、特に5〜30重量部であることが好ましい。親水性樹脂の配合部数が少ないと表面強度が不充分となり、多すぎるとインク吸収性が不充分となる。
【0014】
本発明のインクジェット記録媒体におけるインク受理層は、その塗工量が少なすぎると光沢度が低くなる傾向にある。またインク溶媒の吸収が不十分となるため、特に混色系での画像で滲みが顕著に認められる。また、インク受理層の塗工量が多すぎると、巻き取ったものを平版にしたり、更に小判断裁する際に、塗工層が支持体から粉状に落ちたり、印字部を擦っただけで塗工層が脱落する等、表面強度が不十分になる傾向がある。さらに、塗工量が多いと、乾燥後の塗工層にひび割れが多くなり、印字の際にインクがひび割れの溝に沿って表面を流れる現象が発生し、画像が乱れるので好ましくない。インク受理層の塗工量は目的に応じて適宜決定できるが、インク受理層あたりの好ましい塗工量は5〜50g/mであり、特に好ましい塗工量は10〜40g/mである。
【0015】
なお、本発明のインクジェット記録媒体におけるインク受理層は2層以上設けることが好ましい。インク受理層を2層以上設けるのは当該層の塗工量を制御することによって光沢度調整が容易になるためである。インク受理層を2層以上設ける場合、支持体から最も離れてあるインク受理層の塗工量は5g/m以上であることが好ましい。支持体から最も離れてあるインク受理層の塗工量が5g/mより少ないとインクジェット記録媒体のインク受理層側表面の光沢度が極端に低下する傾向がある。
【0016】
また、本発明のインクジェット記録媒体には、インク受理層に、更に顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤等を発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0017】
本発明においては、インク受理層を支持体の片面あるいは両面に設けてもよい。また、本発明において、支持体の片面にインク受理層を設けた場合、その反対側の面にカール矯正あるいは搬送性改良等の目的で塗工層を設けることも可能である。
【0018】
本発明においては、インクジェット記録媒体のインク吸収性や画質の向上のために、インク受理層と支持体の間に、更にアンダー層を設けることが好ましい。アンダー層に用いる顔料としては合成シリカ、アルミナやアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機顔料はもとより、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機白色顔料等も使用することができる。またアンダー層の結着剤としては、前記したインク受理層と同様のものが好ましく用いられる。
【0019】
アンダー層の塗工量は、目的に応じて適宜決定することができるが、本発明においては、乾燥塗工量が5〜30g/mの範囲にあることが好ましい。乾燥塗工量が5g/mに満たないと、アンダー層である塗工層が支持体表面を完全に覆うことが難しいので、塗工層によるインクの吸収ムラが発生し、印字性能に悪影響が生じる。また、乾燥塗工量が30g/mを越えると、インク受理層と支持体間の接着強度が実用に耐えられないレベルとなり、粉落ちと呼ばれる支持体からの塗工層の剥離等が発生し、重大な問題を生じる。
【0020】
本発明においては、顔料インクで印字した際の発色性および色再現性を向上させるために、上記したインク受理層の上に以下に述べるカチオン性樹脂を主成分とし、顔料を含まないオーバー層を設けることで、発色性を向上させることができる。オーバー層の塗工量は、目的に応じて適宜決定することができるが、本発明においては、乾燥塗工量が5g/m以下の範囲にあることが好ましい。乾燥塗工量が5g/mより多くなると、インク吸収性が悪化するため好ましくない。
【0021】
本発明のインクジェット記録媒体に用いるカチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン塩、アルキルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミンアクリルアミド共重合体塩、ポリスチレンの4級アンモニウム塩を挙げることができる。当カチオン性樹脂は単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、発色性が優れるという点で特にアルキルアミンエピハロヒドリン縮合体が好ましく用いられる。
【0022】
また、本発明のオーバー層中に、更に水溶性樹脂、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤等を発明の効果を損なわない範囲で適宜添加することができるが、コロイダルシリカ等の微粒子(上述した顔料に相当)は発色性が低下するため含有しない
【0023】
顔料インク中の色材顔料は分散剤によって液媒体中に分散され、その表面が負に帯電している。そのため、これらカチオン性樹脂は分散色材顔料を捕捉する作用がある。従って、このカチオン性樹脂をオーバー層および支持体より最も離れたインク受理層に含有することにより、インクジェット記録媒体の表層付近に色材顔料を捕捉することができ、このため発色性および色再現性が向上するものと考えられる。また、気相法アルミナを含有するインク受理層表面は適度な細孔を持つため、オーバー層(または支持体から最も離れてあるインク受理層)用塗工液がそのインク受理層中に浸透することが抑制され、オーバー層(または支持体から最も離れてあるインク受理層)を均一な厚さに形成することが可能となり、発色性が向上すると考えられる。
【0025】
アンダー層、インク受理層およびオーバー層を支持体表面に設けるために、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシンまたはオフマシンで使用することができる。
【0026】
また、本発明においては、支持体やアンダー層、インク受理層およびオーバー層表面をマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置等で発明の効果を損なわない範囲で表面処理することも可能であり、それにより一層光沢性は向上する。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に表示しない限り重量部及び重量%を示し、配合部数は固形分を示す。
【0028】
<実施例1>
<基紙>
広葉樹漂白クラフトパルプ90%と針葉樹漂白クラフトパルプ10%を混合叩解して濾水度を350mlに調整したパルプに炭酸カルシウム15部、カチオン化でんぷん4部、及びアニオン化ポリアクリルアミド0.3部を添加し、長網抄紙機で抄造乾燥した後マシンカレンダー処理を行い、坪量157g/mの基紙を製造した。
【0029】
<アンダー層>
合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:(株)トクヤマ製の商品名)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:(株)クラレ製の商品名)40部、スチレンブタジエンラテックス(Lx438C:日本ゼオン(株)製の商品名)5部、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業(株)製の商品名)2部、染料定着剤(PAS−H−10L:日東紡績(株)製の商品名)5部に希釈水を加え、攪拌混合して、固形分濃度20%のアンダー層用塗料を得た。この塗料を、バーブレードコーターを用いて前記支持体上に塗工量が12g/mとなるように塗工し、アンダー層を有する塗工紙を得た。
【0030】
<インク受理層1>
上記のようにして製造したアンダー層用塗料を塗工した基紙に、気相法アルミナ(CAB−O−SPERSE PG−003:CABOT社製の商品名)100部、ポリビニルアルコール(PVA−217:(株)クラレ製の商品名)8部を混合した、固形分濃度が30%のインク受理層用塗料をバーブレードコーターを用いて塗工量が8g/mとなるように塗工した。
【0031】
<インク受理層2>
上記のようにして製造したアンダー層用塗料とインク受理層一層を塗工した基紙に、気相法アルミナ(CAB−O−SPERSE PG−003:CABOT社製の商品名)100部、ポリビニルアルコール(PVA−217:(株)クラレ製の商品名)8部を混合した、固形分濃度が30%の塗料をバーブレードコーターを用いて塗工量が8g/mとなるように塗工した。
【0032】
<オーバー層>
前記インク受理層2が形成された基紙上に、カチオン性樹脂(ジメチルアミンアンモニア・エピクロルヒドリンネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N−123:(株)センカ製の商品名)100部および消泡剤(DF−480:サンノプコ(株)製の商品名)0.2部を添加した固形分濃度が10%の塗工液を、バーブレードコーターを用いて塗工量が1.0g/mとなるように塗工乾燥し、実施例1のインクジェット記録媒体を得た。
【0033】
<実施例2>
実施例1でオーバー層に使用したカチオン性樹脂(N−123:(株)センカ製の商品名)の代わりにカチオン性樹脂(アルキルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物、PF−700:(株)昭和高分子製の商品名)を使用した他は、実施例1と全く同様にして実施例2のインクジェット記録媒体を得た。
【0034】
<実施例3>
実施例1でオーバー層に使用したカチオン性樹脂(N−123:(株)センカ製の商品名)の代わりにカチオン性樹脂(ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物、IJ−117:日華化学(株)製の商品名)を使用した他は、実施例1と全く同様にして実施例3のインクジェット記録媒体を得た。
【0036】
<実施例
支持体より離れたインク受理層(インク受理層2)を設けなかった他は、実施例1と全く
同様にして実施例5のインクジェット記録媒体を得た。
【0037】
<比較例1>
オーバー層を設けなかった他は、実施例1と全く同様にして比較例1のインクジェット記録媒体を得た。
【0038】
<比較例2>
支持体に近いインク受理層(インク受理層1)において、カチオン性樹脂(N−123:(株)センカ製の商品名)を20部使用し、さらにオーバー層を設けなかった他は、実施例1と全く同様にして比較例2のインクジェット記録媒体を得た。
【0039】
<比較例3>
実施例1で使用した気相法アルミナ(CAB−O−SPERSE PG−003:CABOT社製の商品名)の代わりに合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:(株)トクヤマ製の商品名)100部を使用した他は、実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録媒体を得た。
【0040】
<評価方法>
実施例1〜及び比較例1〜3で得られた各々のインクジェット記録媒体の評価を、以下に示す方法により行った。各項目において、△以上の評価であれば実用することができる。
なお、インクジェット記録評価に関しては、市販の顔料インクタイプのインクジェットプリンターPX−7000(セイコーエプソン製)を用いて、MC写真用紙<光沢>・きれいモードで印字を行った。
【0041】
<白紙光沢度>
塗工紙の75°鏡面光沢度をJIS−P−8142に準拠して、村上色彩技術研究所製鏡面光沢度計(GM−26 for 75°)により測定した。
○:75°鏡面光沢度が60%以上である。
△:75°鏡面光沢度が50%以上60%未満である。
×:75°鏡面光沢度が50%未満である。
【0042】
<発色性>
表計算ソフト「エクセル」でブラック、シアン、マゼンダ、イエローのベタ画像を作製して印字した。恒温恒湿室にて24時間放置した後、マクベス濃度計(RD915 Macbeth社製)を用いて各色の印字濃度を測定し、得られた測定値の合計により評価した。
○:4色合計が4.5以上である。
△:4色合計が4.0以上4.5未満である。
×:4色合計が4.0未満である。
【0043】
<インク吸収>
レッドとグリーン、及びブルーとイエローの各ベタ画像を隣り合わせにして印字し、その境界部の滲み具合を総合評価した。
○:境界部が鮮明でかつ滲みが認められない。
△:境界部がやや不鮮明だが滲みは認められない。
×:境界部が不鮮明で滲みが認められる。
【0044】
<色再現性>
シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー各色のベタ印字部を分光色差計(NF999:日本電色工業(株)製の商品名)を用いてD65光源、2度視野で測定し、L値を求め、その時のa値をx軸上に、b値をy軸上にプロットし、隣り合った各点を結んでできる六角形の面積(Gamut面積)を測定して評価した。
○:Gamut面積が7000以上である。
△:Gamut面積が6000以上7000未満である。
×:Gamut面積が6000未満である。
【0045】
評価の結果は表1に示した通りである。表中の○または△の評価であれば実用上問題ないが、×の評価では実用上問題がある。
【0046】
【表1】
Figure 0003965687
【0047】
表1から明らかなように、実施例1〜で作製したインクジェット記録媒体は、高い光沢性と良好なインク吸収性を有すると同時に、発色性および色再現性が特に優れている。一方、オーバー層を設けなかった比較例1では、光沢性とインク吸収性は良好なものの発色性と色再現性が劣っている。またカチオン性樹脂を支持体に近いインク受理層に使用した
比較例2は、光沢性は良好なものの発色性、インク吸収性および色再現性に劣る。更に、インク受理層の主成分が気相法アルミナではない比較例3の場合には、表面に明瞭な凸凹が存在するため白紙光沢度はかなり低く、さらに発色性および色再現性が劣るために実用的ではない。このように通常の湿式シリカをインク受理層に用いた場合には高発色、高色再現性のインクジェット記録媒体は得られないことがわかる。
これらの結果は、本発明により得られたインクジェット記録媒体が、高い光沢性や良好なインク吸収性を有するだけでなく、発色性および色再現性にも優れた良好な画像品質を得られるものであることを実証するものである。
【0048】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、顔料インクを使用したインクジェットプリンターで印字した際に、インク吸収性や光沢性、さらには発色性や色再現性すべてが良好なインクジェット記録媒体を得ることができた。
インク受理層を多層にしたり、カレンダー処理を行うことにより、印刷用コート紙に近い白紙光沢度を得ることができるため、プルーフ用途にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の色再現性評価において用いるGamut面積を説明する図である。

Claims (2)

  1. 支持体上に、気相法アルミナと親水性樹脂を主成分とするインク受理層を1層以上有し、前記インク受理層上に、ポリエチレンイミン塩、アルキルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミンアクリルアミド共重合体塩、ポリスチレンの級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1つのカチオン性樹脂を主成分とし、かつ顔料を含まないオーバー層を有する顔料インク用インクジェット記録媒体。
  2. インク受理層を設けた側の表面の75度鏡面光沢度が50%以上である請求項1に記載された顔料インク用インクジェット記録媒体。
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