JPH01283182A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JPH01283182A
JPH01283182A JP63112648A JP11264888A JPH01283182A JP H01283182 A JPH01283182 A JP H01283182A JP 63112648 A JP63112648 A JP 63112648A JP 11264888 A JP11264888 A JP 11264888A JP H01283182 A JPH01283182 A JP H01283182A
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坂木 守
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棟方 恵美
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はインクジェット記録方法、とりわけ高精細な画
質を高速度で提供する多色インクジェット記録方法に関
する。
(従来の技術) インクジェット記録方法は、種々の記録液吐出方式(例
えば、静電吸引方式、圧電素子を用いて記録液(以下イ
ンクという)に機械的振動又は変位を与える方式、イン
クを加熱して発泡させその圧力を利用する方式等)によ
り、インクの小滴を発生及び飛翔させ、それらの一部若
しくは全部を、紙等の被記録材に付着させて記録を行う
ものであるが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印
字の行える記録方法として注目されている。
インクジェット記録用のインクとしては、安全性及び印
刷適性の面から主に水系のものが使用されており、一方
、被記録材としては、従来通常の紙が一般的に使用され
てきた。液状のインクを用いて記録を行う場合には、一
般にインクが記録用紙上で滲んで印字がぼけたりしない
ことが必要であり、又、インクが記録後可及的速やかに
乾燥して不意に紙面を汚染しないことが望ましい。
一方、2色以上の異色のインクを用いる多色インクジェ
ット記録方式においては、色材の発色性及びインク吸収
性の面から専用紙が使われることが多い。
従来、この様なインクジェット用の被記録材としては、 (1)パルプを主成分とした一般の紙を低サイズ度とな
る様に抄紙して、濾紙や吸取紙の様にしたもの、 (2)特開昭56−148585号公報にある様に、基
材上にシリカやゼオライトの様な多孔質で吸油量が大き
くインク中の着色成分を吸着する顔料を用いて塗布層を
設けたもの、 等が知られている。
上記被記録材(1)は低コストであり、又、インク吸収
性は帰れるものの、インクが紙の繊維層に深く浸み込ん
でしまうためインク中の色材の発色性が急く、又、イン
クが紙表面の繊維に沿って吸収されるためフェザリング
を呼ばれる現象が生じてドツトが円形にならずギザギザ
になる現象や解像度の低下をきたし、良質な画像が得ら
れないという欠点があった。
このため、専らこの様なノンコートタイプの紙は、モノ
クロ記録やパソコンの端末等の比較的解像度が低く高濃
度の画像を必ずしも必要としない用途に用いられてきた
上記被記録材(2)では、インク受容層が多孔質で均一
になっているため、適度なインク吸収性とドツト形状や
解像度に優れたものが得られる。
しかしながら、より高品位で高解像度のカラー画像を必
要とする記録方式において使用される被記録材の場合に
は、更に重ねて、 (1)多色のインク滴が同じスポットに重ねて付着して
もドツトが流れ出さず且つ必要以上に拡がらない様なイ
ンク吸収容量を持つこと、(2)付着したインク滴が直
後にこすられても滲まない様なインク吸収速度及びイン
ク定着性を有すること、 (3)インク受容層に受容されたインク中の記録剤の発
色性が優れていること、 (4)付着したインクドツトの周辺が滑らかであり、形
状が真円に近いこと、 等が要求される外、得られた記録画像の耐水性や耐光性
等の保存性も必要とされる。
(発明が解決しようとしている問題点)しかしながら、
この様な性能を全て満足する被記録材は未だ知られてい
ない。特にインクジェットヘッドのノズルの高密度化に
伴なって、異色の印字の境界部においてインクが滲んで
混じり合うブリーディングと呼ばれる現象や記録の高速
化に伴い印字直後の画像の未定着のインクが排紙ローラ
ーにこすられたり、ローラーを介して記録紙の未印字部
に転写しておこるゴーストと呼ばれる問題が顕在化して
きた。
更に、今後1分間当りでA4サイズの用紙を10枚乃至
30枚印字する様な速度を有する高速プリンタに対する
要求も強く、この様なプリンタが実用化すれば印字後1
秒以内に印字部が排紙ローラーに達することになる。
この様なインクジェット技術の発達に伴なって発生した
ブリーディング、ローラーこすれ、ゴーストといった問
題は、従来問題とされてきたインク吸収性の問題と異な
り、1秒以内というインクの初期の吸収段階における吸
収速度、容量の問題と思われる。
ところが今迄この様な紙の初期吸収速度の間層やそれら
と紙に付着するインク量との関係については何ら検討が
為されていなかった。
本発明の目的は、上述の技術分野において従来技術が満
足し得なかった諸間雇を全て満足させることにある。
とりわけ本発明ではa数のカラーインクを用いた高精細
且つ高密度なフルカラー画像の記録における上記諸要求
を満足する記録画像を与える記録方法を提供することに
ある。
本発明の他の目的は、特に印字部のローラーこずれやゴ
ーストの問題を発生しない高速フルカラーインクジェッ
ト記録方法を提供することにある。
上記及び他の目的は以下の本発明によって達成される。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、細孔内に導入されるインクを該細
孔に通じた開口より噴射し、このインクを、支持体上に
充填剤粒子を含有するインク受容層を設けてなる被記録
材に付着させて記録を行うインクジェット記録方法にお
いて、上記被記録材の記録面のJIS−P−8140に
おいて接触時間を30秒とし、ジエチレングリコールを
30重量%含む蒸留水を用いて求めたCobb吸水度が
30g/m″以上であり、且つその最大記録密度P(n
j!/mm″)と上記被記録材のインク受容層表面のベ
ック平滑度S(秒)が S≦116−3.62P の範囲内とすることを特徴とするインクジェット記録方
法である。
(作  用) 本発明者等は、特に前記の(2)のタイプのコート紙を
用いた高密度で高速記録を行うインクジェット記録方法
においてゴースト、こすれ、あふれ、ブリーディング等
の問題について検討した結果、被記録材として特定の物
性値(Cobb吸水度)を有する被記録材を用いた場合
に、前述の様な問題点が著しく改善されることを知見し
た。
又、更に1秒間に満たない範囲で印字部が排紙ローラー
にこすれる様な高速タイプのいわゆるフルマルチプリン
タにおけるこすれ及びゴーストの問題について種々のコ
ート紙を用いて検討した結果、この様な数百ミリ秒にお
ける記録紙のインク吸収性は、例えば、特開昭59−3
5979号公報にある様な多色のインクを重ねて印字し
た場合のインクの流れ出しとは別個の問題であり、特に
インクの付着する密度と記録紙の表面物性との間に相関
性が高いことを知見し本発明に至った。
すなわち、付着する最大インク量に対して、特定の表面
物性を有する被記録材を用いた場合において、上記の様
なこすれやゴーストの問題が発生しにくいこと、同時に
この様な印字密度に対して特定の記録紙を使用すること
はシリアルタイプのプリンタにおいても前述の如きブリ
ーディングの問題を生じないことを知見し本発明に至っ
た。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。
本発明に用いる被記録材を第1に特徴づけるCobb吸
水度とは、JIS−P−8+40の方法に基づき測定さ
れる値である。このCobb吸水度は直接紙の記録面に
付着させた水の吸収量を測定する方法であり、直接イン
クの吸収に関係するコート層の空隙容量を測定すること
ができる方法である。
(:obb吸水度の測定は通常は蒸留水を用いて行われ
るが、本発明での測定にはジエチレングリコールを30
重量%を含む蒸留水を用いて行われる。
紙の繊維層やコート層への液体の浸透は、その空隙を毛
細管と考えれば、 Lucas Washburnの式
により、大略説明されることがわかっており、蒸留水を
用いたのではインクジェット用インクとは表面張力、粘
度、接触角等が異なるため、異なった挙動を示すと考え
られる。更に、インクの記録紙上での滲み等が溶媒組成
により異なることは本発明者等も確認するところである
一般に、インクジェット用インクはノズル先端での染料
の析出によるノズル詰りを防ぎ、且つ粘度、表面張力を
最適範囲とするためや臭気等の面から10乃至50fi
i%の多価アルコールが含まれており、本発明ではイン
クジェット用インクを代表する試験液として、ジエチレ
ングリコールを30重量%含む試験液を用いる。
本発明では、上記の液体の接触時間を30秒としたとき
のCobb吸水度を測定するものであり、得られたCo
bb吸水度が30g/rn’以上である被記録材を用い
ることにより本発明の目的が達成される。吸水度が30
g/m’に満たない被記録材はインク受容層中に存在す
るボア容積が少ないため、インクの吸収容量が低く、ゴ
ーストやこすれの問題に対して効果的でない。
Cobb吸水度は前述の(2)のタイプのコート紙、す
なわち、高速且つ高精細記録に適した比較的高いサイズ
度の基紙上にコート層を設けたコート層吸収タイプの被
記録材において、そのインク吸収性を評価する方法とし
て最適な方法であり、例えば、特開昭59−18569
0号公報にある様な紙の表面から裏面への水の浸透性を
測定するステキヒトサイズ度や特開昭56−10978
3号公報にある様な水面への吊下げた紙の吸水高さを測
るクレム吸水度等に比較してより適している。但し、前
述の(1)のタイプのノンコート紙や基紙に低サイズ度
の紙を用いたベース紙吸収タイプの微量コート紙は例外
である。
本発明では以上の様にしてインク吸収容量に優れた被記
録材を使用する。
しかしながら、上記の様な一定値以上のCobb吸水度
を有する被記録材であっても、高速プリンタにおいて、
ゴーストやこずれを発生する問題を生じた。現在、印字
数百ミリ秒後に印字部が排紙ローラーにこすられる様な
高速プリンタも開発されており、これらの記録装置にお
ける上記の様な問題はCobb吸水度だけでは説明でき
ない問題である。
上記の問題について本発明者等は、種々の記録装置と種
々のコート紙を用いて検討したところ、付着するインク
量、紙の表面平滑性とこすれ、ゴーストの問題について
深い相関があることを知見し本発明に至った。
本発明の第二の特徴は、特定の印字密度の記録システム
に対して特定の表面物性を有する被記録材を使用するこ
とである。
すなわち、本発明者等は印字部のローラーへのこすれに
より発生する問題について種々検討した結果、上記のC
obb吸水度を有し、更に記録システムの最大印字密度
P(nIL/mrn”)に対し、下記の範囲内(0式)
のベック平滑度S秒を有する記録面を有する被記録材を
用いた場合には、ゴーストやこずれの問題を発生しない
ことを知見した。
S≦116−3.62P    ■ 上記■式は500ミリ秒後のローラーこすれに対し、実
際に吐出量の異なる記録装置及び30g/rn’以上の
前記の方法による(:obb吸水度を有し、且つ、ベッ
ク平滑度の異なる記録紙を用いた検討の結果得られたも
のであり、少なくとも上記範囲の平滑度及び特定のCo
bb吸水度を有する被記録材を最大印字密度Pを有する
記録システムに用いた場合には、最悪でも印字の500
ミリ秒後に印字部が排紙ローラーにこすられてもゴース
トやこすれの問題を発生しないことを確認した。
尚、ここで云うベック平滑度とはJIS−P−8119
の方法により求められる値である。数十から数百ミリ秒
の単位での液体の紙への浸透(転移)量は、J、^、B
ristow、 E、Daub等によって報告されてお
り、Cobb吸水度で示される同じ吸収容量を有する紙
め初期吸収性が必ずしも同一の挙動を示すとは限らない
。時間に対する液体の転移量の一般式は下記の様に表さ
れ、 V=Vr+Ka[(ycos  θ)(t−を胃)/y
7]+/2    ■V:液体転移量   vr:粗さ
指数 にa:吸収係数    γ:液体の表面張力η:液体の
粘度   θ:接触角 t:吸収時間    tw:濡れ時間 インク物性、と紙の表面物性(V「)により決まる値で
あり、特に初期段階(ミリ秒の範囲;tの小さい範囲)
では紙物性の寄与が大きい。
本発明は被記録材の平滑度と、ゴーストやこずれの問題
との関係を検討したものであるが、ゴーストの問題に被
記録材の平滑度が寄与することはインクジェット記録に
おけるインクの吸収に関しても一般弐〇が成り立ってお
り、又、t=so。
ミリ秒におけるインクの吸収はインクジェット記録にお
けるtw(インクの濡れ時間)に近い範囲であるため、
インクよりもVr(紙の粗さ指数)の影響が特に大きく
なるためと考えられる。
すなわち、ゴースト及びこすれの開運は、付着するイン
ク量に対して被記録材の初期吸収量が不足することによ
り発生する問題であるため、付着インク量に対しである
一定値以下のベック平滑度を有する紙を用いることによ
りVrC紙の粗さ指数)を増大し、初期吸収性を上げる
ことによって解決されると考えられる。
又、前述0式における記録システムの最大印字密度Pと
は、その記録装置、システムにおいて達成可能な最大イ
ンク付与量(密度)により定義される。
例えば、ノズルピッチd(μm)&びノズル平均吐出液
滴体積V (nil)のインクジェットヘッドをイ山ロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック
(Bk)の4色分有する記録装置においては、 P = n v / d ” である。ここで云うノズル平均吐出液滴体積は、各ノズ
ルに対して単吐出を行った際の液滴の1滴当りの体積の
平均値を求め、ノズル毎の平均値を更に平均したもので
ある。又、nは最大重ね印字数であり、モノクロ印字で
はn=1、Y、M、Cとこれらの混色、レッド(R)、
グリーン(G)、ブルー(Bl)及びBkの7色よりな
る、いわゆるビジネスカラー印字ではn=2であり、更
により多い色調の再現を目的としたビクトリアルカラー
印字では2≦n≦3である。勿論、最大重ね印字数nは
記録装置だけでなく、画像処理も含めたシステム全体の
値として決定されるものである。
本発明において、前述の0式を満たさない印字密度P及
び平滑度Sの組合せを用いた場合には、被記録材の初期
吸収量が付着インク量に満たないため、ゴースト及びこ
ずれを生じることは勿論である。
以下に本発明に使用する被記録材の好ましい態様例を挙
げ、本発明を更に具体的に説明する。
尚、以下に例示するものは好ましい具体例の一つであり
、以下の態様側以外にも本発明の要件を満たすものはい
ずれも使用可能である。
本発明方法において用いられる被記録材は、支持体及び
その表面に設けられたインク受容層からなる。
被記録材の支持体としては、紙を使用するのが適当であ
るが、布、多孔性樹脂、木材等の多孔性材料や樹脂、金
属、ガラス板等の非多孔性材料も使用できる。
特に本発明方法においては、ステキヒトサイズ度10秒
以上の紙を基紙として使用することが好ましく、被記録
材自体のサイズ度を10秒以上としたものが良好である
。低サイズ度の基紙を用いた場合には、インク中の溶媒
及び色材が基紙に浸透してしまうため、0.D、の低下
や印字部にコツクリング(波打ち)を生じ、特にフルマ
ルチタイプの記録装置においては印字中にコツクリング
が発生すると、波打った印字部が別のヘッドにこすれる
問題もあり好ましくない。
一方、インク受容層は充填剤とバインダーとを主として
形成される。充填剤粒子としては、合成シリカ、硅酸塩
鉱物、合成硅酸塩、クレー、タルク、炭酸カルシウム、
硫酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、サ
チンホワイト、リトポン等の無機質顔料等が挙げられる
この中でも本発明において好ましいものは、合成シリカ
、硅酸アルミニウム、硅酸カルシウム、硅酸マグネシウ
ム等のシリカ系顔料である。特にシリカ系顔料はインク
中の溶媒及び染料等を吸収する微細な内部ボアを多数有
しており、これらの色材がインク受容層の最表層で捕捉
された方が呈色性が良好となる他、特定のCobb吸水
度を有するインク受容層の設計にこうしたシリカ系顔料
が好ましいためである。
他方、バインダーとしては、澱粉、酸化澱粉、ゼラチン
、カゼイン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、カルボ
キシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ等の水溶性高分
子; SBRラテックス、MBRラテックス、酢ビエマ
ルジョン、アクリル型エマルジョン等の水分散型高分子
等が挙げられ、これらの一種以上が使用される。
又、インク受容層には、耐水化剤(染料定着剤)、分散
剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、
界面活性剤等の添加剤を含有させてもよい。
本発明の方法に適当な上記の被記録材は、上記の材料を
水等の媒体中に溶解又は分散させて調製した塗工液を、
リバースコーター、バーコーター、エアナイフコーター
、ブレードコーター、ゲートロールコータ−、サイズプ
レス方等、従来公知の方法を用いて支持体上に塗工し、
その後可及的速やかに乾燥させて調製される。
支持体上のインク受容層の塗工量は、Cobb吸水度を
30g/nf以上とする様に調整されるが、通常5乃至
50g/m2程度(乾燥塗工量)、より好適には10乃
至30g/rn’が好ましい。
又、本発明方法においては、塗工工程上の負荷を減らす
ため、更にインク吸収性、O,D、、粉落ち、ドツト形
状等を両立させるうえで2層以上のコート層を設け、機
能分離させることが好ましい。この態様では下層に粒子
径の大きい顔料を用いて、その表面の細かい凹凸を上層
の粒径の小さい顔料で埋めることにより大きい顔料を用
いた場合の利点を生かし、粉落ちを生じることなく更に
ドツト形状が良好でザラツキ感のない画像が得られる。
又、本発明における顔料とバインダーの使用割合もイン
ク受容層中のボアの分布や容量を調整する要因であるた
め、Cobb吸水度を指標にすることが好ましいが、一
般に重量比10/1乃至1/1の範囲内であることが好
適である。lO/1より顔料が多いとインク受容層中の
顔料の接着力が低下するため粉落ちの問題が発生し、一
方、1/1よりバインダーが多いとインク受容層中のボ
アが少なくなりCobb吸水度を30g/m″以上に調
整することが困難である。
前述の如く、インク受容層を2層構成とする場合には、
上層のインク吸収速度が、表面に付着したインク滴が適
当な大きさに滲む程度に遅く、且つ下層のインク吸収性
が大である構成が好ましく、このためには上層における
顔料とバインダーの使用割合が1/3乃至5/1、より
好適には1/2乃至3/1で、インク受容層トータルと
して1/1乃至10/1の範囲が好適である。
インク受容層が、前述の如く2層で構成されているため
、上層の塗工量は1乃至20g/m2、より好適には5
乃至15g/m2、下層はインク受容層の塗工量がトー
タルとして5乃至50g/rn’、より好適には10乃
至30g/nfどなる範囲内で上層より大なる塗工量が
好ましい。
上層がIg/rn’未満では設けない場合に比べてさし
たる効果がなく、一方、20g/rri”を越えると、
下層の効果が表れず、インク吸収速度及び染料発色性等
が低下するので好ましくない。
更に本〜発明の被記録材のインク吸収性をより良好とす
るために、好ましくは下層を形成する顔料として、特開
昭62−183382号公報に開示されている様な球状
の粒子形状を有する多孔質のシリカ粒子を用いることが
できる。特に10乃至30μmの平均粒径を存する前記
球状シリカを下層に用いた場合には、従来の不定形顔料
を用いたものに比べ、空隙容量が高いコート層を形成す
ることができ、優れたインク吸収性を有する被記録材を
提供することができる。
本発明方法に用いる好ましい前記充填剤の平均粒子径は
、被記録材の平滑度を低く設定するためには、2乃至3
0μm、より好ましくは3乃至15μm程度である。3
0μmを越えるとザラツキ感を与える画像となり、又、
逆に2μm未満では良好な塗層強度と平滑度が得られ難
い。
又、本発明方法で使用する被記録材は、上記の方法によ
り調製後表面の塗層強度を得るため通常のスーパーカレ
ンダー処理をすることができる。
スーパーカレンダー処理により平滑度をコントロールす
ることも可能であるが、この際インク受容層のボアを潰
すことになるので、Cobb吸水度が30g/m2未満
にならない様にする必要があ以上の様な材料を用いて本
発明方法で使用する被記録材が調製されるが、本発明で
言うCobb吸水度や平滑度等はインクジェット記録適
性に寄与する被記録材中のボア容積及び表面付近のボア
分布や粗さを定義するものであり、インク受容層の製造
方法、塗工方法や乾燥方法によって影響されるものであ
る。
従って本発明で使用する被記録材を具体的に限定するも
の、は、調製された被記録材のボアの分布状態等を示す
指標であり、具体的に前記の材料を用いて夫々の材料に
好適な製造方法を選択し、本発明の要件であるCobb
吸水度及びベック平滑度に調整する必要がある。
以上の様な材料を用いて構成される被記録材を用いた記
録方法は、特に高速記録に適しており、印字後500ミ
リ秒後に印字面が排紙ローラーにこすられることがあっ
ても、ゴースト及びこずれの開運を発生せず、高精細で
鮮明な画像を与えるものである。
更に本発明の記録方法は、シリアル方式の記録方式にお
いても高密度記録に適しており、前述の如きブリーディ
ングの問題を発生しないことも確認された。
本発明方法は上記本発明の被記録材を用いる記録方法で
あり、この記録方法において上記の如き特定の被記録材
にインクジェット記録方法により付与するインクそれ自
体は公知のものでよく、例えば、その記録剤は直接染料
、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に代
表される水溶性染料であり、特にインクジェット記録方
式のインクとして好適であり、上記の被記録材との組合
せで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他の
要求される性能を満たす画像を与えるものであればいず
れのものでもよい。
この様な水溶性染料は、従来のインク中において一般に
は約0.1乃至20重量%を占める割合で使用されてお
り、本発明においてもこの割合と同様でよい。
本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は水
と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なもの
は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であって、水溶性有
機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコ
ールを含有するものである。又、水としては種々のイオ
ンを含有する一般の水でなく、脱イオン水を使用するの
が好ましい。
インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインク
の全重量に対して重量%でO乃至95重量%、好ましく
はlO乃至50重量%の範囲である。
又、本発明に用いるインクは上記の成分の外に必要に応
じて界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等を包含
し得る。
本発明方法において前記の被記録材に上記のインクを付
与して記録を行うための方法はいずれの記録方法でもよ
いが、好ましくはインクジェット記録方法であり、該方
法はインクをノズルより効果的に離脱させて、射程体で
ある被記録材にインクを付与し得る方式であればいかな
る方式でもよい。
上記の方式の中でも本発明方法に特に最適なものは、特
開昭54−59936号公報に記載のバブルジェット記
録方式である。特にこのバブルジェット記録方式は、吐
出方式が簡単であり且つ吐出手段を微少化できるため、
ノズルの高密度化が可能であり、且つフルマルチ方式の
ヘッド設計に通している。
上記のバブルジェット記録方式を用いて、Cobb吸水
度30g/m2以上のコート紙の平滑度と紙の500ミ
リ秒後こすれに対する最大初期インク吸収容量の関係に
ついて求めたものを第1図に示した。上記の試験は、第
2図に示す装置を用いて以下の方法に従って行ったもの
である。
図中ロール紙1はガイドローラー2及び搬送ローラー3
を介してバブルジェット記録ヘッド8に達し、印字され
た後500ミリ秒後にこすれロッド9に達し、搬送ロー
ラー4を通って排紙される。
本発明者等は印字ヘッド8におけるインク吐出量及び紙
の搬送速度を調整することによりインクの付着密度を変
え、ロッド9のこすれにより印字部に尾引きが発生しな
い最大量のインク付着密度Pmax  (n It /
mm″)を求めた。尚、搬送速度を変更する場合には、
ロッド9を印字500ミリ秒後にこすれ位置にくる様に
移動させた。
第1図のグラフにおいて■で示される範囲が、記録紙の
有する紙の初期吸収量が付着密度により上まわる領域で
ある。前記0式は、第1図の■で示される領域を示すも
のである。
尚、前記0式は本発明者が検討したデータをもとに導い
た近似式であり、好ましい平滑度S(秒)の範囲は、1
≦S≦80、より好ましくは5≦S≦60である。すな
わち、Sが80秒を越える範囲では前述(0式)のVr
が小さくなってしまうため、インクの初期吸収性が低く
なる他、■に対するインクの影響が大きくなるため、紙
の物性値で規定した本発明における0式に含まれる誤差
は大きくなる。又、Sが1秒に満たない様な紙はコート
層が脆く、紙粉の問題を発生したり、又、得られた画像
に光沢感がなくザラついた画像となり好ましくない。
(発明の効果) 以上の如き本発明によれば、本発明方法で使用する被記
録材は、染料捕捉性の高い顔料をコート層に多量に含有
しているので、インク滴中の染料が顔料に捕捉及び吸収
される確率が高く、その為にインクの滲み及び拡散が抑
制され、その結果ドツト形状が改良されて優れたインク
吸収性、解像度、発色性、発色濃度等を示す。
更に本発明方法で使用する被記録材は、多量の内部ボア
容積を有し、且つ表面にも多量のボアを有している(表
面が適度な粗さを有している)ために、特に高密度印字
及び高速印字に適しており、特定の印字密度を有する記
録システムに上記の如き被記録材を用いたインクジェッ
ト記録方式においては、印字後500ミリ秒後に印字部
分が排紙ローラーに達することがあっても、ゴースト及
びこすれの問題を発生せず、又、写真調の高密度且つ高
精細印字も可能であり、特にバブルジェット方式を用い
た本発明の記録方法においては、A4サイズの用紙を1
分当り10乃至30枚の印字速度で記録することも可能
となった。
(実施例) 次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない
限り重量基準である。
実施例 (被記録材の調製〉 基材として、ステキヒトサイズ度27秒の一般上質紙(
New O,に、上質紙、玉子製紙製)を用い、その基
紙上に下記の塗工液(A)を用いて、乾燥塗工量が20
g/m2となる様にバーコーター法により塗工し、11
0℃で5分間乾燥させて、第1層を形成した。その第1
層の上に下記の塗工液(B)を用いて乾燥塗工量が7g
/ばとなる様にバーコーター法により塗工し、110℃
で3分間乾燥させ−て第2層を形成して本発明で使用す
る被記録材を調製した。
1工丘(Δ五皿戎 合成球状シリカ(旭硝子製、平均2次粒子径18μm)
           27部ポリビニルアルコール(
PVA−117、クラレ製)3部 変性ポリビニルアルコール(PVA−1130、クラレ
製)               6部カチオン樹脂
(FAA−1O5,日東紡製)  2部水      
               200部塗ユJL工1
ユ」1成 合成シリカ(ミズカシルP−780、水沢化学製、平均
2次粒子径8μm)       12部ポリビニール
7)Ltコール(PVA−117/PVA、−105、
クラレ製)               9部カチオ
ン樹脂(FAA−1O5、日東紡製)  1部水   
                  200部上記被
記録材1をテスト用スーパーカレンダー機(熊谷理機工
業製)にて、線圧20 Kg/ cmとして1回及び2
回、モして線圧100Kg/cyaとして1回及び5回
夫々通して平滑度を調整し、被記録材2乃至5を得た。
塗工液(B)に用いた合成シリカに代えてファインシー
ルX−37(徳山曹達製、平均2次粒子径3μm)を用
いた以外は、被記録材1を調製した方法と同様にして被
記録材6を調製した。被記録材6を上記と同様に線圧2
0 Kg/ cmで1回及び2回、線圧100にg/c
mで1回及び5回夫々スーパーカレンダー処理し、被記
録材6乃至10を調製した。
被記録材1で用いた基紙上に塗工液(B)を用いて、乾
燥塗工量が7g/ゴとなる様に塗工し、1層のみのイン
ク受容層を有する被記録材11を、被記録材1と同様に
して調製した。
被記録材1で用いた基紙をそのまま被記録材12とした
上記被記録材1乃至12の前述の方法により求めたCo
bb吸水度及びJIS−P−8119によるヘツク平滑
度を下記第1表にまとめた。
γJ  1 − 5           45         .8
8tt             13       
   28上記の被記録材に対して下記の記録装置をも
って印字し、記録通性を評価した。
記録方法1 上記の被記録材に対して0.125mmのノズル間隔で
A4サイズの短辺方向(210mm幅)にノズルが配列
する様に、インクジェットヘッドをY、M、C及びBk
の4色分を4列に配置した高速バブルジェットプリンタ
(試作機)を用いて記録した。
この記録ヘッドの有するノズルの平均吐出液体積の実測
値は0.165nILであり、最大重的印字数n=2と
なる様な画像処理のもとて記録を行なった。
この記録装置の記録紙の搬送速度は150mm/sec
、、搬送方面の印字解像度もヘッド方向と同一となる様
に設定されており、印字後最短で500ミリ秒後に印字
反部が排紙ローラーに達するものである。
記録方法2 前記第2図におけるヘッド8として1mmに16木のノ
ズル間隔で128本のノズルを備えたインクジェットヘ
ッドをY、M、C及びBkの4色分配置した記録装置(
試作機)を用いて記録を行なった。
同様にこの記録装置は搬送方向にもヘッドと同一解像度
で印字される様に記録紙の搬送速度が設定されており、
こずれロッド9に印字後500ミリ秒後に印字部が達す
る様にロッドの位置を設定した。
上記記録ヘッドを有するノズルの平均吐出液滴体積は0
.025njZであり、上記記録装置を用いてn=2と
なる画像処理のもとに記録を行なった。
記録方法3 1mmに14木のノズル間隔で128木のノズルをY、
M%C及びBkの4色分備えたシリアルスキャンタイプ
のインクジェットプリンタを用いて記録を行なった。
この記録ヘッドの有する平均吐出液滴体積は0.052
nILであり、上記記録装置を用いてn=2の記録を行
なった。
上記各記録方法に用いたインクを下記に示した。
(インク組成・−記録方法l及び2) 染料        2部 ポリエチレングリコール#200     107%ト
リエチレングリコール       25部N−メチル
−2−ピロリドン      5部水        
               58部(インク組成・
・・記録方法3) 染料        2部 ジエチレングリコール        20部グリセリ
ン             5部水        
              73部染料は各記録方法
をも下記のものを用いた。
(染料) Y:C,1,ダイレクトイエロー86 M:C,1,アシッドレッド35 C:C,1,ダイレクトブルー86 Bに:C,1,フードブラック2 評価は次に示す項目について行なった。
(1)インク吸収性は、記録方法1及び2については、
ゴースト及びこすれが発生しないものをQ、そうでない
ものを×とした。記録方法3においては、混色の印字境
界部におけるブリーディングを発生しないものをOlそ
うでないものをX、その中位のものをΔとした。
(2)O,D、は、記録方法1についてY、M、C及び
Bkのベタ印字部のO,D、(画像濃度)をマクベス濃
度計RD−918を用いて求めた。
上記の評価結果を下記第2表にまとめた。
〜  2− (1)インク吸収性 4     4          Q5      
   1    × 7               2       ×
8                 3      
  X9               4     
  xl0               5    
   ×11               6   
    ×12               7  
     ×5                8 
      ×7     11          
   。
9                 9      
  Xto                to  
      xl 1               
11       xl2             
12       Xl       13     
       03    15          
 。
4     16             △5  
          13      ×6    1
7           。
フ                    14  
       ×8            15  
    ×9            16     
 xl0              17     
  xtt              is    
   xl2             19    
   x(以下余白) (2)O,D。
’    No、  Yellow   Maenta
   Can   Blackl      1.20
    1.06   1.01    +、192 
     +、24     1.09   1.04
    +、223     1.28   1.11
   1.05    +、224    1.27 
    J、11   1.04   1.245  
   1.34     1.14   1.06  
  +、286      +、30    1.10
   1.05   1.297     1.38 
    1.14   1.09   1.338  
   1.37      +、+3   1.09 
  1!49     1.35     1.13 
  1.07   1.3510     1.27 
    1.09    +、05    +、241
 1     1、(130,!17   0.92 
  1.051 2     0.65     0.
54   0.51    G、70
【図面の簡単な説明】
第1図はバブルジェット記録方式を用いて、(:obb
吸水度30g/m2以上のコート紙の平滑度と紙の50
0ミリ秒後のこすれに対する最大初期インク吸収容量の
関係を示す図であり、第2図は上記の試験に用いた装置
を示す図である。 1:記録紙       2ニガイドローラ3.4:搬
送ローラ 5.6,7:搬送ガイド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)細孔内に導入される記録液を該細孔に通じた開口
    より噴射し、この記録液を、支持体上に充填剤粒子を含
    有するインク受容層を設けてなる被記録材に付着させて
    記録を行うインクジェット記録方法において、上記被記
    録材の記録面のJIS−P−8140において接触時間
    を30秒とし、ジエチレングリコールを30重量%含む
    蒸留水を用いて求めたCobb吸水度が30g/m^2
    以上であり、且つその最大記録密度P(nl/mm^2
    )と上記被記録材のインク受容層表面のベック平滑度S
    (秒)がs≦116−3.62Pの範囲内とすることを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  2. (2)インク受容層が、シリカ系の顔料を含んでいる請
    求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. (3)インク受容層が、球状の粒子形状を有する多孔質
    な合成シリカを含有している請求項1に記載のインクジ
    ェット記録方法。
  4. (4)印字幅方向全幅にインクジェットノズルを配置し
    てなるフルマルチ記録装置を用いる請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  5. (5)記録液が、10乃至50重量%の多価アルコール
    を含む水系インクである請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
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