JP2771554B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はインクジェット記録方法、とりわけ高濃度で
高繊細は画像を提供する多色インクジェット記録方法に
関する。
(従来の技術) インクジェット記録方法は、種々の記録液吐出方式
(例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いて記録液に機
械的振動又は変位を与える方式、記録液を加熱して発泡
させその圧力を利用する方式等)により、記録液(イン
ク)の小滴を発生及び飛翔させ、それらの一部若しくは
全部を紙等の被記録材に付着させて記録を行うものであ
るが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行え
る記録方法として注目されている。
インクジェット記録用のインクとしては、安全性、印
字適性の面から主に水系のものが使用されており、一
方、被記録材としては従来通常の紙が一般的に使用され
て来た。
液状のインクを用いて記録を行う場合には、一般にイ
ンクが記録用紙上で滲んで印字がぼけたりしないことが
必要であり、又、インクが記録後可及的速やかに乾燥し
て不意に紙面を汚染しないことが望ましい。
一方、2色以上の異色のインクを用いる多色インクジ
ェット記録方法に於いては、色材の発色性及びインク吸
収性の面から専用紙が使われることが多い。
従来、この様な被記録材としては、 (1)パルプを主成分とした一般の紙を低サイズ度とな
る様に抄紙して濾紙や吸取紙の様にしたもの、 (2)基材上にシリカやゼオライトの様な多孔質で吸油
量が大きくインク中の着色成分を吸着する顔料を用いて
塗工層を設けたもの等が知られている。
上記の被記録材(1)は低コストで作れる反面、イン
ク吸収性は優れるものの、インクが紙の繊維層に深く浸
み込んでしまう為インク中の色材の発色性が悪く、又、
インクが紙表面の繊維に沿って吸収される為フエザリン
グと呼ばれる現象が生じて、ドットが円形にならずギザ
ギザになる現象や、ドットが大きくなりすぎて解像度の
低下を来たし、良質な画像が得られないという欠点があ
った。
この為、専らこの様なノンコートタイプの紙は、モノ
クロ記録やパソコンの端末等の比較的解像度が低く、高
濃度の画像を必要としない場合に用いられて来た。
被記録材(2)としては、従来、例えば、特開昭58−
132586号公報、特開昭59−35977号公報に記載の比較的
サイズ度の高い紙(市販の上質紙)を基紙としたコート
紙が挙げられる。
こうしたコート紙ではインク受容層が多孔質で均一に
なっている為、適度なインク吸収性を有し、ドット形状
や解像度に優れた画像が得られるが、より高品位で高解
像度のカラー画像を必要とする記録方式に於いては、よ
り多量のインクを高速に吸収し、且つ定着することが必
要である為、従来はインク受容層の塗工量を増やし、空
隙容量を大きくすることで対応して来た。
しかし、塗工層が厚くなるに従い、被記録材が記録装
置中の搬送系等との接触時に塗工層が基紙より剥れる、
いわゆる粉落ちが発生し、装置内部を汚すだけでなく、
インクジェットヘッドのノズル詰りの原因となる。
又、製造工程上塗工量が多い為にバインダーがマイグ
レーションを起こし、塗工層の強度の低下やインク吸収
性の低下が起こる。
この様な問題は乾燥条件を緩やかにしたり、塗工回数
を分けることによって幾分は解決されるが製造コストが
高くなる。
これらの欠点は低サイズ度の基紙上に多孔質の顔料層
を設けることで改善され、例えば、特開昭59−185690号
公報には、サイズ度4秒以下に基紙上に特定の物性を有
するシリカを含む塗工層を有する被記録材が例示されて
いる。
この様なタイプの被記録材は比較的薄いインク受容層
を設けた場合でも、優れたインク吸収性を持つが以下に
述べる欠点がある。
(1)インク受容層が薄くて殆どインクを保持出来ず、
多量のインクが基紙に深く浸透してしまう為、印字濃度
の低下、ドット形状の悪化及び付着したインク滴の滲み
すぎによる解像度及び印字品位の低下する。
(2)塗工時に塗工液中のバインダーがサイズ度の低い
基紙に吸収され、その結果、塗工層が薄いにも係らず表
面の粉落ちを生じる。
更に、記録の高速化及び高密度化が要求される様にな
り、インクジェットヘッドがマルチノズル化され、又、
ノズル配置が高密度化される様になると、 (3)多量のインク滴が同時に高密度に付着された際
に、異色の印字境界部に於いてインクが滲んで混ざり合
う、いわゆるブリーディングと呼ばれる問題を生じる欠
点も顕在して来た。
上記の様な問題点は、薄いコート層と吸液性の基紙を
用いた基紙吸収タイプのコート紙特有の問題であり、特
に上記のブリーディングの問題は、直接画像品位の低下
を引きおこすだけに重大問題である。
上記の問題は、インク受容層、基紙、更に付着するイ
ンク量の夫々に起因すると考えられるが、従来、これら
の相互の関係に着目して上記の問題点を解決する方法は
知られてなかった。
(発明が解決しようとしている問題点) そこで本発明の目的は、上述の如き欠点を解決し、例
え塗工層が薄くても速やかなインク吸収性を有し、とり
わけドット形状に優れ且つ好適なインク滴の滲み率を有
する被記録材を用いた高繊細で鮮明な画像を形成する記
録方法を提供することにある。
(問題点を解決する為の手段) 上記目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、基紙の表面に顔料と疎水性物質とを
含む表層を有し、ステキヒト・サイズ度が0乃至15秒で
あり且つ滲み率(N)が、N≦A(但しN=R/D、A=
1.7×d[n1/3・D]であり、Rはドット径(mm)、D
は平均液滴径(mm)、nは重ね印字数、dはノズルピッ
チ(mm)でd≦1/14.2である。)の範囲にある被記録材
を用いることを特徴とするインクジェット記録方法であ
る。
(作用) 本発明者等は、水系インクを用いたインクジェット記
録方法に於て、前記従来技術の欠点を解決した良好な記
録画像を得るべく鋭意研究の結果、上記の如き特定の物
性をもつ被記録材及び印字方法を組み合わせて用いた結
果、被記録材が例え塗工層が薄くとも、優れた色彩性及
び画像濃度を与え、高精細且つ高品位な画像を提供する
のに適することを知見し本発明に至った。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。
本発明者等は、上記の様な基紙吸収タイプでしかも顔
料と疎水性物質と基紙の繊維が混在してなる表層を有す
る紙を用いて高密度で高速記録を行なうインクジェット
記録方法に於ける特にブリーディングの問題について検
討した結果、使用する紙の滲み率と印字方法の関係との
間に相関性があることを知見したものである。
即ち、本発明の特徴は、使用する被記録材の滲み率
(N)を、N≦A(但しN=R/D、A=1.7×d/[n1/3
・D]であり、Rはドット径(mm)、Dは平均液滴径
(mm)、nは重ね印字数、d≦1/14.2である)となるよ
うに調整することである。ここで言う滲み率(N)と
は、N=R/D(Rは被記録材上でのドット径(mm)を、
Dは液滴径(mm)を示す。)で表わされ、Dはノズルよ
り吐出される液滴の体積を実測し体積より換算される平
均吐出液滴直径であり、Rは上記の液滴を被記録材に付
着させて得られるドットの面積を算出し、それを同等の
面積を有する円の直径として換算される面積換算ドット
径である。夫々の被記録材の滲み率の測定は、記録方法
に使用するものと同一のインクを用いて測定されたもの
である。
本発明は被記録材の有する滲み率及び記録システムに
於るノズルピッチ及び吐出液滴直径を調整して得られる
ドット径が、ノズルピッチの1.7倍以下となる様な記録
を行なうことにより達成される。得られるドット径がノ
ズルピッチの1.7倍を越した場合には、線太りや特にブ
リーディングを発生し好ましくない。
尚、ここで言うn(重ね印字数)は単色印字の際にイ
ンクを重ね印字する数である為通常nは1であるが、同
色インクを重ね打って階調表現を表わす場合にはその場
合の同色インクの最大の重ね数をnとする。
又、Nが小さくなるとベタ印字した際のドット被覆率
が小さくなり、画像濃度が低下するという問題があり、
この為Nは出来る限り1.7・d/n1/3Dに近い方が望まし
い。
次に本発明で使用するのに適した被記録材の態様を述
べ本発明を更に具体的に説明する。勿論以下に例示する
ものは好ましい具体例の一つであり、以下の態様例以外
にも本発明の要件を満たすものは当然使用可能である。
被記録材の支持体としての基紙は従来公知のLBKPやNB
KP等に代表される木材パルプを主体として形成される
が、必要により合成繊維やガラス繊維を混合してもよ
い。
上記の基紙に用いる填料としては、具体的には、クレ
ー、タルク、カオリナイト、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム等が挙げられ、これらの填料をJIS−P−8128による
灰分量の換算で2乃至15%、より好ましくは4乃至10%
の範囲で含有することが好適である。
灰分量が2%未満の場合にはインク滴の滲みが大き
く、又、ドット形状が悪くなる為、印字品位の低下を生
じ易い。一方、15%を越える場合には被記録材のコシが
なくなってしまう為搬送性に問題が生じ易い。
基紙は上記の材料の外に従来公知の抄紙助剤、歩留り
向上剤、紙力増強剤等を必要に応じて使用して抄造され
るが、色材の発色性や記録画像の保存性等の面から抄紙
方法は硫酸バンドを用いる酸性抄紙法より中性抄紙法が
好ましい。
更に基紙表面の強度や耐水性等を強化する目的で澱
粉、酸化澱粉、ポリビニルアルコール等の従来公知の表
面サイズ剤を用いて表面サイズプレスを行なってもよ
い。
以上の様にして調製される基紙のステキヒトサイズ度
を0乃至15秒、好ましくは0乃至10秒、更に好ましくは
0乃至5秒とすることが望ましい。15秒を越える場合に
はインク吸収性が低下する。
更に本発明方法で使用する基紙吸収タイプの被記録材
に於ては基紙の坪量も重要であり、好ましくは70g/m2
上、より好ましくは90g/m2以上とすることが好適であ
る。特に坪量が70g/m2未満の場合はインクを吸収した被
記録材が波打ち(コックリング)したり、裏抜けという
問題を生じ易い。
又、基紙の好ましい空隙率は40%以上、より好ましく
は60%以上である。空隙率が40%に満たない場合には同
様にインク吸収性が低くなる。
本発明方法に於いては使用する被記録材の表面平滑性
も重要なファクターである。これは被記録材の特に短か
い時間での吸収性には、紙の粗さ指数(Kr)との相関性
が高いからであり、低平滑な被記録材を調製することが
好ましい。その方法としては以下の2つの態様が挙げら
れる。
(3)基紙として平滑度の低い基紙を用いる場合、 (4)インク受容層を形成する過程に於いて、表面の平
滑度を低くする場合、 上記(3)の場合の基紙の好ましいベック平滑度(JI
S−P−8119)は40秒以下、好ましくは20秒以下であ
る。(4)の場合には基紙の平滑度の影響は少なくなる
が、やはり平滑度40秒以下程度の低い基紙を用いた方が
好ましい。
一方、インク受容層としての表層は顔料と疎水性物質
とバインダーとを含む塗工液を基紙上に塗布して形成さ
れる。顔料としては、合成シリカ、硅酸マグネシウム、
硅酸アルミニウム、硅酸カルシウム、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化
チタン、酸化亜鉛、アルミナ、サチンホワイト、リトポ
ン等の無機質顔料等が挙げられる。
この中でも本発明方法に好ましいものは、合成シリ
カ、硅酸アルミニウム、硅酸カルシウム、硅酸マグネシ
ウム等のシリカ系顔料やアルミナ系の顔料及び造粒粒子
である。これらの顔料はインク中の溶媒及び染料等を吸
収する微細な内部ポアを多数有しており、インク中の色
材がインク受容層の最表層で捕捉された方が呈色性が良
好となり好ましいからである。これらの顔料の有する好
ましいBET比表面積は200m2/g、より好ましくは5乃至15
0m2/g、更に好適には10乃至100m2/gの範囲内である。
本発明者等の知見によれば、上記の様な理由からは顔
料の比表面積は高い方が好ましいが、200m2/gを越える
顔料を用いると特に印字物の室内変色の問題が顕著とな
る。室内変色はコート紙特有の問題であり、特に直接日
光の当らない雰囲気下に保存した場合にも、ブラックの
印字部が茶色に変色することがあり重大な問題となって
いる。
比表面積が200m2/g以下の顔料を用いた場合には、染
料の発色性がやや低くなる問題があるが、この点はカチ
オン性の顔料を用いることにより補なうことが出来る。
即ち、染料の有する酸性基(スルホン酸基、カルボン
酸基等)を利用して、顔料に染料を吸着させる方法であ
り、この様な顔料として好ましいものは比表面積が200m
2/g以下のアルミナや、比表面積が200m2/g以下のシリカ
の表面を有機又は無機のアルミニウム化合物やアミン系
のシランカップリング剤でカチオン化処理したものが挙
げられる。
他方、バインダーとしては、澱粉、酸化澱粉、ゼラチ
ン、カゼイン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ等の水溶性高
分子;SBRラテックス、MBRラテックス、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン、アクリル型エマルジョン等の水分散型高
分子等が挙げられる。
又、インク受容層には耐水化剤(染料定着剤)、分散
剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界
面活性剤等の添加剤を含有させてもよい。
本発明方法で使用する上記被記録材は、上記の材料を
水等の媒体中に溶解及び/又は分散させて調製した塗工
液を、リバースコーター、バーコーター、エアナイフコ
ーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、サ
イズプレスコーター等従来公知の方法を用いて支持体上
に塗工し、その後可及的速やかに乾燥させて調製され
る。
本発明方法で使用する被記録材は、前記の基紙の繊維
状物質が記録面の近傍に存在する構成とすることが好ま
しく、更に好ましくは記録面に基紙の繊維状物質と前記
の顔料と疎水性物質が混在していることである。
この為のインク受容層の好ましい乾燥塗工量は大略0.
1乃至10g/m2、より好ましくは、0.5乃至5g/m2である。
塗工量が0.1g/m2未満では前記の被記録材(1)の如き
問題点を発生し、10g/m2を越えて設けたものは、微量コ
ートにした場合の利点、紙粉の発生が少ない点、製造上
の負荷が少ない点等の利点がなくなってしまう。特に前
述の(3)の態様の場合には、塗工量を0.5乃至3g/m2
度として、基紙の粗さが表面に反映する構成とすること
が好ましい。
使用する顔料の粒子径は(3)の態様の場合には特に
限定されないが、(4)の場合には2乃至20μm程度の
粗いものが好適である。即ち、2μm未満の場合には表
面に適度な粗さを与えることが困難であり、20μmを超
した場合にはインクの初期吸収の面では有利であるが、
ドット形状が悪くなりザラついた感じの画像になる。
前記インク受容層の形成に使用する顔料とバインダー
の使用割合は好適には5/1乃至1/3、より好ましくは3/1
乃至1/2の範囲内である。上記範囲よりバインダーの使
用割合が多い場合にはインク吸収性の低下が著しく、顔
料の使用割合が多い場合にはバインダーの結着力が低い
為インク受容層表面からの粉落ち等の問題がおこる。
又、上記の材料を分散して得られる水系塗工液の粘度
は、1,500cp(センチポイズ)以下、より好ましくは1,0
00cp、更に好ましくは500cp以下であり、所望の乾燥塗
工量が得られる範囲内とすることが望ましい。
粘度が1,500cpを超えた塗工液を用いた場合には、塗
工適性が悪く塗工ムラを生じ易い外に、塗工及び乾燥時
に記録面の表層付近のバインダーの分布量が多くなる為
に、この様にして得られた被記録材は塗工層の表面強度
を挙げる為に工程上乾燥後にスーパーカレンダー処理を
しなくてもよいが、過度にカレンダー掛けを行なうと紙
の吸収性の低下がおこる為好ましくない。
以上の様にして得られる被記録材自体のステキヒトサ
イズ度は0乃至15秒、ベック平滑度は0乃至40秒、坪量
は70g/m2以上、より好適には90g/m2以上であることが好
ましい。
特に微量なコート層を設けた被記録材に於いては、被
記録材のステキヒト・サイズ度が0乃至15秒であること
が必須である。
従来この様な被記録材では、いわゆるヘビーコート紙
に比べてインクの初期吸収性が低いうえに滲み率が大き
いことが、特にブリーディングに悪影響すると考えられ
て来た。
本発明方法では付着するインク量等に応じて特定値よ
り低い滲み率の紙を用いることにより、その問題を解決
したものである。
本発明方法に於いて滲み率を小さくする方法は、前記
のインク受容層中に疎水性の物質を含有する方法が最も
効果的である。
疎水性物質としては、シリコン系、フッ素系、ポリオ
レフィン系等の界面活性剤やポリ酢酸ビニル、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニルやポリエチレン、ポリプロピレン
等のアルキド樹脂等が挙げられるが、特に好ましいもの
は、SBRラテックス、MBRラテックス、酢酸ビニルエマル
ジョン等の水分散型の疎水性高分子である。
勿論、必要とされる滲み率に応じてこれらの樹脂を親
水性樹脂と併用して用いることが出来る。好適な親水性
/疎水性樹脂の使用割合はセグメントの比として95/5乃
至50/50である。疎水性樹脂の使用割合が多すぎると画
像濃度等が低下する。
又、本発明方法で使用する被記録材に於てはインク受
容層の塗工量を増やすことも滲み率を小さくすることに
は効果的であり、前述の好適塗工量の範囲内で滲み率コ
ントロールの手段として用いることが出来る。
本発明方法に於て上記の如き特定の被記録材にインク
ジェット記録方法で付与するインクそれ自体は公知のも
のでよい。これらのインクは色材として、例えば、直接
染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等
に代表される水溶性染料を含んでなる。
この様な水溶性染料は従来のインク中に於いて一般に
は約0.1乃至20重量%を占める割合で使用されており、
本発明に於てもこの割合と同様でよい。
本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は
水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なも
のは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であって、水溶性
有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アル
コールを含有する一般の水でなく脱イオン水を使用する
のが好ましい。
インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはイン
クの全重量に対して重量%で0乃至95重量%、好ましく
は5乃至50重量%の範囲である。
又、本発明に用いるインクは上記の成分の他に必要に
応じて、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等を
包含し得る。
本発明方法に於いて、前記の特定の被記録材に上記の
インクを付与して記録を行う為のインクジェット記録方
法は、インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体
である被記録材にインクを付与し得る方式であれば、い
かなる方式でもよく、従来公知の方法はいずれも使用出
来特に限定されない。
それらの方式の代表的なものは、例えば、アイイーイ
ーイー トランス アクションズ オン インダストリ
ー アプリケーションズ(IEEE Trans actions on Indu
stry Applications)Vol.JA−13、No.1(1977年2、3
月号)、日経エレクトロニクスの1976年4月19日号、19
73年1月29日号及び1974年5月6日号に記載されてい
る。
これらの方式の中で特に高速及び高密度印字に優れた
方法は、ピエゾ素子に電気信号を与えて機械的変位を生
じさせることによりインクに圧力を加え、ノズルより噴
射させる方式であり、この中でも更に特開昭54−59936
号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を
受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化に
よる作用力によって、インクをノズルから吐出させるバ
ブルジェット記録方法は高密度なマルチノズルの形成に
優れている。
(発明の効果) 本発明方法で使用する被記録材は、染料捕捉性の高い
顔料を表層に多量に含有しているので、インク滴中の染
料が顔料に捕捉及び吸収される確率が高く、且つ表層に
は疎水性物質が包含されているので、その為にインクの
滲み及び拡散が抑制され、その結果ドット形状が改良さ
れて優れたインク吸収性、発色性及び解像性を示す。
更に本発明方法は好適な組合せの被記録材と印字方法
を用いており、本発明方法によれば薄い塗工層を有する
被記録材を用いているので装置内で紙粉を発生せず、
又、製造工程上も負荷が少なく低コストで被記録材を得
ることが出来るだけでなく、更にドット形状に優れ、薄
いコート層を有するインクジェット用紙に特有のブリー
ディングの問題を発生しない為に、鮮明で高精細な画像
を得ることが出来る。
(実施例) 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り重量
基準である。
実施例 基紙として硬質濾紙4A(東洋濾紙(株)製)を用い、
その基紙上に下記の塗工液を乾燥塗工量が1g/m2となる
様にバーコーター法で塗工し、120℃で2分間乾燥して
被記録材A乃至Gを調製した。
(塗工液組成A乃至D) 微粉シリカ(ファインシールX−37(B)、徳山曹達
製、平均粒子径3μm) 9部 バインダー樹脂 6部 水 85部 バインダー樹脂としてはポリビニルアルコール(PVA
−110、クラレ製)及びSBRラテックス(JSR−0619、日
本合成ゴム製)を5/0、4/1、3/2及び0/5の割合で夫々混
合して使用し、夫々被記録材A乃至Dを得た。
(塗工液組成E乃至G) 微粉アルミナ(RG−40、岩谷化学工業製、平均粒子径
0.5μm) 10部 バインダー樹脂 5部 水 85部 バインダー樹脂としてはカチオン化ポリビニルアルコ
ール(PVA−C−118−2A、クラレ製)及びポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン(ボンコート2610、大日本インキ製)を
5/0、4/1及び3/2の割合で夫々混合して使用し、夫々被
記録材E乃至Gを得た。尚、重量比はいずれも固形分比
である。
(被記録材Hの調製) 市販のPPC用紙上にコート層を形成した以外は被記録
材Bと同様にして調製した。
上記の被記録材に対して下記の記録装置(1)乃至
(3)を用いて記録を行った。
記録装置(1) 1mmに14.2本のノズル間隔のインクジェット記録ヘッ
ドを有するバブルジェット方式の記録装置を用いて記録
を行った。この記録ヘッドの有するノズルの平均吐出液
滴径は46μmであった。
記録装置(2)及び(3) 1mmに15.7本のノズル間隔のインクジェット記録ヘッ
ドを有するバルブジェット方式の記録装置を用いて記録
を行った。夫々の装置の記録ヘッドの有するノズルの平
均吐出液滴径は38μm及び33μmであった。上記記録方
法には下記に示すインクを用いた。
ジエチレングリコール 5部 グリセリン 20部 染料 3部 水 72部 上記インクに使用する染料としては下記のものを用い
た。
Y(イエロー):C.I.ダイレクトイエロー86 M(マゼンタ):C.I.アシッドレッド35 C(シアン) :C.I.ダイレクトブルー86 Bk(ブラック):C.I.フードブラック2 夫々の記録方法に対する印字適性評価は下記の様に行
った。
(1)滲み率は記録装置(3)を用いて求めた。被記録
材上でのドット径は画像解析装置(DIXEL)を用いて前
述の方法に従って求めた。
(2)サイズ度は各被記録材のステキヒト・サイズ度を
JIS−P−8122の方法に基づいて求めた。
(3)ブリーディングは各記録装置を用いてシアンイン
クを用いたベタ印字部を背景としてその上にブラックイ
ンクでキャラクター印字し、鮮明に読みとれるものを
○、エッジが不鮮明なものを△、全く読みとれないもの
を×とした。
(4)O.D.は記録装置(3)を用いたブラックのベタ印
字部のO.D.をマクベス濃度計RD−918を用いて求めた。
(5)室内保存性は(4)の評価で用いたブラックの印
字パッチを通常のオフィスの壁に6カ月貼って放置し
た。放置後の印字物と印字直後の印字物の色差(ΔE
ab)をカラーアナライザーCA−35(村上色彩科学製)を
用いて求めた。
上記の夫々の結果を第1表に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−1583(JP,A) 特開 昭54−59936(JP,A) 特開 昭61−57667(JP,A) 特開 昭60−204390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/00 D21H 19/38 - 19/42

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基紙の表面に顔料と疏水性物質とを含む表
    層を有し、ステキヒト・サイズ度が0乃至15秒であり且
    つ滲み率(N)が、N≦A(但しN=R/D、A=1.7×d/
    [n1/3・D]であり、Rはドット径(mm)、Dは平均
    液滴径(mm)、nは重ね印字数、dはノズルピッチ(m
    m)でd≦1/14.2である。)の範囲にある被記録材を用
    いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】被記録材の表層が基紙の繊維状物質と顔料
    とが混在している請求項1に記載のインクジェット記録
    方法。
  3. 【請求項3】被記録材の表層が、BET比表面積200m2/g未
    満の含珪素系顔料及び/又はアルミナ粒子を含む請求項
    1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】被記録材の表層が、BET比表面積5乃至150
    m2/gの含珪素系顔料及び/又はアルミナ粒子を含む請求
    項1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】被記録材の表層が、BET比表面積5乃至100
    m2/gの含珪素系顔料及び/又はアルミナ粒子を含む請求
    項1に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】被記録材のステキヒト・サイズ度が0乃至
    10秒である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】被記録材のステキヒト・サイズ度が0乃至
    5秒である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】被記録材の基紙のステキヒト・サイズ度が
    0乃至15秒である請求項1に記載のインクジェット記録
    方法。
  9. 【請求項9】被記録材の基紙のステキヒト・サイズ度が
    0乃至10秒である請求項1に記載のインクジェット記録
    方法。
  10. 【請求項10】被記録材の基紙のステキヒト・サイズ度
    が0乃至5秒である請求項1に記載のインクジェット記
    録方法。
  11. 【請求項11】被記録材の基紙の坪量が70g/m2以上であ
    る請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】被記録材の基紙の坪量が90g/m2以上であ
    る請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】被記録材の基紙が中性抄紙されたもので
    ある請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】被記録材の基紙の空隙率が40%以上であ
    る請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】被記録材の基紙の空隙率が60%以上であ
    る請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】被記録材の表層がバインダーを含む請求
    項1に記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】前記バインダーとして、水溶性高分子若
    しくは水分散型高分子を含む請求項16に記載のインクジ
    ェット記録方法。
  18. 【請求項18】前記疎水性物質が疎水性高分子である請
    求項1に記載のインクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】インクとして5乃至50重量%の多価アル
    コールを含む水系インクを用いる請求項1に記載のイン
    クジェット記録方法。
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