JP3058460B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

Info

Publication number
JP3058460B2
JP3058460B2 JP1598091A JP1598091A JP3058460B2 JP 3058460 B2 JP3058460 B2 JP 3058460B2 JP 1598091 A JP1598091 A JP 1598091A JP 1598091 A JP1598091 A JP 1598091A JP 3058460 B2 JP3058460 B2 JP 3058460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording medium
ink jet
jet recording
recording method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1598091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04211984A (ja
Inventor
守 坂木
智美 中津川
豊 倉林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26348081&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3058460(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP1598091A priority Critical patent/JP3058460B2/ja
Publication of JPH04211984A publication Critical patent/JPH04211984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3058460B2 publication Critical patent/JP3058460B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低コストで製造可能な
記録媒体を用い、印字時にインク吸収性及び発色性(光
学濃度)に優れ、彩度、色相、鮮明性及び保存安定性に
優れた高品位のカラー記録画像を提供することが出来る
多色インクを用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット用の記録媒体とし
ては、 (1)特開昭56−148585号公報にある様に、一
般の上質紙等のインク吸収性の低い基紙上に、多孔質の
無機顔料を用いてインク吸収層を設けたもの等が知られ
ている。しかしながら、この様な記録媒体を高品位且つ
高解像度のカラー画像を形成する用途に使用すると、多
量のインクを急速に吸収し且つ定着させることが必要で
ある為、コート層の塗工厚を厚くしなければならず、そ
の結果、紙粉が発生し易い、筆記性に乏しい、製造上の
負担が大きい、コスト高となる等の問題がある。最近に
なってこれらの問題点を解決する方法として、 (2)基紙として吸液性の基紙(例えば、サイズ度が低
くなる様に抄紙されたもの)を用いて、その上に多孔質
の顔料層を設ける方法が用いられている(例えば、特開
昭59−185690号公報参照)。この様な記録媒体
は比較的薄い表層(インク受容層)を設けた場合でも優
れたインク吸収性が得られる為、紙粉の発生が少なく、
低コストで製造出来る利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
上記の様な記録媒体においては特に複数のインク滴が連
続して付着した部分(混色部等)では、色相が変わった
り、彩度が著しく低下する等の問題がある。又、高品位
且つ高解像度のカラー画像を形成するインクジェット記
録方法においては特に良好な画像保存性が要求される場
合があり、特に最近になって、コート紙特有の問題とし
て記録画像の屋内変色の問題がクローズアップされてき
た。従来問題とされていた耐光性は、例えば、紫外光や
可視光の照射による画像の褪色の問題であり、所謂一般
のPPC用紙や上質紙からインクジェット用のコート紙
までどの様な紙に印字した画像にも発生する問題である
が、本発明で云う屋内変色の問題は、例えば、直接日光
の当らない場所に保存したコート紙上に形成した画像に
は発生するが、PPC用紙等のノンコート紙に印字され
た画像には発生せず、上述の耐光性とは別個の問題であ
って、屋内変色の問題はコート紙に特有の問題である。
【0004】そこで本発明の第1の目的は、とりわけ多
色記録(複数色のインクを重ね合わせることで混色部を
形成する工程を含む)方法において、インク吸収性、発
色性(光学濃度)、彩度、色相、鮮明性に優れた高品位
のカラー記録画像を提供することが出来るインクジェッ
ト記録方法を提供することである。又、本発明の第2の
目的は、上記諸特性に加え、更に、とりわけ多色記録物
の保存安定性が望まれる場合であっても、その保存安定
性において優れた性能を有する記録画像を提供し得るイ
ンクジェット記録方法を提供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、ブリストウ法に
よる液体吸収性試験における液体転移量が10ml/m
2 以上である基材と、該基材上に設けられた顔料とバイ
ンダーを含む表層とを有する記録媒体に、複数色のイン
クを付与して記録を行うインクジェット記録方法におい
て、上記記録媒体に対して、少なくとも2色のインクを
0.3秒以内に重ねて付与すると共に、1つのインクの
印字密度が5.5nl/mm 2 以上である工程を有する
ことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0006】
【作用】インクジェット記録方法において、特定の被記
録材及び特定のインク付与方法を採用することによっ
て、インク吸収性、発色性(光学濃度)、彩度、色相、
鮮明性及び保存性等に優れた高品位のカラー記録画像を
提供することが出来る。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明で使用する記録媒体
は、基材と基材上に設けた表層により構成され、基材と
しては吸液性を有する基紙が使用される。尚、ここで云
う吸液性とは、ある一定量(10ml/m2)のインク
を吸収する基紙の能力を言い、具体的にはブリストウ法
による液体吸収性試験(詳細はJ.TAPPI紙パルプ
試験方法No.51参照)において、ヘッドボックスに
80μlのインクを添加して求めた吸収時間80mse
c.の時の液体転移量が10ml/m2以上のものを指
している。上記の如く吸液性基紙は、従来公知の木材パ
ルプを主体とし、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の
填料及び抄紙助剤、サイズ剤、歩留り向上剤、紙力増強
剤等を必要に応じて使用して製造することが出来る。
【0008】上記基紙上に形成する表層は、顔料とバイ
ンダーを主体として形成され、表層を構成する顔料とし
ては、従来の一般に使用されている無機顔料や有機顔料
を用いることが出来るが、好ましくはインク中の染料の
吸着性能の点で一層優れたシリカ、酸化アルミニウム、
塩基性炭酸マグネシウムの中から選ばれる少なくとも一
種を主顔料として用いることが望ましい。又、後述する
如く屋内変色を防止し、多色記録物の保存安定性をも要
求される場合には、とりわけ塩基性炭酸マグネシウムを
主顔料とすることが好ましい。又、上記表層の形成にお
いて、用いることの出来るバインダーとしては、例え
ば、従来公知のポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱
粉、カチオン化澱粉、カゼイン、カルボキシメチルセル
ロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、アク
リル系樹脂等の水溶性高分子及びSBRラテックス、ポ
リ酢酸ビニルエマルジョン等の水分散型高分子の1種又
は2種以上が混合して用いられる。本発明において、顔
料とバインダーとの好適な使用割合は、重量比で顔料/
バインダー(P/B)が10/1〜1/4の範囲内、よ
り好適には6/1〜1/1の範囲内であり、1/4より
バインダー量が多いと表層の持つインク吸収性が低下
し、一方、10/1より顔料が多いと表層の粉落ちが激
しくなり、好ましくない。
【0009】本発明の記録方法に使用される記録媒体を
調製するに当っては、顔料、バインダー、その他の添加
剤を含む水系塗工液を、公知の方法、例えば、ロールコ
ーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター
法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法等により
基材表面に塗工する。その後、例えば、熱風乾燥炉、熱
ドラム等を用いて乾燥し、記録媒体が得られる。更に表
層表面を平滑化する為、或いは表層の表面強度を上げる
為にスーパーカレンダー処理を施してもよい。更に本発
明においては、表層に必要に応じて染料固着剤(耐水化
剤)、蛍光増白剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、
防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、減粘剤
等の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤につい
ては従来公知の化合物から目的に応じて任意に選択すれ
ばよい。
【0010】尚、上記記録媒体の表層の塗工量は表層と
定義される程度の塗工量のものであり、その断面方向の
最大厚みとして0.5〜20μm程度である。尚、ここ
で云う最大厚みとは記録媒体の断面における表層の深さ
方向の厚みの最大値である。尚、好ましくは表層には基
材の一部が露出している記録媒体、即ち、基材が紙であ
る場合には紙のパルプ繊維が、前記表層表面で顔料と混
在した状態となっている記録媒体であることが、とりわ
け多量のインクが付与される多色記録方法において、イ
ンク吸収性の点で望ましい態様である。
【0011】上記の記録媒体へ記録する為に使用するイ
ンクそれ自体は公知のものでよく、例えば、その記録剤
としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染
料、食用色素等に代表される水溶性染料等を適当な液媒
体に溶解分散させたものである。この様な水溶性染料
は、従来のインク中において一般には約0.1〜20重
量%を占める割合で使用されており、本発明においても
この割合と同様でよい。本発明に用いる水系インクに使
用する溶媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒
であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶
媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効
果を有する多価アルコールを含有するものである。又、
水としては種々のイオンを含有する一般の水でなく、脱
イオン水を使用するのが好ましい。インク中の水溶性有
機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対して0
〜95重量%、好ましくは2〜80重量%、より好まし
くは5〜50重量%の範囲である。又、記録に用いるイ
ンクは上記の成分の外に必要に応じて界面活性剤、粘度
調整剤、表面張力調整剤等を包含し得る。
【0012】本発明のインクジェット記録方法は、上記
の如き記録媒体と上記の如き水系インク、例えば、イエ
ロー、マゼンタ及びシアンの3色又はブラックを加えた
4色のうちの少なくとも2色の水系インクを使用し、こ
れらのインクをノズルより効果的に離脱させて、射程体
である記録媒体にインクを付与して画像を形成するもの
であり、インクジェット方式としては従来公知のいかな
る方式でもよい。特に好ましい方式は、特開昭54−5
9936号公報に記載されている方法であり、この方式
では、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積
変化を生じ、この状態変化による作用力によって、イン
クをノズルから吐出させるによって記録媒体に良好なカ
ラー画像が形成される。
【0013】本発明の他の1つの特徴は、上記インクジ
ェット記録方法において、前記のイエロー、マゼンタ及
びシアンの水系インクを記録媒体に重ねて付与して混色
部を形成する際、記録媒体には0.3秒以内の時間間隔
で2色以上のインクの付着を完了させる点である。
【0014】本発明で使用する先述の記録媒体は、とり
わけ多色記録において要求されるインク吸収性、発色性
等の点で優れた性能を有するものであるが、かかる性能
の向上の面で吸液性の基材を用いている為に、複数のイ
ンクが同一箇所に付着した場合(例えば、レッド
(R)、グリーン(G)、ブルー(Bl)等の混色部)
にはインクが基紙に浸透することにより、染料の彩度の
低下が著しく、更に色相が変化する場合もある。本発明
者等の知見によれば、この現象は一度インクが付着した
箇所に次のインクが付着した際には基紙が湿潤している
為、2色目のインクの基紙への滲透が著しく速くなり、
2色目のインク中の染料が殆ど表層に捕捉されないこと
が原因と推定される。
【0015】上記問題を解決する方法としては、インク
の印字密度を小さくすることが挙げられるが、この場合
には紙に付着する染料の絶対量が少なくなる為に彩度及
び画像濃度が低下する。不足分を染料濃度を上げること
で補うことは、記録ヘッドにおけるインクの吐出安定性
を低下させることになり好ましくない。本発明方法にお
ける前記Bk、Y、M、C各色の印字密度は少なくとも
5.5nl/mm2以上とすることが本発明の別の特徴
である。各単色の印字密度が5.5nl/mm2に満た
ない様な印字密度の低い記録方法においては、本発明方
法はあまり効果的でない。
【0016】又、前述の様に被記録材上での画像濃度は
紙に付着する染料の絶対量に左右されるものであるか
ら、印字密度が低い場合にはインクの染料濃度を高くし
なければならず、この場合にはヘッドの目詰まり等を起
こしやすくなり、吐出安定性が低下するという問題があ
る。即ち、印字密度が5.5nl/mm2に満たない場
合には、画像濃度と吐出安定性が両立出来ない為問題で
もある。尚、ここで云う各色の印字密度とは、ヘッドの
吐出するインク液滴の体積の平均値に解像度;単位面積
(1mm2)あたりに印字し得る各単色のドット数を乗
じた値である。
【0017】本発明方法は、ブラックを除く3色のカラ
ーインクのうち少なくとも2色のインクを記録媒体の同
一箇所に付着させる際、その時間間隔を0.3秒以内、
より好ましくは0.15秒以内とすること、即ち最初に
付着したインクの浸透が完了しないうちに次のインクの
付着を完了させることにより、本発明方法において特に
吸液性の基材を設けたコート紙の混色部での彩度の低下
を防止することを可能とした。従来はむしろ時間間隔を
長くし、最初に付着したインクの吸収が完了し、ある程
度の溶剤の蒸発が始まった時点で、次のインクを付着さ
せた方が有利と考えられていたが、本発明者等の検討結
果によれば、高速記録化が進み、インクを付着させる時
間間隔が短い範囲内では、その傾向が逆転することを見
い出した。
【0018】本発明方法においては、夫々のインクを付
着させる順序は特に限定されないが、例えば、ブラック
→シアン→マゼンタ→イエローの如く、明度の低いイン
クより順に付着させた方が混色部の画像濃度が高くなる
傾向があり好ましい。尚、本発明で云う時間間隔とはブ
ラックを除く3色のインクドットが同一箇所に重ねて印
字された際の最初のドットが印字されてから最後のドッ
トが印字されるまでの時間間隔である。例えば、シアン
→マゼンタ→イエローの順で印字が行われる場合には、
シアンインクドットが印字されてからイエローインクド
ットが印字されるまでの間隔である。この時間間隔は、
ヘッドの駆動周波数、ドットピッチ(単位長さ当たりの
印字可能ドット数)及び各色のヘッド間の距離によって
決められるが、通常は上記の例で云えば、シアンヘッド
とイエローヘッドとの間の距離を、ヘッドの配列方向に
対するヘッドと記録媒体との相対速度で割った値として
求められる。
【0019】又、本発明における第2の目的は、前記イ
ンク吸収性、発色性、彩度、色相の諸性能に加えて、記
録物を長期保存した際の屋内変色防止にある。本発明者
等の知見によれば、記録画像の屋内変色は染料の酸化分
解によると考えられ、染料が記録媒体の表層に捕捉さ
れ、画像を形成するコート紙では、コート層、即ち本発
明でいうところの表層(インク受容層)に用いる顔料の
比表面積が大きい程、空気による接触酸化反応が起こる
確率が高くなり、それだけ屋内変色が進行すると推定さ
れる。しかしながら、従来の顔料で比表面積の小さいも
のを用いると、染料に対する吸着力が不足し、表層の表
面近くで捕捉される染料が少なくなるので、高濃度の画
像が得られなくなってしまう。
【0020】本発明では画像濃度、画像の鮮明性と屋内
変色という相反する問題を解決する為に、ある特定の顔
料を用いて表層を形成することが必要であり、特に顔料
としては塩基性炭酸マグネシウム粒子を用いることが好
ましい。この塩基性炭酸マグネシウム粒子自体は従来公
知のものであり、通常、例えば、酸化マグネシウムを水
中に分散撹拌し、水酸化マグネシウムとした後に、その
スラリーに炭酸ガスを吹き込み、炭酸化することによっ
て得られる。100%炭酸化が完了した物に限らず、部
分的に酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムを含むも
のも本発明で使用可能である。
【0021】上記塩基性炭酸マグネシウム粒子は従来紙
用の填料として一般的に使用されていたシリカ、炭酸カ
ルシウム、カオリン等と比較して、低い比表面積であっ
ても十分な染料の発色性を付与出来る特性を有してい
る。これらの塩基性炭酸マグネシウム粒子の好ましい平
均粒子径の範囲は0.1〜20μm、より好ましくは
0.1〜12μmの範囲内である。平均粒子径が大きい
ものを用いた場合は、印字されたドットの滲みが大きく
なったり、フェザリングが発生したりして印字品位の低
下をきたす。更に塩基性炭酸マグネシウム粒子を用いた
場合の特徴は、同程度の比表面積を有するシリカ系、ア
ルミナ系等の他の無機顔料と比較して、画像の屋内変色
に関して抜群の抑制効果を有すること及び花弁状の独特
の粒子形状を有する為、吸水性に優れていることであ
る。塩基性炭酸マグネシウム粒子を用いた場合に、屋内
変色抑制効果が他の顔料より優れる機構については不明
であるが、特に塩基性炭酸マグネシウム粒子を表層に用
いることにより、インクジェット方式を使用した記録画
像においても、一般印刷並の画像堅牢性を付与すること
が可能となった。
【0022】
【実施例】次に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発
明を更に詳細に説明する。尚、文中、部又は%とあるの
は特に断りのない限り重量基準である。
【0023】参考例(記録媒体の調製) 基材として坪量80g/m2、厚さ100μm、ブリス
トウ法によるインク吸収性が20ml/m2、填料とし
て炭酸カルシウムをJIS−P−8128による灰分量
の換算で7.0%含むものを用意した。上記の基紙上に
下記の組成を有する塗工液を乾燥重量で7g/m2(最
大厚みで15μm)となる様にバーコーター法で塗工
し、110℃で5分間乾燥して、実施例及び比較例で使
用する記録媒体1〜4を得た。
【0024】記録媒体1 塩基性炭酸マグネシウム粒子(Sタイプ、宇部化学製、平均粒子経16μm 、BET比表面積46m2/g) 40部 ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製、鹸化度98%、重合度 1,700) 40部 モノアリルアミン/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体(ダ ンフィックス5000、日東紡製) 固形分 20部 水 900部
【0025】記録媒体2 塩基性炭酸マグネシウム粒子(AM−50、旭硝子製、平均粒子経9μm、 BET比表面積32m2/g) 50部 ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製) 30部 ポリアリルアミン(PAA−10L、日東紡製) 固形分 20部 水
900部
【0026】記録媒体3 微粉シリカ(サイロイド620、富士デヴィソン製、平均粒子経12.0μ m、BET比表面積300m2/g) 150部 ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製) 30部 ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド(PAS−A−120L、日 東紡製) 固形分20部 水 900部
【0027】記録媒体4 微粉アルミナ(アエロジル、アルミニウムオキサイド−C、デグサ製、平均 粒子経0.02μm、BET比表面積100m2/g) 50部 ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製) 20部 ポリアリルアミン(PAA−10L、日東紡製) 固形分 5部 水 900部
【0028】上記の記録媒体のインクジェット記録適性
は、1mmに16本の割合のノズル間隔で128本のノ
ズルを備え、熱エネルギーの作用によりインク滴を吐出
させるインクジェットヘッドをY、M、C、Bkの4色
分有するインクジェットプリンターを用い、下記組成の
インクによりインクジェット記録を行い評価した。インク組成 染料 4部 ジエチレングリコール 35部 水 61部染 料 Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アシッドレッド35 C:C.I.ダイレクトブルー199 Bk:C.I.フードブラック2
【0029】評価は次に示す項目について行った。 (1)画像濃度 上記のプリンターを用いてベタ印字した印画物のブラッ
ク(Bk)の画像濃度を、マクベス濃度計RD−918
を用いて評価した。 (2)画像保存性 上記(1)で得た印字物をオフィスの北側向きの窓の外
側に貼って3ケ月間放置した。印字直後の画像の色度の
放置後の画像の色度との差(ΔE*)を求め画像保存性
の評価とし表1に示した。尚、印字物を貼り出した場所
は1年中直接日光や雨にさらされることはなく、又、空
気の流通があることが確認されている。
【0030】表1 記録媒体 画像濃度 画像保存性 1 1.45 ΔE* 1.6 2 1.42 ΔE* 1.1 3 1.44 ΔE* 35.4 4 1.46 ΔE* 11.3
【0031】実施例1〜8及び比較例1〜4 1mmに15.7本の割合で128本のノズルを有する
BJ(バブルジェット)記録ヘッドを2個搭載している
記録装置を用意した(第1図の略図参照)。ヘッドはノ
ズルの縦方向と平行に2個配置され、ヘッド1にシアン
インクを、そしてヘッド2にマゼンタインクを充填し、
前記記録媒体に記録を行った。夫々のヘッドの平均吐出
量は、ヘッド1が32pl、ヘッド2が34plであ
り、夫々の印字密度は7.9nl/mm2、8.4nl
/mm2であった。図中の記録媒体は搬送ローラーによ
ってヘッド1からヘッド2の方向に搬送される。ヘッド
1とヘッド2との距離、ヘッドの吐出周波数及び搬送速
度を以下の表2の如く制御することにより、印字密度を
一定(搬送方向に1mm当り15.7ドット)にしたま
ま、印字される時間間隔を以下の様に設定した。
【0032】表2 吐出周波数 搬送速度 ヘッド間距離 印字間隔 記録媒体 (KHz) (mm/sec) (mm) (秒) 実施例1 4.0 250 25 0.1 1 実施例2 2.0 125 37.5 0.3 1 比較例1 1.2 75 37.5 0.5 1 比較例2 1.2 75 52.5 0.7 1 実施例3 4.0 250 25 0.1 2 実施例4 2.0 125 37.5 0.3 2 比較例3 1.2 75 37.5 0.5 2 比較例4 1.2 75 52.5 0.7 2 実施例5 4.0 250 25 0.1 3 実施例6 2.0 125 37.5 0.3 3 実施例7 4.0 250 25 0.1 4 実施例8 2.0 125 37.5 0.3 4 評価は、前記の記録装置を用いて印字されたブルー(B
l)のベタ印字部の色相及び彩度をカラーアナライザー
CA−35(村上色彩科学製)を用いて測定し、その結
果を表3に示した。尚、印字には前記のシアンインク及
びマゼンタインクを用いた。
【0033】表3 色 相 彩度 実施例1 305 50 実施例2 302 45 比較例1 300 41 比較例2 300 40 実施例3 303 47 実施例4 300 42 比較例3 298 38 比較例4 297 37 実施例5 305 48 実施例6 304 46 実施例7 305 48 実施例8 304 46
【0034】実施例 前記の記録装置と同じBJ記録ヘッドを4ケ搭載したフ
ルカラープリンターを用いて前記記録媒体1に記録を行
った。印字には前記のインクを用いた。尚、このプリン
ターのヘッドの並び順序は右よりブラック、シアン、マ
ゼンタ、イエローの順序で配列されており、印字はこの
順序で行われる。各色ヘッドの吐出量を測定したとこ
ろ、印字密度にしてBk=8.4nl/mm2、Y=
8.2nl/mm2、M=8.4nl/mm2、C=7.
9nl/mm2であった。これらのヘッドの配置間隔を
変えることによりシアン→イエローの印字間隔が0.1
秒、0.3秒及び0.5秒となる様に調整し記録を実施
した。間隔が0.1秒の場合には鮮明で高品位な画像が
得られたが、0.3秒の場合には2色を越えてインクド
ットが重なる部分でやや画像の濃度が低下し、深みにや
や欠ける画像となった。又、0.5秒の場合には全体的
に彩度が低く、白っぽくボケた画像しか得られなかっ
た。
【0035】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、記録媒体
の表層を塩基性炭酸マグネシウム粒子等から形成し、且
つ2色以上のインクが重なる場合、その時間間隔を特定
間隔以下とし且つ1つのインクの印字密度を5.5nl
/mm 2 以上とすることによって、印字時にインク吸収
性及び発色性に優れ、光学濃度、鮮明性及び保存安定性
に優れた高品位のカラー記録画像を提供することが出来
る。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した記録装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1,2:該記録媒体3にインクをノズルから吐出させ付
与する記録ヘッド 3:記録媒体(図に示すロール状に限らず、カット状で
あっても構わない) 4:該記録媒体3の搬送ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−217364(JP,A) 特開 昭61−57380(JP,A) 特開 昭64−75280(JP,A) 特開 平1−281982(JP,A) 特開 平3−208667(JP,A) 特開 昭60−54915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41J 2/01

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブリストウ法による液体吸収性試験にお
    ける液体転移量が10ml/m 2 以上である基材と、該
    基材上に設けられた顔料とバインダーを含む表層とを有
    する記録媒体に、複数色のインクを付与して記録を行う
    インクジェット記録方法において、上記記録媒体に対し
    て、少なくとも2色のインクを0.3秒以内に重ねて付
    与すると共に、1つのインクの印字密度が5.5nl/
    mm 2 以上である工程を有することを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体の表層には、基材の一部が露呈
    している部分が存在する請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  3. 【請求項3】 記録媒体の表層に含有される顔料が、シ
    リカ、酸化アルミニウム及び塩基性炭酸マグネシウムの
    中より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の
    インクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体の表層に含有される顔料が塩基
    性炭酸マグネシウムである請求項1に記載のインクジェ
    ット記録方法。
  5. 【請求項5】 記録媒体に対して、少なくとも2色のイ
    ンクを0.15秒以内に重ねて付与する請求項1に記載
    のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 顔料とバインダーの割合が重量比で10
    /1〜1/4の範囲にある請求項1に記載のインクジェ
    ット記録方法。
  7. 【請求項7】 表層の最大厚さが0.5〜20μmの範
    囲にある請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 明度の低いインクより順に付着させる請
    求項1に記載のインクジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 インクの付与を、インクに熱エネルギー
    を作用させることによって、インクをノズルから吐出さ
    せて行う請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 インクとして、イエロー、マゼンタ及
    びシアンの3色の水系インク或いはイエロー、マゼン
    タ、シアン及びブラックの4色の水系インクを用いる請
    求項1に記載のインクジェット記録方法。
JP1598091A 1990-01-24 1991-01-14 インクジェット記録方法 Expired - Lifetime JP3058460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1598091A JP3058460B2 (ja) 1990-01-24 1991-01-14 インクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1245590 1990-01-24
JP2-12455 1990-01-24
JP1598091A JP3058460B2 (ja) 1990-01-24 1991-01-14 インクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04211984A JPH04211984A (ja) 1992-08-03
JP3058460B2 true JP3058460B2 (ja) 2000-07-04

Family

ID=26348081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1598091A Expired - Lifetime JP3058460B2 (ja) 1990-01-24 1991-01-14 インクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3058460B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6084610A (en) * 1995-01-13 2000-07-04 Fujitsu Limited Ink jet recording method and apparatus, ink and ink cartridge

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04211984A (ja) 1992-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0411638B1 (en) Recording medium and method of recording using the same
US4965612A (en) Ink-jet recording system and ink-jet recording method
US5081470A (en) Recording medium and process for recording using the same
US5459502A (en) Color ink jet recording method
US5338597A (en) Recording medium and ink-jet recording method employing the same
JPS59185690A (ja) インクジエツト記録用紙
JPH0313376A (ja) 被記録材及びこれを用いたインクジェット記録方法
US20010036552A1 (en) Ink-jet recording material suitable for pigment ink
JPH05124331A (ja) 記録媒体及びインクジエツト記録方法
EP0331125B1 (en) Recording medium and ink jet recording method by use thereof
JP3058460B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2618361B2 (ja) 被記録材及び記録方法
JP2618359B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3604764B2 (ja) 記録媒体、及びそれを用いた画像形成方法
JP2694771B2 (ja) 被記録材及びそれを用いた記録方法
JP3363658B2 (ja) 画像記録方法
JP2771554B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2621096B2 (ja) 記録媒体
JP2002307810A (ja) 顔料インク用インクジェット記録媒体及びその記録方法
JP2801295B2 (ja) インクジェット記録システム及びインクジェット記録方法
JPH03218885A (ja) インクジェット記録媒体
JPH0216078A (ja) インクジェット記録方法
JPH04288283A (ja) 記録媒体及びインクジェット記録方法
JPH09187922A (ja) インクジェット用記録媒体及び記録方法
JPH07242052A (ja) 記録紙、これを用いたインクジェット記録方法及び記録システム