JPH03218885A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はインクジェット記録に好適に用いられる記録媒
体に関する。

（従来の技術） 従来、インク受容層を有するインクジェット記録媒体と
しては、特開昭５６−１４８５８５号公報に記載されて
いる様に、インク吸収性を有する基紙上に多孔質無機顔
料を用いてインク受容層を設けたコート紙が用いられて
いる。

かかるコート層を形成する多孔質無機顔料としては、例
えば、特開昭５６−１８５６９０号公報に開示されてい
るシリカが発色性に優れた顔料として挙げられる。その
他にも炭酸カルシウム、アルミナ等、多数例示可能であ
る。

（発明が解決しようとしている問題点）上記従来例では
、画像濃度の高い鮮明な画像を得る目的で、例えば、特
開昭５６−１８５６９０号公報に開示されている比表面
積の大きいシリカを用いると、記録染料の経時変色が起
こり易く、室内の壁に貼ってお《等の通常の環境下に置
いてお《たけて紀録画像の劣化が生じるという問題があ
る。逆に、比表面積の小さい炭酸カルシウム、カオリン
、タルク等の顔料を用いると上述した室内変色は抑制さ
れるが、得られる画像濃度は低く鮮明な画像が得られな
いという問題が生じる。

即ち、室内変色を抑制することと高い画像濃度を得るこ
ととは相反する問題であり、従来技術では解決し得ない
問題であった。

従って本発明の目的は、記録画像の保存性、特に室内変
色による劣化が少な《、且つ画像濃度の高い記録媒体、
とりわけインクジェット用に好適な記録媒体を提供する
ことである。

（問題点を解決する為の手段） 上記目的は以下の本発明によって達成される。

即ち、本発明は、支持体上に無定形炭酸マグネシウムを
含有する層を設けたことを特徴とするインクジェット記
録媒体である。

（作　　用） 本発明者等の知見によれば、記録画像の室内変色は一般
のＰＰＣ用紙等のノンコート紙には発生しないコート紙
特有の問題であり、且つ室内変色は紫外光、可視光の照
射による染料の褪色とは本質的に異なり、上記光の存在
が無《でも発生する。

又、本発明者等の別の知見によれば、室内変色は染料、
顔料及び酸化性ガスの相互作用の存在下における染料の
酸化分解により生じるものと考えられる。従って用いる
顔料の比表面積が大きい程、酸化分解反応が促進される
ものと考えれば、顔料の比表面積が大きいコート紙程、
室内変色の度合が大きいことが説明される。

一方、画像濃度の点からみるとコート層の表層近くに染
料が吸着する活性表面が多い程、画像濃度は太き《なる
。

従って前記従来例では画像濃度を満足し、室内変色も起
きないというインクジェット用コート紙或いはコート層
を有するインクジェット用記録媒体は得られなかった。

本発明では、インク受容層の形成に無定形炭酸マグネシ
ウムを用いることにより、小さい比表面積の顔料で充分
な画像濃度を与えることが判明した。この無定形炭酸マ
グネシウムの作用は十分明かになってはいないが、単位
面積当りの染料吸着量が無定形炭酸マグネシウムにおい
ては、例えば、シリカよりも太き《、且つ無定形炭酸マ
グネシウムを使用することによって、通常の板状或いは
柱状に凝集した塩基性炭酸マグネシウムと比べ、コート
層形成時のパッキング状態が密になっており、同じイン
ク浸透速度で比べた場合の染料捕捉がコート層のより表
面近くで行われる結果であると考えられる。即ち無定形
炭酸マグネシウムはコート層形成時に活性表面が他の形
状の炭酸マグネシウムよりも有効に使われていると考え
られる。

（好ましい実施態様） 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳し《説明
する。

本発明で使用する支持体としては、．好ましくはインク
吸収性を有する基紙であるが、特にこれに限定されるも
のではな《、例えば、ポリエステルの様な高分子フイル
ムであってもよい。以下に好ましい実施形態である支持
体がインク吸収性を有する基紙である場合について説明
する。

本発明における無定形炭酸マグネシウムとは、例えば、
特開昭５４−５７０００号公報に開示されている様な方
法によって得られる炭酸マグネシウムであって、それら
の平均粒子径としては、２０μｍ以下、好まし《は１０
ｕｍ以下である。

平均粒子径が大きすぎると粉落ちの問題が発生し、一方
、逆に小さすぎるとインク吸収性が低下するので好まし
くない。尚、これらの平均粒子径はコールカウンター法
によって得られる値であり、個数分布の累積値で５０％
となるところの粒径を意味する。

又、比表面積についてはＢＥＴ法によって得られる値で
、１０ｒｒｆ／ｇ以上１７０ｒｒｒ／ｇ以下のものを用
いることが特に好ましい。比表面積が小さすぎると画像
濃度が大きくならない。又、比表面積が大きすぎても耐
室内変色性が低下する。

又、本発明で使用する無定形炭酸マグネシウムは、イン
クジェット記録媒体で通常使用されているシリカ等の無
機顔料よりもＢＥＴ比表面積が小さいが、有効に作用す
る比表面積はシリカ等よりも大きいものと思われる。尚
、シリカは一般に高い値のＢＥＴ比表面積を有するもの
が多く、その為画像濃度は高くなるが、耐室内変色性は
逆に悪くなる傾向がある。

又、本発明では本発明の目的達成を妨げない範囲におい
て、前記無定形炭酸マグネシウムに加えて従来一般に使
用されている他の無機顔料や有機顔料を併用することも
出来る。例えば、無機顔料としでは、シリカ、アルミナ
、炭酸カルシウム等が挙げられる。又、無定形以外の炭
酸マグネシウムも混合可能である。有機顔料としては尿
素樹脂等が挙げられ、使用割合は重量比で無定形炭酸マ
グネシウム／無機又は有機顔料の値で混合比が９／１〜
１／５の範囲が好ましい。９／１以上では、混合する主
な目的は画像濃度の向上であるが、無定形炭酸マグネシ
ウム単独時よりも大幅に向上せず、１／５以下では画像
濃度は無定形炭酸マグネシウム単独時よりも向上するが
、室内変色が悪くなる傾向にあるので混合の効果がなく
なる。

本発明のインクジェット記録媒体のインク受容層は、前
記した無定形炭酸マグネシウム及びバインダー、その他
の添加剤によって構成される。

本発明で用いることの出来るバインダーとしては、例え
ば、従来公知のポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉
、カチオン化澱粉、カゼイン、カルボキシメチルセルロ
ース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、アクリ
ル系樹脂等の水溶性高分子及びＳＢＲラテックス、ポリ
酢酸ビニルエマルジョン等の水分散型高分子の１種又は
２種以上が混合して用いられる。

本発明において、顔料とバインダーとの好適な使用割合
は、重量比で顔料／バインダー（Ｐ／Ｂ）が１０／１〜
１／４の範囲内、より好適には６／１〜ｌ／１の範囲内
であり、１／４よりバインダー量が多いとインク受容層
の持つインク吸収性が低下し、一方、１０／１より顔料
が多いとインク受容層の粉落ちが激しくなり、好ましく
ない。

更に本発明においては、インク受容層に必要に応じて染
料固着剤（耐水化剤）、蛍光増白剤、界面活性剤、消泡
剤、ｐＨ調整剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤
、分散剤、減粘剤等の添加剤を含有させてもよい。これ
らの添加剤については従来公知の化合物から目的に応じ
て任意に選択すればよい。

添加剤の一例として染料固着剤について説明すると、下
記の様な染料固着剤を併用することによって形成された
画像の耐水性を向上させることが出来る。

上記例は単なる例示であって、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。又、染料固着剤はインクジェット記
録に使用される染料によっても耐水化効果が異なるので
記録に使用される染料との組合せについても十分考慮す
ることが望ましい。

本発明の記録媒体を調製するに当っては、前記の如き顔
料、バインダー、その他の添加剤を含む水系塗工液を、
公知の方法、例えば、ロールコーター法、ブレードコー
ター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター
法、サイズプレス法等により基材表面に塗工する。その
後、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて乾燥し本
発明の記録媒体が得られる。

更にインク受容層表面を平滑化する為、或いはインク受
容層の表面強度を上げる為にスーパーカレンダー処理を
施してもよい。

インク受容層の顔料塗工量としては顔料の総量として０
．２〜５０ｇ／ゴ、より好まし《は０．２〜２０ｇ／ｒ
ｒｒの範囲内である。但し塗工量が少ない場合には基材
の一部が表面に露出していてもよい。又、塗工量が０．
２ｇ／ｒｄに満たない場合には、インク受容層を設けな
かった場合に比べて染料の発色性の点で効果がなく、一
方、５０ｇ／イを越えて設けた場合にはコート層の粉落
ちが発生し好まし《ない。又、記録媒体の好適な塗工量
は記録媒体の断面方向の最大厚みで表した場合には、０
．５乃至１０μｍである。ここで言う最大厚みとは記録
媒体の断面におけるインク受容層の深さ方向の厚さの最
大値である。

以上説明した記録媒体にインクジェット記録を行う場合
のインクそれ自体は、公知のものが何等問題なく使用可
能である。又、記録剤としては直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料、食用色素に代表される水溶性染
料が使用可能であり、通常のインクジェット記録用のも
のであれば特に制限なく使用することが出来る。

この様な水溶性染料は、従来のインク中において一般に
は約０．１〜２０重量％を占める割合で使用されており
、本発明においてもこの割合と同様でよい。

本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は水
と水溶・注有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なも
のは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であって、水溶性有
機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコ
ールを含有するものである。

前記の配録媒体に上記のインクを付与して記録を行う為
の方法は、好ましくはインクジェット記録方法であり、
該方法は、インクをノズルより効果的に離脱させて、射
程体である記録媒体にインクを付与し得る方式であれば
いかなる方式でもよい。

特に、特開昭５４−５９９３６号公報に記載されている
方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体
積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、イ
ンクをノズルがら吐出させるインクジェット方式は有効
に使用することが出来る。

（実施例） 次に、参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。尚、文中、部又は％とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。

参考例（無定形炭酸マグネシウムの調製）特開昭５４−
５７０００号公報を参照して、先ず、塩化マグネシウム
と炭酸ナトリウムの水溶液とを７０℃の温度に保ち、３
時間以上撹拌反応を行い１２０℃の温度で１時間以上加
熱乾燥させて正炭酸マグネシウムを合成した。

続いて上記の正炭酸マグネシウム３０部に対して水７０
部を添加し温度を６０乃至７０”Ｃに保ち２時間以上撹
拌反応を行い、１２０”Ｃの温度で１時間以上加熱乾燥
させて無定形炭酸マグネシウムを合成し、試料Ａとした
。

尚、正炭酸マグネシウムがら無定形炭酸マグネシウムへ
変化したことは、Ｘ線回折、元素分析及び示差熱分析の
結果より確認した。この無定形炭酸マグネシウムのＢＥ
Ｔ比表面積は４０ｒｒｒ／ｇであり、又、平均粒子径は
１μｍであった。

実施例１ 無定形炭酸マグネシウム（試料Ａ）２０部、水８０部、
ヘキサメタリン酸ナトリウム０．４部を混合し、パワー
ホモジナイザーにて３０分間以上分散させ、次いでポリ
ビニルアルコール（クラレ■製、ＰＶＡ１１７）を固形
分で１４部含まれている水溶液を上記無定形炭酸マグネ
シウム分散液と混合撹拌して塗工液を調製した。

上記塗工液を市販のＰＥＴフィルムに乾燥塗工量で２　
０　ｇ　／　ｒｒ？になる様にバーコーターにて塗布及
び乾燥して本発明の記録媒体を得た。

実施例２ 実施例１で調製した塗工液を、支持体としての市販の上
質紙（山陽国策バルブ■製、銀環）上に乾燥塗工量基準
で１５ｇ／イとなる割合でバコーターで塗布及び乾燥し
て本発明の記録媒体を得た。

実施例３ 実施例１で使用した無定形炭酸マグネシウム２０部のう
ちの６部を、アルミナ（住友化学工業■製、ＡＫＰ−Ｇ
、γ−アルミナ、一次粒子径０．０５ａｍ．ＢＥＴ比表
面積１４０ｒｒｒ／ｇ）に置き換えて、他は実施例１と
同様に作成した塗工液を、支持体としての市販の上質紙
（山陽国策パルブ■製、銀環）上に、乾燥塗工量基準で
１５ｇ／ボとなる割合でバコーターで塗布及び乾燥して
本発明の記録媒体を得た。

実施例４ 実施例ｌで使用した塗工液に、更に２部のジメチルアリ
ルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合体（ＰＡＳ
−Ａ−１　２０Ｌ、日東紡■製）を加え、他は実施例３
と同様にして本発明の記録媒体を得た。

比較例ｌ 実施例ｌで使用した無定形炭酸マグネシウム（試料Ａ）
の代わりに、板状に粒子が凝集した塩基性炭酸マグネシ
ウム（旭硝子■製、ＡＭ−５０、ＢＥＴ比表面積３２ｄ
／ｇ、平均粒子径９．８μｍ）２０部を使用し、他は実
施例３と同様にして比較例の記録媒体を得た。

上紀の記録媒体のインクジェット記録適性は、１ｍｍに
１６本の割合のノズル間隔で１２８本のノズルを備え、
熱エネルギーの作用によりインク滴を吐出させるインク
ジェットヘッドをＹ、Ｍ．Ｃ．Ｂｋの４色分有するイン
クジェットプリンターを用い、下記組成のインクにより
インクジェット記録を行い評価した。

エヱ之狙戒 染料　　　　　　　　　　　　　　　　５部ジエチレン
グリコール　　　　　　　２０部水　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　７８部歯−−一料 Ｙ：Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー８６ Ｍ：Ｃ．Ｉアシッドレッド３５ ｃ：ｃ．ｒ．ダイレクトブルー１９９ Ｂｋ　：　Ｃ．　Ｉ．フードブラック２評価は次に示す
項目について行った。

（１）画像濃度 上記のインクジェットプリンターを用いてベタ印字した
印字物のブラック（Ｂｋ）の画像濃度を、マクベス反射
濃度計ＲＤ−９１８を用いて評価した。

（２）室内保存性 上記（１）で得た印字物をオフィスの北側向きの窓の外
側に貼って１ケ月間及び３ケ月間放置した。印字直後（
放置前）の画像の色度と放置後の画像の色度との差（Δ
Ｅ”．ｋ）を求め室内保存性の評価とし、その結果を第
１表に示した。

尚、印字物を貼り出した場所は１年中直接日光や雨にさ
らされることはなく、 又、 空気の流通が あることが確認されている。

（発明の効果） 以上の如き本発明の配録媒体は、インクジェット用記録
媒体として優れており、特に （１）画像濃度が高く且つ鮮明な画像を形成することが
出来る。

（２）上記（１）を満足し、同時に数ケ月間直接日光の
当たらない屋内に放置しておいても画像変色が発生しな
い。

という顕著な効果を奏する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）支持体上に無定形炭酸マグネシウムを含有する層
   を設けたことを特徴とするインクジェット記録媒体。