JP3826818B2 - インクジェット記録シート、その製造方法及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シート、その製造方法及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータにより作成した画像情報や文字コード情報を紙等の被記録媒体に出力させる方法の一つとして、水溶性染料もしくは顔料を含有するインクを電界、熱、圧力等を駆動源とする記録ノズルから被記録媒体に吐出させて画像形成を行うインクジェット記録方式が挙げられる。このインクジェット記録方式は、低ランニングコスト、低騒音であり、多色化が容易であること、更には普通紙に画像形成が可能である等の利点を有するために、オフィス内や家庭内において、急速に普及している。
【0003】
かかるインクジェット記録方式で画像が形成される被記録体であるインクジェット記録シートとしては、普通紙の他、記録面側にインク吸収層を有するコート紙、記録面が光沢面となっている光沢紙、透明基材上にインク吸収層を有するOHP記録シート等が知られている。
【0004】
これらのインクジェット記録シートに要求される性能としては、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求されている。特にインク吸収速度が遅い場合には、インク液滴が吸収層に吸収される前に他の液滴と混ざり合い、ハジキや滲み等の印画ムラを引き起こして画質を大きく低下させやすいために、記録シートとしては高いインク吸収性を持たせるようにすることが必要である。
【0005】
これらの要求に応えるために、従来から非常に多くの技術が提案されている。例えば、低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤させた記録用紙(特開昭52−53012号公報)、支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用紙(特開昭55−5830号公報)、被覆層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙(特開昭56−157号公報)、無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙(特開昭57−107878号公報)、2つの空孔分布ピ−クを有する記録用紙(特開昭58−110287号公報)、上下2層の多孔質層からなる記録用紙(特開昭62−111782号公報)、微粉末層を有する記録用紙(特開昭61−135786号公報、同61−148092号公報、同62−149475号公報等)、特定の物性値を有する顔料やシリカ微粒子を含有する記録用紙(特開昭63−252779号公報、特開平1−108083号公報、同2−136279号公報、同3−65376号公報、同3−27976号公報等)、コロイド状シリカ等のシリカ微粒子を含有する記録用紙(特開昭57−14091号公報、同60−219083号公報、同60−210984号公報、同61−20797号公報、同61−188183号公報、特開平5−278324号公報、同6−92011号公報、同6−183134号公報、同7−137431号公報、同7−276789号公報等)、およびアルミナ水和物微粒子を含有する記録用紙(特開平2−276671号公報、同3−67684号公報、同3−215082号公報、同3−251488号公報、同4−67986号公報、同4−263983号公報、同5−16517号公報等)等が多数知られている。
【0006】
ところで、近年、銀塩写真に代えて、デジタルカメラ等で記録した高画質の画像データをインクジェット記録方式を用いて出力することが普及するようになっており、そのためインクジェット記録シートに対しても銀塩写真のような高光沢性が要求されるようになっている。
【0007】
しかし、上述したインクジェット記録シートのほとんどは、インクの吸収性を確保するためにそのインク吸収層が無機フィラーを主体とするポーラスな空隙構造となっているため、根本的に光沢を上げることが困難であり、銀塩写真のような光沢性の高いインクジェット記録シートとは言えないものであった。
【0008】
そこで、インクジェット記録シートの光沢性を銀塩写真に近づけるために、キャスト法やフィルム転写法を用いて、インク吸収層表面を鏡面化することも行われているが、銀塩写真に比較して光沢性は遠く及ばないものであり、更に支持体が紙等の吸収性基材に限られることや、操業性が悪化するなどの欠点があった。
【0009】
また、インク吸収層上に、インク吸収層に用いられる無機顔料よりも粒子径が小さく凝集性の弱い無機顔料等で構成した光沢発現層を設ける試みも行われており、インクジェット記録シートの表面性が改善されて光沢性が向上しているが、一方で、光沢発現層の空隙密度がインク吸収層の空隙密度に比較して非常に低いものであり、着弾したインクを充分な速度でインク吸収層に伝搬できなくなるという問題がある。その結果、大幅な画質の低下を招くものであり、実用性のあるインクジェット記録シートと言えるものではなかった。
【0010】
また、インクジェット記録シートには、得られた画像が長期間鮮明であること、すなわち優れた保存性も要求されている。例えば、長期間光に曝されるような状況にある場合でも印画画像の退色や変色を起こしにくい高い耐光性、長時間高湿度の条件下に曝された状況にある場合に印画画像が滲んだりしない高い耐湿度性、誤って印画画像が水に曝された状況にある場合にも印画画像が滲んだり退色を起こしにくい高い耐水性等が要求されている。
【0011】
この要求に応えるために、近年、ジルコニウム化合物を用いたインクジェット記録シートの提案が多くなされている。例えば、インク吸収層にジルコニウム化合物を直接添加したものとして、多孔性顔料と酸塩化ジルコニウム系無機ポリマーとを含むインク吸収層を設けた被記録媒体の製造方法が提案されている(特開平4−7189号公報)。また、非晶質シリカとシラノール基を有するビニルアルコール共重合体とジルコニウム化合物を特定量含むインク吸収層を有するインクジェット記録シートが提案されている(特開平6−32046号公報等)。また、ベーマイト構造を有するアルミナ水和物と非カップリング性のジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録シートが提案されている(特開2000−71609号公報)。また、インク吸収層上にジルコニウム化合物を含有する光沢層を設けたものとして、ジルコニウム化合物とジルコニウム化合物と反応して架橋構造を形成し得る樹脂を用いたインクジェット記録シートが提案されている(特開2001−219644号公報)。
【0012】
しかし、上述のインク吸収層にジルコニウム化合物を直接添加したインクジェット記録シートの場合、塗膜強度を向上させることが可能であるが、光沢性の向上が殆ど認められず、銀塩写真の光沢に及ぶものではなかった。更に、インク吸収性、画像保存性の点でも満足できるものではなかった。また、インク吸収層上にジルコニウム化合物を含有する光沢層を設けたインクジェット記録シートの場合も、光沢性は銀塩写真に全く及ぶものではなく、インク吸収性も不十分であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、インクジェット記録シートに要求される性能としては、前述した光沢性、インク吸収性の他、耐光性や耐水性等の画像保存性、塗膜強度等があり、これらの全ての性能を満足するインクジェット記録シートはこれまで得られていないというのが現状である。
【0014】
従って、本発明の目的は、光沢性及びインク吸収性に優れ、しかも耐光性や耐水性などの画像の保存性を向上させることができ、充分な塗膜強度を有するインクジェット記録シートを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の本発明によって達成された。
【0016】
即ち、本発明は、支持体上にインク吸収層が設けられたインクジェット記録シートにおいて、該インク吸収層が、気相法で製造された多孔性のヒュームドアルミナによるインク吸収性顔料を含有し、かつ該インク吸収層上に水溶性ジルコニウム塩類を主体とする光沢発現層が設けられており、該光沢発現層は、その全固形分に対しZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩類を含有しており且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩類の含有量を超えない量で含有しており、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シートを提供する。
【0017】
また、光沢発現層を形成するための水溶性ジルコニウム塩含有塗料に着目すると、本発明は以下に示すように表現できる。
【0018】
即ち、本発明は、支持体上にインク吸収層が設けられたインクジェット記録シートにおいて、該インク吸収層が、気相法で製造された多孔性のヒュームドアルミナによるインク吸収性顔料を含有し、かつ該インク吸収層上に水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工し乾燥することにより形成された光沢発現層が設けられており、該水溶性ジルコニウム塩含有塗料は、その全固形分中にZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩を含有しており且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩の含有量を超えない量で含有しており、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シートを提供する。
【0019】
また、本発明は、支持体上に、気相法で製造された多孔性のヒュームドアルミナによるインク吸収性顔料を含有するインク吸収層を、インク吸収層塗工液を用いて塗布・乾燥して形成した後、該インク吸収層上に、全固形分中にZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩を含有し且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩の含有量を超えない量で含有している水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工し乾燥することにより光沢発現層を形成することを特徴とする、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シートの製造方法を提供する。
【0020】
更に、本発明は、本発明のインクジェット記録シートに対し、光沢発現層側からインクジェット記録によりインクジェットインキの画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、図1は、本発明のインクジェット記録シートの一実施形態の断面図である。このインクジェット記録シート1は、支持体2と、その上に設けられた、インクの吸収と染料の定着をつかさどる多孔性のインク吸収層3と、その上に設けられた表面層としての光沢発現層4とから構成されている。ここで、表面層とは、画像を形成し記録を行なう側の最外層であり、ここで用いられる表面層としての光沢発現層4は、インクを吸収するとともに、下位にあるインク吸収層3にインクを伝搬させることのできる層である。
【0022】
本発明において、光沢発現層4は、水溶性ジルコニウム塩類を主成分として構成されるものであり、インク吸収層3上に水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工し乾燥することにより形成されるものである。
【0023】
水溶性ジルコニウム塩類には、水溶性ジルコニウム塩だけでなく、光沢発現層4の形成時に脱炭酸化等の化学反応を受けて変性したジルコニウム化合物(例えば、水酸化ジルコニウム等)も含まれる。
【0024】
水溶性ジルコニウム塩としては、常温で水に溶解できるものであればよく、例えば、酸塩化ジルコニウム、Zr2O3Cl2等のハロゲン化物塩類、酢酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニル、ラウリル酸ジルコニル等の有機酸塩類、炭酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等の酸素酸塩類が挙げられる。これらは一種または二種以上の混合物として使用することができる。なお、非水溶性のジルコニウム塩は、インクジェット記録シートの光沢性が不十分となり、さらに光沢発現層の塗膜強度も不十分となるので好ましくない。
【0025】
また、これらの水溶性ジルコニウム塩の中でも、インク吸収性に優れ、インクジェット記録シートの光沢性をより向上できる点で、酸素酸塩類の水溶性ジルコニウム塩が好ましく、中でも炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム又は硝酸ジルコニウムがより好ましい。pHという観点からは、飽和水溶液がアルカリ性となる水溶性ジルコニウムが好ましい。例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウムはpH=9であり、炭酸ジルコニウムカリウムはpH=10である。硝酸ジルコニウムはpH=2.1である。
【0026】
光沢発現層4中の水溶性ジルコニウム塩類の含有量は、その全固形分(即ち、水溶性ジルコニウム塩類、バインダ樹脂、無機顔料等)に対しZrO2換算重量で10重量%以上、好ましくは50重量%以上であり、100重量%であってもよい。水溶性ジルコニウム塩類の含有量が、その全固形分に対しZrO2換算重量で10重量%未満となると、インクジェット記録シートの光沢性が十分でなく、保存性の改善効果も不十分となる。
【0027】
また、前記光沢発現層4は、バインダ樹脂を全く含有しないか、含有する場合には、ZrO2換算重量で水溶性ジルコニウム塩類の含有量を超えない量で含有させることが必要である。バインダ樹脂の含有量が、水溶性ジルコニウム塩類の含有量を超えた場合には、インクジェット記録シートの光沢性が不十分となるだけでなく、インク吸収性を阻害するので好ましくない。
【0028】
なお、光沢発現層4を形成するための水溶性ジルコニウム塩含有塗料に着目した場合、水溶性ジルコニウム塩含有塗料中の水溶性ジルコニウム塩の含有量は、その全固形分中にZrO2換算重量で10重量%以上、好ましくは50重量%以上であり、100重量%であってもよい。また、水溶性ジルコニウム塩含有塗料は、バインダ樹脂を全く含有しないか、含有する場合には、ZrO2換算重量で水溶性ジルコニウム塩の含有量を超えない量で含有させることが必要である。
【0029】
光沢発現層4又は水溶性ジルコニウム塩含有塗料に含有させることのできるバインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、カゼインや大豆蛋白等の蛋白質類、アクリル樹脂、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂等、一般に塗工紙用として用いられている従来公知の樹脂を単独あるいは併用して用いることができる。中でもポリビニルアルコールが好ましい。
【0030】
光沢発現層4又は水溶性ジルコニウム塩含有塗料には、水溶性ジルコニウム塩類及び前述のバインダ樹脂の他に、インク吸収性を向上させ、画像の濃度及び彩度を向上させることのできる無機顔料を含有させることができる。そのような無機顔料としては、沈殿法シリカやゲル法シリカ、コロイダルシリカ、気相法シリカ(ヒュームドシリカ)等の非晶質シリカ、気相法アルミナ(ヒュームドアルミナ)等が挙げられる。これらの無機顔料の好ましい形態としては、光沢性に悪影響を及ぼさないという点から、平均一次粒子径が0.15μm以下であって、平均二次粒子径が5μm以下のものが好ましい。
【0031】
光沢発現層4又は水溶性ジルコニウム塩含有塗料に使用する無機顔料の使用量は、本発明の光沢向上の点から、それらの全固形分中に好ましくは50重量%以下、より好ましくは15〜40重量%である。50重量%を超えると、光沢性が不十分なものとなり、更に光沢発現層4の塗膜強度が低下してしまうので好ましくない。
【0032】
なお、光沢発現層4又は水溶性ジルコニウム塩含有塗料には、各種助剤類として、例えばインク定着剤、顔料分散剤、増粘剤、一重項酸素クエンチャー剤、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、耐水化剤、褪色防止剤、帯電防止剤、防黴剤等を含有させることができる。中でも、助剤類として、印画画像の耐水性付与を目的にインク定着剤を添加することが好ましい。好ましいインク定着剤として、カチオン性の無機物、より好ましくはカチオン性の有機物が挙げられる。カチオン性有機物としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアミンスルホン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物等が挙げられる。
【0033】
また、水溶性ジルコニウム塩含有塗料には、水や水混和性有機溶媒を含有させることもできる。
【0034】
光沢発現層4は、水溶性ジルコニウム塩含有塗料を、例えばロールコーティング法、ブレードコーティング法、エアナイフコーティング法、ロッドバーコーティング法、グラビアコーティング法、コンマコーティング法、ダイコーティング法等の方法を適宜使用して、支持体2上に塗布し、必要に応じて乾燥することにより形成することができる。
【0035】
光沢発現層4は、水溶性ジルコニウム塩含有塗料を、乾燥重量で好ましくは0.05〜4.5g/m2、より好ましくは0.1〜2g/m2で塗工したものである。塗工量が0.05g/m2未満あるいは4.5g/m2を超えた場合には、光沢性が低くなり、特に0.05g/m2未満である場合は画像の保存性も劣るものとなる。
【0036】
以上説明した表面層としての光沢発現層4は、光沢性が高く、画像の保存性に優れたものである。また、その一方で、表面層としての光沢発現層4は、下層のインク吸収層3へのインクの伝搬性を阻害することなく、及びインクの吸収性にも優れたものである。この結果、光沢発現層4は、銀塩写真に近い光沢紙〜同等の光沢紙と言える、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上、好ましくは70%以上を示す。
【0037】
なお、光沢発現層4とインク吸収層3との間には、明確な境界があるのではなく、光沢発現層4とインク吸収層3とが混ざり合った薄い領域が形成されている。この領域では、光沢発現層4中の水溶性ジルコニウム塩とインク吸収層3のバインダ樹脂の一部とが架橋した状態を形成しているものと考えられる。
【0038】
次に、インクジェット記録シートの支持体2並びにインク吸収層3について説明する。
【0039】
支持体2としては、公知の支持体を使用することができ、例えば、天然セルロース繊維を主体としてパルプ原料からなる紙支持体、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート)、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミド等の材料からなるプラスチック支持体、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(例、RCペーパー)が挙げられる。中でも、より高い濃度で鮮明な画像を得るためには、支持体中にインク液が浸透しない疎水性支持体、すなわちプラスチック支持体や樹脂被覆紙を用いるのが好ましく、更に、より銀塩写真調のインクジェット記録シートを得るためには、樹脂被覆紙を用いるのが好ましい。
【0040】
支持体2の坪量は、一般的には、好ましくは75〜350g/m2、より好ましくは100〜300g/m2である。
【0041】
なお、支持体2のインク吸収層3を形成する表面には、インク吸収層3との接着性を向上させる目的で、必要に応じて公知のアンカー剤を塗工してもよく、プラズマ放電法等により易接着化処理してもよい。
【0042】
インク吸収層3は、インク吸収性顔料、バインダ樹脂、及び各種助剤類から構成される。
【0043】
インク吸収層3に添加される助剤類としては、例えばインク定着剤、顔料分散剤、増粘剤、一重項酸素クエンチャー剤、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、耐水化剤、褪色防止剤、帯電防止剤、防黴剤等が挙げられる。中でも、助剤類として、印画画像の耐水性付与を目的にインク定着剤を添加することが好ましい。好ましいインク定着剤として、カチオン性の無機物、より好ましくはカチオン性の有機物が挙げられる。カチオン性有機物としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアミンスルホン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物等が挙げられる。
【0044】
また、インク吸収層3を構成するインク吸収性顔料としては、公知の顔料を用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、サチンホワイト、クレー、合成非晶質シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、水酸化マグネシウム、擬ベーマイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、マイカ、硫化亜鉛等の顔料が挙げられる。これらは、単独あるいは二種以上を併用することができる。特に、細孔容量が大きい多孔性合成非晶質シリカ、多孔性アルミナが好ましく、より好ましくは、気相法により合成されたシリカ微粒子が挙げられ、更に、特に好ましくは気相法により合成されたアルミナ微粒子が挙げられる。これらは、比較的容易に一次粒子近くまで微粒子化でき、併せて高い空隙率のインク吸収層を与えることができるので好ましい。
【0045】
インク吸収層3に使用するバインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、カゼインや大豆蛋白等の蛋白質類、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂等、一般に塗工紙用として用いられている従来公知の樹脂を単独あるいは併用して用いることができる。中でも、光沢向上効果に優れ、塗膜強度が向上するという点で、反応性を示す水溶性樹脂を用いることが好ましい。塗膜強度が向上する理由は、定かではないが、インク吸収層3の表面に存在する、水溶性ジルコニウム塩に対して反応性を示す水溶性樹脂と光沢発現層4の水溶性ジルコニウム塩とが反応して架橋構造が形成され、塗膜強度が向上するものと推定できる。
【0046】
インク吸収層3に用いられる反応性を示す水溶性樹脂の好ましい使用量は、十分な光沢性と塗膜強度とを確保するために、インク吸収層3に使用される全樹脂量に対して80重量%以上である。
【0047】
水溶性ジルコニウム塩に対して反応性を示す水溶性樹脂としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メチロール基等の官能基を有する樹脂であればよく、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド、メラミン樹脂等が挙げられる。特に、光沢向上効果に優れ、塗膜強度向上効果に優れるポリビニルアルコールが好ましい。
【0048】
インク吸収層3は、インク吸収層3を構成する上述の成分を水または適当な溶媒中に溶解もしくは分散させて調製したインク吸収層塗工液を、例えばロールコーティング法、ブレードコーティング法、エアナイフコーティング法、ロッドバーコーティング法、グラビアコーティング法、コンマコーティング法、ダイコーティング法等の方法を適宜使用して、支持体2上に塗布し、乾燥することにより形成できる。
【0049】
インク吸収層3の塗布量は、適宜決定されてよいが、好ましくは10〜40g/m2、より好ましくは15〜30g/m2である。
【0050】
図1に示した態様の本発明のインクジェット記録シート1は、ポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙等の支持体2の表面に、インク吸収層塗工液をコンマコーティング法等により塗布し乾燥してインク吸収層3を形成し、次に、そのインク吸収層3上に、水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗布し乾燥して光沢発現層4を形成することにより製造できる。
【0051】
なお、インク吸収層3に水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工する前に、インク吸収層3の表面に再湿潤液を塗布して湿潤化しておいてもよい。これにより、光沢性を向上させることができる場合がある。再湿潤液としては、水の他、沸点が120℃以下の揮発性の高い溶媒を用いることができる。更に再湿潤液には、助剤類として、例えばインク定着剤、顔料分散剤、増粘剤、一重項酸素クエンチャー剤、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、耐水化剤、褪色防止剤、帯電防止剤、防黴剤等を含有させることができる。
【0052】
なお、支持体上にインク吸収層塗工液を塗布後、乾燥せずに未乾燥の状態で、水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工し、乾燥することによりインク吸収層3と光沢発現層4とを同時に形成してもよい。
【0053】
以上説明した本発明の新規なインクジェット記録シートは、光沢性が高く、インクの吸収性にも優れたものであり、高解像度で鮮明な画像を得ることができる。さらに耐光性や耐水性などの画像の保存性や塗膜強度にも優れたものである。
【0054】
更に、必要に応じて、インク吸収層及び光沢発現層の他に、別の層(例えば、印画紙の色相を調整する白地調整層、帯電防止や走行安定性をつかさどるバックコート層等)を設けることもできる。
【0055】
本発明のインクジェット記録シートを用いて画像を形成する方法としては、インクジェット記録シートの光沢発現層に対し、水溶性染料もしくは顔料を含有するインクジェットインキを電界、熱、圧力等を駆動源とする記録ノズルから吐出させる方法が挙げられる。この画像形成方法により得られる画像は、光沢があり、高解像度で鮮明なものとなる。しかも、耐光性や耐水性などの画像保存性に優れたものである。
【0056】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
【0057】
以下の実施例及び比較例中、特に断りのない限り「%」は「重量%(固形分換算)」を意味する。また、水溶性ジルコニウム塩の添加量は、全てZrO2に換算した重量で表記した。また、顔料の平均二次粒子径はコールターカウンター法により測定した値である。
【0058】
なお、後述の評価試験において、実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートに対するインクジェット記録は、BJ−F600(キャノン(株)製、インクジェットプリンター)を用いて行った。
【0059】
実施例1〜20
下記組成の塗工液を用いて、表1に示すインク吸収層及び光沢発現層を設けたインクジェット記録シートを作製した。
【0060】
なお、インク吸収層の及び光沢発現層の形成は以下のように行った。
【0061】
(インク吸収層)
坪量170g/m2の樹脂被覆紙(RCペーパー)の上に、バーコータを用いて、下記に示すインク吸収層塗工液X1〜X4を濃度16%で調製し、25g/m2の塗布量(固形分換算)で塗工し、100℃で5分間乾燥することによりインク吸収層を形成した。
【0062】
(光沢発現層)
インク吸収層上に、下記に示す光沢発現層塗工液Y1〜Y14を塗布量に応じた濃度で調製し、表1に示す塗布量(固形分換算)でバーコータを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥することにより光沢発現層を形成した。
【0063】
(インク吸収層塗工液)
X1
QS30(トクヤマ製:気相法シリカ) 70%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 25%
PAS−H−5L(日東紡製:ポリジアリルアミン重合物) 5%
【0064】
X2
QS30(トクヤマ製:気相法シリカ) 65%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 24%
E2000(第一工業製薬製:ポリウレタン樹脂分散体) 6%
PAS−H−5L(日東紡製:ポリジアリルアミン重合物) 5%
【0065】
X3
Al2O3−C(日本アエロジル製:気相法アルミナ) 75%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 25%
【0066】
X4
QS30(トクヤマ製:気相法シリカ) 70%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 15%
E2000(第一工業製薬製:ポリウレタン樹脂分散体) 10%
PAS−H−5L(日東紡製:ポリジアリルアミン重合物) 5%
【0067】
【0068】
【0069】
Y3
硫酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業製) 100%
【0070】
Y4
酢酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業製) 100%
【0071】
Y5
酸塩化ジルコニウム(第一稀元素化学工業製) 100%
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
比較例1〜12
下記組成の塗工液を用いて、表1に示すインク吸収層及び光沢発現層を設けたインクジェット記録シートを作製した。但し、比較例1については光沢発現層を設けなかった。
【0082】
なお、インク吸収層の及び光沢発現層の形成は以下のように行った。
【0083】
(インク吸収層)
比較例1〜10及び12については、インク吸収層は、インク吸収層塗工液X4を使用し、比較例11については、下記に示すインク吸収層塗工液X5を使用する以外は、実施例1〜20と同様にしてインク吸収層を形成した。
【0084】
(光沢発現層)
インク吸収層上に、下記に示す光沢発現層塗工液Y15〜Y21を用いた以外は、実施例1〜20と同様にして光沢発現層を形成した。
【0085】
(インク吸収層塗工液)
X5
AZ200(日本シリカ工業製:ゲル法シリカ) 70%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 10%
E2000(第一工業製薬製:ポリウレタン樹脂分散体) 15%
PAS−H−5L(日東紡製:ポリジアリルアミン重合物) 5%
【0086】
(光沢発現層塗工液)
Y15
ステアリン酸ジルコウム(第一稀元素化学工業製) 100%
【0087】
【0088】
【0089】
Y18
ジルコゾールZN(第一稀元素化学工業製:硝酸ジルコニウム) 10%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 90%
【0090】
Y19
ジルコゾールZN(第一稀元素化学工業製:硝酸ジルコニウム) 40%
GH20(日本合成化学工業製:ポリビニルアルコール) 60%
【0091】
【0092】
【0093】
(インクジェット記録シートの評価)
実施例1〜20及び比較例1〜12の各インクジェット記録シートについて、60度鏡面光沢度、インク吸収性、耐光性、耐水性、塗膜強度の評価を下記基準に従って行った。それらの結果を表1に示す。
【0094】
(光沢度)
JIS Z8741−1997に従い、光沢度計VG2000(日本電色工業製)を用いて、各インクジェット記録シートの60度鏡面光沢度を7点ずつ測定し、次の評価基準でランク分けすることにより光沢度の評価を行った。
【0095】
ランク 基準
A: 60°光沢度が70%以上である場合
B: 60°光沢度が50%以上で70%未満である場合
C: 60°光沢度が30%以上で50%未満である場合
D: 60°光沢度が30%未満である場合
【0096】
(インク吸収性)
各インクジェット記録シートに対し2色インクでのベタ重ね印字を行い、顕微鏡で吸収状態を観察するとともに、印字直後のインクジェット記録シートに紙を荷重50g/cm2で圧着し、インク転移の状態を目視観察し、次の評価基準でランク分けすることによりインク吸収性の評価を行った。
【0097】
ランク 基準
A: 印字境界部が明瞭であり、紙にインクが全く転移していない場合
B: 印字境界が明瞭であるが、僅かに紙にインクが転写する場合
C: 印字境界が不明瞭であるか、紙に多くのインクが転写するかのどちらかである場合
D: 印字境界が不明瞭であり、さらに紙に多くのインクが転写する場合
【0098】
(耐光性)
各インクジェット記録シートに対してマゼンタインクで16階調印画を行い、初期濃度がマクベス濃度計で1.0になる部分を選定し、その部分にキセノンフェードメーター(アトラス社製:Ci35A)を用いて、55℃、60%RH環境中で62時間照射し、その初期濃度に対する濃度残存率を測定し、次の評価基準でランク分けすることにより耐光性の評価を行った。
【0099】
ランク 基準
A: 濃度残存率が90%以上である場合
B: 濃度残存率が80%以上で90%未満である場合
C: 濃度残存率が70%以上で80%未満である場合
D: 濃度残存率が70%未満である場合
【0100】
(耐水性)
インクジェット記録シートに、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のベタ印画を行い、このインクジェット記録シートを純水中に5分間浸漬し印字物の水への再溶出の状態を目視観察し、次の評価基準でランク分けすることにより耐水性の評価を行った。
【0101】
ランク 基準
A: 全く溶出が認められなかった場合
B: 僅かに溶出が認められるが実用上問題のない場合
C: 溶出が認められ、非印字部分に再染着が認められる場合
D: 溶出が著しく、印字部の濃度低下が認められる場合
【0102】
(塗膜強度)
各インクジェット記録シートの塗工層(比較例12の場合にはインク吸収層、それ以外は光沢発現層)に市販の粘着セロハンテープを表面に貼り付け、5分後に剥離させたときの塗工層の剥がれ状態を目視にて観察し、次の評価基準でランク分けすることにより塗膜強度の評価を行った。
【0103】
ランク 基準
A: 塗工層が全く剥がれなかった場合
B: 僅かに塗工層が剥がれるが、実用上問題ない場合
C: 塗工層が全接着面積の10%以上で剥離しているが実用上問題がない場合
D: 塗工層の剥がれが著しく、実用上問題がある場合
【0104】
【表1】
【0105】
各実施例及び比較例の結果から明らかなように、本発明(実施例1〜20)によれば、支持体上に設けられた少なくとも1層のインク吸収層、及び最表面層としての光沢発現層が設けられ、前記光沢発現層中にその全固形分に対しZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩類が含有されており且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩類の含有量を超えない量で含有しているので、光沢性及びインク吸収性に優れ、しかも耐光性や耐水性などの画像の保存性に優れていることが分かる。さらに十分な塗膜強度も有している。
【0106】
これに対し、本発明に係る前記光沢発現層を設けていないか、水溶性ジルコニウム塩の添加量が前述の範囲を外れている比較例1〜12のインクジェット記録シートは、本発明のインクジェット記録シートのように、光沢性とインク吸収性を同時に満足することができず、また、耐光性や耐水性などの画像の保存性や塗膜強度の項目についても、いずれかの点で劣る結果となっている。
【0107】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録シートは、光沢性及びインク吸収性に優れ、しかも耐光性や耐水性などの保存性に優れた画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録シートの断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録シート、2 支持体、3 インク吸収層、4 光沢発現層
Claims (15)
- 支持体上にインク吸収層が設けられたインクジェット記録シートにおいて、該インク吸収層が、気相法で製造された多孔性のヒュームドアルミナによるインク吸収性顔料を含有し、かつ該インク吸収層上に水溶性ジルコニウム塩類を主体とする光沢発現層が設けられており、該光沢発現層は、その全固形分に対しZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩類を含有しており且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩類の含有量を超えない量で含有しており、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シート。
- 支持体上にインク吸収層が設けられたインクジェット記録シートにおいて、該インク吸収層が、気相法で製造された多孔性のヒュームドアルミナによるインク吸収性顔料を含有し、かつ該インク吸収層上に水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工し乾燥することにより形成された光沢発現層が設けられており、該水溶性ジルコニウム塩含有塗料は、その全固形分中にZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩を含有しており且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩の含有量を超えない量で含有しており、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シート。
- 該光沢発現層のJIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が70%以上である請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該光沢発現層が、バインダ樹脂を含有していない請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該光沢発現層が、その全固形分中に更に無機顔料を50重量%以下10重量%以上の割合で含有する請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該無機顔料の平均二次粒子径が5μm以下0.4μm以上である請求項5記載のインクジェット記録シート。
- 該水溶性ジルコニウム塩が、酸素酸塩類の水溶性ジルコニウム化合物である請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該水溶性ジルコニウム塩が、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム及び硝酸ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該水溶性ジルコニウム塩が、その飽和水溶液の液性がアルカリ性となる水溶性ジルコニウム化合物である請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該光沢発現層が、水溶性ジルコニウム塩含有塗料を乾燥重量で0.05〜4.5g/m2の割合で塗工されたものである請求項2記載のインクジェット記録シート。
- 該インク吸収層が、該水溶性ジルコニウム塩に反応性を示す水溶性樹脂を、インク吸収層に配合される全樹脂量の80重量%以上の割合で含有する請求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
- 該水溶性ジルコニウム塩に対し反応性を示す水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである請求項11記載のインクジェット記録シート。
- 支持体上に、気相法で製造された多孔性のヒュームドアルミナによるインク吸収性顔料を含有するインク吸収層を、インク吸収層塗工液を用いて塗布・乾燥して形成した後、該インク吸収層上に、全固形分中にZrO2換算重量で10重量%以上の水溶性ジルコニウム塩を含有し且つバインダ樹脂を含有しないか又はZrO2換算重量で該水溶性ジルコニウム塩の含有量を超えない量で含有している水溶性ジルコニウム塩含有塗料を塗工し乾燥することにより光沢発現層を形成することを特徴とする、JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が50%以上であるインクジェット記録シートの製造方法。
- 該インク吸収層を再湿潤化処理した後に、光沢発現層を形成する請求項13記載の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録シートに対し、光沢発現層側からインクジェット記録によりインクジェットインキの画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
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