JP4481484B2 - 被記録媒体、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクを用いたカラー記録、特に、インクジェット記録方式を用いたカラー記録に好適であり、且つ、パルプ繊維による紙の風合いを有し、インク吸収性が良好で、しかも、鉛筆筆記性を併せ持つ被記録媒体、その製造方法、並びに、該被記録媒体を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理よりインクの微小液滴を飛翔させて被記録媒体(紙等)に付着させ、画像や文字等の記録を行なう方法であり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が高く、現像及び定着が不要である等の特徴があり、様々な用途において急速に普及している。更に、多色インクジェット記録方式によれば、従来の製版方式による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較しても遜色のない多色画像を形成することが可能であり、しかも、作成部数が少ない場合には通常の多色印刷や印画よりも安価に印刷物が得られることから、フルカラー画像記録の分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
上記インクジェット記録方式においては、従来より、記録の高速化、高精細化、フルカラー化等の記録特性の向上の要求に伴って、インクジェット記録装置及び記録方法の改良が行われてきており、同時に、使用する被記録媒体に対しても高度な特性が要求されている。インクジェット記録方式では、ノズルから被記録媒体に向けてインク液滴を高速で射出する必要上、水、又は、水と有機溶剤との混合液等の水系溶媒を多量に含むインクが使用されている。従って、高い色濃度の記録画像を得るためには、大量のインクを使用しなければならない。又、インク液滴は連続的に射出されるので、インクのドットが接合するビーディング現象が生じ、画像が乱れる場合がある。このビーディング現象を防止するには、使用する被記録媒体が、インク吸収量が大きく、且つ、インク吸収速度の速いものであることが要求される。
【0004】
かかる要求を解決するために、従来から、多種多様の被記録媒体の形態が提案されている。例えば、インクジェット記録シートの形態としては、上質紙・ボンド紙等に代表される普通紙タイプと、上質紙等の紙や、合成紙或いは合成樹脂フィルム等の支持体(以下、基紙又は基材とも呼ぶ)表面にインク受容層(塗工層)を設けた塗工タイプとに大別される。更に、塗工タイプは、その塗工量に従って、1〜10g/m2程度の低塗工量タイプ、10〜20g/m2程度の中塗工量タイプ、20g/m2以上の高塗工量タイプに分類される。
【0005】
中塗工量タイプ以上の厚いインク受容層を有するインクジェット記録シートでは、インクジェット記録において高精細で鮮明な画像形成が可能あるが、その厚いインク受容層によって、基紙のもつ風合いや取り扱い性が損なわれしまうという欠点がある。更に、鉛筆筆記性が得られないという問題もある。このため、風合いや取り扱い性が良好で、しかも、鉛筆筆記性を持ち合わせ、且つ、高精細で鮮明な画像形成が可能な低塗工量タイプの被記録媒体の開発が望まれている。
【0006】
一方、薄いインク受容層を有する低塗工量タイプの被記録媒体の場合は、インク受容層のみですべてのインクを吸収させることは困難であるため、基紙でインクの一部を吸収させる必要がある。例えば、特公平3−26665号公報、特開昭59−38087号公報、及び特開昭59−9516号公報等に、比較的低いステキヒトサイズ度の基紙を利用する例が挙げられている。ステキヒトサイズ度の低い基材を用いた場合には、基材のもつインクの高い吸収性を利用することで、インクの溢れや滲み、更には、インクが表面で凝集してしまってムラになる、所謂ビーディング現象を防止できる。
【0007】
しかし、この一方で、上記従来例に示されている低塗工量タイプの被記録媒体では、インクが基材内部にまで深く進入してしまい、記録物の印字濃度が上がらないという問題を生じる。即ち、従来知られている低塗工量タイプの被記録媒体の場合は、比較的低サイズ度の基紙を使用することで、基紙自体のもつインク吸収性に依存するところが大きく、又、塗工量が少なく、塗工液を基紙のパルプの絡みあった凹凸に均一に塗工液が塗工できない場合もあり、インク受容層による基紙の繊維被覆率が不十分となり、被記録媒体表面においてパルプ繊維が露出することが顕著になることがあった。このような構成の被記録媒体に画像を形成すると、特に、水性インクを用いた場合には、インクが粗雑なパルプ繊維にそって不均一に拡散し、印字ドットから周辺にヒゲ状のもの(フェザーリング)が発生し、真円度の著しく低いドットとなるという問題があった。
【0008】
特公昭63−22997号公報には、支持体表面にインク受容層を設け、最上層の空孔分布曲線の一つのピークが0.2μm〜10μmの範囲にあり、インク受容層全体のピークのバランスを調整する例が挙げられている。この場合には、最上層に必ず細孔半径の大きい部分、即ち、0.2μm〜10μmの細孔を形成しているのが特徴である。これにより、高いインク吸収能(インク吸収速度)を主として二層構造によって得ている。しかしながら、このような構成では基紙本来の特性、即ち、風合や色合い等を十分に得ることができない。又、基紙自体の隙間構造を十分に生かせていないため、基紙のステキヒトサイズ度、表面形状の違いによっては十分なインク吸収特性が得られない場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、基紙が本来有している自然の風合いを損なうことなく、且つ、鉛筆筆記性を有し、基紙の吸収に大きく依存することなく優れたインク吸収性をもち、インク吸収速度も速く、更には印字パス数の少ない高速印字に対しても好適であり、しかも、画像濃度が高く、色調が鮮明で、高い解像度の画像が得られる優れた被記録媒体を提供することにある。更には、種々の基紙(様々なステキトサイズ度、表面形状等)を用いた場合にも同様に優れた特性の被記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明はパルプ繊維を主体とする基材の上に、無機顔料及びバインダーを有するインク受容層が形成されている被記録媒体において、前記インク受容層の塗工量が1〜10g/m2であり、且つ、被記録媒体の細孔分布が、基材のもつ細孔半径の極大値と、インク受容層の持つ細孔半径の極大値とを持ち、且つ、前記インク受容層の持つ細孔半径の極大値が8nm〜50nmの範囲のみにあり、前記基材のもつ細孔半径の極大値が500nm〜10,000nmの範囲のみにあることを特徴とする被記録媒体、及び該被記録媒体の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の被記録媒体の一例を示す模式断面図である。この被記録媒体100は、基材101上に、インク受容層102を形成してなる。基材101としては、パルプ繊維を主体とする一般に市販されている紙類が使用可能であり、何ら限定されることはなく、例えば、パルプ繊維及び填料を主体とする抄紙用原料を公知の方法によって抄造することで形成できる。繊維状パルプとしては、通常の紙製造において用いられるものであれば特に制限なく利用できるが、例えば、LBKP、NBKP等に代表される化学パルプ、機械パルプ及び古紙再生パルプ、非木材パルプ、或いは、これらの2種以上の混合物等を用いることができる。
【0012】
基材となる紙の抄造には、例えば、繊維状パルプ、填料を主体とし、その他、サイズ剤や抄紙助剤等を必要に応じて用いて抄紙する通常の方法が利用できる。填料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク及び二酸化チタン等を使用できるが、これらの中でも特に好ましいものは、カオリンである。サイズ剤としては、ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、アクリルアミド等を使用することができる。これらのパルプ繊維を主体として抄造された紙自体の隙間構造は、インクジェット用の被記録媒体の基材として用いる場合に有効である。
【0013】
本発明の被記録媒体の基材として好適な紙の隙間構造としては、基材の細孔分布において、細孔半径の極大値が500nm〜10,000nmの範囲にあるものが好ましく、更には、1,000nm〜5,000nmの範囲にあるものを用いるとよい。隙間構造は、抄紙条件やパルプの種類、各パルプの配合比等により調整することができる。これに対し、基材の細孔半径が小さすぎる場合には、インク溶媒成分の取り込みを十分に行えない場合がでてくる。一方、基材の細孔半径が大きすぎる場合には、インク受容層を基材表面に保持するのが難しい場合があり、印字特性のばらつきや、部分的なあふれ、滲み、及び印字濃度低下等を生じる場合がある。
【0014】
本発明に使用される基材のステキヒトサイズ度は特に限定されないが、坪量127g/m2換算で、10〜400秒の範囲に調整されているものが好ましい。ステキヒトサイズ度がこの範囲よりも高いと、インク吸収性が不十分となってしまうことがある。逆に、サイズ度が低い場合には、フェザリングや印字部濃度の低下等が発生し、品位が不十分となることがある。又、基材として、紙に様々な色合いや、風合いを持たせるために、部分的に染料により染色したり、プレス加工、エンボス加工、抄き込み加工を施し、色調、光沢、外観に特徴をもたせた意匠紙、模様紙を用いてもよい。
【0015】
本被記録媒体では、図1に示したように、上記のような基紙101の上にインク受容層を有するが、該インク受容層102は、無機顔料とバインダーとの組み合わせによる微多孔性の薄膜として形成される。このような構成を有する本発明の被記録媒体100に対して記録を行った場合には、インクの溶媒分は、先ず、インク受容層102のもつ空隙に取り込まれて毛細管現象で基紙101に到達し、その中に吸収される。この際、インク受容層102は微多孔性の薄膜であるため、インクの色材をその表面で染着・吸着すると共に、次にくるインクの溶媒分を速やかに基紙側に受け渡しができるために、滲みの発生が起きにくい。
【0016】
ここで、本発明の被記録媒体において、インク受容層102の空隙の大きさとしては、図2に示すように、被記録媒体の細孔分布曲線を測定した場合に、基紙の有する空隙に起因するピークA以外にピークBが出現するが、これがインク受容層の細孔によるピークBである。本発明の被記録媒体においては、かかるピークBが8nm〜50nmの範囲に極大値をもつように構成されている。インク受容層102の空隙に起因する細孔のピークBが8nmよりも小さい場合には、インクの吸収速度が低下し、パス数の少ない高速印字においてはインクの吸収が追いつかず、インクの溢れが発生したり、吸収の不均一性が生じたりしてスジむら等が発生してしまう。一方、ピークBが50nmよりも大きい場合には、緻密な微多孔性の膜(インク受容層)が形成されないために、画像を形成した場合に、ドットの広がりやインクの滲みが発生してしまう。又、この場合には、塗工膜(インク受容層)の透明性も低下するため、鮮明な画像が得られなくなる。インク受容層102が十分なインク吸収性と透明性とを有するようにするためには、被記録媒体の細孔分布曲線の分布において、特に、上記ピークBが、10nm〜30nmの細孔範囲にあるように構成することがより好ましい。
【0017】
インク受容層に形成される細孔へのインク吸収容量(細孔容積)に関しては、インク受容層を構成する無機顔料やバインダーの種類や配合比、更には、インク受容層の膜厚等を変化させることによって適宜に調整することが可能である。特に、被記録媒体に付与されたインクの溶媒分を一旦受容して、その後、パルプ繊維を主体とする基材に速やかに受け渡せるようにするためには、上記した細孔半径が8nm〜50nmの細孔容積の合計が0.004cm3/g以上、更には、0.005cm3/g以上であることが好ましく、より好ましくは、細孔容積の合計が0.01cm3/g以上であるとよい。その上限については、インク受容層の強度、透明性、更には基材の風合を生かせる範囲で調整することが望ましい。具体的には、0.1cm3/g以下であることが妥当であり、基材側の細孔半径及び細孔容積を大きくすることにより、インクの上下方向への授受が好適に行われようになる。
【0018】
更に、インク受容層の細孔容積に対する基紙の細孔容積の比が1/10よりも小さい場合に、インクの上下方向の授受が促進される。好ましい比は1/10以下、更に好適なのは1/20〜1/50である。尚、この吸収容量(細孔容積)は、塗工前の基紙における細孔分布曲線から、塗工後の細孔分布曲線を差し引くことによって求めることができる。又、本発明でいう空隙とは、インク受容層中で上下及び左右方向といった2次元及び3次元方向に連結した細孔構造で形成され、これによってインク中の溶媒分が速やかに細孔中を通過でき、基紙に連結しているものを指す。
尚、本発明においては、上記したインク受容層102の細孔分布測定は、水銀圧入法により測定した。
【0019】
又、本発明の被記録媒体において、インク受容層に十分なインク吸収性を持たせるべく上記のような細孔構造を形成させるためには、インク受容層を構成する無機顔料の種類、バインダーの種類、更には、これらの配合比率、成膜時における乾燥条件、膜厚等を適宜に選択すればよく、この結果、インク中の溶媒分の十分な通過吸収作用が得られる。
【0020】
本発明の被記録媒体においては、上記のように構成されるインク受容層102が、基材表面に対して90%以上の被覆率で、より好ましくは、基材の表面が全く露出していない完全被覆の状態で形成されていることが好ましい。このようにすることにより、インク受容層中及び表面に、インクの色材を確実に、染着・吸着させることができるため、高い発色性を均一に得ることができ、高い画像濃度が得られる。更に、上記のような被覆率でインク受容層を形成すれば、基紙が露出している部分が少なくなるため、被記録媒体全体が吸収性に関して均一になり、部分的に溢れが生じて、インクが表面で凝集してドットが繋がってしまうビーディング現象の発生も抑制できる。
【0021】
更に、インク受容層によって充分に被覆されている場合に、インク受容層の表面に微小クラックが形成されていてもよい。ここでいう、微小クラックとは、インク受容層の表面に形成された小さな亀裂を意味し、その形や幅に特に規定はない。この微小クラックによりインクの溶媒分の通過能が補足され、更に、インク吸収能が向上する。微小クラックの大きさに関しては、特に規定はないが、幅200μm以上の大きいクラックがないことが望ましい。クラックの形成については塗工液を急加熱したり、その後、急冷却したり、塗工膜を調節することにより行う。更には、ガラス転移点の大きく異なる樹脂や、粒子径の異なる樹脂の配合、無機顔料とバインダーの種類の選定、配合比等により形成することができる。
【0022】
インク受容層の膜厚に関しては、本発明の被記録媒体においては、塗工量が1〜10g/m2の微量塗工によって得られるものであればいずれでもよいが、インク吸収能と十分な膜強度の確保、更に、鉛筆筆記性を得るためには、膜厚が5μm以下であることが好ましい。更に、紙の風合いと膜の透明性を向上するためには、2μm以下であることが、より好ましい。
【0023】
以下に、本発明の被記録媒体を構成するインク受容層の形成材料について説明する。先ず、インク受容層の形成に用いる無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、ゼオライト、ケイソウ土、カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、水酸化アルミニウム、コロイダルアルミナ、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト類等の、従来、一般の塗工紙のコート層に使用されているものを使用することができる。又、本発明においては、これらの無機顔料を、単独で或いは2種以上を適宜に混合して用いることができる。特に好ましい顔料は、インク受容層が、高い透明性及び吸収性を有するものとなるようにするために、シリカ又はアルミナ水和物を使用することが好ましい。
【0024】
この場合に、シリカとしては、天然シリカ、合成シリカ、非晶質シリカ等や化学修飾されたシリカ系化合物を用いることができるが、特に、正電荷を有するシリカが好ましい。又、アルミナ水和物は、正電荷を持っているため、インク中の染料の定着がよく、高光沢、発色のよい画像が得られ、更に、他の顔料を用いたインク受容層に比べて、低ヘイズで、透明性も高くなるので、インク受容層に用いる顔料として、より好ましい。
【0025】
本発明で使用する無機顔料は、上記に挙げたような材料からなり、更に、その粒子内に細孔の多い多孔性を有する顔料を用いることが好ましい。先に説明した本発明で所望するインク受容層の細孔半径、更には細孔容量を得るために、そのBET比表面積が、10〜500m2/gの範囲にある無機顔料を使用することが好ましい。BET比表面積が上記した範囲から大きく外れた場合には、被記録媒体の細孔分布において、所望する細孔半径の極大値を得るのが困難になる場合がある。更には、無機顔料として、BET比表面積が40〜250m2/gのものを用いることがより好ましい。又、本発明においては、無機顔料の細孔容積が、0.1〜3.0cm3/gの範囲にあるものを用いることが好ましい。更には、0.3〜1.0cm3/gの範囲にあるものがより好ましい。
【0026】
本発明の被記録媒体のインク受容層を形成する場合に、上記した無機顔料と組み合わせて使用するバインダーとしては、水溶性、水分散性、水/有機溶剤混合系樹脂等、特に限定されることはない。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉又はその変性体、ゼラチン又はその変性体、カルボキシメチルセルロース等のセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸、又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等を使用することが好ましい。これらのバインダーは、単独で或いは複数種混合して用いることができる。これらにの中でも、インク受容層中に所望する細孔を形成するためには、加熱、乾燥した場合にバインダーマイグレーションが発生しにくい、ラテックス・エマルジョン状のものを使用することが好ましい。
【0027】
更に、インク受容層の十分な細孔を得るために、バインダーマイグレーションを更に抑制することが好ましく、そのためには、ガラス転移点が高いバインダーを用いることが効果的である。例えば、ガラス転移点が20℃〜120℃の範囲にあるエマルジョンタイプの樹脂をバインダーとして用いることが効果的である。即ち、ガラス転移点が低くすぎる場合には、通常のエマルジョン粒子ではバインダーマイグレーションの抑制が困難な場合があり、逆に高すぎる場合には成膜性が劣る場合がある。
【0028】
又、本発明においては、バインダーとして、感熱ゲル化性を有するものを用いると、より効果的である。即ち、インク受容層を形成する場合に、一定の温度を境界にして、親水性と疎水性が可逆的に変化する成分を含むバインダーを用いることにより、バインダーマイグレーションの発生が有効に抑制される。この場合には、バインダーのガラス転移点に関しては特に高い温度を必要とせず、例えば、−20℃〜60℃の範囲のものを使用することが好ましい。
【0029】
インク受容層を形成する場合には、上記したような無機粒子とバインダーを弱凝集させた状態で被膜化することにより、より最適な細孔が得られる。その具体的な方法としては、無機顔料とバインダーに、相反するイオン性のものを夫々用い、これらからなる塗工液中に弱凝集を形成させたり、或いは、塗工後に弱凝集させることが挙げられ、これによって、最適な細孔が形成される。これに対し、分散性のよい塗工液では最適な細孔は得られにくい。塗工液を弱凝集の状態にコントロールする方法としては、例えば、カチオン性の強い無機顔料とアニオン性の弱いバインダーとの組み合わせや、カチオン性の弱い無機顔料とアニオン性の強いバインダーとの組み合わせ等、幾つか考えられるが、更に、無機顔料とバインダーの配合比や、カチオン性物質を添加すること等によってもコントロールすることが可能である。この弱凝集状態の塗工液を用いて被膜を形成することにより、無機顔料自身の持つ細孔物性及び凝集状態のコントロールにより、本発明で所望する隙間構造を有するインク受容層が得られる。これに対し、強凝集してしまった塗工液を用いた場合には、均一な塗工が困難となるだけでなく、吸収の不均一化、透明性の低下等の問題が生じてしまう。
【0030】
インク受容層を形成するための塗工液を調製する場合の、上記に挙げたような無機顔料とバインダーとの配合比に関しては、得られるインク受容層のインク吸収性と被膜強度、透明性等を考慮して、本発明においては、固形分比で、無機顔料:バインダー=2:1〜10:1の範囲が好ましい。この範囲、即ち、2:1よりもバインダー量が多い場合には十分な隙間構造が得られない場合があり、10:1よりもバインダー量が少ない場合には被膜強度が十分でなく、更には、バインダーと無機顔料間の結合数が少なくなるため、同様に、本発明で所望するインク受容層の極大値を持つ細孔が得られにくい。更には、無機顔料:バインダー=3:1〜7:1の範囲で用いることがより好ましい。
【0031】
インク受容層を形成する場合に、インク受容層の形成材料中にカチオン性物質を添加して凝集状態コントロールする場合には、以下に挙げるような、カチオン性低分子物質やカチオン性高分子物質等を使用することができる。具体的には、カチオン性低分子物質としては、分子量1,000以下のもので、ラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリンアミン、ロジンアミン等の塩酸塩や酢酸塩等の1級、2級又は3級アミン塩型の化合物;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等の4級アンモニウム塩型の化合物;セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等のピリニジウム塩化合物;2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等のイミダゾリン型カチオン性化合物;ジヒドロキシエチルステアリンアミン等の高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物等がある。又、金属化合物も使用可能である。具体的には、例えば、乳酸アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
【0032】
カチオン性高分子としては、分子量2,000以上のもので、例えば、ポリアリルアミン、或いはその塩酸塩、ポリアミンスルホン或いはその塩酸塩、ポリビニルアミン或いはその塩酸塩、キトサン或いはその酢酸塩等を挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。又、塩酸塩型、酢酸塩型に限定されるわけではない。同様に、ノニオン性高分子物質の一部をカチオン化してもよい。具体的には、ビニルピロリドンとアミノアルキルアルキレート4級塩との共重合体、アクリルアマイドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合体等を挙げることができるが、これらの化合物に限定されないことはいうまでもない。
【0033】
又、当然のことながら、分子量1,000〜2,000の範囲のものも使用可能であり、更には、上記に挙げたものの混合系でもかまわない。上記したカチオン性物質は、水溶性若しくは水/有機溶剤混合に溶解するものであることが好ましいが、ラテックスやエマルジョンのような分散体であっても構わない。その添加量は、インクの色材成分を不溶化し、耐水化の効果を発現できる量以上であり、無機顔料やバインダーと異常凝集を起こし、粘度の上昇やゲル化が生じない程度の添加量とすることが好ましい。具体的には、被記録媒体のインク受容層中に0.1〜6g/m2の範囲で添加させることが好ましい。
【0034】
又、インク受容層中へのインクの浸透性を付与するために、インク受容層に浸透補助剤を添加してもよい。浸透補助剤の具体的なものとしては、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等のエーテル型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素型といったノニオン界面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤等が挙げられる。又、界面活性剤以外の浸透補助剤でも構わない。
【0035】
本発明の被記録媒体においては、上記で説明したような無機顔料とバインダー、及び、所望に応じて添加するカチオン性物質や、更には浸透補助剤等を加えて調製した塗工液を基材上に塗布形成することによって、所望の細孔を有するインク受容層を形成することができる。
この際に使用する塗工液は、上記に挙げた構成成分を所望の割合で混ぜて、通常の方法で水中に均一に分散、溶解して得られる。分散方法としては、例えば、ボールミル、アトライター、サンドミル、ホモミキサー、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)等の分散機を用いるのが好ましい。使用する塗工液の物性としては、粘度、pH、分散性等が重要となるが、例えば、粘度は、用いる塗工方式に応じて適宜に調節することが好ましい。具体的には、例えば、3cps〜500cpsの範囲に粘度を調整した塗工液を用いるのが好ましい。又、pHに関しては、3〜7の範囲に調整することが好ましい。この際、液pHは、JIS Z8802に規定の方法によって測定すればよい。
【0036】
更に、均一な塗膜特性と透明性を得るためには、塗工液について、より十分な分散性及び保存安定性を確保することが必要となる。従って、塗工液には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、分散剤、増粘剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、剥離剤、防ばい剤等を添加することができる。
【0037】
上記したような組成の塗工液を基材上に塗工する方法としては、例えば、ブレードコート方式、エアナイフコート方式、ロールコート方式、フラッシュコート方式、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、エクストルージョン方式、スライドホッパー方式、カーテンコート方式、スプレー方式、サイズプレス方式、シムサイザーコート方式、ゲートロールコート方式等を用いた方法により行うことができる。中でも、本発明で行なわれるような低塗工量、微量塗工量の塗工の場合には、塗工量を制御し易い点で、グラビアコート方式、サイズプレス方式、シムサイザーコート方式、ゲートロールコート方式、及びその改良方式等を用いることが好ましい。更に、塗工後、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー処理を行なって仕上げてもよい。又、本発明においては、基材(支持体)上に塗工して形成したインク受容性の被覆層が設けられているのとは反対側の面に、更にバックコート層を設けてもよい。バックコート層の形成材料の配合は、インク受容層の形成材料の配合と同一であってもよいし、又、別の配合であってもよく、更に、その塗工量及び塗工方法等も、何ら制限されるものではない。
【0038】
更に、上記のようにして基材上に設けられた塗工層に、必要に応じた加熱による乾燥処理を行うことで、本発明において所望するインク受容層が得られる。この際、乾燥処理により、水性媒体(分散体)が蒸発すると共に、バインダーの融着による結合により造膜が起こる。乾燥処理の条件は、用いる塗工液の組成に応じて適宜選択できる。乾燥は、一般に用いられる熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉を、単独で又は組み合わせて用いることで行えばよい。
【0039】
本発明の画像形成法は、上記のような本発明の被記録媒体にインクを付与して画像を形成することを特徴とする。以下、本発明の画像形成法について説明する。
先ず、本発明の画像形成法に使用されるインクについて説明する。インクとしては、主として、染料或いは顔料等の色材、水溶性有機溶剤及び水を含むものが使用できる。使用できる染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に代表される水溶性染料が挙げられる。しかし、上記した被記録媒体との組み合わせにより、定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性、その他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれば、いずれの染料でもよい。顔料としては、例えば、カーボンブラック等の無機顔料や、各種の有機顔料、金属微粒子、金属酸化物、金属化合物等を用いることができる。
【0040】
上記に挙げた水溶性染料は、一般に、水又は水と有機溶剤からなる溶媒中に溶解して使用されるが、本発明においては、溶媒成分として、好ましくは、水と水溶性の各種有機溶剤等との混合物が使用される。本発明の画像形成方法で使用するインクとしては、インク中の水分含有量が、20〜90重量%の範囲内となるように調製することが好ましい。
【0041】
本発明の画像形成方法で使用するインクを構成する水溶性の有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール等の炭素数が1〜4のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン等のケトン又はケトンアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素数を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテール類等が挙げられる。
【0042】
これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、本発明においては、特に、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類を使用することが好ましい。多価アルコール類は、インク中の水が蒸発し、水溶性染料が析出することに基づくノズルの目詰まり現象を防止するための潤滑剤としての効果が大きいため、特に好ましい。
【0043】
インクには、可溶化剤を加えることもできる。代表的な可溶化剤は、含窒素複素環式ケトン類であり、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく用いられる。更に、インク特性の改善のために、必要に応じて、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤及び比抵抗調整剤等の添加剤を加えることもできる。
【0044】
本発明の画像形成方法において、前記構成の本発明の被記録媒体に、上記したインクを付与して記録を行う場合の画像を形成する方法としては、インクジェット記録方法を用いることが好ましい。その記録方法としては、インクをノズルより効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であれば、いかなる方法でもよい。特に、本発明においては、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出して被記録媒体にインクを付与するインクジェット記録方式が有効に利用できる。
【0045】
本発明の被記録媒体に、上述したインクを使用して画像形成する本発明の画像形成方法によれば、特に、被記録媒体の吸収能の高さから、多色のインクによるべた印字の組み合わせ等の、画像におけるブリーディング(境界滲み)、インク液滴が滲んでビーズ状に繋がって起こるビーディング等が、従来に比べて大きく軽減される。
尚、本発明の被記録媒体は、上記に挙げたインクジェット用のシートとしての使用に留まらず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記録方式にも使用可能である。例えば、熱転写記録方式、感光感圧記録方式等が挙げられる。更に、近年、複写機やプリンター等に広く利用されている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録方式や、軽印刷のプルーフ用途として用いることもできる。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
前述の図1に示す態様の被記録媒体を、次のようにして作製した。
先ず、基材101には、下記に示す抄紙条件で坪量127g/m2の紙を抄造して使用した。ステキヒトサイズ度は120秒であった。又、支持体の厚みは127μmである。又、走査型顕微鏡(日立社製S−5000)にて表面を観察したところ、図3に示すようなパルプ繊維が観察された。更に、水銀圧入法(MICROMERITICS 社製 オートポアIII9420)により基材の細孔分布を測定すると、図7(a)に示されているように、細孔半径2,530nmの位置にピークの極大値が見られた。
【0047】
Figure 0004481484
【0048】
次に、下記に挙げる組成分を混合して塗工液を調製し、十分に攪拌、脱泡した後、基材101となる紙の上に、不図示のグラビアコーターで塗工後、不図示の熱風乾燥炉で120℃乾燥してインク受容層102を塗工形成した。この時インク受容層102の塗工量は、乾燥塗布量で4g/m2であった。
【0049】
上記で使用した塗工液について説明する。下記の組成において、無機顔料として用いたアルミナ水和物は、次のようにして作製した。先ず、アルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを作り、このアルミナスラリーをアルミナ水和物固形分が7.9%になるまで水を加えた。次に、3.9%の硝酸水溶液を加えてpH調整した後、熟成工程を経て、コロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを75℃でスプレー乾燥して、本実施例で使用するアルミナ水和物を得た。アルミナ水和物は、イオン交換水に分散させて15%分散液として使用した。このアルミナ水和物のBET比表面積は210m2/gであり、その細孔容積は、0.627cm3/gであった。
【0050】
Figure 0004481484
【0051】
以上により作製した被記録媒体100のインク受容層を走査型顕微鏡で観察したところ、図4に示すように、パルプの表面は、インク受容層でほぼ完全に被覆されていた。又、表面に形成されているインク受容層102の膜厚は約1.2μmであった。
更に、細孔分布を測定すると、図7(b)に示すように、本実施例の被記録媒体では、その細孔分布曲線に、細孔半径が、2,530nmの位置と10.7nmの2箇所の位置に極大値を夫々有する2つピークが見られた。図7(a)に示した基紙のピークと、図7(b)に示した被記録媒体のピークとから、インク受容層の細孔容積を求めたところ、0.0059cm3/gであった。
【0052】
<評価>
上記で得られた被記録媒体100を用いて以下の方法及び基準で評価を行った。表1に、得られた評価結果を示した。下記の(1)〜(4)の項目について評価を行い、その総合評価として、一つでも×の項目があるものを不合格、×のないものを合格とした。
(1)紙の風合い、色合い
被記録媒体を目視観察及び指触により基紙本来の風合い、色合いが維持されているかを確認した。評価基準は、風合い、色合いに問題がないものを○、風合い、色合いに問題あるものを×、として評価した。
【0053】
(2)鉛筆筆記性
被記録媒体のインク受容層の表面にHBの鉛筆を用いて筆記性の有無を確認した。鉛筆の文字にかすれがないものを○、鉛筆の文字にかすれがあるものを×、として評価した。
【0054】
(3)粉落ちの有無
被記録媒体の表面を黒色の紙で擦り、インク受容層の転移(粉落ち)の有無を確認した。インク受容層の転移(粉落ち)が見られないものを○、インク受容層の転移(粉落ち)が見られるものを×として評価した。
【0055】
(4)印字特性
1mmに24本の割合の間隔(600dpi)でノズルを備えたドロップオンデマンドのインクジェットヘッドを各インク分備え、ノズル列と垂直方向に走査して画像形成を行なうインクジェットプリンターを用いて、下記組成のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色インクを用い、1ドットの印字につき10plのインクを吐出させてインクジェット記録を行なった。又、1mm2当たり24×24ドット(600dpi×600dpi)での単色インクの印字でのインク量を100%として、単色インクを2色用いた2色印字ではインク量が単色印字の2倍になるので200%、以下同様に、3色、4色印字を夫々300%、400%とした。
【0056】
各色インクの色材としては、YインクにはC.I.ダイレクトイエロー86、MインクにはC.I.アシッドレッド35、CインクにはC.I.ダイレクトブルー199、及び、BkインクにはC.I.フードブラック2の各染料を用いて、以下のような、染料濃度の異なる3種のインクを夫々調製して使用した。
【0057】
1)インク組成1:染料高濃度インク
・染料 3部
・ジエチレングリコール 5部
・ポリエチレングリコール 10部
・水 82部
【0058】
2)インク組成2:染料中濃度インク
・染料 1部
・ジエチレングリコール 5部
・ポリエチレングリコール 10部
・水 84部
【0059】
3)インク組成3:染料低濃度インク
・染料 0.6部
・ジエチレングリコール 5部
・ポリエチレングリコール 10部
・水 84.4部
【0060】
上記のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色インクからなるインクセットを用いて、印字特性に関する下記の[1]〜[4]の具体的な項目について評価を行なった。
【0061】
[1]滲み、ブリーディング、ビーディング、ハジキ、スジムラの有無
インク組成1からなる4色インクを用い、前記記録装置で、4パス印字にて各色の印字インク量100%(単色)から400%(4色)まで変えたべた印字、及び、各色の境界のあるパターンで印字を行なって、滲み、ブリーディング、ビーディング、ハジキ、スジムラの有無を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
印字インク量400%で発生せず:◎
印字インク量300%で発生せず:○
印字インク量100%で発生せず:△
印字インク量100%で発生する:×
【0062】
[2]画像濃度
インク組成1からなる4色の染料高濃度の各インクを用い、前記記録装置で、各色のインク量100%(単色)でべた印字した画像の反射画像濃度を、X−Rite社製310TRを用いて測定し、得られた数値のうち黒色の数値を代表値とした画像濃度を示した。
【0063】
[3]耐水性
各インクで印字したべたパターンを200%印字し、1日間放置してインクを乾燥した後、べたパターン上に純水1滴滴下して放置して、インクの流れ出しがないかを確認した。そして、流れ出しないものを○、流れ出しあるものを×、として評価した。
【0064】
[4]高速印字特性
インク組成1の染料高濃度の各インクを用い、前記記録装置で、1パス印字にて各色の印字インク量200%でべた印字し、各色の境界のあるパターンで印字を行ない、滲み、ブリーディング、ビーディング、ハジキ、スジムラの有無を目視にて観察した。これらの現象が発生しない場合を○とし、発生した場合を×、として評価した。
【0065】
(比較例1)
実施例1において、インク受容層102を、下記に記載したように、アルミナ水和物と、バインダーとして水溶性のポリビニルアルコールを用い、ほう酸にて架橋したインク受容層を形成し、本比較例の被記録媒体とした。更に、得られた被記録媒体を用いて実施例1と同様にして画像形成を行い、(1)〜(4)の評価を同様に行った。その評価結果を表1に示した。尚、インク受容層は、特開平7−76161号に記載されている方法と同様にして形成した。
【0066】
先ず、アルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠法で合成した固形分18.35重量%のベーマイトゾル100gに、H3BO3の5重量%水溶液2gを加えて40℃に加温し、ポリビニルアルコール(ケン化度97%、重合度2300)の10重量%水溶液を20.2g混合して、固形分16重量%の塗工液を調製した。
【0067】
次に、得られた塗工液を用い、乾燥後の塗工量が23g/m2になるようにバーコーターにより、実施例1で使用したと同様の基材上に塗工し、65℃のオーブン中で乾燥した後、140℃で熱処理を行ない、表面にインク受容層が形成された被記録媒体を作製した。この被記録媒体のインク受容層を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図5に示すように、パルプの表面が殆ど現れないほど被覆されており、膜厚は約10.2μmと厚かった。
更に、被記録媒体の細孔分布を測定したところ、実施例1の場合と同様に、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられた。基紙の空隙に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの極大値は2,510nmであり、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は6.5nmであり、その細孔容積は0.0050cm3/gであった。尚、上記観察及び測定は、実施例1と同様の方法で行った。
【0068】
(比較例2)
実施例1において、バインダーを含まないこと以外は実施例1と同様にしてインク受容層を形成して被記録媒体を得た。更に、得られた被記録媒体を用いて実施例1と同様にして画像形成を行い、(1)〜(4)の評価を同様に行った。その評価結果を表1に示した。又、この被記録媒体のインク受容層を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図6に示すように、無機顔料のアルミナ水和物がパルプ繊維の隙間に入り込んでしまい、パルプ表面を殆ど覆っていなかった。又、膜厚は1.0μm未満であった。
【0069】
更に、被記録媒体の細孔分布を測定したところ、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられ、基紙の空隙に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの極大値は2,510nmであり、一方、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は6.8nmであり、その細孔容積は0.0010cm3/gであった。尚、上記観察及び測定は、実施例1と同様の方法で行った。
【0070】
(実施例2)
実施例1において、無機顔料として、BET比表面積及び細孔容積の異なる下記の2種のアルミナの混合物を用いた以外は実施例1と同様にしてインク受容層を形成して、被記録媒体を得た。用いた2種のアルミナ水和物は、熟成条件、pH調整を変えていることで、物性の異なるアルミナ水和物A及びB下記の作製し、これを用いた。アルミナ水和物Aは、BET比表面積は219m2/gで、細孔容積は0.660cm3/gであった。アルミナ水和物Bは、BET比表面積は45m2/gで、細孔容積は0.490cm3/gであった。アルミナ水和物Aとアルミナ水和物Bの混合比は重量比換算で3:1とした。
【0071】
上記で得られた被記録媒体を用いて実施例1と同様にして画像形成を行い、(1)〜(4)の評価を同様に行った。その評価結果を表1に示した。又、上記で得られた被記録媒体の細孔分布を測定したところ、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられ、基材に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの細孔の極大値は2,550nmであり、一方、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は18.6nmであり、その細孔容積は0.00580cm3/gであった。尚、上記測定は実施例1と同様にして行った。
【0072】
(実施例3)
実施例1において、バインダーに、一定の温度を境界にして親水性と疎水性とが可逆的に変化する感熱ゲル化樹脂エマルジョンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、インク受容層を形成して本実施例の被記録媒体を得た。この際、感熱ゲル化樹脂エマルジョンには、水溶性ウレタン樹脂とSBR系ラテックス、更に、2−モルホリノエチルメタクリレートと2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合させた重合体を混合してエマルジョン化したものを用いた。この感熱ゲル化樹脂エマルジョンは、約50℃でゲル化して粘度が急上昇するものであった。
【0073】
更に、上記で得られた被記録媒体を用いて実施例1と同様にして画像形成を行い、(1)〜(4)の評価を同様に行った。その評価結果を表1に示した。又、作製した被記録媒体の被記録媒体の細孔分布を測定したところ、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられ、基材に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの細孔の極大値は2,490nmであり、一方、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は17.6nmであり、その細孔容積は0.00709cm3/gであった。上記測定は実施例1と同様にして行った。
【0074】
【表1】
Figure 0004481484
【0075】
(実施例4)
実施例1において、無機顔料をシリカにかえた以外は実施例1と同様にして、インク受容層を形成して本実施例の被記録媒体を得た。この時用いたシリカの比表面積は145m2/gであり、その細孔容積は0.435cm3/gであった。更に、上記で得られた被記録媒体を用いて実施例1と同様にして画像形成を行い、(1)〜(4)の評価を同様に行い、その評価結果を表1に示した。
上記で作製した被記録媒体の細孔分布を測定したところ、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられ、基材に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの細孔の極大値は2,490nmであり、一方、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は26.6nmであり、その細孔容積は0.00409cm3/gであった。上記測定は実施例1と同様にして行った。
【0076】
(実施例5)
本実施例では、インクの色材に顔料を含む顔料インクからなるインクセットを用い、実施例1で得られた被記録媒体に画像記録を行なった。この際に使用した各色インクの色材は、YインクにはC.I.ピグメントイエロー83、MインクにはC.I.ピグメントレッド48:3、CインクにはC.I.ピグメントブルー15:3、及び、Bkインクにはカーボンブラックの各顔料を用いて、以下のような、色材濃度の異なる3種のインクを夫々調製して使用した。
【0077】
顔料インクの調製は、先ず、公知の分散方法で、以下の分散剤を用いて、下記の組成の顔料分散液を作製し、その後、これを用いて各色インクを調製した。
Figure 0004481484
【0078】
上記顔料分散液を用いて以下のような顔料濃度の異なるインクを調製した。
<1>インク組成4:顔料高濃度インク
・顔料分散液 33部
・ジエチレングリコール 4部
・イオン交換水 63部
【0079】
<2>インク組成5:顔料中濃度インク
・顔料分散液 11部
・ジエチレングリコール 4部
・イオン交換水 85部
【0080】
<3>インク組成6:顔料低濃度インク
・顔料分散液 6.6部
・ジエチレングリコール 4部
・イオン交換水 89.4部
上記のインクセットを用いて実施例1と同様の(1)〜(4)の評価を行った。その評価結果を表2に示した。表2に示したように、顔料インクによる画像形成方法においても、実施例1で使用した染料インクの場合と同様に、良好な印字特性が得られることがわかった。
【0081】
(実施例6)
本実施例では、実施例1で用いた基紙に、エンボスパターン加工を施したものを用いた以外は実施例1と同様にしてインク受容層を形成して、本実施例の被記録媒体を得た。この時、更に、実施例1と同様にして画像形成を行い、実施例1と同様にして(1)〜(4)の評価を行った。その評価結果を表2に示した。
作製した被記録媒体の被記録媒体の細孔分布を測定したところ、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられ、基材に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの細孔の極大値は2,350nmであり、一方、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は10.6nmであり、その細孔容積は0.004290cm3/gであった。上記測定は実施例1の場合と同様にして行った。
本実施例の被記録媒体は、エンボスパターン加工を施した基紙に、実施例1の場合と同様のインク受容層を形成した例であるが、表2に示したように、紙の風合いが損なわれることなく、鉛筆筆記性を有し、粉落ちが少なく、良好な印字特性が得られることがわかった。
【0082】
(実施例7)
本実施例では実施例1で抄造した基紙の代わりに、坪量が127g/m2の、ステキヒトサイズ度が380秒の紙を用いた以外は実施例1と同様にして、インク受容層を形成して、本実施例の被記録媒体を得た。更に、実施例1と同様にして画像形成を行い、実施例1と同様の(1)〜(4)の評価を行った。その評価結果を表2に示した。
上記で作製した被記録媒体の細孔分布を測定したところ、細孔分布曲線にピークが2ヶ所みられ、基材に起因する大きい細孔半径側に出現したピークの細孔の極大値は2,250nmであり、一方、インク受容層の細孔に起因するピークの極大値は11.8nmであり、その細孔容積は0.00417cm3/gであった。上記観察及び測定は実施例1と同様にして行った。本実施例により、ステキヒトサイズ度の高い基紙にインク受容層を形成した場合であっても、本発明の被記録媒体は、紙の風合いを損なわず、鉛筆筆記性を有し、粉落ちが少なく、良好な印字特性が得られることがわかった。
【0083】
(比較例3)
本比較例ではインク受容層に起因する細孔半径の極大値を50nmより大きくした被記録媒体を作製した。又、実施例1と同様にして画像形成を行い、同様の(1)〜(4)の評価を行った。評価結果を表2に示した。
ここでは、実施例1においてバインダーの代わりにカチオン性物質を倍量添加することにより強凝集させて細孔半径の極大値を調整した。
・無機顔料(アルミナ水和物15%溶液)
100重量部
・浸透捕捉剤(ポリオキシ
エチレンポリプロピレン縮合物) 4重量部
・カチオン性物質(塩化ベンゼトニウム)5重量部
・水 125重量部
この時、形成したインク受容層の膜厚は2.0μmであった。更に、被記録媒体の細孔分布を測定したところ、ピークの極大値は2ケ所あり、大きい細孔のピークの極大値は251nmであり、このインク受容層の細孔のピーク極大値は89nm及び細孔容積は0.0079cm3/gであった。上記観察及び測定は実施例1と同様に行った。
【0084】
【表2】
Figure 0004481484
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パルプ繊維を主体とする基材の上に、無機顔料及びバインダーからなる特定のインク受容層が形成された被記録媒体とすることで、基紙の有する自然の風合いを保持したまま、優れた鉛筆筆記性を有し、基紙の吸収に大きく依存することなく、優れたインク吸収性をもち、インク吸収速度も速く、画像を形成した場合に、画像濃度が高く、色調が鮮明で、解像度の高い優れた画像が得られ、又、高速印字、即ち、パス数が少ない印字往復印字においても、滲みや、スジむらが少ない良好な画像が得られる。被記録媒体、及び、上記の特性をステキヒトサイズ度、表面形状等の違いを持った様々な基紙を用いて、最適な被記録媒体が容易に得られる製造方法が得られる。更に、本発明によれば、上記したような画像特性に優れた画像が得られる画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の被記録媒体の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の被記録媒体の一例の細孔分布曲線を示した図である。
【図3】 実施例及び比較例で用いた基紙の表面を走査型顕微鏡で観察、撮影した図の模写図である。
【図4】 本発明の実施例1の被記録媒体の表面を走査型顕微鏡で観察、撮影した図の模写図である。
【図5】 比較例1の被記録媒体の表面を走査型顕微鏡で観察、撮影した図の模写図である。
【図6】 比較例2の被記録媒体の表面を走査型顕微鏡で観察、撮影した図の模写図である。
【図7】 (a)は、本発明の実施例1の被記録媒体の基紙の細孔分布曲線、及び(b)は、実施例1の被記録媒体の細孔分布曲線示した図である。
【符号の説明】
100:被記録媒体
101:基材
102:インク受容層

Claims (13)

  1. パルプ繊維を主体とする基材の上に、無機顔料及びバインダーを有するインク受容層が形成されている被記録媒体において、前記インク受容層の塗工量が1〜10g/m2であり、且つ、被記録媒体の細孔分布が、基材のもつ細孔半径の極大値と、インク受容層の持つ細孔半径の極大値とを持ち、且つ、前記インク受容層の持つ細孔半径の極大値が8nm〜50nmの範囲のみにあり、前記基材のもつ細孔半径の極大値が500nm〜10,000nmの範囲のみにあることを特徴とする被記録媒体。
  2. インク受容層において細孔半径8nm〜50nmの細孔の容積の合計が0.004cm3/g以上0.1cm 3 /g以下である請求項1に記載の被記録媒体。
  3. インク受容層の細孔容積に対する基材の細孔容積の比が1/10以下である請求項1または2に記載の被記録媒体。
  4. インク受容層中にカチオン性物質が含有されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被記録媒体。
  5. インク受容層中に浸透補助剤が含有されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被記録媒体。
  6. 基材の表面の90%以上が、インク受容層で被覆されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被記録媒体。
  7. インク受容層の表面に微小クラックが形成されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の被記録媒体。
  8. パルプ繊維を主体とする基材の上にインク受容層が形成されている被記録媒体を製造する被記録媒体の製造方法において、上記インク受容層を、無機顔料と、バインダーとなる樹脂を含む樹脂エマルジョンとを少なくとも含む分散液を塗工液とし、該塗工液を乾燥塗工量が1〜10g/m2となるように塗工し、その後、前記無機顔料と前記樹脂エマルジョンを弱凝集させ、更に乾燥させて得られる被記録媒体の細孔分布が、基材のもつ細孔半径の極大値とインク受容層の持つ細孔半径の極大値とを持ち、且つ、前記インク受容層の細孔半径の極大値が8nm〜50nmの範囲のみあり、前記基材の細孔半径の極大値が500nm〜10,000nmの範囲のみにあるように形成することを特徴とする被記録媒体の製造方法。
  9. 無機顔料として、細孔容積が0.1〜3.0cm3/gのものを用いる請求項に記載の被記録媒体の製造方法。
  10. 無機顔料として、BET比表面積が10〜500m2/gのものを用いる請求項またはに記載の被記録媒体の製造方法。
  11. 無機顔料が、アルミナ水和物、シリカのいずれかを一つ以上を含む請求項乃至1のいずれか1項に記載の被記録媒体の製造方法。
  12. バインダーとして、一定の温度を境界にして親水性と疎水性とが可逆的に変化する成分を含有するものを用いる請求項乃至1のいずれか1項に記載の被記録媒体の製造方法。
  13. バインダーとして、ガラス転移温度が20℃〜120℃の範囲にあるものを用いる請求項乃至1のいずれか1項に記載の被記録媒体の製造方法。
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