JP2006103315A - インクジェット記録用光沢シートの製造方法およびインクジェット記録用光沢シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透気性支持体上に、または透気性支持体上に形成された少なくとも1層の下塗り層上に、疎水性を示す温度域と、親水性を示す温度域とを有する感温性高分子化合物および顔料を少なくとも含有する塗液であり、且つ、親水性を示す温度域では、該塗液が増粘又はゲル化する塗液を、疎水性を示す温度域で塗工して塗液塗被層を形成し、該塗液塗被層を感温性高分子化合物が親水性を示す温度域まで温度変化させて増粘又はゲル化させ、次いで、増粘又はゲル化した塗被層にインク定着剤を含有する湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥してインク受容層を形成するインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
【選択図】なし
Description
しかし、これら従来のインクジェット記録用紙は、表面光沢の低い、いわゆるマット調のものが主体であり、外観が良くない。そのため、表面光沢の高い、優れた外観を有するインクジェット記録用紙が要望されており、キャスト塗工したインクジェット記録用紙が提案されている。
また、支持体の片面に、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗布し、該接着剤と凝固し得る凝固剤を更に塗布し、湿潤状態でキャストドラムに圧着する凝固型キャスト法(ゲル化キャストともいう)によるインクジェット記録用紙が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、光沢感を有したインクジェット記録用紙の製造方法として、支持体の片面に、顔料と接着剤を含有する塗液を塗布し、塗被層を乾燥させた後、湿潤液にて該塗被層を再湿潤させた後、キャストドラムに圧着する再湿潤キャスト法(リウエットキャスト法ともいう)によるインクジェット記録用紙が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
紙パルプ製造技術シリーズ8 コーティング(第269頁〜第282頁)
(3)湿潤液を付与する際の塗被層の水分が、12質量%以上である(1)又は(2)記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法である。
(4)透気性支持体上に下塗り層を有し、該下塗り層中に平均粒子径1〜12μmの顔料を含有する(1)〜(3)のいずれか1に記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法である。
(5)インク受容層に含有する顔料が、平均粒子径10〜1000nmの微細顔料である請求項(1)〜(4)のいずれか1に記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法である。
(6)湿潤液に含有されるインク定着剤が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体及び5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含有する、(1)〜(5)のいずれか1に記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法である。
(7)(1)〜(6)のいずれか1の記載の製造方法で製造した記載のインクジェット記録用光沢シートである。
透気性支持体は、透気性を備えたものであれば特に限定されるものではなく、一般の塗工紙等に使用される酸性紙、あるいは中性紙等の透気性原紙、透気性樹脂シート等が挙げられる。透気度についても特に限定するものではないが、キャスト仕上げの際(塗被層の加熱鏡面への圧接時)の操業性(蒸気の抜けやすさ)と、塗工液の支持体への浸透抑制を考慮すれば、王研式透気度(紙パルプ試験法JAPAN TAPPI NO.5−2準拠)が10〜350秒程度であることが好ましく、さらには10〜200秒程度、特に20〜100秒であることが好ましい。王研式透気度を10秒以上とすることにより、液体が支持体や必要により形成される下塗り層に浸透することを制御できる。また、350秒以下とすることにより、後で説明する鏡面ロールでの圧着処理する際に、操業性が劣るという問題を抑制できる。
木材パルプとしては、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができる。これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS P 8121)程度である。平滑性を高めるためには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従ってフリーネスは300〜500ml程度が好ましい。
紙基材のステキヒトサイズ度(100g/m2の紙として)は1〜250秒程度が好ましい。サイズ度が低いと、塗工時に皺が発生する等操業上問題となる場合があり、高いとインク吸収性が低下したり、印字後のカールやコックリングが著しくなる場合がある。より好ましいサイズ度の範囲は4〜120秒である。紙基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m2程度である。
透気性支持体上には、必要に応じて単層又は複数層の下塗り層を形成することができる。下塗り層を介してインク受容層を形成することで、光沢性を向上させることができるので、下塗り層を有する構成を採用することが好ましい。これは、支持体よりも柔軟な下塗り層の存在によって、加熱鏡面(例えばキャストドラム)への密着性が向上するためと推定される。また、下塗り層によって、インクの吸収性を好適に調整することができ、印字濃度や印字にじみ、ベタ均一性等の記録適性を改善することができる。
すなわち、下塗り層中には、コロイダルシリカ(S)と、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂(P)とを含有させるか、あるいは、これらの複合体を含有させることが好ましい。
かかる構成により、光沢性がより向上する。理由は必ずしも明らかではないが、コロイダルシリカ(S)及び重合体樹脂(P)、あるいはこれらの複合体の存在が、下塗り層のインク吸収性を維持したまま、塗被層を形成するための塗工液が下塗り層へ浸透するのを抑制するためと推定される。さらに、理由は不明であるが、インク受容層表面のキャスト仕上げ時の加熱鏡面からの離型性も向上する傾向がある。
コロイダルシリカ(S)の平均粒子径は特に制限はないが、4〜200nm、特に10〜60nmが好ましい。
コロイダルシリカ(S)の配合量は特に制限はないが、それ以外の顔料100質量部に対し、1〜30質量部、特に1〜10質量部が好ましい。
重合体樹脂(P)は単独重合体でも共重合体でも良く、さらには、これら重合体あるいは共重合体の置換誘導体でも良い。置換誘導体としては、例えば、カルボキシ基を導入したものや、導入したカルボキシ基をアルカリ反応性に変性したもの等が挙げられる。
重合体樹脂(P)の配合量は特に制限はないが、コロイダルシリカ(S)以外の顔料100質量部に対し、1〜20質量部、特に1〜5質量部が好ましい。
(1)重合体樹脂(P)の原料である上記エチレン性モノマーをシランカップリング剤等とコロイダルシリカ(S)の存在下で重合させることで、Si−O−P結合(P:重合体成分)を生成させ、重合体樹脂(P)の生成と同時に複合化する、
(2)必要に応じてシラノール基等で変性した重合体樹脂(P)とコロイダルシリカ(S)とを反応させて、Si−O−P結合(P:重合体成分)を生成させ、複合化する等の方法で得られる。
前記複合体の重合体成分(重合体樹脂(P))のガラス転移点(Tg)は40℃以上が好ましく、50〜100℃の範囲がより好ましい。ガラス転移点が40℃以上であると、乾燥の際に成膜が進みすぎにくく、インクの吸収が速くなり、インクのにじみが発生しにくくなる傾向がある。
さらに、その理由は必ずしも明らかではないが、ガラス転移点が40℃以上の場合、記録用紙を高光沢仕上げするために、表面層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げの金属面に圧着、好ましくは圧着・乾燥させる場合、鏡面ドラムからの離型性がより向上する傾向がある。
複合体の配合量は、コロイダルシリカ(S)以外の顔料100質量部に対し、好ましくは1〜40質量部、より好ましくは1〜15質量部の範囲で調節される。
また、複合体中の、コロイダルシリカ(S)と重合体樹脂(P)との比率(質量比)は、好ましくは95:5〜50:50、より好ましくは80:20〜60:40である。
なお、水性ポリウレタン樹脂は、ウレタンエマルジョン、ウレタンラテックス、ポリウレタンラテックス等とも通称されている。また、ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応から得られるものである。比較的多数のウレタン結合及び尿素結合を含む高分子化合物である。
下塗り層には、さらに、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。また、下塗り層中に、蛍光染料、着色剤を添加することもできる。
しかし、感温性高分子化合物を配合すると、材料自体のコストがかかり、また、必要により形成される下塗り層形成用の塗工液の温度管理が必要となり、温度管理コストが必要となるため、コストの観点からは配合しないことが好ましい。
したがって、下塗り層への感温性高分子化合物の配合は、目的の品質とコストの関係から適宜選択するのがよい。
下塗り層用塗工液は、一般に固形分濃度5〜50質量%程度に調整される。
下塗り層用塗工液の塗工量は、乾燥質量で、好ましくは2〜60g/m2、より好ましくは2〜30g/m2程度、更に好ましくは4〜10g/m2程度である。塗工量を2g/m2以上とすることにより、インク吸収性の改良効果が充分に得られ、インク受容層を設けた際に優れた光沢性が得られ、60g/m2以下とすることにより、印字濃度が高くなったり、塗被層の強度が向上し、粉落ちや傷が付きにくくなる傾向がある。
また、下塗り層の形成後、さらに、必要に応じてスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。なお、下塗り層は、2層以上形成しても構わない。
本第1発明は、インク受容層の形成方法が特徴的なものとなっている。
すなわち、透気性支持体上に、または透気性支持体上に形成された少なくとも1層の下塗り層上に、疎水性を示す温度域と、親水性を示す温度域とを有する感温性高分子化合物と顔料を少なくとも含有する塗液であり、且つ、親水性を示す温度域では、該塗液が増粘又はゲル化する塗液を、疎水性を示す温度域で塗工して塗液塗被層を形成し、該塗液塗被層を感温性高分子化合物が親水性を示す温度域まで温度変化させて増粘又はゲル化させ、次いで、増粘又はゲル化した塗被層にインク定着剤(例えばカチオン性化合物)を含有する湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥してインク受容層を形成される。特に、インクジェット記録用光沢シートのインク受容層面に含有する全インク定着剤のうち、75質量%以上が、湿潤液により付与されることが好ましい。
これら、反射率の高い塗工表面を得る効果と、インク染料の大部分を塗被層表面付近で保持する効果を組み合わせることにより、高い印字濃度を達成でき、印字画像の色彩が鮮やかになるものと推定される。
感温性高分子化合物としては、(1)感温点(親疎水性が変化する温度)未満の温度域では親水性、感温点以上の温度域で疎水性を呈するもの、逆に(2)感温点以下の温度域で疎水性、感温点より高い温度域で親水性を呈するものが挙げられる。この感温性高分子化合物と顔料を有する塗液は、疎水性を示す温度域では増粘又はゲル化しないが、親水性を示す温度域にすると、増粘又はゲル化する。このような塗液を用いると、ゲル化剤や架橋剤を用いなくとも、温度変化により増粘又はゲル化が行なわれるため、ゲル化等が均一に行なわれ、得られるインク受容層の光沢性や平滑性が向上し、染料インクタイプのインクジェットプリンターで印字した際の濃度が向上する。
したがって、感温点未満の温度域では親水性、感温点以上の温度で疎水性を呈するタイプでは、感温性高分子化合物と水とが共存する系の温度を、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度域(感温点以上の温度)から徐々に降下させたときの温度−粘度曲線において、粘度が急激に変化(増粘)する転移点を感温点として測定することができる。
その他、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度域(感温点以上の温度)において得られる感温性高分子化合物の水分散液を徐々に冷却したときに、該分散液が透明化あるいはゲル化し始める温度を、感温点として測定することもできる。
感温性高分子化合物は、感温点を挟んで疎水性から親水性の変化は、可逆的な変化であっても、不可逆的な変化であっても構わない。しかし、感温性高分子化合物と水を含む系に、シリカなどの顔料が存在する場合、その変化は不可逆的に行なわれ、感温点以上の感温性高分子化合物が疎水性を示す温度域で塗工した塗液層が、冷却後は、感温性高分子化合物が親水性を示し、増粘又はゲル化した層となると、この層を再度加熱しても、感温性高分子化合物が疎水性に戻らないので、通常の乾燥方法が採用できる。
具体的には、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の存在下で、単独重合によって温度応答性(親疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))、及び必要に応じてこれと共重合可能で、単独重合によっては温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))を重合して得られる高分子化合物が挙げられる。
ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体、主モノマー(M)、副モノマー(N)は、各々1種あるいは2種以上用いることができる。
感温性高分子化合物中のポリビニルアルコール及び/又はその誘導体の含有率は特に制限はないが、インク受容層の耐水性の観点から、0.1〜50質量%、特に0.5〜20質量%が好ましい。
具体的には、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
ここで、親油性ビニル化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。
親水性ビニル化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−メチル−5−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルピロリジン等が挙げられる。
イオン性ビニル化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
塗液の溶媒としては水が好適に用いられるが、感温性高分子化合物の感温点の調整や、キャスト仕上げ時の乾燥を遅くして、印刷適性の良好なインク受容層を得る等の理由から、水の代わりに有機溶媒を用いたり、水と有機溶媒を併用することもできる。
インク受容層用塗液は、調製後塗工するまでの間、感温点以上の温度に保持されていることが好ましい。
インク受容層を構成する顔料としては、特に制限はないが、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカ)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
インク受容層には、上記感温性高分子化合物が接着剤の作用を有するが、層強度やインク吸収性などを調節するために、公知の接着剤を適宜配合できる。例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。なお、水性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタンエマルジョン、ポリウレタンラテックス等の形態で好適に用いられる。これらは、感温性高分子化合物の有する作用効果を損なわない範囲で併用することができる。
本発明のインク受容層は、上記感温性高分子化合物及び顔料を含有し、必要に応じて接着剤を含有する。該塗液は、感温性高分子化合物が疎水性を示す温度域で塗工されるが、この塗液には、インク定着剤を配合することができる。インク定着剤は、インク中の着色剤(染料及び/又は着色顔料)成分を定着する成分で、印刷の発色性や保存性を向上するために必要に応じて用いられる。
このようにして処理した顔料は、インク定着剤が一部結合した構造を呈することで安定化しているのか、更にインク定着剤を追添しても凝集し難いという特性を有する。以下、かかる顔料を、カチオン性微細顔料と称す。カチオン性微細顔料に用いられる顔料としては、シリカの他、アルミノシリケート等があるが、シリカ、特に気相法シリカが好ましい。
このようにして処理されたカチオン性複合微細顔料は、一般に、固形分濃度が5〜20質量%程度の水分散体(スラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。
過度の冷却はゲル化の度合いが強固になりすぎ、かえって光沢性を損なう場合があるので、感温点より10℃低い温度〜感温点未満の範囲内で、冷却することが好ましい。
かかる手順を採用することで、塗工後、塗被層を速やかに増粘又はゲル化させることができ、その結果、インクジェット記録用等としての印刷適性に優れ、顔料インクに対しても良好な印刷適性を呈するインク受容層が形成できる。
赤外線水分計では、近赤外線域にある水の吸収波長(具体的には1.2μm、1.45μm、1.94μm)の光を塗被層に照射すると、層の水分量に応じて光が吸収されるので、これを利用し、その減衰量から水分量を測定するものである。厳密には、吸収波長のみの計測では、層の表面状態や色等の影響を受け、安定した測定が難しいため、水の影響を受けにくい近赤外線(参照波長)を別に設定し、吸収波長と参照波長の光を交互に照射し、反射してくる両波長光のエネルギーの比から、水分量を算出する。
水分計は、キャストコーターにおいて、処理液が塗布される直前の位置に設置される。但し塗工紙の、測定面と反対側(裏側)の位置にペーパーロールが存在するとその影響で測定値に誤差が生じることがあるので、紙が空中にある状態で測定するのがよい。
また、金属面の表面温度は、80〜120℃であることが好ましい。金属面の表面温度が80℃未満の場合、乾燥効果が悪く、生産性が低下するおそれがあり、120℃を越えると、塗液が金属面上で突沸し、光沢性や印字適性が低下するおそれがある。
湿潤液は、インク受容層用塗液を塗工後、塗被層が増粘又はゲル化状態で、加熱された鏡面仕上げの金属面に圧接する前に、インク受容層用塗液塗工表面に付与される。湿潤液はインク受容層用塗液塗工表面を湿潤するものであり、インク定着剤を必須成分として含有される。インクジェット記録用光沢シートのインク受容層面に含有する全インク定着剤のうち、75質量%以上を、この湿潤液で付与することが好ましい。また、湿潤液には、離型剤や保存性改良剤などを配合することもできる。
この高分子化合物の構成としては、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体や、これらカチオン性基を有するモノマーと、これらカチオン性基を持たないモノマーの共重合体、又は上記塩基性基の対イオンを置換した塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、有機酸塩等が挙げられる。例えば、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン及びポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO2重縮合体、8)ジアリルアミン塩−SO2重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂等のカチオン性化合物が例示できる。
該カチオン性高分子化合物の分子量としては、2000〜400000が好ましい。前記分子量を2000以上とすることで、キャスト加工した際の光沢性が向上する傾向にある。また400000以下とすることで、湿潤液がしみ込みにくくなり、印字部の耐水性が低下する傾向を抑制できる。
これらの中でも高級脂肪酸アミドを含有すると、鏡面ドラムなどからの離型性を著しく向上させる効果を有し、且つ印字画像のにじみを抑制する効果をも有するため好ましい。特にインク受容層または湿潤液にカチオン性化合物を含有する場合、その効果は顕著である。
木材パルプ(LBKP:ろ水度440mlCSF)100部、填料(炭酸カルシウム3:タルク1の比率)15部、市販サイズ剤(商品名:ファイブラン81K、日本エヌエスシー(株)製)0.05部、硫酸バンド0.45部、澱粉0.45部、紙力増強剤としてポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂0.4部、歩留向上剤少々よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて坪量188g/m2の紙基材を得た後、150kg/cmの線圧でスーパーカレンダー処理を施し、紙基材を得た。
得られた紙基材の厚さは210μm、透気度は30秒、インク定着剤は含有していない。
下記組成、及び特性の微細顔料AおよびBを調製した。
「微細顔料Aの調製」
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(商品名:アエロジルA300、日本アエロジル(株)製、平均1次粒子:約0.008μm)をホモミキサーにより分散した後、平均粒子径が0.15μmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10%の水分散液を調製した。
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(商品名:アエロジルA300、日本アエロジル(株)製、平均1次粒子:約0.008μm)をホモミキサーにより分散した後、平均粒子径が0.08μmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10%の水分散液を調製した。
該分散液100部に、インク定着剤(5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物、商品名:ハイマックスSC−700M、ハイモ(株)製)10部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.15μmの10%の水分散液を調整した。インク定着剤の含有率は全固形分の9.1質量%であった。
下記組成、及び特性の下塗り層用塗液A〜Dを調製した。
「下塗り層用塗液Aの調製」
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ製、平均二次粒子径6.2μm)100部、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ(株)製)25部、蛍光染料(商品名:WhitexBPS(H)、住友化学(株)製)2部。固形分濃度15%。
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ製、平均二次粒子径6.2μm)100部、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ(株)製)25部、蛍光染料(商品名:WhitexBPS(H)、住友化学(株)製)2部、インク定着剤(5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物、商品名:ハイマックスSC−700M、ハイモ(株)製)3部。固形分濃度15%。インク定着剤の含有率は全固形分の2.3質量%であった。
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ製、平均二次粒子径6.2μm)100部、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ(株)製)25部、蛍光染料(商品名:WhitexBPS(H)、住友化学(株)製)2部、インク定着剤(5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物、商品名:ハイマックスSC−700M、ハイモ(株)製)5部。固形分濃度15%。インク定着剤の含有率は全固形分の3.8質量%であった。
前記微細顔料A100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA140、クラレ(株)製)25部、蛍光染料(商品名:WhitexBPS(H)、住友化学(株)製)2部。固形分濃度15%。
下記組成、及び特性のインク受容層用塗液A〜Cを調製した。
「インク受容層用塗液A」
前記微細顔料A100部、感温性高分子化合物(ALB−A244、旭化成(株)製、感温点24℃、アニオン性)20部、消泡剤0.1部。固形分濃度10%。なお、各材料を混合する際の温度は40℃であった。
前記微細顔料B(インク定着剤含有)100部、感温性高分子化合物(ALB−221、旭化成(株)製、感温点24℃、カチオン性)20部、消泡剤0.1部。固形分濃度10%。なお、各材料を混合する際の温度は40℃であった。インク定着剤の含有率は全固形分の7.6質量%であった。
上記微細顔料A100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA145、クラレ(株)製)20部、消泡剤0.1部。固形分濃度10%。
下記組成、及び特性の湿潤液A〜Bを調製した。
「湿潤液A」
離型剤(ポリエチレンワックス、ノニオン性)を0.5質量%含有する水溶液を調製した。
インク定着剤(5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物、商品名:ハイマックスSC−700M、ハイモ(株)製)を4.5%、離型剤(ステアリン酸アミド、カチオン性)を0.5質量%含有する水溶液を調製した。インク定着剤の含有率は全固形分の90質量%であった。
前記透気性支持体上に、前記下塗り層用塗液Aを、乾燥質量で6g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し、下塗り層を形成した。
下塗り層表面の温度を23℃に調整した後、下塗り層上に、前記インク受容層用塗液Aを、塗工液温度40℃で、絶乾質量で4g/m2になるようにダイコーターで塗工した。続いて冷風機を用いて表面温度が20℃となるまで冷却し、該塗被層をゲル化させた。このときの塗被層の水分は22%であった。続いて塗被層に前記湿潤液B(インク定着剤含有)を、鏡面ドラムに圧接する際のニップ部で塗布し、直ちに表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.5g/m2であった。なおインク定着剤は、湿潤液にのみ含有されていた。
前記下塗り層用塗液B(インク定着剤含有)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.6g/m2であった。インク定着剤は、下塗り層用塗液と湿潤液に含有され、含有率はそれぞれ、20%、80%であった。
前記下塗り層用塗液C(インク定着剤含有)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.6g/m2であった。インク定着剤は、下塗り層用塗液と湿潤液に含有され、含有率はそれぞれ、30%、70%であった。
前記インク受容層用塗液B(インク定着剤含有)と、前記湿潤液Aとを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.1g/m2であった。インク定着剤は、インク受容層用塗液にのみ含有されていた。
前記湿潤液Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.1g/m2であった。インク定着剤は含有されなかった。
前記透気性支持体上に、前記下塗り層用塗液Aを、乾燥質量で6g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し、吸収層を形成した。
下塗り層上に、前記インク受容層用塗液Cを絶乾質量で4g/m2になるようにダイコーターで塗工した。このときの塗被層の水分は22%であった。続いて塗被層に前記湿潤液B(インク定着剤含有)を、鏡面ドラムに圧接する際のニップ部で塗布し、直ちに表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.6g/m2であった。インク定着剤は、湿潤液にのみ含有されていた。
前記透気性支持体上に、前記下塗り層用塗液Aを、乾燥質量で6g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し、下塗り層を形成した。
下塗り層表面の温度を23℃に調整した後、下塗り層上に、前記インク受容層塗液Aを、塗工液温度40℃で、絶乾質量で4g/m2になるようにダイコーターで塗工した。続いて冷風機を用いて表面温度が20℃となるまで冷却し、該塗被層をゲル化させた。その後、塗被層の水分が12%になるまで熱風乾燥機で乾燥した。続いて塗被層に前記湿潤液B(インク定着剤含有)を、鏡面ドラムに圧接する際のニップ部で塗布し、直ちに表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.6g/m2であった。インク定着剤は、湿潤液にのみ含有されていた。
前記下塗り層用塗液Dを、乾燥質量で12g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し、下塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用光沢シートを得た。塗布された湿潤液の絶乾質量は0.6g/m2であった。インク定着剤は、湿潤液にのみ含有されていた。
前記透気性支持体上に、前記下塗り層用塗液Aを、乾燥質量で6g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥し、下塗り層を形成した。
下塗り層表面の温度を23℃に調整した後、下塗り層上に、前記インク受容層用塗液Bを、塗工液温度40℃で、絶乾質量で4g/m2になるようにダイコーターで塗工した。続いて冷風機を用いて表面温度が20℃となるまで冷却し、該塗被層をゲル化させた。このときの塗被層の水分は23%であった。この塗被層に湿潤液を塗布せずに、直ちに表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用光沢シートを得た。なおインク定着剤は、インク受容層用塗液にのみ含有されていた。
上記実施例、比較例で得られたインクジェット記録用光沢シートについて、光沢性及びインクジェット記録における印字適性を下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。また、表1には、各インクジェット記録用光沢シートの、下塗り層用塗工液、インク受容層用塗液、湿潤液のそれぞれインク定着剤の含有率と、インク受容層用塗液の感温性高分子化合物の有無と、湿潤液塗布前のインク受容層の水分値とを併記する。
記録層の水分の測定は、赤外線水分計KJT−100((株)ケット科学研究所製)を用いて行った。
光沢シート表面に対し横方向より、光沢感、平滑感を目視により評価した。
◎:極めて高い光沢感がある。
○:高い光沢感がある。
△:光沢感がある。
×:光沢感がやや劣る。
・評価用プリンター
プリンターA:市販の染料インクタイプのインクジェットプリンター(商品名:PM−G800、セイコーエプソン(株)製)
プリンターB:市販の顔料インクタイプのインクジェットプリンター(商品名:PX−G900、セイコーエプソン(株)製)
プリンターA(染料インクタイプ)を用いて黒のベタ印字を行ない、その印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth RD−914)で測定した。
プリンターA(染料インクタイプ)を用いて、ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーの各色ベタを、互いに境界を接するようにマス目状に配置した印字を行ない、各色間の境界部でのインクのにじみを目視にて評価した。
○:印字のにじみがわずかに認められるが実用上問題の無いレベル。
△:印字のにじみがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字のにじみが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
プリンターA(染料インクタイプ)を用いて、各インク滴が重ならないような、インク密度の低いハーフトーンの印字を行ない、ハーフトーン(10%階調)印字部分を光学顕微鏡にて200倍に拡大して観察し、それぞれのインクドットの形状が真円を示しているかどうかを目視にて評価した。
○:インクドットの形状が円形であり、良好なレベル。
△:インクドットの形状はほぼ円形であるものの一部に形状の乱れが見られ、やや不良なレベル。
×:インクドットの形状が不安定であり、不良なレベル。
プリンターB(顔料インクタイプ)を用いて、写真画像(JIS X 9204準拠「高精細カラーディジタル標準画像(XYZ/SCID)データ」、画像の識別記号:N1、画像の名称:グラスと女性)の印字を行ない、印字部の均一性を目視にて評価した。
◎:印字部は均一で印字ムラは認められず、優れたレベル。
○:印字ムラがわずかに認められるが実用上問題の無いレベル。
△:印字ムラがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字ムラがあり、実用上重大な問題となるレベル。
実施例1、2、3のインクジェット記録用光沢シートは、湿潤液のカチオン性化合物の含有量が異なるものである。湿潤液によるカチオン性化合物の付与が75%未満の実施例3では、実施例1及び2に比べ印字濃度が高くないため、印字画像の色彩が鮮やかさで、実施例1及び実施例2のインクジェット記録用光沢シートに劣っている。
カチオン性化合物を用いなかった比較例2のインクジェット記録用光沢シートは、顔料インクの記録適性は良好だったものの、染料インクの印字濃度は最も低く、印字画像が鮮やかではなかった。
実施例1と実施例4は、湿潤液塗布前の水分量のみ相違する。湿潤液塗布前の記録層の水分が多い実施例1のインクジェット記録用光沢シートが、光沢性により優れることがわかる。
実施例1と実施例5は、吸収層の顔料の粒子径のみ相違する。顔料の平均粒子径が1〜12μmである実施例1のインクジェット記録用光沢シートが、印字にじみに優れることがわかる。
比較例4は、湿潤液を付与することなく、仕上げたインクジェット記録用光沢シートである。湿潤液を用いないと、光沢性が得られないことがわかる。
Claims (8)
- 透気性支持体上に、または透気性支持体上に形成された少なくとも1層の下塗り層上に、疎水性を示す温度域と、親水性を示す温度域とを有する感温性高分子化合物および顔料を少なくとも含有する塗液であり、且つ、親水性を示す温度域では、該塗液が増粘又はゲル化する塗液を、疎水性を示す温度域で塗工して塗液塗被層を形成し、該塗液塗被層を感温性高分子化合物が親水性を示す温度域まで温度変化させて増粘又はゲル化させ、次いで、増粘又はゲル化した塗被層にインク定着剤を含有する湿潤液を付与した後、加熱鏡面に圧接し乾燥してインク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
- インクジェット記録用光沢シートに含まれる全インク定着剤のうち、75質量%以上が、湿潤液により付与されている請求項1記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
- 湿潤液を付与する際の塗被層の水分が、12質量%以上である請求項1又は2記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
- 透気性支持体上に下塗り層を有し、該下塗り層中に平均粒子径1〜12μmの顔料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
- インク受容層に含有する顔料が、平均粒子径10〜1000nmの微細顔料である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
- 湿潤液に含有されるインク定着剤が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体及び5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用光沢シートの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項の記載の製造方法で製造した記載のインクジェット記録用光沢シート。
- 透気性支持体上に、または透気性支持体上に形成された少なくとも1層の下塗り層上に、疎水性を示す温度域と、親水性を示す温度域とを有する感温性高分子化合物、顔料、およびインク定着剤を有するインク受容層を有し、且つ該インク定着剤は、インク受容層の表面に多く、支持体側に少なく分布していることを特徴とするインクジェット記録用光沢シート。
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