JPH06305237A - インクジェット記録用キャスト塗被紙 - Google Patents

インクジェット記録用キャスト塗被紙

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JPH06305237A
JPH06305237A JP5101332A JP10133293A JPH06305237A JP H06305237 A JPH06305237 A JP H06305237A JP 5101332 A JP5101332 A JP 5101332A JP 10133293 A JP10133293 A JP 10133293A JP H06305237 A JPH06305237 A JP H06305237A
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JP
Japan
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cast
coated paper
paper
ink
coating layer
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JP5101332A
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Inventor
Shinichi Asano
晋一 浅野
Hiroyuki Ohashi
弘幸 大橋
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクジェット記録用キャスト塗被紙であっ
て、特に、優れた白紙表面光沢を有し、かつ優れたイン
クジェット記録(印字)適性を備えたキャスト塗被紙を
提供する。 【構成】原紙上に、顔料および接着剤を主成分とする塗
被層を設けてなる塗被紙をカチオン性樹脂を含有する再
湿潤液で湿潤化後、キャスト仕上げして得られるインク
ジェット記録用キャスト塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用キ
ャスト塗被紙に関し、特に優れた白紙表面光沢を有し、
かつ優れたインクジェット記録(印字)適性を備えたイ
ンクジェット記録用キャスト塗被紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタによる記
録が、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多
色化が容易なため、多方面で利用されている。インクジ
ェット記録用紙としては、インク吸収性に富むように工
夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗被紙
等が適用されている。これらの用紙はすべて表面光沢の
低い、所謂マット調のインクジェット記録用紙である。
しかしながら、最近、インクジェット記録用紙の高速
化、高精細化、フルカラー化といった用途の拡大に伴
い、表面光沢の高い、優れた外観を持つインクジェット
記録用紙が希求されている。
【0003】一般に、表面光沢の高い用紙としては、表
面に板状顔料を塗被し、さらに、必要に応じてキャレン
ダー処理を施した塗被紙、あるいは湿潤塗被層を鏡面を
有する加熱ドラム面に圧着、乾燥離型により、その鏡面
を写し取ることによって得られる、所謂キャスト塗被
紙、またはこれらの塗被紙やキャスト塗被紙表面に透明
な樹脂を印刷等により塗被してなるニス引き紙やプレス
コート紙、さらには表面にポリエチレンや塩化ビニル等
のプラスチックフィルムを貼り合わせたラミネート紙等
がある。
【0004】ところで、これらのうちニス引き紙、プレ
スコート紙、あるいはラミネート紙は表面に成膜したフ
ィルムを形成したもの、またはそれに近い性状を有する
ものであり、これらの紙を製造するに際しての工程作業
面での複雑さやコスト、また古紙としての再利用性、さ
らには環境面で多くの難点を抱えており、通常の塗被紙
やキャスト塗被紙に対比して不利な点が多い。
【0005】本発明は、上記の実状に基づいて、キャス
ト塗被紙をインクジェット記録用紙として利用するもの
であるが、従来のキャスト塗被紙はインクジェット記録
用紙としては種々の難点を抱えている。以下、キャスト
塗被紙について、その製造方法および問題点について述
べる。
【0006】即ち、キャスト塗被紙(印刷用強光沢紙)
の製造方法としては、(1)顔料および接着剤を主成分
とする顔料組成物を原紙上に塗工後、塗被層が湿潤状態
にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムの表面に圧着(圧
接)、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト法、
(2)湿潤状態の塗被層を一旦乾燥した後、再湿潤液に
より湿潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラム面に圧
接、乾燥させて光沢仕上げするリウェットキャスト法、
(3)湿潤状態の塗被層をゲル状態にして、加熱ドラム
面に圧接、乾燥させて光沢仕上げするゲル化キャスト
法、の3方法が一般に知られている。これらのキャスト
仕上げ方法は、いずれも湿潤可塑化状態にある塗被層表
面を加熱ドラムに圧接、乾燥し、加熱ドラムより離型さ
せて鏡面を写しとる点で共通するものの、当業者間で
は、それぞれ別個の技術として認知されているものであ
る。
【0007】この様にして得られたキャスト塗被紙はス
ーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙に比較し
て高い表面光沢とより優れた表面平滑性を有し、優れた
印刷効果が得られることから、高級印刷物等の用途に専
ら利用されている。
【0008】一般に、キャスト塗被紙は、その塗被層を
構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質がキャス
トコーターの鏡面ドラム表面を写し取ることにより高い
光沢を得ている。他方、この成膜性物質の存在によって
塗被層の多孔性が失われ、インクジェット記録時のイン
キの吸収を極端に低下させる等の問題を抱えている。こ
のインキ吸収性を改善するには、キャスト塗被層がイン
キを容易に吸収できるようにポーラスにしてやることが
重要であり、そのためには成膜性物質の量を減ずること
が必要となる。一方、成膜性物質の量を減らすことによ
り、結果として白紙光沢が低下する。
【0009】また、インクジェット記録用紙として、イ
ンキの発色性(インキ濃度)を高めるために、従来公知
の技術として、塗被層中にカチオン性樹脂を添加するこ
とが提案されているが、従来のキャスト塗料中にカチオ
ン性樹脂を添加すると、塗料粘度が著しく増大し、操業
上難点となる。そのために増粘を抑制し、操業的に安定
した塗料を得るには、カチオン性樹脂の添加量を制限す
る必要がある。その結果、十分なインキ発色濃度を得る
ことができない。以上の如く、キャスト塗被紙の表面光
沢とインクジェット記録(印字)適性の両方を同時に満
足させることが極めて困難であるのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記より、本発明者等
はキャスト塗被紙が本来有する高表面平滑性および高光
沢を維持し、かつインクジェット記録(印字)適性に優
れたキャスト塗被紙を得るべく鋭意研究を重ねた。その
結果、キャスト塗被紙の製造方法のうち、特にリウェッ
トキャスト法、即ちカチオン性物質が含有された再湿潤
液で塗被層を湿潤化後、キャスト仕上げして得られるキ
ャスト塗被紙をインクジェット記録用紙として用いる
と、極めて優れたインクジェット印字記録適性を示し、
かつキャスト塗被紙本来の高光沢を維持し、さらにキャ
ストコーティング適性も維持され、従来のキャスト塗被
紙では得ることのできなかった優れたインクジェット印
字記録適性を備えたキャスト塗被紙が得られることを見
出したのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に顔料
および接着剤を主成分とする乾燥塗被層を設けた塗被紙
をカチオン性樹脂を含有する再湿潤液で湿潤化後、キャ
スト仕上げしてなることを特徴とするインクジェット記
録用キャスト塗被紙である。
【0012】
【作用】前述の如く、本発明者等はキャスト塗被紙をイ
ンクジェット記録用紙として利用するべく、従来のキャ
スト塗被紙が抱える難点を改善するために鋭意研究を重
ねた。その結果、前記したキャスト法のうち、リウェッ
トキャスト法により、本発明が所望する好適なインクジ
ェット記録適性を備えたキャスト塗被紙が得られること
を見出し、遂に本発明を完成するに至ったのである。
【0013】本発明は、リウェットキャスト法におい
て、カチオン性樹脂を含有する水性液で塗被層を湿潤可
塑化した後、キャスト仕上げして得られるキャスト塗被
紙に関するものである。そして、このようにして得られ
たキャスト塗被紙は、優れたインクジェット記録適性を
有すると同時に、優れた表面光沢をも有するキャスト塗
被紙であることを見出した。以下、本発明について詳述
する。
【0014】先ず、本発明において採用するリウェット
キャスト塗被紙の製造方法について述べる。リウェット
キャスト方式は他のキャスト方式と比較し、塗被層のう
ち、表層の部分のみを湿潤可塑化してキャスト仕上げす
るために塗被層の大部分をポーラスに保つことができる
ので、インクジェットインキの吸収性を高めることが可
能であり、かつ高速生産ができるというメリットがあ
る。さらに塗被紙(塗被層)を再湿潤化する前の塗被紙
の透気度が、ガーレー高圧型透気度計(本発明では熊谷
理機工業社製を使用)で30秒/10cc以下であるも
のを使用すると、一層良好なインキ吸収性が得られるの
で、より好ましい実施態様となる得るものである。
【0015】因みに、別のキャスト方式であるウェット
キャスト法に前記カチオン性樹脂を適用するには、キャ
スト用塗被組成物中にカチオン性樹脂を添加することに
なるが、この場合、インクジェット記録用として優れた
表面特性を得るには、相当のカチオン性樹脂の添加が必
要となる。その結果、前述したようにキャスト塗被層を
形成する湿潤塗料の粘度が増大し、実用上キャスト操業
が不可となる懸念があり、好ましくない。一方、ゲル化
キャスト方式で同様にカチオン性樹脂を用いることも想
到されるが、この場合も湿潤塗料全体にカチオン性樹脂
の影響が及び、結果としてウェットキャスト法の場合と
同様に相当のカチオン性樹脂が必要となる。従って、こ
の場合も樹脂分が多くなり造膜性が強化されるので、必
然的にキャスト操業性(生産速度)の大幅な低下が懸念
されるので、好ましい態様ではない。上記2つのキャス
ト方式に対し、本発明で適用するリウェットキャスト方
式は乾燥塗被層の表層部分に水性液として少量のカチオ
ン性樹脂を塗被するものであり、塗料の増粘問題はな
く、さらにキャスト面の上層部分にカチオン性樹脂が分
布されることになり、極めて少ない量で優れたインク吸
着作用を発揮させることができるので、経済的なメリッ
トも大きい。
【0016】次に、キャスト塗被層の主成分である顔料
と接着剤について述べる。即ち、顔料としては、例えば
カオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カル
シウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラ
スチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメン
ト、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、塗
被紙製造分野で公知公用の各種顔料が使用できる。
【0017】また、接着剤としては、例えばカゼイン、
大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、酸化澱粉、エステル
化澱粉、エーテル化澱粉、および陽性化澱粉等の各種澱
粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−アク
リル酸樹脂、アクリル酸エマルジョン等の合成樹脂ラテ
ックス等が適宜使用される。なお、接着剤の使用量は顔
料100重量部に対して5〜50重量部、より好ましく
は10〜30重量部の範囲で調節される。
【0018】さらに、塗料中には塗被層のキャスト鏡面
ドラムからの離型性を改良する目的で離型剤を必要に応
じて添加することもできる。この場合の離型剤として
は、例えばステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等
の脂肪酸およびそれらのカルシウム、亜鉛、ナトリウ
ム、アンモニウム等の塩類、ステアリン酸アミド、エチ
レンビスステアリン酸アミドおよびメチレンビスステア
リン酸アミド等のアミド類、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、ポリエチレンエマルジョン
等の炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ール等の高級アルコール、ロート油やレシチン等の油脂
類、含フッ素界面活性剤等の各種界面活性剤、四フッ化
エチレンポリマーやエチレン−四フッ化エチレンポリマ
ー等のフッ素系ポリマー等が例示される。
【0019】また、既述したように塗被層をよりポーラ
ス(多孔質)にする目的で、アルミニウム、亜鉛、カル
シウム、マグネシウムから選ばれる少なくとも1種類の
水溶性金属塩を塗被層を形成する塗料中に添加すること
がより好ましい実施態様となり得るものである。この場
合の金属塩の具体例としては、例えば塩化亜鉛、塩化マ
グネシウム等の塩化物、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、
硫酸カルシウム等の硫酸塩、その他蟻酸塩、酢酸塩など
の有機酸塩が例示される。これら水溶性金属塩の添加量
としては顔料100重量部に対し、固形分対比で0.2
〜10重量部の範囲で調節される。また、一般の塗被紙
およびキャスト塗被紙の製造に用いられている分散剤、
消泡剤、着色剤、蛍光染料、帯電防止剤、防腐剤等の各
種助剤も適宜添加することができる。
【0020】而して、上記材料をもって構成されるキャ
スト塗被紙用塗料は、一般に固形分濃度を1〜65重量
%程度に調製し、米坪が約35〜400g/m2 程度の
原紙、アート紙、塗被紙、キャスト塗被紙や微塗工紙等
の印刷塗工紙、および多孔性フィルム等から選ばれた支
持体上に乾燥重量が0.1〜50g/m2 、より好まし
くは0.5〜10g/m2 程度になるように塗被,乾燥
後、再湿潤液で塗被層を湿潤可塑化後加熱鏡面ドラム面
に圧接、乾燥してキャスト仕上される。
【0021】即ち、上記の如き材料で構成されたキャス
ト塗被層用塗料をブレードコータ、エアーナイフコー
タ、ロールコータ、ブラシコータ、チャンプレックスコ
ータ、バーコータ、グラビアコータ等の各種公知の塗被
装置により上記の各種支持体のうちの1つに塗被、乾燥
した後、該塗被層をカチオン性樹脂を含有した再湿潤液
で湿潤可塑化後、鏡面を有する加熱ドラムに圧接、乾燥
離型してキャスト仕上げすることになる。
【0022】次に、本発明のもう一つの重要な要素であ
る再湿潤液について述べる。通常、リウェットキャスト
法における再湿潤液は、ステアリン酸やオレイン酸のよ
うな脂肪酸またはその塩類などからなる離型剤、ヘキサ
メタリン酸ナトリウムやポリアクリル酸ナトリウムのよ
うな分散剤を主成分とする水性液からなる。そして、こ
の水性液の主たる目的は乾燥塗被層の上層部分を湿潤可
塑化せしめ、その湿潤状態の塗被層を鏡面を有するドラ
ム表面へ圧着、乾燥離型することによってその面を複写
し、鏡面光沢を得るところにある。従って、このような
水性液(殆どが水分)を用いて、前述のようなポーラス
なキャスト用塗被層を再湿潤化し、キャスト仕上げした
場合には、インクジェット記録用インクの乾燥性は保持
されるが、インク中に含有される着色染料が塗被層内部
へ浸透することにより、また、キャスト塗被層に含有さ
れる白色顔料の影響もあって、結果的に塗被層表面にお
けるインク濃度が低下し、十分なインク発色濃度を得る
ことができない。
【0023】上記の如き理由から、本発明者等はこのイ
ンク濃度の低下を防止し、十分なインク発色性を得る方
法について鋭意検討を重ねた。その結果、リウェットキ
ャスト方式において、その再湿潤液として、カチオン性
樹脂が含有される水性液を用いることにより、上記の難
点が極めて効果的に改善されたのである。
【0024】即ち、従来のインクジェット記録用紙で
は、インク発色濃度を改善する目的で塗被層中にカチオ
ン性樹脂が添加されている。しかし、ウェットキャスト
法においては、既述した如く塗料粘度の増大が懸念され
るために、本発明が所望とする十分な効果を得るために
は多量のカチオン性樹脂が必要であり、その場合、既述
したようにキャスト操業が難点となり、実用的には不可
能であった。
【0025】なお、本発明におけるリウェットキャスト
塗被紙において、比較的少量でカチオン性樹脂がインク
濃度の発色性向上に効能を示すのは、カチオン性樹脂の
ほとんどがキャスト塗被層の表層部およびその近辺に分
布しているためと推定される。即ち、これらのカチオン
性樹脂がインクジェット記録用インク中の染料成分を捕
捉し、表層部付近に定着させるので、インク濃度が高め
られ、結果として、その発色性が改善されたのである。
従って、カチオン性樹脂を再湿潤液に添加して利用する
方法は、塗料に添加して利用する場合に比較し、操業上
の難点を解消し、相対的に少ない樹脂量で効率良く優れ
たインク発色性(濃度)を発現させることができるので
経済的メリットも大きい。
【0026】なお、本発明におけるカチオン性樹脂とし
ては、水に溶解した時、解離してカチオン性を呈する従
来公知のモノマー、オリゴマー、あるいはポリマー等が
いずれも使用できるが、好ましくは第3級アミノ基また
は第4級アンモニウム基を有するものが使用され、特に
好ましくは、第4級アンモニウム基を有するアクリル樹
脂やジアクリルアミン、(メタ)アクリルアミドとこれ
らと共重合可能でカルボキシル基を含有しないビニル系
モノマーの共重合体が使用される。
【0027】カチオン性樹脂をリウェットキャスト用再
湿潤液として利用する場合の水性液のカチオン性樹脂濃
度としては、カチオン性樹脂の種類にもよるが、一般的
に1〜20重量%の範囲で調節される。また、キャスト
塗被層面への付着量としては一般に固形分として0.1
〜0.5g/m2 程度である。
【0028】キャスト塗被紙用原紙としては、特に限定
されるものではなく、一般にキャスト塗被紙分野で使用
される酸性紙、あるいは中性紙からなる原紙が適宜用い
られる。原紙の片面、または両面に必要に応じて、種々
の顔料塗被組成物を予め予備塗工してなる塗被原紙でも
良く、その場合の塗被量は片面当り乾燥重量で5〜30
g/m2 程度が望ましい。また、必要であればこの予備
塗工した紙を前もってスーパーキャレンダー、ブラシ掛
け、キャスト仕上げ等の平滑化処理を施しておくことも
可能である。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。
【0030】実施例1 キャスト塗被層用塗料として、沈降性炭酸カルシウム7
0部、カオリン20部、および無定形シリカ10部から
なる顔料スラリー中に、接着剤として、カゼイン10
部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10部
(いずれも固形分)、さらに離型剤としてステアリン酸
カルシウム0.5部、消泡剤としてトリブチルフォスフ
ェート0.2部を添加し、固形分濃度45%の塗料を調
製した。
【0031】上記の塗料を米坪70g/m2 の上質原紙
に乾燥重量で25g/m2 となるように、エアーナイフ
コーターで塗被、乾燥後、再湿潤液としてステアリン酸
エマルジョン1%、カチオン性樹脂〔商品名:ゴーセフ
ァイマーC−820(日本合成化学工業(株)製)/4
級アンモニウム塩含有アクリル系樹脂〕8%よりなる固
形分濃度9%の水性液で再湿潤させ、直ちに表面温度が
100℃の直径3000mmの鏡面ドラムに圧接し、乾
燥後鏡面ドラムから離型してキャスト塗被紙を得た。こ
のときの再湿潤前の塗被紙の透気度はガーレー高圧型透
気度計での測定値で18秒/10ccであった。
【0032】実施例2 キャスト塗被層用塗料として、沈降性炭酸カルシウム6
0部、カオリン20部、および焼成クレー20部からな
る顔料スラリー中に、接着剤として、カゼイン10部、
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10部(いず
れも固形分)、さらに離型剤としてオレイン酸アンモニ
ウム0.5部、消泡剤としてトリブチルフォスフェート
0.3部を添加し、固形分濃度48%の塗料を用いた以
外は、実施例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。こ
のときの再湿潤前の塗被紙の透気度はガーレー高圧型透
気度計での測定値で25秒/10ccであった。
【0033】実施例3 実施例1で使用した再湿潤化処理前の塗被紙にスーパー
キャレンダ掛けを行い、塗被面を平滑にした後、実施例
1と同じ方法でキャスト仕上げを行った。このときの再
湿潤前の塗被紙の透気度はガーレー高圧型透気度計での
測定値で40秒/10ccであった。
【0034】実施例4 キャスト塗被層用塗料として、沈降性炭酸カルシウム7
0部、カオリン20部、および無定型シリカ10部から
なる顔料スラリー中に、接着剤として、カゼイン10
部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10部
(いずれも固形分)、さらに金属塩として硫酸亜鉛4
部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム0.5部、消
泡剤としてトリブチルフォスフェート0.3部を添加し
てなる、固形分濃度48%の塗料を用いた以外は、実施
例1と同様にしてキャスト塗被紙を得た。このときの再
湿潤化前の塗被紙の透気度はガーレー高圧型透気度計で
8秒/10ccであった。
【0035】実施例5 再湿潤液として、カチオン性樹脂〔商品名:スミレーズ
レジン1001(住友化学工業(株)製)/ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの共重
合体〕5%と離型剤(ステアリン酸アミド)1%からな
る固形分濃度6%の水性液を使用した以外は、実施例4
と同様にしてキャスト塗被紙を得た。
【0036】比較例1 キャスト塗被層用塗料として、沈降性炭酸カルシウム2
0部、およびカオリン80部からなる顔料スラリー中
に、接着剤として、カゼイン10部、スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックス15部(いずれも固形分)、離
型剤としてステアリン酸カルシウム0.5部、消泡剤と
してトリブチルフォスフェート0.2部、および実施例
1で使用したカチオン性樹脂0.5部添加し、固形分濃
度55%の塗料を調製した。この塗料を、米坪70g/
2 の原紙に塗被層の乾燥重量が20g/m2 になるよ
うに、ロールコーターで塗被し、ウェットキャスト方式
により、キャスト仕上げを行った。即ち、湿潤塗被層を
直に表面温度が80℃の直径3000mmの鏡面ドラム
に圧接し、乾燥後鏡面ドラムから離型してキャスト塗被
紙を得た。
【0037】比較例2 再湿潤液として、固形分濃度2%のステアリン酸エマル
ジョン水性液を使用した以外は、実施例1と同様にして
キャスト塗被紙を得た。
【0038】かくして得られた7種類のキャスト塗被紙
の白紙光沢、インクジェット(プリンター)記録適性に
ついて、下記により測定した結果を表1に示した。
【0039】〔白紙光沢〕JIS−P8142に準じて
測定した。
【0040】〔インクジェット記録適性−インキ乾燥
性〕シャープ製カラーイメージジェットIO−735X
にて印字を行ない、インクの乾燥性を目視で評価した。 ◎:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 ○:印字直後に指で触れると僅かに汚れるが、ほとんど
乾燥している。 △:印字直後、インク部分がわずかに光っているが、実
用上問題はない。 ×:インク乾燥不良のために印字中にインクが流れて定
着せず、実用的でない。
【0041】〔インクジェット記録適性−インキ発色濃
度〕シャープ製カラーイメージジェットIO−735X
にて印字を行ない、インクの発色濃度を目視で評価し
た。 ○:良好な発色濃度である。 △:ややインク濃度が薄いが、十分に発色しており、実
用上問題ない。 ×:濃度が薄く、鮮明性に欠ける。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明に係る
実施例で得られたキャスト塗被紙は表面光沢、インクジ
ェットプリンタ記録適性に極めて優れ、インクジェット
記録用キャスト塗被紙として好適なものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野島 一博 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に顔料および接着剤を主成分とする
    塗被層を設けた塗被紙をカチオン性樹脂を含有する再湿
    潤液で湿潤化後、キャスト仕上げしてなることを特徴と
    するインクジェット記録用キャスト塗被紙。
  2. 【請求項2】再湿潤液で湿潤化する前の塗被紙の透気度
    が30秒/10cc以下(ガーレー高圧型透気度計で測
    定)である請求項1記載のインクジェット記録用キャス
    ト塗被紙。
  3. 【請求項3】塗被層中に亜鉛、アルミニウム、マグネシ
    ウム、カルシウムから選ばれる少なくとも1種の水溶性
    金属塩が含有せしめられた請求項1記載のインクジェッ
    ト記録用キャスト塗被紙。
JP5101332A 1993-04-27 1993-04-27 インクジェット記録用キャスト塗被紙 Pending JPH06305237A (ja)

Priority Applications (1)

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JP5101332A JPH06305237A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 インクジェット記録用キャスト塗被紙

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JP5101332A JPH06305237A (ja) 1993-04-27 1993-04-27 インクジェット記録用キャスト塗被紙

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