JP2006088663A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染料インク発色性、顔料インク発色性、及びインク吸収性に優れたインクジェット記録用媒体を提供すると共に操業性を改善する。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含有し、かつ湿潤状態の内に加熱された加熱された鏡面仕上げ表面と接触することで光沢を付与されてなるインク受理層を有するインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有し、前記結着剤はポリビニルアルコールとカゼインとを含有し、かつインク受理層はポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物とカゼインを凝固させる作用を有する化合物とを含有する水溶液をインク受理層表面に塗布した直後に前記加熱された鏡面と接触することで光沢を付与する。コロイダルシリカは、一次粒子径が5〜55nmで、かつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録方式にて印字を行う記録媒体に関し、特にインク受理層表面に光沢を有するインクジェット用記録媒体に関する。
インクジェット用記録媒体は、紙等の支持体表面にシリカ、アルミナなどの多孔質の顔料と結着剤を含有するインク受理層を設けた構成になっていて、このインク受理層にインクの液滴が定着するようになっている。そして、近年のインクジェットプリンターの目覚しい進歩や、デジタルカメラの著しい普及により、インクジェット用記録媒体に要求される品質も年々高くなってきている。
ところで、インクジェット記録方式の記録媒体は、風合いが、いわゆる上質紙・PPC用紙に似ている普通紙タイプのものと、インク受理層を有することが明らかである塗工紙タイプのものに大別され、さらに塗工紙タイプの記録媒体は、インク受理層に光沢を有するグロスタイプと光沢を有さないマットタイプに大別される。特に、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有するインクジェット用記録媒体においては、品質要求が厳しく、技術開発が活発に行われている。
そして、このような光沢インクジェット用記録媒体に要求される品質特性としては、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと等が挙げられ、これら特性を向上するためには、インク受理層の改善が必要となってくる。
例えば特許文献1には、合成シリカにコロイダルシリカを配合した、光沢性が高いインクジェット用記録キャストコート紙が報告されている。又、キャスト塗工層中に、1次粒子の平均粒子径が3〜40nm、2次粒子の平均粒子径が10〜400nmであるシリカ微細粒子と、平均粒子径が200nm以下のコロイダルシリカを含有する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、近年、顔料の分散技術が発達したことで顔料を色材とした顔料インクが普及しつつある。顔料インクで画像を記録すると保存性は良好であるが、染料インク用に設計された従来のインクジェット記録用紙に印字を行った場合、画像の発色性が劣ったり、色材(顔料)が記録紙表面から欠落するという問題があった。この問題を解決するために、特許文献3では、平均粒子径5〜20μmの合成非晶質シリカと鹸化度90.0〜97.0mol%且つ重合度1000〜3500のポリビニルアルコールを含有し、該合成非晶質シリカとポリビニルアルコールの構成重量比が100/100〜100/20であるインク受容層を設け、染料インクを用いても顔料インクを用いても良好な記録画像を得られる方法が開示されている。
また、特許文献4にはインク受容層表面の粗さを、表面の20度鏡面光沢度が2〜18%であり、かつ像鮮明度光沢が20以下となるように調整し、顔料インクに対する発色性と定着性を両立したインクジェット記録媒体が開示されている。
特開平2−274587号公報 特開2000−85242号公報 特開2003−94794号公報 特開2002−321448号公報
しかしながら、上記した各技術において、染料インク、顔料インクのいずれを用いても記録画像の濃度が高いインクジェット記録用紙はいまだ得られていない。特許文献1、2においては高光沢な記録媒体が得られるものの、顔料インクで印字した際の印字濃度が低いという問題がある。また、特許文献3に記載されているインクジェット記録シートにおいては、染料インク、顔料インクを用いて印字したいずれの場合においても発色性は満足できるものではない。また特許文献4では顔料インクの発色や定着性が良好な記録媒体を得るために、平均粒子直径を1μm以下の顔料を用い、インク受容層の光沢度や表面粗さを調整するが、染料インクで印字した際の発色や吸収性に問題があると共に、顔料として主にアルミナ水和物を用いるため、塗工液の安定性が悪く塗工性等の操業性にも問題があった。
そこで、本発明は、染料インク発色性、顔料インク発色性、及びインク吸収性に優れたインクジェット記録用媒体を提供すると共に操業性を改善することを課題とする。
本発明者等は種々検討を行った結果、顔料として以下のコロイダルシリカと合成非晶質シリカを、結着剤としてポリビニルアルコールおよびカゼインをインク受理層に用いると共に加熱された鏡面仕上げ表面を用いて光沢を付与する直前に、ポリビニルアルコールおよびカゼインを凝固させる作用をもつ水溶液を塗布することで上記問題点を解決することが可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のインクジェット用記録媒体は、支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含有し、かつ湿潤状態の内に加熱された加熱された鏡面仕上げ表面と接触することで光沢を付与されてなるインク受理層を有するインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有し、前記結着剤はポリビニルアルコールとカゼインとを含有し、かつインク受理層は、ポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物とカゼインを凝固させる作用を有する化合物とを含有する水溶液をインク受理層表面に塗布した直後に前記加熱された鏡面と接触することで光沢を付与されてなることを特徴とするインクジェット用記録媒体である。
さらに、前記コロイダルシリカは、一次粒子径が5〜55nmで、かつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0であることが好ましく、また、前記インク受理層表面の75°鏡面光沢度が50%以上であることが好ましい。
また、本発明は、支持体の少なくとも一方の面に、光沢を有するインク受理層を形成するインクジェット用記録媒体の製造方法であって、顔料としてコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを、結着剤としてポリビニルアルコールとカゼインとを含有するインク受理層用塗工液を支持体の少なくとも一方の面に塗布して塗工層を設けた後、前記塗工層が乾燥状態または湿潤状態にある内に、ポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物とカゼインを凝固させる作用を有する化合物とを含有する水溶液を前記塗工層表面に塗布し、前記水溶液を塗布した直後に、前記塗工層の表面と加熱された鏡面仕上げ表面とを接触させて、光沢を有するインク受理層を形成することを特徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法である。
本発明によれば、染料インク、顔料インクのいずれを用いても記録画像の濃度(発色性)、インク吸収性ともに高いインクジェット用記録媒体を得ることができる。また、光沢感に優れたインクジェット記録用媒体を得ることができると共に著しくキャスト塗工での操業性を改善することができる。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット用記録媒体は、支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層を設けたものである。
(支持体)
本発明に使用される支持体はシート状のものであればいずれのものを用いることが可能であるが、透気性を有するものが好ましい。例えば塗工紙、未塗工紙等の紙が好適に用いられる。前記紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、不透明度を向上させるため、前記紙中に填料を含有させることが好ましいが、この填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂微粒子等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。操業性の点から、前記紙の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から基紙のステキヒトサイズ度は5秒以上であることが望ましい。
(インク受理層の顔料)
本発明における顔料としては、合成非晶質シリカと以下に詳述するコロイダルシリカとを含有したものを必須として用いる。
合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカに大別できる。湿式法で製造された合成非晶質シリカは顔料の透明性に関しては気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、内部空隙の無い気相法シリカに比べて分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層中の顔料比率を高くすることができ、インク受理層の吸収性を高くできるのでインク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上するものと考えられる。
高い光沢感を得るという点から前記合成非晶質シリカの好ましい二次粒子径は1〜5μmである。また、BET比表面積は150〜500m/gであることが好ましい。
本発明で使用するコロイダルシリカは本発明で使用されるコロイダルシリカとは、湿式法で合成された一次粒子径数nm〜100nm程度の合成シリカであり、凝集して非球状の二次粒子となる場合も含まれる。今回使用するコロイダルシリカは一次粒子径が5〜55nmであることが好ましい。さらに好ましくは10〜40nmである。一次粒子径が5nm未満であると、顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にはインク発色性の低下が大きくなる。一方、一次粒子径が55nmを超えると、粒子間の空隙は増えインク受理層のインク吸収性は良好となるが、不透明性が増大してくるため、インクジェット記録した際の染料インクの発色性が低下する。
本発明において、コロイダルシリカの形状が会合状のものが更に好ましい。会合状コロイダルシリカをインク受理層に含有することで、顔料インクの発色性を大きく向上することができる。球状(二次凝集していない形状)及び鎖状のコロイダルシリカでは、会合状コロイダルシリカと比較して染料インクの発色性が低くなる傾向がある。上記したコロイダルシリカの形状は顕微鏡(SEM等)等で観察できる。また、コロイダルシリカの一次粒子径はBET法等で、二次粒子径は動的光散乱法で測定できる。ここで、鎖状コロイダルシリカとは一次粒子が数個ないし十数個鎖状に連結した形状で、一次粒子に対する二次粒子の比が2.5よりも大きい形状を有し、会合状コロイダルシリカとは一次粒子が数個結合した形状で、一次粒子に対する二次粒子の比が1.5〜2.5であるコロイダルシリカをいう。会合状コロイダルシリカは、通常その分散状態を顕微鏡で観察すると、球状の単一コロイダルシリカ(一次粒子)が2〜3個連なったものが多数観察される。これを便宜上、ピーナツ状と表す。本発明においては、一次粒子や形状が異なる2種以上のコロイダルシリカを併用することもできる。
前記ピーナツ状のコロイダルシリカは、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により合成し、合成条件によって一次粒子径(BET法粒子径)や二次粒子径(動的光散乱法粒子径)をコントロールするようにすることが好ましい。このようなコロイダルシリカとしては、扶桑化学工業社製の商品名クォートロンを上げることができる。
インク受理層の前記合成非晶質シリカと前記コロイダルシリカの配合割合は、(コロイダルシリカ)/(合成非晶質シリカ)の値が、30/70〜75/25の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50/50〜70/30の範囲内である。
コロイダルシリカの配合割合が少ない場合には、顔料インクでインクジェット印字した際の発色性向上の効果が不十分となる傾向がある。また、配合量が多い場合には染料インクの発色性が低下する傾向があり、さらに、塗工した際の操業性が低下する場合がある。
顔料としてはさらに、インクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲で他の顔料、例えば水酸化アルミニウム、アルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)やアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を併用しても良いが、これらの配合量はインク受理層の全顔料に対し10質量%以下とすることが好ましい。
(インク受理層の結着剤)
本発明における結着剤としてはポリビニルアルコールとカゼインを必須の成分とする。ポリビニルアルコールを含有することで、インク受理層はインク発色性及びインク吸収性に優れるものとなる。本発明においてはいずれのタイプのポリビニルアルコールを使用することができるが、ケン化度は98%未満であることが好ましい。なお、ケン化度が98%未満のものは部分ケン化ポリビニルアルコールや中間ケン化ポリビニルアルコールと呼ばれる。ケン化度が低いほどインク吸収性が向上する傾向にある。これは、ケン化度が低いほどポリビニルアルコールの親水性が高く、インクの吸収性も良好となるためと推察される。
又、ポリビニルアルコールの重合度が高い場合には染料インクで印字した際、インク吸収性が劣る傾向にある。インク吸収性を向上するという観点からは重合度は2000未満であることが好ましい。これは、重合度が高くなるとインク溶媒と接触した際のポリビニルアルコールの溶解性が悪くなるためと推察される。一方、ポリビニルアルコールの重合度が高いほど顔料インクの印字濃度が向上する傾向にあるため、顔料インクの発色性を向上するという観点からは重合度は2000以上であることが好ましい。この理由としては、重合度が高くなるとよりバインダーが塗工層表面に残りやすくなり、そのため塗工層のクラック(ひび割れ)が低減する。クラックが低減するとインク中の着色顔料が表面にとどまりやすくなり、発色性(印字濃度)が向上すると考えられる。
また、インク受理層にカゼインを配合すると、インク受理層となる塗工液の塗工性が良好になると共に少ない結着剤量であっても良好な光沢が得られやすい。なお、インク受理層中の結着剤量が少ない場合は、インク受理層中の空隙が多くなり、インクジェットで印字した際のインク吸収性が良好になると考えられる。
さらに、本発明においては発色性や吸収性、光沢感を損なわない範囲でその他の高分子化合物を結着剤として併用することができる。例えば、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂及びこれらの誘導体等を用いることができる。結着剤の配合量は、顔料100重量部に対して、5重量部〜30重量部であることが好ましいが、必要な塗工層強度が得られる限り、特に限定されるものではない。結着剤の配合量が多くなると顔料インクでインクジェット記録を行った際の発色性は向上する傾向にあるが、インク吸収性は落ちる傾向にある。
インク受理層は、上記した顔料と結着剤を含むが、その他の成分、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加することができる。
支持体上にインク受理層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、あるいはオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択して使用することができる。
インク受理層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、発色性及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましい。
本発明において、インク受理層の塗工量を多く必要とする場合には、インク受理層を多層にすることも可能である。また、支持体とインク受理層の間にインク吸収性、接着性他各種機能を有するアンダーコート層を設けても良い。さらに、インク受理層を設けた面の反対側にさらにインク吸収性、筆記性、プリンター印字適性他各種機能を有するバックコート層を設けても良い。
本発明においては75°鏡面光沢度50%以上の、銀塩写真に匹敵する光沢を有するインクジェット用記録媒体においても、高い発色性とインク吸収性を達成できる。
本発明において、インクジェット受理層表面に光沢を付与する方法としては、インク受理層が湿潤状態の内に加熱された鏡面仕上げ表面と接触させることで光沢を付与する方法を用いるが、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法で製造するのが好適である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を基紙上に塗工して塗工層を設け、塗工層をキャストドラムを用いて光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受理層となる。
キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥あるいは半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類が一般に知られている。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同一である。
本発明においては、鏡面仕上げ表面を用いてインク受理層に光沢を付与するが、その直前にポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物とカゼインを凝固させる作用を有する化合物とを含有する水溶液をインク受理層表面に塗布する。
ポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物としては、例えばホウ酸やホウ酸塩等を挙げることができる。ホウ酸塩としては、例えばホウ砂、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、五ホウ酸塩、および八ホウ酸塩をあげることができるが、特にこれらに限定されるものではない。コスト、入手しやすい等の観点からは、ホウ砂を用いることが好ましい。
また、ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、凝固時の固さを適度なものとすることが容易となり、インク受理層に良好な光沢感を付与できる。ホウ酸塩とホウ酸の配合比は0.25/1〜2/1の間であることが特に好ましい。ホウ酸塩/ホウ酸の配合比が0.25/1未満では、ホウ酸の割合が多くなりすぎるので、記録層中のポリビニルアルコールの凝固が柔らかすぎ、このために凝固液付与ロールに軟凝固の記録層が付着し、良好な湿潤状態の記録層を得ることが出来ないことがある。一方、ホウ酸塩/ホウ酸の配合比が2/1を越える場合には、記録層中のポリビニルアルコールの凝固が硬くなるため、キャストコート紙表面の光沢感が低くなると共に、光沢ムラを生じることがある。
前記水溶液中のホウ酸塩及びホウ酸の濃度は必要に応じて適宜調整することができる。水溶液中のホウ酸塩及びホウ酸の濃度が高くなるとポリビニルアルコールの凝固が強くなり、光沢が劣る傾向にある。また、濃度が高いと処理液中にホウ酸が析出しやすくなるので、前記水溶液の安定性が悪くなる。好ましくは1〜5質量%である。
カゼインを凝固させる作用を有する化合物としては、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等の酸と、カルシウム、亜鉛、マグネシウム等の各種の塩が用いられる。特に蟻酸塩を用いる場合、少量でもカゼインが容易に凝固するため好ましい。また、前述したカルシウム、亜鉛、マグネシウム等を含む塩はインク発色性を悪化する懸念があるため、前記した塩の前記水溶液中の濃度は1〜7質量%が好ましい。なお、蟻酸アンモニウムのように乾燥過程で揮発し、インク受理層中に残存しない化合物であれば、前記水溶液中に10質量%程度まで配合することが可能である。
前記水溶液を用いて光沢を付与する方法としては、例えば以下のようにして行う。まず、インク受理層となる塗工液を支持体に塗布する。次に、前記水溶液を塗工層に塗布し、塗工層を湿潤状態にする。そして、湿潤状態の塗工層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受理層を形成し、その表面に光沢を付与する。前記水溶液を塗布する際の塗工層は、湿潤状態であっても乾燥状態であっても良いが、特に湿潤状態とした場合には鏡面仕上げ面を写し取りやすく、塗工層表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、得られたインク受理層に銀塩写真並の光沢感を付与させ易くなる。
前記水溶液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
前記水溶液を塗工層が湿潤状態のうちに塗布する場合はゲル化キャスト法(凝固法)に相当し、前記水溶液を塗工層が乾燥状態に塗布する場合はリウェット法に相当する。本発明においては、銀塩写真に匹敵する面感、光沢を付与することが可能であるという点で前記水溶液を塗工層が湿潤状態のうちに塗布する方法(ゲル化キャスト法(凝固法)に相当)を用いてインク受理層を形成させることが好ましい。
次に、ゲル化キャスト法を用いる場合について説明する。この方法は、上記キャストコート法において、上記塗工層を塗布後、未乾燥の塗工層を(凝固液によってゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥するものである。凝固液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受理層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得にくい。
又、上記インク受理層用塗工液及び/又は凝固剤を含有する水溶液には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクとしては、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を添加して調整される。
インクに使用される記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来公知のものは特に制限なく使用することができる。このような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求される特性などに依存して決定されるが、本発明におけるインクの場合も、従来のインク中におけるような配合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような使用で特に問題はない。
本発明で用いられるインクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−にタルク10重量部、硫酸アルミニウム1.0重量部、合成サイズ剤0.1重量部、歩留向上剤0.02重量部を添加した支持体を抄紙機で抄紙するに際し、デンプンを両面に片面当り固形分で2.5g/m2となるように塗布して、坪量170g/m2の原紙を得た。この原紙に下記のアンダー層用塗工液をブレードコーターで片面に塗工量が8g/m2となるように塗工して140℃で送風乾燥した。次いでさらにアンダー層を塗工した面にロールコーターでキャスト用塗工液Aを20g/m2塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、凝固液(1)を用いて、凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、198g/m2のインクジェット記録媒体を得た。
<アンダー層用塗工液>
顔料として、合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)100部にラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5部及びポリビニールアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)24部、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部、インク定着剤(ポリフィックス700:昭和高分子株式会社製の商品名)5部配合して濃度20%の水性塗工液を調製した。
<キャスト層用塗工液A>
顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が279m/gで平均粒子径2.8μmの沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)を30部、バインダーとして重合度2400のポリビニールアルコール(PVA224:クラレ株式会社製の商品名)を5部、カゼインを5部、ウレタン(オレイスターUD−170N:三井化学社製の商品名)を10部、消泡剤0.2部を配合して濃度20%の塗工液を調整した。
<凝固液(1)>
ホウ酸を4%(H3BO3)、蟻酸アンモニウムを5%、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%を配合して凝固液を調整した。
<実施例2>
実施例1において、キャスト層用塗工液Aの顔料配合比を、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を50部、沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)を50部、凝固液(1)のホウ酸を2%に調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例3>
実施例1おいて、凝固液(1)のホウ酸を硼砂2%(Na2B4O)とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例4>
実施例1において、キャスト層用塗工液中のウレタンを無配合、カゼインを7.5部とし、凝固液(1)の蟻酸アンモニウムを蟻酸カルシウム5%に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例5>
実施例1において、キャスト層用塗工液中の顔料を平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が301m/gで平均粒子径が6.2μmの沈降法シリカ(ファインシールX−60:株式会社トクヤマ社製)を30部、重合度2400のポリビニールアルコール(PVA224:クラレ株式会社製の商品名)を10部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例6>
実施例1において、キャスト層用塗工液中の顔料を平均一次粒子径が52nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−5:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が279m/gで平均粒子径2.8μmの沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)を30部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例7>
実施例1において、キャスト層用塗工液中の顔料を平均一次粒子径が70nmで、二次粒子/一次粒子径の比が1.7のコロイダルシリカ(クォートロンPL−7:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が279m/gで平均粒子径2.8μmの沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)を30部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例8>
実施例7において、アンダー層を設けずに、キャスト塗工層中のウレタンを5部にして、キャスト塗工した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例9>
実施例1において、キャスト層用塗工液中の顔料を平均一次粒子径が25nmで、二次粒子/一次粒子径の比が11.1の房状のコロイダルシリカ(スノーテックスST−HS−M20:日産化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が279m/gで平均粒子径2.8μmの沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)を30部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例10>
実施例1において、コロイダルシリカを一次粒子径が10〜20nmである球状のコロイダルシリカ(スノーテックスST−30:日産化学工業社製の商品名)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
凝固液(1)のホウ酸を無配合とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
凝固液(1)を蟻酸カルシウム5%、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
凝固液(1)を硼砂4%、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%と変えた以外は比較例2と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例4>
実施例1において、キャスト層用塗工液中のバインダーであるカゼインを無配合とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例5>
実施例1において、キャスト層用塗工液中のバインダーであるPVAを無配合とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例6>
実施例1において、キャスト層用塗工液中の顔料であるコロイダルシリカを無配合とし、顔料を沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)100部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1〜10、比較例1〜6で得られたインクジェット記録用紙のキャスト塗工操業性、光沢感およびインクジェット記録試験は以下の方法で行った。結果は表1および2にまとめる。
(1)操業性
キャストコーターで塗工する際の、キャストドラム表面の汚れを目視で評価した
○:キャストドラム表面の汚れが無いもの
△:キャストドラム表面が僅か曇る
×:キャストドラム表面に塗工層の一部が付着している
(2)光沢感
キャストコート紙表面の光沢感を下記の基準で評価した。
○:75度鏡面光沢度が50%以上でかつ像鮮明度が40%以上のもの
△:75度鏡面光沢度が50%以上でかつ像鮮明度が20%以上40%未満のもの
×:75度鏡面光沢度が50%以下のもの
・JIS P8142に準じて、75度鏡面光沢度の測定:光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM-26PRO)を用いて、75度鏡面光沢度を測定した。
・像鮮明度: JIS K7105に準じて、写像性測定器(型番:ICM−1DP、スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。測定角度を60度、くし幅2mmの条件で、紙のMD方向を測定した。
(3)インクジェット記録試験
記録試験は染料インクを用いたインクジェットプリンター(PM―970C:エプソン株式会社製の商品名)および顔料インクを用いたインクジェットプリンター(PX−V700:エプソン株式会社製の商品名)を用いて所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。
a、インク吸収性(ブリーディング)
赤と緑の混色べた部の境界で滲みを目視で評価した。
○:色の境界部が明瞭に分かれているもの
△:色の境界部で、若干滲みがあるもののうち、滲みの程度が比較的大きいもの
×:色の境界部で、滲みが非常に大きいもの
b、鮮やかさ
記録画像部の鮮やかさを目視で評価した。
◎:非常に鮮やか
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
(4)コロイダルシリカの粒径測定
a)一次粒子径の測定
試料の比表面積(窒素吸着法)を測定し、以下の(1)式に従い一次粒子径を計算により求めた。
d=6000/(ρ×S) (1)
但し、(1)式中、d:一次粒子径(nm)、ρ:シリカの密度(=2.2g/m)、S:比表面積S(m/g)を表す。
b)二次粒子径の測定
MALVERN INSTRUMENTS社製のZETASIZER 3000HSAを用いて測定した。
Figure 2006088663

Figure 2006088663
表1、2から明らかなように、実施例1から5の本発明のインクジェット記録用紙では、操業性、光沢感、印字適性全てにおいて高い評価が得られた。またコロイダルシリカの一次粒子径が大きい実施例6から9では染料インクの鮮やかさが若干劣り、アンダー層を設けていない実施例8では染料インクの吸収性が若干劣った。球状のコロイダルシリカを用いた実施例10では染料および顔料インクの吸収性が若干劣った。
一方、凝固剤として蟻酸アンモニウムだけを用いた比較例1では操業性、光沢感が若干劣り、染料インクの吸収性が劣った。また凝固剤として蟻酸カルシウムだけを用いたものは凝固が不十分となり良好な記録媒体を得ることができなかった。凝固剤として硼砂だけを用いた比較例3では操業性、光沢感が若干劣り、顔料インクの鮮やかさが劣った。バインダーとしてカゼインを配合しない比較例4は操業性、光沢感が若干劣り、顔料インクで鮮やかさがなかった。またPVAを配合していない比較例5では操業性、光沢感が若干劣ると共に、染料および顔料印字で鮮やかさがなかった。コロイダルシリカを配合していない比較例6では操業性が若干劣ると共に、光沢感が劣り、顔料インクでの鮮やかさにかけていた。
なお、表中のコロイダルシリカの形状は、顕微鏡で観察したコロイダルシリカの凝集状態を便宜上表して分類したものであり、「ピーナツ状」とは、一次粒子が2個程度結合してピーナツのように、また「房状」とはブドウの房のように、さらに「球状」とは球状の粒子が独立しているように観察されるもの示す。

Claims (4)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含有し、かつ湿潤状態の内に加熱された加熱された鏡面仕上げ表面と接触することで光沢を付与されてなるインク受理層を有するインクジェット用記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを含有し、前記結着剤はポリビニルアルコールとカゼインとを含有し、かつインク受理層はポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物とカゼインを凝固させる作用を有する化合物とを含有する水溶液をインク受理層表面に塗布した直後に前記加熱された鏡面と接触することで光沢を付与されてなることを特徴とするインクジェット用記録媒体。
  2. 前記コロイダルシリカは、一次粒子径が5〜55nmで、かつ前記一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録媒体。
  3. 前記インク受理層表面の75°鏡面光沢度が50%以上である請求項1〜3に記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 支持体の少なくとも一方の面に、光沢を有するインク受理層を形成するインクジェット用記録媒体の製造方法であって、顔料としてコロイダルシリカと合成非晶質シリカとを、結着剤としてポリビニルアルコールとカゼインとを含有するインク受理層用塗工液を支持体の少なくとも一方の面に塗布して塗工層を設けた後、前記塗工層が乾燥状態または湿潤状態にある内に、ポリビニルアルコールを凝固させる作用を有する化合物とカゼインを凝固させる作用を有する化合物とを含有する水溶液を前記塗工層表面に塗布し、前記水溶液を塗布した直後に、前記塗工層の表面と加熱された鏡面仕上げ表面とを接触させて、光沢を有するインク受理層を形成することを特徴とするインクジェット用記録媒体の製造方法。

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