JPH09302026A - ポリアリルアミン系誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアリルアミン系誘導体及びその製造方法

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JPH09302026A
JPH09302026A JP5667897A JP5667897A JPH09302026A JP H09302026 A JPH09302026 A JP H09302026A JP 5667897 A JP5667897 A JP 5667897A JP 5667897 A JP5667897 A JP 5667897A JP H09302026 A JPH09302026 A JP H09302026A
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polyallylamine derivative
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JP5667897A
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Tadashi Kato
加藤  正
Ikuo Hayashi
郁夫 林
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Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光、熱及び酸化等の作用に安定な、耐候性に
優れたポリアリルアミン系誘導体を提供する。 【解決手段】 モノアリルアミン単独重合体、ジアリル
アミン単独重合体又はモノアリルアミン−ジアリルアミ
ンの共重合体のアミノ基に環内N−置換又は非置換3−
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル基が置換された
ポリアリルアミン系誘導体またはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリアリル
アミン系誘導体及びその製造方法に関する。更に詳しく
は、ポリアリルアミンの構造を有し、且つ該ポリアリル
アミンのアミノ基に、ヒンダードアミノ基を結合させて
なる、新規なポリアリルアミン系誘導体及びその製造方
法に関する。本発明のポリアリルアミン系誘導体は、従
来のポリアリルアミンが現在使用されている分野で、且
つ光、熱または酸化の影響を受けやすく、耐候性の向上
が望まれる分野で使用できる。
【0002】
【従来の技術】モノアリルアミンの単独重合体、ジアリ
ルアミンの単独重合体、モノアリルアミンとジアリルア
ミンとの共重合体のような従来のポリアリルアミンは、
アミノ基を含む直鎖のオレフィン系重合体であり、水に
良く溶け、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子で
ある。このようなポリアリルアミンは、独特の反応性高
分子構造と性質を持ち、そのため、反応染料用染料固着
剤、直接染料用染料固着剤、紙加工剤、インクジェット
プリンター用紙の加工剤(耐水化剤)等、極めて多くの
分野で使用されている。また、このようなポリアリルア
ミンを、プラスチックス、合成繊維及びフィルム等の加
工剤(帯電防止剤、接着性向上剤、表面処理剤等)、押
出しラミネート用アンカーコート剤等の用途分野で使用
することが提案されている。
【0003】しかし、これらの用途にこのポリアリルア
ミンを使用した場合、加工時または実使用時に、光、熱
または酸化等の作用によって、ポリアリルアミンが劣化
し着色することがあるという問題があった。
【0004】一方、プラスチックス、フィルム、合成繊
維及び天然繊維等の高分子は、加工時及び実使用時に、
光、熱及び酸化等の作用により種々の劣化を受け、これ
らの高分子に物理的特性の経時的変化、例えば機械的強
度の低下や着色をもたらすことがあるという問題点があ
った。
【0005】そのため、これらの問題点をカバーして、
且つ上記の素材に塗布または混合して使用した時、これ
らの素材の耐候性を増大させ得る、新規なポリアリルア
ミン系誘導体の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記問題に鑑み、本発
明の目的は、光、熱及び酸化等の作用に対して安定な、
耐候性に優れたポリアリルアミン系誘導体を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式
[I]、[II]、[III]および[IV]
【化3】 (式[I]および式[II]中、R1は水素又は有機基を
示し、式[II]および式[IV]中、Rは環内N−置換又
は非置換3−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル基を
示す)で表される構造単位を含み、構造単位[I]、
[II]、[III]および[IV]のモル分率をそれぞれ
w,x,y,zとすると、w,x,y,zが、0≦w<
1,0≦x≦1,0≦y<1,0≦z≦1,0≦(w+
y)/(x+z),(w+x+y+z)=1の関係を満
足することを特徴とするポリアリルアミン系誘導体また
はその塩を要旨とする。
【0008】また本発明は、下記式[V]
【化4】 (式中、mは5以上の数を示し、pは0≦p≦1の数を
示し、R1は水素又は有機基を示す)で表わされるポリ
アリルアミン系重合体を環内N−置換又は非置換3−
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピルハライドで処理
し、次いで、所望によりアルカリで中和し、更に所望に
より酸を加えることを特徴とするポリアリルアミン系誘
導体またはその塩の製造方法を要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリアリルアミン系誘導
体は、上記式[I]、[II]、[III]および[IV]で
表される構造単位を含むものであり、式[I]および式
[II]中のR1は水素又は有機基である。有機基として
は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜12のシ
クロアルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基などが
挙げられる。
【0010】また式[II]および式[IV]中のRは、環
内N−置換又は非置換3−[(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ
プロピル基を示し、その好ましいものとして式[VI]
【化5】 で示される基が挙げられる。式[VI]において、R2
水素又は有機基であり、有機基としては、炭素数1〜1
8のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素
数3〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール
基、炭素数7〜18のアラルキル基、シアノメチル基、
炭素数2〜18のアシル基、炭素数2〜18のアルコキ
シカルボニル基などが挙げられる。
【0011】上記式[I]〜[IV]の構造単位におい
て、式[II]および式[IV]の構造単位は、環内N−置
換又は非置換3−[(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル
基が置換されている構造単位を意味し、式[I]および
[III]の構造単位は、上記の基が置換されていない構
造単位を意味する。
【0012】そして式[I],[II],[III]および
[IV]の構造単位のモル分率をそれぞれw,x,y,z
とすると、w,x,y,zは、 0≦w<1 0≦x≦1 0≦y<1 0≦z≦1 0≦(w+y)/(x+z) (w+x+y+z)=1 の関係を満足するものとする。
【0013】すなわち、本発明のポリアリルアミン系誘
導体は、(1)モノアリルアミンの単独重合体の側鎖ア
ミノ基の一部をRで置換して得られる、式[I]と式
[II]の構造単位からなるもの、(2)ジアリルアミン
の単独重合体のアミノ基の一部をRで置換して得られ
る、式[III]と式[IV]の構造単位からなるもの、お
よび(3)モノアリルアミンとジアリルアミンの共重合
体のアミノ基の一部をRで置換して得られる、式
[I]、[II]、[III]および[IV]の構造単位から
なるものを包含する。
【0014】特に(w+y)/(x+z)は0以上10
0以下であるのが好ましい。その理由は、100を越え
ると(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ルノアミノ基Rを置換した効果が小さく、耐候性の効果
が出にくいからである。(w+y)/(x+z)は1以
上30以下であるのが特に好ましい。
【0015】本発明のポリアリルアミン系誘導体または
その塩は、式[V]
【化6】 (式中、mは5以上の数を示し、pは0≦p≦1の数を
示し、R1は水素又は有機基を示す)で表わされるポリ
アリルアミン系重合体を環内N−置換又は非置換3−
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピルハライド(以下
ヒンダードアミノ基含有反応試剤という)で処理し、次
いで、所望によりアルカリで中和し、更に所望により酸
を加えることにより製造できる。
【0016】原料のポリアリルアミン系重合体[V]
は、例えば、公知のモノアリルアミンの単独重合体の
塩、公知のジアリルアミンの単独重合体又は公知のモノ
アリルアミンとジアリルアミンとの共重合体の塩の水溶
液を、水酸化ナトリウムのようなアルカリで中和するこ
とにより、フリーにしたものを用いることができる。こ
の場合、中和してフリーにした後、更に、副生するハロ
ゲン化ナトリウムのような中和塩を、透析により除去し
たものを用いることが好ましい。
【0017】モノアリルアミンとジアリルアミンとの共
重合体の塩としては、例えばモノアリルアミンとジアリ
ルアミンとのモル比1対1共重合体の塩酸塩の40%水
溶液(分子量約50,000、日東紡績株式会社製PA
A−D11−HCl)を使用できる。原料のポリアリル
アミン系重合体[V]の重合度を示すmは、5以上が好
ましい。
【0018】原料のポリアリルアミン系誘導体またはそ
の塩との反応に供せられるヒンダードアミノ基含有反応
試剤は、式[VII]
【化7】 で示される4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン誘導体[VII](R2=水素又は有機基)と式
[VIII]
【化8】 で示されるエピハロヒドリン[VIII](X=Cl,Br
又はI)とを反応させることにより得られる、式[IX]
【化9】 で示される化合物[IX]を用いるのが好ましい。
【0019】ヒンダードアミノ基含有反応試剤を製造す
るときの反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは5
〜50℃である。また、反応時間は、通常、5〜60時
間で完了する。この反応は、通常、無溶媒でできる。
【0020】原料のポリアリルアミン系重合体[V]を
ヒンダードアミノ基含有反応試剤で処理することによ
り、本発明のポリアリルアミン系誘導体またはその塩を
製造するときは、用いるヒンダードアミノ基含有反応試
剤の量は、原料のポリアリルアミン系重合体[V]のモ
ノマー単位に対し、1〜100モル%、特に3〜50モ
ル%であることが好ましい。
【0021】この反応の反応溶媒としては、水、極性溶
媒またはそれらの混合溶媒を使用することができる。極
性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホ
ルムアミド、エチレングリコール、ホルムアミドを例示
できる。この反応溶媒としては、水が好ましい。
【0022】このときの反応濃度は、反応させる原料の
ポリアリルアミン系重合体[V]とヒンダードアミノ基
含有反応試剤との総和の濃度(重量%)が、1〜60
%、好ましくは5〜30%である。また、この反応温度
は、通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃であ
る。反応時間は、通常、1〜100時間である。
【0023】反応終了の後、本発明のポリアリルアミン
系誘導体の部分塩の水溶液ができる。その場合、塩の種
類は、原料に用いたヒンダードアミノ基含有反応試剤中
のハロゲン原子に依存する。そのハロゲン原子が塩素原
子、臭素原子、よう素原子の場合は、それぞれ、塩酸
塩、臭化水素酸塩、よう化水素酸塩等ができる。また、
その水溶液に、適当量の塩酸、臭化水素酸、またはよう
化水素酸等の酸を添加し、その酸と本発明のポリアリル
アミン系誘導体の窒素とを反応させて、造塩量を調整す
ることができる。更に、その酸を添加した液を、本発明
のポリアリルアミン系誘導体の濃度(重量%)が30〜
70%、好ましくは40〜60%になるまで濃縮して、
得られる濃縮液を適当量のメタノール、アセトン、また
はそれらの混合液に加えることにより、本発明のポリア
リルアミン系誘導体の塩を沈殿させ、濾別して、固体と
して、通常、得ることができる。
【0024】一方、反応終了後のポリアリルアミン系誘
導体の部分塩の水溶液を、水酸化ナトリウム等のアルカ
リで中和することにより、本発明のフリーのポリアリル
アミン系誘導体を製造することができる。そのとき副生
する中和塩は、常法により透析して除去することができ
る。
【0025】得られたフリーのポリアリルアミン系誘導
体に、計算量の酸を加えることにより、本発明のボリア
リルアミン系誘導体の塩を得ることができる。それに用
いる酸としては、無機酸塩を製造する場合は、塩酸、臭
化水素酸、よう化水素酸、硫酸、燐酸、ホスホン酸等を
例示することができる。有機酸塩を製造する場合は、酢
酸、メタンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、
p−トルエンスルホン酸を例示することができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明のポリアリルアミン系誘導体
及びその製造方法を実施例で示す。本発明は、これらの
実施例によって限定されるものではないことは勿論であ
る。
【0027】参考例 ヒンダードアミノ基含有反応試剤
の製造 撹拌機、滴下漏斗、温度計及び還流冷却器を備えた30
0mlのセパラブルフラスコに、エピクロロヒドリン
(特級、ナカライテスク(株)製)の46.26g
(0.5モル)を入れ、反応温度を45〜50℃に保
ち、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン(ヒュルスジャパン(株)製)78.14g(0.
5モル)を2.5時間掛けて滴下した。滴下終了後、約
1時間で粘性が上昇し、約3時間後には生成物が固まり
撹拌ができなくなった。その後も温度を45〜50℃に
保ちながら、24時間加熱を続けた。次に、この生成物
を乳鉢中で粉砕した後、エチルエーテルで十分に洗浄し
た。続いて、室温で48時間真空乾燥することにより、
ヒンダードアミノ基含有反応試剤として3−[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミ
ノ]−2−ヒドロキシプロピルクロライドを得た。
【0028】得られたヒンダードアミノ基含有反応試剤
はエチルエーテルに不溶で、水及び低級アルコール類に
は可溶であった。元素分析の結果はC=57.35%、
H=10.37%、N=10.73%であり、これらの
値は計算値C=57.93%、H=10.13%、N=
11.26%と一致した。
【0029】実施例1 式[I]および式[II]の構造
単位からなるポリアリルアミン系誘導体の塩酸塩の製造 攪拌機、滴下漏斗、温度計及び還流冷却器を備えた30
0mlのセパラブルフラスコに、分子量約1万のモノア
リルアミンの単独重合体の濃度10.1%の水溶液(日
東紡績(株)製、PAA−10C)200g(モノマー
単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、参
考例で合成した濃度25%のヒンダードアミノ基含有反
応試剤の水溶液17.62g(0.018モル)を1時
間掛けて滴下した。滴下後も温度を50℃に保ちながら
24時間反応を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得ら
れ、そのpHは11.28になった。次に、この反応溶
液に35%塩酸水溶液38.74g(0.37モル)を
滴下し中和した後、エパポレーターを用い、得られる誘
導体の塩酸塩の重量濃度が約50%になるまで濃縮し
た。この濃縮液を2リットルのメタノール中に入れポリ
マーを沈殿させた。この沈殿したポリマーを濾別し、6
0℃で48時間真空乾燥することにより、本発明のポリ
アリルアミン系誘導体(式[I]/式[II]のモル分率
w/x=0.95/0.05)の塩酸塩を得た。元素分
析の結果はC=39.47%、H=8.83%、N=1
3.94%であり、これらの値は計算値C=40.10
%、H=8.69%、N=14.29%と一致した。
【0030】実施例2 式[I]および式[II]の構造
単位からなるポリアリルアミン系誘導体の塩酸塩の製造 実施例1と同様に反応容器中に分子量約1万のモノアリ
ルアミン単独重合体の濃度10.1%の水溶液(日東紡
績(株)製、PAA−10C)200g(モノマー単位
で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、参考例
で合成した濃度25%のヒンダードアミノ基含有反応試
剤の水溶液35.24g(0.035モル)を2時間掛
けて滴下した。滴下後も温度を50℃に保ちながら、2
4時間反応を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得ら
れ、そのpHは11.00になった。次に、この反応溶
液に35%塩酸水溶液40.58g(0.39モル)を
滴下し中和した後、エバポレーターを用いて、得られる
誘導体の塩酸塩の重量濃度が約50%になるまで濃縮し
た。この濃縮液を2リットルのアセトンとメタルールと
の混合溶媒(体積比1対1)に入れ、ポリマーを沈殿さ
せた。この沈殿したポリマーを濾別し、実施例1と同じ
条件で乾燥することにより、本発明のポリアリルアミン
系誘導体(式[I]/式[II]のモル分率w/x=0.
90/0.10)の塩酸塩を得た。元素分析の結果はC
=40.74%、H=9.02%、N=13.38%で
あり、これらの値は計算値C=41.32%、H=8.
75%、N=13.77%と一致した。
【0031】実施例3 式[I]および式[II]の構造
単位からなるポリアリルアミン系誘導体の塩酸塩の製造 実施例1と同様に反応容器中に分子量約1万のモノアリ
ルアミン単独重合体の濃度10.1%の水溶液(日東紡
績(株)製、PAA−10C)200g(モノマー単位
で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、参考例
で合成した濃度25%ヒンダードアミノ基含有反応試剤
の水溶液70.49g(0.07モル)を2.5時間掛
けて滴下した。滴下後も温度を50℃に保ちながら、2
4時間反応を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得ら
れ、そのpHは10.80となった。次に、この反応溶
液に35%塩酸水溶液44.27g(0.43モル)を
滴下し中和した後、エバポレーターを用いて、得られる
誘導体の塩酸塩の重量濃度が約50%になるまで、濃縮
した。この濃縮液を2リットルのアセトン中に入れ、ポ
リマーを沈殿させた。この沈殿したポリマーを濾別し、
実施例1と同じ条件で乾燥することにより、本発明のポ
リアリルアミン系誘導体(式[I]/式[II]のモル分
率w/x=0.80/0.20)の塩酸塩を得た。元素
分析の結果はC=42.51%、H=9.10%、N=
12.57%であり、これらの値は計算値C=43.0
6%、H=8.83、N=13.02%と一致した。
【0032】図1に本実施例3で得られたポリアリルア
ミン系誘導体の塩酸塩の赤外線吸収スペクトルを示し
た。吸収スペクトルには、ヒンダードアミノ基に由来す
る1080cm-1、1225cm-1及び1380cm-1
の吸収が認められた。
【0033】実施例4 式[I]、[II]、[III]及
び[IV]の構造単位からなるポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩の製造 先ず、濃度40.0%のモノアリルアミンとジアリルア
ミンとのモル比1対1共重合体の塩酸塩の水溶液(分子
量約50,000、日東紡績株式会社製PAA−D11
−HCl)に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和
し、次いで、この中和した液に含まれる中和塩の塩化ナ
トリウムを透析によって除去することにより、フリーの
モノアリルアミンとジアリルアミンとのモル比1対1共
重合体の濃度14.9%の水溶液を得た。この共重合体
の水溶液は、実施例5及び実施例6でも使用した。
【0034】攪拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却
器を備えた300mlのセパラブルフラスコに、上記の
フリーのモノアリルアミンとジアリルアミンとのモル比
1対1共重合体の濃度14.9%の水溶液183.75
g(モノマー単位で0.35モル)を入れ、水89.3
9gを加えて濃度を10.0%に調整した後、攪拌しな
がら温度を50℃に維持し、これに参考例で製造した濃
度25.0%のヒンダードアミノ基含有反応試剤の水溶
液17.62g(0.018モル)を滴下した。更に、
滴下後も同温度で24時間反応を続けた。その後、室温
で、この反応溶液に35%塩酸38.74g(0.37
モル)を滴下し、ポリアリルアミン系誘導体の塩酸塩の
水溶液を得た。次に、この溶液をエバポレーターを用い
て濃縮し、濃度を50%にした後、大量のエタノールに
入れポリマーを再沈させた。沈殿したポリマーを濾別し
た後、実施例1と同じ条件で乾燥することにより、本発
明のポリアリルアミン系誘導体(式[I]/式[II]/
式[III]/式[IV]のモル分率w/x/y/z=4
7.5/2.5/47.5/2.5)の塩酸塩を得た。
元素分析の結果はC=47.30%、H=9.07%、
N=11.68%であり、これらの値は計算値C=4
7.91%、H=8.91%、N=12.05%と一致
した。
【0035】実施例5 式[I]、[II]、[III]及
び[IV]の構造単位からなるポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩の製造 実施例4と同様に反応条件下で、フリーのモノアリルア
ミンとジアリルアミンとのモル比1対1共重合体の濃度
14.9%の水溶液183.75g(モノマー単位で
0.35モル)と水89.39gを仕込み、参考例で得
られた濃度25.0%のヒンダードアミノ基含有反応試
剤の水溶液35.24g(0.035モル)を滴下した
後、24時間反応させた。次に、35%塩酸40.58
g(0.39モル)を滴下した。この反応液を実施例4
と同様に処理して、本発明のポリアリルアミン系誘導体
(式[I]/式[II]/式[III]/式[IV]のモル分
率w/x/y/z=45/5/45/5)の塩酸塩を得
た。元素分析の結果はC=47.60%、H=9.15
%、N=11.48%であり、これらの値は計算値C=
48.17%、H=8.94%、N=11.83%と一
致した。
【0036】図2に実施例5で得られたポリアリルアミ
ン系誘導体の塩酸塩の赤外線吸収スペクトルを示した。
吸収スペクトルには、ヒンダードアミノ基に由来する1
080cm-1と1380cm-1に吸収が認められた。
【0037】実施例6 式[I]、[II]、[III]及
び[IV]の構造単位からなるポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩の製造 実施例4と同様に反応条件下で、フリーのモノアリルア
ミンとジアリルアミンとのモル比1対1共重合体の濃度
14.9%の水溶液183.75g(モノマー単位で
0.35モル)と水89.39gを仕込み、参考例で得
られた濃度25.0%のヒンダードアミノ基含有反応試
剤の水溶液70.49g(0.07モル)を滴下した
後、24時間反応させた。次に、35%塩酸44.27
g(0.43モル)を滴下した。この反応液を実施例4
と同様に処理して、本発明のポリアリルアミン系誘導体
(式[I]/式[II]/式[III]/式[IV]のモル分
率w/x/y/z=40/10/40/10)の塩酸塩
を得た。元素分析の結果はC=48.05%、H=9.
25%、N=11.09%であり、これらの値は計算値
C=48.57%、H=8.98%、N=11.49%
と一致した。
【0038】実施例7 熱処理黄変試験(その1) 実施例1〜3で得た本発明のポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩の4g/l及び蛍光染料ハッコールBRK(昭
和化学工業(株)製)の3g/lのpH8.5の混合水
溶液を調製した。pH調整には1N水酸化ナトリウム規
定液を用いた。また、モノアリルアミン単独重合体の塩
酸塩(日東紡績(株)製、PAA−HCl−3L)につ
いても、上記と同様に水溶液を調製し、比較溶液とし
た。
【0039】次に、これらの溶液に綿ブロード布を浸漬
し、マングル処理を行い、150℃で90秒間の熱処理
を行った。次いで、これらの処理布の白度を測色機マク
ベスカラーMS−2020(マクベス社製)を用いて測
定し、ハンターホワイトインデックス(WI値)として
求めた。なお、このWI値は値が大きいほどより白いこ
とを意味する。この熱処理変試験の結果を表1に示し
た。
【0040】
【表1】
【0041】表1より、実施例1〜3のポリアリルアミ
ン系誘導体の塩酸塩で処理した布のWI値は104から
109であり、モノアリルアミン単独重合体の塩酸塩で
処理した比較例1の布のWI値100よりも4〜9ポイ
ント高く、有意差が認められた。
【0042】実施例8 熱処理黄変試験(その2) 実施例4〜6で得た本発明のポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩の4g/l及び蛍光染料ハッコールBRK(昭
和化学工業(株)製)3g/lのpH8.5の混合水溶
液を調製した。pH調整には1N水酸化ナトリウム規定
液を用いた。また、モノアリルアミンとジアリルアミン
とのモル比1対1共重合体の塩酸塩(日東紡績(株)
製、PAA−D11−HCL)についても、上記と同様
に水溶液を調製し、比較溶液とした。
【0043】次に、これらの溶液に綿ブロード布を浸漬
し、マングル処理を行い、150℃で90秒間の熱処理
を行った。次いで、これらの処理布の白度を測色機マク
ベスカラーMS−2020(マクベス社製)を用いて測
定し、ハンターホワイトインデックス(WI値)として
求めた。なお、このWI値は値が大きいほどより白いこ
とを意味する。この熱処理変試験の結果を表2に示し
た。
【0044】
【表2】
【0045】表2より、実施例4〜6のポリアリルアミ
ン系誘導体の塩酸塩で処理した布のWI値は102から
107であり、モノアリルアミンとジアリルアミンとの
共重合体の塩酸塩で処理した比較例2の布のWI値97
よりも5〜10ポイント高く、有意差が認められた。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリアリルアミン系誘導体は、
特定のポリアリルアミン系重合体のアミノ基に、光安定
化能を有するヒンダードアミン構造を持った基を導入し
たものである。本発明のポリアリルアミン系誘導体は、
製造が極めて容易であり、加えて、光安定化能を有する
置換基の置換度を容易に制御できる。従って、本発明の
ポリアリルアミン系誘導体は、現在、ポリアリルアミン
が使用されている分野で、かつ、光、熱および酸化等の
影響を受けやすく、耐候性の向上が望まれる分野に極め
て有効な材料を提供するものである。例えば反応染料用
染料固着剤、直接染料用染料固着剤、紙加工剤、帯電防
止剤、接着性向上剤、表面処理剤、押出しラミネート用
アンカーコート剤、インクジェットプリンター用紙の加
工剤(耐水化剤)等における耐候性の向上が望まれる分
野で使用することが提案される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩のKBr法の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例5で得られたポリアリルアミン系誘導体
の塩酸塩のKBr法の赤外線吸収スペクトルを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I]、[II]、[III]および
    [IV] 【化1】 (式[I]および式[II]中、R1は水素又は有機基を
    示し、 式[II]および式[IV]中、Rは環内N−置換又は非置
    換3−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
    ジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピル基を示す)
    で表される構造単位を含み、 構造単位[I]、[II]、[III]および[IV]のモル
    分率をそれぞれw,x,y,zとすると、w,x,y,
    zが、0≦w<1,0≦x≦1,0≦y<1,0≦z≦
    1,0≦(w+y)/(x+z),(w+x+y+z)
    =1の関係を満足することを特徴とするポリアリルアミ
    ン系誘導体またはその塩。
  2. 【請求項2】 0≦(w+y)/(x+z)≦100で
    ある請求項1に記載のポリアリルアミン系誘導体または
    その塩。
  3. 【請求項3】 下記式[V] 【化2】 (式中、mは5以上の数を示し、pは0≦p≦1の数を
    示し、R1は水素又は有機基を示す)で表わされるポリ
    アリルアミン系重合体を環内N−置換又は非置換3−
    [(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
    ル)アミノ]−2−ヒドロキシプロピルハライドで処理
    し、次いで、所望によりアルカリで中和し、更に所望に
    より酸を加えることを特徴とするポリアリルアミン系誘
    導体またはその塩の製造方法。
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