JPH11123867A

JPH11123867A - インクジェット記録シート

Info

Publication number: JPH11123867A
Application number: JP9290738A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Torii; 宜弘鳥居
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 1997-10-23
Filing date: 1997-10-23
Publication date: 1999-05-11

Abstract

(57)【要約】【課題】鮮明な印字画像を保ちながら耐光性、耐水性の
ある記録シートを提供する。【解決手段】白色顔料層にアクリル酸アルキルエステル
及び／又はメタクリル酸アルキルエステルとアミノ基ア
クリル系モノマーとを共重合して得られるカチオン性ア
クリル樹脂エマルジョンを含む。【効果】印字濃度は高く、印字ドットは均一な広がりを
もった真円で、にじみはなく、鮮やかで且つ解像度も高
く、インク定着性は良好で耐光性、耐水性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水性インクを用いた
インクジェット記録方式に使用する記録シートに関し、
更に詳細には印字濃度は高く、鮮やかで解像度に優れ、
更に耐水性等の画像保存性に優れたインクジェット記録
シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、高速でカラーコピーが作成できる
インクジェット記録方式の技術進歩により、鮮明な画像
と優れた印字品位を得ることが可能となってきた。その
一方でプリントの品位、彩度、外観、画像を更に改良す
るために、より高度な特性を持つ記録材が要求されるよ
うになった。特にプリント速度、解像度、彩度等の向上
によって被記録材に対しても高インク吸収性、高インク
吸収容量、規則的なインクのにじみ等、より高度な特性
が要求されるようになり、インク受容層を表面に設けた
各種記録用シートが開発されている。一方、インクジェ
ット記録方式はプリンター低価格・高品質化と相まっ
て、容易にカラー印刷が可能なため、従来印刷方式での
画像形成やドットプリンター、レザープリンターでのデ
ータ印刷分野にもインクジェット記録方式が用いられる
ようになった。例えば印刷やデータ印字する紙の如き支
持体の反対面に剥離可能に接着し得る感圧接着層を設け
た親展ハガキ用。或いは剥離紙と貼り合わせたラベル用
が挙げられる。

【０００３】例えば基紙に非晶質シリカと高分子結着剤
を塗布した記録シート（特開昭５５−５１５８３号公
報）や基紙の表裏に多孔質顔料粒子を含有するインク受
容層を設けた記録シート（特開昭５６−１４８５８４号
公報）が提案され、従来の上質紙を使用した記録シート
より、大巾に彩度的な鮮やかさは向上するが、塗布量が
少ないとインクが不規則な広がりをするため、印字のに
じみが大きく、塗布量を多くするとにじみは少なくなる
が、塗布層が剥離し、粉落ちするという問題があった。

【０００４】この問題を解決するために結着剤を増量さ
せ、結着強度を向上させるとインクの吸収容量が不足
し、にじみが顕著となり、画像品質が低下し、所望の解
像度や中間色の再現が困難であった。又、ポリビニルア
ルコールとアクリル酸とメタクリル酸メチルとを反応さ
せて得られる水不溶性樹脂を使用して結着強度を改善し
た記録シート（特開昭６２−２８８０７６号公報）の提
案があるが、水不溶性樹脂はアニオン性であることか
ら、やはりアニオン性である水性インクの定着性が悪
く、インクのにじみ出し或いは耐水性を向上させるよう
な解決策にはならない。

【０００５】更にこれらの解決策として、ポリカチオン
高分子電解質を含有する記録シート（特開昭５６−８４
９９２号公報）やインク吸着性のあるカチオン性高分子
結着剤を主成分としたインク受容層を設けた記録シート
（特開昭５８−２４４９３号公報）等の方法が知られて
いるが、何れの方法もインク定着性不足であったり、
又、印字画像の耐光性が劣るという欠点があった。この
欠点を補うためにベンゾフェノン系やベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤（特開昭５７−７４１９３号公報）及
びヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系酸化防
止剤（特開平３−１３３７６号公報）をインク受容層に
添加する方法が記載されているが、均一な微粒化分散が
難しいという欠点があり、又、十分な効果が得るには至
らなかった。このように印字画像のにじみ、インク定着
性、耐光性等の品質特性において、実用的にはまだ不十
分で解決しなければならない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水性
インクを用いたインクジェット記録シートの印字画像の
品質特性において、印字濃度は高く、印字ドットは均一
な広がりをもった真円で、にじみはなく、鮮やかで且つ
解像度も高く、インク定着性は良好で耐光性、耐水性に
も優れた記録シートを提供すると共に、感圧接着層を設
けた親展ハガキ用、ラベル用等用途の多様化・拡大に十
分適合する記録シートを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者等は広範な研究
と実験を鋭意進めた結果、紙の如き支持体に設ける白色
顔料層にアクリル酸アルキルエステル及び／又はメタク
リル酸アルキルエステルとアミノ基アクリル系モノマー
とを共重合して得られるカチオン性アクリル樹脂エマル
ジョンを含むことにより、目的は達成されるという知見
をもって本発明に至った。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明に使用するアクリル酸アル
キルエステルは、例えば具体的にはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、２−エ
チルヘキシルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、β−エトキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート等が挙げられる。又、本発明に使用するメ
タクリル酸アルキルエステルは、例えば具体的にはメチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、２−エチルヘキシルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、β−エトキシエチルメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート等をあげるこ
とができる。これらのモノマーは、１種又は２種以上混
合して使用する。

【０００９】本発明では所望により、アクリル酸アルキ
ルエステル及び／又はメタクリル酸アルキルエステルと
共重合が可能な他のモノマーを添加して共重合できる。
このような他のモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、
スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル等のビニル系
モノマーが挙げられ、添加量はアクリル酸アルキルエス
テル及びメタクリル酸アルキルエステルに対して重量比
率で１：１まで添加することができる。

【００１０】本発明に使用するカチオン性モノマーであ
るアミノ基含有アクリルモノマーとしては、アミノアル
キル（メタ）アクリレート及び／又はＮ−アミノアルキ
ル（メタ）アクリルアミドが挙げられる。アミノアルキ
ル（メタ）アクリレートとしては、例えば具体的にはジ
メチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ｔ−ブチ
ルアミノエチルアクリレート、ｔ−ブチルアミノエチル
メタクリレート、モノメチルアミノエチルアクリレー
ト、モノメチルアミノエチルメタクリレート等が挙げら
れる。

【００１１】Ｎ−アミノアルキル（メタ）アクリルアミ
ドとしては、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルア
ミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタ
クリルアミド等が挙げられる。カチオン性モノマーの使
用量は、特に限定されるものではないが、アクリル酸ア
ルキルエステル及び／又はメタクリル酸アルキルエステ
ル等のアクリル樹脂エマルジョンに必要な全モノマーに
対して１〜５重量％が好ましい。

【００１２】カチオン性モノマーは、酸により中和して
使用される。中和度（酸／カチオン性モノマー（モル
比））は０．２以上とする。中和に使用する酸として
は、各種の無機酸又は有機酸であり、無機酸としては、
例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等が挙げられ、有機酸
としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク
酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。

【００１３】本発明に使用するアクリル樹脂エマルジョ
ンの重合方法は、従来より公知の乳化重合方法に基づ
き、例えばメインモノマー、カチオン性モノマー及びそ
の他の原料を一括して仕込み重合する方法、各モノマー
を連続供給しながら重合する方法等各種の方法が可能で
あり、いずれの方法によっても目的のカチオン性アクリ
ル樹脂エマルジョンを得ることができる。又、連続供給
する場合には、各モノマーを単独で添加してもよく、任
意のモノマーを予め混合して添加してもよい。重合反応
は、通常５０〜８５℃の加温下で行う。

【００１４】本発明のアクリル樹脂エマルジョンは安定
性を確保するために、ノニオン性界面活性剤及び／又は
カチオン性界面活性剤を添加する。ノニオン性界面活性
剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウリレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックポリマー等が挙げられる。

【００１５】カチオン性界面活性剤としては、例えばラ
ウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリル
トリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレ
ン化アルキルアミン、アミンオキサイド誘導体、アルキ
ルトリメチレンジアミン、ジステアリルジメチルアンモ
ニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニ
ウムクロライド、１、２又は３級アミン誘導体等が挙げ
られる。本発明では、重合反応の触媒として、一般のノ
ニオン性触媒及びカチオン性触媒をいずれも使用できる
が、カチオン性触媒である２，２’−アゾビス（２−ア
ミジノプロパン）を使用することが好ましい。

【００１６】本発明のインクジェット記録層とする白色
顔料層の白色顔料としては、例えばクレー、タルク、カ
オリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリ
レート等のプラスチックピグメントが挙げられ、１種又
は２種以上混合して使用される。本発明に使用するカチ
オン性アクリル樹脂エマルジョンの白色顔料層への混合
比率は、白色顔料１００重量部に対して乾燥重量固形分
で１００〜５重量部であり、好ましくは７０〜１０重量
部、特に好ましくは５０〜３０重量部である。

【００１７】本発明では各種の結着剤、インク定着剤、
ドット調整剤が混合されるが、結着剤としては、例えば
澱粉、カゼイン、大豆蛋白、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の天然又
は半合成高分子類、ポリビニルアルコール、シリル変性
ポリビニルアルコール及びその誘導体、スチレンブタジ
エン共重合体、メチルメタクリレートブタジエン共重合
体等の共役ジエン系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のビニル系重合体ラテックスが挙げられ
る。

【００１８】インク定着剤としては、例えばポエチレン
イミン、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ド、ポリアルキレンポリアミンジシアンモニウム縮合
物、ポリビニルピリジウムハライト、（メタ）アクリル
酸アルキル４級アンモウニウム塩、（メタ）アクリルア
ミドアルキル４級アンモニウム塩、ω−クロロポリオキ
シエチレンメチレンアルキル４級アンモニウム塩、ポリ
ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられ
る。ドット調整剤としては、例えば強化ロジンサイズ
剤、石油樹脂系サイズ剤、エマルジョン型サイズ剤、ア
ルケニル無水コハク酸等の反応性サイズ剤、自己定着型
のカチオン性樹脂サイズ剤、ワックスエマルジョン、シ
リコン類、或いは結着剤で使用する各種ラテックス等が
挙げられる。

【００１９】更に本発明では所望により、ビス（トリア
ジニルアミノ）スチルベンジスルホン酸誘導体、クマリ
ン誘導体、ピラゾリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、
ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ビススチリルビフェニ
ル誘導体等の蛍光増白剤、脂肪酸石鹸、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の湿
潤剤、カセイソーダ、ケイ酸ソーダ、モノエタノールア
ミン等のｐＨ調節剤、ベンツイミダゾリルカルバミン酸
メチルエステル、アリルメタノールモノ（ポリ）ヘミフ
ォルマル等の防腐剤が適宜添加されて白色顔料層用塗布
液と成し、ブレードコーター、エアーナイフコーター、
カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、
ロールコーター等の塗布方式で紙の如き支持体のオモテ
面に塗布量が２〜２５ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）とな
るように塗布・乾燥して白色顔料層を設けてインクジェ
ット記録シートを得る。本発明の白色顔料層は印字画像
の解像度及び搬送性等の向上を図るためにスーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等の平滑化装置で処理する。

【００２０】第２の発明としては、本発明の中間層とし
て設けた白色顔料層上に鏡面用塗布層を設け、カレンダ
ー処理を施して鏡面仕上げをする。又は湿潤塗布層を鏡
面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥、離型することに
より、その鏡面を写し取る方式で鏡面を有するインクジ
ェット記録シートを得る。本発明に使用する鏡面用白色
顔料としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カ
ルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成非晶質シリ
カ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベイマ
イト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオ
ライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化
マグネシウム、スチレン系プラスチックピグメント、ア
クリル系プラスチックピグメント等が挙げられ、１種又
は２種以上混合して使用されるが、特に好ましい白色顔
料はコロイダルシリカ、コロイダルアルミナである。

【００２１】本発明に使用する鏡面用白色顔料の結着剤
としては、例えば酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル
化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カ
ゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又
はその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸
樹脂、スチレンブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ートブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル
の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラ
テックス或いはこれら各種重合体のカルボキシル基等の
官能基変性重合体ラテックスが挙げられる。

【００２２】更に本発明では所望により、鏡面用塗布層
は白色顔料層と同様の蛍光増白剤、湿潤剤が適宜添加さ
れて、鏡面用塗布液と成し、ブレードコーター、エアー
ナイフコーター、カーテンコーター、バーコーター、グ
ラビアコーター、ロールコーター等の塗布方式で白色顔
料層上に塗布量が３〜２０ｇ／ｍ²（乾燥重量固形
分）、好ましくは５〜１５ｇ／ｍ²となるように塗布・
乾燥した後、塗布面を加熱されたスーパーカレンダーの
チルドロール面で加圧処理を施し、鏡面を有するインク
ジェット記録シートを得る。

【００２３】次に第３の発明として、紙の如き支持体の
片面に本発明の白色顔料層を設け、もう一方の面に通常
の状態では接着性・粘着性共に示さず、接着剤の塗布面
同士を対向させて加圧することにより、剥離可能に接着
し得る感圧接着層を設けたインクジェット記録シートを
得る。本発明に使用する感圧接着剤は、剥離可能な感圧
接着剤と剥離不能な感圧接着剤に分けられるが、接着性
の制御は配合上からも塗布量からも可能である。感圧接
着剤に使用するベースポリマーとしては、例えば天然ゴ
ム、変性天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロ
ニトリルブタジエンゴム等の合成ゴム、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の溶液或いはエマル
ジョンであり、特に好ましくは変性天然ゴム、アクリル
酸エステル樹脂である。

【００２４】本発明では接着性を制御するためにシリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、メラミン樹脂粒子、ベンゾグア
ナミン樹脂粒子、澱粉粒子等を配合する。本発明に使用
する感圧接着剤には所望により、粘着付与剤としてロジ
ン系樹脂及びその誘導体、テルペン系樹脂、クマロイン
デン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキルフェノール系樹
脂、石油系樹脂等を接着性、耐ブロッキング性、耐燃性
を損なわない範囲で混合する。又、剥離性を制御するた
めに所望により、パラフィンワックス、脂肪酸又はその
誘導体、高級アルコール類、金属石鹸類、シリコーン樹
脂類等の離型剤を使用する。更に本発明に使用する感圧
接着剤には、所望により帯電防止剤、増粘剤、紫外線吸
収剤が適宜混合されて、感圧接着剤用塗布液と成し、エ
アーナイフコーター、カーテンコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター、ロールコーター等の塗布方式で
白色顔料層を設けた紙の如き支持体のもう一方の面に塗
布量が２〜１５ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）、好ましく
は３〜１０ｇ／ｍ²となるように塗布・乾燥し、感圧接
着性を有するインクジェット記録シートを得る。

【００２５】そして第４の発明としては、紙の如き支持
体の片面に本発明の白色顔料層、その上層に鏡面層を設
け、更にもう一方の面にラベル用粘着層を設けたインク
ジェット記録シートを得る。本発明に係わる粘着層は、
剥離紙の剥離剤塗布面に粘着剤を設け、粘着剤面と白色
顔料層を設けた紙の如き支持体のもう一方の面に重ね
て、プレスロール等で圧着する方法が一般的に行われる
が、紙の如き支持体に粘着剤を塗布して剥離紙と貼り合
わせることもできる。粘着剤には、ゴム系又はアクリル
樹脂系の粘着剤を使用する。ゴム系の主原料は天然ゴム
であり、ロジン系樹脂や可塑剤等が混合され、一般的に
はノルマルヘキサンを溶媒として塗布する。アクリル樹
脂系は２−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリ
レート、エチルアクリレート、アクリル酸、β−ヒドロ
キシエチルアクリレート等のモノマーを酢酸エチル、ト
ルエン等の有機溶剤中で重合或いは界面活性剤を使用し
て水中で乳化重合により製造したエマルジョンを塗布す
る。

【００２６】又、粘着剤の耐燃性や耐溶剤性等の物性を
向上させるために、粘着剤用原料にイソシアネート系、
メラミン系、金属キレート系等の架橋剤を使用して架橋
反応させるか、或いはシリカ、カオリン、酸化亜鉛等の
白色顔料、水溶性高分子、石油系樹脂、各種ワックス、
脂肪酸又はその誘導体、高級アルコール類、シリコーン
類、更に所望により帯電防止剤、酸化防止剤等を適宜混
合して粘着剤用塗布液と成し、ブレードコーター、エア
ーナイフコーター、カーテンコーター、バーコーター、
グラビアコーター、ロールコーターの他、スロットノズ
ル、スロットダイ、ロータリースクリーンプリンター、
ホットメルトホイール、スパイラルスプレー等の塗布方
式で本発明の紙の如き支持体の片面に鏡面層を設けたも
う一方の面に、或いはシリコーン樹脂を塗布した上質
紙、クラフト紙、グラシン紙、プラスチックフィルム等
の剥離紙のシリコーン樹脂層上に８〜３０ｇ／ｍ²（乾
燥重量固形分）となるように塗布・乾燥した後、プレス
ロールで貼り合わせてラベル用粘着層を有するインクジ
ェット記録シートを得る。

【００２７】

【実施例】以下、最も代表的な実施例により本発明の好
適態様と優れた効果を具体的に説明する。尚、以下の部
はすべて重量部であり、％はすべて重量％である。

【００２８】実施例１〔支持体の作成〕ＬＢＫＰ（繊維長０．７ｍｍ、フリーネス３５０ｍｌ）８０部ＮＢＫＰ（繊維長０．７ｍｍ、フリーネス３５０ｍｌ）２０部タルク５部ロジンエマルジョンサイズ０．５部（ディックハーキュレス製：ニューホー１００）硫酸バンド３部両性澱粉（王子ナショナル製：Ｃａｔｏ３２１０）０．５部上記配合の１％スラリーをＴＡＰＰＩスタンダードマシ
ンで抄造し、得られた湿紙を５Ｋｇ／ｃｍ²でプレス
し、次いで９０℃で２分間乾燥した。この支持体に６％
酸化澱粉（日本食品化工製：ＭＳ３８００）水溶液で両
面付着量１．５ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となるよう
にサイズプレスを行い、インクジェット記録シート用の
坪量８０ｇ／ｍ²の支持体を得た。

【００２９】〔カチオン性アクリル樹脂エマルジョンの
作成方法〕表１で示す原料組成及び重合条件でエマルジ
ョンを作成した。

【００３０】

【表１】

【００３１】〔インクジェット記録シートの作成〕４０
％ポリアクリル酸ナトリウム（東亜合成化学工業製：Ｔ
−４０）水溶液１．２５部を混合した水６８４部に合成
非晶質シリカ（徳山曹達製：ファインシールＸ−３７
Ｂ）１００部を攪拌しながら除々に添加・分散後、表１
の５０％Ｎｏ１カチオン性アクリル樹脂エマルジョン１
００部を添加して白色顔料層用塗布液と成し、エアーナ
イフコーターで上記で得た支持体のオモテ面に塗布量が
８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗布・乾燥
して白色顔料層を設けた後、スーパーカレンダー処理し
てインクジェット記録シートを得た。

【００３２】実施例２〔インクジェット記録シートの作成〕実施例１の５０％
Ｎｏ１カチオン性アクリル樹脂エマルジョン１００部を
表１の５０％Ｎｏ２カチオン性アクリル樹脂エマルジョ
ンに同量置き換えた以外は同様の方法でインクジェット
記録シートを得た。

【００３３】実施例３〔インクジェット記録シートの作成〕４０％ポリアクリ
ル酸ナトリウム（Ｔ−４０）水溶液１．２５部を混合し
た水５６５部に合成非晶質シリカ（ファインシールＸ−
３７Ｂ）５０部、（水沢化学工業製：ミズカシルＰ−７
８Ｄ）５０部を攪拌しながら除々に添加・分散後、表１
の５０％Ｎｏ２カチオン性アクリル樹脂エマルジョン６
０部、１０％ポリビニルアルコール（クラレ製：ＰＶＡ
−１１７）１００部を順次添加して白色顔料層用塗布液
と成した以外は実施例１と同様の方法でインクジェット
記録シートを得た。

【００３４】実施例４〔鏡面を有するインクジェット記録シートの作成〕実施
例２の白色顔料層用塗布液を実施例１で抄造した支持体
のオモテ面にエアーナイフコーターで塗布量が１５ｇ／
ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗布・乾燥して中
間層を設けた。次いで２０％コロイダルシリカ（日産化
学製：スノーテックス−２０）５００部、５０％スチレ
ンブタジエン共重合体ラテックス（日本合成ゴム製：０
６９３）２５部、４０％ジメチルジアリルアンモニウム
クロライド水溶液２５部、４８％エチレン酢酸ビニル共
重合体エマルジョン（クラレ製：ＯＭ−２０００）１０
部を順次添加して鏡面用塗布液と成し、エアーナイフコ
ーターで実施例１で抄造した支持体のオモテ面に塗布量
が１０ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗布・
乾燥した後、該塗布面を表面温度５５℃のスーパーカレ
ンダーのチルド面処理（線圧１００Ｋｇ／ｃｍ）して鏡
面を有するインクジェット記録シートを得た。

【００３５】実施例５〔感圧接着層を有するインクジェット記録シートの作成
方法〕実施例１の白色顔料層用塗布液を抄造した支持体
のオモテ面にエアーナイフコーターで塗布量が１０ｇ／
ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗布・乾燥後、ス
ーパーカレンダー処理して感圧接着用インクジェット記
録シートとした。次いで水２５０部を攪拌しながら合成
非晶質シリカ（日本シリカ工業製：ニップシールＥ−２
００）４０部、平均粒子径１０μｍの小麦澱粉４５部を
順次添加・分散した後、５３％カルボキシル変性アクリ
ル酸エステル重合体エマルジョン（日本合成ゴム製：Ａ
Ｅ９２４）１３０部を混合して感圧接着層用塗布液と成
し、該感圧接着用インクジェット記録シートのウラ面に
エアーナイフコーターで塗布量が１２ｇ／ｍ²（乾燥重
量固形分）となるように塗布・乾燥して感圧接着層を有
するインクジェット記録シートを得た。

【００３６】実施例６〔ラベル用粘着層を有するインクジェット記録シートの
作成方法〕実施例４の鏡面を有するインクジェット記録
シートをラベル粘着層用のインクジェット記録シートと
した。次いでグラシン紙に３０％シリコーンポリマー溶
液（東芝シリコーン製：ＴＰＲ６７００）をグラビアコ
ーターで塗布量が１．２ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）と
なるように塗布・乾燥した後、該シリコーン塗布層上に
粘着剤である６０％ポリアクリル酸エステル重合体エマ
ルジョン（大日本インキ化学工業製：ＶＯＮＣＯＡＴ
ＰＳ−３７８）をグラビアコーターで塗布量が２０ｇ／
ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗布・乾燥し、該
粘着層と該ラベル用インクジェット記録シートのウラ面
とをプレスロールで貼り合わせてラベル用粘着層を有す
るインクジェット記録シートを得た。

【００３７】比較例１〔アニオン性及びノニオン性アクリル樹脂エマルジョン
の作成方法〕表２で示す原料組成及び重合条件でエマル
ジョンを作成した。

【００３８】

【表２】

【００３９】〔インクジェット記録シートの作成方法〕
実施例１の５０％Ｎｏ１カチオン性アクリル樹脂エマル
ジョン１００部を表２の５０％Ｎｏ３アニオン性アクリ
ル樹脂エマルジョンに同量置き換えて白色顔料層用塗布
液とした以外は同様の方法でインクジェット記録シート
を得た。

【００４０】比較例２〔インクジェット記録シートの作成方法〕実施例１の５
０％Ｎｏ１カチオン性アクリル樹脂エマルジョン１００
部を表２の５０％Ｎｏ４ノニオン性アクリル樹脂エマル
ジョンに同量置き換えて白色顔料層用塗布液とした以外
は同様の方法でインクジェット記録シートを得た。

【００４１】比較例３〔鏡面を有するインクジェット記録シートの作成方法〕
比較例１の白色顔料層用塗布液を実施例１で抄造した支
持体のオモテ面にエアーナイフコーターで塗布量が１５
ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗布・乾燥し
て中間層とした以外は実施例４と同様の方法で鏡面を有
するインクジェット記録シートを得た。

【００４２】評価方法〈印字濃度〉インクジェットプリンターＢＪＣ４２０Ｊ
で印字したブラックのベタ画像部の光学濃度をマクベス
濃度計ＲＤ９１８で測定した。数値は大きい方が濃度は
高く優れていることを示す。〈ドット径〉インクジェットプリンターＭＪ８００Ｃで
印字したドットの直径を画像解析装置（ライカ製）で測
定した。〈印字画像の解像度〉インクジェットプリンターＢＪＣ
４２０Ｊで印字したブラック、マゼンタ、シアンの単
色、マゼンタ＋シアン、シアン＋イエローの重色の白抜
き文字のにじみ及び解像度を目視判定した。○印は優れ
る。×印は劣る。

【００４３】〈鏡面の光沢度〉ＪＩＳＺ８７４１に基
づき、鏡面白紙部の７５゜光沢度を光沢計（日本電色工
業製：ＶＧＳ１００１ＤＰ）で測定した。数値は大きい
方が優れている。〈印字画像の耐光性〉インクジェットプリンターＭＪ７
００Ｖ２Ｃで印字したマゼンタのベタ画像部を５０００
Ｌｘ蛍光灯１２０時間照射した後、そのベタ画像部の光
学濃度をマクベス濃度計ＲＤ９１８で測定し、下記式に
より耐光性（％）を求めた。耐光性＝照射後の光学濃度／照射前の光学濃度〈印字画像の耐水性〉インクジェットプリンターＭＪ７
００Ｖ２Ｃでブラック、マゼンタ、シアン、イエローの
単色、マゼンタ＋シアン、シアン＋イエローの重色印字
した後、その印字部を水に１０分間浸積・自然乾燥後、
その印字のにじみ具合いを目視判定した。○印は優れて
いる。×印は劣る。

【００４４】以上の評価結果をまとめて表３に示した。

【００４５】

【表３】

【００４６】

【発明の効果】本発明から明かなように、紙の如き支持
体に設ける白色顔料層にアクリル酸アルキルエステル及
び／又はメタクリル酸アルキルエステルとアミノ基アク
リル系モノマーとを共重合して得られるカチオン性アク
リル樹脂エマルジョンを含むことにより、記録シートの
品質特性において、印字濃度は高く、にじみはなく、鮮
やかで且つ解像度も高く、インク定着性は良好で耐光
性、耐水性にも優れたものが提供できた。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙の如き支持体の片面に白色顔料層を設
けて成るインクジェット記録シートにおいて、白色顔料
層にアクリル酸アルキルエステル及び／又はメタクリル
酸アルキルエステルとアミノ基含有アクリル系モノマー
とを共重合して得られるカチオン性アクリル樹脂エマル
ジョンが含まれていることを特徴とするインクジェット
記録シート。
【請求項２】紙の如き支持体の片面に鏡面層を設けて
成るインクジェット記録シートにおいて、支持体と鏡面
層の間にアクリル酸アルキルエステル及び／又はメタク
リル酸アルキルエステルとアミノ基含有アクリル系モノ
マーとを共重合して得られるカチオン性アクリル樹脂エ
マルジョンを含む白色顔料層を中間層として設けること
を特徴とするインクジェット記録シート。
【請求項３】紙の如き支持体の片面に該白色顔料層を
設け、更にもう一方の面に通常の状態では接着性・粘着
性を示さず、接着剤の塗布面同士を対向させて加圧する
ことにより、剥離可能に接着し得る感圧接着層を順次設
けたことを特徴とする請求項１記載のインクジェット記
録シート。
【請求項４】紙の如き支持体の片面に該白色顔料層、
その上層に鏡面層を設け、更にもう一方の面にラベル用
粘着層を順次設けたことを特徴とする請求項２記載のイ
ンクジェット記録シート。