JPH1158934A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JPH1158934A
JPH1158934A JP9221490A JP22149097A JPH1158934A JP H1158934 A JPH1158934 A JP H1158934A JP 9221490 A JP9221490 A JP 9221490A JP 22149097 A JP22149097 A JP 22149097A JP H1158934 A JPH1158934 A JP H1158934A
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JP
Japan
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recording sheet
white pigment
water
jet recording
ink jet
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Pending
Application number
JP9221490A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Torii
宜弘 鳥居
Masafumi Masuda
政文 増田
Yasumine Yoshida
康峰 吉田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】滲み防止を図り、印字画像の鮮明性及び耐水
性、耐光性更には用途拡大に伴う品質要求に応ずる。 【解決手段】紙の如き支持体にカチオン性乳化剤で乳化
したパラフィンワックスとアミジン構造を有する水溶性
高分子を塗工或いは白色顔料中に含有する。 【効果】印字画像濃度は高く、ドット形状は真円で鮮明
性が向上し、更に耐水性、耐光性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性インクを用いた
インクジェット記録方式に使用する記録シートに関し、
更に詳細にはドット形状が真円で印字画像の鮮明性に優
れ、且つ耐水性、耐光性等にも優れたインクジェット記
録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易なことや印字騒音が低いこと等のことから近年
急速に普及しつつある。インクジェット記録方式は、イ
ンクの微小液滴を飛翔して記録シートに付着させ、記録
を行うものであるが、水性インクはインク中に多量の水
及び水溶性有機溶剤を含むため、紙の如き記録シート
は、速やかにインクを吸収することが重要であり、更に
ドットの広がりを抑え、且つドット形状は真円で画像濃
度が高く、鮮明性、耐水性、耐光性等に優れた特性をも
つインクジェット記録シートが要求され、既に数多く提
案されている。
【0003】例えば、紙の如き支持体を使用した上質紙
系インクジェット記録シートの具体的な例としては、特
開昭52−74340号公報では、透気度及びインク吸
収時間を特定範囲にする。特開昭53−49113号公
報では、微粉末状の尿素−ホルマリン樹脂、湿潤強度増
強剤、カチオン澱粉及びジシアンジアミド等のカチオン
性高分子を含有する。特開昭62−206100号公報
では、累積細孔量及び水の動的浸透速度、サイズ度を特
定範囲とし、水・アルコール親和性無機顔料、尿素系顔
料を含有する。特開平6−92007号公報では、3級
アミン又は4級アンモニウム塩基をもつカチオン性高分
子で表面処理した白色顔料を含有、中性ロジンを使用し
て吸水度を特定する。特開平6−183136号公報で
は、特定量の水不溶性・難溶性無機物をパルプ繊維に担
持する。特開平6−219038号公報では、インクの
浸透防止剤を含有し、特定の表面固有抵抗、表面pH及
びブリストウ試験による吸収係数Kαとする等により要
求特性は向上すると記載されているが、ドット形状が真
円でなく、又滲みやすい或いは剛直度が低く搬送性が劣
る等の課題があり十分ではない。
【0004】一方、画像鮮明性に優れるフルカラー用と
して紙の如き支持体にインク受容層として白色顔料層を
設けた塗工紙系インクジェット記録シートの具体的な例
としては、特開昭55−144172号公報では、水性
インクの着色成分を吸着する白色顔料層。特開昭56−
148586号公報では、微粉ケイ酸と非水溶剤可溶性
樹脂を白色顔料層とする。特開昭57−120486号
公報では、特定の比表面積を有する炭酸カルシウムと結
着剤としてヒドロキシエチルセルロースを含有する白色
顔料層。特開昭58−134785号公報では、親水
性、疎水性構造部分を共に有する重合体及び多孔質無機
物を含有する白色顔料層。特開昭60−87089号公
報には、特定の吸油量・粒子径の顔料と顔料凝結助剤及
び結着剤を含む白色顔料層。特開昭61−125878
号公報には、結着剤:アセトアセチル化ポリビニルアル
コール、染料定着剤:カチオン性ジシアンジアミド系樹
脂及び特定の粒子径をもつ顔料を含有する白色顔料層。
特開昭63−49478号公報では、特定の第4級アン
モニウム塩型高分子電解質を含むインク受容層。
【0005】而して特開昭64−75281号公報に
は、アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムク
ロライドを主要モノマーとする共重合体を含む塗工層。
特開平2−188287号公報では、微粒子無水シリカ
及びカチオン性ポリマーを混合した白色顔料層。特開平
3−13376号公報では、白色顔料層中にヒンダード
系化合物とヒンダードアミン系化合物を含有する。特開
平4−320877号公報には、アルミナ水和物とカチ
オン変性ポリビニルアルコールを含有する白色顔料層。
特開平6−158596号公報には、特定の吸油量を有
する顔料とエステル化澱粉及び非水溶性カチオン性ポリ
マーを主成分とする白色顔料層。特開平7−61113
号公報には、インク受容層がポリビニルアセタール樹脂
とカチオン性化合物を含有する。特開平8−23031
0号公報では、インク受容層が水性樹脂と3級アミン塩
及び4級アミン塩を分子内に有する樹脂を含有する等が
記載されており、確かにフルカラー印字した画像は鮮や
かではあるが、インク吸収性が悪く、インクが溢れ、滲
みの発生、解像力の低下又は耐水性、耐光性、耐NOx
性、耐オゾン性等の保存性が劣り、実用的には不十分で
ある。
【0006】又、用途拡大に伴い白色顔料塗工層表面が
鏡面を有するインクジェット記録シートが提案されてお
り、具体的な例としては特開平6−305237号公報
には、水溶性錯塩を含む白色顔料塗工紙をカチオン性樹
脂を含有する再湿潤液で湿潤化後、鏡面仕上げをする。
特開平7−89220号公報、同7−149038号公
報、同7−195824号公報には、特定のカチオン性
樹脂或いはアスコルビン酸を含有する白色顔料層上にエ
チレン性不飽和結合を有するガラス転移点が40℃以上
の重合体を含有する白色顔料塗工紙が湿潤状態にある間
に鏡面仕上げをする。特開平7−101142号公報に
は、特定のコロイド粒子及び合成高分子ラテックスから
成る鏡面層、特開平8−230311号公報には、特定
分子量のカチオン性物質及び高分子物質を含有する鏡面
層等が挙げられるが、印字濃度或いは鏡面光沢が十分で
はない。更に紙の如き支持体の両面に塗工層を設けたイ
ンクジェット記録シートは、例えば特開昭56−148
584号公報に記載されており、代表的な用途は名刺、
葉書用がある。紙の如き支持体の片面にインクジェット
記録層、もう一方の面にラベル用粘着層を設けたインク
ジェット記録シートは、例えば特開平4−341885
号、同6−191145号、同7−17124号、同7
−68924号公報に記載されているが、該記録層の品
質及びラベル適合性が不十分であることから改良要望が
出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水性
インクを用いたインクジェット記録方式に使用する記録
シートのドット形状を真円とすることにより滲み防止、
解像度向上を図り、更に印字濃度、耐水性、耐光性に優
れ、用途拡大に伴う品質要求にも十分に対応できるイン
クジェット記録シートを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は広範な研究
と実験を鋭意進めた結果、紙の如き支持体の表面或いは
白色顔料層にカチオン性乳化剤で乳化されている常温で
固体のワックスエマルジョンと、少なくとも(1)及び
/又は(2)で表される繰り返し単位及び(3)で表さ
れる繰り返し単位を有し、且つ当繰り返し単位の含有比
率が(1)及び/又は(2)が20〜90モル%、
(3)(4)(5)及び(6)の合計が10〜80モル
%である水溶性高分子を塗工或いは含有することにより
目的は達成されるという知見をもって本発明に至った。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】式中、R1、R2、R3、R4は水素原子又は
メチル基を示し、X-は無機又は有機の陰イオン、Yは
COOM、C64SO3M、CH2SO3M、CONHC
(CH32CH2SO3M、Mは無機又は有機の陽イオン
を表す。
【0016】第1の発明は、紙の如き支持体の表面にカ
チオン性乳化剤で乳化されている常温で固体のワックス
エマルジョンと該水溶性高分子を主成分として塗工した
インクジェット記録シートである。本発明に使用するカ
チオン性乳化剤としては、例えば具体的にジメチルアミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアク
リレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、メ
チルエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノ
スチレン、ジエチルアミノスチレン、メチルエチルアミ
ノスチレン等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタアクリレートである。
【0017】本発明に使用する常温で固体のワックスと
しては、例えば具体的にパラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・
トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の石油系
ワックス若しくは石油化学系合成ワックス;カルナウバ
ワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木
ろう等の植物系ワックス;蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等
の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、
セレシン等の鉱物系ワックス;ステアリン酸、ステアリ
ン酸メチルエステル、ステアリン酸アミド、エチレンビ
スステアロアミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛等の高級脂肪酸又はその誘導体等が挙げられ
る。
【0018】本発明に使用する該ワックスを該乳化剤で
乳化して微粒子化する方法としては、例えば具体的に溶
融したワックスと乳化剤を混合した加温水を少しずつ添
加すると、油中水滴型(W/O)の乳化から可溶化の状
態になる。可溶化の状態になると界面張力がゼロとなり
界面がなくなる。更に可溶化の状態へ該加温水を添加す
ると、反転して水中油滴型(O/W)、即ち水系の乳化
界面が生じ微細なワックス粒子を析出する転相乳化法。
又、溶融した該ワックスと加温水との界面に界面張力が
あることから、その界面面積を小さくしようとする力が
働く、該乳化剤を使用して界面張力を下げれば、少ない
機械力でも該ワックスは微粒子になる。この界面張力を
より一層小さくすれば分散媒の水がもつ分子運動により
拡散力が働き、これが界面張力に勝ると自然に乳化して
いく自然乳化法。更には溶融した該ワックスと該乳化剤
を混合した加温水の界面張力が大きくてもこの界面張力
以上の機械力を加えれば、水中でワックスを微粒子化す
ることができる。この機械力とは分散効率の大きいホモ
ミキサー、ホモジナイザーであり、これらを使用した機
械力式乳化法等が挙げられる。
【0019】本発明に使用する該水溶性高分子は、少な
くとも(1)及び/又は(2)で表されるアミジン構造
含有繰り返し単位及び(3)(4)(5)で表されるア
ミノ基含有繰り返し単位を構成成分として有し、且つ該
繰り返し単位の含有比率が(1)及び/又は(2)が2
0〜90モル%、(3)(4)(5)及び(6)の合計
が10〜80モル%の範囲であることが特徴である。
又、該共重合体の製造時には、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸等カルボキシル基を有する単量体又はそ
の金属塩、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン
酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体又
はその金属塩、N−ビニルイミダゾール、4−(又は2
−)ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体等を共重合
させることもできる。本発明の水溶性高分子の製造方法
は特に限定されないが、通常は繰り返し単位(4)及び
(5)を主要構成成分とする共重合体を、水又は/及び
アルコール溶媒中で強酸又は強塩基の存在下加熱するこ
とにより製造される。酸性条件下での製造時の反応過程
をより具体的に述べると、まず繰り返し単位(4)の加
水分解が進行し繰り返し単位(3)が生成する。この反
応条件下、生成した(3)のアミノ基の一部と隣接する
(5)のシアノ基とが反応し、(1)及び/又は(2)
が形成される。繰り返し単位(3)、(1)及び/又は
(2)の生成量及び繰り返し単位(4)、(5)の残存
量は反応温度と反応時間の調節により制御することがで
きる。
【0020】該水溶性高分子が繰り返し単位(4)及び
(5)を主要構成成分とする共重合体の加水分解反応を
通じて製造されたものである請求項1記載のインクジェ
ット記録シートである。
【0021】本発明に使用する該ワックスエマルジョン
と該水溶性高分子の混合比率は、乾燥重量固形分の比率
で該ワックス0.1〜30重量%、該水溶性高分子5〜
30重量%である。
【0022】本発明に使用する該ワックスエマルジョ
ン、該水溶性高分子は、紙の如き支持体との結着性及び
表面強度向上更には塗工適性向上を図るために澱粉、ポ
リビニルアルコール等の結着剤をコンベンショナルサイ
ズプレス、ゲートロールサイズプレス又はメタリングブ
レード方式のサイズプレス、ビルブレード、ショートド
ェルコーター等の方式で片方の面に0.5〜3g/m2
(乾燥重量固形分)塗工して上質紙系インクジェット記
録シートを得る。更にスーパーカレンダー、ソフトカレ
ンダー等の平滑化装置で処理する。
【0023】次に第2の発明として、紙の如き支持体の
表面に設けた白色顔料層中にカチオン性乳化剤で乳化さ
れている常温で固体のワックスエマルジョンを含有した
インクジェット記録シートである。本発明に使用するカ
チオン性乳化剤で乳化されている常温で固体のワックス
エマルジョンは、第1の発明と同様に作成されたもので
ある。本発明のインクジェット記録層とする白色顔料層
は白色顔料、結着剤等が混合されて成り、白色顔料とし
ては、クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、尿素−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ポリスチレン等が挙げられ、1種又は2種以上
混合して使用される。本発明に使用する該ワックスエマ
ルジョンの白色顔料層への混合比率は、白色顔料100
重量部に対して該ワックスエマルジョンを乾燥重量固形
分で0.1〜30重量部であり、好ましくは1〜20重
量部である。0.1重量部未満では印字画像の解像度に
欠け、30重量部を越えると印字濃度の低下が起こる。
【0024】結着剤としては、カゼイン、ゼラチン、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等の天然又は半合成高分子類、ポリビニルアルコー
ル、シリル変性ポリビニルアルコール及びその誘導体、
スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート
−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテック
ス、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合
体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテック
スが挙げられる。
【0025】本発明では所望により、ビス(トリアジニ
ルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、クマリン誘
導体、ピラゾリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ビス
ベンゾオキサゾリル誘導体、ビススチリルビフェニル誘
導体等の蛍光増白剤、脂肪酸石鹸、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル等の湿潤剤、カセ
イソーダ、ケイ酸ソーダ、モノエタノールアミン等のp
H調整剤、ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチルエス
テル、アリルメタノールモノ(ポリ)−ヘミフォルマ
ル、メチロール誘導体とイソチアゾリノンの混合物、2
−フェニルフェノールナトリウム塩等の防腐剤が適宜添
加されて白色顔料層用塗工液と成し、ブレードコータ
ー、エアーナイフコーター、カーテンコーター、バーコ
ーター、グラビアコーター、ロールコーター等の塗工方
式で紙の如き支持体表面に塗工量が2〜30g/m
2(乾燥重量固形分)、好ましくは5〜20g/m2とな
るように塗工・乾燥して白色顔料層を設けてインクジェ
ット記録シートを得る。本発明の白色顔料層は印字画像
の鮮明性及び搬送性等の向上を図るためにスーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等の平滑化装置で処理するこ
とが好ましい。
【0026】そして第3の発明として、本発明の該ワッ
クスエマルジョンを含有する白色顔料層中に、更に該水
溶性高分子が含有されたインクジェット記録シートであ
る。本発明に使用する該水溶性高分子は、第1の発明と
同様に作成されたものである。該水溶性高分子の白色顔
料層への混合比率は白色顔料100重量部に対して該水
溶性高分子5〜30重量部である。特に好ましくは10
〜20重量部である。5重量部未満では水性インクの耐
水性が劣り、30重量部を越えると印字画像の鮮明度が
低下する。第4の発明として、本発明の該ワックスエマ
ルジョン及び該水溶性高分子を含有する白色顔料層を紙
の如き支持体の両面に設けたインクジェット記録シート
を得る。
【0027】更に第5、第6の発明として、第2、第3
の発明の白色顔料層を設けた上層に鏡面用塗工層を設
け、カレンダー処理を施して鏡面仕上げをする。或いは
湿潤塗工層を鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥、
離型することにより、その鏡面を写し取る方式で鏡面を
有するインクジェット記録シートである。本発明に使用
する鏡面用白色顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重
質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、
炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ
ソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミ
ナ、擬ベイマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リ
トポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、スチレン系又はアクリル系
プラスチックピグメント等が挙げられ、1種又は2種以
上混合使用されるが、特に好ましくはコロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナである。
【0028】本発明に使用する鏡面用白色顔料の結着剤
としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉
等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はそ
の誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エ
ステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体
等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル
共重合体等のビニル系重合体ラテックス或いはこれらの
各種重合体のカルボキシル基等の官能基変性重合体ラテ
ックスが挙げられる。
【0029】本発明では所望により、鏡面用塗工層は白
色顔料層と同様の蛍光増白剤、湿潤剤が適宜添加され
て、鏡面用塗工液と成し、ブレードコーター、エアーナ
イフコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラ
ビアコーター、ロールコーター等の塗工方式で紙の如き
支持体に塗工された白色顔料層上に塗工量が1〜30g
/m2(乾燥重量固形分)、好ましくは3〜20g/m2
となるように塗工・乾燥した後、塗工面を加熱されたス
ーパーカレンダーのチルドロール処理を施し、鏡面を有
するインクジェット記録シートを得る。
【0030】第7、第8の発明として、第3、第6の白
色顔料層或いは鏡面層を設けた紙の如き支持体のもう一
方の面にラベル用粘着層を設けたインクジェット記録シ
ートである。本発明に係わる粘着層は、剥離紙の剥離剤
塗工面に粘着剤を設け、粘着剤面と白色顔料層或いは鏡
面層を設けた紙の如き支持体のもう一方の面を重ねて、
プレスロール等で圧着する方法が一般的に行われるが、
紙の如き支持体に粘着剤を塗布して剥離紙と貼り合わせ
ることもできる。粘着剤にはゴム系又はアクリル樹脂系
の粘着剤を使用する。ゴム系の主原料は天然ゴムであ
り、ロジン系樹脂や可塑剤等が混合され、一般的にはノ
ルマルヘキサンを溶媒として塗布する。アクリル樹脂系
の主原料は2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルア
クリレート、エチルアクリレート、アクリル酸、β−ヒ
ドロキシエチルアクリレート等のモノマーを酢酸エチ
ル、トルエン等の有機溶剤中で重合或いは界面活性剤を
使用して水中で乳化重合により製造したエマルジョンを
使用する。
【0031】又、粘着剤の耐燃性や耐溶剤性等の物性を
向上させるために、該原料にイソシアネート系、メラミ
ン系、金属キレート系等の架橋剤を使用して架橋反応さ
せるか、或いはシリカ、カオリン、酸化亜鉛等の白色顔
料、結着剤、石油系樹脂、各種パラフィンワックス、脂
肪酸又はその誘導体、高級アルコール類、シリコーン
類、更に所望により帯電防止剤、酸化防止剤を適宜混合
して粘着剤用塗工液と成し、ブレードコーター、エアー
ナイフコーター、カーテンコーター、バーコーター、グ
ラビアコーター、ロールコーターの他、スロットノズ
ル、スロットダイ、ロータリースクリーンプリンター、
ホットメルトホイール、スパイラルスプレー等の塗工方
式で白色顔料層或いは鏡面層を設けたもう一方の面或い
はシリコーン樹脂を塗工した上質紙、クラフト紙、グラ
シン紙、プラスチックフィルム等の剥離紙のシリコーン
樹脂層上に8〜30g/m2(乾燥重量固形分)となる
ように塗工・乾燥した後、プレスロールで貼り合わせて
ラベル用粘着層を有するインクジェット記録シートを得
る。
【0032】更には第9、第10の発明として、第3、
第6の白色顔料層或いは鏡面層を設けた紙の如き支持体
のもう一方の面に通常の状態では接着性、粘着性共に示
さず、接着剤の塗工面同士を対向させて加圧することに
より、剥離可能に接着し得る感圧接着層を設けたインク
ジェット記録シートである。本発明に使用する感圧接着
剤は、剥離可能な感圧接着剤と剥離不能な感圧接着剤に
分けられるが、これらの接着性の制御は配合上からも塗
工量の制御からも可能である。これらの感圧接着剤に使
用するベースポリマーとしては、天然ゴム、変性天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム等の合成ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、
塩化ビニリデン樹脂等の溶液或いはエマルジョンであ
り、特に好ましくはアクリル酸エステル樹脂である。本
発明では接着性を制御するため、シリカ、カオリン、炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
亜鉛、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、
澱粉粒子等を混合する。
【0033】本発明に使用する感圧接着剤には、粘着付
与剤としてロジン系樹脂及びその誘導体、テルペン系樹
脂、クマロインデン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキル
フェノール樹脂、石油系樹脂等を接着性、耐ブロッキン
グ性、耐燃性を損なわない範囲で混合する。又、剥離性
を制御するためにパラフィンワックス、脂肪酸又はその
誘導体、高級アルコール類、金属石鹸類、シリコーン樹
脂類等の離型剤を使用する。更に所望により、帯電防止
剤、増粘剤、紫外線吸収剤等を適宜混合して、感圧接着
剤用塗工液と成し、エアーナイフコーター、カーテンコ
ーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコー
ター等の塗工方式で白色顔料層或いは鏡面層を設けたも
う一方の面に塗工量が3〜20g/m2(乾燥重量固形
分)、好ましくは5〜10g/m2となるように塗工・
乾燥し、感圧接着性を有するインクジェット記録シート
を得る。本発明のインクジェット記録シートは、紙以外
に紙の両面をポリオレフィン系樹脂で被覆した合成樹脂
被覆紙、フィルム等の支持体に塗工しても本発明の目的
は達成される。
【0034】
【実施例】以下、最も代表的な実施例により本発明の好
適態様とその優れた効果を具体的に説明する。尚、以下
の部はすべて重量部であり、%はすべて重量%である。
【0035】 実施例1〜実施例5 〔紙支持体の作成〕 LBKP 80部 NBKP 20部 タルク 5部 ロジンエマルジョンサイズ 0.5部 (ディックハーキュレス製:ニューホー100) 硫酸バンド 3部 両性澱粉 0.5部 (王子ナショナル製:Cato3210)上記配合の1
%スラリーをTAPPIスタンダードマシンで抄造し、
得られた湿紙を5Kg/cm2でプレスし、次いで90
℃で2分間乾燥し、坪量80g/m2の紙支持体を作成
した。
【0036】 〔25%パラフィンワックスエマルジョン(A)の作成〕 パラフィンワックス(融点48℃) 25部 ジメチルアミノエチルアクリレート 10部 イソプロピルアルコール 2部 ブチルセロソルブ 3部 水 60部 上記配合を全量容器に入れて加熱し、温度80〜90℃
の範囲内でホモジナイザーにより高速攪拌して平均粒子
径が0.1〜0.3μmとなるように乳化後、室温まで
冷却してカチオン性乳化剤による25%パラフィンワッ
クスエマルジョン(A)を作成した。
【0037】
【表1】
【0038】攪拌機、窒素導入管、コンデンサーを備え
た反応装置に表1に示すような組成で単量体20g、脱
塩水130gを仕込んだ。窒素ガス気流中下、60℃に
昇温後30分保持した後、2.2’−アゾビスアミジノ
プロパン2塩酸塩の10%水溶液0.2gを添加し、攪
拌下60℃で4時間保持、水中に重合体が析出した懸濁
物を得た。尚、重合度調節のため連鎖移動剤として2−
メルカプトエタノールを重合体No.1、No.2では
単量体0.8%、No.3、No.4、No.5では
0.2%重合時に添加した。該懸濁物に重合体中のホル
ミル基に対して表1に示す当量の塩酸を添加して攪拌し
ながら90℃で4時間保持し重合体をアミジン化した。
得られた重合体の溶液をアセトン中に添加し、析出せし
め、これを乾燥して固体状重合体No.1〜No.5を
作成した。
【0039】 〔上質紙系インクジェット記録シートの作成〕 25%パラフィンワックスエマルジョン(A) 8部 30%重合体No.1水溶液 20部 10%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−117)水溶液 20部 水 52部 上記配合をインクジェット記録紙用塗工液と成し、ゲー
トロールサイズプレスで坪量80g/m2紙支持体のオ
モテ面に塗工量が2g/m2(乾燥重量固形分)となる
ように塗工・乾燥した後、スーパーカレンダー処理して
上質紙系インクジェット記録シートを得て実施例1とし
た。実施例1の重合体No.1を重合体No.2に同量
置き換えた以外は同様の方法で上質紙系インクジェット
記録シートを得て実施例2とし、以下、同様の方法で重
合体No.3(実施例3)、重合体No.4(実施例
4)、重合体No.5(実施例5)の上質紙系インクジ
ェット記録シートを得た。
【0040】実施例6 〔塗工紙系インクジェット記録シートの作成〕40%ポ
リアクリル酸ナトリウム(東亜合成化学工業(株)製:
T−40)水溶液1.25部を混合した水430部に合
成非晶質シリカ(徳山曹達(株)製:ファインシールX
−37B)100部を攪拌しながら除々に添加・分散
後、10%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製:P
VA−117)水溶液300部、25%パラフィンワッ
クスエマルジョン(A)40部を順次・添加して白色顔
料層用塗工液と成し、エアーナイフコーターで実施例1
で抄造した坪量80g/m2紙支持体のオモテ面に塗工
量が8g/m2(乾燥重量固形分)となるように塗工・
乾燥して白色顔料層を設けた後、スーパーカレンダー処
理して塗工紙系インクジェット記録シートを得た。
【0041】実施例7 〔塗工紙系インクジェット記録シートの作成〕実施例6
に30%重合体No.1水溶液60部を添加して白色顔
料用塗工液とした以外は同様の方法で塗工紙系インクジ
ェット記録シートを得た。
【0042】実施例8 〔両面インクジェット記録シートの作成〕実施例7の白
色顔料層用塗工液を実施例1で抄造した坪量80g/m
2紙支持体のオモテ面、次いでウラ面にエアーナイフコ
ーターで塗工量が8g/m2(乾燥重量固形分)となる
ように順次塗工・乾燥して白色顔料層を設けた後、スー
パーカレンダー処理して両面塗工インクジェット記録シ
ートを得た。
【0043】実施例9 〔鏡面インクジェット記録シートの作成〕実施例6の白
色顔料層用塗工液を実施例1で抄造した坪量80g/m
2紙支持体のオモテ面にエアーナイフコーターで塗工量
が12g/m2(乾燥重量固形分)となるように塗工・
乾燥して白色顔料層を設けて鏡面下塗り層とした。次い
で20%コロイダルシリカ(日産化学(株)製:スノー
テックス−20、粒子径20mμ)500部と50%ス
チレンブタジエン共重合体(日本合成ゴム(株)製:0
693)ラテックス10部を混合して鏡面用塗工液とし
てエアーナイフコーターで該下塗り層上に塗工量が5g
/m2(乾燥重量固形分)となるように塗工・乾燥した
後、この塗工面を表面温度50℃のスーパーカレンダー
チルド面(線圧100kg/cm)処理して鏡面インク
ジェット記録シートを得た。
【0044】実施例10 〔鏡面インクジェット記録シートの作成〕実施例9の白
色顔料層用塗工液を実施例7の白色顔料層用塗工液とし
た以外は同様の方法で鏡面インクジェット記録シートを
得た。
【0045】実施例11 〔ラベル用粘着層を有する上質紙系インクジェット記録
シートの作成〕実施例1の上質紙系インクジェット記録
をラベル用粘着層用の上質紙系インクジェット記録シー
トとした。ついでグラシン紙に30%シリコーンポリマ
ー(東芝シリコーン(株)製:TPR6700)溶液を
グラビアコーターで塗工量が1.0g/m2(乾燥重量
固形分)となるように塗工・乾燥した後、該シリコーン
塗工層上に粘着剤である60%ポリアクリル酸エステル
重合体(大日本インキ化学工業(株)製:VONCOA
T PS−378)エマルジョンをゲラビアコーターで
塗工量が20g/m2(乾燥重量固形分)となるように
塗工・乾燥し、該粘着層と該ラベル用インクジェット記
録シートのウラ面とをプレスロールで貼り合わせてラベ
ル用粘着層を有する上質紙系インクジェット記録シート
を得た。
【0046】実施例12 〔ラベル用粘着層を有する塗工紙系インクジェット記録
シートの作成〕実施例7の塗工紙系インクジェット記録
シートをラベル用粘着層用の塗工紙系インクジェット記
録シートとした以外は実施例11と同様の方法でラベル
用粘着層を有する塗工紙系インクジェット記録シートを
得た。
【0047】実施例13 〔ラベル用粘着層を有する鏡面インクジェット記録シー
トの作成〕実施例10の鏡面インクジェット記録シート
をラベル用粘着層用の鏡面インクジェット記録シートと
した以外は実施例11と同様の方法でラベル用粘着層を
有する鏡面インクジェット記録シートを得た。
【0048】実施例14 〔感圧接着層を有する上質紙系インクジェット記録シー
トの作成〕実施例1の上質紙系インクジェット記録シー
トを感圧接着層用の上質紙系インクジェット記録シート
とした。次いで水250部を攪拌しながら合成非晶質シ
リカ(日本シリカ工業(株)製:ニップシールE−20
0)40部、平均粒子径10μmの小麦澱粉45部を順
次・分散した後、53%カルボキシ変性アクリル酸エス
テル重合体(日本合成ゴム(株)製:AE924)エマ
ルジョン130部を混合して感圧接着層用塗工液と成
し、該上質紙系インクジェット記録シートのウラ面にエ
アーナイフコーターで塗工量が10g/m2(乾燥重量
固形分)となるように塗工・乾燥して感圧接着層を有す
る上質紙系インクジェット記録シートを得た。
【0049】実施例15 〔感圧接着層を有する塗工紙系インクジェット記録シー
トの作成〕実施例7の塗工紙系インクジェット記録シー
トを感圧接着層用の塗工紙系インクジェット記録シート
とした以外は実施例14と同様の方法で感圧接着層を有
する塗工紙系インクジェット記録シートを得た。
【0050】実施例16 〔感圧接着層を有する鏡面インクジェット記録シートの
作成〕実施例10の鏡面インクジェット記録シートを感
圧接着層用の鏡面インクジェット記録シートとした以外
は実施例14と同様の方法で感圧接着層を有する鏡面イ
ンクジェット記録シートを得た。
【0051】比較例1 〔上質紙系インクジェット記録シートの作成〕8%酸化
澱粉(日本食品加工(株)製:MS3800)水溶液を
ゲートロールサイズプレスで実施例1の坪量80g/m
2紙支持体のオモテ面に塗工量が2g/m2(乾燥重量固
形分)となるように塗工・乾燥した後、スーパーカレン
ダー処理して上質紙系インクジェット記録シートを得
た。
【0052】比較例2 〔塗工紙系インクジェット記録シートの作成〕実施例6
の25%パラフィンワックスエマルジョン(A)40部
を除いて白色顔料層用塗工液と成した以外は同様の方法
で塗工紙系インクジェット記録シートを得た。
【0053】 比較例3 〔25%パラフィンワックスエマルジョン(B)の作成〕 パラフィンワックス(融点48℃) 25部 ステアリン酸 2部 モノエタノールアミン 1部 水 72部 上記配合を実施例1と同様の方法で乳化して25%パラ
フィンワックスエマルジョン(B)を作成した。 〔塗工紙系インクジェット紙の作成〕実施例6の25%
パラフィンワックスエマルジョン(A)を25%パラフ
ィンワックスエマルジョン(B)に同量置き換えて白色
顔料層用塗工液と成した以外は同様の方法で塗工紙系イ
ンクジェット記録シートを得た。
【0054】比較例4 〔塗工紙系インクジェット記録シートの作成〕比較例3
に30%ジメチルアミノプロピルアクリルアミド水溶液
60部を添加して白色顔料層用塗工液と成した以外は同
様の方法で塗工紙系インクジェット記録シートを得た。
【0055】比較例5 〔鏡面インクジェット記録シートの作成〕比較例4の白
色顔料層用塗工液を実施例1で抄造した坪量80g/m
2紙支持体のオモテ面にエアーナイフコーターで塗工量
が12g/m2(乾燥重量固形分)となるように塗工・
乾燥して白色顔料層を設けて鏡面下塗り層とした以外は
実施例9と同様の方法で鏡面インクジェット記録シート
を得た。
【0056】評価方法 〔インクジェット記録シートの印字濃度〕キャノン
(株)製インクジェットプリンターBJC420Jで印
字したブラック単色ベタ画像部の光学濃度をマクベス濃
度計RD918で測定した。数値は大きい方が濃度は高
く優れていることを示す。 〔インクジェット記録シートの印字画像の鮮明性〕キャ
ノン(株)製インクジェットプリンターBJC420J
で印字したブラック、シアン、マゼンタ、イエローのベ
タ画像部の鮮やかさを目視判定した。◎印は非常に優れ
る。○印は優れる。△印は標準。×印は劣る。 〔インクジェット記録シートの耐水性〕エプソン(株)
製インクジェットプリンターMJ5000Cで印字した
シアン、マゼンタのベタ画像境界部を水中に5分間浸積
・自然乾燥後、その境界部の滲み具合いを目視判定し
た。○印は滲みは殆どない。△印は少し滲んでいる。×
印は滲みがひどい。
【0057】〔インクジェット記録シートの耐光性〕エ
プソン(株)製インクジェットプリンターMJ700V
2Cで印字したマゼンタのベタ画像部を5000Lx
蛍光灯120時間照射後、そのベタ画像部の光学濃度を
マクベス濃度計RD918で測定し、下記式により耐光
性(%)を求めた。 〔鏡面インクジェット記録シートの光沢度〕JIS Z
8741に基づき、白紙部の75℃鏡面光沢度を光沢計
(日本電色工業(株)製VGS1001DP)で測定し
た。数値は大きい方が優れている。
【0058】以上の評価結果をまとめて表2に示した。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明から明かなように、紙の如き支持
体に該ワックスエマルジョンと該水溶性高分子を塗工或
いは白色顔料層中に含有することにより、印字画像の濃
度及び鮮明性更には耐水性、耐光性等に優れ、その優れ
た効果は上質紙系、塗工紙系インクジェット記録シート
以外の用途拡大に伴い、両面に白色顔料層を設けた両面
インクジェット記録シート、白色顔料層を下塗り層とし
た鏡面インクジェット記録シート、更にはラベル用、感
圧接着用インクジェット記録シートにも応用できた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の如き支持体にカチオン性乳化剤で乳
    化されている常温で固体のワックスエマルジョンと、少
    なくとも(1)及び/又は(2)で表される繰り返し単
    位を有し、且つ当該繰り返し単位の含有比率が(1)及
    び/又は(2)が20〜90モル%、(3)(4)
    (5)及び(6)の合計が10〜80モル%である水溶
    性高分子が塗工されていることを特徴とするインクジェ
    ット記録シート。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 式中、R1、R2、R3、R4は水素原子又はメチル基を示
    し、X-は無機又は有機の陰イオン、YはCOOM、C6
    4SO3M、CH2SO3M、CONHC(CH32CH
    2SO3M、Mは無機又は有機の陽イオンを表す。
  2. 【請求項2】 水溶性高分子が、繰り返し単位(4)及
    び(5)を主要成分とする共重合体の加水分解反応を通
    じて製造されるものである請求項1記載のインクジェッ
    ト記録シート。
  3. 【請求項3】 紙の如き支持体に白色顔料層を設けて成
    るインクジェット記録シートにおいて、白色顔料層に該
    ワックスエマルジョンが含有されていることを特徴とす
    るインクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 紙の如き支持体に白色顔料層を設けて成
    るインクジェット記録シートにおいて、白色顔料層に該
    ワックスエマルジョンと該水溶性高分子が含有されてい
    るインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 該ワックスエマルジョンと該水溶性高分
    子の混合比率が、白色顔料100重量部に対して該ワッ
    クスエマルジョン0.1〜30重量部、該水溶性高分子
    5〜30重量部である請求項4記載のインクジェット記
    録シート。
  6. 【請求項6】 該ワックスエマルジョンと該水溶性高分
    子を含有する白色顔料層を両面に設けて成る請求項4記
    載のインクジェット記録シート。
  7. 【請求項7】 該ワックスエマルジョンを含有する白色
    顔料層上に鏡面層を設けて成るインクジェット記録シー
    ト。
  8. 【請求項8】 該ワックスエマルジョンと該水溶性高分
    子を含有する白色顔料層上に鏡面層を設けて成るインク
    ジェット記録シート。
  9. 【請求項9】 該ワックスエマルジョンと該水溶性高分
    子を含有する白色顔料層或いはその白色顔料層上に鏡面
    を設け、更にもう一方の面にラベル用粘着層を順次設け
    た請求項4、8記載のインクジェット記録シート。
  10. 【請求項10】 該ワックスエマルジョンと該水溶性高
    分子を含有する白色顔料層或いはその白色顔料層上に鏡
    面を設け、更にもう一方の面に通常の状態では接着性、
    粘着性共に示さず、接着剤の塗布面同士を対向させて加
    圧することにより、剥離可能に接着し得る感圧接着層を
    順次設けた請求項4、8記載のインクジェット記録シー
    ト。
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