JP2001277703A - インクジェット記録シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】印字面質に優れ、カラー写真と同等の高品位な
画像を有し、更にインク裏抜け及びコックリングのない
インク受容層を設けたインクジェット記録シート及び中
間層を設けた積層型又は鏡面を有するインクジェット記
録シートを提供する。 【解決手段】アプリケーターロールの中心とメタリング
バーの中心が、水平位置からアプリケーターロールの上
側に角度３０゜までの位置にメタリングバーを付設した
エアーナイフコーターで、多孔質白色顔料と接着剤とし
てポリビニルアルコールを主成分とするずり速度（γ）
１８０００／秒・印加時におけるみかけ粘度（η）が３
０〜１２０ｍＰａ・Ｓのインク受容層用塗液及び中間層
用塗液をウェブ状支持体上に塗工する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明に属する技術分野】本発明は水性インクを用いた
インクジェット記録方式に使用する記録シートに関し、
更に詳細には印字画像の面質に優れたインクジェット記
録シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット記録はインクの微小液滴
を種々の作動原理により飛翔させて紙の如き支持体の記
録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うもので
あるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の
利点を有している。この方式で従来から問題となってい
たノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク
及び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等様々な分野に
急速に普及している。

【０００３】インクジェット記録方式では、通常、水性
インクが使用されており、インクジェット記録用紙に付
着したインクは速やかに吸収されることが必要である。
即ち、複数のインクノズルを用いるカラーインクジェッ
トプロセスの場合、先に飛翔されたインク微小液滴は次
のインク微小液滴が飛翔される前に用紙面に吸収されて
いることが必要であり、この点からインクジェット記録
用紙はインク吸収性が高いことが要求されている。

【０００４】しかし印字濃度の高い鮮明な画像を得るた
めには、インク中の染料をインクジェット記録用紙面に
定着させ、水、溶媒等のビヒクルのみを用紙中に浸透さ
せることが望まれる。このような観点から、紙の如き支
持体の密度、透気度、サイズ度等を調整して使用されて
いるが、これらの調整だけでは不十分であり、又印字画
像の耐水性が劣ることから、紙の如き支持体上に白色顔
料とその結着剤である水溶性高分子を主成分としたイン
ク受容層を設けることにより向上するが、特に白色顔料
を合成非晶質シリカ、水溶性高分子がポリビニルアルコ
ール及び／又はシラノール変性ポリビニルアルコールと
して使用することにより印字画像濃度及び鮮明性の優
れ、更に耐水性も顕著に向上する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、合成非晶質
シリカは比表面積が大きく、流動性のある塗液に調整す
るには多量の水を必要とすることから、低固形分濃度の
塗液に適し、安定的に長時間塗工できるエアーナイフコ
ーターが一般的であり、現在も使用されている。エアー
ナイフコーターはアプリケーターロールで塗液をウェブ
状支持体に転移し、バックアップロール上でエアーナイ
フのスリットから吹き出す空気流によって塗液表面を平
坦にし、或いは過剰の液を吹き落として塗工量を計量す
る方式である。

【０００６】エアーナイフコーターで使用する合成非晶
質シリカ含有塗液の固形分濃度は通常２０％以下でＢ形
粘度３０〜４００ｍＰａ・Ｓであるが、塗液に使用する
合成非晶質シリカの粒子径、吸油量及びポリビニルアル
コールの重合度、添加量によって粘度変化は大きく、流
動性も異なる。一方、粘度の低い塗液はコーター速度と
アプリケーターロール速度の関係はあまりなく良好な塗
工面質が得られるが、粘度の高い塗液ではコーター速度
とアプリケーターロール速度を随時調節しなければ優れ
た塗工面質は得られない。更に塗層強度向上及びインク
吸収性と印字ベタ画像部の品質向上を図るためにポリビ
ニルアルコールを多く使用した塗液では粘度が高くな
る。

【０００７】粘度が高い塗液はアプリケーターロールへ
の付着量が多くなり、紙に転移させてもアプリケーター
ロールに残る塗液は多くなってくる。塗液の粘度が低い
場合には、アプリケーターロールに残る塗液とカラーパ
ン中の塗液は容易に混合し、アプリケーターロール上で
均一な液面となる。しかし粘度が高い塗液の場合、アプ
リケーターロールに残る塗液とカラーパン中の塗液は容
易に混合せずに、アプリケーターロール上で部分的に不
均一な厚さをもつ液面となり、ウェブ状支持体に転移さ
せた時、突発的に不均一な厚さをもつ塗液が紙に転移
し、塗工面が部分的に波状のパターンが発生する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明者等は広範な研究
と実験を鋭意進めた結果、アプリケーターロールの中心
とメタリングバーの中心が、水平位置から上側に角度３
０゜までの位置にメタリングバーを付設したエアーナイ
フコーターを用い、多孔質白色顔料と接着剤としてポリ
ビニルアルコールを主成分とする、ずり速度（γ）１８
０００／秒・印加時におけるみかけ粘度（η）が３０〜
１２０ｍＰａ・Ｓのインク受容層用塗液を、ウェブ状支
持体の片面又は両面に塗工してなるインクジェット記録
シートにより達成することができた。

【０００９】また、本発明は、アプリケーターロールの
中心とメタリングバーの中心が、水平位置から上側に角
度３０゜までの位置にメタリングバーを付設したエアー
ナイフコーターを用い、多孔質白色顔料と接着剤として
ポリビニルアルコールを主成分とする、ずり速度（γ）
１８０００／秒・印加時におけるみかけ粘度（η）が３
０〜１２０ｍＰａ・Ｓのインク中間層用塗液を、ウェブ
状支持体に塗工し、該中間層上にインク受容層を積層し
て設けた積層型インクジェット記録シートにより達成で
きた。好ましくは、該中間層上に鏡面を発現するインク
受容層を積層して設けた積層型インクジェット記録シー
トである。

【００１０】本発明は、該多孔質白色顔料が活性白土及
び／又は合成非晶質シリカであることが好ましく、ま
た、該活性白土及び／又は非晶質シリカがＪＩＳ．Ｋ５
１０１法に定める吸油量で９０〜３００ｍｌ／１００ｇ
であり、コールターカウンターで測定した平均粒子径が
２．１〜１２．０μｍであることが好ましい。さらに、
該ポリビニルアルコールがケン化度９８．０モル％以上
であり、重合度が１０００〜２４００のポリビニルアル
コール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールで
あることが好ましい。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明は、アプリケーターロール
の中心とメタリングバーの中心が、水平位置から上側に
角度３０゜までの位置にメタリングバーを付設したエア
ーナイフコーターを用い、多孔質白色顔料と接着剤とし
てポリビニルアルコールを主成分とする、ずり速度
（γ）１８０００／秒・印加時におけるみかけ粘度
（η）が３０〜１２０ｍＰａ・Ｓのインク受容層用塗液
を、ウェブ状支持体の片面又は両面に塗工し、インクジ
ェット記録シートを製造できる。

【００１２】アプリケーターロールの直径は２００〜３
００ｍｍ、メタリングバーの直径は２０〜１５０ｍｍで
あるが、メタリングバーの直径はコーター巾により大き
く異なるが、本発明では、アプリケーターロール直径２
５０ｍｍに付設するメタリングバーの直径は、好ましく
は１００〜１２５ｍｍである。メタリングバーの付設位
置は、アプリケーターロールの中心とメタリングバーの
中心が水平となる位置から、アプリケーターロールの中
心よりメタリングバーの中心が上側に角度３０゜までの
位置に付設される。この角度が３０゜を越えると、ウェ
ブ支持体の未塗工部分とメタリングバーが接触し、ウェ
ブ状支持体では紙粉発生の原因となる。

【００１３】メタリングバーの材質としては、ステンレ
ス、クロムメッキ、アルミニウム、鉄等が挙げられる
が、本発明では腐食防止、高平滑性を出すために鉄にク
ロムメッキしたメタリングバーが好ましい様態である。
アプリケーターロールとメタリングバーのギャップ巾は
０．１〜１．５ｍｍの範囲で使用されるが、好ましくは
０．４〜１．０ｍｍであり、特に好ましくは０．５〜
０．７ｍｍである。０．１ｍｍ未満では塗工量が少な
く、１．５ｍｍを越えると塗工面質が低下する。

【００１４】本発明においてみかけ粘度（η）及びずり
速度（γ）は下記数１〜３で求められる。

【数１】η＝τ／γ η:みかけ粘度(ｍＰａ・ｓ)、τ：ずり応力（ｍＰａ・
ｓ）、γ：ずり速度（１／ｓｅｃ）

【００１５】

【数２】τ＝３Ｍ／２πｒ³ Ｍ：回転トルク（Ｎ−ｍ）、ｒ：コーンの半径（ｍ）

【００１６】

【数３】γ＝ψ／φ ψ：コーンの角速度（ｒａｄ／ｓｅｃ）、 φ：コーンの角度（ｒａｄ）

【００１７】本発明において、インク受容層である塗工
層に含まれる多孔質白色顔料としては、例えば焼成カオ
リン、酸性白土、ベントナイト、活性白土、合成非晶質
シリカ等が挙げられるが、特に活性白土及び／又は合成
非晶質シリカが好ましく、更にＪＩＳ Ｋ５１０１法で
定める吸油量が９０〜３００ｍｌ／１００ｇであり、且
つコールターカウンターで測定した平均粒子径が２．１
〜１２．０μｍの合成非晶質シリカが好ましい。ＪＩＳ
Ｋ５１０１法に定める吸油量が９０ｍｌ／１００ｇ未
満では印字濃度及び画像の鮮明性に欠け、３００ｍｌ／
１００ｇを越えると塗液の調製が困難となり、塗工面質
の低下にもつながる。本発明で使用する合成非晶質シリ
カの分散剤はピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ポリアクリル
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、
モノエタノールアミン等が挙げられ、１種又は２種以上
を混合して使用するが、特に好ましくはポリアクリル酸
ナトリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウムであ
る。

【００１８】本発明に使用するポリビニルアルコールの
ケン化度は９８．０モル％以上であり、重合度が１００
０〜２４００のポリビニルアルコール、またはシラノー
ル変性ポリビニルアルコールであり、該白色顔料に対し
て１０〜１００重量％、特に塗層強度、インク吸収性及
び印字ベタ画像濃度のバランスを取る上で好ましくは１
５〜６０重量％含有する。該ポリビニルアルコールのケ
ン化度が９８．０モル％以下、或いは重合度１０００未
満及び添加量が１０重量％未満では、ずり速度（γ）１
８０００／秒・印加時におけるみかけ粘度（η）が３０
ｍＰａ・Ｓ以下となり、目標とする塗工量が得られず、
又塗層強度の低下が発生する。一方、該ポリビニルアル
コールの重合度２４００を越える、或いは添加量が１０
０重量部を越えると塗液の調製も難しく、又ずり速度
（γ）１８０００／秒・印加時におけるみかけ粘度
（η）が１２０ｍＰａ・Ｓを越えてしまいエアーナイフ
塗工適性が低下し、面質低下にもつながる。

【００１９】本発明では所望により、ラテックス系接着
剤であるスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタク
リレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体
ラテックス、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテック
ス或いはこれら各種重合体のカルボキシル基等の官能基
変性重合体ラテックスを使用する。好ましくはエチレン
−酢酸ビニル共重合体ラテックスであり、添加量は特に
制約はないが、品質に悪影響を及ばさない範囲で使用す
る。

【００２０】本発明の多孔質白色顔料と接着剤としてポ
リビニルアルコールを主成分とするインク受容層である
塗工層は、一段の印字濃度向上、画像鮮明性向上、画像
耐水・耐光性向上を図る為に各種のインク定着剤、ドッ
ト調整剤が含有される。インク定着剤としては、例えば
尿素−ホルムアルデヒド樹脂、シアナミド−ホルムアル
デヒド樹脂、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド樹
脂、ポリアルキレンポリアミン−ジシアンジアミド縮合
物、ホリムアルデヒド−芳香族アミン縮合物、Ｎ−
（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）
（メタ）アクリルアミド、Ｎ−（１，１−ジメチル−３
−ジメチルアミノブチル）（メタ）アクリルアミド、Ｎ
−（１−ジメチル−１，３−ジフェニル−３−ジエチル
アミノプロピル）（メタ）アクリルアミド、Ｎ−（３−
ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリルアミド、Ｎ
−（２−ジメチルアミノエチル）（メタ）アクリルアミ
ド、Ｎ−（４−ジメチルアミノブチル）（メタ）アクリ
ルアミド、Ｎ−ビニルイミダゾール、２−メチル−Ｎ−
ビニルイミダゾール、ビニル−３−ジメチルアミノプロ
ピルエーテル、ビニル−２−ジメチルアミノエチルエー
テル、ビニル−４−ジメチルアミノブチルエーテル、イ
ソプロペニル−３−ジメチルアミノプロピルエーテル、
イソプロペニル−２−ジメチルアミノエチルエーテル、
アリル−３−ジメチルアミノプロピルエーテル、アリル
−２−ジメチルアミノエチルエーテル、アリル−４−ジ
メチルアミノブチルエーテル、アリルジメチルアミン、
メタアリルジメチルアミン及びこれらのハロゲン化アル
キル、とりわけ塩化メチル或いは塩化エチル又はジメチ
ル硫酸、ｐ−トルエンスルホン酸メチル等を四級化した
単量体、更にジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げ
られる。

【００２１】本発明で使用できるドット調整剤として
は、例えば強化ロジンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、
エマルジョン型サイズ剤、アルケニル無水コハク酸型合
成サイズ剤、アルキルケテンダイマー等の反応性サイズ
剤、自己定着型のカチオン性樹脂サイズ剤、ワックスエ
マルジョン、シリコン類、或いは接着剤で使用する各種
ラテックス等が挙げられる。

【００２２】更に、本発明では所望により、ビス（トリ
アジニルアミノ）スチルベンジスルホン酸誘導体、クマ
ルン誘導体、ピラゾリン誘導体、ナフタルイミド誘導
体、ビスベンゾオキサゾリン誘導体、ビススチリルビフ
ェニル誘導体等の蛍光増白剤；脂肪酸石鹸、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等
の湿潤剤；ベンツイミダゾリルカルバミン酸メチルエス
テル、アリルメタノールモノ（ポリ）ヘミフォマル、メ
チロール誘導体とイソチアゾリノンの混合物、２−フェ
ニルフェノールナトリウム塩等の防腐剤が適宜添加され
て、ずり速度（γ）１８０００／秒・印加時におけるみ
かけ粘度（η）が３０〜１２０ｍＰａ・Ｓのインク受容
層用塗工液に調整でき、アプリケーターロールの中心と
メタリングバーの中心が、水平位置から、アプリケータ
ーロールの中心より上側に角度３０゜までの位置にメタ
リングバーを付設したエアーナイフコーターで、ウェブ
状支持体の片面に塗工量が３〜２０ｇ／ｍ²（乾燥固形
分重量）、好ましくは８〜１２ｇ／ｍ²となるように塗
工・乾燥してインクジェット記録シートを得る。また、
両面に塗布する場合は、同様に順次塗工・乾燥して両面
インクジェット記録シートを得る。本発明のインク受容
層は高平滑な面質となっているが、より一段の高品位画
像を得るためにスーパーカレンダー、ソフトカレンダー
等の平滑化装置で処理することが好ましい。

【００２３】本発明の中間層は、アプリケーターロール
の中心とメタリングバーの中心位置が、水平位置から、
アプリケーターロールの中心より上側に角度３０゜まで
の位置に、メタリングバーを付設したエアーナイフコー
ターを用い、多孔質白色顔料と接着剤としてポリビニル
アルコールを主成分とするずり速度（γ）１８０００／
秒・印加時におけるみかけ粘度（η）が３０〜１２０ｍ
Ｐａ・Ｓの中間層用塗液をウェブ状支持体上に、塗工量
が３〜２０ｇ／ｍ²（乾燥固形分重量）、好ましくは５
〜１５ｇ／ｍ²となるように塗工・乾燥して得る。中間
層上にインク受容層を積層塗工してインク吸収性に優
れ、更にコックリングの非常に少ない積層型インクジェ
ット記録シートが得られる。

【００２４】本発明の中間層用塗工液に好ましい多孔質
白色顔料としては、ＪＩＳ Ｋ５１０１法に定める吸油
量が９０〜３００ｍｌ／１００ｇの酸性白土、ベントナ
イト、活性白土、合成非晶質シリカ等が挙げられ、１種
又は２種以上混合して、特に好ましくは活性白土、合成
非晶質シリカを使用する。接着剤は、ポリビニルアルコ
ール、またはラテックスを１種又は２種以上混合して使
用するが、特に好ましくはケン化度９８．５モル％以上
で重合度が１０００〜２４００のポリビニルアルコー
ル、または、シラノール変性ポリビニルアルコールであ
り、該多孔質白色顔料に対して１〜５０重量％、特に好
ましくは５〜３０重量％含有することにより優れた塗工
面質が得られる。

【００２５】本発明の積層型インクジェット記録シート
用塗工液は該中間層、インク受容層の何れか一方、或い
は両方にインク定着剤、ドット調整剤が含有されるが、
好ましくはインク受容層に含有した方がインク定着性、
画像耐光性、画像鮮明性等の品質に優れている。本発明
の中間層上に設けるインク受容層の塗工方式は特に制約
はないが、例えば、カーテンコーター、エアーナイフコ
ーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコー
ター等で塗工量が３〜１５ｇ／ｍ²（乾燥固形分重
量）、好ましくは５〜１０ｇ／ｍ²となるように塗工・
乾燥して積層型インクジェット記録シートを得る。本発
明のインク受容層は高平滑な面質となっているが、より
一段の高品位画像を得るためにスーパーカレンダー、ソ
フトカレンダー等の平滑化装置で処理することが好まし
い。

【００２６】更に本発明は、本発明の中間層上に、鏡面
を発現するインク受容層を設け、印字画像に光沢があ
り、面質、画像共に最高品位をもつ鏡面を有する積層型
インクジェット記録シートを得ることができる。

【００２７】本発明の鏡面発現層は、白色顔料、接着
剤、インク定着剤、ドット調整剤を主成分とするが、白
色顔料としては、例えばタルク、カオリン、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチ
ンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシ
リカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アル
ミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロ
イサイト、水酸化マグネシウム等の無機系白色顔料；ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレート等のプラ
スチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機
系白色顔料が挙げられ、１種又は２種以上混合して使用
されるが、特に好ましくはコロイダルシリカ、コロイダ
ルアルミナである。

【００２８】本発明の鏡面発現層の接着剤としては、例
えば酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱
粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラ
チン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導
体、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子；スチレン
−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アク
リル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は
共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系重合体ラテックス或いはこれら
の各種重合体のカルボキシル基等の官能基変性重合体ラ
テックスが挙げられる。

【００２９】更に、本発明ではインク定着剤、ドット調
整剤及び所望により蛍光増白剤、湿潤剤が適宜添加され
て鏡面発現層用塗工液とし、塗工方式は特に制約はない
が、例えばカーテンコーター、エアーナイフコーター、
バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター等で
塗工量が３〜２０ｇ／ｍ²（乾燥固形分重量）、好まし
くは５〜１５ｇ／ｍ²、特に好ましくは８〜１２ｇ／ｍ²
となるように塗工・乾燥して鏡面を有するインクジェッ
ト記録シートを得る。鏡面仕上げ方式としては（１）塗
工・乾燥後、塗工面を加熱されたスーパーカレンダーの
チルドロール面で加圧処理を施し、鏡面（光沢面）を得
る熱カレンダー法。（２）塗工後、塗工層が湿潤状態に
ある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧接・乾燥させて
鏡面を得る直接法。（３）塗工・乾燥後、再湿潤液によ
り湿潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧接・
乾燥させて鏡面を得る間接法。（４）湿潤状態の塗工層
を赤外線等の光源によりゲル状態（疑似乾燥状態）にし
て鏡面仕上げした加熱ドラムに圧接・乾燥させて鏡面を
得るゲル化法等が挙げられる。

【００３０】本発明におけるインクジェット記録シート
の支持体としては、鏡面仕上げを行う場合は、紙等の透
気性の支持体が好ましいが、これに制限されるものでは
なく、紙以外に両面をポリオレフィン系樹脂で被覆した
合成樹脂被覆紙やフィルム等の支持体でも構わない。更
に本発明のインクジェット記録シートの裏面に感圧接着
層或いはラベル用粘着層を設けることもできる。

【００３１】

【実施例】以下、最も代表的な実施例により、本発明の
好適態様とその優れた効果を具体的に説明する。尚、以
下において、部はすべて重量部であり、％はすべて重量
％である。

【００３２】 〔支持体の作製〕 ＬＢＫＰ（数平均繊維長０．７ｍｍ、フリーネス４００ｍｌ） ８０部 ＮＢＫＰ（数平均繊維長０．７ｍｍ、フリーネス４００ｍｌ） ２０部 タルク １０部 ロジンエマルジョンサイズ １部 硫酸バンド ５部 両性デンプン １部

【００３３】上記配合の１％スラリーをＴＡＰＰＩスタ
ンダードマシンで抄造し、得られた湿紙を５ｋｇ／ｃｍ
²でプレスし、次いで９０℃で２分間乾燥した。これに
６％酸化デンプン（日本食品化工製：ＭＳ３８００）水
溶液で両面付着量１．５ｇ／ｍ²（乾燥固形分重量）と
なるようにサイズプレスを行い、坪量８０ｇ／ｍ²の支
持体を得た。

【００３４】 実施例１ ［インク受容層（Ａ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ４．２部 活性白土：吸油量９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径５．８μｍ ２０部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） ８０部 活性白土／シルカ分散水 ４５１部 １３％ポリビニルアルコール水溶液：重合度１０００、ケン化度９８モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１１０） ３８５部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 ３９部

【００３５】インク受容層用（Ａ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示す。次いで、支持体のオモテ面にインク
受容層用（Ａ）塗液を正転アプリケーターロール（直径
２５０ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２５ｍ
ｍ）の中心が平行になるように取り付けたエアーナイフ
コーター（アプリケーターロールとメタリングバーのギ
ャップ巾０．７ｍｍ）で塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量
固形分）となるように塗工・乾燥してインク受容層を設
けた後、スーパーカレンダー処理して片面塗工インクジ
ェット記録シートを得た。

【００３６】 実施例２ ［インク受容層（Ｂ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ２部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シリカ分散水 ４５３部 １３％ポリビニルアルコール水溶液：重合度１７００、ケン化度９８．５モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１１７） ２５０部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 ６３部

【００３７】インク受容層用（Ｂ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。上記支持体のオモテ面にインク受
容層用（Ｂ）塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイ
フコーターで、塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）
となるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して片面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００３８】 実施例３ ［インク受容層用（Ｃ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ２部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （ファインシールＸ３７Ｂ） ５０部 合成非晶質シリカ：吸油量２３０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径８．０μｍ （水沢化学工業製：ミズカシルＰ７８Ｄ） ５０部 シリカ分散水 ４５３部 １０％ポリビニルアルコール水溶液：重合度２０００、ケン化度９９モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１２０） ２００部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 ３２部

【００３９】インク受容層用（Ｃ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。上記支持体のオモテ面にインク受
容層用（Ｃ）塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイ
フコーターで、塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）
となるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して片面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００４０】 実施例４ ［インク受容層用（Ｄ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ２部 合成非晶質シリカ：吸油量１８０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径２．１μｍ （水沢化学工業製：ミズカシルＰ５２７） ３０部 合成非晶質シリカ：吸油量１６０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径１２．５μｍ （水沢化学工業製：ミズカシルＰ７８Ｆ） １０部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） ６０部 シリカ分散水 ４５３部 １０％ポリビニルアルコール水溶液：重合度２４００、ケン化度９９モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１２４） １５０部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 ５０部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 １０７部

【００４１】インク受容層用（Ｄ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。上記支持体のオモテ面にインク受
容層用（Ｄ）塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイ
フコーターで、塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）
となるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して片面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００４２】 実施例５ ［インク受容層用（Ｅ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ２部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シリカ分散水 ４５３部 １２％シラノール変性ポリビニルアルコール水溶液：重合度１７００、ケン化度 ９８．５モル％（クラレ製：Ｒ−１１３０） １６７部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 １０７部

【００４３】インク受容層用（Ｅ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。上記支持体のオモテ面にインク受
容層用（Ｅ）塗液を正転アプリケーターロール（直径２
５０ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２５ｍｍ）
の中心が角度３０゜上側になるように取り付けたエアー
ナイフコーター（アプリケーターロールとメタリングバ
ーのギャップ巾０．５ｍｍ）で塗工量が８ｇ／ｍ²（乾
燥重量固形分）となるように塗工・乾燥してインク受容
層を設けた後、スーパーカレンダー処理して片面塗工イ
ンクジェット記録シートを得た。

【００４４】 実施例６ ［インク受容層用（Ｆ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ４．２部 活性白土：吸油量８０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径１．９μｍ ２０部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） ８０部 活性白土／シリカ分散水 ４５１部 １３％ポリビニルアルコール水溶液：重合度１０００、ケン化度９８モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１１０） ３８５部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 ３９部

【００４５】インク受容層用（Ｆ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。上記支持体のオモテ面にインク受
容層用（Ｆ）塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイ
フコーターで、塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）
となるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して片面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００４６】 実施例７ ［インク受容層用（Ｇ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ２部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シルカ分散水 ４５３部 １３％ポリビニルアルコール水溶液：重合度９００、ケン化度９７．５モル％ ３８５部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 ３９部

【００４７】インク受容層用（Ｇ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。上記支持体のオモテ面にインク受
容層用（Ｇ）塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイ
フコーターで、塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）
となるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して片面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００４８】実施例８ インク受容層用（Ｂ）塗工液を上記支持体のオモテ面、
次いでウラ面に実施例１と同様な条件で、エアーナイフ
コーターで塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）とな
るように順次塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して両面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００４９】実施例９ インク受容層用（Ｅ）塗工液を上記支持体のオモテ面、
次いでウラ面に実施例５と同様な条件のエアーナイフコ
ーターで、塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）とな
るように順次塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、
スーパーカレンダー処理して両面塗工インクジェット記
録シートを得た。

【００５０】 実施例１０ 〔中間層用（１）塗液〕 ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ３．８５部 活性白土：吸油量９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径５．８μｍ ２０部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） ８０部 活性白土／シリカ分散水 ４５３部 １３％ポリビニルアルコール水溶液：重合度１０００、ケン化度９８モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１１０） ３０８部 １０％ポリビニルアルコール水溶液：重合度２４００、ケン化度９９モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１２４） ５０部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ７部 ５０％カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス ２０部 （日本ゼオン製：ＮｉｐｏｌＬｘ４０７Ｈ）

【００５１】中間層用（１）塗液の固形分濃度、粘度を
表１に示した。上記支持体のオモテ面に中間層用（１）
塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイフコーター
で、塗工量が１０ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となるよ
うに塗工・乾燥して中間層を設けた後、スーパーカレン
ダー処理して中間層塗工シート（I）を得た。

【００５２】 〔積層型インク受容層塗液〕 ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 １．４部 合成非晶質シリカ（ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シリカ分散水 ４５４部 １２％ポリビニルアルコール水溶液（クラレ製：ＰＶＡ−１１７） １６７部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ３部 ５５％エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス ５４部 （住友化学工業製：スミカフレックス４７７） ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 ３３７部

【００５３】次いで、上記で得た中間層塗工シート
（I）の中間層上に正転アプリケーターロールのメタリ
ングバーを取り外したエアーナイフコーターで塗工量が
５ｇ／ｍ ²（乾燥重量固形分）となるように塗工・乾燥
してインク受容層を設けた後、スーパーカレンダー処理
して、積層型インクジェット記録シートを得た。

【００５４】 実施例１１ 〔中間層用（２）塗液〕 ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 １．４部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （トクヤマ製：ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シリカ分散水 ４５４部 １２％ポリビニルアルコール水溶液：重合度２４００、ケン化度９９モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１１７） ３０８部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ６部 ５０％カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス ２０部 （日本ゼオン製：ＮｉｐｏｌＬｘ４０７Ｈ）

【００５５】中間層用（２）塗液の固形分濃度、粘度を
表１に示した。次いで、上記支持体のオモテ面に中間層
用（２）塗液を実施例１と同様な条件のエアーナイフコ
ーターで、塗工量が１０ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）と
なるように塗工・乾燥して中間層を設けた後、スーパー
カレンダー処理して中間層塗工シート（II）を得た。

【００５６】上記で得た中間層塗工シート（II）の中間
層上に、積層型インク受容層用塗工液を、正転アプリケ
ーターロールのメタリングバーを取り外したエアーナイ
フコーターで塗工量が５ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）と
なるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、ス
ーパーカレンダー処理して積層型インクジェット記録シ
ートを得た。

【００５７】 実施例１２ 〔中間層用（３）塗液〕 ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 １．４部 合成非晶質シリカ：吸油量１８０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径２．１μｍ （ミズカシルＰ５２７） １０部 合成非晶質シリカ：吸油量１６０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径１２．０μｍ （ミズカシルＰ７８Ｆ） １０部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （ファインシールＸ３７Ｂ） ８０部 シリカ分散水 ４５４部 １０％ポリビニルアルコール水溶液：重合度２４００、ケン化度９９％ （クラレ製：ＰＶＡ−１２４） １５０部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ６部 ５０％カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス １０部 （日本ゼオン製：ＮｉｐｏｌＬｘ４０７Ｈ）

【００５８】中間層用（３）塗液の固形分濃度、粘度を
表１に示した。次いで、上記支持体のオモテ面に中間層
用（３）塗液を正転アプリケーターロール（直径２５０
ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２５ｍｍ）の中
心が角度３０゜上側になるように取り付けたエアーナイ
フコーター（アプリケーターロールとメタリングバーの
ギャップ巾０．７ｍｍ）で塗工量が１０ｇ／ｍ²（乾燥
重量固形分）となるように量固形分）となるように塗工
・乾燥して中間層を設けた後、スーパーカレンダー処理
して中間層塗工シート（III）を得た。

【００５９】上記で得た中間層塗工シート（III）の中
間層上に、積層型インク受容層用塗工液を正転アプリケ
ーターロールのメタリングバーを取り外したエアーナイ
フコーターで塗工量が５ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）と
なるように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、ス
ーパーカレンダー処理して積層型インクジェット記録シ
ートを得た。

【００６０】 実施例１３ 〔中間層用（４）塗液〕 ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 １．４部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シリカ分散水 ４５４部 １２％シラノール変性ポリビニルアルコール水溶液：重合度１９００、ケン化度 ９８．５％（クラレ製：Ｒ−１１３０） １６７部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （日本曹達製：ケイコールＫＴＬ） ６部 ５０％カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス １０部 （日本ゼオン製：ＮｉｐｏｌＬｘ４０７Ｈ）

【００６１】中間層用（４）塗液の固形分濃度、粘度を
表１に示した。次いで、上記支持体のオモテ面に中間層
用（４）塗液を正転アプリケーターロール（直径２５０
ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２５ｍｍ）の中
心が角度３０゜上側になるように取り付けたエアーナイ
フコーター（アプリケーターロールとメタリングバーの
ギャップ巾０．７ｍｍ）で塗工量が１０ｇ／ｍ²（乾燥
重量固形分）となるように量固形分）となるように塗工
・乾燥して中間層を設けた後、スーパーカレンダー処理
して中間層塗工シート（IV）を得た。

【００６２】上記で得た中間層塗工シート（IV）の中間
層上に、積層型インク受容層用塗工液を正転アプリケー
ターロールのメタリングバーを取り外したエアーナイフ
コーターで塗工量が５ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）とな
るように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、スー
パーカレンダー処理して積層型インクジェット記録シー
トを得た。

【００６３】 実施例１４ 〔鏡面インク受容層塗液〕 ２０％コロイダルシリカ ５００部 （日産化学製：スノーテックス−２０） ５０％スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス ２０部 （日本合成ゴム製：０６９３） ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 ５０部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ３部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 次いで、中間層塗工シート（I）の中間層上に実施例１
と同様な条件のエアーナイフコーターで塗工量が１０ｇ
／ｍ²（乾燥重量固形分）となるように塗工・乾燥して
インク受容層を設けた後、該塗工面を表面温度６０℃の
スーパーカレンダーチルド面（線圧１００ｋｇ／ｃｍ）
処理して、鏡面を有するインクジェット記録シートを得
た。

【００６４】実施例１５ 中間層塗工シート（I）を中間層塗工シート（II）に変
えた以外は実施例１４と同様の方法で、鏡面インク受容
層を設け、鏡面を有するインクジェット記録シートを得
た。

【００６５】実施例１６ 中間層塗工シート（I）を中間層塗工シート（IV）に変
えた以外は実施例１４と同様の方法で、鏡面インク受容
層を設け、鏡面を有するインクジェット記録シートを得
た。

【００６６】比較例１ 上記支持体のオモテ面に、インク受容層用（Ｂ）塗工液
を正転アプリケーターロールのメタリングバーを取り外
したエアーナイフコーターで塗工量が８ｇ／ｍ ²（乾燥
重量固形分）となるように塗工・乾燥してインク受容層
を設けた後、スーパーカレンダー処理してインクジェッ
ト記録シートを得た。

【００６７】比較例２ 上記支持体のオモテ面に、インク受容層用（Ｂ）塗工液
を正転アプリケーターロール（直径２５０ｍｍ）の中心
とメタリングバー（直径１２５ｍｍ）の中心が角度２０
゜下側になるように付設したエアーナイフコーター（ア
プリケーターロールとメタリングバーのギャップ巾０．
７ｍｍ）で塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）とな
るように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、スー
パーカレンダー処理してインクジェット記録シートを得
た。

【００６８】比較例３ 上記支持体のオモテ面にインク受容層用（Ｂ）塗工液を
正転アプリケーターロール（直径２５０ｍｍ）の中心と
メタリングバー（直径１２５ｍｍ）の中心が角度５０゜
上側になるように付設したエアーナイフコーター（アプ
リケーターロールとメタリングバーのギャップ巾０．７
ｍｍ）で塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となる
ように塗工・乾燥してインク受容層を設けた後、スーパ
ーカレンダー処理してインクジェット記録シートを得
た。

【００６９】 比較例４ ［インク受容層（Ｈ）塗液］ ３５％ケイ酸ソーダ水溶液 ２部 合成非晶質シリカ：吸油量２９０ｍｌ／１００ｇ、平均粒子径３．９μｍ （ファインシールＸ３７Ｂ） １００部 シリカ分散水 ４５３部 ５０％カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス ６０部 （ＮｉｐｏｌＬｘ４０７Ｈ） ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部 添加水 １１７部

【００７０】インク受容層用（Ｈ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。次いで、上記支持体のオモテ面に
インク受容層用（Ｈ）塗液を正転アプリケーターロール
（直径２５０ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２
５ｍｍ）の中心が平行になるように取り付けたエアーナ
イフコーター（アプリケーターロールとメタリングバー
のギャップ巾０．７ｍｍ）で塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥
重量固形分）となるように塗工・乾燥してインク受容層
を設けた後、スーパーカレンダー処理して塗工インクジ
ェット記録シートを得た。

【００７１】 比較例５ ［インク受理層（Ｉ）塗液］ ４０％ポリアクリル酸ソーダ水溶液（東亜合成化学工業製：Ｔ−４０） ２部 カオリン：吸油量３７ｍｌ／１００ｇ、粒子径２μｍ以下８０重量％以上 （白石カルシウム製：ＫＡＯ ＢＲＩＴＥ） １００部 カオリン分散水 １２１部 １０％ポリビニルアルコール水溶液：重合度２４００、ケン化度９９モル％ （クラレ製：ＰＶＡ−１２４） ２００部 ３０％Ｎ−（１，１−ジメチル−３−ジメチルアミノプロピル）（メタ）アクリ ルアミド水溶液 １００部 ５０％４，４’−ジアミノスチル−２−２’−ジスルホン酸誘導体水溶液 （ケイコールＫＴＬ） ４部 ２５％カチオン性ワックスエマルジョン ８部

【００７２】インク受容層用（Ｉ）塗液の固形分濃度、
粘度を表１に示した。次いで、上記支持体のオモテ面に
インク受容層用（Ｉ）塗液を正転アプリケーターロール
（直径２５０ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２
５ｍｍ）の中心が水平になるように取り付けたエアーナ
イフコーター（アプリケーターロールとメタリングバー
のギャップ巾０．７ｍｍ）で塗工量が８ｇ／ｍ²（乾燥
重量固形分）となるように塗工・乾燥してインク受容層
を設けた後、スーパーカレンダー処理して、インクジェ
ット記録シートを得た。

【００７３】比較例６ インク受容層用（Ｂ）塗工液を、上記支持体のオモテ
面、次いでウラ面に正転アプリケーターロールのメタリ
ングバーを取り外したエアーナイフコーターで塗工量が
８ｇ／ｍ²（乾燥重量固形分）となるように順次塗工・
乾燥してインク受容層を設けた後、スーパーカレンダー
処理して両面インクジェット記録シートを得た。

【００７４】比較例７ 中間層用（２）塗液を、実施例１１と同様な条件で、エ
アーナイフコーターを正転アプリケーターロールのメタ
リングバーを取り外したエアーナイフコーターで塗工・
乾燥後、スーパーカレンダー処理して中間層塗工シート
（V）を得る。さらにこの上に、インク受容層を設け、
積層型インクジェット記録シートを得た。

【００７５】比較例８ 中間層用（２）塗液を、実施例１１と同様な条件で、エ
アーナイフコーターを正転アプリケーターロール（直径
２５０ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２５ｍ
ｍ）の中心が角度２０゜下側になるように付設したエア
ーナイフコーター（アプリケーターロールとメタリング
バーのギャップ巾０．７ｍｍ）で塗工・乾燥後、スーパ
ーカレンダー処理して中間層塗工シート（VI）を得た。
さらにこの上に、インク受容層を設け、積層型インクジ
ェット記録シートを得た。

【００７６】比較例９ 中間層用（２）塗液を、実施例１１と同様な条件で、エ
アーナイフコーターを正転アプリケーターロール（直径
２５０ｍｍ）の中心とメタリングバー（直径１２５ｍ
ｍ）の中心が角度５０゜上側になるように付設したエア
ーナイフコーター（アプリケーターロールとメタリング
バーのギャップ巾０．７ｍｍ）に条件を変更し塗工・乾
燥後、スーパーカレンダー処理して中間層塗工シート
（VII）を得た。さらにこの上に、インク受容層を設
け、積層型インクジェット記録シートを得た。

【００７７】比較例１０ 比較例７で得られた中間層塗工シート（V）上に、鏡面
インク受容層を設け、鏡面を有するインクジェット記録
シートを得た。

【００７８】比較例１１ 比較例８で得られた中間層塗工シート（VI）上に、鏡面
インク受容層を設け、鏡面を有するインクジェット記録
シートを得た。

【００７９】比較例１２ 比較例９で得られた中間層塗工シート（VII）上に、鏡
面インク受容層を設け、鏡面を有するインクジェット記
録シートを得た。

【００８０】

【表１】

【００８１】評価方法 《面質》 塗工面をブラックライト（ナショナル製：ブラックライ
ト・ブルーＦＬ１５ＢＬ−Ｂ）で目視判定した。 ◎ 印：滑らかで非常に優れている。 ○ 印：良い。 ○△印：少し波状パターンの痕跡がある。 × 印：少し波状パターンがある。 ××印：波状パターンが多く発生している。 《印字濃度》インクジェットプリンターＰＭ７００Ｃ
（セイコーエプソン製）で印字したブラックのベタ画像
部の光学濃度をマクベス濃度計ＲＤ９１８で測定した。
数値は大きい方が濃度は高く優れていることを示す。 《印字画像の鮮明性》インクジェットプリンターＭＪ８
００Ｃ（セイコーエプソン製）で印字したブラック、シ
アン、マゼンタとイエローの各単色部、及びマゼンタ＋
シアン、シアン＋イエローの各重色部における白抜き文
字の滲み及び解像度を目視判定した。 ◎印：滲みはまったくなく鮮明で優れている。 ○印：ほんの少し滲みはあるが優れている。 △印：滲みがある。 ×印：滲みがひどく読み違いがある。

【００８２】《インクの裏抜け》インクジェットプリン
ターＢＪＣ４２０Ｊ（キヤノン製）でＡ４／サイズ全面
にシアン＋イエロー重色ベタ印字したシートの裏面のイ
ンク裏抜け具合を目視判定した。 ◎印：まったくインクの裏抜けはなく優れている。 ○印：うっすらとインクが裏面に見えるが滲みはない。 △印：点状にインクが裏抜けしている。 ×印：全面にインクが裏抜けして劣る。 《コックリング》インクジェットプリンターＢＪＣ４２
０ＪでＡ４／サイズ全面にシアン＋イエロー重色ベタ印
字したシートのベコ付き具合を目視判定した。 ◎印：まったくベコ付きはなく優れている。 ○印：部分的に少しベコ付きはあるが良い。 △印：全面に小さくベコ付いている。 《鏡面の光沢度》ＪＩＳ．Ｚ８７４１に基ずき光沢度計
（日本電色工業製：ＶＧＳ１００１ＤＰ）７５度の鏡面
光沢度を測定した。数値は大きい方が優れていることを
示す。

【００８３】以上の評価結果をまとめて表２、表３に示
した。

【００８４】

【表２】

【００８５】

【表３】

【００８６】表２、表３において総合評価は以下のこと
を意味している。 ◎印：非常に優れる。 ○印：優れる。 △印：実用的にやや劣る。 ×印：実用的ではない。

【００８７】

【発明の効果】以上の実施例から明かなように、アプリ
ケーターロールの中心と水平、又はアプリケーターロー
ルの中心より角度３０゜を上限として上側にメタリング
バーを取り付けたエアーナイフコーターで多孔質白色顔
料と接着剤としてポリビニルアルコールを主成分とする
ずり速度（γ）１８０００／秒・印加時におけるみかけ
粘度（η）が３０〜１２０ｍＰａ・Ｓの塗液をウェブ状
支持体上に塗工することにより、得られたインク受容層
及び中間層を設けた積層型又は鏡面を有するインクジェ
ット記録シートは印字面質に優れ、カラー写真と同等の
高品位な画像を有し、更にインク裏抜け及びコックリン
グのないインクジェット記録シートが提供できた。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アプリケーターロールの中心とメタリン
   グバーの中心が、水平位置から上側に角度３０゜までの
   位置にメタリングバーを付設したエアーナイフコーター
   を用い、多孔質白色顔料と接着剤としてポリビニルアル
   コールを主成分とする、ずり速度（γ）１８０００／秒
   ・印加時におけるみかけ粘度（η）が３０〜１２０ｍＰ
   ａ・Ｓのインク受容層用塗液を、ウェブ状支持体の片面
   又は両面に塗工してなることを特徴とするインクジェッ
   ト記録シート。
2. 【請求項２】 アプリケーターロールの中心とメタリン
   グバーの中心が、水平位置から上側に角度３０゜までの
   位置にメタリングバーを付設したエアーナイフコーター
   を用い、多孔質白色顔料と接着剤としてポリビニルアル
   コールを主成分とする、ずり速度（γ）１８０００／秒
   ・印加時におけるみかけ粘度（η）が３０〜１２０ｍＰ
   ａ・Ｓのインク中間層用塗液を、ウェブ状支持体に塗工
   し、該中間層上にインク受容層を積層して設けたことを
   特徴とする積層型インクジェット記録シート。
3. 【請求項３】 該中間層上に鏡面を発現するインク受容
   層を積層して設けた請求項２記載の積層型インクジェッ
   ト記録シート。
4. 【請求項４】 該多孔性顔料が、活性白土及び／又は合
   成非晶質シリカであることを特徴とする請求項１、２及
   び請求項３記載のインクジェット記録シート。
5. 【請求項５】 該活性白土及び／又は合成非晶質シリカ
   がＪＩＳ．Ｋ５１０１法に定める吸油量で９０〜３００
   ｍｌ／１００ｇであり、コールターカウンターで測定し
   た平均粒子径が２．１〜１２．０μｍであることを特徴
   とする請求項４記載のインクジェット記録シート。
6. 【請求項６】 該ポリビニルアルコールがケン化度９
   ８．０モル％以上であり、重合度が１０００〜２４００
   のポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビ
   ニルアルコールであることを特徴とする請求項１、２及
   び請求項３記載のインクジェット記録シート。