JP3798174B2 - インクジェット記録シート - Google Patents
インクジェット記録シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP3798174B2 JP3798174B2 JP05038099A JP5038099A JP3798174B2 JP 3798174 B2 JP3798174 B2 JP 3798174B2 JP 05038099 A JP05038099 A JP 05038099A JP 5038099 A JP5038099 A JP 5038099A JP 3798174 B2 JP3798174 B2 JP 3798174B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- recording sheet
- ink
- ink jet
- jet recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性インクを用いて記録するインクジェット記録方式において、画像耐水性等の良好なインクジェット記録シートに関するものである。さらに詳しくは、高速輪転インクジェットプリンティングシステムに用いることができる受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シートであって、オフセット印刷が可能であり、インクジェット記録におけるインクセット性、画像耐水性の良好なインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
更に最近では、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムも開発され、宛名書き印刷、顧客情報印刷、ナンバリング印刷、バーコード印刷等のオンデマンドプリンティング用途にも利用されつつある。このような用途においては、固定情報をあらかじめオフセット印刷しておき、可変情報のみをインクジェット印刷する方式が一般的であり、画像耐水性といったインクジェット適性のみならずオフセット印刷適性も兼ね備えた記録シートが要求されている。
【0004】
即ち、当該記録シートとしては、オフセット印刷が可能であり、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、150m/min以上の印刷速度でも十分なインクセット性を有し、湿度が高い条件や印字部位が何らかの理由により水に曝された場合にもインク染料が流れ出さないこと(画像耐水性)が要求される。
【0005】
インクジェット記録シートの形態としては、所謂、上質紙・ボンド紙などに代表せれる普通紙タイプと上質紙などの紙、合成紙、合成樹脂フィルムなどの支持体上にインク受理層を設けた塗工紙タイプに大別される。
【0006】
塗工紙タイプには、インク受理層の塗工量が1〜10g/m2程度の低塗工量タイプ、10〜20g/m2程度の中塗工量タイプ、20g/m2以上の高塗工量タイプの各インクジェット記録シートがある。
【0007】
特に、近年に至っては、普通紙タイプが、外見的にも取扱いとしても好ましく、望まれてきている。しかし、これらの普通紙タイプのインクジェット記録シートの場合、塗工紙タイプに比べ画像濃度も低く、十分な画像の耐水性が得られていないのが現状である。
【0008】
染料の耐水性を改良するためにいくつかの方法が提案されている、例えば、特開昭55−150396号公報には水溶性インク中の染料とキレートを生成する耐水化法が示されている。また、染料の耐水性と耐光性を同時に改良するために、特開昭59−117525号公報にはカチオン性コロイダルシリカを含有するインクジェット記録シートの例が示され、特開昭59−137652号公報には塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物を含有するインクジェット記録シートの例が示され、さらに、特開昭60−11389号公報には塩基性オリゴマーを含有したことを特徴とするインクジェット記録シートの例が示されている。
【0009】
また、特開平9−202042号公報や特開平10−166713号公報には、カチオン性樹脂を付着させサイズ度を低サイズに制御する普通紙タイプのインクジェット記録シートの例が開示されている。この方法を用いた場合、インクジェット記録におけるインクセット性や画像耐水性は良好であるが、その高いインク吸収性(低サイズ性)に起因するオフセット印刷でのトラブルがしばしば見受けられ、このトラブルを回避するため、単純に記録シートのサイズ性を上げると、顕著に画像耐水性が悪化することが判っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シートの場合、オフセット印刷と輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、両者の適性について満足する記録シートは得られていないのが現状である。
【0011】
本発明の目的は、受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シートにおいて、次の課題を満足させることである。
1.オフセット印刷が可能なこと。
2.輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムにおいて、良好なインクセット性、画像耐水性を有すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記に鑑み鋭意研究した結果、支持体に特定のカチオン性樹脂を付着させ、サイズ度を特定の範囲に制御することにより、オフセット印刷が可能でありインクジェット記録におけるインクセット性、画像耐水性の良好な受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シートを発明するに至った。
【0013】
即ち、本発明のインクジェット記録シートは受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シートであって、支持体に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、且つJIS P8140に準拠する10秒コッブサイズ度が10〜30g/m2であることを特徴とするものである。
【0014】
アルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の分子量は10000以下であることが更に好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録シートについて、詳細に説明する。なお、以下でインクジェット記録シートと記載した場合は、受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シートを表す。
【0016】
インクジェット記録方式に用いられる直接染料や酸性染料を含有する水溶性インクの画像耐水性を向上させるためには、染料のアニオン性部分とカチオン性物質の反応による染料の定着と耐水化処理が有効であることは自明のことである。また、画像濃度や画像品位(フェザリング)の向上という観点からすれば、記録シートのサイズ性を上げることが望ましいが、極度にサイズ性を上げるとインクが記録シートに吸収されずインク溢れとなり、全くインクジェット記録シートとしての使用に絶えられなくなる。さらに、インク溢れが生じない程度にサイズ性を効かせた場合でも、サイズ性の向上に伴い、画像耐水性は悪化していくことが判っている。サイズ性の向上に伴い、画像耐水性が悪化する原因は、印字されたインク中の染料が紙層内部ではなく、より紙表面に留まりやすいためであると考えられる。
【0017】
通常インクジェット記録シートに画像耐水性を付与させる方法としては、下記に示すようなカチオン性樹脂を付着させる方法が取られる。
【0018】
一般的に使用されるカチオン性樹脂は、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーであり、好ましくは、オリゴマーまたはポリマーである。特に、本発明においては、アルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物が用いられる。
【0019】
本発明に使用されるカチオン性樹脂の分子量は20000以下であり、好ましくは10000以下であることが望ましい。分子量が20000より大きい場合、十分な画像耐水性を得ることが出来ない。この理由については定かではないが、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムに使用されるインクは、比較的分子の大きいアニオン性染料であり、カチオン性樹脂との定着機構は染料分子の回りに定着剤が付着すると推定され、よって染料を効率よく定着するには、より低分子量が好ましいと考えられる。
【0020】
カチオン性樹脂の乾燥付着量は、1.0〜2.0g/m2の範囲が好ましく、この範囲より少ないと十分な画像耐水性は得られず、この範囲より多くても構わないが、それ以上の画像耐水性向上の効果も得られず、コストの点および外見上普通紙からかけ離れていくといった点からも好ましくない。
【0021】
カチオン性樹脂を付着させる方法としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーターの他、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コストの点からは抄紙機に設置されているサイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーターなどで付着させ、オンマシンで仕上げるのが望ましい。
【0022】
本発明のインクジェット記録シートのサイズ性は、JIS P8140に準拠する10秒コッブサイズ度が10〜30g/m2である。コッブサイズ度を規定する理由は、値が大きい場合、即ち吸水性が良い場合、インクジェット記録におけるインクセット性や画像耐水性は良好であるものの、オフセット印刷におけるトラブルを引き起こすためである。オフセット印刷でのトラブルとはブランパイリングや地汚れのことであり、吸水性が良すぎるために用紙表面の強度の低下を引き起こし、また、印刷に必要な湿し水をブランケットを介して必要以上に奪い取ってしまうため版が汚れると考えられる。汚れを回避するため湿し水の供給量を増やすと、印刷インクと水とのバランスが崩れインク着肉不良等を引き起こすこととなる。
【0023】
また、10秒コッブサイズ度が10g/m2より小さい場合、即ち吸水性が悪い場合、150m/min以上の印刷速度で行われるインクジェット記録において、印字されたインクが補助乾燥装置で完全に乾燥されずに補助乾燥装置直後に設けられた金属ロールに転写し、その転写したインクが用紙に再転写して汚れを引き起こすこととなる。
【0024】
10秒コッブサイズ度のコントロールは、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤などの内添サイズ剤のみでも構わないが、サイズプレス装置またはゲートロール装置等でカチオン性樹脂と併用して表面サイズ剤を用いることも可能である。
【0025】
カチオン性樹脂と併用される表面サイズ剤としては、スチレン/アクリル酸系重合体、スチレン/メタアクリル酸系重合体、アクリロニトリル/ビニルホルマール/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/マレイン酸系共重合体、AKD系、ロジン系などの表面サイズ剤が挙げられるが、カチオン性樹脂との混合のためには、カチオン性の表面サイズ剤が好ましい。
【0026】
さらに、カチオン性樹脂、表面サイズ剤と同時にバインダーも必要に応じて用いられ、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉または各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ハイドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコールまたはそれらの誘導体などを単独或いは併用して使用することができる。
【0027】
本発明のインクジェット記録シートの支持体としては、木材繊維主体の紙、または木材繊維や合成繊維を主体とした不織布の如きシート状物質が挙げられ、紙の場合に使用される木材パルプは、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMPなどの他に、古紙パルプが挙げられ、必要に応じて単独或いは併用して用いられる。
【0028】
なお、本発明で言う古紙パルプの原料としては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例としては、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙などのプリンター用紙、およびPPC用紙などのOA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙などの塗工紙、或いは上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
【0029】
また、支持体に使用される内添填料は、白色顔料として従来公知の顔料が用いられ、単独或いは併用できるが、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料などが挙げられる。
【0030】
本発明において、紙料中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することもできる。
【0031】
本発明の抄紙方法において、抄紙機は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。
【0032】
本発明におけるインクジェット記録シートは、インクジェット記録シートとしての使用に留まらず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記録シートとして用いることもできる。例えば、熱溶融性物質、染顔料などを主成分とする熱溶融性インクを樹脂フィルム、高密度紙、合成紙などの薄い支持体上に塗工したインクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶融させて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジェット記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインクを用いたインクジェット記録シート、光重合型モノマーおよび無色または有色の染顔料を内包したマイクロカプセルを用いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シートなどが挙げられる。
【0033】
これらの記録シートの共通点は、記録時にインクが液体状態である点である。液状インクは、硬化、固化または定着までに、記録シートのインク受理層の深さ方向または水平方向に対して浸透または拡っていく。上述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シートを上述した各種の記録シートとして利用しても何ら制限しない。
【0034】
さらに、複写機・プリンターなどに広く使用されている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録シートとして、本発明におけるインクジェット記録シートを使用することもできる。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、重量部および重量%を示す。
【0036】
<支持体1の作製>
濾水度400mlcsfのLBKP80部、濾水度475mlcsfの模造古紙パルプ20部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)10部、両性澱粉(商品名:Cato3210、王子ナショナル社製)0.8部、硫酸バンド0.6部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(商品名:サイズパインK903、荒川化学社製)0.11部を添加して、長網抄紙機で抄造し、坪量80g/m2の支持体1を作製した。
【0037】
<支持体2の作製>
支持体1のアルキルケテンダイマー型サイズ剤の添加量を0.13部とした以外は、支持体1の作製と同様にして、支持体2を作製した。
【0038】
<支持体3の作製>
支持体1のアルキルケテンダイマー型サイズ剤の添加量を0.04部とした以外は、支持体1の作製と同様にして、支持体3を作製した。
【0039】
実施例1
上記により作製した支持体1に、カチオン性樹脂としてジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス31A、分子量4500、里田化工社製)を乾燥付着量で1.5g/m2、燐酸エステル化澱粉(商品名:MS#4600、日本食品化工社製)を乾燥付着量で1.5g/m2となるようオンマシンのサイズプレス装置を用いて付着させ、マシンカレンダー処理を行って、実施例1のインクジェット記録シートを作製した。
【0040】
実施例2
実施例1のカチオン性樹脂をジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス36N、分子量3100、里田化工社製)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録シートを作製した。
【0041】
実施例3
実施例1のカチオン性樹脂をジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:AGEFLOC B50LV、分子量15000、JPNケミカル社製)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録シートを作製した。
【0042】
実施例4
実施例1のカチオン性樹脂をジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:パピオゲンP−105、分子量20000、センカ社製)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録シートを作製した。
【0043】
実施例5
実施例1のカチオン性樹脂の乾燥付着量を1.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録シートを作製した。
【0044】
実施例6
実施例1の支持体を支持体2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録シートを作製した。
【0045】
実施例7
実施例1の支持体を支持体2として、カチオン性樹脂の乾燥付着量を2.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7のインクジェット記録シートを作製した。
【0046】
実施例8
実施例2の支持体を支持体2とした以外は、実施例2と同様にして、実施例8のインクジェット記録シートを作製した。
【0047】
比較例1
実施例1のカチオン性樹脂をジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:AGEFLOC B50、分子量30000、JPNケミカル社製)とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録シートを作製した。
【0048】
比較例2
実施例1のカチオン性樹脂をジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:パピオゲンP−104、分子量40000、センカ社製)とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット記録シートを作製した。
【0049】
比較例3
実施例1の支持体を支持体2として、カチオン性樹脂の乾燥付着量を0.8g/m2とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録シートを作製した。
【0050】
比較例4
実施例1の支持体を支持体3とした以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット記録シートを作製した。
【0051】
比較例5
実施例7のサイズプレス液にカチオン性表面サイズ剤(商品名:バソプラスト265D、BASF社製)を乾燥付着量で0.2g/m2となるよう添加した以外は、実施例7と同様にして、比較例5のインクジェット記録シートを作製した。
【0052】
上記により作製した実施例1〜8および比較例1〜5のインクジェット記録シートについて、ミヤコシ製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/min、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で罫線、網点、文字を主体とする評価画像について印刷を行った。印刷に際しては、一般のフォーム用紙で条件出しを行い、問題なく印刷できることを確認した後、当該シートについて6000mの印刷を行った。
【0053】
次いでオフセット印刷を行った用紙をミヤコシ製高速インクジェットプリンティングシステムscitex6240で、印刷速度:50、100、150、200m/minの各速度、使用インク:サイテックス1007黒インク、補助乾燥装置:富士電波工機製高周波乾燥機(発信周波数27.12MHz、出力7.5kW)2パスの条件で評価画像を印字し、次に記載した評価方法によって評価し、その結果を表1に示した。
【0054】
<オフセット印刷適性>
オフセット印刷後ブランパイリングの状況、用紙白紙部分の地汚れの状況について目視の判定を行った。Aは特性が良好、Bは実用上問題ない範囲で良好、Cは実用上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0055】
<インクセット性>
印刷速度を変えてインクジェット記録を行い、インクの転写汚れが発生しない上限の速度で表記した。実用上150m/min以上が必要である。
【0056】
<画像耐水性>
インクジェット記録後のシートを水道水中に30秒間浸積した後、余分な水分を濾紙で吸い取り自然乾燥した。その後、記録画像の滲みの程度を目視で評価した。なお、評価基準として、Aは特性が良好、Bは実用上問題ない範囲で良好、Cは実用上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1の実施例1〜8の結果から明らかなように、支持体に分子量が20000以下、好ましくは10000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させ、10秒コッブサイズ度を10〜30g/m2としたインクジェット記録シートは、オフセット印刷適性が良好であり、インクセット性や画像耐水性も良好である。
【0059】
また、比較例1〜3で明かなように、アルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の分子量が20000を超えるもの、或いはカチオン性樹脂の付着量が1.0g/m2未満のものは、画像耐水性が不良である。更に、比較例4、5で明らかなように、10秒コッブサイズ度が30g/m2を超えるものはオフセット印刷適性が悪く、10g/m2未満のものはインクセット性が不良であることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録シートは、支持体に分子量が20000以下、好ましくは10000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させ、且つJIS P8140に準拠する10秒コッブサイズを10〜30g/m2とすることにより、オフセット印刷適性が良好であり、輪転方式の高速インクジェットプリンティングシステムでのインクセット性や画像耐水性の良好なインクジェット記録シートである。
Claims (1)
- 高速輪転インクジェットシステムに使用するシートであって、支持体に分子量が20000以下であるアルキルアミン・エピハロヒドリン重縮合物および/またはアルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物を両面あたり1.0〜2.0g/m2付着させてなり、且つJIS P8140に準拠する10秒コッブサイズ度が10〜30g/m2であることを特徴とする受容層を設けない普通紙タイプのインクジェット記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05038099A JP3798174B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | インクジェット記録シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05038099A JP3798174B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | インクジェット記録シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000247016A JP2000247016A (ja) | 2000-09-12 |
JP3798174B2 true JP3798174B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=12857279
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05038099A Expired - Fee Related JP3798174B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | インクジェット記録シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3798174B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3862949B2 (ja) | 2000-11-28 | 2006-12-27 | 株式会社マツモト | 印刷物作成方法及びそれにより得られる印刷物 |
JP6015529B2 (ja) * | 2012-03-29 | 2016-10-26 | 王子ホールディングス株式会社 | インクジェット記録用紙 |
JP2017206021A (ja) * | 2012-05-16 | 2017-11-24 | 株式会社リコー | インクジェット記録方法 |
JP6204202B2 (ja) * | 2014-01-15 | 2017-09-27 | 三菱製紙株式会社 | 産業用インクジェット印刷機向け非塗工紙タイプの印刷用紙 |
JP6582656B2 (ja) * | 2014-07-17 | 2019-10-02 | 王子ホールディングス株式会社 | 新聞印刷用インクジェット記録用紙 |
JP7378614B2 (ja) * | 2020-05-25 | 2023-11-13 | 株式会社ユポ・コーポレーション | 多孔質層を有する積層体、及びインクジェット用紙 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP05038099A patent/JP3798174B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000247016A (ja) | 2000-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3943159B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
US5472757A (en) | Ink jet recording sheet | |
JP2009138317A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
US6436514B1 (en) | Ink jet recording sheet and method for producing the same | |
JPH09290556A (ja) | インクジェット記録シート | |
JP3798174B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2007118532A (ja) | 昇華インク転写用インクジェット記録媒体及び転写記録方法 | |
JP3657455B2 (ja) | Ocr用紙 | |
JP2006224323A (ja) | インクジェット記録シート | |
JP6824221B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP3989337B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP6785713B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2002138391A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2001030619A (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP4320317B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2006168268A (ja) | インクジェット記録シート | |
JP4195765B2 (ja) | インクジェット印字用シート | |
JP2000043408A (ja) | インクジェット記録シート | |
JPH09267546A (ja) | インクジェット記録シート | |
JP6890462B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP3778577B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JPH1111009A (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2001277703A (ja) | インクジェット記録シート | |
JP3489696B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2009184261A (ja) | インクジェット記録シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050920 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060411 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060419 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |