JP6582656B2 - 新聞印刷用インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用した新聞印刷に最適化されたインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット方式を用いて印刷するインクジェット印刷の用途は、フォトプリント、端末PC(パーソナルコンピュータ)用プリンター、ファックスまたは複写機に留まらない。インクジェット印刷は、多品種小ロット印刷、可変情報印刷を可能とする、いわゆるオンデマンド印刷分野でも実用化が進んでいる。近年、インクジェット方式では、印刷速度の高速化および画質の向上が図られてきており、オフセット印刷や新聞印刷にも広がりをみせている。また、インクジェット印刷方式は、版作製の必要がないため、印刷ロットあたりの印刷部数が少ない印刷において、安価ですむため急速に浸透してきている。このような利点を生かしてオフセット印刷、グラビア印刷、出版印刷、新聞印刷、インクジェット商業印刷への適用が検討されている。特に新聞印刷では、耐水性が強い顔料インクを用いることが多い。
インクジェット方式では、各種の方法により、インクの微小液滴を印刷用紙の表面に射出して、印刷用紙の表面に画像や文字を形成する。インクジェット方式は、高速化、フルカラー化が容易である上、出力時の騒音が低く、装置が低価格であることから、多方面で利用されている。
インクジェット商業印刷では、連続して印刷を行なうことが好ましい。インクジェット商業印刷では、通常、インクジェットインクを射出するインクジェットヘッドとして、ラインヘッドが採用されている。従来のインクジェットヘッドとしては、端末PC用プリンターに多く用いられているシリアル型ヘッドもある。しかし、シリアル型ヘッドを用いる場合には、印刷用紙の搬送を止めて印刷を行なう必要がある。このため、シリアル型ヘッドは、印刷用紙を搬送しながら印刷する場合には使用できない。これに対し、ラインヘッドは、印刷用紙を連続的に搬送しながら印刷できるので、輪転方式などのインクジェット商業印刷に適している。
最近、インクジェット商業印刷市場では、印刷速度のさらなる高速化が進められている。現在、インクジェット商業印刷機として、200m/minを超えるものが登場している。
インクジェット商業印刷機では、インクジェットヘッドから印刷用紙の表面にインク液滴を射出し、画像を形成した後、印刷物を乾燥している。インクジェット商業印刷機に用いられている乾燥装置としては、いろいろな種類のものがある。例えば、UV(紫外線)ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプ、熱風乾燥装置の他、印刷用紙を搬送する搬送ロール(ヒートロール)の表面を熱して印刷物を乾燥させるものなどがある。インクジェット商業印刷機において印刷物を乾燥させる温度は、印刷スピードや、印刷物のインク量に伴って設定される他、紙が発火しない温度を加味して調整されている。
インクジェット商業印刷機で印刷する場合に使用される印刷用紙と しては、高いインク吸収性が求められる。印刷用紙のインク吸収性が不十分であると、印字品質上インクの吸収ムラが生じたり、印刷物の異なる色の境界線ににじみが発生したりして、印刷品質が低下する。印刷操業上は紙送り用ペーパーロールをインクで汚し、このインクが紙に再転写されるため印刷速度が上がらなくなる。更に、吸収性低下が原因で印刷用紙にインクが定着しにくくなると、印刷後巻き取られた際に裏移りしたり、印刷後に印刷用紙の表面を擦った際に印刷物からインクが脱落するといった不都合が生じる。
インクジェット印刷機は、無版印刷方式であり、可変情報の印刷に適しているため、顧客情報を取り扱うドキュメントプロセッシングサービス(DPS)や、ダイレクトメール(DM)といったトランスプロモビジネスに広く用いられている。この用途では、文字情報などの可変情報に加えて、宣伝効果を高める写真画像や図柄の印刷も実施されている。インクジェット方式を用いて写真画像や図柄を印刷する場合、可変情報のみを印刷する場合と比較して、印刷用紙に射出されるインク量が非常に多くなる。したがって、写真画像や図柄を印刷するために使用される印刷用紙には、より高いインク吸収性が要求されるようになってきており、ますます紙表面のインクを効率よく乾燥させてさまざまな不具合が起こりにくくすることが重要となってきている。
各メディアビジネスの近年の拡大傾向は、トランスプロモなどのプロモーションメディア、インターネット、衛星放送を含むテレビメディアなどが広がりを見せる一方、新聞メディアは縮小を続けており、印刷部数も減少している。また、メディアに求められる情報が多種多様になるにつれて新聞メディアで取り扱われる情報も多様化しビジュアル化してカラー図柄、カラー写真の取り扱いが増えている。この影響を受け、新聞印刷においては、印刷ロット数は増加し、印刷ロットあたりの印刷部数は減少しており、印刷ロット毎に版を作製し交換が必要となる従来の大型オフセット印刷機を使用した場合の生産性の低下は大きい。
この状況を改善するため、印刷会社では版作製と交換作業を伴わないデジタル印刷機の利用検討を進めている。従来のオフセット印刷機に、インクジェット方式による可変情報の印刷システムを組み込んだ新聞用輪転機も使われているが、取り扱える可変情報は簡単な文字印刷に止まる為、要求される多様な印刷を行えていない。例えば、デジタル印刷機を用いて、特許文献1に記載されているような従来のオフセット印刷用新聞用紙に印刷すると、水性顔料インクの吸収適性がないため画像の滲み、発色性の低下が発生し現状の新聞印刷品質並みのものが得られない。また、広がりつつあるカラー印刷と写真印刷を行うと用紙に打ち込まれるインク量が増加するためさらに画像低下が発生している。
このような状況を解決するために、以下に示すように、これまで様々な研究がなされている。えば、特許文献2には、インクジェット方式による可変情報を印刷するシステムを組み込んだオフセット新聞輪転機向け用紙として、その用紙に用いられる離解パルプ種や繊維長の最適化および給水時間やインクジェット印刷による形状係数を規定したものが記載されている。
特許文献3では、インクジェット印刷用の新聞印刷用紙の表面に多価塩を配することを提案している。
特許文献4では、インクジェット記録媒体印刷用塗工紙の塗工層の顔料、接着剤および着色剤を検討した新聞用紙を含む校正用紙について記載されている。
特許文献5、6には、新聞印刷もしくはその校正に用いるインクジェット記録用紙におけるパルプ種および多価金属塩やカチオン性化合物について記載されている。
特許文献7には、高速輪転インクジェットシステムに使用するシートとして、アルキルアミン・アンモニア・エピハロヒドリン重縮合物の利用および最適なコッブサイズ度について記載されている。
特許文献8には、硫酸アルミニウムを含有したエマルジョン型スチレン−アクリル系共重合体を用いるインクジェット記録用紙について記載されている。
特許文献9には、硫酸アルミニウムを含有した溶液型スチレン重合体あるいはスチレン−アクリル系共重合体を用いるインクジェット記録用紙について記載されている。
特許文献10には、グアニジン樹脂を含有する表面サイズプレス層を有する段ボールライナー紙について記載されている。
特許文献11には、グアニジン化合物と2級アンモニウム塩化合物を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用シートについて記載されている。
特許文献12には、第4級アンモニウム塩構造を含まないグアニジン誘導体縮合物を含有するインクジェット記録媒体について記載されている。
特許文献13には、非アニオン性接着剤成分とカチオン性にじみ防止剤を含有する新聞紙について記載されている。
特許文献14、特許文献15には、顔料を含有するインク受理層を有するインクジェット記録媒体について記載されている。
特開2009−13513号公報 特開2011−161720号公報 特開2010−516524号公報 特開2000−318299号公報 特開2005−28573号公報 特開2003−326844号公報 特開2000−247016号公報 特開2010−196237号公報 特開2013−166297号公報 特開2013−39774号公報 特開2005−231268号公報 特開平9−254529号公報 特開2014−37664号公報 特開2005−144799号公報 特開2000−3188299号公報
前記の各先行文献に記載されている用紙はそれぞれが解決しようとした課題の解決に寄与するものであるが、以下のような点でさらなる改善が望まれるものである。
特許文献2のオフセット新聞輪転機向け用紙の場合は、インク打ち込み量の多い高精細画像印刷ではインク吸収性が不足する場合がある。特許文献3のインクジェット印刷用の新聞印刷用紙の場合は、インク打ち込み量が多くなると滲みの発生がみられる。特許文献4のインクジェット記録媒体印刷用塗工紙は、新聞校正用に検討されたものであるため印刷速度が増すとインク吸収性が不足する。
特許文献5,6のインクジェット記録用紙では、インクの発色性は良化するもののインク吸収性が不足する。特許文献7には、画像などの固定情報をあらかじめオフセット印刷し、可変情報のみを高速輪転インクジェットシステムにて印刷する場合についての画像耐水性の向上について記載されているが、固定情報含めてインクジェット印刷するには吸収性、発色性が不足する。特許文献8あるいは特許文献9、特許文献11、特許文献12には、インクジェット印刷全般について画像品質向上効果があることが記載されているが、新聞印刷用インクジェット印刷に使用できる、従来のオフセット印刷用新聞用紙と非常に似通った用紙を得るには不十分である。
特許文献10には、インクジェット印刷適性を付与したダンボールライナーについて記載されているが、新聞印刷用インクジェット印刷に使用できる、従来のオフセット印刷用新聞用紙と非常に似通った用紙を得るには不十分である。特許文献13には、染料インクでのインクジェット印刷における耐水性等を付与した新聞紙について記載されているが、顔料インクでインクジェット印刷した場合の裏移り防止性が不足する。特許文献14、特許文献15には、インクジェット印刷における画像精細性の高い新聞用校正紙について記載されているが、顔料を含有するインク受理層を設けている為、従来のオフセット印刷用新聞紙とは手触り感が大きく異なる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、新聞用インクジェット印刷において、インク吸収性、インク発色性、インク定着性に優れた新聞印刷用インクジェット記録用紙を提供することを課題とする。
本発明者等は、従来のオフセット印刷用新聞用紙をインクジェット印刷に用いた場合の各種課題を解決するために研究を重ねた結果、全パルプ中の40質量%以上が脱墨パルプである木材繊維を主体とした基紙の少なくとも片面に、グアニジン系カチオン樹脂を含有する表面処理剤を塗布・乾燥して作製した用紙が新聞印刷用インクジェット記録として最適であることを見出し、以下の発明をなすに至ったものである。
〔1〕基紙を構成する全パルプ中の40質量%以上が脱墨パルプである基紙の少なくとも片面に水溶性高分子とグアニジン系カチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液を塗布・乾燥してなることを特徴とする、インクジェット方式により印刷する新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔2〕 前記表面処理液がカチオン性溶液型表面サイズ剤を含有することを特徴とする 〔1〕 に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔3〕 前記表面処理液が含有する水溶性高分子がアルキル変性デンプンであることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔4〕前記新聞印刷用インクジェット記録用紙の坪量が17〜70g/mである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔5〕前記表面処理液を塗布・乾燥してなる面が、JIS−Z8729で規定される明度(L値)が75〜92、色度(a値)が−0.5〜 −2.5、色度(b値)が3.0〜5.0であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔6〕基紙が、灰分として炭酸カルシウムを3〜25質量部含有する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙に顔料インクを用いてインクジェット印刷を行って得られたインクジェット印刷物。
本発明のインクジェット印刷用塗工紙は、インク吸収性、インク発色性、インク定着性に優れており、新聞印刷用インクジェット記録用紙として有用である。特に、顔料インクを用いた新聞インクジェット印刷において高品質な印刷物が得られる。
<表面処理液>
本発明で使用される実質的に顔料を含まない表面処理液にはグアニジン系カチオン樹脂が含まれる。このカチオン樹脂を用いた場合、新聞印刷用インクジェット印刷、特に顔料インクを用いた新聞印刷用インクジェット印刷において高画質な印刷が行える。また、多くの新聞用紙と同様に基紙を構成する全パルプ中の40質量%以上を脱墨パルプとすることにより、新聞用紙が持つ特有な風合い(色相、手触り)をインクジェット印刷用紙で再現する。
脱墨パルプを含む基紙には、さまざまな疎水性、親水性物質が混入している場合があり、インクジェット印刷を行った際に脱墨パルプに起因するフェザリング(インクジェット印刷輪郭部の毛羽立ち)やボイド(インクジェット印刷内部の白抜け)が発生する場合がある。
グアニジン系カチオン樹脂は顔料インクに対し、定着効果が高いため、グアニジン系カチオン樹脂をインク定着剤として使用することにより、基紙に混入している疎水性、親水性物質の影響を受けること無く、顔料インクでのインクジェット印刷時のフェザリングやボイ ドの発生を抑制でき、更に顔料インクの裏抜けを防止し、ベタ印刷部の均一性を向上させ、脱墨パルプを含有する新聞印刷用インクジェット記録用紙のインクジェット印刷品質を向上させることができる。
更にアルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合物等のカチオン樹脂では、新聞印刷用インクジェット記録用紙の表面電気抵抗の低下が起こり、静電気を発生させ用紙を静電気にて吸着させた後、帳合を行う方式のHUNKELER製、新聞帳合機DC7のような新聞帳合機で帳合を行う際に十分な静電気が発生せず、帳合ズレが発生する。グアニジン系カチオン樹脂は新聞印刷用インクジェット記録用紙の表面電気抵抗の低下が少なく、HUNKELER製、新聞帳合機DC7のような新聞帳合機で帳合を行う際に十分な静電気が発生し、帳合ズレが発生せず、良好な帳合機の操業性を有する為好ましい。
グアニジン系カチオン樹脂の配合量は、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して30〜 80質量部が好ましく、より好ましくは50〜 70質量部の範囲で調節される。グアニジン系カチオン樹脂が30質量部未満であると、インクジェット印刷におけるフェザリング抑制効果やボイド抑制効果、裏抜け抑制効果、ベタ印刷部均一性が低下する。80質量部を超えると、相対的に固着剤として使用している水溶性高分子の配合量が低下し、表面強度が低下するため、印刷部の耐擦過性が悪化する傾向がある。
表面処理液には、グアニジン系カチオン樹脂の他にグアニジン系カチオン樹脂以外のカチオン樹脂を併用してもよい。グアニジン系カチオン樹脂と併用できるカチオン樹脂の例としては、(1)アルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、(2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、(3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、(4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン樹脂、(5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、(6)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、(7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、(8)ジアリルアミン塩−SO2共重合物、(9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、(10)アリルアミン塩の重合物、(11)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、(12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、(13)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、(14)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の一般市販されているものが挙げられ、カチオン樹脂の他に硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム等の金属塩を併用してもかまわない。
本発明では、表面処理液に結着剤として水溶性高分子が使用できる。水溶性高分子としては、アルキル変性デンプン、カチオン化デンプン、生デンプン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース類、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルラン等の天然水溶性高分子誘導体類、カチオン化ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。特に、アルキル変性デンプンは、表面処理液を塗布した後、インクジェット用紙表面を適度に疎水化するため、インクジェット印刷部のニジミが良化するため好ましい。
水溶性高分子の配合量は、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して40〜90質量部が好ましく、より好ましくは50〜 80質量部の範囲で調節される。水溶性高分子が40質量部未満であると、表面強度の低下が起こり、印刷部のコスレ汚れが発生しやすくなり、90質量部を超えると、インク乾燥性の低下、印刷部のムラが起こりやすくなる。
本発明で使用するカチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない表面処理液には、溶液型表面サイズ剤を含有する。溶液型表面サイズ剤の配合量は、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して0.1〜4質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜3質量部の範囲で調節される。溶液表面サイズ剤が0.1質量部未満であると、インクジェット印刷適性の滲みレベルの低下が起こり、4質量部を超えると、インク乾燥性レベルの低下が起こる。
溶液型表面サイズ剤は、水分散型いわゆるエマルジョン型のものに対して、溶液型のものは溶剤を介して水中に溶解するため、表面処理液に溶解した状態で含有され、基紙に塗布された際に均一に塗布され、ベタ印刷部の均一性が向上する。これは、一般的に使用されるエマルジョ ン型の表面サイズ剤に対し溶液型の表面サイズ剤は、基紙表面に露出した脱墨パルプを含むパルプを満遍なく覆うことが可能で、用紙表面の疎水性を均一化する為である。さらに表面サイズ剤のイオン性がカチオン性であれば、同じカチオン性であるグアニジン系カチオン樹脂と凝集を起こすことがない為、好ましい。市販品では星光PMC社製SS2700等が使用可能である。
表面処理液は実質上顔料を含まない。もしも顔料が含まれるとインクジェット印刷の吸収性が低下する。
また、表面処理液を塗布した後の色相をより従来のオフセット印刷用新聞用紙に近づけるために、表面処理液に着色剤を入れて色相を調整するとさらによい。表面処理液への添加量としては、表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して0.005質量部から0.5質量部がよい。本発明で使用するポリアミンエピクロルヒドリン共重合物以外のカチオン性樹脂を用いている場合、表面処理液に着色剤を入れたとしてもL値の変化が大きくなり、結果として、ΔE(L)が1以下に収まらない。
使用される着色剤としては、例えば、アゾ化合物(ジチゾン、ホルマザン)、キノン系(ナフトキノン、アントラキノン、アクリドン、アントアントロン、インダントレン、ピレンジオン、ビオラントロン)、キノンイミン(アジン、オキサジン、チアジン)、インジゴ染料(インジルビン、オキシインジゴ、チオインジゴ)、硫化染料、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン(フルオラン、フルオレセイン、ローダミン)、フェロセン、フルオレノン、フルギド、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリレン(カロテン、マレイン酸誘導体、ピロラジン、スチルベン、スチリル)、ポリメチン(シアニン、ピリジニウム、ピリリウム、キノリニウム、ローダニン)、キサンテン、アリザリン、アクリジン、アクリジノン、カルボスチリル、クマリン、ジフェニルアミン、フタロペリノン、ポルフィン、クロロフィル、フタロシアニン、クラウン化合物、スクアリリウム、チアフルバレン、チアゾール、ニトロ染料、ニトロソ染料、発色後のロイコ染料などの染料系着色剤、チタンブラック、チタニウムイエロー、群青、紺青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化珪素、水酸化アルミニウム、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染色レーキ、澱粉、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂粒子、シリコーン粒子などの顔料系着色剤およびスチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ジスチルベン系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系などの蛍光染料が挙げられるが、これに限定さえるものではない。オフセット印刷用新聞用紙の色相に近づけるために単体、併用どちらでもよい。
また、必要に応じ各種助剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が必要に応じて適宜配合される。
表面処理液の塗布量については、特に限定されるものではないが、片面当りの乾燥塗布量が0.1〜5.0g/mの範囲となるように、原紙の片面もしくは両面に塗布、乾燥するのが好ましく、0.3〜3.0g/mの範囲とするのがさらに好ましい。表面処理液の乾燥後(固形分換算)塗布量が0.1g/m未満では、充分なインクジェット印刷適性が得られず、他方、5.0g/mを超えるとインク乾燥性が低下しやすくなる。
<基紙>
本発明で用いる新聞印刷用インクジェット記録用紙の基紙としては、全パルプ中の40質量%以上が脱墨パルプ(DIP等)であり、この他に化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)等の木材パルプを単独または任意の比率で混合して使用される。基紙を構成する全パルプ中の40質量%以上を脱墨パルプとすることにより、新聞用紙が持つ特有な風合い(色調、手触り)をインクジェット印刷用紙で再現することができる。
また、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの製紙用填料が抄紙時に添加される。このとき、インクジェット印刷のインク吸収性を考慮すると炭酸カルシウムを用いることが望ましい。填料は原紙100質量部中3質量部以上25質量部以下含有することが望ましい。3質量部未満となるとインク吸収性が低下し、また25質量部を超えるとインクジェット印刷に必要な十分な紙力が得られず断紙を引き起こす可能性があり好ましくない。
また、必要に応じて、内添サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、耐水化剤、紫外線吸収剤等の公知公用の抄紙用薬品が適宜添加され、公知公用の抄紙機にて抄紙される。原紙の抄造条件についても、特に限定はない。オフセット印刷用新聞用紙の色相に近づけるために、各種着色剤を用いてもよい。抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
本発明の新聞印刷用インクジェット記録用紙に使用する原紙は、坪量が17〜70g/m程度の範囲にある原紙が好ましい。坪量が17g/m未満となると印刷の際紙が切れ効率が下がる。また、印刷物が裏面に透けて両面印刷用に使用できない。また70g/mを超えると新聞として利用する際重さが大きくなり過ぎ好ましくない。
<表面処理液の塗布>
表面処理液を原紙へ塗布するための装置と しては、特に限定されるものではないが、例えば2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエル等のベベルタイプやベントタイプのブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の装置が適宜使用される。なお、表面処理液を塗布後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
本発明の新聞印刷用インクジェット記録用紙の製造に際しては、表面処理液の塗工後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理を施しても良い。かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、抄紙機と別であるオフタイプと抄紙機と一体となっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の新聞用紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組合せて使用することも可能である。
本発明に係るインクジェット用紙の不透明度は特に限定されないが、75%以上、好ましくは80%以上であれば、印刷面の裏面に印刷面が透き通ることなく印刷後の不透明性を維持できる。
本発明の新聞用インクジェット記録用紙の前記表面処理液を塗布・乾燥してなる面は、L表色系におけるL値が75〜92であることが好ましく、さらに好ましくは78〜88であり、a値は−0.5〜 −2.5であることが好ましく、さらに好ましくは−1.0〜−2.0であり、b値は2.0〜6.0であることが好ましく、さらに好ましくは3.0〜5.0である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限を受けるものではない。例中、部とあるのは質量部を、%とあるのは質量%をそれぞれ示す
実施例12および実施例14は参考例である。さらに、実施例2、5および実施例11は参考例である。

実施例1
<原紙の調製>
脱墨古紙パルプ85部、サーモメカニカルパルプ10部、針葉樹クラフトパルプ5部の割合で混合し離解して400mlC.S.F.とした。このパルプ100部に対して硫酸バンド1部、カチオン化でんぷん(王子コーンスターチ製、エースK−100) 1部、サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(荒川化学工業製、サイズパイン SA−864)0.5部を添加した後、填料として炭酸カルシウムを20部混合し、さらに歩留まり剤(協和産業製、キースロックRP40L、ポリアクリルアミド)を0.011部添加して調製した紙料を長網多筒型抄紙機によって抄紙し、坪量42g/mの原紙を得た。
上記原紙上に、アルキル変性デンプン(王子コーンスターチ製、GRS−T110)59部、スチレン−アクリル系溶液型表面サイズ剤(星光PMC社、SS2700) 1部、グアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)40部の割合の混合物を含有する表面処理液を乾燥塗布量が両面で2.5g/mとなるように2ロールサイズプレス機で塗布後乾燥し、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
実施例2
実施例1の表面処理液中のアルキル変性デンプン(王子コーンスターチ製、GRS−T110)59部を酸化デンプン(王子コーンスターチ製、エースA)59部に変更する以外は実施例1同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
実施例3
実施例1の表面処理液の塗工量を2.5g/mから0.5g/m2に変更する以外は実施例1と同様にして、坪量42.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.6、a=−1.1、b=4.1)を得た。
実施例4
実施例1の表面処理液の塗工量を2.5g/mから4.5g/m2に変更する以外は実施例1と同様にして、坪量46.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.1、a=−1.7、b=4.3)を得た。
実施例5
実施例1の表面処理液中のアルキル変性でんぷん59部とグアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)40部を、アルキル変性79部、グアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)20部とする以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.5、a=−1.2、b=4.1)を得た。
実施例6
実施例1の表面処理液中のアルキル変性でんぷん59部とグアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)40部を、アルキル変性でんぷん19部とグアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)80部とする以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.2、a=−1.6、b=4.3)を得た。
実施例7
実施例1の原紙における填料としての炭酸カルシウム20部を2部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=83.6、a=−1.4、b=4.3)を得た。
実施例8
実施例1の原紙における填料としての炭酸カルシウム10部を35部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=86.2、a=−1.5、b=4.0)を得た。
実施例9
実施例1の原紙におけるサイズ剤量を0.5部から1.0部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
実施例10
実施例1の原紙におけるサイズ剤を、アルケニル無水コハク酸(荒川化学工業製、サイズパイン SA-864)0.5部からアルキルケテンダイマー(荒川化学工業製、サイズパイン K-287)0.5部に変更する以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2を得た。
実施例11
実施例1のスチレン−アクリル系溶液型表面サイズ剤(星光PMC社、SS2700) 1部を、スチレン−アクリル系エマルジョン型表面サイズ剤(星光PMC社、SE2220) 1部に変更する以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2を得た。
実施例12
実施例1の坪量42g/mの原紙を、坪量15g/mの原紙に変更する以外は実施例1と同様にして、17.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
実施例13
実施例1の坪量42g/mの原紙を、坪量68g/mの原紙とする以外は実施例1と同様にして、70.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
実施例14
実施例1の表面処理液中のアルキル変性デンプン(王子コーンスターチ製、GRS−T110)59部をポリビニルアルコール(クラレ製、PVA−115)59部表面に変更する以外は実施例1同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
比較例1
実施例1の表面処理液中のグアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)をポリアミンエピクロルヒドリン共重合物(星光PMC製、DK6810に変更する以外は実施例1同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.4、a=−1.4、b=4.1)を得た。
比較例2
実施例1の表面処理液中のグアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ製、ユニセンスCP−91)40部に変更する以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=85.3、a=−1.4、b=4.2)を得た。
比較例3
実施例1の表面処理液中のアルキル変性デンプン(王子コーンスターチ製、GRS−T110)59部、グアニジン系化合物(日華化学製、ネオフィックスE−117)40部をアルキル変性デンプン(王子コーンスターチ製、GRS−T110)99部変更する以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=89.5、a=−1.3、b=4.5)を得た。
比較例4
実施例1の原紙における脱墨古紙パルプ85部、サーモメカニカルパルプ10部、針葉樹クラフトパルプ5部を脱墨古紙パルプ10部、サーモメカニカルパルプ85部、針葉樹クラフトパルプ5部に変更した以外は実施例1と同様にして、坪量44.5g/mの新聞印刷用インクジェット記録用紙(L=92.4、a=−0.2、b=1.0)を得た。
各実施例及び比較例で得た新聞用インクジェット用紙について、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<インクジェット印刷適性/にじみ評価>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をインクカートリッジに大日本スクリーン製、TruePressJet520用顔料インクを詰めたエプソン製、インクジェットプリンターPX−101で、「日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/S1」を印刷した後、インクジェット印刷された画像のにじみについて、目視判定を行った。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/インク乾燥性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をインクカートリッジに大日本スクリーン製、TruePressJet520用顔料インクを詰めたエプソン製、インクジェットプリンターPX−101で、「日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/S6」 を印刷した直後、インクジェット印刷を行った部位に上質紙を押し当て、上質紙についたインクの転写汚れについて、目視判定を行った。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/裏写り評価>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をインクカートリッジに大日本スクリーン製、TruePressJet520用顔料インクを詰めたエプソン製、インクジェットプリンターPX−101で、日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/S6」 を印刷した後、インクジェット印刷を行った部位を用紙の裏側から、インク裏写りについて、目視判定を行った。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/耐擦過性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をインクカートリッジに大日本スクリーン製、TruePressJet520用顔料インクを詰めたエプソン製インクジェットプリンターPX−101で、日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/N3」 を印刷した後、インクジェット印刷部をウエスで10回擦り、印刷部コスレ汚れの程度を目視で評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<インクジェット印刷適性/ベタ印刷部均一性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙をインクカートリッジに大日本スクリーン製、TruePressJet520用顔料インクを詰めたエプソン製、インクジェットプリンターPX−101で、日本規格協会発行の「カラーディジタル標準画像データ/N3」 を印刷した後、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローベタ印刷部全ての印刷ムラの程度を目視で評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<表面電気抵抗>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙を室温23℃、湿度50%の温湿度環境にて4時間調湿した後、ADVANTEST製、電気抵抗計R8340Aで、表面電気抵抗を測定した。
なお、測定値が1GΩ以下のものは、実用上問題がある。
<帳合適性/ベタ印刷部均一性>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙を室温23℃、湿度50%の温湿度環境にて4時間調湿した後、HUNKELER製、新聞帳合機DC7で、帳合を行い、帳合後の紙ズレの程度を目視で評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<新聞紙風合い>
各実施例及び比較例で得たインクジェット用紙の色調および手触りを官能評価した。
(評価基準)
5(優)−1(劣)
なお、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
<色調>
表面処理液を塗布した後の用紙の色調を、JIS−Z 8722で規定される測定方法に従い測定したJIS−Z 8729で規定される明度(L値)、色度(a値、b値)として示した。
実施例1〜14及び比較例1〜4について、インクジェット印刷適性の評価結果を表1に示す。
Figure 0006582656
Figure 0006582656
表1の結果から明らかなように、実施例1〜14の本発明のインクジェット記録用紙は、脱墨パルプ40質量%以上という基紙面を、水溶性高分子とグアニジン系カチオン樹脂を含み、顔料を含まない表面処理液により処理することにより、新聞用紙用インクジェット記録用紙に求められるインクジェット適性および新聞帳合機操業性の全評価項目をバランスよく満たしている。

Claims (2)

  1. 基紙を構成する全パルプ中の40質量%以上が脱墨パルプである基紙の少なくとも片面に水溶性高分子とグアニジン系カチオン樹脂を含み実質的に顔料を含まない(ただし、前記顔料が顔料系着色剤であることを除く)表面処理液を塗布・乾燥してなるインクジェット方式により印刷する新聞印刷用インクジェット記録用紙であって、前記グアニジン系カチオン樹脂を表面処理液の固形分換算の総質量部100部に対して30質量部以上含み、前記表面処理液に含有する水溶性高分子がアルキル変性デンプンであり、前記表面処理液にカチオン性溶液型表面サイズ剤を含有し、前記新聞印刷用インクジェット記録用紙に使用する原紙の坪量が17〜70g/mであることを特徴とする顔料インクを用いたインクジェット方式により印刷する新聞印刷用インクジェット記録用紙。
  2. 請求項1に記載の新聞印刷用インクジェット記録用紙に顔料インクを用いたインクジェット印刷を行って得られたインクジェット印刷物。
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