JP2001277704A - インクジェット用光沢記録紙、並びにその製造方法 - Google Patents

インクジェット用光沢記録紙、並びにその製造方法

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JP2001277704A JP2000093096A JP2000093096A JP2001277704A JP 2001277704 A JP2001277704 A JP 2001277704A JP 2000093096 A JP2000093096 A JP 2000093096A JP 2000093096 A JP2000093096 A JP 2000093096A JP 2001277704 A JP2001277704 A JP 2001277704A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャストコート方式によらないで、光沢性と
インク吸収性を両立できるインクジェット用記録紙を製
造する。 【解決手段】 基紙上に微粒シリカ、微粒炭酸カルシウ
ムよりなる顔料と親水性バインダーを主成分とするイン
ク受容層を設け、基紙の最外層にインク透過性ポリマー
分散物を塗工し、乾燥と熱カレンダー仕上げを施したも
のであり、且つ、インク透過性ポリマー分散物が、単量
体成分として(メタ)アクリルアミドを含む条件で共重合
反応させたスチレン・アクリル系ポリマー分散物よりな
るインクジェット用光沢記録紙である。所定のインク受
容層上に(メタ)アクリルアミドを含むスチレン・アクリ
ル系ポリマー分散物層を塗工し、熱カレンダー処理する
ため、光沢性とインク吸収性を兼備した記録紙が得られ
る。また、水溶性連鎖移動剤を使用して乳化重合する
と、ポリマー分散物を円滑に合成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット用光
沢記録紙、並びにその製造方法に関して、優れた光沢性
とインク吸収性(印刷適性)を兼備できるものを提供す
る。
【0002】
【発明の背景】従来、インクジェット用記録紙として
は、次のものなどが知られている。 (a)パルプを主成分とした一般の紙に澱粉等と表面サイ
ズ剤を混合したものやカチオン性薬剤を塗工したもの。 (b)一般の上質紙等の基紙上に、多孔質の顔料を用いて
インク吸収層を設けたもの。 (c)合成樹脂フィルム又はフィルムと紙を貼り合わせた
ものにインク吸収性の親水性樹脂や多孔質顔料のインク
吸収層を設けたもの。
【0003】近年、記録の多色化、或は写真画像の印字
(即ち、微妙な中間階調を有する印字)に伴い、インクジ
ェット用記録媒体においても、より高度の特性が要請さ
れ、特に、表面光沢のある記録媒体への要求が高まって
いる。しかし、上記(a)〜(c)に示した記録紙などで
は、紙の表面がインク吸収性の多孔質表面であるため
に、空隙の多い表面で入射光が散乱されてしまって、全
く光沢のない艶消しの表面しか得られない。
【0004】
【従来の技術】そこで、光沢性を付与する目的のインク
ジェット用記録紙の従来技術を挙げると、次のものなど
がある。 (1)合成樹脂フィルムに親水性樹脂を塗布したもの。 (2)特開昭63−265680号公報、特開平2−11
3986号公報、特開平6−305237号公報等に示
すように、上質紙等に特別な配合の顔料とバインダの塗
工液を塗布し、この塗工液が湿潤状態にあるうちに加熱
ドライヤー鏡面に貼って乾燥させ、鏡面の平滑性を塗工
層表面に写し取る、いわゆるキャストコート方式で製造
したインクジェット用記録紙。
【0005】(3)特開平11−48604号公報、特開
平11−268405号公報に示すように、最上層に白
色顔料や顔料シリカの微粒子含有塗工層を設け、熱カレ
ンダー処理によって製造したインクジェット記録紙。こ
れらの従来技術は、キャストドラムに圧着して鏡面仕上
げを行い、或は、熱カレンダーとキャストコート処理を
併用する方式であるため(例えば、両者の各実施例1を
参照)、本記録紙は実質的にキャストコート紙である。
このキャストコート紙は、油性インキを用いたオフセッ
ト印刷やグラビア印刷では、最高の光沢を得るものとし
て一般的に用いられている。
【0006】(4)特開平7−101142号公報に示す
ように、シリカ、アルミナ微粒子、ポリスチレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタ
クリル酸エステル共重合体などのコロイド微粒子とラテ
ックスからなる光沢発現層を最表層に塗工し、熱カレン
ダー処理により製造した記録紙。
【0007】(5)特開平7−25134号公報、特開平
7−47761号公報に示すように、記録紙の最外層に
熱可塑性微粒子又は熱可塑性の多層微粒子を含有するイ
ンク受容層を設け、これらの粒子を部分融着させてイン
ク吸収性を調整した記録紙。また、特開平7−2513
5号公報に示すように、記録紙の最外層に官能基を有す
る微粒子の塗工層を形成した後、架橋剤又は電子線など
で粒子同士を架橋した記録紙。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)に示すフィルムを用いたものは紙のようには再利用
できず、これからの環境問題に対応できないものであ
る。上記(2)の上質紙等にキャストコート方式でインク
吸収層を設けたものでは、高光沢は得られるが、その反
面、平滑・緻密で分厚い表面層のために、油性インクを
用いた印刷には適用できても、水性インクを基本とする
インクジェット印字に用いると、表面層の分厚さに阻止
されて水性インクの吸収が遅くなりがちである。ちなみ
に、インクジェット印字では、高速でノズルから噴出す
る水性インクを記録紙が遅れず迅速に吸収しなければ、
インク滲みや画像不良が発生してしまうため、速いイン
ク吸収性はインクジェット用記録紙には重要な要件であ
る。また、鏡面ドライヤーから鏡面の平滑性を塗工層表
面に写し取りながら乾燥するため、乾燥速度を上げるこ
とができず、生産性が悪く、コスト高でもある。一方、
上記(3)の記録紙もこれらの弊害を免れない。
【0009】上記(4)の記録紙では、無機のコロイド微
粒子の比率が多いと親水性が高いために印字の滲みが起
こり易く、逆に、ラテックスなどのバインダの比率が増
すと、インクジェットの水性インクがバインダ皮膜を通
過する吸収速度が遅くなり、印字汚れやフルカラーでの
境界滲みなどのトラブルを起こし易い。
【0010】上記(5)の部分融着した記録紙では、微粒
子を部分融着するのに狭い温度幅に乾燥条件を調整する
必要があり、実際の乾燥条件では、乾燥装置の温度分布
が必ず起こることから、一定のインク吸収性を備えた記
録紙を生産するのは非常に困難である。また、(5)の架
橋方式の記録紙では、後架橋の工程が煩雑になりがちで
ある。ちなみに、(5)の記録紙は、いずれも多層構造の
微粒子を相互連結してインク受容層を形成し、耐水性、
インク乾燥性、ドット再現性、印字の鮮明性などを発明
の目的としているため、記録紙の光沢向上は望めない。
【0011】一方、インクジェット記録媒体に光沢を付
与する方法としては、単純にスーパーカレンダーやグロ
スカレンダー方式により、圧力や温度をかけたロールに
通紙することが考えられるが、この方式では、表面の平
滑化に伴って光沢は向上しても塗工層の空隙が減少して
インク吸収性が遅くなり、逆に、速いインク吸収性を確
保しようとすると、空隙が多くなって光沢が低下する。
以上の理由から、キャストコート以外の方法で、記録紙
のインク吸収性と光沢性を両立させることは、従来では
きわめて困難であった。本発明は、キャストコート方式
によらないで、光沢性とインク吸収性を両立できるイン
クジェット用記録紙を製造することを技術的課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に、特開
平4−272297号公報(以下、先行技術1という)
で、スチレン及び/又はメタクリル酸メチル系等の単量
体などをアニオン性乳化剤の存在下に重合した、ガラス
転移温度80℃以上の共重合体エマルションの紙表面加
工剤を提案した。しかしながら、上記先行技術1の加工
剤は、基紙の下塗り塗工液に親油性のスチレンブタジエ
ンゴムラテックスなどを使用していることからも判るよ
うに(同公報の段落42参照)、オフセット印刷等の油性
インキによる高光沢印刷に適したものであり、インクジ
ェット印刷の水性インクに適用すると、疎水性が強過ぎ
るため、インク吸収性が遅くなり、印字汚れやフルカラ
ーでの境界滲みを起こす恐れがある。
【0013】本発明者らは、上記従来技術2を出発点と
して、鋭意研究を重ねた結果、基紙上に設けたインク受
容層にスチレン・アクリル系ポリマー分散物を積層し、
このインク透過性ポリマー分散物に単量体成分として
(メタ)アクリルアミドを含むとともに、塗工紙を高コス
トのキャストコート方式ではなく、簡便な熱カレンダー
処理で平滑仕上げをすると、光沢性とインク吸収性をバ
ランス良く兼備できること、さらには、反応速度が速い
アクリルアミドを含むスチレン・アクリル系ポリマーの
乳化重合反応では、水溶性連鎖移動剤の使用が適正なポ
リマー分散物の生成に大きく寄与することなどを見い出
して、本発明を完成した。
【0014】即ち、本発明1は、基紙上に微粒シリカ及
び/又は平均粒径0.5μm以下の微粒炭酸カルシウム
よりなる顔料と親水性バインダを主成分とするインク受
容層を設け、基紙の最外層にインク透過性ポリマー分散
物を塗工し、乾燥と熱カレンダー仕上げを施したインク
ジェット用記録紙であり、上記インク透過性ポリマー分
散物が、単量体成分として(メタ)アクリルアミドを含む
条件で共重合反応させたスチレン・アクリル系ポリマー
分散物であることを特徴とするインクジェット用光沢記
録紙である。
【0015】本発明2は、基紙上に親水性ポリマー層を
塗工し、基紙の最外層にインク透過性ポリマー分散物を
塗工し、乾燥と熱カレンダー仕上げを施したインクジェ
ット用記録紙であり、上記インク透過性ポリマー分散物
が、単量体成分として(メタ)アクリルアミドを含む条件
で共重合反応させたスチレン・アクリル系ポリマー分散
物であることを特徴とするインクジェット用光沢記録紙
である。
【0016】本発明3は、上記本発明2の親水性ポリマ
ーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキシド、カチオン性ポリアクリルアミ
ド、水溶性のカチオン性ポリアクリレート、カチオン性
ポリアクリレート分散物よりなる群から選ばれたポリマ
ーの少なくとも一種であることを特徴とするインクジェ
ット用光沢記録紙である。
【0017】本発明4は、上記本発明1〜3のいずれか
において、(メタ)アクリルアミドを含むスチレン・アク
リル系ポリマー分散物が、水溶性連鎖移動剤の存在下に
乳化重合したものであることを特徴とするインクジェッ
ト用光沢記録紙である。
【0018】本発明5は、上記本発明1〜4のいずれか
において、スチレン・アクリル系ポリマー分散物が、
(メタ)アクリルアミドを単量体成分として2〜15重量
%含有する乳化重合物であることを特徴とするインクジ
ェット用光沢記録紙である。
【0019】本発明6は、上記本発明5において、(メ
タ)アクリルアミドを含むスチレン・アクリル系ポリマ
ー分散物が、 (a)(メタ)アクリルアミド 2〜15重量% (b)スチレン 35〜60重量% (c)メタクリル酸メチル 30〜60重量% (d)その他のエチレン性単量体 20重量%以下 の乳化重合物であることを特徴とするインクジェット用
光沢記録紙である。
【0020】本発明7は、上記本発明1〜6のいずれか
において、(メタ)アクリルアミドを含むスチレン・アク
リル系ポリマー分散物が、反応性乳化剤の存在下に乳化
重合したものであることを特徴とするインクジェット用
光沢記録紙である。
【0021】本発明8は、上記本発明1〜7のいずれか
において、(メタ)アクリルアミドを含むスチレン・アク
リル系ポリマー分散物の平均粒子径が40〜150nm
であることを特徴とするインクジェット用光沢記録紙で
ある。
【0022】本発明9は、基紙上に上記本発明1、4〜
8のいずれかのインク受容層とインク透過性ポリマー分
散層とを積層状に塗工し、乾燥した後、熱カレンダー処
理を施すことを特徴とするインクジェット用光沢記録紙
の製造方法である。
【0023】本発明10は、基紙上に上記本発明2〜8
のいずれかの親水性ポリマー層とインク透過性ポリマー
分散層とを積層状に塗工し、乾燥した後、熱カレンダー
処理を施すことを特徴とするインクジェット用光沢記録
紙の製造方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は、インクを受容し、微細
な凹凸のある基紙表面を平滑にするクッションの役割を
果すインク受容層、或は親水性ポリマー塗工層を基紙の
上に設け、さらにインク透過性ポリマー分散物を積層し
たインクジェット用記録紙である。上記記録紙の基紙と
しては、化学パルプ、機械パルプ、或は古紙パルプなど
のセルロースパルプを主とする一般の酸性紙、中性紙、
合成紙などが使用でき、不透明性の付与やインク吸収性
の調整などの見地から、無機、有機填料を任意に含有さ
せることができる。また、基紙の強度調整、或はインク
吸収性や塗工液吸収性の調整のために、ポリアクリルア
ミドやデンプン系の紙力増強剤と共に、ロジン系、アル
キルケテンダイマー系、アルケニルコハク酸無水物系、
カチオン性高分子系などの各種サイズ剤を併用すること
が望ましい。
【0025】さらに、基紙の製造においては、通常の上
質紙やコート原紙のように、澱粉、ポリビニルアルコー
ルやポリアクリルアミド系表面紙力剤などと共に、アニ
オン性、ノニオン性、カチオン性ポリマーなどの表面サ
イズ剤をサイズプレスやゲートロールコーターなどの塗
工機によって予め塗工し、表面強度やサイズ度を調整し
ておくこともできる。
【0026】本発明1の記録紙において、基紙表面に設
けるインク受容層には顔料と親水性バインダを含有す
る。上記顔料には、微粒シリカ及び/又は平均粒径0.
5μm以下の微粒炭酸カルシウムを使用する。上記微粒
シリカとしては、一般に用いられている合成シリカを使
用でき、代表的には平均二次粒子径1.5〜5μmで、
BET比表面積200〜500m2/gのシリカなどが
好ましい。上記微粒炭酸カルシウムとしては、平均粒子
径0.07〜0.5μmの立方体合成炭酸カルシウムが好
ましい。本発明のインク透過性ポリマー層はきわめて薄
く塗工するのが好ましく、このため、上記微粒シリカ又
は炭酸カルシウムの粒子径が大きいと、インク吸収性は
増すが、その反面、下塗りインク受容層としての表面平
滑度が低下して、塗工量の少ないインク透過性ポリマー
層を積層した場合に、下塗り層の凹凸形状がこの最外層
にまで及んで、光沢向上に至らない恐れがある。
【0027】上記顔料を結合するための親水性バインダ
としては、ポリビニルアルコールやカチオン変性ポリビ
ニルアルコールやシリル変性ポリビニルアルコールなど
のポリビニルアルコール類、変性デンプン類、ポリビニ
ルピロリドン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース
やメチルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げ
られる。また、当該バインダは親水性であって、スチレ
ンブタジエンゴムラテッスなどのような親油性バインダ
は当然に排除される。但し、親水性調整のためにスチレ
ン・ブタジエン共重合体エマルション、アクリル系共重
合体エマルション、或はエチレン・酢酸ビニル共重合体
エマルションなどを併用してもよい。上記インク受容層
には、顔料と親水性バインダの他に、印字耐水性を向上
するためにカチオン性化合物を配合することもできる。
また、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、浸透剤、蛍光白色
剤、紫外線吸収剤、防腐剤などの公知の添加剤を必要に
応じて配合しても良い。
【0028】上記インク受容層の塗工方法を述べると、
顔料と親水性バインダを配合した塗料、さらには、必要
に応じて疎水性バインダ、或はカチオン化合物などを追
加配合した塗料を、一般的には固形分濃度5〜50重量
%に調整した後、基紙上に乾燥重量で1〜15g/m2
程度、好ましくは2〜10g/m2程度の条件で塗工す
るのである。塗工は、ブレードコーター、ロールコータ
ー、エアーナイフコーター、バーコーター、その他各種
の公知の塗工機などを用いて実施される。必要に応じ
て、片面塗工又は両面塗工された後、乾燥される。さら
に必要に応じて、スーパーカレンダー、ソフトカレンダ
ー等のカレンダー装置を用いて平滑化処理をすることも
できる。
【0029】一方、本発明2の記録紙の親水性ポリマー
は、前述したように、第一に、インクを受容する役目を
果す。第二に、塗工量の少ないインク透過ポリマー層だ
けを基紙上に塗工したのでは、基紙の表面の微細凹凸が
最外層にまで及ぶ恐れがあるので、これを回避するため
に、基紙表面を平滑にするクッションの役割をこの親水
性ポリマー層に負わせているのである。当該親水性ポリ
マー塗工層には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリエチレンオキシド、カチオン性ポリアク
リルアミド、水溶性のカチオン性ポリアクリレート、カ
チオン性ポリアクリレート分散物よりなる群から選ばれ
たポリマーの少なくとも一種を用いることができる。こ
の親水性ポリマー塗工層には、必要に応じて、印字耐水
性のためにカチオン性化合物を添加することもできる。
上記親水性ポリマーの塗工液は、固形分濃度1〜20重
量%に調整して、基紙上に片面当たり0.5〜2g/m2
の乾燥重量で塗工するのが良い。親水性ポリマーの塗工
量が少ないと光沢の向上が少なかったり、最外層のイン
ク透過性ポリマー分散物の付着が弱くなって、はげ落ち
る恐れがある。逆に、上記塗工量が多過ぎるとインクの
吸収性が遅くなり、画像の汚れやフルカラーの境界滲み
を起こす恐れがある。塗工はロールコーター、バーコー
ター、その他各種の塗工機を用いて行われるが、サイズ
プレスやゲートロール塗工機等のような一般のオンマシ
ン塗工機などでも塗工でき、塗工後に乾燥される。通常
は両面塗工であるが、必要に応じて片面塗工しても良
い。尚、上記水溶性ポリマー層には、前記インク受容層
に配合可能な各種の添加剤を適宜加えても良い。
【0030】本発明のインクジェット用記録紙におい
て、最外層に塗工されるインク透過性ポリマー分散物
は、(メタ)アクリルアミドを単量体成分として2〜15
重量%含有する乳化重合物であり(本発明5参照)、好ま
しくは、単量体成分が下記の含有量からなる乳化重合物
である(本発明6参照)。 (a)(メタ)アクリルアミド 2〜15重量% (b)スチレン 35〜60重量% (c)メタクリル酸メチル 30〜60重量% (d)その他のエチレン性単量体 0〜20重量% 但し、上記(a)〜(d)に示す含有率は、各化合物が個別
にとり得る仕込み量の範囲を表したもので、実際の共重
合反応では、(a)〜(d)の化合物の合計含有量が100
重量%になるように、(a)〜(d)の各含有量は適宜調整
される。また、(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミ
ドとメタクリルアミドの両方を包含する概念である。
【0031】(メタ)アクリルアミドが2重量%より少な
いと光沢向上効果が低減し、15重量%以上ではインク
の吸収性が低減したり、インク透過性ポリマー分散物の
粘度が高くなり過ぎて塗工性が低下する恐れがある。ま
た、上記スチレンとメタクリル酸メチルにおいては、ス
チレンが多すぎるとインクの吸収性が低下し、少ないと
光沢向上効果が減少する恐れがある。メタクリル酸メチ
ルが多すぎると光沢向上効果が減少し、少ないとインク
吸収性が低下し、熱カレンダー処理後のロールからの剥
離性が低下する恐れがある。即ち、上記インク透過性ポ
リマー分散物においては、スチレンとメタクリル酸メチ
ルの組み合わせ含有量、或はアクリルアミドの含有量に
より、インク吸収性と光沢向上性とのバランスを調整し
ているのであり、これらの量比にはおのずから好ましい
範囲がある。
【0032】上述のその他のエチレン性単量体として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ター
シャリーブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸ターシャリーブチルなどのメタ
クリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体、
スチレンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有
単量体、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体など
が挙げられる。これらの単量体はインク透過性の性能を
損なわない程度に共重合させることができる。但し、架
橋性単量体については、架橋によって皮膜が硬くなり過
ぎて、粒子表面に収縮などの変形が起こり、光沢が低下
する恐れがあるために、その使用は好ましくない。
【0033】また、(メタ)アクリルアミドを含む共重合
スチレン・アクリル系ポリマー分散物は、アクリルアミ
ドの反応速度が速く、これを制御するために、本発明4
に示すように、乳化重合に際して、水溶性連鎖移動剤の
存在下に重合反応するのが好ましい。上記水溶性連鎖移
動剤としては、チオグリコール酸、チオグリセロール、
エチレングリコールジチオグリコレート、アリルスルホ
ン酸ナトリウム、或はこれらと類似の構造の化合物が利
用できる。水溶性連鎖移動剤なしで重合反応すると、上
述のように、アクリルアミドの反応速度が速いことなど
により、粒子表面の水溶性単量体の分子量が高くなりす
ぎて、高粘度、或はゲル状になる問題がある。水溶性連
鎖移動剤を用いると、低粘度のポリマー分散物を調製で
きるため、塗工液の作業性も良く、均一の塗工層が形成
できる。また、油溶性連鎖移動剤を用いると、上記水溶
性連鎖移動剤なしの場合と同様の弊害がある。
【0034】さらに、(メタ)アクリルアミドを含む共重
合スチレン・アクリル系ポリマー分散物は、本発明7に
示すように、反応性乳化剤の存在下に乳化重合したもの
が好ましい。アニオン性の反応性乳化剤としては、アリ
ルノニルフェノールポリエチレンオキシド付加体硫酸エ
ステルアンモニウム(アクアロンHS、BCシリーズ;
第一工業製薬社製)、ノニルフェノールプロピレンオキ
シド付加プロペニルポリエチレンオキシド付加体硫酸エ
ステルアンモニウム(アデカリソープSEシリーズ;旭
電化工業社製)、その他類似のアクリルエステル基含有
反応性乳化剤(例えば、ラテムルSシリーズ;花王社製)
などが挙げられる。
【0035】乳化重合物である(メタ)アクリルアミドを
含む共重合スチレン・アクリル系ポリマー粒子は高い二
次ガラス転移温度を有するが、反応性乳化剤を用いて乳
化重合すると、このポリマー粒子が融着しない温度や圧
力のロールに通して塗工した場合においても、粒子表面
に共重合して付着した乳化剤樹脂同士の付着によると考
えられる強固な粒子同士の付着力が生じて、粒子の剥落
が有効に防止されるという効果がある。この場合、ポリ
マー粒子は、表面の一部のみの付着によって粒子間の空
隙を保ちながら最密充填状に並ぶために、規則正しい光
の反射に起因して優れた白紙光沢を持つとともに、高い
インク吸収性をも兼備させることができるのである。こ
れに対して、一般の他の非反応性の乳化剤を用いたポリ
マー粒子では、溶融付着するほどの高温ロール処理を施
さなければ粒子付着が可能でない。また、一部だけ融着
させるには精密な温度コントロールが必要である。しか
しながら、実際の乾燥機や加熱ロールでは温度分布がど
うしても起こるために、一定の融着度を実現するのは事
実上困難である。しかも、融着を起こさない程度の温度
条件では、乳化剤は弱い力で粒子表面に吸着しているだ
けで、乳化剤の強度も弱いために、手で摺擦する程度で
も容易に粒子が剥落してしまう。
【0036】(メタ)アクリルアミドを含む共重合スチレ
ン・アクリル系ポリマー分散物の乳化重合は、基本的
に、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウムなどの過硫酸塩、レドックス開始剤、或はアゾ系
開始剤などの水溶性重合開始剤と乳化剤の存在下で行
う。好ましくは、水溶性連鎖移動剤、反応性乳化剤を添
加した加熱水媒体中に水溶性開始剤と単量体混合物を別
々に滴下して重合する滴下乳化重合法で行う。但し、水
媒体中に水溶性連鎖移動剤と反応性乳化剤の存在下で単
量体混合物を一括混合し、加熱した後、さらに上述の水
溶性重合開始剤を添加する一括乳化重合法、その他の公
知の乳化重合法などで重合しても良いことは言うまでも
ない。乳化重合で得られたポリマー分散物には、必要に
応じてアンモニア水などのpH調整剤、消泡剤、防腐
剤、その他の添加剤を混合することができる。
【0037】本発明7に示すように、上記(メタ)アクリ
ルアミドを含む共重合スチレン・アクリル系ポリマー分
散物の平均粒子径は40〜150nm、好ましくは、5
0〜120nmである。ちなみに、可視光線の波長は4
00〜700nmであり、これに比べて分散物の平均粒
子径はかなり微細である。平均粒子径の下限は、製造技
術の面で40nm程度であり、平均粒子径が150nm
を越えると熱カレンダー仕上げを行った場合の粒子同士
の密着性が良好でなく、紙表面の不透明性が増して光沢
性が減じる恐れがある。
【0038】上記インク透過性ポリマー分散物を用いて
インクジェット用光沢記録紙を製造するには、本発明1
に示すように、前記基紙上に微粒シリカ又は微粒炭酸カ
ルシウム含有の顔料と親水性バインダを塗工し、乾燥し
た下塗り紙を調製するか、或は、本発明2に示すよう
に、前記基紙上に親水性ポリマー塗工層を設ける。次い
で、(メタ)アクリルアミドを含む共重合スチレン・アク
リル系ポリマーの乳化重合物、或は、さらに必要なら、
ステアリン酸カルシウムエマルション、ラウリルリン酸
エステル塩水分散液、ポリエチレンワックスエマルショ
ンなどの離型剤を3〜10重量%(対固形分換算)の割合
で混合した液を、濃度10〜30重量%に希釈して、こ
の希釈液を前記下塗り紙又は親水性ポリマー塗工紙の表
面に塗工するのである。
【0039】上記希釈液の塗工は、ブレードコーター、
エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター
などの塗工機などを用いて、片面当たりの塗布量が固形
分0.3〜2.0g/m2程度の条件で塗工し、乾燥して
行われる。均一に塗工した場合には、塗工量が少なくて
も光沢は向上するが、0.3g/m2程度以下では均一ポ
リマー粒子層が形成できない恐れがあり、逆に、塗工量
が多過ぎるとインク吸収性が減少する。本発明9〜10
に示すように、乾燥した塗工紙は、前記従来技術が主に
採用しているキャストコート方式とは異なり、スーパー
カレンダー、ソフトカレンダーなどの通常の熱カレンダ
ー処理で平滑仕上げされる。即ち、圧力や温度をかけた
ロール間に通紙(例えば、ロール温度60℃以下、高線
圧条件で通紙)することにより、本発明のインクジェッ
ト用光沢記録紙が得られる。
【0040】
【作用】本発明のインク透過性ポリマーでは、ポリマー
を構成する基本単量体成分がスチレンとアクリル系単量
体(例えば、メタクリル酸メチル)であるため、適度の硬
さの非造膜性ポリマー微粒子となり、また、水溶性の
(メタ)アクリルアミドを単量体成分に含むため、このイ
ンク透過層の乾燥に際して膨潤からの水分喪失過程でレ
ベリング効果が期待できることから、ポリマーの微粒子
が比較的平滑な下塗り塗工表面上に最密充填状に均一に
並ぶものと推定できる。この一定にそろった微粒子が規
則正しく並んでいる最表面においては、可視光線の波長
400〜700nmよりはるかに小さいサイズの粒子の
繰り返し凹凸層を形成するため、光線は散乱しないで平
行光線で反射する。このため、粒子状の表面でありなが
ら、光沢感を感じるのである。また、この最表面のイン
ク透過性ポリマー分散層は単量体成分に(メタ)アクリル
アミドを含む親水層であるため、粒子間の空隙にインク
ジェット用水性インクが浸透するのを妨げない。
【0041】一方、乳化重合に際して水溶性連鎖移動剤
を使用することで、反応速度の速いアクリルアミドの分
子量が増大するのを抑制し、適正な粘度を有するスチレ
ン・アクリル系ポリマーの微粒子を円滑に調製できる。
しかも、重合に反応性乳化剤を用いると、最外層の粒子
表面、粒子間はアクリルアミドを含むスチレン・アクリ
ル系ポリマー層に加えて、さらに強固な結合の乳化剤鎖
で被覆されるため、カレンダーロールの弱い加熱と線圧
により強固に粒子表面の一部で密着することができ、手
でこすった程度では粒子の剥落がない強固な微粒子分散
層を形成できる。
【0042】
【発明の効果】(1)本発明のインクジェット用記録紙
は、キャストコート方式以外ではこれまで達成できなか
った30%以上の白紙光沢と、キャストコート紙では実
現が容易でなかった円滑なインク吸収性とを良好に両立
することができる。即ち、後述の試験例に示すように、
市販のインクジェット専用紙やPPC・インクジェット
共用紙の光沢度4〜5%に比べて、本発明の記録紙の光
沢水準はかなり高く、画像濃度も高いなどの優れた特性
を備えている。また、本発明の記録紙は熱カレンダー法
で仕上げ処理した紙であり、冒述の従来技術のキャスト
コート紙とは異なり、鏡面への圧着で微粒子間の空隙が
潰れ、インク吸収性が遅くなるなどの弊害はなく、迅速
なインク吸収性が要求されるインクジェット用記録紙に
好適であり、生産効率も高い。
【0043】(2)本発明4では、アクリルアミドを含む
スチレン・アクリル系ポリマー分散物を水溶性の連鎖移
動剤の存在下に乳化重合するため、反応速度の速いアク
リルアミドの過剰重合などを抑制し、適正な粘度を有す
るスチレン・アクリル系ポリマー微粒子を有効に調製で
き、光沢性とインク吸収性の両立可能な記録紙を円滑に
製造することができる。
【0044】
【実施例】以下、インク透過性ポリマー分散物の製造
例、インクジェット用光沢記録紙の製造実施例を順次述
べるととともに、得られた記録紙の白色光沢、インク吸
収性などの各種試験例を説明する。また、実施例、試験
例中に示される「部」及び「%」は、全て「重量部」及
び「重量%」を意味する。尚、本発明は下記の実施例、
試験例などに拘束されるものではなく、本発明の技術的
思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論であ
る。
【0045】《インク透過性ポリマー分散物の合成例》
そこで、先ず、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル及び
(メタ)アクリルアミドなどを単量体成分とする乳化重合
反応により製造したアクリルアミドを含む共重合スチレ
ン・アクリル系ポリマーの合成例1〜3並びに比較合成
例1〜5を述べる。ちなみに、上記合成例1〜3及び比
較合成例1〜5のうち、合成例1〜3はアクリルアミド
を含む単量体種、水溶性連鎖移動剤種、反応性乳化剤種
などを変化させた例である。比較合成例1はアクリルア
ミド及び連鎖移動剤を使用せず、非反応性乳化剤を使用
した例、比較合成例2はアクリルアミド及び連鎖移動剤
を使用せず、反応性乳化剤を使用した例、比較合成例3
は連鎖移動剤を使用せず、単量体種を冒述の先行技術1
に記載された比較例3に類似させた例、比較合成例4は
水溶性連鎖移動剤の存在下にアクリルアミドを15%以
上に増量した例、比較合成例5は油性連鎖移動剤の使用
例である。
【0046】(1)合成例1 撹拌機、滴下槽及び温度計を具備した反応容器に、水3
00gと、反応性乳化剤としてアリルノニルフェノール
ポリオキシエチレンオキシド(EO付加10モル)付加体硫
酸エステルアンモニウム(アクアロンHS−10;第一工業
製薬社製)9部と、50%アクリルアミド水溶液26部
と、水溶性連鎖移動剤としてチオグリコール酸1部を仕
込み混合した後、窒素ガスを吹き込みながら75℃に昇
温して、スチレン145.6部、メタクリル酸メチル8
9.7部、アクリル酸エチル10.4部、アクリル酸1.
3部の混合物244.4部を2時間かけて滴下仕込みし
た。同時に、2%過硫酸アンモニウム水溶液25部を2
時間15分かけて滴下仕込みした。次いで、85℃で2
時間保持して重合を終了し、アンモニア水を加えてpH
8.0に中和し、固形分濃度38%、粘度110mPa
・sのインク透過性ポリマー分散物を得た。
【0047】(2)合成例2 撹拌機、滴下槽及び温度計を具備した反応容器に、水3
00gと、反応性乳化剤としてノニルフェノールプロピ
レンオキシド付加プロペニルポリエチレンオキシド付加
体硫酸エステルアンモニウム(アデカリソープSE−10N;
旭電化工業社製)6.5部と、50%アクリルアミド水溶
液57.2部と、水溶性連鎖移動剤としてチオグリセロ
ール1.5部を仕込み混合し、窒素ガスを吹き込みなが
ら75℃に昇温して、スチレン124.8部、メタクリ
ル酸メチル104部、アクリル酸2.6部の混合物23
1.4部を2時間かけて滴下仕込みした。同時に、2%
過硫酸アンモニウム水溶液25部を2時間15分かけて
滴下仕込みした。次いで、85℃で2時間保持して重合
を終了し、アンモニア水を加えてpH8.0に中和し
て、固形分濃度35%、粘度160mPa・sのインク
透過性ポリマー分散物を得た。
【0048】(3)合成例3 上記合成例1を基本としながら、50%アクリルアミド
を15.6部、スチレンを117部、メタクリル酸メチ
ルを133.9部、アクリル酸エチルを0部、アクリル
酸を1.3部に変更して、それ以外は合成例1と同様の
条件で合成して、固形分濃度40%、粘度105mPa
・sのインク透過性ポリマー分散物を得た。
【0049】(4)比較合成例1 撹拌機、滴下槽及び温度計を具備した反応容器に、水3
00gと、非反応性乳化剤としてノニルジフェニルエー
テルジスルホン酸ジナトリウム50%水溶液(ペレック
スSS−H;花王社製)14部を仕込み混合し、窒素ガスを
吹き込みながら75℃に昇温して、スチレン176.8
部、メタクリル酸メチル75.4部、アクリル酸7.8部
の混合物260部を2時間かけて滴下仕込みした。同時
に、2%過硫酸アンモニウム水溶液25部を2時間15
分かけて滴下仕込みした。次いで、85℃で2時間保持
して重合を終了し、アンモニア水を加えてpH8.0に
中和し、固形分濃度40%、粘度30mPa・sのポリ
マー分散物を得た。
【0050】(5)比較合成例2 上記比較合成例1を基本としながら、非反応性乳化剤に
替えて反応性乳化剤のアリルノニルフェノールポリオキ
シエチレンオキシド(EO付加10モル)付加体硫酸エステル
アンモニウム(アクアロンHS−10;第一工業製薬製)を9
部とし、スチレンを156部、メタクリル酸メチルを9
8.8部、アクリル酸を5.2部として、それ以外は上記
合成例4と同様の条件で合成し、固形分濃度39%、粘
度21mPa・sのポリマー分散物を得た。
【0051】(6)比較合成例3 撹拌機、滴下槽及び温度計を具備した反応容器に、水3
00gと、反応性乳化剤としてノニルフェノールプロピ
レンオキシド付加プロペニルポリエチレンオキシド付加
体硫酸エステルアンモニウム(アデカリソープSE−10N;
旭電化工業社製)6.5部と、50%アクリルアミド水溶
液52部を仕込み混合し、水溶性連鎖移動剤は添加しな
かった。そして、窒素ガスを吹き込みながら75℃に昇
温して、スチレン130部、メタクリル酸メチル78
部、メタクリル酸エチル13部、メタクリル酸13部の
混合物234部を2時間かけて滴下仕込みした。同時
に、2%過硫酸アンモニウム水溶液25部を2時間15
分かけて滴下仕込みした。その結果、滴下1時間40分
後に重合物全体が増粘ゲル状になり、合成を中止した。
【0052】(7)比較合成例4 撹拌機、滴下槽及び温度計を具備した反応容器に、水3
70gと、反応性乳化剤としてアリルノニルフェノール
ポリオキシエチレンオキシド(EO付加10モル)付加体硫酸
エステルアンモニウム(アクアロンHS−10;第一工業製
薬社製)6.3部と、50%アクリルアミド水溶液72.
8部と、水溶性連鎖移動剤としてチオグリセロール1.
5部を仕込み混合し、窒素ガスを吹き込みながら75℃
に昇温して、スチレン89.2部、メタクリル酸メチル
54.6部、アクリル酸1.8部の混合物145.6部を
2時間かけて滴下仕込みした。同時に、2%過硫酸アン
モニウム水溶液18部を2時間15分かけて滴下仕込み
した。次いで、85℃で2時間保持して重合を終了し、
アンモニア水を加えてpH8.0に中和して、固形分濃
度22%、粘度370mPa・sのインク透過性ポリマ
ー分散物を得た。
【0053】(8)比較合成例5 撹拌機、滴下槽及び温度計を具備した反応容器に、水3
00gと、反応性乳化剤としてノニルフェノールプロピ
レンオキシド付加プロペニルポリエチレンオキシド付加
体硫酸エステルアンモニウム(アデカリソープSE−10N;
旭電化工業社製)8部と、50%アクリルアミド水溶液
36.4部を仕込み混合し、水溶性連鎖移動剤は添加し
なかった。そして、窒素ガスを吹き込みながら75℃に
昇温し、スチレン130部、メタクリル酸メチル10
6.6部、アクリル酸5.2部、油性連鎖移動剤としてN
−ドデシルメルカプタン2部の混合物243.8部を2
時間かけて滴下仕込みした。同時に、2%過硫酸アンモ
ニウム水溶液25部を2時間15分かけて滴下仕込みし
た。その結果、滴下1時間20分後に重合物全体が増粘
ゲル状になり、合成を中止した。尚、合成例1〜3及び
比較合成例1〜5の単量体組成、連鎖移動剤種、乳化剤
種、ポリマー分散物の性状などを図1にまとめた。
【0054】そこで、セルロースパルプから抄造した基
紙上にインク受容層又は親水性ポリマー層を下塗り塗工
した後、この下塗り塗工基紙に上記合成例1〜3及び比
較合成例1、2、4で得られた各インク透過性ポリマー
分散物を積層状に塗工し、乾燥し、熱カレンダー処理を
施すことによりインクジェット用記録紙を製造するとと
もに、各記録紙について、白紙光沢性、インク吸収性、
表面剥離性、印字濃度の各種試験を実施した。但し、以
下に使用する「部」、「%」は特に限定しない限り、
「絶乾重量部」、「絶乾重量%」を表す。
【0055】《実施例1》 (1)基紙の抄造 LBKPパルプ(CFS:450ml)100部に対し
て、軽質炭酸カルシウム15部、中性ロジンサイズ0.
4部、カチオン性ポリアクリルアミド(歩留まり剤)0.
03部、カチオンデンプン0.5部、硫酸バンド1.0部
を添加・調製した後、自動抄紙機を用いて坪量75g/
2の基紙を抄造した。 (2)インク受容層の塗工 微粒シリカ(ファインシールX37B;トクヤマ社製、二次
凝集平均粒子径3.7μm、比表面積277m3/g)1
00部、ポリビニルアルコール(PVA117;クラレ社製)
60部、カチオン性染料定着剤(CP−4;ハリマ化成社
製)20部を用いて、顔料と親水性バインダよりなる塗
料組成物(固形分13%)を調製し、基紙上にこの塗料組
成物をバーコーターで乾燥塗工量6g/m2になるよう
に塗工し、乾燥した後、室温で線圧20kg/cmの条
件でカレンダー処理を行った。 (3)インク透過性ポリマー分散物の塗工 前記合成例1のインク透過性ポリマー分散物97部と離
型剤としてラウリルリン酸エステルカリウム塩3部を混
合し、固形分20%に調整した塗工液を調製し、この塗
工液を上記インク受容層が形成された基紙上に、バーコ
ーターを用いて乾燥塗工量0.7g/m2になるように塗
工した。この塗工紙を乾燥した後、ミニスーパーカレン
ダーでロール温度50℃、線圧100kg/cmの条件
で2回通しを行って、インクジェット用記録紙を得た。
【0056】《実施例2》 (1)インク受容層の塗工 微粒炭酸カルシウム(Brilliant−15;白石工業社製、平
均粒径0.15μm)100部、カチオン変性デンプン(C
ato102;日本エヌエスシー社製)30部、ポリビニルア
ルコール(PVA117;クラレ社製)30部、カチオン性染料
定着剤(ハリコートCP-4;ハリマ化成社製)15部を用い
て、顔料と親水性バインダよりなる塗料組成物(固形分
12%)を調製し、この塗料組成物を上記実施例1と同
じ基紙上にバーコーターで乾燥塗工量6g/m2になる
ように塗工し、乾燥した後、室温、線圧20kg/cm
でカレンダー処理を行った。
【0057】(2)インク透過性ポリマー分散物の塗工 前記合成例2のインク透過性ポリマー97部と、離型剤
としてステアリン酸カルシウムエマルション(ノプコー
トC−104;サンノプコ社製)3部を混合し、固形分20
%にした塗工液を調製し、この塗工液をインク受容層が
形成された基紙上に、バーコーターを用いて乾燥塗工量
1.2g/m2になるように塗工した。この塗工紙を乾燥
した後、ミニスーパーカレンダーによりロール温度50
℃、線圧100kg/cmで1回通しを行って、インク
ジェット用記録紙を得た。
【0058】《実施例3》上記実施例1を基本としなが
ら、前記合成例1を合成例3のインク透過性ポリマー分
散物に変更し、それ以外は実施例1と同様の条件で製造
して、インクジェット用記録紙を得た。
【0059】《実施例4》 (1)親水性ポリマーの塗工 上記実施例1の基紙にポリビニルアルコール(PVA117;
クラレ社製)の固形分3%水溶液をバーコーターで乾燥
塗工量0.7g/m2になるように塗工し、乾燥した。 (2)インク透過性ポリマーの塗工 前記合成例1のインク透過性ポリマー97部と離型剤と
してラウリルリン酸エステルカリウム塩3部を混合し、
固形分20%にした塗工液を調製した。そして、この塗
工液を上記親水性ポリマーが塗工された基紙に、バーコ
ーターを用いて乾燥塗工量0.8g/m2になるよう塗工
した。この塗工紙を乾燥した後、ミニスーパーカレンダ
ーによりロール温度50℃、線圧50kg/cmで1回
通しを行って、インクジェット用記録紙を得た。
【0060】《実施例5》 (1)親水性ポリマーの塗工 上記実施例1の基紙にカチオン性ポリアクリレート分散
物(ハリコートAE−4;ハリマ化成社製)90部、ポリエ
チレンオキシド(アルコックスR−400;明成化学工業社
製)10部を用いて固形分5%の塗工液を調製し、この
塗工液をバーコーターで乾燥塗工量0.7g/m2になる
ように塗工し、乾燥した。 (2)インク透過性ポリマーの塗工 前記合成例3のインク透過性ポリマー分散物を希釈し、
固形分15%にした塗工液を調製した。そして、この塗
工液を親水性ポリマーが塗工された基紙に、バーコータ
ーを用いて乾燥塗工量1.0g/m2になるように塗工し
た。この塗工紙を乾燥した後、ミニスーパーカレンダー
によりロール温度50℃、線圧50kg/cmで2回通
しを行って、インクジェット用記録紙を得た。
【0061】《比較例1》上記実施例1を基本としなが
ら、合成例1を比較合成例1のポリマー分散物に変更
し、それ以外は実施例1と同様の条件で製造して、基紙
上にインク受容層とポリマー分散層を積層したインクジ
ェット用記録紙を得た。
【0062】《比較例2》上記実施例1を基本としなが
ら、合成例1を比較合成例2のポリマー分散物に変更
し、それ以外は実施例1と同様の条件で製造して、イン
ク受容層とポリマー分散層を積層したインクジェット用
記録紙を得た。
【0063】《比較例3》上記実施例4を基本としなが
ら、合成例1を比較合成例2のインク透過性ポリマーに
変更し、それ以外は実施例4と同様の条件で製造して、
親水性ポリマー塗工層とインク透過性ポリマー層を積層
したインクジェット用記録紙を得た。
【0064】《比較例4》上記実施例1を基本としなが
ら、合成例1を比較合成例4のインク透過性ポリマーに
変更し、それ以外は実施例1と同様の条件で製造して、
インク受容層とインク透過性ポリマー層を積層したイン
クジェット用記録紙を得た。
【0065】《比較例5》上記実施例1の基紙にポリビ
ニルアルコール(PVA117;クラレ社製)の固形分3%水溶
液をバーコーターで乾燥塗工量1.0g/m2になるよう
に塗工した。この塗工紙を乾燥した後、ミニスーパーカ
レンダーによりロール温度50℃、線圧100kg/c
mで1回通しを行って、親水性ポリマー塗工層のみを有
するインクジェット用記録紙を得た。
【0066】《比較例6》市販のインクジェット高品位
専用紙(HR−101;キヤノン社製)をそのまま試験に供し
た。
【0067】《比較例7》市販のPPC・インクジェッ
ト共用紙(キヤノン社製)をそのまま試験に供した。
【0068】《インクジェット用記録紙の各種試験例》
前述したように、上記実施例1〜5及び比較例1〜7の
各インクジェット用記録紙について、白紙光沢、インク
吸収性、表面剥離性、印字濃度の各種試験を行った。 (1)白紙光沢 JIS P−8142(75°反射法)に準拠して、鏡面光沢度測
定装置を用いて各記録紙の表面を測定した。 (2)インク吸収性 各記録紙に市販のインクジェットプリンター(BJF−60
0;キヤノン社製)を用いて印字し、インクの吸収性、境
界滲みの有無を目視観察した。その評価基準は次の通り
である。 ○:PPC・インクジェット共用紙と同程度のインク吸
収スピードで、境界滲みも殆どなかった。 ◇:PPC・インクジェット共用紙よりインク吸収性が
やや遅く、境界滲みは僅かであった。 △:PPC・インクジェット共用紙よりインク吸収性が
遅く、境界滲みが少しあった。 ×:PPC・インクジェット共用紙よりインク吸収性が
大幅に遅く、境界滲みが多かった。
【0069】(3)表面剥離性 各記録紙の上にセロテープ(登録商標)を貼り付けた後
に剥離し、塗工層の剥離の有無を観察した。その評価基
準は次の通りである。 ○:塗工層は剥離せず。 ×:塗工層の剥離が見られた。 (4)印字濃度 市販のインクジェットプリンター(BJF−600;キヤノン
社製)を用いて各記録紙に印字し、黒とマゼンタのベタ
印字部のマクベス濃度(マクベスRD−920)を測定した。
【0070】図2はその試験結果である。 (1)光沢性とインク吸収性 インク受容層/インク透過性ポリマー層の積層型、或
は、親水性ポリマー塗工層/インク透過性ポリマー層の
積層型の記録紙である実施例1〜5では、白紙光沢は4
2〜60%の高水準にあり、インク吸収性も吸収速度や
インク滲みの点で実用水準以上を示して、光沢性とイン
ク吸収性を有効に両立できることが確認できた。ちなみ
に、市販キャストコート紙では75%以上の白紙光沢が
あるが、市販のインクジェット専用紙やPPC共用紙で
は4〜5%程度の白紙光沢しかなく、これらの専用紙又
は共用紙の水準に比べると、実施例1〜5は優れた光沢
性を具備していることが判る。
【0071】これに対して、インク受容層/ポリマー分
散層の積層型記録紙であり、ポリマー分散層が、連鎖移
動剤なしの乳化重合で得られたアクリルアミドを含まな
い共重合スチレン・アクリル系ポリマーである比較例1
〜2(比較例1は非反応性乳化剤、比較例2は反応性乳
化剤を夫々使用)では、白色光沢は33〜24%であっ
たが、インク吸収速度が遅く、インクの境界滲みも少し
あった。また、親水性ポリマー層/ポリマー分散層の積
層型記録紙であり、ポリマー分散層が、連鎖移動剤なし
の乳化重合で得られたアクリルアミドを含まない共重合
スチレン・アクリル系ポリマーである比較例3では、白
色光沢は27%であり、インク吸収速度はきわめて遅
く、インクの境界滲みも多かった。さらに、インク受容
層/インク透過性ポリマー層の積層型であり、インク透
過性ポリマーがアクリルアミドを20%の高率で含有
し、水溶性連鎖移動剤を使用した乳化重合で得られた共
重合スチレン・アクリル系ポリマーである比較例4で
は、白色光沢は46%であったが、インク吸収速度はき
わめて遅く、インクの境界滲みも多かった。一方、親水
性ポリマー塗工層だけを設けた比較例5ではインク吸収
性に劣り、市販のインクジェット専用紙(比較例6)やP
PC・インクジェット共用紙(比較例7)では光沢性に劣
った。
【0072】(2)表面剥離性と印字濃度 実施例1〜5では、表面剥離性は良好であり、印字濃度
も黒、マゼンタ共に実用水準以上を示した。ちなみに、
例えば、黒の印字濃度は概ね1.2以上であれば実用水
準である。これに対して、比較例1〜7では、表面剥離
性に劣る例があり、黒の印字濃度も概して実施例1〜5
より低かった。
【0073】(3)総合評価 実施例1〜5と比較例1〜3を対比すると、インクジェ
ット用記録紙の光沢性とインク吸収性を両立される点
で、スチレン・アクリル系ポリマーに単量体成分として
アクリルアミドを含むことの優位性が確認できる。ま
た、比較例1では、非反応性乳化剤を使用した点もイン
ク吸収性の低減に影響しているものと思われる。さら
に、比較例4によると、上記アクリルアミドの含有率が
多過ぎる場合、インク吸収性を低減させる弊害があるこ
とが判る。一方、冒述の先行技術1に類した前記比較合
成例3によると、アクリルアミド10%、スチレン50
%、メタクリル酸メチル30%、メタクリル酸エチル5
%、メタクリル酸5%を単量体組成として、水溶性連鎖
移動剤なしで乳化重合すると、反応途中に増粘ゲル状を
呈して、スチレン・アクリル系ポリマー分散物自体が得
られないことから、反応速度の速いアクリルアミドが存
在する乳化重合に際しては、連鎖移動剤の存在が重要で
あることが判る。また、前記比較合成例4によると、ス
チレン・アクリル系ポリマー分散物の乳化重合に際し
て、連鎖移動剤の種類を油溶性にすると、上記比較合成
例3と同様に増粘を起こし、ポリマー分散物自体が得ら
れないことから、連鎖移動剤の種類を水溶性にすること
の重要性が認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1〜3及び比較合成例1〜5の各インク
透過性ポリマー分散物の単量体組成、連鎖移動剤種、乳
化剤種、ポリマー分散物の性状などをまとめた図表であ
る。
【図2】実施例1〜5及び比較例1〜7の各インクジェ
ット用記録紙の白色光沢、インク吸収性、表面剥離性、
印字濃度の各種試験結果を示す図表である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 FC06 2H086 BA02 BA15 BA33 BA35 BA45 4L055 AA03 AC06 AG11 AG12 AG18 AG32 AG63 AG64 AG72 AG89 AG94 AG96 AH01 AH02 AH37 AH50 AJ02 AJ04 BE02 BE09 EA16 FA12 FA15 GA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙上に微粒シリカ及び/又は平均粒径
    0.5μm以下の微粒炭酸カルシウムよりなる顔料と親
    水性バインダを主成分とするインク受容層を設け、基紙
    の最外層にインク透過性ポリマー分散物を塗工し、乾燥
    と熱カレンダー仕上げを施したインクジェット用記録紙
    であり、 上記インク透過性ポリマー分散物が、単量体成分として
    (メタ)アクリルアミドを含む条件で共重合反応させたス
    チレン・アクリル系ポリマー分散物であることを特徴と
    するインクジェット用光沢記録紙。
  2. 【請求項2】 基紙上に親水性ポリマー層を塗工し、基
    紙の最外層にインク透過性ポリマー分散物を塗工し、乾
    燥と熱カレンダー仕上げを施したインクジェット用記録
    紙であり、 上記インク透過性ポリマー分散物が、単量体成分として
    (メタ)アクリルアミドを含む条件で共重合反応させたス
    チレン・アクリル系ポリマー分散物であることを特徴と
    するインクジェット用光沢記録紙。
  3. 【請求項3】 請求項2の親水性ポリマーが、ポリビニ
    ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオ
    キシド、カチオン性ポリアクリルアミド、水溶性のカチ
    オン性ポリアクリレート、カチオン性ポリアクリレート
    分散物よりなる群から選ばれたポリマーの少なくとも一
    種であることを特徴とするインクジェット用光沢記録
    紙。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリルアミドを含むスチレン・
    アクリル系ポリマー分散物が、水溶性連鎖移動剤の存在
    下に乳化重合したものであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用光沢記録
    紙。
  5. 【請求項5】 スチレン・アクリル系ポリマー分散物
    が、(メタ)アクリルアミドを単量体成分として2〜15
    重量%含有する乳化重合物であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用光沢
    記録紙。
  6. 【請求項6】 (メタ)アクリルアミドを含むスチレン・
    アクリル系ポリマー分散物が、 (a)(メタ)アクリルアミド 2〜15重量% (b)スチレン 35〜60重量% (c)メタクリル酸メチル 30〜60重量% (d)その他のエチレン性単量体 20重量%以下 の乳化重合物であることを特徴とする請求項5に記載の
    インクジェット用光沢記録紙。
  7. 【請求項7】 (メタ)アクリルアミドを含むスチレン・
    アクリル系ポリマー分散物が、反応性乳化剤の存在下に
    乳化重合したものであることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載のインクジェット用光沢記録紙。
  8. 【請求項8】 (メタ)アクリルアミドを含むスチレン・
    アクリル系ポリマー分散物の平均粒子径が40〜150
    nmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項に記載のインクジェット用光沢記録紙。
  9. 【請求項9】 基紙上に請求項1、4〜8のいずれか1
    項に記載のインク受容層とインク透過性ポリマー分散層
    とを積層状に塗工し、乾燥した後、熱カレンダー処理を
    施すことを特徴とするインクジェット用光沢記録紙の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 基紙上に請求項2〜8のいずれか1項
    に記載の親水性ポリマー層とインク透過性ポリマー分散
    層とを積層状に塗工し、乾燥した後、熱カレンダー処理
    を施すことを特徴とするインクジェット用光沢記録紙の
    製造方法。
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