JP4301206B2 - インクジェット記録体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高速記録が可能なようにインク吸収性が良く、光沢性及び耐擦傷性が良好であり、染料インク、顔料インクとも記録適性が優れるインクジェット記録体の製造方法に関するものである。
インクの液滴を微細なノズルから射出し、被記録体表面上に付着させることにより画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
近年、インクジェットプリンタは高精細化・高速化が進み、また、デジタルカメラ等による撮影画像の出力などを目的として一般家庭ユーザへの普及が拡大している。
そのなか、インクジェット記録体にはインクジェットプリンタの高速化に対応するインク吸収性が求められている。また、撮影画像を出力した記録画像の品質を銀塩方式の写真の品質に近づけるために、インクジェット記録体表面の光沢性が優れるとともに、記録画像の発色性や深みなどの高い画質が求められる。さらに、画像の保存性が良好な顔料インクジェットプリンターの登場によって、顔料インクの記録適性も求められている。
これらインクジェット記録体への要求に対して、これまでにインク吸収性と光沢性との両立を図る提案等がされている。
例えば、基材と塗工層と最表層とを順次設けたインクジェット記録体において、最表層に汎用のコロイダルシリカを用いた提案等がされており(特許文献1〜5参照)、特許文献2には、顔料インク適性を付与するために、カチオン性コロイダルシリカを用いる提案がある。また、特許文献3〜5では、インク吸収性と光沢を両立するために、異なる粒子径のアニオン性コロイダルシリカを最表層に用いたインクジェット記録体が提案されている。
更に光沢を高めるために、最表層に汎用のコロイダルシリカを用いて、該最表層を加熱された鏡面ドラム面に圧接する方法(いわゆるキャスト法)等が提案されている(特許文献6〜7参照)。
特開2004−50811号公報 特開2004−114459号公報 特開平6−183134号公報 特開2002−200842号公報 特開2003−94800号公報 特開平7−117335号公報 特開2004−167959号公報
特許文献1〜2の提案では、インクジェット記録体表面の耐擦傷性や顔料インク適性については良好なものが得られるものの、インク吸収性、光沢性、記録画像の発色性等は充分なものではなかった。
また、特許文献3〜5ではインク吸収性や記録体表面の耐擦傷性は充分なレベルのものが得られるが、アニオン性コロイダルシリカのため顔料インクの適性がほとんどなく、また光沢や記録画像の発色性等も充分なものではなかった。
特許文献6〜7の提案では光沢や記録体表面の耐擦傷性は良好だが、アニオン性コロダルシリカのため顔料インクの適性がほとんどなく、また鏡面ドラム表面に曇りが生じやすく、キャスト適性が低いものであった。
インクジェット記録体について良好なインク吸収性を得るには、塗膜中に一定の細孔容積を有していることが必要となる。
コロイダルシリカは、その粒子が密に充填(最密充填)しやすいために光沢性は得られやすい。しかしながら、細孔容積は小さくなりインク吸収性の低下を招きやすい。
そこで、コロイダルシリカを用いて細孔容積を大きくするためには、粒子径を大きくする方法が考えられるが、粒子径分布のピークが1つの一般的なコロイダルシリカでは、最表層が白濁した塗膜となってしまい、良好な記録画像の発色性を得ることが困難であった。
また、カチオン性コロイダルシリカの場合はアニオン性コロイダルシリカに比べてキャストドラムからの記録体の剥離が難しく、キャストドラムが汚れて、光沢と顔料インク適性が兼ね備わった記録体はなかなか得られなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、良好なインク吸収性と高い光沢を両立し、様々なインクジェット記録体の要求特性を満たすとともに耐擦傷性にも優れたインクジェット記録体を提供することを目的とする。さらに、キャスト適性にも優れたインクジェット記録体を提供することを目的とする。
本発明者らは検討を重ねた結果、インクジェット記録体の最表層に、特定の一次粒子径と特定の粒子径分布を持ったコロイダルシリカを主成分として含有することにより、これらの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記態様を含む。
[1]基材の少なくとも一方の面側に、塗工層と最表層とを順次設けインクジェット記録体の製造方法において、基材は紙基材であり、最表層は、平均1次粒子径が5〜100nmであり、かつ前記1次粒子の粒子径分布のピークが5〜100nmの間に2つ以上あるカチオン性コロイダルシリカを主成分として含有する塗工液を塗工し、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接し表面処理して形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法
[2]カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大ピークが粒子径10〜50nmにある[1]記載のインクジェット記録体の製造方法
[3]カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大の粒子径のピークが50〜100nmにある[1]又は[2]記載のインクジェット記録体の製造方法
[4]最表層に親水性樹脂を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法
[5]前記塗工層の少なくとも最表層に隣接する層に、平均1次粒子径が3〜40nmであり、平均粒子径が0.7μm以下の乾式シリカ微分散物を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法である。
≪層構成≫
本発明は、基材の少なくとも一方の面側に、塗工層と、特定のコロイダルシリカを主成分として含有する最表層とを順次設けたインクジェット記録体である。
塗工層は、1層であってもよく、複数の層であってもよい。
なお本発明では、基材の他の面側にも上記と同様の層を設けても構わない。この場合、インクジェット記録体の両面で、本発明の効果を発揮することができる。
<基材>
基材としては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙基材が使用できる。その種類、形状、寸法などについては特に制限はない。
紙基材は、木材パルプを主成分とし、必要に応じて填料を含有することにより構成される。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができる。これらのパルプは、叩解機で叩解度を調整することにより、紙力、抄紙適性等を制御することができる。パルプの叩解度(フリーネス)は、特に限定しないが、平滑性を高めるためには叩解度を進める方が望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解度を進めない方が良好な結果を得る場合が多い。そのため、叩解度は、一般に250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)であり、300〜500mlであることが好ましい。
填料は、不透明性等の付与やインク吸収性等を調整する目的で配合され、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。中でも、特に炭酸カルシウムは白色度が高い基材となり、インクジェット記録体の光沢性が高まるので好ましい。
紙基材中の填料の含有率(灰分)は1〜20質量%が好ましく、7〜20質量%がより好ましい。この含有率により、平滑度、透気度、紙力のバランスがとれ、結果として光沢性が優れたインクジェット記録体が得られ易くなる。
紙基材には、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。
さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整できる。
ステキヒトサイズ度(100g/mの紙として)は1〜200秒が好ましく、4〜120秒がより好ましい。ステキヒトサイズ度が1秒以上であることにより、塗工時における皺が発生する等の操業上の問題が改善され、ステキヒトサイズ度が200秒以下であることにより、インク吸収性が向上し、印字後のカールやコックリングが良好なものとなる。
基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/mである。
紙基材の透気度(JIS−P−8117)は、20〜500秒が好ましく、35〜300秒がより好ましい。透気度が20秒以上であることにより、インクジェット記録体の表面のボコツキが抑えられ、見た目の光沢性が向上する傾向にある。一方、500秒以下であることにより、鏡面ドラムへの圧接時におけるドラムへの貼り付きが改善され、また、最表層が充分に乾燥され、高い表面光沢が得られ易くなる傾向にある。
<最表層>
本発明における最表層には、主成分として特定のカチオン性コロイダルシリカを含有し、最表層に鏡面ドラムによる圧接処理(いわゆるキャスト法)が施してインクジェット記録体を製造する。
ここで「主成分として含有する」とは、塗工液中の該コロイダルシリカ含有量が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜98.5質量%であることがより好ましい。
これにより、インクジェット記録体の表面に高い光沢性が付与されると同時に、良好なインク吸収性を有することができる。また、染料インクのみならず顔料インクも素早く定着させることができ、高発色性(高い色濃度)と優れた耐擦傷性を兼ね備え、キャスト適性にも優れたものとなる。
なお、コロイダルシリカ含有量が100質量%の場合、塗工液中にバインダを含まないことになるが、コロイダルシリカは加熱された鏡面ドラムに圧接すると、先に塗工した塗工層のバインダ成分と結びつくので、バインダを含まない場合の最表層を形成することができる。
(カチオン性コロイダルシリカ)
本発明におけるカチオン性コロイダルシリカは、平均1次粒子径が5〜100nmであり、かつ前記1次粒子の粒子径分布のピークが5〜100nmの間に2つ以上あるものである。
カチオン性コロイダルシリカの平均1次粒子径については、好ましくは10〜60nmであり、さらに好ましくは20〜50nmである。この範囲とすることで、高い光沢性が得られるとともに、記録画像の発色性と耐擦傷性に優れたものとなる。
ここで平均1次粒子径とは、電子顕微鏡(TEM)で観察した測定値を平均したものである。以下、図1を参照しながら測定方法について説明する。
図1(a)に一例として示すように、分散粒子が単分散体10の場合は、単粒子30の粒子径Rを直接測定することができる。
図1(b)〜(d)に例として示すように、粒子が2次分散体20の場合は、単粒子30を直接測定することができないため、2次分散体20を構成する単粒子30の外形を仮想し、該単粒子30の粒子径Rを測定する。このとき、原則として単粒子同士が重ならない位置を選び、単粒子30の粒子径Rを測定する。
このようにして、100個の単粒子30の粒子径Rを測定し、平均したものを平均1次粒子径とした。
カチオン性コロイダルシリカの粒子径分布のピークにおいては、5〜100nmの間に2つ以上あり、より好ましくは10〜100nmの間に2〜4つあることが好ましい。
ここで粒子径分布とは、平均1次粒子径の測定で前述したように、電子顕微鏡(TEM)で観察した測定値を数平均でヒストグラム化したものである。
カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大ピークが粒子径10〜50nmにあると発色濃度が高いため好ましく、また、カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大の粒子径のピークが50〜100nmにあると光沢性が優れるので好ましい。これらの条件の両方を満足すると、光沢性および記録適性が共に優れるので更に好ましい。
カチオン性コロイダルシリカの平均会合度においては特に限定するものではないが、平均会合度は1〜2が好ましく、さらに1〜1.5が好ましい。この範囲とすることにより、良好なインク吸収性が得られるとともに高い光沢性が得られる。
ここで平均会合度とは、最表層用の塗工液を調製する前の分散液中におけるコロイダルシリカ粒子を構成する1次粒子の個数をいう。平均会合度は、電子顕微鏡(TEM)で観察した測定値を平均したものである。100個の粒子をランダムに選び、該粒子を構成する1次粒子の個数を数えて平均したものである。
また、コロイダルシリカの合成法は湿式法が好ましい。純度は、99.999%以上であることがより好ましく、99.9999%以上であることがさらに好ましい。これにより、印字部の発色性が良好なものとなり、優れた画質が得られる。また、顔料インク定着性も良好なものとなる。
本発明に使用されるカチオン性コロイダルシリカのカチオン化の方法においては、特に限定はない。アルミニウムイオン等の多価金属イオンの化合物を反応させて、コロイダルシリカの表面をアルミナで被覆する方法が一般的であるが、アンモニウム基を持つシランカップリング剤をコロイダルシリカの表面に付加して、カチオン性コロイダルシリカに変性してもよい。
また、アニオン性コロイダルシリカとカチオン性化合物を水性媒体中で混合して得られる複合体粒子を分散してカチオン性コロイダルシリカを得ても良い。
〔カチオン性化合物〕
アニオン性コロイダルシリカと混合されるカチオン性化合物としては、以下のようなものが挙げられる。
1)ポリエチレンポリアミンおよびポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、およびそれらの誘導体類
2)第2級アミノ基、第3級アミノ基、および/または第4級アンモニウム基を有するアクリル系樹脂
3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類
4)例えばジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物などのジシアン系カチオン樹脂
5)例えばジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物などのポリアミン系カチオン樹脂
6)エポクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物
7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO共重合物
8)ジアリルアミン−SO共重合物
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物
10)アリルアミン塩の重合物
11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級アンモニウム塩重合物
12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物
13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、およびポリ乳酸アルミニウムなどのポリアルミニウム塩
このなかで、1)5員環アミジン類、2)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウム等のアルミニウム塩を用いることが好ましい。
なお、カチオン性化合物の配合量は、アニオン性コロイダルシリカ(固形分)100質量%に対して、1〜30質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
上記分散方法としては、ホモミキサ、圧力式ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、マイクロフルイタイザ、アルティマイザ、ナノマイザ、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダ、クレアミックス等が用いられる。
カチオン性化合物とコロイダルシリカの複合体粒子を単分散体に近い状態にするためには、一般的な分散方法では充分に分散することができず、より強い機械力を加える必要があり、その中でも、特に圧力式分散方法が有効である。
上記圧力式分散方法とは、オリフィス中を、高圧で連続的に原料粒子のスラリー状混合物を通過させて高圧粉砕する方法である。
処理圧力は、19.6×10〜343.2×10Pa(200〜3500kgf/cm)であり、49.0×10〜245.3×10Pa(500〜2500kgf/cm)であることが好ましく、98.1×10〜196.2×10Pa(1000〜2000kgf/cm)であることがさらに好ましい。
これにより、単分散体の状態に近いカチオン性コロイダルシリカを得ることが可能となる。
また、前記高圧下でオリフィスを通過させたスラリー状混合物を、さらに対向衝突させることによる分散あるいは粉砕方式に供することが好ましい。
対向衝突による方法は、分散液を、加圧しながら、対向衝突分散粉砕装置の入口側へと導く。次いで、装置内において、導入された分散液を、二つの通路へと分岐する。さらに、流路をオリフィスにより狭めることによって流速を加速し、この二つの分散液流を対向衝突させて粒子を相互衝突により粉砕する方法である。
前記装置中の分散液を加速したり衝突させたりする部分を構成する材料としては、摩耗の抑制等の理由から、ダイヤモンドが好ましく用いられる。
高圧粉砕機としては、圧力式ホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、マイクロフルイタイザ、ナノマイザが用いられ、中でも、特に高速流衝突型ホモジナイザとして、マイクロフルイタイザ、ナノマイザを用いることが好ましい。
最表層で使用するカチオン性コロイダルシリカは、平均1次粒子径が5〜100nmであり、かつ前記1次粒子の粒子径分布のピークが5〜100nmの間に2つ以上あれば、その製造方法は問わない。
本発明では、前記カチオン性コロイダルシリカ含有塗工液が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムで圧接することにより表面処理(いわゆるキャスト法)するが、上記特定のカチオン性コロイダルシリカを用いることにより、一般市販のコロイダルシリカに比べてキャストドラムからの剥離性が良好なものとなり、ドラムから最表面を均一に剥離することができ、表面の筋や斑が少なく、光沢や印字品質が良好なものとなる。また剥離不良によるドラム汚れがないため、生産性も極めて良好なものとなる。
上述の特定のコロイダルシリカを用いることにより、良好なインク吸収性と高い光沢性を両立しながら、剥離不良によるドラム汚れがなくなる理由としては定かでないが、次のように推測される。
本発明に用いるコロイダルシリカは、平均1次粒子径が5〜100nmの範囲で粒子径分布が2つ以上存在するために、一般市販のコロイダルシリカに比べて、最密充填した際に空隙が大きくなると推定され、その結果インク吸収性が良好になり、それと同時に透気性(蒸気の抜け道)が高くなって、ドラムの剥離もし易くなるものと考えられる。
また、平均一次粒子径が5〜100nmと小さいために、最表層の表面はより平滑になり、その結果高い光沢性が得られるものと考えられる。
特に、カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大ピークが粒子径10〜50nmにあると発色濃度が高い記録が得られ、また、カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大の粒子径のピークが50〜100nmにあると、インク吸収性とドラムの剥離適性が優れる。これらを満足すると、光沢性と記録適性が共に優れたインクジェット記録体となるので更に好ましい。
(バインダ)
本発明における最表層には、塗膜強度を向上させる等の理由から、必要に応じてバインダを配合することができる。バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば親水性樹脂、疎水性樹脂等が挙げられる。
親水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体などが挙げられる。
疎水性樹脂としては、水不溶性合成樹脂ラテックス(エマルション型、溶剤型、無溶剤型)等が挙げられる。
上記の中でも、塗膜の透明性が良好であり、記録画像の発色性に優れる等の理由から、親水性樹脂が好ましく用いられる。親水性樹脂の中でも、ポリビニルアルコールがより好ましく用いられる。
これらバインダは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記水不溶性合成樹脂ラテックスについては、最表層の塗膜強度、及び光沢感が向上する等の理由から、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。尚、最表層がカチオン性のコロイダルシリカを主成分として含有するため、用いられる水不溶性合成樹脂ラテックスはノニオン性、もしくはカチオン性のものが好ましい。
水不溶性合成樹脂ラテックスの種類は特に限定されるものではなく、例えばアクリル系樹脂のエマルション、ウレタン系樹脂のエマルション、ポリウレタン系樹脂のエマルション、スチレン系樹脂のエマルション、スチレン−アクリル酸エステル共重合体系樹脂のエマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂のエマルション、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体系樹脂のエマルション、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体および/または共重合体系樹脂のエマルション、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体樹脂のエマルション、あるいはこれら重合体または共重合体を、カルボキシル基などの官能基を含有する単量体により変性された官能基変性重合体樹脂のエマルション等が挙げられる。
なかでも、特に塗料の分散安定性が良好なことから、エマルション型のラテックスを好ましく用いることができ、さらに塗膜強度の良好なことから、アクリル系樹脂のエマルション、ウレタン系樹脂のエマルション、及びスチレン系樹脂のエマルションをより好ましく用いることができる。
カチオン性を示す水不溶性合成樹脂ラテックスとしては、例えばカチオン変性されているもの等を挙げることができ、特開2003−211821号公報に記載のカチオン性有機粒子等が挙げられる。
光沢性および記録画像の発色濃度をより高くするために、エマルション中の樹脂含有粒子の平均粒子径は、0.01〜0.08μmであることが好ましく、0.02〜0.07μmであることがより好ましい。
バインダの配合量については、特定のコロイダルシリカ(固形分)100質量%に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。配合量が1質量%以上であることにより塗膜強度が増し、一方、配合量が10質量%以下であることにより充分なインク吸収性が得られる。
<最表層の形成>
本発明では、最表層はカチオン性コロイダルシリカを主成分として含有し、鏡面ドラムに圧接して形成される。
基材が紙基材の場合、最表層用塗工液を塗布後、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラム(例えば、キャストドラム等)に圧接し、乾燥後、鏡面ドラムより剥離することによって最表層表面にドラムの鏡面を写し取る、いわゆるキャスト法による表面仕上げをすることができる。
キャスト法としては、従来から印刷用塗工紙の分野で知られているウェットキャスト法、リウェットキャスト法、ゲル化キャスト法などが適用できる。
また、塗工層が鏡面ドラムに圧接される直前に、プレスロール上の塗工層面と鏡面ドラムの間に最表層用塗工液を付与し、直ちに圧接させて乾燥させる方式による鏡面仕上げ(以下、ニップキャスト法仕上げともいう)を施すこともできる。この方法により得られた記録体は、銀塩写真に匹敵する光沢および画質が得られるので好ましい方法である。
なお、最表層をキャスト加工により極めて高い光沢性を有するインクジェット記録体を得るため、最表層を形成させる支持体(最表層を除く基材と各塗工層全体)の透気度(JIS−P−8117)は3500秒以下であることが好ましく、2000秒以下がより好ましく、1500秒以下が更に好ましい。
また、ひび割れを防止し、乾燥効率を高くするためには、加熱された鏡面の表面温度は70〜120℃にコントロールされることが好ましい。
さらに、圧接された鏡面から最表層を剥離しやすくするために、離型剤、例えば、ステアリン酸アミド、ポリエチレンワックス、オレイン酸アンモニウム等を最表層用塗工液中に含有させてもよく、あるいは鏡面ドラムに塗布してもよい。中でも、特にカチオン系離型剤を用いることが好ましい。最表層塗工液中の離型剤の添加量は、特に限定はないが、一般に顔料100質量%に対して0.5〜10質量%であることが好ましい。
最表層の乾燥固形分塗工量は、0.1〜10g/mであることが好ましく、0.2〜5g/mであることがより好ましく、0.5〜2g/mであることがさらに好ましい。
塗工量が0.1g/mより少ないと、塗膜が過度に薄くなって光沢が低下し、また光による干渉色が生じやすい。一方、塗工量が10g/m以上であるとインク吸収速度が低下し好ましくない。
<塗工層>
本発明における塗工層は、基材と最表層の間に設けられるものであり、1層であっても
よく、複数の層であってもよい。
本発明における少なくとも最表層に隣接する塗工層(以下、第1塗工層と称する場合が
ある。)には、特定の乾式シリカ微分散物を含有することが好ましい。塗工層は、最表層で吸収しきれず、これを透過したインク中の着色料を素早く定着させ、高発色(高印字濃度)で均一な画像(ドットの真円性)を得ることと、最表層を設ける際に高光沢が得やすい高平滑、高成膜性の層を形成することとの両機能を併せ持つ層である。
写真の画質を実現するためには、インク中の着色料が定着する塗工層の透明性が重要となる。塗工層が透明であれば、塗工層中に定着した着色料が外部から見えるようになるため、画像に奥行き(深み)があり、より銀塩写真に近い画像が得られることとなる。
しかしながら、透明性が高い塗工層は、一般的にインクを吸収しにくいものとなるため、本発明において好ましい塗工層を得るには、成膜性とインク吸収性とを両立させることが重要なポイントになる。これを実現するためには、塗工層中に含有する顔料を単に小さくすることのみでは不充分である。
そこで、塗工層中に光の波長より大きい細孔をなくすこと、すなわち本発明の塗工層の細孔分布におけるピークを0.1μm以下にすることが効果的である。細孔分布におけるピークを0.1μm以下とすることにより、乾燥による毛管収縮力が大きくなりすぎることなく、塗工層塗膜のひび割れを抑制することができる。
また、光沢発現の面から、塗工層の細孔分布のピークは、最表層を構成する顔料粒子の平均粒子径より小さことが好ましい。最表層を構成する微細顔料粒子が、塗工層の細孔分布のピークより大きければ、微細顔料が塗工層に沈むことなく、より少ない微細顔料で高光沢性が実現可能となる。また、少ない顔料で最表層を形成しやすくなることにより、インク吸収性とともに、耐擦傷性も良好なものが得られる。
(顔料)
塗工層に含有される顔料は特に限定されるものではなく、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、乾式シリカ、メソポーラスシリカ、コロイド状に分散したシリカシード液にアルカリを添加した後に該シード液に対して活性珪酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも1種類からなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させて得る2次シリカ分散体、アルミナ、およびアルミナ水和物等が好ましく用いられる。
さらに、これらのなかで乾式シリカ微分散物が、塗工層の成膜性や印字後の画像濃度が良好なことから好ましく用いられ、その中でも平均1次粒子径が3〜40nmであり、平均粒子径が0.7μm以下のものがより好ましく用いられる。なかでも、インク中の染料および顔料などの着色料を固定しやすく、かつインク吸収速度、記録画像の発色濃度および光沢性を高めるために、平均1次粒子径が7〜13nmの複数の1次粒子が凝集してなる平均2次粒子径が0.01〜0.2μmの顔料粒子を用いることがさらに好ましい。
この特定粒子径を持つ乾式シリカ微分散物は、塗工層の透明性を高めることから、少なくとも最表層に隣接する塗工層に含有されることが好ましく、塗工層の細孔直径分布曲線におけるピークは実質的に0.1μm以下に制御することが好ましい。
顔料としてシリカ系顔料を使用する場合、シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子として用いることもできる。このシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子の調製は、例えば下記のようにして製造することができる。
(1)乾式シリカ微粒子を水中に分散し、必要に応じてこれを粉砕処理して平均粒子径を所望値まで低下させ、この分散液にカチオン性化合物を添加して、シリカ−カチオン化合物凝集体を形成させ、これに粉砕処理を施して、その平均粒子径を0.01〜0.7μmに調整する。
(2)シラン化合物、例えばテトラエトキシシランをテンプレートとしてアルキレンオキサイド重合体(例えば、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体)と、無機酸水溶液(例えば、塩酸水溶液)と、1,3,5−トリメチルベンゼンとを含む水性溶液中に添加し、得られた複合体を濾過採取し、乾燥して、シリカ−テンプレートの複合体粉末を調製する。この粉末を焼成して、メソポーラスシリカを調製する。このメソポーラスシリカを水中に分散し、これに粉砕処理を施して、メソポーラスシリカの平均粒子径を所望値に調整する。この分散液にカチオン化合物を添加して、メソポーラスシリカ−カチオン性化合物凝集体を形成させ、これに粉砕処理を施して、その平均粒子径を0.01〜0.7μmに調整する。
(3)ケイ酸ソーダ溶液を水で希釈し、この水溶液を水素型陽イオン交換樹脂により処理して活性ケイ酸水溶液を調製する。この活性ケイ酸水溶液の一部分を100℃に加熱された蒸留水に添加し、シリカ微粒子含有シード液を調製する。このシード液をアンモニア水により安定化し、100℃に加熱し、前記残余の活性ケイ酸水溶液を添加し、この混合液を100℃において加熱還流し、シリカ微粒子分散液を調製する。適当な濃度に調製されたシリカ微粒子分散液に、カチオン性化合物を混合し、生成したシリカ−カチオン性化合物凝集体の分散液を粉砕処理に供して、凝集体粒子の平均粒子径を0.01〜0.7μmに調整する。
上記(1)〜(3)の方法の中でも、(1)が好ましく用いられる。
前述のように、シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られたシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子は、平均粒子径が0.7μm以下になるように粉砕し用いることが好ましい。
この場合、カチオン性化合物は、コロイダルシリカにカチオン化に用いたカチオン性化合物と同様のものが挙げられ、なかでも特にインク中の染料および顔料の定着性、分散性が向上することから、1)5員環アミジン類、および2)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウム等のアルミニウム塩を用いることが好ましい。
ここでいう平均粒子径が0.7μmの顔料粒子は、例えば機械的手段で強い力を施す方法、いわゆるbreaking down法(塊状原料を細分化する方法)により製造することが可能である。
機械的手段としては、超音波ホモジナイザ、圧力式ホモジナイザ、液流衝突式ホモジナイザ、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を杵状撹拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダ、ナノマイザ等が挙げられる。粒子径を小さくするために、分級と粉砕とを繰り返して施すことができる。
(塗工層用バインダ)
塗工層に用いられるバインダーは、後述する塗工層の形成方法の種類によって適宜選択されて使用される。
<第2塗工層>
本発明では、基材のボコツキ改善や平滑感の向上、インク吸収性と表面光沢性の向上などの目的で、基材と、最表層に隣接する塗工層(第1塗工層)との間に、第2塗工層、第3塗工層というように複数の塗工層を設けてもよい。以下、これらの層を含めて第2塗工層と称する。
第2塗工層は、インク中の溶媒を素早く第1塗工層より分離することを主目的とするものである。一方、第1塗工層を設ける目的は、インク中の着色料を素早く定着させ、高発色(高印字濃度)、均一な画像(ドットの真円性)を得ることである。従って、第2塗工層が溶媒を素早く分離することで、第1塗工層はインク中の着色剤をすばやく定着させることが可能になる。
このような第2塗工層及び第1塗工層の機能により、本発明のインクジェット記録体は溶媒をすばやく分離することでインク吸収速度が速く、画像の均一性が極めて優れたものとなる。なお、第2塗工層には、顔料、バインダ等を適宜配合することができる。
(第2塗工層用顔料)
顔料としては、一般の塗被紙分野で公知公用の各種顔料が挙げられ、例えば、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、湿式法シリカ、コロイド状に分散したシリカシード液にアルカリを添加した後に該シード液に対して活性珪酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも1種類からなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させて得る2次シリカ分散体(特開平2001−354408号公報に記載)、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、アルミナシリケート、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、二酸化チタン、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント等が用いられる。中でも、市場に多く販売されており、コストが安く、選択幅も極めて広く、また、後計量方式の塗工が可能で、乾燥も高温、高風量による効率乾燥が可能であり、低コストで第2塗工層を製造することが可能であり、さらに塗膜の水分変化による細孔の毛細管力の変化が小さいため、環境変化によるカールは殆ど発生しない等の理由から、湿式法シリカが最も好ましく用いられる。また、表面光沢性の改善には薄板状のカオリンとの混合が有用である。これら顔料は、単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
第2塗工層の顔料は、良好なインク吸収性と表面光沢性を得るために、細孔直径分布曲線におけるピークが0.1〜10μmに少なくとも1つあることが好ましい。特に限定するものではないが、平均1次粒子径が3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒子径0.7〜3μmの顔料が好ましく、平均1次粒子径が5〜25nmの1次粒子が凝集してなる平均粒子径1.0〜2.5μmの顔料がより好ましい。
第2塗工層中の顔料の平均粒子径は、ひび割れ制御とインク吸収性のバランスが良好なことから、第1塗工層の2倍以上であり、3〜50倍であることが好ましく、5〜10倍であることがより好ましい。
(第2塗工層用バインダ)
バインダは、特に限定されるものではなく、ポリビニルアルコールのような水溶性樹脂バインダや水不溶性合成樹脂ラテックス類等が挙げられる。中でも、エマルション型ラテックスを主成分とすることが好ましく、その中でも、アクリル系エマルション型ラテックス、ウレタン系エマルション型ラテックスがより好ましい。高分子ラテックスを使用することにより塗膜強度が向上し、第1塗工層に含有されるポリビニルアルコールの架橋剤の影響で塗膜が脆くなることも殆ど起こらない。また、インク吸収性などを調整するために他の水溶性樹脂バインダを含有しても問題はない。
顔料とバインダの比率は、インク吸収性と塗膜強度のバランスの点から、顔料100質量%に対してバインダが10〜50質量%であることが好ましい。
なお、本発明の各塗工層は、顔料とバインダ、カチオン性化合物に加えて、一般の塗被紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜含有していてもよい。
<裏面層>
本発明では、上記の最表層等を設けていない基材のもう一方の面側である裏面に、写真の風合いやインクジェット記録体のカール防止及び搬送性などの改良のために、裏面層を設けてもよい。裏面層には、特に限定するものではないが、顔料とバインダ系(例えば、コロイダルシリカとアクリル系エマルション型バインダ等)、有機エマルション系(例えば、アクリル系エマルション型バインダ等)、親水性・疎水性の接着剤系(例えば、ポリビニールアルコールの塗膜)、ラミネート(例えば、ポリエチレン等)等からなるものが挙げられる。中でも、写真の風合いが向上することから、ポリエチレンによるラミネートが最も好ましく設けられる。
さらに、裏面にインクジェット記録体や他の記録体を貼り合わせて両面記録体としたり、裏面に粘着剤層を形成してラベルとしたり、磁気カードやICカードの表面に貼り合わせてカードとしたりなど、公知の手段を施すことができる。
≪インクジェット記録体の製造方法≫
インクジェット記録体の製造方法について、以下に詳述する。
<塗工層の形成>
塗工層を形成するためには、例えば、顔料とバインダを含有する塗工層用塗工液を塗布すると同時に、または、塗工層用塗工液を塗布した塗液層の乾燥途中に、該塗液層が減率乾燥速度を示す前に、塗工液を増粘または架橋させて成膜して製造することが有効である。
具体的には、下記(A)〜(C)に挙げる方法が例示でき、適宜採用できるがこれらの方法に限るものではない。
なお、ここでの塗工層の形成方法は、最表層に隣接する塗工層に限るものではない。
例えば、
(A)電子線照射によりハイドロゲルを形成する親水性樹脂を含有し、塗工の直後に、または、塗工された塗液層の乾燥途中であって、該塗液層が減率乾燥速度を示す前に、電子線照射して塗液層を増粘(ハイドロゲルを形成)させる方法、
(B)塗工層がバインダを含有する塗液であり、塗工の直後に、または、塗工された塗液層の乾燥途中であって、該塗液層が減率乾燥速度を示す前に、バインダとの架橋性を有する化合物で塗料を増粘、架橋させる方法、
(C)例えばバインダとして感温性高分子化合物(特開2003−40916号公報に記載された一定温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す)を含有させ、塗工の直後に塗液層温度を低下させることによって塗液層を増粘させる方法、
等が例示できる。
上記(A)及び(B)の方法で塗工層を形成する場合、バインダとしてはインクジェット記録体用として使用される公知のバインダが使用できる。
例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体などの水溶性樹脂が挙げられる。中でも、特に顔料との接着性が高いポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
さらに、成膜性とインク吸収性とのバランスを良好にするためには、2000以上の重合度を有するポリビニルアルコールを用いることが好ましく、重合度3600〜5000のポリビニルアルコールを用いることがより好ましい。また、インク吸収性を改善するために、2種以上のバインダ用材料(例えば、2種以上の水溶性樹脂の混合物、1種以上の水溶性樹脂と1種以上のラテックスとの混合物)を用いてもよい。
バインダとの架橋性を有する化合物としては、各種公知の架橋剤、ゲル化剤が使用できる。ポリビニルアルコールに対する架橋性を有する化合物としては、グリオキザールなどのアルデヒド系架橋剤、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤、ビスビニルスルホニルメチルエーテルなどのビニル系架橋剤、ホウ酸およびホウ砂などのホウ素含有化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等などが例示できる。中でも、ホウ素含有化合物は、増粘またはゲル化が早く生じるので特に好ましい。
ホウ素含有化合物としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことである。具体例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが、塗料を適度に増粘させる効果があるために好ましく用いられる。
ホウ素化合物の含有量は、ホウ素化合物及びポリビニルアルコールの重合度にもよるが、基材の片面に0.01〜2.0g/m含有されることが好ましい。含有量が2.0g/m以下であることにより、親水性バインダとの架橋密度が高くなりすぎず、塗膜強度を良好なものにできる。一方、含有量が0.01g/m以上であることにより、親水性バインダとの架橋が強まり、塗料のゲル化を促進して塗膜がひび割れしにくいものとなる。
塗工層は、例えば、架橋剤を予め塗工層に塗布・含浸させておき、塗工層用塗液を塗布する、または、塗工層用塗液に架橋剤を配合しておき塗布する、または、塗工層用塗液を塗布後、架橋剤を塗布する等の方法により製造される。中でも、架橋剤を予め塗布しておくことにより、増粘またはゲル化を均一に起こすことができるため好ましい。
塗工層における顔料とバインダとの乾燥固形分質量比率は、顔料100質量部に対して2〜50質量%であることが好ましい。中でも、インク吸収性と塗膜強度のバランスがさらに良くなることから、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることがさらに好ましい。バインダ量が50質量%以下であることによりインク吸収速度が制御されてビーディングの発生を抑制することができ、バインダ量が2質量%以上であることにより塗膜の強度を増強することができる。
塗工層の乾燥固形分塗工量には、制限はないが、一般に1〜40g/mであることが好ましく、3〜30g/mであることがより好ましい。塗工量が1g/m以上であることにより、高精細・高速のプリンタにおけるインク吸収性が充分なものとなり、塗工量が40g/m以下であることにより塗膜のひび割れが起こりにくくなる。
インク吸収速度とインク吸収容量のバランスをよくするためには、塗工層の塗工量は最表層の塗工量の3〜50倍であることが好ましく、7〜30倍であることがより好ましく、10〜25倍であることがさらに好ましい。
塗工層を形成するための塗工装置としては、ブレードコータ、エアーナイフコータ、ロールコータ、バーコータ、グラビアコータ、ロッドブレードコータ、リップコータ、カーテンコータおよびダイコータ等の各種塗工装置が挙げられる。
また、スライドビードコータなどを用い、第2塗工層と第1塗工層、あるいは複数の第2塗工層を同時に塗工することもできる。2層以上の塗工層を塗工する場合は、下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法、すなわち、Wet on Wet法を用いることが好ましい。
また、電子線照射を施す方法として、(1)塗工、電子線照射、乾燥を繰り返してもよいし、(2)塗工し電子線照射後に次の層を塗工して乾燥してもよく、(3)多層を同時に塗工し、電子線照射を行ってもよい等の方法がある。
本発明において、基材上に設けられる塗工層と、次に詳述する最表層については、透明性が高いほど記録画像の発色濃度も高くなる傾向がある。
そのため、塗工層および最表層のそれぞれのヘイズ度(JIS K 7105)は、3〜30%であることが好ましく、3〜15%であることがより好ましい。また、塗工層と最表層のヘイズ度の和は、5〜40%であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましい。
(インク)
本発明のインクジェット記録体にインクジェット記録するためのインクは、像を形成するための色素と、この色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分として含み、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を添加して調製される。
インクに使用される染料又は顔料としては、従来公知のものが挙げられ、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種着色顔料等を用いることができる。
インク中の染料及び顔料の含有量は、インクの溶媒成分の種類、インクに要求される特性などにより設定される。本発明に使用されるインクの場合も、従来のインク中における染料及び顔料の含有量である0.1〜20質量%に設定することができる。
前記インク用溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
[紙基材]
木材パルプ(LBKP;ろ水度400mlCSF)100質量部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス)5質量部、市販サイズ剤0.05質量部、硫酸バンド1.5質量部、湿潤紙力剤0.5質量部、澱粉0.75質量部よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて坪量180g/mの紙基材を製造した。
[カチオン性シリカ微粒子A]
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA300、平均1次粒子径 約8nm)を用い、ホモミキサにより分散した後、平均粒子径が50nmになるまで高速流衝突型ホモジナイザで粉砕分散し、10質量%のシリカの水分散液を調製した。
前記10質量%水分散液100質量部に、5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700、分子量30万)10質量部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザで更に分散し、平均粒子径が0.10μmのシリカ−カチオン性化合物の10質量%水分散液を調製した。
(実施例1)
[塗工液A]
カチオン性シリカ微粒子A100質量部に対して、バインダとしてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−235、重合度3500、けん化度88.5%)18質量部を混合して、水分散液(シリカ濃度10質量%)を調製した。
[塗工液B]
平均1次粒子径30nmのカチオン性コロイダルシリカ(グレース社製SJ4000C、粒子径分布のピーク:20nm、55nmの2つ、55nmの方がピークが大きい)100質量部、バインダとしてカチオン変性アクリル系エマルションラテックス(平均粒子径30nm)7質量部、カチオン系の離型剤(カチオン変性ポリエチレンワックスエマルジョン)5質量部を水中で混合して水分散液(シリカ濃度5質量%)を調製した。
[インクジェット記録体の作製]
紙基材(王子製紙社製、マシュマロ209g/m)の一方の面側に、塗工液Aを塗工量が20g/mになるように塗工した後、直ちに窒素ガス環境下で電子線照射装置(ESI社製エレクトロカーテン)により加速電圧175kV、照射線量50kGyの電子線を照射した。照射後の塗工面は塗料がゼリー状の固体となっており、ハイドロゲル化していた。引き続き、このハイドロゲル化した塗工液層を乾燥させて第1塗工層を形成した。
さらに、この第1塗工層上に塗工液Bを塗工量が2g/mになるように塗工し後、直ちに表面温度が90℃の鏡面ドラムに圧接して乾燥し、剥離させてインクジェット記録体を作製した。
(実施例2)
実施例1において、最表層用塗工液Bに代えて下記塗工液Cを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。
[塗工液C]
平均1次粒子径40nmのカチオン性コロイダルシリカ(グレース社製SJ4001、粒子径分布のピーク:20nm、30nm、45nm、80nmの4つ、30nmが最もピークが大きい)に変更した以外は、塗工液Bと同様に調製した。
(実施例3)
実施例2において、最表層用塗工液Cに代えて下記塗工液Dを用いた以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録体を作製した。
「塗工液D」
塗工液Cのバインダーを、ポリビニルアルコール(重合度1700)に変更した以外は、塗工液Cと同様に調製した。
(実施例4)
実施例3において、最表層用塗工液Dに代えて下記塗工液Eを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録体を作製した。
「塗工液E」
5員環アミジン系カチオン樹脂(ハイモ社製、商品名:SC−700)5質量部(予め5質量%水溶液に調製)に、平均1次粒子径40nmのアニオン性コロイダルシリカ(グレース社製SJ4000A、粒子径分布のピーク:20nm、40nm、60nmの3つ、40nmが最もピークが大きい)100質量部を混合し、5質量%の水溶液を調製した。該水溶液をホモジナイザ(圧力1000kg)で処理し、コロイド状に分散した平均1次粒子径40nmのカチオン性コロイダルシリカ(粒子径分布のピーク:20nm、40nm、60nmの3つ、40nmが最もピークが大きい)を得た。
(実施例
紙基材上に予め下記第2塗工層を設け、第2塗工層上に3質量%のホウ砂水溶液を乾燥塗工量が1.5g/mになるように塗布した。その上に、第1塗工層用塗工液Aを塗工量(固形分)が20g/mになるように、Wet on Wet法(ホウ砂水溶液が未乾燥のうちに第1塗工層塗料を塗工)により塗工、乾燥して第1塗工層を形成した。
次に、この第1塗工層上に塗工液Dを塗工量(固形分)が2g/mとなるように塗工した後、湿潤状態にある間に、表面温度が90℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥し、剥離させてインクジェット記録体を作製した。
「第2塗工層」
平均粒子径0.5μmのゲル法シリカゾル(グレース社製、商品名:705A)100質量部にスチレンブタジエンラテックス(JSR社製、商品名:OJ−1000)60質量部を添加し、シリカ濃度20質量%の塗工液を調製した。該塗工液を実施例1の紙基材に10g/mになるように塗工し、乾燥して第2塗工層を得た。
(比較例1)
第1塗工層上に最表層を2g/mとなるようにバーで塗工して、120℃の熱風乾燥機で5分間乾燥し、キャスト処理しないこと以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を作製した。
(比較例2)
実施例2のコロイダルシリカを酸性アニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−OL、平均1次粒子径45nm、粒子径分布:50nmにピーク1つ)に変更した以外は、実施例2と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
(比較例3)
実施例2のコロイダルシリカを酸性アニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−PS−MO、平均1次粒子径120nm、粒子径分布:5〜100nmにピークなし)に変更した以外は、実施例2と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
(比較例4)
実施例2のコロイダルシリカを平均会合度が2のアニオン性コロイダルシリカ(扶桑化学社製、商品名:PL−2、平均1次粒子径45nm、粒子径分布:50nmにピーク1つ)に変更した以外は、実施例2と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
(比較例5)
実施例3のコロイダルシリカをカチオン変性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:ST−AKL、平均1次粒子径45nm、粒子径分布:50nmにピーク1つ)に変更した以外は、実施例3と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
<評価方法>
インクジェット記録体のインク吸収性、記録画像の発色性、光沢性、顔料インク適性、及びキャスト適性について、下記に示す方法で評価しその結果を表1に示した。
なお、記録画像の発色性の評価は、記録画像の色濃度を測定することにより行った。
インクジェットプリンタには、EPSON社製、商標:PM−G820、印字モード:EPSON写真用紙、高精細モードを用いた。
なお、顔料インク適性の評価の場合のみ、EPSON社製、商標:PX−G900、印字モード:EPSON写真用紙、きれいモードを用いた。
「インク吸収性(印字斑)」
インクジェット記録体にグリーン色インクをベタ印字し、ベタ印字画像中に斑があるかどうかを目視で観察し、下記の3段階にて評価した。
印字斑は、先に打ち込まれたインクが、インクジェット記録体の塗工層に完全に吸収されないうちに、次のインクが飛来して表面で重なった場合に生ずる現象であり、インク吸収速度が遅くなると、顕著に現れるものである。
◎:印字斑は全く見られない。
:印字斑は少し見られるが、実用上問題ないレベル。
△:印字斑が多く、実用上問題あり。
「記録画像の発色性(色濃度)」
インクジェット記録体に黒色インクでベタ印字し、その色濃度をマクベス反射濃度計(モデル:Gretag Macbeth RD−19、マクベス社製)で測定した。尚、色濃度を測定する場合のみ、印字モードをEPSON写真用紙、きれいモード、色補正なしに設定した。
「光沢性」
インクジェット記録体に、ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印刷し、その画像を記録体表面に対して傾斜している角度から目視し、下記の4段階にて評価した。
◎:銀塩写真と同レベルの光沢感がある。
○:高い光沢感であるが、銀塩写真よりは劣るレベル。
△:印刷用紙並で光沢感があまりない。
「顔料インク適性」
インクジェット記録体に黒色顔料インクでベタ印字し、ベタ印字部の均一性、及び記録工程において搬送ロールにより形成された拍車跡を下記4段階にて評価した。
◎:印字斑、拍車跡は殆ど見られない。
○:印字斑、拍車跡が見られるが、実用上問題ないレベル。
△:印字斑、拍車跡が多く、実用上問題あり。
「耐擦傷性」
インクジェット記録体表面を爪で擦り、傷の程度を下記の方法で評価した。
○:傷が殆ど見られない。
△:傷が見られ、実用性上問題あり。
「キャスト適性」
鏡面ドラムからインクジェット記録体を剥離した後、鏡面にインクジェット記録体表面
層の顔料の残留があるかどうかを下記の基準で評価した。
○:全くなかった。
△:少し見られた。
×:汚れた。
Figure 0004301206
表1から、最表層に平均1次粒子径が5〜100nmであり、該1次粒子の粒子径分布のピークが5〜100nmの間に2つ以上あるカチオン性コロイダルシリカを主成分として含有し、該カチオン性コロイダルシリカ含有塗工液が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムで圧接処理する実施例のインクジェット記録体は、良好なインク吸収性と高い光沢性とを両立することができ、他のいずれの評価項目についても良好な結果であった。
一方、前記コロイダルシリカとは異なるコロイダルシリカを含有する比較例のインクジェット記録体は、良好なインク吸収性と高い光沢性とを両立することができない、またはいずれかの評価項目に劣るものであった。
したがって、本発明によれば、良好なインク吸収性と高い光沢性とを両立し、様々なインクジェット記録体の要求特性(記録画像の発色性、顔料インク適性)を満たすとともに耐擦傷性にも優れ、さらにキャスト適性にも優れたインクジェット記録体を提供できることが確認された。
コロイダルシリカ粒子の分散体を示し、単分散体の場合(a)と、2次分散体の場合(b)〜(d)を示す模式図である。
符号の説明
10 単分散体
20 2次分散体
30 単粒子

Claims (5)

  1. 基材の少なくとも一方の面側に、塗工層と最表層とを順次設けインクジェット記録体の製造方法において、基材は紙基材であり、最表層は、平均1次粒子径が5〜100nmであり、かつ前記1次粒子の粒子径分布のピークが5〜100nmの間に2つ以上あるカチオン性コロイダルシリカを主成分として含有する塗工液を塗工し、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接し表面処理して形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法
  2. カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大ピークが粒子径10〜50nmにある請求項1記載のインクジェット記録体の製造方法
  3. カチオン性コロイダルシリカの1次粒子の粒子径分布の2つ以上のピークのうち、最大の粒子径のピークが50〜100nmにある請求項1又は2記載のインクジェット記録体の製造方法
  4. 最表層に親水性樹脂を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法
  5. 塗工層の少なくとも最表層に隣接する層に、平均1次粒子径が3〜40nmであり、平均粒子径が0.7μm以下の乾式シリカ微分散物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法
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